JP5855386B2 - セルロース複合体 - Google Patents
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Description
特許文献1は、セルロースとジェランガムの複合体について開示されている。
特許文献2は、結晶セルロースとジェランガムの複合体について開示されている。
特許文献3は、ネイティブジェランガム及び結晶セルロースを含有する食品について記載されている。
(1)セルロースを0.5〜85質量%、ジェランガムを15〜99.5質量%含むセルロース複合体であり、該セルロース複合体を固形分0.5質量%の水分散液としたときのチキソトロピ−インデックスが1.5以上であるセルロース複合体。
(2)前記水分散液のチキソトロピーの挙動から得られるヒステリシスの面積が15以上である(1)に記載のセルロース複合体。
(3)(1)又は(2)に記載のセルロース複合体を含む食品加工品。
(4)(1)又は(2)に記載のセルロース複合体を含むソース類。
(5)(1)又は(2)に記載のセルロース複合体を含む乳化スープ。
(6)(1)又は(2)に記載のセルロース複合体を、固形分で0.001〜30質量%含む食品加工品。
本発明において、「セルロース」とは、セルロースを含有する天然由来の水不溶性繊維物質である。原料としては、木材、竹、麦藁、稲藁、コットン、ラミー、バガス、ケナフ、ビート、ホヤ、バクテリアセルロース等が挙げられる。原料として、これらのうち1種の天然セルロース系物質を使用しても、2種以上を混合したものを使用することも可能である。
本発明に用いられるジェランガムとは、Sphingomonas elodeaという微生物が菌体外に産出する多糖類である。ジェランガムには、脱アシル型ジェランガムとネイティブジェランガムの2種類がある。ジェランガムは直鎖状のヘテロ多糖類で、グルコース、グルクロン酸、グルコース、ラムノースの4糖の繰り返し単位から構成されており、グルクロン酸由来のカルボキシ基を有している。脱アシル型とネイティブ型の違いは、1−3結合したグルコースに存在するアセチル基とグリセリル基の有無であり、これらアセチル基とグリセリル基を除去したものが脱アシル型ジェランガムである。本発明に用いるジェランガムはどちらでもよいが、好ましくはネイティブジェランガム(分子量60〜70万)である。アシル型ジェランガムよりもネイティブジェランガムの方がセルロースと複合体にしたときにチキソトロピー性が高められる。
<セルロースとジェランガムの組み合わせ>
本発明のセルロース複合体に用いられるジェランムは、ネイティブジェランガムと脱アシル型ジェランガムを組み合わせたものを配合してもよい。このネイティブジェランガムと脱アシル型ジェランガムとの組み合わせは、ネイティブジェランガム/脱アシル型ジェランガム=5/95〜95/5(質量比)であることが好ましい。
より好ましくは、10/90〜90/10、さらに好ましくは80/20〜20/80である。ネイティブジェランガムと脱アシル型ジェランガムを併用すると、セルロースとの吸着性が高まることで、セルロース複合体のネットワーク構造を剛直にし、結果として、水分散体のチキソトロピーが高く発現するために好ましい。
用いるネイティブジェランガムの粘度は、0.15質量%の純水溶液において、100〜1500mPa・sが好ましく、300〜1000mPa・sがより好ましい。脱アシル型ジェランガムの粘度は0.15質量%の純水溶液において、20mPa・s以下が好ましく、10mPa・s以下がより好ましい。
本発明のセルロース複合体は、セルロースを0.5〜85質量%、ジェランガムを15〜99.5質量%含む。ジェランガムがセルロース粒子の表面を被覆する形態で複合化することで、セルロース複合体がもつ分散安定性、懸濁安定性、乳化安定性、増粘性が向上する。また、セルロースとジェランガムを上記の組成とすることで、前記した複合化が促進される。複合化が促進されると、セルロース複合体は、水中において粒子同士のより強いネットワークを形成し、高い粘度、高いチキソトロピー性を示す。その結果、低濃度でも、セルロース複合体の分散液の粘度、チキソトロピー性が高まる。それによって、食品を配合した際、離水、分離、凝集が生じにくくなったり、ソースが増粘したり、ソースの基材への染み込みが抑制されたりする。
次に、本発明のセルロース複合体のチキソトロピーインデックスについて説明する。チキソトロピーインデックス(以下、TI値)とは、セルロース複合体の6rpmで測定した際の粘度値を60rpmで測定した際の粘度値で割った粘度の比のことである。粘度は、純水中に本発明のセルロース複合体を0.5質量%に調製した水溶液を200mlトールビーカーに充填し、25℃に温調した後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10M形粘度計)を用いて、ローターを6rpmで30秒間回転させた直後の測定値である。また、その後、回転数を60rpmに変更し同じように30秒間回転させた直後の測定値でもあり、粘度の比とは6rpmで測定した粘度値を60rpmで測定した粘度値で割った次の式である。
TI値=6rpm/60rpm
TI値が高いほど、分散液のチキソトロピー性が高いことになり、それは、セルロース複合化物の複合化が促進されているので好ましい。
本発明のセルロース複合体は、セルロースとジェランガムを必須成分とするが、さらにジェランガム以外の水溶性ガムを含むことが好ましい。水溶性ガムとしては、水膨潤性が高く、セルロースと複合化しやすいガムが好ましい。
本発明のセルロース複合体に、水への分散性を高める目的で、ジェランガム及び水溶性ガム以外に、さらに親水性物質を加えてもよい。親水性物質とは、冷水への溶解性が高く粘性を殆どもたらさない有機物質であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、乳糖、マルトース、ショ糖、α−、β−、γ−シクロデキストリン等のオリゴ糖類、ブドウ糖、果糖、ソルボース等の単糖類、マルチトール、ソルビット、エリスリトール等の糖アルコール類等が適している。これらの親水性物質は、2種類以上組み合わせてもよい。上述の中でも、糖アルコール、澱粉加水分解物、デキストリン類、難消化性デキストリン、ポリデキストロース等の親水性多糖類が分散性の点で好ましく、特に糖アルコールが好ましい。弱い分散条件でも小粒子のセルロース複合体が得られるという点で、糖アルコールのなかでもソルビトールが好ましい。
次に、本発明のセルロース複合体の粘度について説明する。本発明のセルロース複合体は、セルロース複合体を0.5質量%含む純水分散液の粘度が500mPa・s以上であることが好ましい。ここで、粘度とは、純水中に0.5質量%に調製した水溶液を200mlビーカーに充填し、25℃に温調した後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10M形粘度計)を用いて、ローターを60rpmで30秒間回転させた直後の測定値を指す。但し、ローターは、粘度によって適宜変更できる。使用するロータはNo.3、No.4である。
次に、本発明のセルロース複合体のチキソトロピー性について説明する。チキソトロピーとは、一定の応力で攪拌し続けると構造が壊れ時間と共に液体の粘度は下がっていくが、応力を取り除くと構造が回復し、時間の経過に伴い元の状態に戻る、という現象である。チキソトロピーとは、構造が回復するときには構造が壊れた時と異なった挙動(ヒステリシス)を示し、そのヒステリシスの面積が大きいほどチキソトロピーが大きいと言い、食感が良好である等、良好な特性を示す。
次に、本発明のセルロース複合体の乳化安定性について説明する。本発明のセルロース複合体を高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)にて0.3質量%で分散した30gと純水120gとサラダ油150g(油/水の比が50/50)とを、TKホモミキサーにて10000rpmで10分間攪拌(室温)し、それを100mlの沈降管に移し、25℃の雰囲気で7日間、静置した際の乳化状態のことを乳化安定性と言う。7日間静置した状態が離水・分離せず、均一な乳化層を保っていることが、乳化系の食品に応用した際に安定した状態に繋がる。
セルロース複合体の体積平均粒子径は、30μm以下であることが好ましい。ここで、該体積平均粒子径は、セルロース複合体を、0.5質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)により得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径のことである。
さらに、セルロース複合体は、コロイド状セルロース成分を30質量%以上含有することが好ましい。ここでいうコロイド状セルロース成分の含有量とは、セルロース複合体を、0.5質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させ、遠心分離(久保田商事(株)製、商品名「6800型遠心分離器」ロータータイプRA−400型、処理条件:遠心力2,000rpm(5600G※Gは重力加速度)×15分間)し、遠心後の上澄みに残存する固形分(セルロースと、ジェランガムを含む。また、本発明のセルロース複合体が水溶性ガムを含む場合さらに、水溶性ガムを含む)の質量百分率のことである。
次に、本発明のセルロース複合体の製造方法を説明する。
本発明のセルロース複合体は、種々の食品に使用できる。例を挙げると、コーヒー、紅茶、抹茶、ココア、汁粉、ジュース等の嗜好飲料、生乳、加工乳、乳酸菌飲料、豆乳等の乳性飲料、カルシウム強化飲料等の栄養強化飲料並びに食物繊維含有飲料等含む各種の飲料類、アイスクリーム、アイスミルク、ソフトクリーム、ミルクシェーキ、シャーベット等の氷菓類、バター、チーズ、ヨーグルト、コーヒーホワイトナー、ホイッピングクリーム、カスタードクリーム、プリン等の乳製品類、マヨネーズ、マーガリン、スプレッド、ショートニング等の油脂化工食品類、各種の乳化スープ、シチュー、ソース、タレ、ドレッシング等の調味料類、練りからしに代表される各種練りスパイス、ジャム、フラワーペーストに代表される各種フィリング、各種のアン、ゼリーを含むゲル・ペースト状食品類、パン、麺、パスタ、ピザ、各種プレミックスを含むシリアル食品類、キャンディー、クッキー、ビスケット、ホットケーキ、チョコレート、餅等を含む和・洋菓子類、蒲鉾、ハンペン等に代表される水産練り製品、ハム、ソーセージ、ハンバーグ等に代表される畜産製品、クリームコロッケ、中華用アン、グラタン、ギョーザ等の各種の惣菜類、塩辛、カス漬等の珍味類、ペットフード類及び経管流動食類等である。
食品中に本発明のセルロース複合体を添加する方法としては次の方法が挙げられる。主原料と同時に本発明のセルロース複合体を水に分散させることによって添加する方法、又は着色料、香料、酸味料、増粘剤等の主原料以外の成分と同時に本発明のセルロース複合体を水に分散させ、それを主原料に添加する方法が挙げられる。また、セルロース複合体の乾燥粉末を高塩濃度の水系媒体に分散する場合には、セルロース複合体を一旦、水に分散したあと、目的とする食品形態に添加する方が、セルロース複合体の分散性がより向上するために好ましい。セルロース複合体が乾燥粉末の場合、水への分散方法は、食品等の製造工程で通常使用される各種の分散機・乳化機・磨砕機等の混練機を使用して分散することができる。混練機の具体例としては、プロペラ攪拌機、高速ミキサー、ホモミキサー、カッター等の各種ミキサー、ボールミル、コロイドミル、ビーズミル、ライカイ機等のミル類、高圧ホモジナイザー、ナノマイザー等の高圧ホモジナイザーに代表される分散機・乳化機、プラネタリーミキサー、ニーダー、エクスとルーダー、タービュライザー等に代表される混練機等が使用できる。2種以上の分散機を組み合わせて使用してもかまわない。また、加温しながら行ったほうが分散は容易である。
本発明のセルロース複合体を食品に使用する場合、その添加量は、食品の種類によって変わるもので適宜決定すべきであるが、おおむね固形分で0.001〜30質量%である。好ましくは、0.005〜25質量%であり、より好ましくは0.01〜20質量%であり、さらに好ましくは0.02〜15質量%である。
ソースとは、野菜、果実の搾汁、煮出汁、ピューレもしくはこれを濃縮したものに糖類、食酢、食塩、及び香辛料を添加し調製したもの、又はこれにカラメル、酸味料、アミノ酸液、糊料等を添加して調製した液体調味料として日本農林規格(JAS)で規格化されている。ウスターソース類は、粘度の違いによって、最もさらっとしたウスターソース(粘度が0.2Pa・s未満)、ややとろみのある中濃ソース(粘度が0.2Pa・s以上2.0Pa・s未満)、中濃よりもさらに粘度の高い濃厚ソース(粘度が2.0Pa・s以上)に分けられている。ソースの例として、とんかつソース、ステーキソース、デミグラスソース、カレーソース、てりやきソース、焼きそばソース、焼きうどんソース、パスタソース、ハンバーガーソース、ブラウンソース、ピザソース、たこ焼きソース、お好み焼きソース、もんじゃ焼きソース、クリームソース等がある。本発明のセルロース複合体は、いずれの粘度のソースにも適用できる。
乳化スープとは、水と油と本発明のセルロース複合体を含有する食品である。
本発明を実施例に基づいて説明する。まず、以下に測定方法の説明をする。
純水中にセルロース複合体の濃度を0.5質量%に調製した水溶液を、200mlトールビーカーに充填し、25℃に温調した後、粘度計(東機産業(株)製、TVB−10M形粘度計)を用いて、ローターを6rpmで30秒間回転させた直後の粘度を測定した。その後、回転数を60rpmに変更し同じように30秒間回転させた直後の粘度を測定し、6rpmで測定した粘度値を60rpmで測定した粘度値で割った比を求めた。
(1)セルロース複合体を、0.5質量%濃度で純水懸濁液とし、高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で分散させた。
(2)得られた水分散体を、レーザー回折法(堀場製作所(株)製、商品名「LA−910」、超音波処理1分、屈折率1.20)で粒度分布を測定した。ここで得られた体積頻度粒度分布における積算50%粒子径をセルロース複合体の体積平均粒子径とした。
上記の体積平均粒子径の測定法で得られた水分散体ついて、分散1時間後(25℃保存)に、B形粘度計(ローター回転数60rpm。セットして30秒静置後に、30秒間回転させて測定した。
上記の体積平均粒子径の測定法で得られた水分散体ついて、分散30分後(25℃保存)に、粘弾性測定装置(Rheometric Scientific,Inc.製、ARES100FRTN1型、ジオメトリー:Double Wall Couette型、温度:25.0℃一定、Shear Rate:0⇔200(1/s)、Zone Time:60秒で測定した。水分散体は微細構造を壊さないようスポイトを使用して、ゆっくりと仕込み、5分間静置した後に、Thixotropic Loopモードで測定を開始する)により測定した。Shear Rate:0⇔200(1/s)のヒステリシスの面積を求めチキソトロピーとした。
セルロース複合体0.3質量%の分散液30gと純水120gとサラダ油150g(油/水の比が50/50)とを、TKホモミキサーにて10000rpmで10分間攪拌(室温)し、それを100mlの沈降管に移し、25℃の雰囲気で7日間、静置した際の懸濁している乳化層を目視で評価し、乳化層の割合を%で示した。
市販DPパルプを裁断後、2.5mol/L塩酸中で105℃、15分間加水分解した後、水洗・濾過を行い、固形分が50質量%のウェットケーキ状のセルロースを作製した(平均重合度は220であった)。
実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し、MCC/ネイティブジェランガムの質量比が18/82、仕込みの固形分が20質量%となるように加水した。
実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し、MCC/ネイティブジェランガムの質量比が40/60、仕込みの固形分が10質量%となるように加水した。
その後、実施例1と同じように真空ポンプ(−0.1MPa)で吸引しながら、500rpmで混練し、混練上がりの固形分を42質量%となるセルロース複合体Cを得た。混練エネルギーは、40Wh/kgであった。混練温度は、25〜48℃であった。
実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し、MCC/ネイティブジェランガム/CMC−Na(第一工業製薬(株)、F−7A、1%溶解液の粘度11mPa・s)の質量比が40/50/10、仕込みの固形分が15質量%となるように加水した。
実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し、MCC/ネイティブジェランガム/ソルビトール(物産フードサイエンス(株)製 ソルビトールFP)の質量比が20/30/50、仕込みの固形分が10質量%となるように加水した。その後、実施例1と同じように真空ポンプ(−0.1MPa)で吸引しながら、500rpmで混練し、混練上がりの固形分を42質量%となるセルロース複合体Eを得た。混練エネルギーは、40Wh/kgであった。混練温度は、25〜48℃であった。その後、混練物をステンレス容器に薄く全面に置き、オーブン(エスペック(株)製 PV−211)の温度100℃中に約30分間放置し乾燥させた後、超遠心粉砕器((株)日本精機製作所製)で粉体(回転数14,000rpm、スクリーン1.0mmφ)にし、セルロース複合体Eを得た。
実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し、MCC/ネイティブジェランガム/脱アシル型ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製 ケルコゲル(登録商標))との質量比が60/20/20となるように、固形分15質量%となるように加水した。その後、実施例1と同じように真空ポンプ(−0.1MPa)で吸引しながら、500rpmで混練し、混練上がりの固形分を25質量%となるセルロース複合体Fを得た。混練エネルギーは、25Wh/kgであった。混練温度は、24〜49℃であった。その後、混練物をステンレス容器に薄く全面に置き、オーブン(エスペック(株)製 PV−211)の温度100℃中に約30分間放置し乾燥させた後、超遠心粉砕器((株)日本精機製作所製)で粉体(回転数14,000rpm、スクリーン1.0mmφ)にし、セルロース複合体Fを得た。
得られたセルロース複合体FのTI値は2.3であり、粘度は650mPa・sであり、ヒステリシスの面積は90であった。また、セルロース複合体Fの体積平均粒子径は21.2μmであり、コロイド状セルロース成分は75質量%であった。セルロース複合体Fの乳化安定性(乳化層)について評価し、結果を表−1に示す。
(実施例7)
実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し、MCC/ネイティブジェランガム/脱アシル型ジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製 ケルコゲル(登録商標))との質量比が60/20/20となるように、固形分30質量%となるように加水した。その後、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)で126rpmにて混練して、セルロース複合体Gを得た。混練上がりの固形分は35質量%であった。混練エネルギーは19Wh/kgであり、混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜58℃であった。
セルロース複合体GのTI値は1.8であり、粘度は610mPa・sであり、ヒステリシスの面積は82であった。また、セルロース複合体Gの体積平均粒子径は24.3μmであり、コロイド状セルロース成分は68質量%であった。セルロース複合体Gの乳化安定性(乳化層)について評価し、結果を表−1に示す。
実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し、MCC/ネイティブジェランガムとの質量比が80/20となるよう秤量し、固形分30質量%となるように加水した。その後、プラネタリーミキサー((株)品川工業所製、5DM−03−R、撹拌羽根はフック型)で126rpmにて混練し、セルロース複合体Hを得たが、非常に柔らかいものであった。混練上がりの固形分は30質量%であった。混練エネルギーは0Wh/kgであり、混練温度は、実施例1と同様に測定され、混練を通して20〜21℃であった。セルロース複合体HのTI値は1.0であり粘度は2mPa・sであり、ヒステリシスの面積は0であった。また、セルロースの複合体Hの体積平均粒子径は47.3μmであり、コロイド状セルロース成分は8質量%であった。セルロース複合体Hの乳化安定性(乳化層)について評価し、結果を表―1に示す。
実施例1と同様にしてウェットケーキ状のセルロースを作成し、MCC/ネイティブジェランガムとの質量比が90/10となるよう秤量し、固形分15質量%となるように加水した。その後、実施例1と同じように真空ポンプ(−0.1MPa)で吸引しながら、500rpmで混練し、混練上がりの固形分を35質量%となるセルロース複合体Iを得た。混練エネルギーは、20Wh/kgであった。混練温度は、21〜46℃であった。
MCCとしてセオラス(登録商標)FD−301(旭化成ケミカルズ(株)製)とネイティブジェランガムとの質量比が40/60となるようにポリ袋中で粉混合しセルロース混合物Jを得た。セルロース混合物JのTI値は1.1であり、粘度は3170mPa・sであり、ヒステリシスの面積は2079であった。また、セルロースとネイティブジェランガムの混合体であるセルロース混合物Jの体積平均粒子径は31.2μmであり、コロイド状セルロース成分は25質量%であった。セルロース粉混合物Jの乳化安定性(乳化層)について評価し、結果を表−1に示す。
結晶セルロース複合体C、結晶セルロース混合物J、ネイティブジェランガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製 ケルコゲル(登録商標)LT100)それぞれを高剪断ホモジナイザー(日本精機(株)製、商品名「エクセルオートホモジナイザーED−7」処理条件:回転数15,000rpm×5分間)で粘度が2000mPa・sとなる分散液を作成した。結晶セルロース複合体Cの分散液は0.38質量%、結晶セルロース混合物Jの分散液は0.40質量%、ネイティブジェランガムの分散液が0.23%であった。
トマトケチャップ200質量部に純水60質量部、結晶セルロース複合化物C 0.38質量%の分散液(分散液の粘度は2000mPa・s)20質量部をステンレス容器に入れて、TKホモミキサー(特殊機化工業(株)製、MARKII)8,000rpmで5分間攪拌しトマトソースを作製した。作製したトマトソース10.0質量部を、食パン(縦4.0cm、横5.5cm、厚さ3cm)上部に均一に塗り、タッパに入れて室温で2日間静置した。その後、トマトソースの水分がどの程度食パンへ染みこんでいるかの評価を行った。染みこみの評価は、ソースをのせた上面と床に密着している下面以外の4面において、食パン全体像をデジタルカメラで撮影し、パンの面積とソースの染み込みの面積を画像解析装置で評価した。ソースが染み込んだ割合は食パンにソースが染み込んだ部分を食パン前面の面積で除した値を計算し、食パンにソースが染み込んだ割合とした。結晶セルロース複合化物Cの染みこみは11.3%であった。
結晶セルロース混合物J0.40質量%の分散液(分散液の粘度が2000mPa・s)20質量部以外は、実施例6と同じ操作でトマトソースを作製し、染みこみ部分の割合を評価した。結晶セルロース混合物Jの染みこみは、26.2%であった。
ネイティブジェランガム0.23質量%の分散液(分散液の粘度が2000mPa・s)20質量部以外は、実施例6と同じ操作でトマトソースを作製し、染みこみ部分の割合を評価した。染みこみは27.0%であった。
結晶セルロース複合体C0.23質量%(分散液の粘度が425mPa・s)の分散液20質量部以外は、実施例8と同じ操作でトマトソースを作製し、染みこみ部分の割合を評価した。染みこみ部分は13.2%であった。
純水60質量部を80質量部に変え、結晶セルロース複合体を0質量部以外は、実施例8と同じようにトマトソースを作製し、染みこみ部分の割合を評価した。染みこみは31.0%であった。
市販のとんこつラーメンスープ(グリコ栄養食品(株)商品名:麺好亭 香 内容量43g)を500mlのステンレスビーカーに入れて、お湯(水道水:95℃)を300g注ぎ、TKホモミキサーで10,000rpmで5分間攪拌した。その後、100mlを沈降管に入れて室温で静置(25℃)し、7日後の状態を目視で観察した。沈降管の目盛り6体積%に分離が生じ、沈降管底部より、スパイスの沈降量も観察したが、かなり多かった。また、作製したラーメンスープの粘度を粘度計で測定した結果、2.5mPa・sであった。
セルロース複合体Cを配合したラーメンスープを作製した。セルロース複合体Cを0.11g配合(セルロース複合体Cの固形分42質量%)、お湯の量を299.89gにすること以外は、比較例7と同じ操作である。(ラーメンスープ全量300gに対し、セルロース複合化物の濃度は、0.015質量%)
セルロース複合体Hを配合したラーメンスープを作製した。セルロース複合体Cを0.11g配合(セルロース複合体Cの固形分42質量%)、お湯の量を299.89gにすること以外は、比較例7と同じ操作である。(ラーメンスープ全量300gに対し、セルロース複合体の濃度は、0.015質量%)
比較例7と同じように評価し、沈降管の目盛り5体積%に分離が生じ、スパイスの沈降は多かった。ラーメンスープの粘度は、3.0mPa・sであった。
Claims (6)
- セルロースを0.5〜85質量%、ジェランガムを15〜99.5質量%含むセルロース複合体であり、該セルロース複合体を固形分0.5質量%の水分散液としたときのチキソトロピ−インデックスが1.5以上であるセルロース複合体。
- 前記水分散液のチキソトロピーの挙動から得られるヒステリシスの面積が15以上である請求項1に記載のセルロース複合体。
- 請求項1又は2に記載のセルロース複合体を含む食品加工品。
- 請求項1又は2に記載のセルロース複合体を含むソース類。
- 請求項1又は2に記載のセルロース複合体を含む乳化スープ。
- 請求項1又は2に記載のセルロース複合体を、固形分で0.001〜30質量%含む食品加工品。
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