JP3998588B2 - 耐熱性ゲル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性のゲルに関わる。さらに詳しくは、殺菌や調理等の加熱処理や、加温して食に供する場合において、ゾル化あるいは溶解することなく均一性を維持し、一定の強度を有するゲル状組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に広く使用されている、ゼラチン、寒天、カラギーナンなどのゲル化剤を原料としたゲルは熱可逆性であり、加熱するとゾル化あるいは溶解してしまう。そのため、均一性を維持することができず、ゲル中に固形物がある場合は沈降してしまったり、乳化が壊れてしまったり、あるいは形が崩れてしまったりしていた。
【0003】
加熱しても溶解あるいはゾル化しない、いわゆる熱不可逆性ゲルとしては、脱アセチル化ジェランガム(カルシウムイオンを配合)、アルギン酸ナトリウム(カルシウムイオンを配合)、グルコマンナン(アルカリ存在下で加熱)、カードラン(80℃以上に加熱)などが知られているが、硬い食感であったり、離水するものが多かった。
特許文献1〜5には、熱可逆性のゲルにジェランガム等を配合して耐熱性を付与する技術に関する開示がある。しかしながら、加熱することにより強度が低下することなく充分状態を維持できるものはなかった。
【0004】
微小繊維状セルロースとはセルロース物質を高度に微小繊維化(ミクロフィブリル化)したものであり、木材パルプやバクテリアセルロースを原料としたものが知られている。これらに第三成分を配合して乾燥した水分散性の乾燥組成物もまた知られている(特許文献6〜9)。この微小繊維状セルロース(MFC、微小フィブリル化セルロース)をプリン・ゼリー類に配合すると、生地が均一になり、保水性が向上することなどの記載が非特許文献1にある。また、特許文献9には、バクテリアセルロースを原料とした微小繊維状セルロースをガラクトマンナンやグルコマンナンと併用することにより、少量で食品に高粘度を付与する技術が開示されている。しかしながら、これらのような微小繊維状セルロースを利用した技術は、微小繊維状セルロースと親水性高分子からなる水分散性の複合体乾燥組成物と、単独ではゲル化しない特定の多糖類を配合することによりゲル状組成物を形成すること、および、それが耐熱性に優れていることについて、何の開示も示唆もない。
【0005】
特許文献10には、微小繊維状セルロース(微少繊維セルロース)をコンニャク芋またはコンニャク粉と混合してスラリー状とした後、乾燥あるいは凍結することによって耐熱性のゲル状物が得られることが開示されている。しかしながら、このゲルは乾燥した場合にはグミキャンデーのような非常に硬いものとなり、また、凍結した場合には離水が著しく、また、不均一な組織のものであった。
【0006】
【特許文献1】
特開昭64−60335号公報
【特許文献2】
特開昭64−60338号公報
【特許文献3】
特開2000−201633号公報
【特許文献4】
特開2000−210036号公報
【特許文献5】
特開2000−295969号公報
【特許文献6】
特開昭60−186548号公報
【特許文献7】
特開平9−59301号公報
【特許文献8】
特開平3−157402号公報
【特許文献9】
特開平11−178518号公報
【特許文献10】
特開昭63−196238号公報
【非特許文献1】
福井克任、「増粘安定剤としてのMFCの利用」、ニューフードインダストリー、株式会社食品資材研究会、昭和60年6月1日、第27巻、第6号、p.1〜5
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、殺菌や調理等の加熱処理や、加温して食に供する場合において、溶解あるいはゾル化することなく均一性を維持し、一定の強度を有するゲル状組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、微小繊維状セルロースを主たる成分とする水分散性組成物と、特定の多糖類を使用することで課題を解決し、本発明をなすに至った。すなわち本発明は、「微小繊維状セルロースと親水性高分子からなる水分散性の複合体乾燥組成物とアルギン酸類、ガラクトマンナン、グルコマンナンから選ばれる少なくとも1種類の多糖類と水を含有するゲル状組成物であって、複合体乾燥組成物を0.15%以上、多糖類を0.03%以上を含有し、かつ50℃以上で0.01〜1Nの破断強度を有することを特徴とする耐熱性ゲル。」である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で使用される微小繊維状セルロースは、β−1,4グルカン構造を有するいわゆるセルロースを原料とする。具体的には、木材(針葉樹、広葉樹)、コットンリンター、ケナフ、マニラ麻(アバカ)、サイザル麻、ジュート、サバイグラス、エスパルト草、バガス、稲、麦、葦、竹などの植物細胞壁由来の天然セルロースや、バクテリアによって産出されるバクテリアセルロースや、レーヨンなどの再生セルロースを使用することができる。安価に、かつ、安定的に製品を供給するという観点からは、植物細胞壁由来の天然セルロースを主成分とするパルプが好ましい。
【0010】
効率よく、性能の良いものを製造するためには、平均重合度が400以上で、かつ、α−セルロース含有量が60〜100%であるものであることが好ましい。より好ましくはα−セルロース含有量が85%以下、最も好ましくは75%以下である。好ましい原料の具体例は、木材パルプ、コットンリンターパルプ、麦わらパルプ、稲わらパルプ、竹パルプ、バガスバルプなどである。
【0011】
本発明で使用される微小繊維状セルロースは、太さが数十μm以下の繊維状のセルロースからなるものであり、セルロース原料を高圧ホモジナイザー(特開昭56−100801号公報、特開平3−157402号公報)、砥石回転型粉砕機(特開平8−284090号公報)、メディア攪拌式湿式粉砕装置(特開平6−212587号公報)などを用いて微小繊維化(ミクロフィブリル化)されたものである。微小繊維状セルロースは一般的に、保水性、水中での分散懸濁性、増粘性に優れるという性質を有する。
【0012】
本発明で使用される微小繊維状セルロースの製造技術のポイントは、原料中に存在するセルロースミクロフィブリルをできるだけ短繊維化させることなく取り出すことにある。残念ながら現在の技術では、原料を一度に、あるいは一つの装置でもって、引き裂くという作用のみを与えて「微細化」し、微小繊維状セルロースとすることはできない。従って、複数の装置を用い、多段で処理せざるを得ず、また、多少なりとも「短繊維化」が生じてしまう。
【0013】
例えば、セルロース原料を水と共にパルパー(分散機)に投入し、分散してスラリー状とした後に、ディスクリファィナーを用いて繊維を叩解し、さらに高圧ホモジナイザーで複数回処理することで、目的の微小繊維状セルロースが得られる。水分散性が良好で、かつ、きわめて微細化しやすい原料の場合(例えば、精製稲わらパルプ)、ディスクリファイナーによる処理を省略することが可能である。また、比較的水分散性が悪く、微小繊維化も進行しにくい原料の場合(例えば、木材パルプ)は、他の工程を加える必要がある場合もある。一例を上げれば、セルロース原料をまず、数mm程度に短繊維化し、水分散後、回転型微細化機にて処理し、さらに高圧ホモジナイザーで処理するとよい。短繊維化の装置としては、乾式ならばシュレッダー、ハンマーミル、ピンミル、ボールミルなど、湿式ならば高速回転型ホモジナイザー、カッターミルなどが使用できる。具体的な装置としては、コミトロール(URSCHEL LABORATORIES,Inc.)などが上げられる。回転型微細化機としては、コロイドミル、砥石回転型粉砕機、などが使用できる。具体的な装置としては、ピュアファインミル(グランダーミル)(株式会社栗田機械製作所)、セレンディピター、スーパーマスコロイダー、セレンマイスター、スーパーグラインデル(以上、増幸産業株式会社)などがあげられる。高圧ホモジナイザーとしては20〜414MPaの圧力で処理できる装置が使用できる。具体的な装置としては、APVホモジナイザー(Invensys APV社)、ホモゲナイザー(株式会社イズミフードマシナリー)、エマルジフレックス(AVESTIN,Inc.)、アルティマイザーシステム(株式会社スギノマシン)、ナノマイザーシステム(ナノマイザー株式会社)、マイクロフルイダイザー(MFIC Corp.)などがあげられる。
【0014】
本発明で使用される微小繊維状セルロースは、太さ(幅、短径)がより細く、長さ(長径)がより長い方が好ましい。具体的には、光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察・測定されるところの粒子の形状が、太さ(短径)が2nm〜60μm程度、長さ(長径)が0.5μm〜1mm程度、長さと太さの比(長径/短径)が5〜400程度であることが好ましい。
【0015】
特に「水中で安定に懸濁する成分」、すなわち、0.1%濃度の水分散液状態として、これを1000Gで5分間遠心分離した時においても、沈降することなく水中に安定に懸濁している成分が多いほど好ましい。この成分は、高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察・測定される太さ(短径)が2〜600nmであり、長さ(長径)が0.5〜30μmであり、長さと太さの比(長径/短径比)が20〜400である繊維状のセルロースからなるものである。太さは、好ましくは100nm以下であり、さらに好ましくは50nm以下である。
この「水中で安定に懸濁する成分」は25%以上であることが好ましく、50%以上であればいっそう好ましい。なお、この成分の含有量は特に断らない限り、全セルロース中の存在比率を表すものであり、水溶性成分が含まれている場合であってもそれが含まれないように測定・算出される。測定および計算方法は後述する。
【0016】
本発明に使用される水分散性の複合体乾燥組成物は、微小繊維状セルロース50〜95%と水溶性高分子5〜50%からなる乾燥物であり、顆粒状、粒状、粉末状、鱗片状、小片状、シート状を呈する。微小繊維状セルロースが50%未満になると、セルロースの比率が低くなって効果が発揮されない。95%以上になると、相対的にその他の成分の配合比率が下がるので、水中の充分な分散性を確保することができない。機能発揮の程度と水中における分散性を確保するという観点からすると、微小繊維状セルロースの好ましい配合量は65〜90%であり、水溶性高分子の好ましい配合量は10〜35%である。
【0017】
本発明に使用される親水性高分子とは、冷水および/もしくは温水に溶解もしくは膨潤する高分子であり、乾燥時におけるセルロース同士の角質化を防止する作用を有するものである。具体的にはアラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸およびその塩、カードラン、ガッティーガム、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、グアーガム、酵素分解グアーガム、クインスシードガム、ジェランガム、ゼラチン、タマリンド種子ガム、難消化性デキストリン、トラガントガム、ファーセルラン、プルラン、ペクチン、ポリデキストロース、ローカントビーンガム、水溶性大豆多糖類、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムなどから選ばれた1種または2種以上の物質が使用される。中でも、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムが好ましい。このカルボキシメチルセルロース・ナトリウムとしては、カルボキシメチル基の置換度が0.5〜1.5、1質量%水溶液の粘度が5〜9000mPa・s程度のものの使用が好ましい。より好ましくは、置換度が0.5〜1.0、1質量%水溶液粘度が1000〜8000mPa・s程度のものである。
【0018】
本発明に使用される水分散性の複合体乾燥組成物には微小繊維状セルロースと親水性高分子以外に、水分散性、懸濁安定性や風味、外観等の改善を目的として、水溶性物質、デンプン類、油脂類、蛋白質類、食塩、各種リン酸塩等の塩類、乳化剤、酸味料、甘味料、香料、色素等の食品に使用できる成分を適宜配合されていても良い。個々の成分の配合量は、計45%を最大とし、製造性、機能、価格等を適宜考慮して決定される。
【0019】
本発明に使用される水溶性物質とは冷水への溶解性が高く、粘性を殆どもたらさず、常温で固体の物質であり、デキストリン類、水溶性糖類(ブドウ糖、果糖、庶糖、乳糖、異性化糖、キシロース、トレハロース、カップリングシュガー、パラチノース、ソルボース、還元澱粉糖化飴、マルトース、ラクツロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等)、糖アルコール類(キシリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール等)、より選ばれた1種または2種以上の物質である。この物質を乾燥組成物に配合すると、粒子内部へ導水する性質が強化され、乾燥組成物粒子の水崩壊性が促進される。この作用としては特にデキストリン類が強い。
【0020】
本発明に使用されるデキストリン類とは、澱粉を酸、酵素、熱で加水分解することによって生じる部分分解物のことであり、グルコース残基が主としてα−1,4結合およびα−1,6結合からなり、DE(dextrose equivalent)として、2〜42程度のものが使用される。ブドウ糖や低分子オリゴ糖が除去された分枝デキストリンも使用することができる。
本発明に使用される水分散性の複合体乾燥組成物は水中に投入し、機械的な剪断力を与えた時、粒子が崩壊し、微小繊維状のセルロースが水中に分散することが特徴である。このとき「機械的な剪断力」とは、0.5%水分散液を、回転型のホモジナイザーで、最大でも15000rpmで15分間分散するようなものであり、温度は80℃以下で処理することを意味する。
【0021】
水中に分散した微小繊維状のセルロースは、光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察・測定されるところの粒子の形状が、太さ(短径)が2nm〜60μm程度、長さ(長径)が0.5μm〜1mm程度、長さと太さの比(長径/短径)が5〜400程度である。好ましくは、太さが2〜600nm、長さが0.5〜30μm、長さと太さの比が20〜400である。太さは、さらに好ましくは100nm以下であり、特に好ましくは50nmである。また「水中で安定に懸濁する成分」は25%以上であることが好ましく、50%以上であれば特に好ましい。
【0022】
本発明で使用される水分散性の複合体乾燥組成物は、特開昭59−189141号公報、特開昭60−186548号公報、特開平9−59301号公報、特開平3−157402号公報等に開示されている方法によって製造される。すなわち、微小繊維状セルロースと親水性高分子と、必要に応じてその他の成分を配合してスラリー状、あるいはペースト状とした後、乾燥し、必要に応じて粉砕する。親水性高分子およびその他の成分の投入は、水溶液としてから投入してもよいし、粉体のまま投入してもよい。また、微小繊維状セルロースを調製する途中の工程で配合しても良い。粉体を投入する場合は、ままこになりやすく、特に固形分濃度が高い場合は流動性が悪いので、適宜、適当な撹拌・混合機を選択して使用する。乾燥は、公知の方法を使用すればよいが、乾燥物が硬いかたまりにならないような方法が望ましく、例えば、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、棚段式乾燥法、ドラム乾燥法、ベルト乾燥法、流動床乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法などが適当である。乾燥後の水分は、取り扱い性、経時安定性を考慮すれば、15%以下が好ましい。より好ましくは10%以下である。最も好ましくは6%以下である。2%未満になると静電気が帯電し、粉末の取り扱いが困難になる場合がある。粉砕は、例えばカッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミルを用いて行われ、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、好ましくは平均としては50〜900μmとなるように粉砕する。
【0023】
本発明の耐熱性ゲルはゲル化剤として、水分散性の複合体乾燥組成物と、アルギン酸類、ガラクトマンナン、グルコマンナンから選ばれる少なくとも1種の多糖類が使用される。その組成はおおよそ1:9〜9:1である。従来、結晶セルロースや微小繊維状セルロースの高濃度水分散液はゲルを形成することが知られているが、このゲルは「weak gel」と呼ばれるものであった。すなわち、わずかな応力がかかった場合には流動せず、弾性体のように挙動するが、大きな応力がかかった場合には流動するものである。しかも、応力が無くなれば、またもとの弱いゲル性を発揮するのである。このようなゲルはマヨネーズのようなやわらかさや流動性を示すが、ゼリーやプリンのような保形性や食感を呈することはない。ところが、本発明の耐熱性ゲルは、ゼリーやプリンのようなゲル、いわゆる真性のゲル(true gel)である。真性のゲルは過剰な応力がかかると構造体が破壊してしまう点、weak gelとは異なる。真性のゲルをすりつぶすと小さなゲルの集まり、すなわちマイクロゲルという状態を呈するが、これはweak gelの一種である。従来、複数の多糖類を併用してゲルを形成させる技術は多数あった。たとえば、キサンタンガムとローカストビーンガム、カラギーナンとグルコマンナンなどがそれである。しかしながら、セルロース系素材と他の多糖類からなる真性のゲルはかつて知られていなかった。
【0024】
本発明の重要な点は、セルロース系素材として「微小繊維状セルロースを主たる成分とする分散性の複合体乾燥組成物」を使用することにある。例えば、複合体化していない微小繊維状セルロースや、結晶セルロースの複合体を使用しても、本願発明のようにゲルを形成することはない。
【0025】
本発明で使用されるアルギン酸類とは、アルギン酸およびその塩、およびアルギン酸プロピレングリコールエステルを意味する。いずれも水に溶解した状態で使用する必要があるので場合によってpHや塩濃度を制御する必要がある。アルギン酸ナトリウムは水溶性なので特に好ましい。アルギン酸はβ−D−マンヌロン酸(Mと略する)とα−L−グルロン酸(Gと略する)からなる1,4結合のブロック共重合体である。Mからなるブロック(M−M−M−M)と、Gからなるブロック(G−G−G−G)と、両残基が交互に入り交じっているブロック(M−G−M−G)、という3つのセグメントから成り立っている。また、ガラクトマンナンとは、β−D−マンノースがβ−1,4結合した主鎖と、α−D−ガラクトースがα−1,6結合した側鎖からなる構造を有する多糖類である。ガラクトマンナンとしてはマンノースとガラクトースの比率の異なるものがあり、グアーガム、タラガム、ローカスビーンガムなどが知られている。ガラクトマンナンは原料由来の特有の臭気を有するものが多く、そのため臭気のない、精製品の使用が好ましい。グルコマンナンとは、D−グルコースとD−マンノースがβ−1,4結合した構造を有するものであり、グルコースとマンノースの比率は約2:3である。コンニャク粉やアルコール精製したグルコマンナンなどがあり、中でも高重合度の精製グルコマンナンが好ましく、1%水溶液粘度(25℃)であれば30Pa・s以上、特に好ましくは40Pa・s以上のものである。
【0026】
本発明の耐熱性ゲルは、水分散性の複合体乾燥組成物を0.15%以上と、アルギン酸類、ガラクトマンナン、グルコマンナンから選ばれる少なくとも1種の多糖類を0.03%以上の濃度になるように水に分散した後、静置することで形成する。それぞれが指定未満の濃度であれば、ゲル状態を形成せず、高粘度の分散液状を呈する。濃度を高くすると破断強度は上がるが、ゲル化前の分散液の粘度が高くなり、分散機で均一に分散することができなくなる。水分散性の複合体乾燥組成物と多糖類のトータルの濃度はおおよそ5%が上限であり、調製されるゲル状物の破断強度はおおよそ1N程度である。
【0027】
水分散液を加熱処理すると破断強度がより高くなるので好ましい。この「加熱処理」とは30℃以上の温度に保つ操作を意味し、それは水分散液を静置してゲル状物を形成させるときであっても良いし、また、ゲル状物形成後、さらに加熱保持することであっても良い。
【0028】
加熱処理温度が高いほどより短時間で、より高い破断強度になる。一度ゲル状物を形成した後に加熱処理を施す場合、ゲル状物を形成した時よりも高い温度、例えば50〜120℃、あるいはそれ以上の温度で、数秒から数日の時間加熱することにより強度が著しく増加する。しかも、それを低温に戻してもその強度を維持する。いわゆる熱不可逆性である。具体的には、50℃以上で0.01〜1Nの破断強度を有する。(破断強度の測定方法は後述する。)このゲル状物は再度加熱しても溶解したり離水したりすることがなく、きわめて耐熱安定性が高い。食感としては弾性が少なく、口中でゲルが壊れるとペーストのような状態となり、かつ、きわめて糊状感が少ないという特徴を有する。添加量を低くすると、非常に柔らかいゲルとなるが、やはり耐熱安定性に優れ、離水したりすることが少ない。そのため、一般的なデザート等に使用される場合はもちろん、近年注目されている嚥下障害者用介護食のようなレトルト食品にも最適である。すなわち、嚥下障害者用介護食のような場合、食の多様化の観点から温かい食事を提供できること、柔らかいゲルであっても離水が少ないこと、レトルト殺菌した場合でもゲル構造が維持されるので、きざみ食などの固形物が配合されていても沈降することなく殺菌前の均一な状態を保てることなどが、その理由である。
【0029】
本発明の耐熱性ゲルは、食品素材(畜肉、魚肉、穀類、乳製品、野菜、果物、油脂等)、調味料(みそ、しょうゆ、砂糖、塩、グルタミン酸ナトリウム等)、甘味料、香料、色素、香辛料、酸味料、乳化剤、増粘安定剤、食物繊維、栄養強化剤(ビタミン、カルシウム等)、水などを配合して、前述のデザート(ゼリー、プリン、杏仁豆腐等)、嚥下障害者用介護食(水分補給ゼリー、栄養補給ゼリー、きざみ食等)の他に、ゲル化した主食(お粥、餅等)、ゲル化した副食(みそ汁、スープ、シチュー、茶碗蒸し等)、ゲル化した飲料(抹茶飲料、コーヒー飲料、ヨーグルト飲料、ココア飲料、紅茶飲料、ジュース等)として使用される。また、医薬品、化粧品、工業製品にも応用が可能である。
【0030】
使用の場合は他の原料とともに配合し、公知の方法で製造すればよい。しかしながら、水分散性の複合体乾燥組成物を単独で、あるいはいくつかの成分と共に1〜2%程度の濃度で水分散液としてから使用することはより好ましい方法である。分散の際に、温度を60〜80℃とし、高速回転型のホモジナイザーやピストン型のホモジナイザーを用いて実施することはさらに好ましい。
【0031】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、測定は以下の通り行った。
<セルロース性物質の平均重合度>
ASTM Designation: D 1795−90「Standerd Test Method for Intrinsic Viscosity of Cellulose」に準じて行う。
<セルロース性物質のα−セルロース含有量>
JIS P8101−1976(「溶解パルプ試験方法」5.5 αセルロース)に準じて行う。
【0032】
<セルロース繊維(粒子)の形状(長径、短径、長径/短径比)>
セルロース繊維(粒子)のサイズの範囲が広いので、一種類の顕微鏡で全てを観察することは不可能である。そこで、繊維(粒子)の大きさに応じて光学顕微鏡、走査型顕微鏡(中分解能SEM、高分解能SEM)を適宜選択し、観察・測定する。
光学顕微鏡を使用する場合は、適当な濃度に調整したサンプル水分散液をスライドガラスにのせ、さらにカバーグラスをのせて観察に供する。
また、中分解能SEM(JSM−5510LV、日本電子株式会社製)を使用する場合は、サンプル水分散液を試料台にのせ、風乾した後、Pt−Pdを約3nm蒸着して観察に供する。
高分解能SEM(S−5000、株式会社日立サイエンスシステムズ製)を使用する場合は、サンプル水分散液を試料台にのせ、風乾した後、Pt−Pdを約1.5nm蒸着して観察に供する。
セルロース繊維(粒子)の長径、短径、長径/短径比は撮影した写真から15本(個)以上を選択し、測定した。繊維はほぼまっすぐから、髪の毛のようにカーブしているものがあったが、糸くずのように丸まっていることはなかった。短径(太さ)は、繊維1本の中でもバラツキがあったが、平均的な値を採用した。高分解能SEMは、短径が数nm〜200nm程度の繊維の観察時に使用したのだが、一本の繊維が長すぎて、一つの視野に収まらなかった。そのため、視野を移動しつつ写真撮影を繰り返し、その後、写真を合成して解析した。
【0033】
<水分散液粘度>
(1)0.25%の水分散液となるようにサンプルと水を量り取り、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製、ED−7型)で、15000rpmで15分間分散する。
(2)25℃の雰囲気中に3時間静置する。
(3)よく撹拌した後、回転粘度計(株式会社トキメック製、B形粘度計、BL形)をセットし、撹拌終了30秒後にローターの回転を開始し、それから30秒後の指示値より粘度を算出する。なお、ローター回転数は60rpmとし、ローターは粘度によって適宜変更する。
【0034】
<「水中で安定に懸濁する成分」の含有量>
(1)セルロース濃度が0.1質量%の水分散液となるようにサンプルと水を量り取り、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製、ED−7型)で、15000rpmで15分間分散する。
(2)サンプル液20gを遠沈管に入れ、遠心分離機にて1000Gで5分間遠心分離する。
(3)上層の液体部分を取り除き、沈降成分の質量(a)を測定する。
(4)次いで、沈降成分を絶乾し、固形分の質量(b)を測定する。
【0035】
(5)下記の式を用いて「水中で安定に懸濁する成分」の含有量(c)を算出する。
c=5000×(k1+k2) [質量%]
サンプルが親水性高分子(および水溶性物質)を含まない場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。
k1=0.02−b
k2={k1×(a−b)}/(19.98−a+b)
【0036】
また、サンプルが親水性高分子(および水溶性物質)を含む場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。
k1=0.02−b+s2
k2=k1×w2/w1
セルロース/親水性高分子(水溶性物質)=f/d [配合比率]
w1=19.98−a+b−0.02×d/f
w2=a−b
s2=0.02×d×w2/{f×(w1+w2)}
【0037】
「水中で安定に懸濁する成分」の含有量が非常に多い場合は、沈降成分の重量が小さな値となるので、上記の方法では測定精度が低くなってしまう。その場合は(3)以降の手順を以下のようにして行う。
(3’)上層の液体部分を取得し、質量(a’)を測定する。
(4’)次いで、上層成分を絶乾し、固形分の質量(b’)を測定する。
(5’)下記の式を用いて「水中で安定に懸濁する成分」の含有量(c)を算出する。
c=5000×(k1+k2) [質量%]
サンプルが親水性高分子(および水溶性物質)を含まない場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。
k1=b’
k2=k1×(19.98−a’+b’)/(a’−b’)
【0038】
また、サンプルが親水性高分子(および水溶性物質)を含む場合、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。
k1=b’−s2×w1/w2
k2=k1×w2/w1
セルロース/親水性高分子(水溶性物質)=f/d [配合比率]
w1=a’−b’
w2=19.98−a’+b’−0.02×d/f
s2=0.02×d×w2/{f×(w1+w2)}
もし、(3’)の操作で上層の液体部分と沈降成分の境界が明瞭ではなく分離が難しい場合は全体の上部1/3量(約7g)を取得し、以降は(4’)、(5’)に従って操作する。
【0039】
<ゲルの破断強度>
(1)ゲルの原料となる分散液を、内径約45mmの円筒状ガラス容器に、高さ約45mmになるまで注入・充填する。
(2)所定の条件でゲル化、保存、加温する。
(3)ゲルを容器から取り出すことなくそのまま、下記の装置で破断強度(ゲル強度)を測定する。
装置:RHEO METER(NRM−2002J型)
(不動工業株式会社製)
押し込み治具:10mmφ球状治具
押し込み速度:20mm/min
【0040】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
市販木材パルプ(平均重合度=1820、α−セルロース含有量=77%)を、6×16mm角の矩形に裁断し、水分が80%になるように水を加えた。これを、水とパルプチップができるだけ分離しないよう注意して、カッターミル(URSCHEL LABORATORIES,Inc.製「コミトロール」、モデル1700、カッティングヘッド/水平刃間隙:2.03mm、インペラー回転数:3600rpm)に1回通したところ、繊維長が0.75〜3.75mmになった。
【0041】
セルロース濃度が2%、そしてカルボキシメチルセルロースナトリウムの濃度が0.0706%になるようにカッターミル処理品とカルボキシメチルセルロースナトリウムと水を量り取り、繊維の絡みがなくなるまで撹拌・分散した。この水分散液を砥石回転型粉砕機(増幸産業株式会社製「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で2回処理した。
【0042】
次いで得られた水分散液を高圧ホモジナイザー(MFIC Corp.製「マイクロフルイダイザー」M−110Y型、処理圧力:95MPa)で4パスし、微小繊維状セルロースの水分散液を得た。水分散液粘度は68mPa・sだった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜400μm、短径が1〜5μm、長径/短径比が10〜300の微細な繊維状セルロースが観察された。「水中で安定に懸濁する成分」の含有量は43%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が10〜150nm、長径/短径比が30〜300のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。
【0043】
その水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=80:20(重量部)としてから攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、カッターミル(不二パウダル株式会社製「フラッシュミル」)で、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性の乾燥複合体組成物A(以下、組成物Aという)を得た。
【0044】
組成物Aの水分散液粘度は66mPa・sであり、「水中で安定に懸濁する成分」の含有量は40%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が10〜150nm、長径/短径比が30〜300のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。
組成物Aが0.9%、精製グアーガム(25℃、1%水溶液粘度が5〜6Pa・s)が0.1%となるように水とそれらを量り取り、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)した後、5℃で24時間静置し、ゲル状組成物aを得た。破断強度(5℃)は0.09Nだった。これを80℃雰囲気中に3時間静置し、加熱処理を施したところ強度(80℃)は、0.12Nに上がった。離水や型くずれなどは観察されなかった。このゲル状組成物は5℃に冷やしてもほぼ同じ破断強度(0.11N)を維持していた。
【0045】
[比較例1]
微小繊維状セルロース0.6%、グルコマンナン0.4%となるように、実施例1で得られた微小繊維状セルロースの水分散液(2%)(カルボキシメチルセルロースナトリウムを0.0706%含む)とグルコマンナンと水を配合した。これを80℃に加温した後、エースホモジナイザーで分散(15000rpm、10分間)し、5℃で24時間静置したが、ゲル化することなく、粘稠な分散液状を呈した。
【0046】
[実施例2]
水99部に、組成物A0.9部とアルギン酸ナトリウム(20℃、1%水溶液粘度が500〜600mPa・s)0.1部を加え、エースホモジナイザーで分散(15000rpm、10分間)し、5℃で24時間静置し、ゲル状組成物a2を得た。破断強度(25℃)は0.06Nだった。これを60℃に加温したところ破断強度(60℃)は0.05Nだった。
【0047】
[実施例3]
市販バガスパルプ(平均重合度=1320、α−セルロース含有量=77%)を、6×16mm角の矩形に裁断した。次いでセルロース濃度が3%、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムの濃度が0.176%となるように、それぞれと水を量り取り、家庭用ミキサーで5分間撹拌した。
この水分散液を砥石回転型粉砕機(増幸産業株式会社製「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で3回処理した。
【0048】
次いで得られた水分散液を水で希釈して2%にし、高圧ホモジナイザー(MFIC Corp.製「マイクロフルイダイザー」M−140K型、処理圧力110MPa)で4パスし、微小繊維状セルロースの水分散液を得た。粘度は120mPa・sだった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜500μm、短径が1〜25μm、長径/短径比が5〜190の微細な繊維状のセルロースが観察された。「水中で安定に懸濁する成分」は99%だった。
【0049】
セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=85:15(重量部)となるように、微小繊維状セルロースの水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、得られたものをカッターミル(不二パウダル株式会社製「フラッシュミル」)で、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性の複合体乾燥組成物B(以下、組成物Bという)を得た。組成物Bの水分散液粘度は143mPa・s、「水中で安定に懸濁する成分」は98%だった。
【0050】
次いで、組成物B0.7%とグルコマンナン(25℃、7時間静置後の1%水溶液粘度が100Pa・s以上)0.3%となるようにこれらと水を量り取り、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)した後、80℃で3時間静置し、ゲル状組成物bを得た。破断強度(25℃)は0.10Nだった。
これを60℃に加温したところ、破断強度(60℃)は0.11Nになった。離水や型くずれは観察されなかった。
【0051】
[実施例4]
80℃の温水99部に、組成物B0.9部を加え、エクセルオートホモジナイザーで分散(15000rpm、10分間)後、さらにタラガム0.1部を加え、分散(15000rpm、10分間)した後、5℃で72時間静置し、ゲル状組成物b2を得た。破断強度(25℃)は0.15Nだった。これを60℃に加温したところ、破断強度(60℃)は0.17Nになった。離水や型くずれは観察されなかった。
【0052】
[比較例2]
微小繊維状セルロース0.9%、グアーガム0.1%となるように、実施例3で得られた微小繊維状セルロースの水分散液(2%)(カルボキシメチルセルロースナトリウムを0.117%含む)とグアーガムと水を配合した。これをエクセルオートホモジナイザーで分散(15000rpm、10分間)し、25℃で24時間静置したが、ゲル化することなく、粘稠な分散液状を呈した。これを80℃で3時間加熱したが、ゲル化しなかった。
【0053】
[実施例5]
市販麦わらパルプ(平均重合度=930、α−セルロース含有量=68%)を、6×12mm角の矩形に裁断し、4%となるように水を加え、家庭用ミキサーで5分間撹拌した。これを高速回転型ホモジナイザー(ヤマト科学、ULTRA−DISPERSER、LK−U型)で1時間分散した。
この水分散液を砥石回転型粉砕機(増幸産業株式会社製「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で2回処理した。
【0054】
次いで得られた水分散液を水で希釈して2%にし、高圧ホモジナイザー(株式会社スギノマシン製「アルティマイザーシステム」HJP25030型、処理圧力:175MPa)で8パスし、微小繊維状セルロースの水分散液を得た。粘度は69mPa・sだった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜700μm、短径が1〜30μm、長径/短径比が10〜150の微細な繊維状のセルロースが観察された。「水中で安定に懸濁する成分」は89%だった。
【0055】
セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=85:15(重量部)となるように、微小繊維状セルロースの水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、得られたものをカッターミル(不二パウダル株式会社製「フラッシュミル」)で、目開き1mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性の複合体乾燥組成物C(以下、組成物Cという)を得た。組成物Cの0.25%粘度は61mPa・s、「水中で安定に懸濁する成分」は75%だった。
【0056】
次いで、組成物C0.6%とグルコマンナン(25℃、7時間静置後の1%水溶液粘度が100Pa・s以上)0.4%となるようにこれらと水を量り取り、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製、ED−7型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)した後、5℃で24時間静置し、ゲル状組成物cを得た。破断強度(5℃)は0.32Nだった。これを60℃に加温したところ、破断強度(60℃)は0.34Nになった。離水や型くずれは観察されなかった。
また、分散後直ちにオートクレーブにて加熱処理(120℃、15分間)したところ、破断強度(25℃)が0.36Nのゲル状組成物ができた。これを60℃に加温したが、破断強度(0.33N)はほとんが変わらなかった。
【0057】
[実施例6]
80℃の温水79.5部に、組成物C1.5部、グルコマンナン1部、砂糖18部を加え、高速回転式ホモジナイザー(特殊機化工業工業株式会社製「TKホモミクサーMARK II」2.5型)で分散(6000rpm、15分間)した後、円筒状ガラス容器(内径約45mm)に充填し、120℃で15分間殺菌処理した。その結果、ゲル状組成物c2が得られた。破断強度(25℃)は0.15Nだった。これを60℃に加温したところ、破断強度(60℃)は0.13Nであり、離水や型くずれは観察されなかった。
このゲルを一辺が約1cmのサイコロ状にカットし、水を満たしたガラス製耐熱瓶に入れ、オートクレーブで、120℃で15分間加熱したが、ゲルはサイコロ状の形状を維持していた。これはすなわちゲルが120℃の加熱において溶解しなかったことを意味する。
【0058】
[実施例7]
市販木材パルプ(平均重合度=920、α−セルロース含有量=91%)を水に湿らした後、手で引き裂きながら水に投入し、繊維の絡みがなくなるまで撹拌し、固形分濃度3%の水分散液を調製した。これをディスクリファイナー(熊谷理機工業株式会社製「KRK型高濃度レファイナー」クリアランス0.05mm)で5回処理した。さらに高圧ホモジナイザー(APV株式会社製「ホモジナイザー」15MR型、処理圧:40MPa)で20回処理することにより、微小繊維状セルロースの水分散液を得た。
【0059】
この水分散液に、セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=75:25(重量部)となるように、カルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、攪拌型ホモジナイザーで、20分間撹拌・混合した。これを、離形剤を塗布したアルミ板にキャストし、120℃で2時間通風乾燥し、家庭用ミキサーで、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性の複合体乾燥組成物D(以下、組成物Dという)を得た。組成物Dの水分散液粘度は35mPa・s、「水中で安定に懸濁する成分」は27%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が10〜100nm、長径/短径比が10〜300の繊維状粒子が観察された。
【0060】
次いで、組成物D0.6%とグルコマンナン0.4%となるようにこれらと水を量り取り、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)した後、80℃で3時間静置し、ゲル状組成物dを得た。破断強度(25℃)は0.02Nだった。これを60℃に加温したとき、破断強度(60℃)は0.02Nだった。離水や型くずれは観察されなかった。
【0061】
[比較例3]
実施例7で得られた微小繊維状セルロースの水分散液(2%)と、2%グルコマンナン水溶液を1:1で混合した。次いでこれらを−5℃雰囲気に60時間静置して凍結した後、室温に放置して解凍したところ、きわめて硬いゲル状物が得られた。このゲル状物は高野豆腐のような多孔性の組織を有しているが、ゲル化の際に収縮したために、著しく離水をしていた。60℃に加温しても溶解することはなかったが、破断強度を測定する治具で押しても破断せず、装置の測定範囲外(20N以上)となった。とても食用に使用できるようなものではなかった。
【0062】
[比較例4]
比較例3で得られた微小繊維状セルロース(1%)とグルコマンナン(1%)の混合液をガラス板状に、約1mmの厚さで塗布し、約40℃の温風乾燥機にて乾燥した。このフィルムは60℃の水に投入しても溶解することはなかったが、きわめて硬く、グミキャンデーのような触感であり、このフィルムを重ねて破断強度測定を試みたが、破断強度を測定する治具で押しても破断せず、結局、装置の測定範囲外(20N以上)であった。とても食用に使用できるようなものではなかった。
【0063】
[実施例8]
酢酸菌の一種であるアセトバクター・キシリナムをヘストリン−シュラム培地にて静置培養し、得られた膜状のセルロースを1%水酸化ナトリウム水溶液に24時間浸漬し、そして水洗してバクテリアセルロースを得た。次いで固形分濃度が0.5%になるようにバクテリアセルロースと水を家庭用ミキサーに入れ、撹拌・分散後、さらに高速回転型ホモジナイザー(ヤマト科学、ULTRA−DISPERSER、LK−U型)で30分間分散した。次いでそれを高圧ホモジナイザー(ナノマイザー株式会社製「NANO MAKER」、処理圧:110MPa)にて6回処理し、微小繊維状セルロースの水分散液を得た。
【0064】
この水分散液に、セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム:デキストリン=70:20:10(重量部)となるように、カルボキシメチルセルロースナトリウムとデキストリンを添加し、攪拌型ホモジナイザーで、20分間撹拌・混合した。これを、噴霧乾燥し、目開き500μmの篩で粗大粒子を除去し、水分散性の複合体乾燥組成物E(以下、組成物Eという)を得た。組成物Eの水分散液粘度は135mPa・s、「水中で安定に懸濁する成分」は100%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜25μm、短径が30〜120nm、長径/短径比が10〜250の繊維状粒子が観察された。
【0065】
次いで、組成物E0.6%とグルコマンナン0.4%となるようにこれらと水を量り取り、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)した後、80℃で3時間静置し、ゲル状組成物eを得た。破断強度(25℃)は0.07Nだった。これを60℃に加温したとき、破断強度(60℃)は0.06Nだった。離水や型くずれは観察されなかった。
【0066】
[比較例5]
80℃の温水99.6部に、組成物E0.1部と、グアーガム、もしくはタラガム、もしくはローカストビーンガム、もしくはグルコマンナン、もしくはアルギン酸ナトリウムを0.3部を加え、プロペラ攪拌機で分散した後、高圧ホモジナイザー(APV株式会社製「ホモジナイザー」15MR型、処理圧:20MPa)で2回処理した。その結果、いずれも100〜1000mPa・s(B形粘度計、ローター回転数60rpm、25℃)程度の粘度の水分散液となった。これらはいずれもゲル化しておらず、80℃に加熱してもゲル化することはなかった。
【0067】
[比較例6]
結晶セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムの複合体(アビセル<登録商標>RC−591(旭化成株式会社製))とグルコマンナンを水に配合し、エースホモジナイザーにて分散(15000rpm、10分)し、複合体0.6%、グルコマンナン0.4%の分散液を得た。これを25℃で24時間静置したが、ゲル化することなく、粘稠な分散液状を呈した。さらに80℃で3時間加熱したが、やはりゲル化しなかった。
【0068】
[実施例9]
80℃の温水に組成物Bを加えて分散し、さらにグルコマンナンを加えて分散し、組成物B1.05%、グルコマンナン0.45%の分散液を得た。この分散液50部、蒸しかぼちゃ20部、牛乳24部、砂糖5.4部、無塩バター0.5部、塩0.1部を加え、撹拌混合後、内径45mmのガラス製耐熱ビンに充填した。5℃の雰囲気に1時間程度静置した後、105℃で30分間殺菌したところ、離水、凝集、離水のない均一なかぼちゃプリンができた。破断強度(25℃)は0.15Nだった。これを50℃に加温したところ、溶解したり、離水することはなく、破断強度(50℃)は0.12Nであった。これを食したところ、ゲルは軽く壊れ、糊状感がなく、しかも、かぼちゃと牛乳のコクがしっかりと感じられた。
【0069】
[比較例7]
80℃の温水に寒天を加えて撹拌し、0.4%寒天水溶液を得た。この水溶液50部、蒸しかぼちゃ20部、牛乳24部、砂糖5.4部、無塩バター0.5部、塩0.1部を加え、撹拌混合後、内径45mmのガラス製耐熱ビンに充填した。5℃の雰囲気に1時間程度静置した後、105℃で30分間殺菌したところ、系が凝集し、また、ゲル上層表面にかぼちゃの繊維が集まってしまった。50℃に加温した後、食してみたところ、ほとんどゲルの食感を感じることがなく、また、かぼちゃや牛乳の味が非常に薄いものであった。
【0070】
[実施例10]
80℃の温水に組成物Cを加えて分散し、さらにグルコマンナンを加えて分散し、組成物C1%、グルコマンナン0.43%の分散液を得た。この分散液70部と、80℃の温水21部に白みそ8部とかつお風味調味料1部を混合撹拌したものをあわせ、撹拌混合した。これを内径45mmのガラス製耐熱ビンに充填し、約1cm角の豆腐5個を入れ、5℃の雰囲気に1時間程度静置した。その後、105℃で30分間殺菌したところ、離水および凝集がなく、しかも豆腐が沈むこともなく全体に均一に存在したみそ汁ゲルができた。破断強度(25℃)は0.09Nだった。これを50℃に加温したところ、溶解したり、離水することはなく、破断強度(50℃)は0.07Nであった。これを食したところ、ゲルは軽く壊れ、糊状感がなく、しかも、みそとだしの味がしっかりと感じられ、みそ汁として違和感のないものだった。
【0071】
[実施例11]
80℃の温水に組成物Eを加えて分散し、さらにグルコマンナンを加えて分散し、組成物C0.7%、グルコマンナン0.3%の分散液を得た。この分散液を用いて、後は実施例10と同様に操作してみそ汁ゲルを調製した。破断強度(25℃)は0.06Nだった。これを50℃に加温したところ、溶解したり、離水することはなく、破断強度(50℃)は0.05Nであった。これを食したところ、ゲルは軽く壊れ、糊状感がなく、しかも、みそとだしの味がしっかりと感じられ、みそ汁として違和感のないものだった。
【0072】
[比較例8]
80℃の温水90.7部に白みそ8部とかつお風味調味料1部を加えて撹拌混合し、さらにネイティブ型ジェランガム0.3部を加えて撹拌混合した。これを内径45mmのガラス製耐熱ビンに充填し、約1cm角の豆腐5個を入れ、5℃の雰囲気に1時間程度静置した。その後、105℃で30分間殺菌したところ、離水が生じ、2層分離(みその固形分と豆腐が下部50体積%に沈降)した。50℃に加温したところ、破断強度(50℃)は0.06Nであり、実施例10と同程度だったが、食感がネイティブ型ジェランガム特有のぷるぷるしたものであり、みそ汁のイメージとはほど遠いものだった。
【0073】
[実施例12]
蒸しニンジン18部、砂糖4.5部、レモン汁4.5部、組成物A0.6部、グルコマンナン0.4部を80℃の温水72部に加えて分散し、内径45mmのガラス製耐熱ビンに充填した。これを80℃で30分間加熱殺菌したところ、離水、凝集、ニンジン繊維の沈降のない均一なニンジンゼリーができた。破断強度(5℃)は0.09Nだった。これを60℃に加温したところ、溶解したり、離水することはなく、また、破断強度(60℃)は0.11Nであった。
【0074】
[比較例9]
蒸しニンジン18部、砂糖4.5部、レモン汁4.5部、ゼラチン1.4部を80℃の温水71.6部に加えて分散し、内径45mmのガラス製耐熱ビンに充填した。これを直ちに5℃に冷却したところ、離水はないが、ニンジン繊維が沈降し、上層部が透明なゼリーができた。破断強度(5℃)は0.07Nだった。これを60℃に加温したところ、溶解し、ニンジン繊維が完全に沈降してしまった。
【0075】
【発明の効果】
本発明の耐熱性ゲルは、殺菌や調理等の加熱処理や、加温して食に供する場合において、溶解あるいはゾル化することなく外観および組織の均一性を維持し、かつ、口中でゲルが軽く壊れ、糊状感のない食感を有する。そのため、嚥下障害者用介護食などにきわめて適性がある。
Claims (3)
- 微小繊維状セルロースと親水性高分子からなる水分散性の複合体乾燥組成物とアルギン酸類、ガラクトマンナン、グルコマンナンから選ばれる少なくとも1種類の多糖類と水を含有するゲル状組成物であって、複合体乾燥組成物を0.15%以上、多糖類を0.03%以上を含有し、かつ50℃以上で0.01〜1Nの破断強度を有することを特徴とする耐熱性ゲル。
- 微小繊維状セルロースが植物細胞壁由来であり、水中で安定に懸濁する成分を25%以上含有することを特徴とする、請求項1記載の耐熱性ゲル。
- 親水性高分子がカルボキシメチルセルロース・ナトリウムであることを特徴とする、請求項1記載の耐熱性ゲル。
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