JP6588755B2 - ピックル液 - Google Patents

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本発明はピックル液に関する。特に、セルロース複合体と蛋白類とを高濃度で含むピックル液に関する。
食肉製品に使用される食肉中には、部位や飼育の程度によっても異なるが、約60〜70%の水分が含まれる。この水分の一部は、調理工程や製造工程で高い熱負荷が加わった場合、蒸発してしまう。したがって、特にトンカツやからあげなど、衣がある食肉加工品では、蒸発した水分による押し上げにより衣が浮いてしまい、該食肉加工品を包丁等で切断した際、断面の外観を著しく低下させてしまう問題があった。このため、調理工程や製造工程で高い熱負荷が加わった場合でも離水を抑制することで、衣部分の浮きを抑制し、包丁などで切断した際の断面を均一にすることができるピックル液が求められてきた。さらに、小売店の保温容器(ホットベンダー)内で販売されている食肉加工品は、高温で長時間保存していると肉中の水分や油分が浸み出してしまい、食肉自体が硬くなり、更に浸み出した水分や油分が衣部分に移行することでサクサク感が失われ、食感が著しく低下してしまう問題があった。このため、高温で保存した際でも、肉中から衣部分への水分や油分の浸み出しを抑制し、食感を維持することができるピックル液が求められてきた。
これまで、セルロースを含んだピックル液や食肉用の添加剤と蛋白類を含んだピックル液について、様々な検討がなされている。
特許文献1には、微細セルロースを分散してなることを特徴とする食肉加工用ピックル液について記載されている。
特許文献2には、微細セルロース10〜90重量%、半精製カラギーナン10〜90重量%からなる複合体であることを特徴とする肉製品用の安定剤について記載されている。
特許文献3には、食肉100重量部に対して、平均粒径が10μm以下の結晶セルロースを0.01〜10質量部混合し、油で揚げることを特徴とする食肉加工製品の製造法について記載されている。特許文献3の実施例においては結晶セルロース製剤を食肉に粉体のまま混合しているが、段落[0014]には、結晶セルロースを分散したピックル液を食肉に注射することの記載もある。
特許文献4には、肉100重量部に対し、有機酸塩0.1〜5.0重量部および繊維性の食品素材0.1〜5.0重量部をそのまま、或いはそれらを調味液または水に5〜50重量部の割合で溶解または懸濁させたものを注入または混合する、食肉加工製品の歩留まり向上方法について記載されている。この繊維性の食品素材として、セルロース類もしくはタンパク質系の素材食品または同等の効果を有する食品添加物を、単独あるいは数種混合して使用すると記載されており、実施例ではセキセルDPが使用されている。セキセルDPは、セルロースの水酸化ナトリウム水溶液に澱粉を溶解させ繊維状に紡糸した成形体である。
特許文献5には、食用肉塊に、不溶性セルロースに代表される食物繊維、カードラン、及び異種タンパクを含むピックル液をインジェクションし、食用肉塊中の食物繊維含量が0.25〜3.0重量%、カードラン含量が0.008〜0.4重量%、異種タンパク含量が0.5〜5.0重量%及びリン酸塩含量が0〜0.25重量%となるように仕込みをすることを特徴とする食肉加工品の製造方法について記載されている。
特許文献6には、大豆蛋白質及び/又は大豆蛋白質分解物を含有するピックル液を原料肉にインジェクションし、該インジェクション後の原料肉をタンブリングした後、1−3日間冷凍し、次いで成型・スライスして衣を付与し、フライすることを特徴とする、畜肉フライ製品の製造方法について記載されている。
特開平8−51956号公報 特開平11−46723号公報 特開2011−72285号公報 特開平6−343423号公報 特開2012−157291号公報 特開平5−328939号公報
上記の通り、セルロースを含んだピックル液や食肉用の添加剤と蛋白類を含んだピックル液について様々な検討がなされている。
特許文献1に記載されている食肉加工用ピックル液は、ロースハムの保水性に効果を奏した旨の実施例が記載されている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者が特許文献1の実施例に記載された処方のピックル液を配合したトンカツを作製して、衣の浮きを抑制する効果を検証したところ、効果は十分ではなかった。さらに、高温保存後の食感に関しても十分とは言えなかった。
特許文献2に記載されている肉製品用安定剤に含まれる微細セルロースと半精製カラギーナンの複合体は、ハンバーグの食感・歩留まりに効果を奏した旨の実施例が記載されている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者が特許文献2の実施例に記載された処方の安定剤を配合したトンカツを作製して、衣の浮きを抑制する効果を検証したところ、効果は十分ではなかった。さらに、高温保存後の食感に関しても効果は不十分であった。
特許文献3に記載されている、食肉100質量部に対して平均粒径が10μm以下の結晶セルロースを0.01〜10質量部混合して油で揚げる製造方法は、チキンナゲット・さつま揚げの歩留り向上と食感に効果を奏した旨の実施例が記載されている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者が特許文献3の実施例に記載された処方の結晶セルロースを配合したトンカツを作製して、衣の浮きを抑制する効果を検証したところ、衣の浮きを抑制する効果は確認できなかった。さらに、高温保存後の食感に関しても効果は十分ではなかった。
特許文献4に記載されている、有機酸塩と繊維性の食品素材を含んだピックル液は、繊維質としてセルロースを使用しても良いとの記載はあるが、結晶セルロースと親水性ガムからなるセルロース複合体を用いての検証は行っていない。比較例で詳しく後述するが、有機酸塩として乳酸ナトリウム、セルロースとして粉末セルロース、蛋白質系の素材食品として大豆蛋白及びホエー蛋白を使用したピックル液を作製し、衣の浮きの抑制効果について検討を行ったが、衣の浮きを抑制する効果は確認できなかった。また、高温保存後の食感に関しても効果は十分ではなかった。
特許文献5に記載されている、不溶性セルロースに代表される食物繊維、カードラン、異種タンパクを含むピックル液は、ロースハムと焼き豚の食感に効果を奏した旨の実施例が記載されている。不溶性セルロースとして、粉末セルロース及び結晶セルロースを挙げているが、結晶セルロースと親水性ガムからなるセルロース複合体を用いた検証は行われていない。そして、後述の比較例で示すように、本発明者が特許文献5の実施例に記載された処方のピックル液を配合したトンカツを作製して、衣の浮きを抑制する効果について検討を実施したが、衣の浮きを抑制する効果は確認できなかった。また、高温保存後の食感に関しての効果は充分ではなかった。
特許文献6には、大豆蛋白質及び/又は大豆蛋白質分解物を含有するピックル液を原料肉にインジェクションし、該インジェクション後の原料肉をタンブリングした後、1−3日間冷凍し、次いで成型・スライスして衣を付与し、フライし、畜肉フライ製品を作製する方法が記載されており、フライ後の衣のはがれ、歩留まりの低下、食感不良を抑制し、しなやかで肉汁感を有する畜肉フライ製品が得られるとしている。しかしながら、後述の比較例で示すように、本発明者が特許文献6の実施例に記載された処方のピックル液を配合したトンカツを作製して、衣の浮きを抑制する効果について検討を実施したが、その効果は十分とは言えず、また、食肉本来の味や香り立ちをマスキングしてしまう問題があった。さらに、高温保存後の食感に関しての効果は充分ではなかった。
したがって、本発明は、インジェクションまたは浸漬などの方法によって食肉加工品に配合されるピックル液において、調理工程、製造工程、保存工程で高い熱負荷が加わった際の、水分や油分の浸みだしによる食肉加工品の衣部分の浮き、食感の低下、及び食肉本来の香り立ちのマスキングを抑制することを課題とする。
上記課題の解決に当たって、本発明者らは、高い熱負荷による水分や油分の浸みだしに起因する、食肉加工品の衣の浮きと食感の低下のメカニズムを以下のように考察した。
つまり、理論に拘束されるわけではないが、衣の浮きは、調理工程や製造工程において油調や焼成などによって高い熱負荷が掛かることにより、食肉中、及び/又はピックル液中の水分の一部が蒸発し、蒸発した大量の水分により食肉加工品の衣部分が押し上げられることによって生じるものと推定した。
また、高温保存後の食感の低下は、ピックル液を配合した食肉加工品を高温で保存する工程において、高い熱負荷が掛かることにより、食肉中に含まれる水分や油分が浸み出すことで、食肉自体が硬化し、更にその水分や油分を衣部分が吸収することによって生じるものと推定した。
本発明者らは、上記のような推定を考慮しつつ鋭意検討した結果、インジェクションまたは浸漬などの方法によって食肉加工品に配合されるピックル液において、水に2質量%の割合で分散させた時の降伏値が0.2Pa以上であることを特徴とするセルロース複合体と蛋白類とを高濃度配合することにより、上記の問題を解決しうるとともに、大豆蛋白等の異種蛋白類の添加によって引き起こされる食肉本来の香り立ちのマスキングを抑制できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は下記の通りである。
(1) 0.05質量%以上の結晶セルロースと親水性ガムからなるセルロース複合体、及び3質量%を超える量の蛋白類を含むピックル液であって、該セルロース複合体は、結晶セルロースを30〜99質量%含み、且つ水に2質量%の割合で分散させた時の降伏値が0.2Pa以上であることを特徴とするピックル液。
(2) 降伏値が0.2Pa以上である、上記(1)に記載のピックル液。
(3) 前記蛋白類がホエー蛋白を含み、該ホエー蛋白がピックル液全体に対し0.1質量%以上含まれる、上記(1)または(2)に記載のピックル液。
(4) 前記セルロース複合体の含有量が0.1〜5質量%である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のピックル液。
(5) 前記親水性ガムがキサンタンガムである、上記(1)〜(4)のいずれかに記載のピックル液。
(6) 陰イオン性多糖類を更に含む、上記(1)〜(5)のいずれかに記載のピックル液。
(7) 前記陰イオン性多糖類がサイリウムシードガムである、上記(6)に記載のピックル液。
(8) 食肉100質量部に対し、上記(1)〜(7)のいずれかに記載のピックル液を1〜70質量部配合した食肉加工品。
本発明のピックル液は、該ピックル液を注入した食肉加工品の衣部分が押し上げられ、衣部分と肉部分の間に生じる隙間を抑制する効果があり、また、肉惣菜に配合した際、高温保存時の食肉部分からの水分や油分の浸みだしを抑制する効果があり、且つ配合した食肉加工品の香り立ちをマスキングを防止する効果を有する。
図1は、本発明における降伏値測定方法の概要を示す。
本発明について、具体的に説明する。
<ピックル液>
ピックル液とは、水、並びに、食塩、糖、リン酸塩、発色剤、調味料、蛋白質、油脂、増粘剤、保存料、酸化防止剤、香辛料及び乳化安定剤からなる群より選択される1種以上の成分を含む液状組成物であり、結着性(保水性)の改善を主な目的とし、その他保存性の向上、食感の改善、発色性の改善、抗菌性の向上、味付けを従たる目的として食品にインジェクション又は浸漬などの方法によって配合される溶液のことである。ピックル液の使用対象となる食品は主に食肉(ハム類や焼き豚等に加工した食肉製品も含む)である。
本発明のピックル液は、結晶セルロースと親水性ガムからなるセルロース複合体及び蛋白類を含むピックル液である。本発明のピックル液に含まれるセルロース複合体は、水に2質量%の割合で分散させた時の降伏値が0.2Pa以上であることを特徴とする。また、本発明のピックル液は、当該セルロース複合体とともに3質量%を超える量で蛋白類を含有することを特徴とする。
<結晶セルロース>
本発明において、「結晶セルロース」とは、天然セルロース系物質を酸で部分的に解重合して精製したものをいう。天然セルロース系物質としては、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビートなどの植物から得られるセルロース、ホヤから得られるセルロース、酢酸菌などのバクテリアから得られるセルロース等が挙げられる。原料として、これらのうちの1種の天然セルロース系物質を使用してもよいし、2種以上を混合したものを使用することも可能である。
<結晶セルロースの平均重合度>
本発明に用いる結晶セルロースは、平均重合度が500以下であることが好ましい。平均重合度は、「第14改正日本薬局方」(廣川書店発行)の結晶セルロース確認試験(3)に規定される銅エチレンジアミン溶液による還元比粘度法により測定できる。平均重合度が500以下ならば、親水性ガムとの複合化の工程において、セルロース系物質が攪拌、粉砕、摩砕等の物理処理を受けやすくなり、複合化が促進されやすくなるため好ましい。より好ましくは、平均重合度は300以下、さらに好ましくは、平均重合度は250以下である。平均重合度は、小さいほど複合化の制御が容易になるため、下限は特に制限されないが、好ましい範囲としては10以上である。
<結晶セルロースの製造方法>
平均重合度を制御した結晶セルロースを製造する方法としては、天然セルロース系物質の加水分解処理が挙げられる。加水分解処理によって、天然セルロース系物質内部の非晶質セルロースの解重合が進み、平均重合度が小さくなる。また同時に、加水分解処理により、上述の非晶質セルロースに加え、ヘミセルロースや、リグニン等の不純物も取り除かれるため、該天然セルロース系物質内部が多孔質化した結晶セルロースが得られる。更に、そのような加水分解処理により、後の混練工程等で結晶セルロースと親水性ガムを複合化するために機械的せん断力を与える際に、結晶セルロースが機械処理を受けやすくなり、結晶セルロースが微細化されやすくなる。その結果、結晶セルロースの表面積が高くなり、親水性ガムとの複合化の制御が容易になる。
加水分解の方法は特に制限されないが、酸加水分解、熱水分解、スチームエクスプロージョン、マイクロ波分解等が挙げられる。これらの方法は、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
酸加水分解の方法では、天然セルロース系物質を水系媒体に分散させた状態で、プロトン酸、カルボン酸、ルイス酸、ヘテロポリ酸等を適量加え、攪拌しながら加温することにより、容易に平均重合度を制御できる。この際の温度、圧力、時間等の反応条件は、セルロース種、セルロース濃度、酸種、酸濃度により異なるが、目的とする平均重合度が達成されるよう適宜調製され得るものである。例えば、2質量%以下の鉱酸水溶液を使用し、100℃以上、加圧下で、10分以上セルロースを処理するという条件が挙げられる。鉱酸としては例えば塩酸が使用できる。この条件のとき、酸等の触媒成分がセルロース繊維内部まで浸透し、加水分解が促進され、使用する触媒成分量が少なくなり、その後の精製も容易になる。
<結晶セルロースの粒子形状(L/D)>
セルロース複合体中の結晶セルロースは、微細な粒子状の形状であることが好ましい。結晶セルロースの粒子形状は、セルロース複合体を1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた水分散体を、0.1〜0.5質量%に純水で希釈し、マイカ上にキャストし、風乾されたものを高分解能走査型顕微鏡(SEM)、又は原子間力顕微鏡(AFM)で計測した際に得られる粒子像の長径(L)と短径(D)の比(L/D)で表され、100個〜150個の粒子の平均値として算出される。
L/Dは、懸濁安定性の点で20未満が好ましく、15以下がより好ましく、10以下がさらに好ましく、5以下が特に好ましく、5未満が格別に好ましく、4以下が最も好ましい。L/Dの下限はその定義より1である。
<セルロース複合体>
本発明におけるセルロース複合体とは、結晶セルロースの表面が、水素結合等の化学結合により、親水性ガムで被覆された複合体のことである。
<親水性ガム>
結晶セルロースと複合化する親水性ガムとは、化学構造の一部に糖又は多糖を含む親水性高分子物質のことである。ここで親水性とは、常温の純水に一部が溶解する特性を有することである。定量的に親水性を定義すると、化学物質0.05gを、50mLの純水に攪拌下(スターラーチップ等)で平衡まで溶解させ、目開き1μmのメンブレンフィルターで処理した際に、通過する成分が、該化学物質中に1質量%以上含まれることである。親水性ガムとして多糖類を用いる場合には、以下のものが好適である。
例えば、サイリウムシードガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドシードガム、カラヤガム、キトサン、アラビアガム、ガッティガム、トラガントガム、寒天、カラギーナン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、キサンタンガム、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC−Na)、カルボキシメチルセルロースカルシウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体が挙げられる。これらの親水性ガムは2種以上を組み合わせてもよい。
上述の親水性ガムの中でも、キサンタンガム、カラヤガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ジェランガムが結晶セルロースと複合化しやすく、得られたセルロース複合体の離水及び離油の抑制効果が優れる点で好ましく、その中でも特にキサンタンガムが好ましい。
<キサンタンガム>
キサンタンガムとは、トウモロコシなどの澱粉を細菌 Xanthomonas campestrisにより発酵させて作られる親水性ガムであり、その主鎖はD−グルコースがβ−1,4結合した構造を有し、この主鎖のアンヒドログルコースにD−マンノース、D−グルクロン酸、D−マンノースからなる側鎖が結合したものである。主鎖と結合しているD−マンノースの6位はアセチル化され、側鎖末端のD−マンノースがピルビン酸とアセタール結合している枝分かれの多い構造である。
本発明に用いられるキサンタンガムの粘度は、1質量%の純水溶液において、800mPa・s以下が好ましい。ここでいう粘度は、以下の方法で測定される。高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて、純水中に分散し、水溶液を調製する。次に得られた水溶液について、分散3時間後(25℃保存)に、B型粘度計(ローター回転数60rpm)にセットして60秒静置後に、30秒間回転させて測定する。上記粘度は、700mPa・s以下がより好ましく、650mPa・s以下がさらに好ましい。下限は特に設定されるものではないが、好ましい範囲としては1mPa・s以上である。
<セルロース複合体における結晶セルロースと親水性ガムの配合比率>
本発明に用いるセルロース複合体は、好ましくは、結晶セルロースを30〜99質量%、及び親水性ガムを1〜70質量%含む。より好ましくは、結晶セルロースを50〜99質量%、及び親水性ガムを1〜50質量%を含む。複合化によって、親水性ガムが結晶セルロース粒子の表面を水素結合等の化学結合により被覆することで、ピックル液中に分散した際に、ネットワークを作りやすくなり、ピックル液を注入したトンカツ等において衣の浮きと水分や油分の肉から衣への移行を防止する。また、親水性ガムが崩壊剤として作用し、セルロース複合体内部で膨潤することで分散性が向上する。
<セルロース複合体の降伏値>
次に、本発明におけるセルロース複合体の降伏値について説明する。概略的には、静置した場合には固体と同じように流動しない物質に、外力を加えることによって流動させることができる場合、流動し始める応力の限界値を降伏値という。この、降伏値の値が大きい程外力に対して形状を保つ力が高く、食品の歩留りが向上するなど良好な特性を示す。
降伏値の測定方法は、まず、セルロース複合体を高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散させ、2.0質量%の純水分散体を調製する。得られた純水分散体を3日間室温で静置する。この純水分散体を試料として、せん断速度を変化させた時の応力を粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、最終せん断速度:200 s−1、ゾーン時間: 60s、試験前待ち時間: 600s、水分散体は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込む)により測定する。具体的に、せん断速度(Shear Rate)を0[1/s]から200[1/s]まで、せん断速度を1[1/s]ずつ増加させていった際の各せん断速度でのせん断応力(stress[Pa])をプロットし、次にせん断速度を200[1/s]から1[1/s]ずつ減少させて、最終的に0[1/s]まで変化させた際の各せん断速度でのせん断応力(stress[Pa])を同様にプロットする。この時、0[1/s]から200[1/s]までのプロットで得られた応力曲線と、200[1/s]から0[1/s]までのプロットで得られた応力曲線が異なったものになり、0[1/s]から200[1/s]までの応力曲線上に、上に凸の部分が現れた場合、当該凸部の極大点のせん断応力の値を降伏値とする(図1を参照。)。また、上に凸の極大点が現れなかった場合には、降伏値はないものとする。
本発明において、セルロース複合体を水に2質量%の割合で分散させた時の降伏値は0.2Pa以上であることが必要である。より好ましくは0.4Pa以上であり、最も好ましくは1.0Pa以上である。上限は、特に設定されるものではない。降伏値は、後述する混練時の混練力を強めること、及び/または、親水性ガムの種類を高いチキソ性を持つガム(例:ジェランガム等)に変えることで大きくすることができる。
<分散液中のセルロース複合体の体積平均粒子径>
セルロース複合体は、分散液中では、体積平均粒子径が0.01〜200μmのセルロース複合体微粒子からなることが好ましい。セルロース複合体の体積平均粒子径は、20μm以下であることがより好ましい。ここで、該体積平均粒子径は、セルロース複合体を、1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径のことである。
セルロース複合体の体積平均粒子径が20μm以下であると、セルロース複合体の分散安定性、懸濁安定性がより向上する。また、セルロース複合体を含有する食品を食した際に、ザラツキのない、なめらかな舌触りのものを提供することができる。より好ましくは、体積平均粒子径は15μm以下であり、特に好ましくは10μm以下、さらに好ましくは8μm以下である。体積平均粒子径が小さいほど、セルロース複合体の分散安定性、懸濁安定性がより容易に向上するため、下限は特に制限されないが、好ましい範囲としては0.1μm以上である。
<乾燥粉末としてのセルロース複合体の重量平均粒子径>
乾燥粉末として製造されたセルロース複合体は、上述のセルロース複合体微粒子が凝集し、見かけの重量平均粒子径が10〜250μmの二次凝集体を形成している。この二次凝集体は、水中で攪拌すると崩壊し、上述のセルロース複合体微粒子に分散する。この見かけの重量平均粒子径は、ロータップ式篩振盪機(平工作所製シーブシェーカーA型)、JIS標準篩(Z8801−1987)を用いて、試料10gを10分間篩分することにより得られた粒度分布における累積重量50%粒径のことである。尚、この乾燥後のセルロース複合体の二次凝集体の重量平均粒子径と、レーザー回折法による分散液中のセルロース複合体の体積平均粒子径は測定原理が全く異なるため、それぞれで得られた値は必ずしも相関するものではない。
<セルロース複合体のコロイド状セルロース成分>
さらに、セルロース複合体は、コロイド状セルロース成分を30質量%以上含有することが好ましい。ここでいうコロイド状セルロース成分の含有量とは、セルロース複合体を、1質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力2,000rpm(5600G、但しGは重力加速度)×15分間)し、遠心後の上澄みに残存する固形分(結晶セルロースと、親水性ガムを含む)の質量百分率のことである。
コロイド状セルロース成分の含有量が30質量%以上であると、分散安定性、懸濁安定性がより容易に向上する。より好ましくは、40質量%以上であり、特に好ましくは、50質量%以上である。コロイド状セルロース成分含有量は、多ければ多いほど、分散安定性が高いため、その上限は特に制限されないが、好ましい範囲としては、100質量%以下である。
<セルロース複合体の貯蔵弾性率>
次に、本発明に使用することのできるセルロース複合体の貯蔵弾性率(G’)について説明する。本発明に使用することのできるセルロース複合体は、セルロース複合体を2質量%含む水分散体の貯蔵弾性率(G’)が0.50Pa以上であることが好ましい。貯蔵弾性率とは、水分散体のレオロジー的な弾性を表現するものであり、セルロースと親水性ガムとの複合化の程度を表すものである。貯蔵弾性率が高いほど、セルロースと親水性ガムとの複合化が促進され、セルロース複合体の水分散体におけるネットワーク構造が、剛直であることを意味する。ネットワーク構造が剛直なほど、セルロース複合体の分散安定性、懸濁安定性に優れる。
貯蔵弾性率の測定方法としては、まず、セルロース複合体を、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて純水中に分散させ、2.0質量%の純水分散体を調製し、得られた水分散体を3日間室温25℃で静置する。この水分散体の応力のひずみ依存性を、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、角速度:20rad/秒、ひずみ:1→794%の範囲で掃引、水分散体は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込み、5分間静置した後に、Dynamic Strainモードで測定を開始する)により測定する。本発明における貯蔵弾性率は、上述の測定で得られた歪み−応力曲線上の、歪み20%の値のことである。この貯蔵弾性率の値が大きいほど、セルロース複合体が形成する水分散体の構造はより弾性的であり、結晶セルロースと親水性ガムが高度に複合化していることを表している。セルロース複合体の貯蔵弾性率は0.80Pa以上がより好ましく、1.0Pa以上がさらに好ましく、3.0Pa以上が最も好ましい。貯蔵弾性率の上限は、特に設定されるものではない。
<セルロース複合体の粘度>
次に、本発明に使用することのできるセルロース複合体の粘度について説明する。セルロース複合体を1質量%の純水溶液で測定した粘度が10mPa・s以上であることが好ましい。ここで、粘度とは、純水中に1質量%に調製した水溶液を200mlビーカーに充填し、25℃に温調した後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形粘度計)を用いて、ローターを分散液に差し込んだ後、30秒間静置した後、60rpmで30秒間回転させた後の測定値を指す(但し、ローターは、粘度によって適宜変更できる。使用するローターは以下の通りである。1〜20mPa・s:BL型、21〜100mPa・s:No1、101〜300mPa・s:No2、301mPa・s:No3)。より好ましくは30mPa・s以上であり、さらに好ましくは40mPa・s以上である。その上限値は、特に設定されるものではないが、300mPa・s以下である。
<親水性物質>
セルロース複合体に、水への分散性を高める目的で、親水性ガム以外に、さらに親水性物質を加えてもよい。親水性物質とは、冷水への溶解性が高く粘性を殆どもたらさない有機物質であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−、γ−シクロデキストリン等のオリゴ糖類、ブドウ糖、果糖、ソルボース等の単糖類、マルチトール、ソルビット、エリスリトール等の糖アルコール類等が適している。これらの親水性物質は、2種類以上組み合わせてもよい。上述の中でも、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類が分散性の点で好ましい。セルロース複合体中の、親水性物質の配合比率は60質量%以下が好ましい。より好ましくは50質量%以下であり、さらに好ましくは40質量%以下であり、特に好ましくは30質量%以下であり、最も好ましくは20質量%以下である。
上述の「溶解性が高く粘性をほとんどもたらさない」とは、1質量%の純水溶液において、100mPa・s以下の粘度であることが好ましい。ここでいう粘度は、以下の方法で測定される。高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)を用いて、純水中に分散し、水溶液を調製する。次に得られた水溶液について、分散3時間後(25℃保存)に、B型粘度計(ローター回転数60rpm)にセットして60秒静置後に、30秒間回転させて測定する。上記粘度は、80mPa・s以下がより好ましく、50mPa・s以下がさらに好ましい。
<その他の成分>
pH調整剤、防腐剤、油脂類、アミノ酸類、塩類、各種リン酸塩類、乳化剤、酸味料、香料、保存料、色素などのその他の成分の配合については、セルロース複合体の水中での分散及び安定性を阻害しない程度に配合することは自由である。
<セルロース複合体の製造方法>
本発明に使用することができるセルロース複合体の製造方法を説明する。特定の降伏値を満たすセルロース複合体は、混練工程においてセルロースと親水性ガムに機械的せん断力をあたえ、セルロースを微細化させるとともに、セルロース表面に親水性ガムを複合化させることによって得られる。また、親水性ガムや、その他の添加剤などを添加しても良い。上述の処理を経たものは、必要に応じ、乾燥される。本発明に使用することができるセルロース複合体は、上述の機械的せん断を経て、未乾燥のもの及びその後乾燥されたもの等、いずれの形態でもよい。
機械的せん断力を与えるには、混練機等を用いて混練する方法を適用することができる。混練機は、ニーダー、エクストルーダー、プラネタリーミキサー、ライカイ機等を用いることができ、連続式でもバッチ式でもよい。混練時の温度は成り行きでもよいが、混練の際の複合化反応、摩擦等により発熱する場合にはこれを除熱しながら混練してもよい。これらの機種を単独で使用することも可能であるが、二種以上の機種を組み合わせて用いることも可能である。これらの機種は、種々の用途における粘性要求等により適宜選択すればよい。
混練時の固形分は、20質量%以上とすることが好ましい。混練物の粘性が高い半固形状態で混練することで、下記のように混練エネルギーが混練物に伝わりやすくなり、複合化が促進されるため好ましい。混練時の固形分は、より好ましくは30質量%以上であり、さらに好ましくは40質量%以上である。上限は特に限定されないが、混練物が水分量の少ないパサパサな状態にならず、充分な混練効果と均一な混練状態が得られることを考慮して、現実的範囲は90質量%以下が好ましい。より好ましくは70質量%以下であり、さらに好ましくは60質量%以下である。また、固形分を上記範囲とするために、加水するタイミングとしては、混練工程の前に必要量を加水してもよいし、混練工程の途中で加水してもよいし、両方実施してもよい。
ここで、混練エネルギーについて説明する。混練エネルギーとは混練物の単位質量当たりの電力量(Wh/kg)で定義するものである。混練エネルギーは、50Wh/kg以上とすることが好ましい。混練エネルギーが50Wh/kg以上であれば、混練物に与える磨砕性が高く、セルロースと親水性ガムとの複合化が促進され、酸性又は高塩濃度のセルロース複合体の分散安定性、懸濁安定性は向上する。より好ましくは80Wh/kg以上であり、さらに好ましくは100Wh/kg以上である。
混練エネルギーは、高い方が、複合化が促進されると考えられるが、混練エネルギーをあまり高くすると、工業的に過大な設備となること、設備に過大な負荷がかかることから、混練エネルギーの上限は1000Wh/kgとするのが好ましい。
複合化の程度は、セルロースとその他の成分の水素結合の割合と考えられる。複合化が進むと、水素結合の割合が高くなり本発明の効果が向上する。また、複合化が進むことで、セルロース複合体の貯蔵弾性率(G’)も高くなる。
本発明に使用することができるセルロース複合体を得るにあたって、前述の混練工程より得られた混練物を乾燥する場合は、棚段式乾燥、噴霧乾燥、ベルト乾燥、流動床乾燥、凍結乾燥、マイクロウェーブ乾燥等の公知の乾燥方法を用いることができる。混練物を乾燥工程に供する場合には、混練物に水を添加せず、混練工程の固形分濃度を維持して、乾燥工程に供することが好ましい。乾燥後のセルロース複合体の含水率は1〜20質量%が好ましい。含水率を20%以下とすることで、べたつき、腐敗等の問題や運搬・輸送におけるコストの問題が生じにくくなる。より好ましくは15%以下、特に好ましくは10%以下である。また、1%以上とすることで、過剰乾燥のため分散性が悪化することもない。より好ましくは1.5%以上である。
セルロース複合体を市場に流通させる場合、その形状は、粉体の方が取り扱い易いので、乾燥により得られたセルロース複合体を粉砕処理して粉体状にすることが好ましい。但し、乾燥方法として噴霧乾燥を用いた場合は、乾燥と粉末化が同時にできるため、粉砕は必要ない。乾燥したセルロース複合体を粉砕する場合、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミル等の公知の方法を用いることができる。粉砕する程度は、粉砕処理したものが目開き1mmの篩いを全通する程度に粉砕する。より好ましくは、目開き425μmの篩いを全通し、かつ、平均粒度(重量平均粒子径)としては10〜250μmとなるように粉砕することが好ましい。
乾燥したセルロース複合体を水中で攪拌した際、容易に分散し、セルロースが均一に分散した、なめらかな組織を持つザラツキの無い安定なコロイド分散体が形成され、安定剤等として優れた機能を奏する。
<蛋白類>
本発明における蛋白類とは、ピックル液を使用する食肉中に元来含まれている蛋白とは別にピックル液自体に配合する蛋白類のことである。蛋白類の由来は問わず、例えば、大豆蛋白又は大豆蛋白質分解物、乳蛋白又は乳蛋白の金属塩、卵蛋白、血液蛋白などが挙げられる。これらの蛋白類は2種以上組み合わせても良い。蛋白類とは約20種類存在するL−アミノ酸が鎖状に重合してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分のひとつである。構成するアミノ酸の数や種類、また結合の順序によって種類が異なるため、多種類存在する。また、生命活動を維持するために必須の成分であり、食品から摂取する必要がある。蛋白類を多く含む食品として、肉類、魚類、卵、乳類、豆類などが挙げられ、その由来する食品によって分類される。
上述の蛋白類の中でも大豆蛋白、乳蛋白が加熱時の離水を抑制する点で優れることから好ましく、その中でも乳蛋白が好ましく、乳蛋白の中でも特にホエー蛋白が好ましい。
<ホエー蛋白>
本発明におけるホエー蛋白とは乳汁から乳脂肪分とカゼインを除いた水溶液を濃縮などの操作を経ることによって得られる蛋白類のことであり、離水を抑制する効果が他の蛋白類と比較して高いため好ましい。
<ピックル液における蛋白類の含有量>
ピックル液の質量を100質量%として、配合する蛋白類の含有量としては、3質量%を超える量を配合する必要がある。蛋白類の含有量が3質量%を超えることで、ピックル液を配合した食肉加工品からの加熱による離水を抑制する効果と保存時の水分移行を抑制する効果が得られる。より好ましくは4.0質量%以上であり、さらに好ましくは5.0質量%以上であり、最も好ましくは6.0質量%以上である。上限は咀嚼時の香り立ちを勘案すると15.0質量%以下が好ましい。
<ピックル液におけるホエー蛋白類の含有量>
ピックル液の質量を100質量%として、配合するホエー蛋白類の含有量としては、0.1質量%以上が好ましい。ホエー蛋白類の含有量を0.1質量%以上とすることで、ピックル液を配合した食肉加工品からの加熱による離水を抑制する効果が得られる。より好ましくは0.5質量%以上であり、さらに好ましくは1.0質量%以上であり、特に好ましくは1.5質量%以上であり、最も好ましくは2.0質量%以上である。上限は特に設定されるものではない。
<結着性(保水性)>
本発明における結着性とは、食肉製品中の肉組織同士の接着性のことである。結着性の発現により、外部からの力に対して一定の抵抗力を持ち、肉組織内部に水を保持する保水性が発現する。この保水性は、食肉中に水分を留める性質だけではなく、肉の柔らかさ、色、さらには加熱後の歩留りに大きな影響を与える。
<食肉加工品へのピックル液の配合方法>
本発明における食肉加工品へのピックル液の配合方法は従来の公知の方法で行われる。例えば、インジェクターと呼ばれる機械を用いて、食肉中にピックル液を注入するピックルインジェクション法である。インジェクターには単針インジェクターと多針インジェクターがあり、どちらも先端の注射針を食肉に差し込み、加圧することによって、ピックル液を食肉中に強制的に注入する。この際、ピックル液を注入された食肉中ではピックル液の濃度にムラが生じてしまう。このため、円筒形の容器にピックル液が配合された食肉及び同重量のピックル液を投入し、回転運動を加え、食肉同士又は食肉と容器の壁面を衝突させることにより、食肉中のピックル液を内部に均等に分散させる。このような操作を行う機械はタンブラーと呼ばれ、この操作をタンブリングと呼ぶ。また、このタンブリング工程のみで食肉中にピックル液を配合しても良い。ピックル液の配合量は、生肉に対する重量比で1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましく、20質量%以上が最も好ましい。上限は、味や食感の観点から70質量%以下が好ましく、50質量%以下がさらに好ましい。
また、ピックル液中にセルロース複合体を配合することで、蛋白類を単独で配合した場合と比較して、ピックルインジェクション法における食肉へのピックル液配合の容易性が向上する効果が得られる。この効果は、セルロース複合体によりピックル液中の蛋白類の凝集を抑制し、さらに不溶成分の沈殿を抑制することでインジェクター中の詰まりが防止されるためである。また、凝集物等の粗大粒子の減少により、タンブリング法における肉中への浸漬性も向上する効果が得られる。
<ピックル液におけるセルロース複合体の含有量>
ピックル液の質量を100質量%として、配合するセルロース複合体の含有量としては、0.05質量%以上が好ましい。セルロースの含有量を0.05質量%以上とすることで、ピックル液を配合した食肉加工品からの加熱による離水を抑制する効果と高温保存時の水分移行を抑制する効果が得られる。より好ましくは0.3質量%以上であり、最も好ましくは0.5質量%以上である。上限は、ピックル液組成物の食肉へ配合の容易さ、咀嚼時の香り立ちを勘案すると5.0質量%以下が好ましい。
<ピックル液の降伏値>
ピックル液は、それを配合した食肉加工品からの加熱による離水を抑制する効果と高温保存時の水分移行を抑制する効果の観点から、一定値以上の降伏値を有することが好ましい。特に、ピックル液の降伏値が0.2Pa以上であることが好ましく、0.4Pa以上であることがより好ましく、1.0Pa以上であることが更に好ましい。上限は特に設定されるものではない。ピックル液の降伏値を測定する場合、それ自体を試料として、本発明のセルロース複合体の降伏値の測定に関して前記した方法がそのまま適用できる。
<ピックル液の製法>
本発明の複合食品におけるピックル液は、原料を攪拌する工程(攪拌工程)、混合した原料の粒子を微粒化する工程(微粒化工程)を経ることにより製造される。上記製造工程において、原料とはピックル液を構成する原料を言い、前述のセルロース複合体、蛋白類以外に単糖類、オリゴ糖類、糖アルコール類、澱粉類、加工澱粉類、油脂類、アミノ酸類、食塩、各種リン酸塩類、乳化剤、ゲル化剤、増粘安定剤、酸味料、pH調整剤、香料、香辛料、保存料、色素などの食品に使用できる成分を適宜配合してもよい。セルロース複合体は、攪拌工程において、その他の粉末原料と共に投入する、あらかじめ水にセルロース複合体を分散させた分散液を投入する、または水分を含む原料と共に投入する、微粒化工程において投入する、のうちいずれの方法で添加してもよい。特に微粒化工程より前の攪拌工程で投入することにより、結晶セルロースの分散が促進されるため好ましい。上記撹拌工程で使用することのできる装置としては、高速攪拌機等が挙げられる。また、微粒化工程は、高圧ホモジナイザー、石臼式磨砕器等の装置を使用して、撹拌工程で得られた原料の水性撹拌物中の原料粒子を微粒化することにより達成できる。
<増粘安定剤>
本発明のピックル液に対して、更に増粘安定剤を添加することも好適な態様である。本発明における増粘安定剤とは、水に溶解又は分散して粘稠性を生じる高分子物質のことであり、その中でも陰イオン性多糖類が好ましい。陰イオン性多糖類とは、水中で陽イオンが遊離し、それ自身が陰イオンとなる多糖類のことである。陰イオン性多糖類としては、以下のものが好適である。
例えば、サイリウムシードガム、カラヤガム、λ―カラギーナン、κ―カラギーナン、ι―カラギーナン、寒天、ファーセルラン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カルシウム、HMペクチン、LMペクチン、アゾトバクター・ビネランジーガム、キサンタンガム、ジェランガム並びにカルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシエチルセルロースナトリウム及びカルボキシエチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体が挙げられる。これらの陰イオン性多糖類は2種以上を組み合わせてもよい。これら陰イオン性多糖類を配合することで、高温保存時の水分又は油分の浸みだしを抑制する効果が得られる。配合量は食感の観点から、1.0質量%以下が好ましい。より好ましくは0.8質量%以下であり、さらに好ましくは0.5質量%以下であり、最も好ましくは0.3%以下である。下限は特に設定されるものではない。
<分岐状の陰イオン性多糖類>
上記の陰イオン性多糖類の中でも、その化学構造中に分岐構造を有するものを分岐状の陰イオン性多糖類と呼ぶ。ここでいう分岐構造とは、多糖類に含まれる六単糖中の三つの水酸基(C6位は一級アルコール)のうち、一つ以上が化学結合を介して、メチロールより高分子量の置換基に置換されている構造のことである。置換基は、エーテル結合を介した糖又は多糖構造であることが好ましい。分岐状の陰イオン性多糖類としては、以下のものが好適である。
例えば、サイリウムシードガム(PSG)、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガムが挙げられる。これらの陰イオン性多糖類は2種以上を組み合わせてもよい。
これらの分岐状の陰イオン性多糖類の中でも、特にサイリウムシードガム(PSG)が、食感の観点から好ましい。
<サイリウムシードガム>
サイリウムシードガム(PSG)とは、オオバコ科の植物(Plantago ovata Forskal)の種子の外皮から得られる多糖類(ガム類)のことである。具体的には、イサゴール、プランタゴ・オバタ種皮から得られる多糖類が挙げられる。
サイリウムシードガム(PSG)は、上記のオオバコ科の植物(Plantago ovata Forskal)の種子の外皮から得られる多糖類(ガム類)を含むものであれば、きょう雑物を含んでいるものも該当する。例えば、当該多糖類を水等の溶媒で抽出したガムも、外皮を粉砕されたハスクも、それらを組み合わせ処理されたものも、いずれのものも含まれる。また、それらは、粉末状、塊状、ケーク状、液状のいずれの状態であってもよい。
PSGの化学構造は、非セルロース多糖類において、主鎖がキシランとして高度に枝分かれしており、側鎖がアラビノース、キシロース、ガラクツロン酸、ラムノースからなる構造である。側鎖における、その糖構成比は、D−キシロース約60質量%、L−アラビノース約20質量%、L−ラムノース約10質量%、D−ガラクツロン酸約10質量%である。これらの質量比は、PSGの原料、及びPSGの製造工程により5質量%程度前後するものである。
また、上述の構造を有していれば、粘度を調整するために、PSGを、酸、キシラナーゼ様の酵素等により加水分解してもよい。
PSGは、1質量%の純水溶液で測定した粘度が4Pa・s以下であることが好ましい。ここで、粘度とは、純水中に1質量%に調製したPSGの水溶液を200mlビーカーに充填し、25℃に温調した後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10形粘度計)を用いて、ローターを60rpmで30秒間回転させた直後の測定値を指す(但し、ローターは、粘度によって適宜変更できる。使用するロータは以下の通りである。1〜20mPa・s:BL型、21〜100mPa・s:No1、101〜300mPa・s:No2、301mPa・s:No3)。粘度が低いほど、ピックル液に配合した際の食感を損なうことがないため好ましい。より好ましくは3Pa・s以下であり、さらに好ましくは2Pa・s以下である。その下限値は、特に設定されるものではないが、工業原料として得られる範囲としては、5mPa・s以上が好ましい。
<食肉加工品>
本発明における食肉は、牛肉、豚肉、鶏肉、猪肉、羊肉、鹿肉、馬肉、鯨肉、魚肉などの食肉全般のことであり、これらの2種類以上の混合物であってもよい。本発明における食肉加工品とは、上述の食肉が加熱処理工程を経て得られる食品全般のことである。特に、フライ(揚げ)工程を経て得られる食品、及び/又は作製後に高温保存工程を経ることが想定される食品のことである。なお、これら食肉加工食品は、冷凍、冷蔵、その他調理工程を経ていても構わない。
<フライ工程>
本発明におけるフライ工程とは、油の有無に関わらず、食品を高温物に接触させることで、食品の表面の水分を瞬間的に蒸発させ、高温物と直接接触した食品部分を硬化させる調理方法のことである。具体的には食品の表面積の50%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは100%が同時に高温物に接触する調理方法のことである。一般的に高温の油に食品を接触させ行われる。使用する油は、食用の油脂であれば制限はなく、例えばサラダ油、白絞油、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油、こめ油、糠油、椿油、サフラワー油、ヤシ油、綿実油、ひまわり油、エゴマ油、アマニ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボカドオイル、ヘーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、グレープシードオイル、マスタードオイル、レタス油、魚油、これらの硬化油、エステル化油などが挙げられる。これらを2種類以上混合してもよい。フライの温度や時間は、製品の大きさや形状により適宜調整されるものであり、特に制限はない。
<高温保存工程>
本発明における高温保存工程とは、食肉加工品を作製後、時間が経過しても作製直後に近い温度や味や食感等を維持するため、50〜80℃の比較的高温状態を保った容器で食品を保存する工程のことである。保存容器の種類、保存時間の制限は特にない。
本発明を下記の実施例により説明する。ただし、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
ピックル液の試作方法、各種物性の評価方法を説明する。なお、ピックル液の物性評価には、トンカツを用いた。
<ピックル液の試作方法>
1)粉末状大豆蛋白、ホエー蛋白、砂糖、セルロース複合体をポリ袋に投入し粉混合した。
2)5℃に冷却した水に1)で粉混合したものを投入し、高速攪拌機(TOKUSHU KIKA KOGYO製 商品名:TKホモミキサーMARKII)を用いて攪拌した。(8000rpm×10分)。
3)クエン酸三ナトリウム、炭酸ナトリウム、L−グルタミン酸ナトリウム、をポリ袋に投入し粉混合した。
4)2)に3)で粉混合したものを投入し、高速攪拌機(TOKUSHU KIKA KOGYO製 商品名:TKホモミキサーMARKII)を用いて攪拌した。(5000rpm×10分)。
5)4)を高圧ホモジナイザー(APV(株)圧力式ホモジナイザー)を用いて微粒化し(10+5MPa)、ピックル液を得た。
<インジェクションの容易性>
単針インジェクター(ヴァコナ(株)製ハンドインジェクター)を用いて、上記方法で作製したピックル液を2barの圧力で食肉中へ注入する際の容易性(インジェクション時の詰まり発生の有無)を評価するため、流量を測定し、以下の基準で容易性の評価を行った。
流量が40ml/s以上:○
流量が20ml/s以上40ml/s未満:△
流量が20ml/s未満(詰まりが発生):×
<トンカツの試作方法>
1)国産豚ロース肉塊に単針インジェクター(ヴァコナ(株)製ハンドインジェクター)を用いて上述手順で作製したピックル液を120重量%(肉とピックル液の合計量の肉に対する重量比)になるまで、打ち込んだ。
2)次に1)で得られた肉塊を厚さ約250mm、重さ約200gになるように包丁でカットした。
3)カットした肉を急速冷凍器(菱豊フリーズシステムズ(株)製プロトン凍結器 Pr.C−15)を用いて急速冷凍(−35℃×8hr)を行った。
4)冷凍後、凍結した肉を市販のバッター粉(ダイショー(株)製、厨房王スーパーバッターたまご入り)を水に溶いたものに通し、さらに全体にパン粉をまぶした。
5)再び急速冷凍器を用いて急速冷凍を行った(−35℃×3hr)。
6)凍結した状態のまま、200℃に加熱したサラダ油に投入し、約10分間フライを行い、トンカツを得た。
<衣の浮き抑制の評価>
フライ工程を行った直後のトンカツを包丁を用いて切断し、断面の衣部分と食肉部分の隙間の有無を観察し、衣部分と食肉部分の間に1mm以上の隙間があった場合、浮きが発生しているものとした。なお、衣部分と食肉部分の隙間はノギスを用いて測定した。一つのサンプルにつき、10検体ずつ評価を行い、隙間が生じた検体数をカウントし「衣の浮き発生数」とした。「衣の浮き発生数」が少ない程、衣の浮きを抑制できるものとした。
<官能評価>
パネル10名を対象にトンカツの咀嚼時の香り立ち(肉本来の風味を感じることができるか)について5段階評価で官能評価を行い、その平均値を「香り立ち」とした。評点は以下の基準で評価し、平均値を試験結果とした。
1点:香り立ちが悪い
2点:香り立ちがやや悪い
3点:普通
4点:香り立ちがやや良い
5点:香り立ち良い
パネル10名を対象に60℃で3時間保存後のトンカツの食感(サクサクとした食感を感じることが出来るか)について5段階評価で官能評価を行い、その平均値を「食感」とした。評点は以下の基準で評価し、平均値を試験結果とした。
1点:食感が悪い
2点:食感がやや悪い
3点:普通
4点:食感がやや良い
5点:食感が良い
(実施例1)
市販DPパルプを裁断したものを、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した後、水洗・濾過を行い、固形分が50質量%のウェットケーキ状のセルロース(結晶セルロースとして)を作製した(平均重合度は220、平均L/Dは1.6であった)。
次に、ウェットケーキ状の結晶セルロース(以下MCC)と、親水性ガムとしてキサンタンガム(以下Xan)を、また親水性物質としてデキストリン(以下Dex)を配合し、MCC/Xan/Dexの質量比が75/5/20/となるように投入し、固形分45質量%となるように加水し、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)中で混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は、70Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して20〜65℃であった。
次に、この混練物を手で3mm四方程度に細かくちぎり、オーブン(タバイエスペック(株)製パーフェクトオーブン PV−211)を使用して、100℃にて30分間乾燥した(ダンパー開度:100%)。乾燥後、粉砕機(Retsch(株)製 超遠心粉砕機 ZM100)にて粉体化(スクリーン径:25mm)し、セルロース複合体Aを得た。セルロース複合体Aを水に2質量%分散させた時の降伏値は1.9Paであり、貯蔵弾性率は3.4Paだった。また、セルロース複合体Aを水に1質量%分散させた時の粘度は47.6mPa・sであり、体積平均粒子径は7.8μmだった。
上述のピックル液の試作方法において、全量仕込み量4000gに対して、大豆蛋白を4質量%、ホエー蛋白を2質量%、食塩を4質量%、L−グルタミン酸ナトリウムを0.5質量%、砂糖を4質量%、クエン酸三ナトリウムを2.5質量%、炭酸ナトリウムを0.125質量%、セルロース複合体Aを0.05質量%、残りを水として仕込みピックル液を試作した。
上記の配合で試作したピックル液を使用し、上述のトンカツの試作方法にてトンカツを得た。得られたトンカツについて上述の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.1質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。このピックル液の降伏値は0.4Paであった。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.3質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。このピックル液の降伏値は1.0Paであった。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を2.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を5.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を6.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
実施例1と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、親水性ガムとしてカルボキシメチルセルロースナトリウム(以下CMC−Na)を配合し、MCC/CMC‐Naの質量比が89/11となるように投入し固形分45質量%となるように加水し、実施例1と同様に混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は70Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して20〜60℃であった。
次に、実施例1と同様の方法で乾燥、粉砕しセルロース複合体Bを得た。セルロース複合体Bを水に2質量%分散させた時の降伏値は23.0Paであり、貯蔵弾性率は5.4Paだった。また、セルロース複合体Bを水に1質量%分散させた時の粘度は64.0mPa・sであり、体積平均粒子径は7.9μmだった。
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aをセルロース複合体Bに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
実施例1と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、親水性ガムとしてカラヤガムを配合し、また親水性物質としてDexを配合し、MCC/カラヤガム/Dexの質量比が80/10/10となるように投入し固形分45質量%となるように加水し、実施例1と同様に混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は60Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して20〜60℃であった。
次に、実施例1と同様の方法で乾燥、粉砕しセルロース複合体Cを得た。セルロース複合体Cを水に2質量%分散させた時の降伏値は1.2Paであり、貯蔵弾性率は0.6Paだった。また、セルロース複合体Cを水に1質量%分散させた時の粘度は13.6mPa・sであり、体積平均粒子径は8.0μmだった。
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aをセルロース複合体Cに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。このピックル液の降伏値は0.9Paであった。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
実施例1と同様の組成、方法でセルロース複合体Aを得た。
次に、高速攪拌機(TOKUSHU KIKA KOGYO製 商品名:TKホモミキサーMARKII)を用いて、25℃の水道水1500gを2000rpmで攪拌しながら、親水性物質としてデキストリンを180g加え、5分間攪拌した。その後、加工澱粉として、ワキシーコーンスターチ由来のヒドロキシプロピル化澱粉を95g加えた後に、更に5分間攪拌した。続いて、セルロース複合体として、セルロースとXanとDexの複合体Aを225g加えて、12、000rpmで60分間攪拌し、分散液とした。
この分散液を、スプレードライヤー(東京理科製 商品名SD−1000型)を使用し、フィード速度10g/分で、入口温度160〜200℃、出口温度60〜80℃の範囲で乾燥させた。得られた乾燥物を、目開き500μmの篩を通過させ、セルロース複合体Dを得た。セルロース複合体Dを水に2質量%分散させた時の降伏値は0.4Paであり、貯蔵弾性率は0.8Paだった。また、セルロース複合体Dを水に1質量%分散させた時の粘度は12.2mPa・sであり、体積平均粒子径は10.5μmだった。
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aをセルロース複合体Dに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、大豆蛋白の配合量を3質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、大豆蛋白の配合量を2質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例13)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、大豆蛋白の配合量を1.1質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例14)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、大豆蛋白の配合量を8.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例15)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、大豆蛋白の配合量を13.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例16)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、大豆蛋白の配合量を14.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例17)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、ホエー蛋白の配合量を1.5質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例18)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、ホエー蛋白の配合量を1.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例19)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、ホエー蛋白の配合量を0.5質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例20)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、ホエー蛋白の配合量を0.1質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例21)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、ホエー蛋白の配合量を無配合にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例22)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、ホエー蛋白の配合量を5.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例23)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、ホエー蛋白の配合量を6.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例24)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、大豆蛋白を無配合に、ホエー蛋白の配合量を6.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例25)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.3質量%とし、増粘安定剤としてλ―カラギーナンを0.1質量%配合した以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例26)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.3質量%とし、増粘安定剤としてサイリウムシードガムを0.1質量%配合した以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
全量仕込み量4000gに対して、微細セルロース(旭化成ケミカルズ製、製品名:RC−N30)を0.5質量%、カゼインを3質量%、ゼラチンを2質量%、砂糖を3質量%、食塩を5質量%、亜硝酸ナトリウムを0.05質量%、グルタミン酸ナトリウムを1質量%、L−アスコルビン酸ナトリウムを0.2質量%、ポリリン酸ナトリウムを2質量%、残りを水として仕込みピックル液を試作した。RC−N30を水に2質量%分散させた時の降伏値は2.0Paであり、貯蔵弾性率は3.5Paだった。また、RC−N30を水に1質量%分散させた時の粘度は49.2mPa・sであり、体積平均粒子径は7.9μmだった。具体的な試作方法は、5℃に冷却した水に、上記の粉体原料を粉混合したものを投入し、高速攪拌機(TOKUSHU KIKA KOGYO製 商品名:TKホモミキサーMARKII)を用いて攪拌した。(8000rpm×10分)。この分散液を高圧ホモジナイザー(APV(株)圧力式ホモジナイザー)を用いて微粒化し(10+5MPa)、ピックル液を得た。なお、このピックル液は、特許文献1の実施例3に記載された配合に準じたものである。当該ピックル液を使用し、上述のトンカツの試作方法にてトンカツを得た。得られたトンカツについて上述の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aの配合量を0.5質量%、大豆蛋白の配合量を1.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
特許文献3に記載の製造例にしたがってセルロース複合体を作製した。具体的には、60℃の温水10kgを用意し、軽く攪拌しながら、結晶性セルロース80質量%とカラヤガム10質量%とDex10質量%からなる乾燥状態のセルロース複合体(商品名:セオラスRC−N81、旭化成ケミカルズ(株)製)を1.35kg加えた後、分散助剤として、Dex(商品名:パインデックス#3、松谷化学工業(株)製)1.65kgを加え、さらに20分間攪拌した。この分散溶解液を高圧ホモジナイザー(APV社製)を用いて15MPaの圧力で2パスして混合処理したのち、スプレードライヤーを用いて入り口温度が90〜100℃、出口温度が70〜80℃の条件で噴霧乾燥して、易分散性のセルロース複合体Fを得た。セルロース複合体Fを水に2質量%分散させた時の降伏値は0.1Paであり、貯蔵弾性率は0.3Paだった。また、セルロース複合体Fを水に1質量%分散させた時の粘度は7.0mPa・sであり、体積平均粒子径は7.9μmだった。
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体をセルロース複合体Fに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1と同様の操作で得られたウェットケーキ状のMCC(平均重合度220、平均粒子L/D1.6)と、親水性ガムとして半精製カラギーナン(つまり、特許文献2に記載の安定剤。)を配合し、MCC/半精製カラギーナンの質量比が10/90となるように投入し固形分45質量%となるように加水し、実施例1と同様に混練した。
混練エネルギーは、プラネタリーミキサーの混練時間により制御され、実測値は20Wh/kgであった。混練温度の制御は、ジャケット冷却の調整で行われ、熱伝対を用いて混練物の温度が直接測定された。当該温度は、混練を通して25〜35℃であった。
次に、実施例1と同様の方法で乾燥、粉砕しセルロース複合体Gを得た。セルロース複合体Gを水に2質量%分散させた時の降伏値は得られず、貯蔵弾性率は3.7Paだった。また、セルロース複合体Gを水に1質量%分散させた時の粘度は37.0mPa・sであり、体積平均粒子径は12.0μmだった。
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体をセルロース複合体Gに変更し、配合量を0.5質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
全量仕込み量4000gに対して、粉末セルロースを0.5質量%、大豆蛋白を2質量%、ホエー蛋白を2質量%、砂糖を4質量%、乳酸ナトリウムを2.5質量%、残りを水として仕込みピックル液を試作した。具体的な試作方法は、5℃に冷却した水に、上記の粉体原料を粉混合したものを投入し、高速攪拌機(TOKUSHU KIKA KOGYO製 商品名:TKホモミキサーMARKII)を用いて攪拌した。(8000rpm×10分)。この分散液を高圧ホモジナイザー(APV(株)圧力式ホモジナイザー)を用いて微粒化し(10+5MPa)、ピックル液を得た。当該ピックル液を使用し、上述のトンカツの試作方法にてトンカツを得た。得られたトンカツについて上述の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例6)
全量仕込み量4000gに対して、粉末セルロースを0.5質量%、大豆蛋白を2質量%、ホエー蛋白を2質量%、砂糖を4質量%、食塩を4質量%、グルタミン酸ナトリウムを0.5質量%、ポリリン酸ナトリウムを0.2質量%、カードランを0.01質量%、残りを水として仕込みピックル液を試作した。具体的な試作方法は、5℃に冷却した水に、上記の粉体原料を粉混合したものを投入し、高速攪拌機(TOKUSHU KIKA KOGYO製 商品名:TKホモミキサーMARKII)を用いて攪拌した。(8000rpm×10分)。この分散液を高圧ホモジナイザー(APV(株)圧力式ホモジナイザー)を用いて微粒化し(10+5MPa)、ピックル液を得た。なお、このピックル液は、特許文献5に記載された配合に準じたものである。当該ピックル液を使用し、上述のトンカツの試作方法にてトンカツを得た。得られたトンカツについて上述の評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例7)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aを無配合にした以外は、同様にピックル液を作製した。上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例8)
実施例1のピックル液の試作方法において、セルロース複合体Aを無配合にし、大豆蛋白の配合量を13.0質量%にした以外は、同様にピックル液を作製した。なお、このピックル液は、特許文献6に記載された配合に準じたものである。当該ピックル液を使用し、上述のトンカツの試作方法にてトンカツを試作し、実施例1と同様に評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 0006588755

Figure 0006588755

Figure 0006588755
本発明は、食品工業においてピックル液に利用できる。

Claims (9)

  1. 0.05質量%以上の結晶セルロースと親水性ガムからなるセルロース複合体、及び3質量%を超える量の蛋白類を含むピックル液であって、該セルロース複合体は、結晶セルロースを30〜99質量%含み、且つ水に2質量%の割合で分散させた時の降伏値が0.2Pa以上であることを特徴とするピックル液。
  2. 降伏値が0.2Pa以上である、請求項1に記載のピックル液。
  3. 前記蛋白類がホエー蛋白を含み、該ホエー蛋白がピックル液全体に対し0.1質量%以上含まれる、請求項1または2に記載のピックル液。
  4. 前記セルロース複合体の含有量が0.1〜5質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のピックル液。
  5. 前記親水性ガムが、キサンタンガム、カラヤガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ジェランガムからなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のピックル液。
  6. 前記親水性ガムがキサンタンガムである、請求項に記載のピックル液。
  7. 陰イオン性多糖類を更に含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のピックル液。
  8. 前記陰イオン性多糖類がサイリウムシードガムである、請求項に記載のピックル液。
  9. 食肉100質量部に対し、請求項1〜のいずれか1項に記載のピックル液を1〜70質量部配合した食肉加工品。
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