JP2002300854A - ゲル状組成物及びその製造方法 - Google Patents

ゲル状組成物及びその製造方法

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JP2002300854A
JP2002300854A JP2001108331A JP2001108331A JP2002300854A JP 2002300854 A JP2002300854 A JP 2002300854A JP 2001108331 A JP2001108331 A JP 2001108331A JP 2001108331 A JP2001108331 A JP 2001108331A JP 2002300854 A JP2002300854 A JP 2002300854A
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thickener
gel composition
gum
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JP2001108331A
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Kazuyoshi Toyama
一吉 外山
Sadayuki Kokubo
貞之 小久保
Keiji Morimoto
圭次 森本
Tetsuji Taketoshi
哲治 竹歳
Taeko Sugiyama
妙子 杉山
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Morinaga Milk Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 安定したゲル形成能や嚥下に適した物性を有
し、且つ、それらの物性にばらつきを生じることなく製
造することが可能なゲル状組成物、該組成物からなる食
品及び製造方法を提供すること。 【解決手段】 予め別個に加熱された、ゲル化剤の溶液
及び増粘剤、そして必要に応じて塩類の溶液を、混合し
冷却する。 1.ゲル化剤が寒天及び/又はファーセルランであり、
増粘剤がネイティブジェランガム 2.ゲル化剤がκカラギーナン、増粘剤がキサンタンガ
ム及び/又はネイティブジェランガム、塩類がカリウム
塩 3.ゲル化剤ガジェランガム、増粘剤がグアーガム及び
/又はローカストビーンガムであるゲル状組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲル状組成物、該
ゲル状組成物からなる食品及びその製造方法に関し、特
に、嚥下機能が低くても容易且つ安全に嚥下することが
できるゲル状組成物、該ゲル状組成物からなる食品及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高齢者あるいは脳血管障害等の疾病によ
って嚥下機能が低下した嚥下障害者にとって、食事や医
薬品を経口摂取する際、例えば、水のような粘度が低く
流動性の高い液体を摂取する場合には、食物が誤って気
管に入ってしまう誤嚥が起こりやすい。一方で、粘着性
が高い場合には気管に詰まって窒息を引き起こす危険が
ある。したがって、それらのレオロジー的物性及びそれ
らのコントロールは非常に重要である。一般に、嚥下
は、食塊の咽頭への送り込みから食道への送り込みまで
の咽頭通過を意味し、正常では約0.5秒以内に行われ
る。口腔相で形成された食塊がスムーズに咽頭を通過す
るためには、均質さ、表面の滑らかさ、小さな応力で大
きな変形が可能である等の性質を有することが望ましい
ことが知られている。そして、近年、ゲル物性の面から
嚥下に適した物性が研究されている。
【0003】食品等に用いられるゲルに関連して、食品
衛生法(昭和48年12月26日、衛発第781号)で
は、特別用途食品のうち、そしゃく・えん下困難者用食
品のゲルの堅さについて、1×104N/m2以下、ゲル中
に固形物を含む場合は1×105N/m2以下と規定してい
る。
【0004】また、動的粘弾性測定による物性分析によ
って、嚥下障害者に適したゲル状嚥下食の物性が、G’
(貯蔵弾性率)は10〜103Pa(N/m2)であり、tanδ
(損失正接)は0.1〜1の範囲であることが知られて
いる。この範囲のゲルは小さな応力で大きく変形するの
で、食塊が咽頭相をスムーズに通過することができる。
【0005】食品用のゲルを得るために、一般的に、ゼ
ラチンや多糖類(寒天、カラギーナン、澱粉等)などの
ハイドロコロイドが用いられている。そして、ゼラチン
ゲルが嚥下食に適していることが知られている。しかし
ながら、ゼラチンゲルは18〜20℃で内部融解を生
じ、30℃付近でゾルとなる性質を有するため、温度管
理が非常に手間がかかるという欠点がある。また、澱粉
系増粘剤では、付着性の高さや粘度の経時的増大といっ
た欠点がある。
【0006】さらに、食品用のゲルとして、タンパク質
−多糖類の混合ゲルを用いることが知られている。用い
られる多糖類としては、寒天やカラギーナンが知られて
いる。
【0007】特開2000−157212号は、ゼラチ
ンと、寒天、カラギーナン、ネイティブジェランガム、
ローカストビーンガム及びキサンタンガムからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種以上とを含有してなる易嚥下
補助組成物並びにそれを用いた食品用組成物及び医薬品
用組成物を開示している。これは、上記ゼラチンゲルの
欠点を改善するために、ゼラチンを主体として、寒天、
カラギーナン、ネイティブジェランガム、ローカストビ
ーンガム及びキサンタンガムからなる群から選ばれる少
なくとも1種以上を併用することによって温度管理を容
易にするためのものである。
【0008】しかしながら、この組成物は、ゼラチンを
主体とすることから、ゼラチンが融解する温度付近で、
見かけ上の融解はなくともその物性に変化が生じ、嚥下
食に適した物性が保たれるかどうかが不確実になる。ま
た、誘導タンパク質であるゼラチンは、両性電解質であ
り、等電点を有している。そのため、例えば、寒天、カ
ラギーナン等の酸性多糖類と併用すると、用いるゼラチ
ンの等電点や両者の混合比によってはコアセルベーショ
ンを起こして相分離する可能性があり、その結果、ゲル
形成能が失われるという欠点がある。
【0009】特開2000−191553号は、タラガ
ム及び/又はローカストビーンガムと、キサンタンガム
とを併用してなる易嚥下補助組成物を開示している。こ
れは、上記多糖類からなる組成物によって、従来の澱粉
系増粘剤の有する付着性や経時的粘度増大、及び外観の
悪さなどの欠点を改善するためのものである。タラガム
及びローカストビーンガムはガラクトマンナンである。
ここでは、前記ガラクトマンナンとキサンタンガムとの
配合比を変えることによって種々の物性のゲルを得るこ
とができることが示されている。しかしながら、ガラク
トマンナンとキサンタンガムからなるため、この組成物
によって得られるゲルは共通して、切り離しにくい性質
を有しており、嚥下食に用いた場合、スプーンで切り分
けてサーブするのに困難を伴うといった欠点がある。
【0010】特開平11−318356号は、キサンタ
ンガム含有流動状食品を開示する。これは、0.5重量
%の水溶液とした場合に4000〜25000Pa・sの粘
度を示す高粘性キサンタンガムを用いることによって、
液状食品の粘性を調節し、嚥下障害者に誤嚥を起こしに
くくするものである。しかしながら、これは、液状食品
の粘度のみを増加させて流動状にすることを意図したも
のであって、流動性を有さないゲルを製造することはで
きない。したがって、ゲル状の食品に比べて、運搬等の
取扱いもより困難となる。
【0011】さらに、ゲルの工業的製造においては、上
述したようなゼラチンや寒天、カラギーナン等のハイド
ロコロイドは、加熱溶解する際に共存する物質(多糖
類、糖類、タンパク質、塩類等)、撹拌条件やせん断条
件、その他様々な要素によってその膨潤状態が異なって
しまうという欠点がある。そのため、嚥下に適した物性
を備えたゲルを、その品質にばらつきなく製造できる方
法が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上述したような欠点のないゲル状組成物、つま
り、安定したゲル形成能や嚥下に適した物性を有し、且
つ、それらの物性にばらつきを生じることなく製造する
ことが可能なゲル状組成物を提供することである。
【0013】さらに、本発明の目的は、前記ゲル状組成
物からなる食品を提供することである。
【0014】さらに、本発明の目的は、前記ゲル状組成
物の製造方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の組成物は、ゲル
化剤及び増粘剤を含むゲル状組成物であって、予め別個
に加熱された、前記ゲル化剤の溶液及び前記増粘剤の溶
液を、混合し冷却してなることを特徴とする。
【0016】このとき、ゲル化剤が寒天及び/又はファ
ーセルランであり、且つ、前記増粘剤がネイティブジェ
ランガムであることが好ましい。
【0017】本発明の組成物はまた、ゲル化剤、増粘剤
及び塩類を含むゲル状組成物であって、予め別個に加熱
された、前記ゲル化剤の溶液、前記増粘剤の溶液及び前
記塩類の溶液を、混合し冷却してなることを特徴とす
る。
【0018】このとき、前記ゲル化剤はκカラギナンで
あり、前記増粘剤はキサンタンガム及び/又はネイティ
ブジェランガムであり、且つ、前記塩類はカリウム塩で
あることが好ましい。
【0019】また、前記ゲル化剤がジェランガムであ
り、前記増粘剤がグアーガム及び/又はローカストビー
ンガムであり、且つ、前記塩類がカルシウム塩であるこ
とも好ましい。
【0020】本発明のゲル状組成物においては、好まし
くは、貯蔵弾性率は10〜103Paであり、損失正接は
0.1〜1.0である。ここで、貯蔵弾性率と損失正接
について説明する。ゲルに周期的外力を与えると、それ
に対応する応力や変形も周期的に変化し、このとき、応
力と変形はずれて現れる。応力pと変形量eの間にフッ
クの法則を適用すると、ゲルの弾性率G*は複素数で表
される。p=G*e上記の式を実数部と虚数部にわける
と、G*=G’+iG’’と表される。この実数部G’
が貯蔵弾性率である。G’はエネルギーの貯蔵に関する
部分であり、ゲルの堅さに対応している。虚数部G’’
は、ゲルの粘性によるエネルギー損失に関する部分であ
り、ゲルの柔らかさに対応している。損失正接tanδ
は、tanδ=G’’/G’で表される。したがって、tan
δが大きくなるほどゾルの状態へ移動していき、tanδ
が小さくなるほど堅いゲルへと移動していく。
【0021】本発明のゲル状組成物は食品に適用される
ことが好ましい。
【0022】本発明の、ゲル化剤及び増粘剤を含むゲル
状組成物の製造方法は、前記ゲル化剤の溶液及び前記増
粘剤の溶液を別個に加熱する加熱工程と、前記各溶液を
混合して混合液とする混合工程と、前記混合液を冷却す
る冷却工程とを含むことを特徴とする。
【0023】本発明の、ゲル化剤、増粘剤及び塩類を含
むゲル状組成物の他の製造方法は、前記ゲル化剤の溶
液、前記増粘剤の溶液及び前記塩類の溶液を別個に加熱
する加熱工程と、前記各溶液を混合して混合液とする混
合工程と、前記混合液を冷却する冷却工程とを含むこと
を特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態をより
詳細に説明する。本発明のゲル状組成物及び食品は、予
め別個に加熱された、ゲル化剤の溶液、増粘剤の溶液、
必要に応じて、塩類の溶液を、混合し冷却してなること
を特徴とする。これにより、本発明のゲル状組成物は、
工業的製造過程での各種条件(溶解温度、せん断速度
等)のばらつきがあっても、望ましい一定の物理的物性
(堅さ、貯蔵弾性率、損失正接など)を維持することが
できる。
【0025】本発明で用いられるゲル化剤は、食品添加
物として使用可能であり、且つ、水中において温度変化
でゲル−ゾルの転移をするものであれば特に制限はない
が、カラギーナン、寒天、ファーセルラン、アルギン酸
ナトリウム、ジェランガム、ゼラチン、ローメトキシル
(LM)ペクチン等が使用可能である。本発明で好まし
く用いられるゲル化剤は、カラギーナン、ジェランガ
ム、寒天又はファーセルランである。カラギーナンは、
κ(カッパ)、ι(イオタ)及びλ(ラムダ)タイプが
あり、本発明においては、いずれも使用可能であるが、
特にκカラギーナンが好ましい。これらのゲル化剤は、
市販のものが利用可能である。また、本発明の組成物あ
るいは食品において、ゲル化剤の濃度は、嚥下しやすい
物性を有するように適宜定めればよいが、0.05〜1
0.0重量%とするのが好ましい。0.05重量%未満
では、組み合わせによっては組成物の流動性を十分に抑
制できない場合があり、10.0重量%を越えると粘度
やゲル強度が強すぎて嚥下適性が著しく劣るおそれがあ
る。また、より好ましくは0.05〜5.0重量%、さ
らに好ましくは0.05〜3.0重量%、最も好ましく
は0.10〜0.30重量%である。
【0026】本発明で用いられる増粘剤は、摂食可能な
ものであれば特に制限はなく、例えば、これらに限定さ
れないが、キサンタンガム、ネイティブジェランガム、
カードラン、プルラン、グアーガム、コンニャクマンナ
ン、タマリンド種子ガム、サイリウムシードガム、タラ
ガム、デンプン、デキストリン、ローカストビーンガ
ム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガム、ア
ラビノガラクタン、ペクチン、キトサン、セルロース誘
導体(メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等)が好ましい。本発明で好ましく用いられる増粘剤は
増粘多糖類であり、特に、キサンタンガム、ネイティブ
ジェランガム、グアーガム又はローカストビーンガムが
用いられる。これらの増粘剤は、市販のものが利用可能
である。また、本発明の組成物あるいは食品において、
増粘剤の濃度は、得られる物性に悪影響を与えない範囲
であれば特に制限はないが、10.0重量%以下とする
のが好ましい。また、より好ましくは5.0重量%以
下、さらに好ましくは0.05〜3.0重量%、最も好
ましくは、0.15〜0.25重量%である。
【0027】本発明で用いられる塩類は、食品として許
容可能な、あらゆる無機あるいは有機塩類であってよ
く、例えば、塩化物、シュウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩、
クエン酸塩、乳酸塩等が挙げられる。また、これらの塩
類は天然あるいは合成由来であってよい。本発明では、
ゲル化剤及び増粘剤の組み合わせに応じて、カリウム塩
又はカルシウム塩を用いることが好ましい。本発明の組
成物あるいは食品におけるこれらの塩の濃度は、得られ
る物性に悪影響を与えない範囲で、あるいは食品として
の嗜好に応じて、決定されてよく、好ましくは5重量%
以下、さらに好ましくは1重量%以下、最も好ましくは
0.02〜0.04重量%である。
【0028】本発明においては、通常の食品に使用可能
なあらゆるゲル化剤、増粘剤及び塩類の任意の組み合わ
せを使用可能であるが、本発明の組成物及び食品が、貯
蔵弾性率G’が10〜103Pa、損失正接tanδが0.1
〜1.0の範囲の物性を保つためには、 ア)ゲル化剤がκカラギーナン、増粘剤がキサンタンガ
ム、塩類がカリウム塩; イ)ゲル化剤がκカラギーナン、増粘剤がネイティブジ
ェランガム、塩類がカリウム塩; ウ)ゲル化剤がジェランガム、増粘剤がグアーガム、塩
類がカルシウム塩; エ)ゲル化剤がジェランガム、増粘剤がローカストビー
ンガム、塩類がカルシウム塩; オ)ゲル化剤が寒天、増粘剤がネイティブジェランガ
ム; カ)ゲル化剤がファーセルラン、増粘剤がネイティブジ
ェランガム;の組み合わせで用いられることが好まし
い。これは、この組み合わせを用いることによって、上
述したような範囲内の望ましい物性を効率よく発現させ
ることができ、また、得られた物性も安定して維持さ
れ、しかも、それらの物性を得るために必要とされるゲ
ル化剤及び増粘剤の使用量が最低限に抑えられるからで
ある。
【0029】本発明の組成物及び食品は、上述のよう
に、好ましくは、貯蔵弾性率G’が10〜103Pa、損
失正接tanδが0.1〜1.0の範囲の物性を有してお
り、これらの物性を有することによって、本発明の組成
物及び食品は、嚥下困難者あるいは嚥下障害者が容易且
つ安全に嚥下を行うことができる易嚥下食に適してい
る。
【0030】本発明のゲル状組成物及び食品は、以下の
方法にて製造することができる。まず、ゲル化剤及び増
粘剤が、予め、それぞれ別個に溶媒に加熱溶解させら
れ、溶液とされる。溶媒としては、ゲル化剤及び増粘剤
を変質させないものであれば特に制限はなく、水や、エ
タノール、ベンジルアルコール等のアルコールが使用で
きるが、水が好ましい。また、ゲル化剤の溶液、増粘剤
の溶液、及び、塩類の溶液には、これらを除く、あらゆ
る食品素材及び/又は食品添加物、あるいは、医薬品素
材を含むことができる。
【0031】本発明で使用可能な食品素材及び食品添加
物としては、例えば糖質(ブドウ糖、果糖、砂糖、麦芽
糖、乳糖、トレハロース、粉末水飴、エリスリトール、
キシリトール、ソルビトール、還元麦芽糖、還元乳糖、
還元水飴粉末、キシロオリゴ糖、ポリデキストロース等
を単独又は混合で);酸味料(クエン酸、リンゴ酸、乳
酸、コハク酸、酒石酸、アスコルビン酸、クエン酸塩、
リンゴ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、アスコル
ビン酸塩等を単独又は混合で);抗酸化剤(L−アスコ
ルビン酸、エリソルビン酸、トコフェロール等を単独又
は混合で);保存料(安息香酸、パラオキシ安息香酸エ
ステル、ソルビン酸等を単独又は混合で);香料;着色
料;ビタミン類(ビタミンA、ビタミンB1、ビタミン
B2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、ニ
コチン酸、ビタミンD群、ビタミンE、ビタミンK、ビ
オチン、パントテン酸、葉酸等を単独又は混合で);ミ
ネラル類(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム、鉄、亜鉛、銅、リン、マンガン、ヨウ素等を含
む塩類や食品素材を単独又は混合で);各種タンパク質
(大豆タンパク、乳タンパク、小麦タンパク、卵タンパ
ク、魚肉タンパク、牛肉タンパク、豚肉タンパク、鶏肉
タンパク等を単独又は混合で);各種油脂類(動植物油
脂、中鎖脂肪酸トリグリセリド等を単独又は混合で);
甘味料(アスパルテーム、ステビア等を単独又は混合
で);各種果汁又は果肉類(リンゴ、オレンジ、ミカ
ン、ブドウ、ナシ、モモ、メロン、バナナ、パイン、ス
イカ等を単独又は混合で);フレーバー粉末(コーヒー
粉末、抹茶粉末、煎茶粉末、ココア粉末等を単独又は混
合で);安定化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレ
ングリコール脂肪酸エステル、リン脂質、キラヤサポニ
ン、大豆サポニン等を単独又は混合で);調味料(塩、
味噌、醤油、酒類、みりん、動植物エキス等を単独又は
混合で);スパイス類(ホワイトペパー、ブラックペパ
ー、バジル、レッドペパー、わさび、からし、しょう
が、ガーリック、シナモン、クローブ等を単独又は混合
で);野菜類(トマト、セロリ、オニオン等を単独又は
混合で);種実類(アーモンド、ピーナッツ、クルミ等
を単独又は混合で)等が挙げられる。特に、各種果汁、
汁物、スープ類、その他の飲料などの液状のものが好ま
しく、また、固形物であっても、粉末あるいは嚥下を阻
害しない程度のサイズにして含むことができる。また、
医薬品用素材としては、例えば、上記の各種ビタミン類
や、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ケトプロフ
ェン、メフェナム等が挙げられる。なお、ゲル化剤の溶
液、増粘剤の溶液、及び、塩類の溶液を、それぞれ個別
に予め加熱して使用する場合は、ゲル化剤溶液や増粘剤
溶液ではなく、塩類の溶液中にこれらの素材又は添加物
を配合する方が、分散の容易性の点で好ましい。
【0032】本発明のゲル状組成物の製造方法では、ゲ
ル化剤を含む溶液と増粘剤を含む溶液、そして、必要に
応じて、塩類の溶液が、それぞれ別個に調製され、使用
されるゲル化剤及び増粘剤に応じた適当な温度に、好ま
しくは60〜90℃、より好ましくは65〜80℃に加
熱された後、混合される。加熱は、空気中等の酸素の存
在下で行うと酸化によって品質が劣化する場合もあるの
で、各溶液中に含まれる成分と反応しない不活性ガス中
で行うとよい。不活性ガスとしては、窒素ガス、ヘリウ
ムガス、炭酸ガス、水蒸気等が挙げられる。また、気体
中での加熱を減圧下で行うこともできる。減圧の程度
は、特に制限はないが、200〜0.01mmHgが適当で
ある。得られた混合液は、それから、加熱殺菌されて容
器に充填されるかあるいは容器に充填されて加熱殺菌さ
れることができ、その後、冷却され、ゲル化される。殺
菌及び充填方法は、当業者に既知のいかなる方法を用い
てもよく、使用する容器も、形態、材質等に特に制限は
ない。冷却方法としては、静置冷却、冷蔵庫での冷却、
冷水槽への浸漬等、適当な手段を用いることができる。
【0033】上述のように、本発明のゲル状組成物及び
これを用いた食品は、ゲル化剤の溶液、増粘剤の溶液及
び塩類の溶液を別個調製した後混合することによって、
製造条件(溶解温度の変動、溶解操作時に作用するせん
断力、加熱時間等)が変動しても、ゲル状組成物の物理
的特性を各ロット毎に安定して制御することができ、ひ
いては、ゲル化剤、増粘剤、そして、必要に応じて塩類
を適切に選択することによって、嚥下に適した物性を安
定的に発現させることが可能である。したがって、本発
明の組成物及びこれを用いた食品は、高齢者や嚥下障害
者など、嚥下に困難を伴う場合でも容易且つ安全に嚥下
することができる物性が求められる場合に特に有用であ
り、例えば、病因や高齢者を対象とした各種施設におけ
る給食や医薬品に好適であるほか、嚥下能力が未熟な乳
児用の離乳食や医薬、あるいは幼児用の食品や医薬にも
好適である。
【0034】
【実施例】以下、本発明の効果を明らかにするために具
体例を示して説明するが、本発明は下記の例に制限され
るものではない。
【0035】試験1 (目的)この試験は、ゲル化剤、増粘剤及び塩類を含む
ゲル状組成物について、加熱温度の違いによって生じる
物性のばらつきに対して、製造過程での混合及び加熱の
タイミングの違いがどのような影響を与えるのかを確認
するために実施された。
【0036】(試料の調製)表1の配合に従って、A、
B及びC成分をそれぞれ別個に溶解させ、後述するテス
ト1及び2に用いた。
【表1】
【0037】テスト1:A、B及びCの溶液を混合した
後、80、90及び100℃に加熱し、それから静置し
て10℃に冷却することによって、各試料(比較のため
の組成物)が調製された。 テスト2:A、B及びCの溶液を、それぞれ別個に8
0、90及び100℃に加熱した後混合し、それから静
置して10℃に冷却することによって、各試料(本発明
の組成物)が調製された。
【0038】(評価方法)食品衛生法の「高齢者用食品
の表示許可の取扱いについて」(平成6年2月23日、
衛新代15号)第6その他、別紙、2堅さ、(2)ア固
形物の大きさが0.03cm3未満の場合の測定方法に
準じ、サンレオメーターコンパック100(サン科学社
製)を用いて、得られた試料の堅さを測定した。測定条
件は、試料温度:20±2℃、試料の厚さ:15mm、容
器直径40mm、圧縮速度10mm/sec、プランジャー直
径:20mm、クリアランス:5mmであった。
【0039】(結果)この結果を表2に示す。
【表2】
【0040】テスト1及び2の結果は、テスト2の本発
明の組成物の方が、それぞれの加熱温度においてテスト
1の組成物よりも堅いこと、並びに、加熱温度の違いに
よる堅さの変動幅が少ないことを示している。このこと
から、別個にゲル化剤、増粘剤及び塩類を溶解、加熱し
た後に混合することによって得られる本発明のゲル状組
成物の物性が、加熱温度の変動に影響されにくいことが
示された。
【0041】試験2 (目的)この試験は、ゲル化剤、増粘剤及び塩類を含む
ゲル状組成物について、溶解時、加熱前のせん断速度の
違いによる物性のばらつきに対して、製造過程での混合
及び加熱のタイミングの違いがどのような影響を与える
のかを確認するために実施された。
【0042】(試料の調製)表3の配合に従って、A、
B及びCの成分をそれぞれ別個に溶解させた。得られた
各溶液は、テスト3、4、5及び6に用いた。
【表3】
【0043】テスト3:A、B及びCの溶液を混合した
後、90℃に加熱し、それから静置して10℃に冷却す
ることによって、試料が調製された。 テスト4:A、B及びCの溶液を混合した後、ホモミキ
サー(特殊機化工業社製)で2分間高速撹拌した後、9
0℃に加熱し、それから静置して10℃に冷却すること
によって、試料が調製された。 テスト5:A、B及びCの溶液を、それぞれ別個に90
℃に加熱した後混合し、それから静置して10℃に冷却
することによって、試料が調製された。 テスト6:A、B及びCの溶液を、それぞれ別個に、ホ
モミキサー(特殊機化工業社製)で2分間高速撹拌し、
90℃に加熱した後混合し、それから静置して10℃に
冷却することによって、試料が調製された。
【0044】(評価方法)試験1と同一の方法で評価し
た。
【0045】(結果)この試験の結果を表4に示す。
【表4】
【0046】これらの結果は、テスト5と6の試料間に
おける堅さの差が、テスト3と4の試料間における堅さ
の差よりも小さかったことを示している。このことか
ら、別個にゲル化剤、増粘剤及び塩類を溶解、加熱した
後に混合することによって得られる本発明のゲル状組成
物の物性が、溶解時せん断速度の変動に影響されにくい
ことが示された。
【0047】試験3 (目的)この試験は、本発明の組成物に適した、ゲル化
剤、増粘剤及び塩類の組み合わせを決定するために実施
された。
【0048】(試料の調製)表5〜7の配合に従って、
A、B及びCの成分をそれぞれ別個に溶解させ、90℃
に加熱した後混合し、静置して10℃に冷却することに
よって、各試料が調製された。
【0049】
【表5】
【0050】
【表6】
【0051】
【表7】
【0052】(評価方法)得られた試料をアレス粘弾性
測定システム(レオメトリックサイエンティフィック・
エフ・イー社製)で測定した。測定条件は、測定方法:
周波数依存性(0.1Hz〜2Hz)、試料の温度:2
0℃、試料の厚さ:0.5mm、感圧軸:直径40mm
円盤、であった。
【0053】(結果)これらの結果を表8に示す。
【表8】
【0054】この結果は、G’が10〜103Paの範囲
で、tanδが0.1〜1の範囲にあるゲル化剤、増粘剤
及び/又は塩類の組み合わせが、 ア)ゲル化剤がκカラギーナン、増粘剤がキサンタンガ
ム、塩類がカリウム塩; イ)ゲル化剤がκカラギーナン、増粘剤がネイティブジ
ェランガム、塩類がカリウム塩; ウ)ゲル化剤がジェランガム、増粘剤がグアーガム、塩
類がカルシウム塩; エ)ゲル化剤がジェランガム、増粘剤がローカストビー
ンガム、塩類がカルシウム塩; オ)ゲル化剤が寒天、増粘剤がネイティブジェランガ
ム; カ)ゲル化剤がファーセルラン、増粘剤がネイティブジ
ェランガム;の場合であることを示している。
【0055】以下、具体的なゲル状組成物の製造方法に
ついて、例を挙げて説明するが、これらは本発明を何ら
制限するものではない。
【0056】実施例1 表9の配合に従って、A、B及びC成分をそれぞれ別個
に溶解させた。
【表9】
【0057】各溶液をそれぞれ70℃に加温した後混合
した。得られた溶液をレトルト用パウチ(東洋製罐製)
に200gずつ充填し、ヒートシールした後、90℃の
温湯槽に30分間浸漬して殺菌した。それから、冷水槽
に30分間浸漬し、ピーチ味のゼリー50個を製造し
た。なお、ここでは、ゲル化剤としてκカラギーナンを
用い、増粘剤としてキサンタンガムを用いているが、こ
の組み合わせの場合に必要とされるカリウム塩は、濃縮
ピーチ果汁に由来する。得られたゼリーの物性値は、試
験1の評価方法と同一の方法で測定した堅さが5×10
2N/m2であり、試験3の評価方法と同一の方法で測定し
たG’が10〜102Paの範囲にあり、tanδが0.1〜
0.3の範囲にあった。このように、食品当たり、ゲル
化剤0.15重量%、増粘剤0.15重量%という少な
い用量で易嚥下食に要求される範囲の物性を得ることが
できた。また、このゼリーは風味が良く、咀嚼の必要が
なくて飲み込みやすいゼリーであり、易嚥下食の水分補
給用ゼリーに好適であった。
【0058】実施例2 表10の配合に従って、A、B及びCの溶液をそれぞれ
別個に溶解させた。
【表10】
【0059】各溶液をそれぞれ70℃に加温した後混合
し、プレート式殺菌機(森永エンジニアリング製)で1
25℃、2秒間の殺菌を行った後、60℃に冷却した。
それから、レトルト用パウチ(東洋製罐製)に200g
ずつ充填し、ヒートシールした後、冷蔵庫で10℃に冷
却して、烏龍茶味のゼリー100個を製造した。得られ
たゼリーの物性値は、試験1の評価方法と同一の方法で
測定した堅さが3×103N/m2であり、試験3の評価方
法と同一の方法で測定したG’が102〜103Paの範囲
にあり、tanδが0.1〜0.2の範囲にあった。この
ように、食品当たり、ゲル化剤0.12重量%、増粘剤
0.20重量%という少ない用量で易嚥下食に要求され
る範囲の物性を得ることができた。また、このゼリーは
風味が良く、咀嚼の必要がなくて飲み込みやすいゼリー
であり、易嚥下食の水分補給用ゼリーに好適であった。
【0060】実施例3 表11の配合に従って、A、B及びC成分をそれぞれ別
個に溶解させた。
【表11】
【0061】各溶液をそれぞれ65℃に加温した後混合
した。得られた溶液をレトルト用パウチ(東洋製罐製)
に200gずつ充填し、ヒートシールした後、レトルト
殺菌機(日坂製作所製)で、121℃、4分間の殺菌を
行った後、15℃に冷却して、コンソメスープ味のゼリ
ー50個を製造した。なお、ここでは、ゲル化剤として
ジェランガムを用い、増粘剤としてローカストビーンガ
ムを用いているが、この組み合わせの場合に必要とされ
るカルシウム塩は、粉末スープ及び脱脂粉乳に由来す
る。得られたゼリーの物性値は、試験1の評価方法と同
一の方法で測定した堅さが1×103N/m2であり、試験
3の評価方法と同一の方法で測定したG’が102〜1
3Paの範囲にあり、tanδが0.1〜0.3の範囲にあ
った。このように、食品当たり、ゲル化剤0.15重量
%、増粘剤0.20重量%という少ない用量で易嚥下食
に要求される範囲の物性を得ることができた。また、こ
のゼリーは風味が良く、咀嚼の必要がなくて飲み込みや
すいゼリーであり、易嚥下食メニューの1つとして好適
であった。
【0062】実施例4 表12の配合に従って、A、B及びCの溶液をそれぞれ
別個に溶解させた。
【表12】
【0063】各溶液をそれぞれ70℃に加温した後混合
し、プレート式殺菌機(森永エンジニアリング製)で1
25℃、2秒間の殺菌を行った後、60℃に冷却した。
それから、充填機(トーワテクノ社製)でプラスティッ
クカップに120gずつ充填し、アルミ蓋をヒートシー
ルした後、冷蔵庫で10℃に冷却して、お吸い物味のゼ
リー100個を製造した。得られたゼリーの物性値は、
試験1の評価方法と同一の方法で測定した堅さが5×1
2N/m2であり、試験3の評価方法と同一の方法で測定
したG’が10〜102Paの範囲にあり、tanδが0.5
〜0.7の範囲にあった。このように、食品当たり、ゲ
ル化剤0.25重量%、増粘剤0.20重量%という少
ない用量で易嚥下食に要求される範囲の物性を得ること
ができた。また、このゼリーは風味が良く、咀嚼の必要
がなくて飲み込みやすいゼリーであり、易嚥下食メニュ
ーの1つとして好適であった。
【0064】実施例5 表13の配合に従って、A、B及びC成分をそれぞれ別
個に溶解させた。
【0065】
【表13】
【0066】各溶液をそれぞれ80℃に加温した後混合
した。得られた溶液をレトルト用パウチ(東洋製罐製)
に200gずつ充填し、ヒートシールした後、90℃の
温湯槽に20分間浸漬して殺菌した。それから、冷水槽
に30分間浸漬し、オレンジ味の水分補給用ゼリー50
個を製造した。得られたゼリーの物性値は、試験1の評
価方法と同一の方法で測定した堅さが7×103N/m2
あり、試験3の評価方法と同一の方法で測定したG’が
102〜103Paの範囲にあり、tanδが0.2〜0.3
の範囲にあった。このように、食品当たり、ゲル化剤
0.30重量%、増粘剤0.25重量%という少ない用
量で易嚥下食に要求される範囲の物性を得ることができ
た。また、このゼリーは風味が良く、咀嚼の必要がなく
て飲み込みやすいゼリーであり、易嚥下食の水分補給用
ゼリーに好適であった。
【0067】実施例6 表14の配合に従って、A、B及びC成分をそれぞれ別
個に溶解させた。
【表14】
【0068】各溶液をそれぞれ65℃に加温した後混合
した。得られた溶液をレトルト用パウチ(東洋製罐製)
に200gずつ充填し、ヒートシールした後、レトルト
殺菌機(日坂製作所製)で、121℃、4分間の殺菌を
行った後、15℃に冷却して、ミックス野菜入りのポタ
ージュスープ味のゼリー50個を製造した。なお、ここ
では、ゲル化剤としてκカラギーナンを用い、増粘剤と
してネイティブジェランガムを用いているが、この組み
合わせの場合に必要とされるカリウム塩は、粉末スー
プ、脱脂粉乳、人参ダイス、コーン5mmクラッシュ及
びヒヨコマメペーストに由来する。得られたゼリーの物
性値は、試験1の評価方法と同一の測定装置を用いて、
試料の容器直径:50mm、試料の厚み:40mm、プラン
ジャー直径:3mm、圧縮速度10mm/sec、クリアラン
ス:12mm、試料温度:20±2℃、の条件で測定した
結果、堅さは6×102N/m2であった。また、試験3の
評価方法と同一の方法で測定した結果、G’が10〜1
2Paの範囲にあり、tanδが0.6〜0.8の範囲にあ
った。このように、食品当たり、ゲル化剤0.15重量
%、増粘剤0.20重量%という少ない用量で易嚥下食
に要求される範囲の物性を得ることができた。このゼリ
ーは風味が良く、咀嚼の必要がなくて飲み込みやすいゼ
リーであり、易嚥下食メニューの1つとして好適であっ
た。
【0069】上記試験例及び実施例から明らかなよう
に、本発明の組成物あるいは食品においては、ゲル化剤
0.10〜0.30重量%、増粘剤0.15〜0.25
重量%という少ない用量で易嚥下食に要求される範囲の
物性を得ることができた。
【0070】
【発明の効果】このように、本発明は、易嚥下食に適し
た物性を有するゲル状組成物、該組成物からなる食品及
びそれらを工業的に、安定に製造する方法に関するもの
であり、本発明の製造方法を用いることによって、易嚥
下食に適した物性を、製造条件によるばらつきなく発現
させることができる。また、本発明では、易嚥下食に必
要とされる物性を与えるために添加されるゲル化剤及び
増粘剤の添加量を低減することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 圭次 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社食品総合研究所内 (72)発明者 竹歳 哲治 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社食品総合研究所内 (72)発明者 杉山 妙子 神奈川県座間市東原五丁目1番83号 森永 乳業株式会社食品総合研究所内 Fターム(参考) 4B041 LC03 LD01 LD03 LH07 LH10 LH16 LK02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル化剤及び増粘剤を含むゲル状組成物
    であって、予め別個に加熱された、前記ゲル化剤の溶液
    及び前記増粘剤の溶液を、混合し冷却してなることを特
    徴とするゲル状組成物。
  2. 【請求項2】 前記ゲル化剤が寒天及び/又はファーセ
    ルランであり、且つ、前記増粘剤がネイティブジェラン
    ガムであることを特徴とする請求項1記載のゲル状組成
    物。
  3. 【請求項3】 ゲル化剤、増粘剤及び塩類を含むゲル状
    組成物であって、予め別個に加熱された、前記ゲル化剤
    の溶液、前記増粘剤の溶液及び前記塩類の溶液を、混合
    し冷却してなることを特徴とするゲル状組成物。
  4. 【請求項4】 前記ゲル化剤がκカラギーナンであり、
    前記増粘剤がキサンタンガム及び/又はネイティブジェ
    ランガムであり、且つ、前記塩類がカリウム塩であるこ
    とを特徴とする請求項3記載のゲル状組成物。
  5. 【請求項5】 前記ゲル化剤がジェランガムであり、前
    記増粘剤がグアーガム及び/又はローカストビーンガム
    であり、且つ、前記塩類がカルシウム塩であることを特
    徴とする請求項3記載のゲル状組成物。
  6. 【請求項6】 貯蔵弾性率が10〜103Paであり、損
    失正接が0.1〜1.0である、請求項1から5のいず
    れかに記載のゲル状組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれかに記載のゲル
    状組成物からなる食品。
  8. 【請求項8】 ゲル化剤及び増粘剤を含むゲル状組成物
    の製造方法であって、前記ゲル化剤の溶液及び前記増粘
    剤の溶液を別個に加熱する加熱工程と、前記各溶液を混
    合して混合液とする混合工程と、前記混合液を冷却する
    冷却工程とを含むことを特徴とするゲル状組成物の製造
    方法。
  9. 【請求項9】 ゲル化剤、増粘剤及び塩類を含むゲル状
    組成物の製造方法であって、前記ゲル化剤の溶液、前記
    増粘剤の溶液及び前記塩類の溶液を別個に加熱する加熱
    工程と、前記各溶液を混合して混合液とする混合工程
    と、前記混合液を冷却する冷却工程とを含むことを特徴
    とするゲル状組成物の製造方法。
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