JP4094983B2 - 可食性スポンジ状ゲル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は可食性スポンジ状ゲルおよびその製造方法に関わる。
【0002】
【従来の技術】
可食性ゲルとは、高分子の三次元網目構造中に液体を含んだ膨潤体物質で、高い吸水性や保水性を有するもので、食品では、寒天ゼリー、こんにゃく、豆腐など多糖類やタンパク質を利用した典型的なゲルが古くから知られている。
セルロース性物質を用いたゲル状物質としては、特許文献1、特許文献2に開示がある。しかしながら、植物細胞壁を原料とした微細繊維状セルロースを主原料とした水分散性複合体とグルコマンナンと水を含有し、新規な食感を有する可食性スポンジ状ゲルについては何ら開示がなかった。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−196238号公報
【特許文献2】
特開平8−242875号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、新規かつ良好な食感を有する可食性スポンジ状ゲルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特定の物性を有する微細な繊維状セルロースと親水性高分子からなる水分散性複合体とグルコマンナンを水に分散して混合し、更に凍結させたのち解凍することで課題を解決し、本発明をなすに至った。すなわち本発明は、以下に記載するとおりのスポンジ状ゲル及びその製造方法である。
(1)植物細胞壁を原料とし、長さ0.5μm〜1mm、幅2nm〜60μm、長さと幅の比5〜400の形状を有し、その0.1質量%水分散液に安定に懸濁するセルロース成分を30%以上含有する、微細繊維状セルロース50〜95質量%と親水性高分子5〜50質量%を含有する水分散性複合体であって、その0.5質量%水分散液の損失正接が1未満である水分散性複合体とグルコマンナン、および水からなるスポンジ状ゲル。
(2)前記記載の水分散性複合体が、安定に懸濁するセルロース成分を50質量%以上含有し、損失正接が0.6未満であることを特徴とする、(1)記載のスポンジ状ゲル。
(3)水分散性複合体とグルコマンナンとの質量比が85:15〜35:65であり、かつ、水分散性複合体及びグルコマンナンの混合物と水との質量比が0.1:99.9〜5:95であることを特徴とする、(1)または(2)記載のスポンジ状ゲル。
(4)植物細胞壁を原料とし、その0.1質量%水分散液に安定に懸濁するセルロース成分を30%以上含有する、微細繊維状セルロース50〜95質量%と親水性高分子5〜50質量%を含有する水分散性複合体であって、その0.5質量%水分散液の損失正接が1未満である水分散性複合体とグルコマンナンと水からなる混合液を凍結し、解凍することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のスポンジ状ゲルの製造方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下具体的に説明する。
本発明で使用される微細繊維状セルロースは植物細胞壁を原料とする。具体的には、木材(針葉樹、広葉樹)、コットンリンター、ケナフ、マニラ麻(アバカ)、サイザル麻、ジュート、サバイグラス、エスパルト草、バガス、稲わら、麦わら、葦、竹などの植物細胞壁由来の天然セルロースを主成分とするパルプが使用される。特に工業的に使用が可能なものが好ましい。これらは、比較的安価で、かつ、安定的に原料を入手することができるので、経済的に製品を市場に供給することができる。
【0007】
綿花、パピルス草、ビート、こうぞ、みつまた、ガンピなども使用が可能だが、原料の安定的な確保が困難であること、セルロース以外の成分の含有量が多いこと、ハンドリングが難しいことなどの理由で好ましくない場合がある。植物細胞壁を原料としない微生物セルロースは、価格および原料確保の問題を解決できないので、本発明の原料としては含まれない。再生セルロースを原料とした場合は、充分な性能が発揮されないので、再生セルロースもまた本発明の原料としては含まれない。
【0008】
本発明で使用される微細繊維状セルロースは、原料中に存在するミクロフィブリルをできるだけ短繊維化させることなく取り出したものであることが望ましい。しかし、残念ながら現在の技術では引き裂くという作用のみを与えて「微細化」する装置はない。従って多少なりとも「短繊維化」は生じてしまう。原料セルロースの平均重合度が低いと「短繊維化」が生じやすく、粗大な繊維がなくなるまで処理すると、同時に短繊維化も進行し、結果として、後述する水分散液の損失正接値は1以上となりやすい。(以下、本発明においては、「短繊維化」とは繊維を切断等の作用により短くすること、あるいは短くなった状態を意味する。また、「微細化」とは繊維を引き裂くなどの作用により細くすること、あるいは細くなった状態を意味する。)
【0009】
一方、α−セルロース含有量もまた、その値が高いと、「微細化」と「短繊維化」が同時に進行するために、水分散液の損失正接値は1以上となりやすい。ちなみに、α−セルロースとは17.5重量NaOH水溶液に溶解しない成分であり、これは重合度が比較的大きく、かつ、より結晶性の高い成分と考えられる。α−セルロース以外の成分、すなわち、β−セルロース、γ−セルロース、ヘミセルロースなどの含有量が増えると、「短繊維化」よりも「微細化」が優位に進行するらしい。このため、α−セルロース以外の成分の含有量が増えると、水分散液の損失正接値は1未満となりやすくなる。これは、α−セルロース成分は結晶性の高いミクロフィブリル成分を構成し、その他の成分はそれらの周辺に位置するという構造をとっているためではないかと推定する。
【0010】
本発明で使用される微細な繊維状のセルロースの原料としては、この「微細化」と「短繊維化」の受けやすさのバランスが重要であり、方向としてはより平均重合度が高く、α−セルロース含有量が低い方が好ましい。本発明者らはこの関係を詳細に検討し、原料の平均重合度が400以上で、かつ、α−セルロース含有量が60〜100%の関係にあれば、「短繊維化」よりも「微細化」が優位に進行し、その結果として、水分散液の損失正接値は1未満となりやすい原料であることを見いだした。但し、平均重合度が低く、α−セルロース含有量が高い場合、すなわち平均重合度が1300未満で、かつ、α−セルロース含有量が90%を越える場合は「短繊維化」が「微細化」と同じか、あるいは優位に進行するため、不適当である。また、α−セルロース含有量が60%未満であると、相対的に微細な繊維状のセルロースとなり得る成分が減少してしまうので、不適当である。好ましい原料の具体例は、木材パルプ、コットンリンターパルプ、麦わらパルプ、稲わらパルプ、竹パルプ、バガスバルプなどである。
【0011】
本発明で使用される微細繊維状セルロースの原料は、微細化の促進を目的として、前処理を行ってから使用してもよい。前処理法の例としてはたとえば、希薄なアルカリ水溶液(たとえば、1moL/LのNaOH水溶液)に数時間浸漬したり、希薄な酸水溶液に浸漬したり、酵素処理したり、あるいは爆砕処理することなどがあげられる。
【0012】
本発明で使用される微細繊維状セルロースの原料は、まず、長さ4mm以下の繊維状粒子に加工する。全個数(本数)の50%以上は約0.5mm以上であることが好ましい。より好ましくは全ての粒子が3mm以下、最も好ましくは2.5mm以下である。方法としては、乾式/湿式いずれの方法でも可能である。乾式ならばシュレッダー、ハンマーミル、ピンミル、ボールミルなどが使用できるし、湿式ならば高速回転型ホモジナイザー、カッターミルなどが使用できる。必要に応じて各装置に投入しやすいサイズに加工した後に処理する。複数回処理を行ってもよい。湿式媒体撹拌型粉砕機のような強力な粉砕機にかけると過剰に短繊維化してしまうので好ましくない。
【0013】
好ましい機械はコミトロール(URSCHEL LABORATORIES,Inc.)である。コミトロールを使用する場合は、例えば原料パルプを5〜15mm角に裁断した後、水分72〜85%程度に含水させ、カッティングヘッドあるいはマイクロカットヘッドを装着した装置に投入して処理すればよい。
ついで、これを水に投入し、プロペラ撹拌、回転型ホモジナイザーなどを用いて、繊維状粒子が凝集することのない様に分散する。パルプ化の工程等の作用により繊維状粒子の長さが短い原料(パルプ)の場合は、この分散操作のみで長さ4mm以下の繊維状粒子の水分散液とすることができる場合もある。濃度は0.1〜5%程度が好ましい。この時、繊維状成分の懸濁安定性、凝集防止を目的として、親水性高分子を配合しても良い。カルボキシメチルセルロース・ナトリウムの配合は望ましい実施態様の一つである。
【0014】
ついで、この水分散液をある程度の短繊維化と、微細化の処理を施し、0.5%水分散液の沈降体積が70体積%以上になるようにする。好ましくは沈降体積が85体積%以上である。なお沈降体積とは、微細な繊維状のセルロースが均一に懸濁するように水に分散したもの100mL(0.5%)を内径25mmのガラス管に注ぎ込み、数回反転して内容物を撹拌した後、室温で4時間静置した時に観察される白濁した懸濁層の体積を意味する。装置としては高速回転型ホモジナイザー、ピストン型ホモジナイザー、砥石回転型粉砕機などが使用できる。好ましい装置は砥石回転型粉砕機である。
【0015】
砥石回転型粉砕機とは、コロイドミルあるいは石臼型粉砕機の一種であり、例えば、粒度が16〜120番の砥粒からなる砥石をすりあわせ、そのすりあわせ部に前述の水分散液を通すことで、粉砕処理される装置のことである。必要に応じて、複数回処理を行ってもよい。砥石を適宜変更するのは好ましい実施態様の一つである。砥石回転型粉砕機は、「短繊維化」と「微細化」の両作用を有するが、その作用は砥粒の粒度に影響を受ける。短繊維化を目的とする場合は46番以下の砥石が有効であり、微細化を目的とする場合は46番以上の砥石が有効である。46番はいずれの作用も有する。具体的な装置としては、ピュアファインミル(グランダーミル)(株式会社栗田機械製作所)、セレンディピター、スーパーマスコロイダー、セレンマイスター、スーパーグラインデル(以上、増幸産業株式会社)などがあげられる。
【0016】
ついで、この水分散液を高圧ホモジナイザーにて、60〜414MPaの圧力で処理することにより、微細な繊維状のセルロースが調製される。必要に応じて複数回処理を行う。遠心分離等の操作によって分取してもよい。原料の平均重合度が2000以上で、かつ、α−セルロース含有量が90%を越える場合は10回以上あるいは20回以上、高圧ホモジナイザー処理する必要がある場合があるが、生産効率を考慮すると、原料や、砥石回転型粉砕機の処理条件を適当に選択することにより、6回以下にとどめることが好ましい。一般的には、処理回数を増やすと、粘度は上昇した後、徐々に低下してくる。これは、処理回数が増えると細くなる方は限界に近づくが、短くなる方は徐々に進行するため、「微細化」よりも「短繊維化」が優勢となるためと思われる。濃度は低いほど「微細化」が優勢に進むらしく、結果として見かけ粘度の最高到達値が高くなる。処理圧もまた低いほど最高到達粘度が高くなるが、処理回数がたくさん必要となる。その場合、α−セルロース含有量が高いと、最高到達粘度に達しにくい。処理圧が高いとより少ない処理回数で最高到達粘度に到達するが、「短繊維化」が進みやすく、絶対値はより低くなる。損失正接をより低くするためには、低濃度、低圧で処理してもよいが、効率が悪いため、処理濃度と処理圧力は、性能と生産性を考慮して設定する必要がある。処理温度は5〜95℃程度を適宜選択すればよい。より高温で処理する方が、微細化が進みやすいが、原料によっては著しく短繊維化が進む場合があるので、適宜選択する必要がある。具体的な装置としては、圧力式ホモジナイザー(Invensys APV社、株式会社イズミフードマシナリー)、エマルジフレックス(AVESTIN,Inc.)、アルティマイザーシステム(株式会社スギノマシン)、ナノマイザーシステム(ナノマイザー株式会社)、マイクロフルイダイザー(MFIC Corp.)などがある。
【0017】
本発明で使用される微細な繊維状のセルロースの「微細な繊維状」とは、光学顕微鏡および電子顕微鏡にて観察・測定されるところの、長さ(長径)が0.5μm〜1mm程度、幅(短径)が2nm〜60μm程度、長さと幅の比(長径/短径)が5〜400程度であることを意味する。
本発明で使用される微細な繊維状のセルロースは、水中で安定に懸濁する成分を含有する。具体的には、0.1%濃度の水分散液状態として、これを1000Gで5分間遠心分離した時においても、沈降することなく水中に安定に懸濁しているという性質を有する成分であり、高分解能走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察・測定される長さ(長径)が0.5〜30μmであり、幅(短径)が2〜600nmであり、長さと幅の比(長径/短径比)が20〜400である繊維状のセルロースからなる。好ましくは、幅が100nm以下であり、より好ましくは50nmである。通常セルロース粒子の水分散系は白濁することが特徴であり、その白さゆえに食品においてはクラウディ剤として使用されることがある。しかしながら本発明で使用される微細な繊維状のセルロースの好ましい実施態様、すなわちほとんどの成分の幅が100nm以下になると、光の透過性が上がり、透明性を増してくるという特徴を有する。
【0018】
本発明で使用される微細な繊維状のセルロースは、この「水中で安定に懸濁する成分」を30%以上含有する。含有量は多いほど好ましいが、50%以上であればより好ましい。なお、この成分の含有量は特に断らない限り、全セルロース中の存在比率を表すものであり、水溶性成分が含まれている場合であってもそれが含まれないように測定・算出される。
【0019】
本発明で使用される微細な繊維状のセルロースは、0.5%濃度の水分散液において、歪み10%、周波数10rad/sの条件で測定される損失正接(tanδ)が1未満であり、好ましくは0.6未満である。この値は、水分散液の動的粘弾性を示すものであり、値が低いほど水分散液がゲル的な性質をとる。ゲルとは、たとえば高分子水溶液においては、溶質(高分子鎖)が三次元的な網目構造を形成し、溶媒(水)を不動化(固定化)する状態と考えられている。一般論として、ゲル形成性水溶性高分子の場合、低濃度では損失正接が1以上であるが、濃度が上がるに連れて値が下がり、ゲルを形成する濃度では1未満となるといわれている。一方、本発明で使用される微細な繊維状のセルロースは、前述の測定条件では損失正接が1未満であるが、流動性があり、真性のゲルではない。すなわち、低周波数あるいは低歪みにおいては分散質(微細な繊維状のセルロース)が三次元網目構造を形成し、分散媒(水)を固定化する性質、すなわちゲル的性質を有する、ということである。損失正接が1以上であると、懸濁安定性等の性質が劣る。0.6未満であるとそれらの性能はさらに秀でたものとなる。
【0020】
本発明で使用される微細な繊維状のセルロースはきわめて水中での懸濁安定性が高い。そのため、従来の微小繊維状セルロースのように、保水度(JAPANTAPPI紙パルプ試験方法No.26)やろ水度(Freeness:JIS P 8121)を測定することができない。
保水度の場合、絶乾0.5g相当量のセルロースを含む水懸濁液を、目開き74μmの金属製ワイヤ(φ20mm)を張った金属製カップろ過器に注ぎ、吸引装置で徐々に吸引した時に均一なマット状とならなければならないが、本発明品は目詰まりを起こしてマット状にならないか、あるいは金属製ワイヤを通り抜けてしまう。目詰まりを起こした場合、その後の操作である3000G(15分)による遠心分離操作にて上部に離水が生じてしまう。
【0021】
また、ろ水度(カナダ標準形)の場合、黄銅製のふるい板(厚さ0.51mm、直径0.51mmの穴が表面1000mm2当たり969個ある)で濾過するような操作がある。0.3%のセルロース(パルプ)繊維水分散液を通す時、セルロース繊維がふるい板の上に積層することにより、水の落下速度が変わることを利用し、セルロース繊維の叩解の程度を判定するというものである。本発明品のろ水度を測定すると、水分散性セルロースはふるい板にとどまることなく通過してしまう。詳細を省くが、セルロース繊維の叩解(以下、微小繊維化、という)の程度が進行すると、ろ水度は段々小さくなるが、(製紙用パルプ繊維として)過剰に短く、細くなると、繊維がふるい板を繊維が通過するようになり、ろ水度は段々大きくなってゆく。すなわち微小繊維化が進行すると、ろ水度ははじめは減少するが、その後増加するのである。すなわち、測定の目的と原理から、極端に微細な繊維状になったセルロースの場合、このような測定を行うこと自体が不適当と言える。
【0022】
以上のことより、従来の微小繊維状セルロースは、保水度やろ水度を測定されていることを考えると、微細な繊維状の程度が本発明品ほどに進行していないということがわかる。すなわち本発明品は従来の微小繊維状セルロースとは一線を画するものと言える。
【0023】
本発明の水分散性複合体で使用される親水性高分子とは、冷水および/もしくは温水に溶解もしくは膨潤する高分子であり、乾燥時におけるセルロース同士の角質化を防止する作用を有するものである。具体的にはアラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸およびその塩、カードラン、ガッティーガム、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、グアーガム、酵素分解グアーガム、クインスシードガム、ジェランガム、ゼラチン、タマリンド種子ガム、難消化性デキストリン、トラガントガム、ファーセルラン、プルラン、ペクチン、ポリデキストロース、ローカントビーンガム、水溶性大豆多糖類、カルボキシメチルセルロース・ナトリウム、メチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムなどから選ばれた1種または2種以上の物質が使用される。中でも、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムが好ましい。このカルボキシメチルセルロース・ナトリウムとしては、カルボキシメチル基の置換度が0.5〜1.5、1%水溶液の粘度が5〜9000mPa・s程度のものの使用が好ましい。より好ましくは、置換度が0.5〜1.0、1%水溶液粘度が1000〜8000mPa・s程度のものである。
【0024】
本発明に使用される水分散性複合体には微細な繊維状のセルロースと親水性高分子以外に、水分散性、懸濁安定性や風味、外観等の改善を目的として、水溶性物質、デンプン類、油脂類、蛋白質類、食塩、各種リン酸塩等の塩類、乳化剤、酸味料、甘味料、香料、色素等の食品に使用できる成分を適宜配合されていても良い。個々の成分の配合量は、計45%を最大とし、製造性、機能、価格等を適宜考慮して決定される。
【0025】
本発明に使用される水溶性物質とは冷水への溶解性が高く、粘性を殆どもたらさず、常温で固体の物質であり、デキストリン類、水溶性糖類(ブドウ糖、果糖、庶糖、乳糖、異性化糖、キシロース、トレハロース、カップリングシュガー、パラチノース、ソルボース、還元澱粉糖化飴、マルトース、ラクツロース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖等)、糖アルコール類(キシリトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール等)、より選ばれた1種または2種以上の物質である。この物質を乾燥組成物に配合すると、粒子内部へ導水する性質が強化され、乾燥組成物粒子の水崩壊性が促進される。この作用としては特にデキストリン類が強い。
【0026】
本発明に使用されるデキストリン類とは、澱粉を酸、酵素、熱で加水分解することによって生じる部分分解物のことであり、グルコース残基が主としてα−1,4結合およびα−1,6結合からなり、DE(dextrose equivalent)として、2〜42程度のものが使用される。ブドウ糖や低分子オリゴ糖が除去された分枝デキストリンも使用することができる。
【0027】
本発明で使用される水分散性複合体は、微細な繊維状のセルロースに親水性高分子と、必要に応じてその他の成分を配合してスラリー状、あるいはペースト状とした後、乾燥し、必要に応じて粉砕する。親水性高分子およびその他の成分の投入は、水溶液としてから投入してもよいし、粉体のまま投入してもよい。また、微細な繊維状のセルロースを調製する途中の工程で配合しても良い。粉体を投入する場合は、ままこになりやすく、特に固形分濃度が高い場合は流動性が悪いので、適宜、適当な撹拌・混合機を選択して使用する。乾燥は、公知の方法を使用すればよいが、乾燥物が硬いかたまりにならないような方法が望ましく、例えば、凍結乾燥法、噴霧乾燥法、棚段式乾燥法、ドラム乾燥法、ベルト乾燥法、流動床乾燥法、マイクロウェーブ乾燥法などが適当である。乾燥後の水分は、取り扱い性、経時安定性を考慮すれば、15%以下が好ましい。より好ましくは10%以下である。最も好ましくは6%以下である。2%未満になると静電気が帯電し、粉末の取り扱いが困難になる場合がある。
【0028】
乾燥物は必要に応じて粉砕する。粉砕機としてはカッターミル、ハンマーミル、ピンミル、ジェットミルなどが使用され、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕する。より好ましくは目開き425μmの篩をほぼ全通し、かつ、平均としては10〜250μmとなるように粉砕する。
【0029】
本発明で使用される水分散性複合体は、微細繊維状セルロース50〜95質量%と、親水性高分子5〜50質量%からなる乾燥組成物であり、顆粒状、粒状、粉末状、鱗片状、小片状、シート状を呈する。この複合体は水中に投入し、機械的な剪断力を与えた時、粒子が崩壊し、微細な繊維状のセルロースがほとんど乾燥前の状態で水中に分散するようになることが特徴である。微細繊維状セルロースが50質量%未満になると、セルロースの比率が低くなって効果が発揮されない。95質量%以上になると、相対的にその他の成分の配合比率が下がるので、水中の充分な分散性を確保することができない。機能発揮の程度と水中における分散性を確保するという観点からすると、微細な繊維状のセルロースの好ましい配合量は65〜90質量%であり、親水性高分子の好ましい配合量は10〜35質量%である。
【0030】
従来の微小繊維状セルロースにおいては、同様な水分散性複合体を調製する試みがなされている(特開昭59−189141号公報、特開平3−42297号公報、特開昭60−186548号公報、特開平9−59301号公報)。しかしながらこれらはいずれも、水等の媒体に分散した時、分散液中で微小繊維状セルロースが乾燥前の状態に、充分に復元していなかった。これは、微小繊維化が不充分であり、分岐した束状の繊維が多数存在し、それらが乾燥時に角質化(合一)しやすいためと思われる。一方、本発明の水分散性セルロースは構成単位がきわめて微細な繊維状であり、分岐した束状の繊維が非常に少ないために、親水性高分子の角質化防止効果が有効に作用しやすいものと思われる。おそらくそのために、水中で分散されることにより、容易に乾燥前と同程度の状態に復帰する。
【0031】
本発明の水分散性複合体は、前述の通り、水中に投入し、機械的な剪断力を与えた時、構成単位(粒子)が崩壊し、微細な繊維状のセルロースが水中に分散するようになる。このとき「機械的な剪断力」とは、0.25%水分散液を、回転型のホモジナイザーで、最大でも15000rpmで15分間分散するようなものであり、温度は80℃以下で処理することを意味する。
【0032】
このようにして得られた水分散性複合体の0.1質量%水分散液を調整した場合、水分散性複合体にふくまれる全セルロース分のうち30%以上のセルロース成分が、乾燥前とほとんど同じ状態の「水中で安定に懸濁する成分」として、その水分散液中に存在する。好ましくは50%以上であり、特に好ましくは80%以上である。水分散液中のセルロースの形状は、やはり乾燥前とほとんど同じ状態、すなわち、長径は0.5〜30・香A短径は2〜600nm、長径/短径比は20〜400程度である。好ましくは、幅が100nm以下であり、より好ましくは50nmである。そして、0.5%水分散液の損失正接は1未満である。好ましくは0.6未満である。(「水中で安定に懸濁する成分」の含有量と損失正接の測定条件は後述する。)
【0033】
本発明で使用されるグルコマンナンとは、D−グルコースとD−マンノースがほぼ2:3の割合で箟1,4結合している多糖類であり、サトイモ科に属するこんにゃくいも(Amorphophallus Konjac K.Koch)の塊茎に含まれる。具体的には、こんにゃくいもを水洗後薄片に切って乾燥し、粉砕後澱粉を除去して得られるこんにゃく粉(精粉)、こんにゃく粉を更にアルコール精製して不純物を除きグルコマンナン含有量を高めた精製こんにゃく粉などを用いることができる。例としては、清水化学(株)製プロポールAやレオレックスRSなどがある。
【0034】
本発明でいうスポンジ状ゲルとは、海綿状組織を有するゲルであることを意味する。その孔は、短径(D)および長径(L)が1〜1000μm程度であり、L/Dが1〜10程度の、三角、四角、台形、菱形、五角形、六角形などの多角形状の形を有している。なお、孔の形状は、ゲルを鋭利なナイフで薄片状に切り出し、充分水を加えた状態で、光学顕微鏡で透過光あるいは偏光を用いることで観察することができる。また、凍結乾燥後にSEMで観察することも可能である。孔を形成する隔壁部は、水分散性複合体の分散物とグルコマンナンがゲルを形成しており、その水分は5〜50%程度である。そして孔に保持される水分は90〜95%程度である。
【0035】
本発明のスポンジ状ゲルは、水分散性複合体とグルコマンナンと水から構成される。水分散性複合体とグルコマンナンの重量比率が、水分散性複合体:グルコマンナン=85:15〜35:65程度である。好ましくは80:20〜37:63、特に好ましくは75:25〜40:60である。このような比率であるとより高い破断強度を示すようになる。水分散性複合体とグルコマンナンをあわせた濃度は、ゲルに対して0.1〜5%程度である。特に好ましい濃度は0.5〜1.5%である。濃度が少ないとゲルの破断強度が低下する。高濃度になると、水分散性複合体の水分散が困難となる。本発明のスポンジ状ゲルは、水分散性複合体の水分散物とグルコマンナンが水に溶解(膨潤)したものがよく混合された混合液を凍結し、次いで解凍することによって製造される。
【0036】
このようにしてえられる、スポンジ状ゲルは、可食性であり、食品に用いることができて、かつ通常一般人が咀嚼してかみ切ることができる硬さのものであり、後述の方法で測定する時の破断強度は、98mN〜5000mN程度である。また、本発明のスポンジ状ゲルは、食器洗い等に使用されるスポンジのように、スプーンなどで押すと水を放出して体積が収縮するが、これに充分な水を与えると、水を吸収して膨らみ、元の形状に復帰する。これは繰り返し行うことができ、すなわち可逆的に水を吸収・放出することができる。但し、これは咀嚼するとかみ切れる程度の硬さであり、海綿状組織に由来するザクザク、あるいはシャリシャリとした食感を有する。食する時に、ゲル全体からしみ出す水分のジューシー感と、かみ切る時のザクザクとした食感は、既存のゲル(例えば、寒天、カラギーナン/ローカストビーンガム・ゲル、ナタデココ、コンニャクなど)とは異なる新規なものである。
【0037】
本発明のスポンジ状ゲルを調製するには、まず、水分散性複合体を、微細な繊維状のセルロースが水中で均一に分散した状態にする必要があり、高速回転型のホモジナイザー、ピストン型の高圧ホモジナイザー等の強力な装置で分散することが望ましい。この時温度は60℃以上であるとより好ましい。グルコマンナンを水に溶解(膨潤)させるには、公知の方法を使用すればよい。例えば、室温の水にグルコマンナンを添加し、撹拌し、7時間以上放置すればよい。水分散混合液は、まず水分散性複合体を水に分散した後、グルコマンナン粉末を添加して良くかき混ぜても良いし、あるいはグルマナンナ水溶液を添加して撹拌・混合しても良い。高速回転型ホモジナイザーの例としては、特殊機化工業(株)製TKホモミクサや日本精機(株)製エクセルオートホモジナイザーなどをあげることができる。
【0038】
凍結は、水分散性複合体とグルコマンナンの水分散混合液を容器に入れて、冷却し、凍結すればよい。ブライン等の冷媒に浸漬する方法、冷凍庫のような低温雰囲気に静置する方法、加圧下で氷点以下に冷却した後、常圧まで減圧して凍結させる方法などで適宜選択して使用する。凍結温度は、海綿状組織の形成に大きな影響を及ぼす。例えば、−20℃以上の比較的高い温度で凍結した場合、孔が大きくなり、そして隔壁部が厚くなり、ザクザク感の強い食感になる傾向がある。また、例えば−45℃以下の比較的低い温度で凍結した場合、孔が小さくなり、やわらかく滑らかな食感になる傾向がある。解凍は、0℃を超える温度に静置すればよい。それは室温でも、それより高い温度でも良い。
【0039】
本発明のスポンジ状ゲルには、風味、外観等の改善を目的として、ゲルの形成を損なわない範囲で他の食品素材(デンプン類、油脂類、蛋白質類、塩類等)や調味料、甘味料、香料、色素、香辛料、酸味料、乳化剤、増粘安定剤、食物繊維、栄養強化剤(ビタミン、カルシウム等)、フレーバー素材などを配合してもよい。
本発明の可食性スポンジ状ゲルは、フルーツポンチやあんみつやゼリーの具材等のデザートに好適である。この場合例えば、水分散性複合体とグルコマンナンと水でゲルを形成した後、それをシロップ漬けにしてデザートに配合すればよい。
また、飲料、スープ、フィリング、などのアクセント付けに適している。本発明品の水を可逆的に吸収・放出する性質は医薬品や化粧品、工業製品にも使用が可能である。
【0040】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、測定は以下の通り行った。
<原料(セルロース)の平均重合度>
ASTM Designation: D 1795−90「Standerd Test Method for Intrinsic Viscosity of Cellulose」に準じて行う。
<原料(セルロース)のα−セルロース含有量>
JIS P8101−1976(「溶解パルプ試験方法」5.5 αセルロース)に準じて行う。
【0041】
<セルロース繊維(粒子)の形状(長径、短径、長径/短径比)>
セルロース繊維(粒子)のサイズの範囲が広いので、一種類の顕微鏡で全てを観察することは不可能である。そこで、繊維(粒子)の大きさに応じて光学顕微鏡、走査型顕微鏡(中分解能SEM、高分解能SEM)を適宜選択し、観察・測定する。
光学顕微鏡を使用する場合は、適当な濃度に調整したサンプル水分散液をスライドガラスにのせ、さらにカバーグラスをのせて観察に供する。
また、中分解能SEM(JSM−5510LV、日本電子株式会社製)を使用する場合は、サンプル水分散液を試料台にのせ、風乾した後、Pt−Pdを約3nm蒸着して観察に供する。
【0042】
高分解能SEM(S−5000、株式会社日立サイエンスシステムズ製)を使用する場合は、サンプル水分散液を試料台にのせ、風乾した後、Pt−Pdを約1.5nm蒸着して観察に供する。
セルロース繊維(粒子)の長径、短径、長径/短径比は撮影した写真から15本(個)以上を選択し、測定した。繊維はほぼまっすぐから、髪の毛のようにカーブしているものがあったが、糸くずのように丸まっていることはなかった。短径(太さ)は、繊維1本の中でもバラツキがあったが、平均的な値を採用した。高分解能SEMは、短径が数nm〜200nm程度の繊維の観察時に使用したのだが、一本の繊維が長すぎて、一つの視野に収まらなかった。そのため、視野を移動しつつ写真撮影を繰り返し、その後、写真を合成して解析した。
【0043】
<水分散液粘度>
(1)0.25%の水分散液となるようにサンプルと水を量り取り、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製、ED−7型)で、15000rpmで15分間分散する。
(2)25℃の雰囲気中に3時間静置する。
(3)よく撹拌した後、回転粘度計(株式会社トキメック製、B形粘度計、BL形)をセットし、撹拌終了30秒後にローターの回転を開始し、それから30秒後の指示値より粘度を算出する。なお、ローター回転数は60rpmとし、ローターは粘度によって適宜変更する。
【0044】
<「水中で安定に懸濁する成分」の含有量>
(1)セルロース濃度が0.1%の水分散液となるようにサンプルと水を量り取り、エクセルオートホモジナイザー(日本精機株式会社製、ED−7型)で、15000rpmで15分間分散する。
(2)サンプル液20gを遠沈管に入れ、遠心分離機にて1000Gで5分間遠心分離する。
(3)上層の液体部分を取り除き、沈降成分の重量(a)を測定する。
(4)次いで、沈降成分を絶乾し、固形分の重量(b)を測定する。
【0045】
(5)下記の式を用いて「水中で安定に懸濁する成分」の含有量(c)を算出する。
c=5000×(k1+k2) [%]
サンプルが水溶性高分子(および親水性物質)を含まない場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。
k1=0.02-b
k2={k1×(a-b)}/(19.98-a+b)
また、サンプルが水溶性高分子(および親水性物質)を含む場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。
k1=0.02-b+s2
k2=k1×w2/w1
セルロース/水溶性高分子(親水性物質)=f/d [配合比率]
w1=19.98-a+b−0.02×d/f
w2=a-b
s2=0.02×d×w2/{f×(w1+w2)}
【0046】
「水中で安定に懸濁する成分」の含有量が非常に多い場合は、沈降成分の重量が小さな値となるので、上記の方法では測定精度が低くなってしまう。その場合は(3)以降の手順を以下のようにして行う。
(3’)上層の液体部分を取得し、質量(a’)を測定する。
(4’)次いで、上層成分を絶乾し、固形分の質量(b’)を測定する。
(5’)下記の式を用いて「水中で安定に懸濁する成分」の含有量(c)を算出する。
c=5000×(k1+k2) [%]
サンプルが水溶性高分子(および親水性物質)を含まない場合は、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。
k1=b’
k2=k1×(19.98-a’+b’)/(a’-b’)
【0047】
また、サンプルが水溶性高分子(および親水性物質)を含む場合、k1およびk2は下記の式を用いて算出して使用する。
k1=b’−s2×w1/w2
k2=k1×w2/w1
セルロース/水溶性高分子(親水性物質)=f/d [配合比率]
w1=a’−b’
w2=19.98−a’+b’−0.02×d/f
s2=0.02×d×w2/{f×(w1+w2)}
【0048】
もし、(3’)の操作で上層の液体部分と沈降成分の境界が明瞭ではなく分離が難しい場合は全体の上部1/3量(約7g)を取得し、以降は(4’)、(5’)に従って操作する。
<水分散液の損失正接(=損失弾性率/貯蔵弾性率)>
(1)0.5%の水分散液となるようにサンプルと水を量り取り、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で、15000rpmで15分間分散する。
(2)25℃の雰囲気中に3時間静静置する。
(3)動的粘弾性測定装置にサンプル液を入れてから5分間静置後、下記条件で測定し、周波数10rad/sにおける損失正接(tanδ)を求める。
装置 :ARES(100FRTN1型)
(Rheometric Scientific,Inc.製)
ジオメトリー:Double Wall Couette
温度 :25℃
歪み :10%(固定)
周波数 :1→100rad/s(約170秒かけて上昇させる)
【0049】
<ゲル切断強度>
調製したゲルを高さ10mm、巾20mm、長さ30mmの立方体にカットしたものを試料として、レオメーター(不動工業株式会社製「RHEO METER」NRM−2002J型、押し込み治具:0.3mmピアノ線治具、押し込み速度:60mm/min)で測定した。
【0050】
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
市販木材パルプ(平均重合度=1510、α−セルロース含有量=77%)を、6×16mm角の矩形に裁断し、水分が80%になるように水を加えた。これを、水とパルプチップができるだけ分離しないよう注意して、カッターミル(URSCHEL LABORATORIES,Inc.製「コミトロール」、モデル1700、カッティングヘッド/水平刃間隙:2.03mm、インペラー回転数:3600rpm)に1回通したところ、繊維長が0.75〜3.75mmになった。
【0051】
セルロース濃度が2%、そしてカルボキシメチルセルロースナトリウムの濃度が0.0706%になるようにカッターミル処理品とカルボキシメチルセルロースナトリウムと水を量り取り、繊維の絡みがなくなるまで撹拌・分散した。この水分散液を砥石回転型粉砕機(増幸産業株式会社製「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で2回処理した。
【0052】
次いで得られた水分散液を高圧ホモジナイザー(MFIC Corp.製「マイクロフルイダイザー」M−110Y型、処理圧力:95MPa)で4パスし、微細な繊維状のセルロースの水分散液を得た。水分散液粘度は68mPa・sだった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜400μm、短径が1〜5μm、長径/短径比が10〜300の微細な繊維状セルロースが観察された。「水中で安定に懸濁する成分」の含有量は43%だった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が10〜150nm、長径/短径比が30〜300のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。
【0053】
その水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=80:20(重量部)としてから攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、カッターミル(不二パウダル株式会社製「フラッシュミル」)で、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性複合体A(以下、複合体Aという)を得た。
【0054】
複合体Aの水分散液粘度は66mPa・sであり、損失正接は0.65であった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜400μm、短径が1〜5μm、長径/短径比が10〜300の微細な繊維状セルロースが観察された。「水中で安定に懸濁する成分」の含有量は40%であった。それを高分解能SEMで観察したところ、長径が1〜20μm、短径が10〜150nm、長径/短径比が30〜300のきわめて微細な繊維状のセルロースが観察された。
【0055】
複合体Aを2.1g量り取り、297gの温水に加え、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)した。この分散液にグルコマンナン(清水化学(株)製プロポールA)0.9gを加え更に10分間撹拌し蒸発した水分を補充して固形分濃度1%の混合液300gを得た。なお、各粉体原料は乾燥物換算で仕込んだ。
混合液をポリカーボネート製の125mL広口円筒容器に44g充填し、80℃の湯浴中で、3時間加熱したあと流水で1時間冷却後、家庭用冷凍冷蔵庫の冷凍庫(−20℃)に24時間置き凍結させた。その後40℃の雰囲気下に放置して解凍して可食性スポンジ状ゲルを得た。
【0056】
このゲルは、スパチュラで押すと水を放出して体積が縮み、続いてこれに十分な水を注ぐと、水を吸収して膨らみ再び元の形状に復帰するスポンジ状ゲルであった。このゲルが十分に水を吸収した時は、固形分重量の125倍の水を保持していた。また、スパチュラで押して水を放出させた時は、固形分重量の20倍の水を保持していた。
このゲルを食した時、ザクザクとした食感があった。
このゲルの薄片をスライドグラスにとり、光学顕微鏡で観察すると、網目構造によって形成される孔は、20μm×50μm〜300μm×400μmの範囲であった。
ゲル切断強度は819mNであった。
【0057】
[実施例2]
市販バガスパルプ(平均重合度=1320、α−セルロース含有量=77%)を、6×16mm角の矩形に裁断した。次いでセルロース濃度が3%、カルボキシメチルセルロース・ナトリウムの濃度が0.176%となるように、それぞれと水を量り取り、家庭用ミキサーで5分間撹拌した。
この水分散液を砥石回転型粉砕機(増幸産業株式会社製「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で3回処理した。
次いで得られた水分散液を水で希釈して2%にし、高圧ホモジナイザー(MFIC Corp.製「マイクロフルイダイザー」M−140K型、処理圧力110MPa)で4パスし、微細な繊維状のセルロースの水分散液を得た。粘度は120mPa・sだった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜500μm、短径が1〜25μm、長径/短径比が5〜190の微細な繊維状のセルロースが観察された。「水中で安定に懸濁する成分」は99%だった。
【0058】
セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=85:15(重量部)となるように、水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、得られたものをカッターミル(不二パウダル株式会社製「フラッシュミル」)で、目開き2mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性複合体B(以下、複合体Bという)を得た。複合体Bの水分散液粘度は143mPa・s、損失正接は0.38、「水中で安定に懸濁する成分」は98%だった。
【0059】
複合体Aのかわりに複合体Bを用いて、実施例1と同様にして、固形分濃度1%の混合液300gを得た。混合液をポリカーボネート製の125mL広口円筒容器に44g充填し、ドライアイスで−45℃に調整したエタノール中に1時間浸けたあと−25℃の冷凍庫中に3時間放置し、室温で解凍して可食性スポンジ状ゲルを得た。
このゲルは、スパチュラで押すと水を放出して体積が縮み、続いてこれに十分な水を注ぐと、水を吸収して膨らみ再び元の形状に復帰するスポンジ状ゲルであった。このゲルが十分に水を吸収した時は、固形分重量の85倍の水を保持していた。また、スパチュラで押して水を放出させた時は、固形分重量の15倍の水を保持していた。
【0060】
このゲルを食した時、シャリシャリとした食感であった。
このゲルの薄片をスライドグラスにとり、光学顕微鏡で観察すると、網目構造によって形成される孔は、10μm×20μm〜50μm×80μmの範囲であった。ゲル切断強度は559mNであった。
【0061】
[実施例3]
市販麦わらパルプ(平均重合度=930、α−セルロース含有量=68%)を、6×12mm角の矩形に裁断し、4%となるように水を加え、家庭用ミキサーで5分間撹拌した。これを高速回転型ホモジナイザー(ヤマト科学、ULTRA−DISPERSER、LK−U型)で1時間分散した。
この水分散液を砥石回転型粉砕機(増幸産業株式会社製「セレンディピター」MKCA6−3型、グラインダー:MKE6−46、グラインダー回転数:1800rpm)で2回処理した。
【0062】
次いで得られた水分散液を水で希釈して2%にし、高圧ホモジナイザー(株式会社スギノマシン製「アルティマイザーシステム」HJP25030型、処理圧力:175MPa)で8パスし、微細な繊維状のセルロースの水分散液を得た。粘度は69mPa・sだった。光学顕微鏡で観察したところ、長径が10〜700μm、短径が1〜30μm、長径/短径比が10〜150の微細な繊維状のセルロースが観察された。「水中で安定に懸濁する成分」は89%だった。
【0063】
セルロース:カルボキシメチルセルロースナトリウム=85:15(重量部)となるように、水分散液にカルボキシメチルセルロースナトリウムを添加し、攪拌型ホモジナイザーで、15分間撹拌・混合した。これをドラムドライヤーにて乾燥し、スクレーパーで掻き取り、得られたものをカッターミル(不二パウダル株式会社製「フラッシュミル」)で、目開き1mmの篩をほぼ全通する程度に粉砕し、水分散性複合体C(以下、複合体Cという)を得た。
複合体Cの0.25%粘度は61mPa・s、損失正接は0.51、「水中で安定に懸濁する成分」は75%だった。
【0064】
次に、複合体Cを1.5g量り取り、297gの温水に加え、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)した。この分散液にグルコマンナン(清水化学(株)製プロポールA)1.5gを加え更に10分間撹拌したのち、蒸発した水分を補充して固形分濃度1%の混合液300gを得た。混合液をポリカーボネート製の125mL広口円筒容器に44g充填し、80℃の湯浴中で、1時間加熱したあと流水で1時間冷却後、家庭用冷凍冷蔵庫の冷凍庫(−20℃)に24時間置き凍結させた。その後40℃の雰囲気下に放置して解凍して可食性スポンジ状ゲルを得た。
このゲルは、スパチュラで押すと水を放出して体積が縮み、続いてこれに十分な水を注ぐと、水を吸収して膨らみ再び元の形状に復帰するスポンジ状ゲルであった。このゲルが十分に水を吸収した時は、固形分重量の125倍の水を保持していた。また、スパチュラで押して水を放出させた時は、固形分重量の20倍の水を保持していた。
【0065】
このゲルを食した時、ザクザクとした食感であった。
このゲルの薄片をスライドグラスにとり、光学顕微鏡で観察すると、網目構造によって形成される孔は、50μm×60μm〜500μm×600μmの範囲であった。ゲル切断強度は1618mNであった。
【0066】
[比較例1]
実施例1と同様にして、固形分濃度1%の混合液300gを得た。
混合液をポリカーボネート製の125mL広口円筒容器に44g充填し、80℃の湯浴中で、3時間加熱したあと流水で1時間冷却後、常温にて24時間放置してゲルを得た。このゲルをスパチュラで押すと、ゲルは崩れて形を維持できず、スポンジ状ゲルになっていなかった。
このゲル食した時、非常に軟らかく、歯ごたえはほとんどなかった。本発明のスポンジ状ゲルの食感とは大きく違っていた。
このゲルの薄片をスライドグラスにとり、光学顕微鏡で観察すると、微細なセルロース繊維は確認できるものの網目構造は確認できなかった。ゲル切断強度は15mNであった。
【0067】
[比較例2]
複合体Aを結晶セルロース複合体(旭化成(株)製アビセルRC−591、損失正接は2.45)に換えた以外は実施例1と同様にした。解凍後の内容物は流動性があり、ゲル状を呈していなかった。
【0068】
[比較例3]
市販の微小繊維状セルロース(ダイセル化学工業(株)製セリッシュFD−100G、「水中で安定に懸濁する成分」は15%)6gに温水294gを加え、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)して、固形分2%の分散液300gを得た。次にグルコマンナン(清水化学(株)製プロポールA)9gに温水291gを加え、エースホモジナイザー(日本精機株式会社製、AM−T型)で分散(15000rpm、10分間、80℃)して、固形分3%の分散液300gを得た。微小繊維状セルロースの2%分散液280gとグルコマンナン3%の分散液100gをTKホモミクサ(特殊機化工業(株)製MARK2型)で撹拌(8000rpm、5分間、25℃)して均質に混合し固形分2.26%の混合液380gを得た。混合液をポリカーボネート製の125mL広口円筒容器に44g充填し、−20℃で60時間凍結後、常温に24時間放置してゲルを得た。
このゲルのゲル切断強度は19600mNを越えて測定不能であり、容易にかみ切れないほど硬かった。
【0069】
【発明の効果】
本発明の可食性スポンジ状ゲルを用いて新規な食感を有するデザート等の食品用の素材を提供することができる。
Claims (4)
- 植物細胞壁を原料とし、長さ0.5μm〜1mm、幅2nm〜60μm、長さと幅の比5〜400の形状を有し、その0.1質量%水分散液に安定に懸濁するセルロース成分を30%以上含有する、微細繊維状セルロース50〜95質量%と親水性高分子5〜50質量%を含有する水分散性複合体であって、その0.5質量%水分散液の損失正接が1未満である水分散性複合体とグルコマンナン、および水からなるスポンジ状ゲル。
- 水分散性複合体が、安定に懸濁するセルロース成分を50質量%以上含有し、損失正接が0.6未満であることを特徴とする、請求項1記載のスポンジ状ゲル。
- 水分散性複合体とグルコマンナンとの質量比が85:15〜35:65であり、かつ、水分散性複合体及びグルコマンナンの混合物と水との質量比が0.1:99.9〜5:95であることを特徴とする、請求項1または2記載のスポンジ状ゲル。
- 植物細胞壁を原料とし、その0.1質量%水分散液に安定に懸濁するセルロース成分を30%以上含有する、微細繊維状セルロース50〜95質量%と親水性高分子5〜50質量%を含有する水分散性複合体であって、その0.5質量%水分散液の損失正接が1未満である水分散性複合体とグルコマンナンと水からなる混合液を凍結し、解凍することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のスポンジ状ゲルの製造方法。
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