JP6474592B2 - ペースト状調味組成物および該組成物の製造方法 - Google Patents

ペースト状調味組成物および該組成物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペースト状調味組成物および該組成物の製造方法に関する。
従来、動植物から抽出した食用エキスは、保管スペース、輸送性、保存性などを考慮して一定の濃度まで水分を除き濃縮して食用濃縮エキスとしている。そして食用濃縮エキスは、水分が少ないためペースト状あるいは流動性が悪く硬い物性のものが多い。
このような食用濃縮エキスは、単独あるいは他の原材料と混合して各種調味料として用いられる。食用濃縮エキスを主体とし、さらに澱粉類を含む調味料の場合、食用濃縮エキスに澱粉類を混合して均一に分散させるためには多量の水を用いることが必要となり、食用濃縮エキスの利点である保管スペース、輸送性、保存性などが失われるという問題が生じる。そこで、食用濃縮エキスに澱粉類を加える際に、水を用いることなく混合して均一に分散することができるペースト状調味組成物が求められている。
食用濃縮エキスを主体とし、さらに澱粉類を含む調味料に関する従来技術としては、天然エキスの固形分に対して0.1〜100倍量の澱粉を含む超臨界水を添加し、加熱を行うことを特徴とするコク味の付与されたエキス調味料の製造方法(特許文献1)、澱粉および油脂を含む第1群の材料に加熱処理を施し、水、糖類および畜肉エキスを含む第2群の材料に加熱処理を施す工程を含むペースト状のレトルト食品の製造方法(特許文献2)、固形脂、動物エキスおよび澱粉を含む原料を、物理的に乳化することにより得られる冷製スープ用調味料(特許文献3)などが開示されているが、いずれも水を多量に用いる必要があるのでその改善方法が求められている。
特開2001−245626号公報 特開2003−38136号公報 特開2013−179871号公報
本発明は、食用濃縮エキスおよび澱粉類を、水を用いることなく混合して均一に分散し、経時的な分散性を維持することが可能なペースト状調味組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、澱粉類として油脂加工澱粉を用い、さらに食用油脂を用いることにより上記課題を解決することを見出した。本発明者は、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]食用濃縮エキス、油脂加工澱粉および食用油脂を含有し、油脂加工澱粉が糊化せず分散状態で存在することを特徴とするペースト状調味組成物、
[2]食用濃縮エキス、油脂加工澱粉および食用油脂を、水を用いることなく混合して均一に分散する工程を有することを特徴とするペースト状調味組成物の製造方法、
からなっている。
食用濃縮エキスと、澱粉類として油脂加工澱粉、および食用油脂を用いることにより、水を用いることなく、混合して均一に分散することができるという製造適性を有し、かつ製造直後および保管後においても均一な分散性を維持し、なめらかな状態のペースト状調味組成物を得ることができる。
本発明で用いられる食用濃縮エキスは、食用エキスから水を除き濃縮して固形分含量を高めたものである。前記食用エキスとしては、動植物からエキス分を水性媒体で抽出したものであれば特に制限はなく、例えば、畜肉を原料として得られるポークエキス、チキンエキス、ビーフエキスおよび畜肉の骨を原料として得られるボーンエキスなどの畜肉エキス、カツオエキス、ホタテエキスなどの魚介エキス、オニオンエキス、ガーリックエキスなどの植物エキスなどが挙げられる。
食用濃縮エキスの固形分含量に特に制限はないが、食用濃縮エキスの固形分含量が好ましくは30〜80質量%程度、より好ましくは30〜60質量%程度に調整したものが挙げられる。前記固形分としては、糖度計で測定した数値(Brix)を採用することができる。固形分含量が80質量%を超えると、食用濃縮エキスは流動性が悪く硬い物性となり、食用濃縮エキスに油脂加工澱粉および食用油脂を混合することが困難となる場合があるため好ましくない。
本発明では、食用エキスから水を除き固形分含有量を高めたものに、水を加えて適度な固形分に調整した食用濃縮エキスを用いることもできる。
上記食用エキスから水分を取り除く方法は、公知の方法であれば特に制限はなく、例えば、常圧加熱濃縮、減圧加熱濃縮、冷凍濃縮などの濃縮する方法、凍結乾燥法、スプレードライ法、ドラムドライ法などの乾燥する方法などが挙げられる。
本発明で用いられる油脂加工澱粉は、油脂および/または乳化剤を含有する油脂加工澱粉であり、澱粉に油脂および/または乳化剤を添加し、均一に混合した後必要に応じて乾燥し、さらに加熱・熟成することにより得られる。
油脂加工澱粉に使用する原料澱粉としては、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、米澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉またはエンドウ豆澱粉、あるいはこれらの澱粉にエステル化処理(例えば、酢酸澱粉など)、エーテル化処理(例えば、ヒドロキシプロピル澱粉など)、架橋処理(例えば、リン酸架橋澱粉など)、酸化処理(例えば、ジアルデヒド澱粉など)、酸処理または湿熱処理などの処理を単一でまたは組み合わせて施した加工澱粉などが挙げられる。これら澱粉は単独でまたは二以上を組み合わせて使用することができる。
上記油脂加工澱粉に使用する油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えば大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油またはハイオレイックヒマワリ油などの植物油脂や牛脂、ラード、魚油または乳脂などの動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加またはエステル交換したものあるいは中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)などが挙げられる。好ましくは大豆サラダ油、サフラワー油、ヒマワリ油またはコーンサラダ油などである。また、上記食用油脂の一部または全部の代替品として油分を多く含む穀紛、例えば生大豆粉などを用いてもよい。
上記油脂加工澱粉に使用する乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチンであり、これらの乳化剤は単独で、または2以上を組み合わせて使用することができる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルなどが含まれる。グリセリン有機酸脂肪酸エステルには、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステルおよびグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルなどが含まれる。またレシチンには、分別レシチン、酵素分解レシチンおよび酵素処理レシチンなどが含まれる。
使用する乳化剤は、好ましくはグリセリンと脂肪酸のエステル(グリセリン脂肪酸エステル)、グリセリン有機酸脂肪酸エステルである。
グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルに使用される脂肪酸は、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、炭素数6〜22の飽和脂肪酸および/または不飽和脂肪酸を使用することができ、具体的には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸及びエルカ酸などから選ばれる1種あるいは2種以上の混合物が挙げられる。
澱粉に対する油脂および乳化剤の合計添加量は、約0.003〜10質量%、好ましくは約0.05〜5.0質量%、より好ましくは約0.1〜1.0質量%である。また油脂と乳化剤を併用する場合の添加割合(油脂/乳化剤)は、好ましくは約1/99〜99/1(質量部/質量部)の範囲を示すことができ、より好ましくは約60/40〜20/80(質量部/質量部)の範囲である。
本発明で用いられる油脂加工澱粉において、澱粉に油脂および/または乳化剤を添加する方法としては、例えば油脂または乳化剤をそれぞれ別々に澱粉に添加する方法、あるいは予め油脂および乳化剤を混合し、必要であれば加熱・溶融した油脂および乳化剤の混合物(以下、油脂組成物という)を澱粉に添加する方法などが挙げられる。なかでも、加熱・溶融した油脂組成物を澱粉に添加する方法が好ましい。
例えば、油脂と乳化剤を併用する場合は、好ましくは約1/99〜99/1(質量部/質量部;油脂/乳化剤)、より好ましくは約60/40〜20/80(質量部/質量部;油脂/乳化剤)の割合で混合し、あるいは乳化剤が油脂に溶融するまで加熱(50〜90℃)し、油脂組成物が調製される。次いで、調製された油脂組成物は、澱粉に対し約0.003〜10質量%、好ましくは約0.05〜5.0質量%、より好ましくは約0.1〜1.0質量%となるよう添加されるのが好ましい。油脂組成物が添加された澱粉は、混合、乾燥される。
澱粉と油脂組成物とを混合および乾燥する方法は特に限定されないが、例えば平衡水分を保った澱粉、または水分約20〜40%に調湿した澱粉を流動層乾燥機中で流動状態とし、そこに該油脂組成物を噴霧し混合、乾燥する方法、水分約50%程度に調湿した澱粉のケーキに該油脂組成物を添加し、混合・分散させた後、例えば棚式通風乾燥機などを用いて乾燥し粉末を得る方法、水分約60〜70%に調湿したスラリー状の澱粉に該油脂組成物を添加・混合し、その後噴霧乾燥機あるいはドラムドライヤーなどを用いて乾燥し粉末を得る方法などが挙げられる。いずれにせよ、澱粉粒が破壊されない状態で澱粉の表面に該油脂組成物が吸着される方法であれば、どのような方法であっても良い。
該油脂組成物が吸着された澱粉は、次に加熱・熟成が行われる。熟成は乾燥工程をそのまま延長・継続してもよいが、高温で処理することにより比較的短時間で行うことができる。熟成は、通常例えば棚段式通風乾燥機を用いて、約30〜180℃、好ましくは約30〜140℃の温度範囲で行われる。熟成を約120℃以上で行う場合には、澱粉がデキストリン化しないよう注意が必要である。熟成に要する時間は、澱粉に対する油脂組成物の吸着量、熟成温度、熟成装置の熱効率などにより異なるが、例えば水分約35質量%に調湿したコーンスターチに油脂組成物を約0.1%添加、混合し、室温で約20時間、乾燥した澱粉では、約60℃で約5時間程度、あるいは約140℃で約1時間程度などである。
加熱・熟成終了後、得られた加工澱粉は水分約8〜18%、好ましくは約10〜14%に調湿され、製品とされる。
本発明では、市販の油脂加工澱粉を用いることも可能であり、例えば、バッタースターチ#200N(商品名;日本食品化工社製 リン酸架橋澱粉にサフラワー油、グリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂加工澱粉)、バッタースターチ#220(商品名;日本食品化工社製 リン酸架橋澱粉にサフラワー油、グリセリン有機酸脂肪酸エステルを含有する油脂加工澱粉)、バッタースターチ#100(商品名;日本食品化工社製 コーンスターチにサフラワー油、グリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂加工澱粉)、日食ねりこみ澱粉(商品名;日本食品化工社製 コーンスターチにサフラワー油、グリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂加工澱粉)などが挙げられる。
本発明で用いられる食用油脂は、食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えば大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油またはハイオレイックヒマワリ油などの植物油脂や牛脂、ラード、魚油または乳脂などの動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加またはエステル交換したものあるいは中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)や油脂に香味を付与した香味油、ラー油などが挙げられる。好ましくは菜種油、大豆サラダ油、コーンサラダ油、ラー油、香味油、ラードなどである。
本発明のペースト状調味組成物100質量部中に含まれる食用濃縮エキス、油脂加工澱粉及び食用油脂の量としては、食用濃縮エキスは、好ましくは40〜80質量部、より好ましくは50〜60質量部であり、油脂加工澱粉は、好ましくは10〜40質量部、より好ましくは30〜40質量部、食用油脂は、好ましくは10〜25質量部、より好ましくは10〜15質量部である。上記範囲内であると、混合して均一に分散することができるため好ましい。
本発明のペースト状調味組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で他の原材料を用いることができ、例えば、砂糖、食塩、調味料(グルタミン酸ナトリウム、核酸系調味料など)、香辛料(コショウ、オールスパイス、オルガノ、カルダモン、クミン、唐辛子、コリアンダーなど)、香味野菜(オニオン、ガーリック、ジンジャーなど)、風味調味料(鰹節粉末、鯖節粉末、鰯節粉末、鯵節粉末、煮干粉末、昆布粉末、椎茸粉末、貝柱粉末など)、増粘剤(グアーガム、キサンタンガム、ジェランガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸など)、甘味料(ステビア末など)、着色料(カラメル色素など)、酸味料(クエン酸、乳酸など)などが挙げられる。これらその他の原材料は、固形状、特に粉末状のものを用いることが好ましい。
食用濃縮エキス、油脂加工澱粉および食用油脂を、水を用いることなく混合して均一に分散する工程を有するペースト状調味組成物の製造方法も本発明の1つの形態である。なお、本形態においても、本発明の効果を阻害しない範囲で前述した他の原材料を該製造方法のいずれかの工程で用いることができる。
食用濃縮エキス、油脂加工澱粉、食用油脂を、水を用いることなく混合する方法としては、公知の混合機を用いて混合することができ、レオニーダー、クッキングミキサー、煮炊撹拌機などの低速混合機、ホモミクサー、クレアミックスなどの高速混合機などが挙げられる。しかし、食用濃縮エキスは、ペースト状あるいは流動性が悪く硬い物性であるため、高速混合機の機種によっては、混合機に負荷がかり破損する危険性、あるいは食用濃縮エキス、油脂加工澱粉、食用油脂を均一に分散することができない場合がある。従って、ペースト状あるいは流動性が悪く硬い物性である食用濃縮エキスであっても混合能力および機械耐性を有しする低速混合機を用いることが好ましい。
上記混合する際の条件に特に制限はないが、食用濃縮エキスあるいは食用濃縮エキス、油脂加工澱粉および食用油脂を含む混合物を加温することにより流動性が改善する傾向にあるので、食用濃縮エキスあるいは該混合物の温度を、30〜70℃程度に加温することが好ましく、30〜60℃程度に加温することがより好ましい。
なお、上記食用油脂が固体の場合、溶解するまで加温して用いることが好ましい。
食用濃縮エキス、油脂加工澱粉および食用油脂を混合する手順としては特に制限はないが、各原材料の流動性を考慮した場合、好ましくは食用濃縮エキスに予め油脂加工澱粉と食用油脂とを混合した混合物を加え、各原材料が均一に分散するまで混合する手順が挙げられる。
上記方法により、ペースト状あるいは流動性が悪く硬い物性である食用濃縮エキスを主体とし、油脂加工澱粉が均一に分散したペースト状調味組成物が得られる。また、該組成物は、ペースト状を有しなめらかな状態であるため、取り扱い易いという利点がある。さらに該組成物は、長期保管しても分離することが無く、ペースト状を有しなめらかな状態を維持するという効果を奏する。
本発明のペースト状調味組成物は、ラーメンスープ、各種中華スープ、チゲ鍋、寄せ鍋、けんちん汁などのスープベース、中華丼、天津飯、あんかけ焼きそば、和風あんかけなどのあんかけベースなどに用いることが可能である。特に該調味組成物は、水に溶解し加熱することにより若干の粘度を呈するため、コクを付与する効果も有する。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
<ペースト状調味組成物の作製>
(1)油脂加工澱粉1の作製
(1−1)リン酸架橋タピオカ澱粉の作製
水180Lにトリメタリン酸ナトリウム2kgおよび炭酸ナトリウム3kgを溶解し、タピオカ澱粉100kgを懸濁させた後、さらに炭酸ナトリウムを加えpHを10.2に調整した。50℃で6時間攪拌下反応させた後、500Lの水を加えて希釈し、5質量%塩酸溶液でpH7.0に中和した。続いて、脱水、水洗および乾燥した後、リン酸架橋タピオカ澱粉100kgを得た。
(1−2)油脂加工澱粉1の作製
サフラワー油50質量%とグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムOL−200V;理研ビタミン社)50質量%からなる油脂組成物を60℃に加温・溶解した。水分12.5%に調湿したリン酸架橋タピオカ澱粉100質量部に対して前記油脂組成物0.5質量部を添加し、高速攪拌混合機(レーディゲミキサーFM130D;松坂技研社)で10分間混合した。得られた混合物をトレーに広げて機内温度60℃の棚段式通風乾燥機で水分約12.0%まで乾燥し、乾燥物を粉砕し、得られた粉末をポリ袋に詰めて60℃で2週間熟成し、油脂加工澱粉1を得た。
(2)魚介エキスの調整
かつおエキスA25(商品名;理研ビタミン社製のBrix83)に水を加え、Brix40に希釈調整して魚介エキスを得た。なお、上記Brixは、糖度計(型式:ポケット糖度計 PAL−J;アタゴ社製)を用いて測定した値である。
(3)原材料
[食用濃縮エキス]
畜肉エキス1(商品名:冷凍げん骨スープFA30;理研ビタミン社製、Brix30)
畜肉エキス2(商品名:冷凍げん骨スープFG50;理研ビタミン社製、Brix50)
魚介エキス(上記方法で調整したもの)
野菜エキス(商品名:オニオンスーパー70;ダンフーズ社製、Brix70)
なお、上記Brixは、糖度計(型式:ポケット糖度計 PAL−J;アタゴ社製)を用いて測定した値である。
[油脂加工澱粉]
油脂加工澱粉1(上記方法で作製したもの)
油脂加工澱粉2(商品名:バッタースターチ#200N;日本食品加工社製、リン酸架橋タピオカ澱粉にサフラワー油とグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルを加え処理して作製した油脂加工澱粉)
[油脂加工澱粉でない澱粉]
澱粉(商品名:アサガオ;松谷化学工業社製)
[食用油脂]
ナタネサラダ油(商品名:ナタネサラダ油キャノーラ;日清オイリオ社製)
(4)配合
上記原材料を用いて作製したペースト状調味組成物の配合を表1および表2に示す。
Figure 0006474592
Figure 0006474592
(4)ペースト状調味組成物の作製
[実施例品1〜13]
表1に示す10倍量の原材料を用いて以下の操作を行いペースト状調味組成物を作製した。即ち、食用濃縮エキス(畜肉エキス1、畜肉エキス2、魚介エキス、植物エキスのいずれか)を2Lのステンレス製ジョッキに加え、湯煎を用いて約50℃まで加温した。そこに、油脂加工澱粉(1、2のいずれか)と食用油脂を予め混合した混合物を加え、低速混合機(型式:ラボラトリーハイパワーミキサーSM−103;アズワン社製)を用いて60rpmで5分間、約50℃に加温しながら混合しペースト状調味組成物(実施例品1〜13)を作製した。
[比較例品1〜5]
表2に示す10倍量の原材料を用いて以下の操作を行いペースト状調味組成物を作製した。即ち、食用濃縮エキス(畜肉エキス1または魚介エキス)を2Lのステンレス製ジョッキに加え、湯煎を用いて約50℃まで加温した。そこに、油脂加工澱粉(1、2のいずれか)または澱粉を加え、低速混合機(型式:ラボラトリーハイパワーミキサーSM−103;アズワン社製)を用いて60rpmで5分間、約50℃に加温しながら混合しペースト状調味組成物(比較例品1〜5)を作製した。しかし、食用濃縮エキスに油脂加工澱粉または澱粉が均一に混合されなかった。
[比較例品6、7]
表2に示す10倍量の原材料を用いて以下の操作を行いペースト状調味組成物を作製した。即ち、食用濃縮エキス(畜肉エキス1または畜肉エキス2)を2Lのステンレス製ジョッキに加え、湯煎を用いて約50℃まで加温した。そこに、澱粉と食用油脂を予め混合した混合物を加え、低速混合機(型式:ラボラトリーハイパワーミキサーSM−103;アズワン社製)を用いて60rpmで5分間、約50℃に加温しながら混合しペースト状調味組成物(比較例品6、7)を作製した。しかし、澱粉と食用油脂は均一に混合できず、さらに食用濃縮エキスに澱粉と食用油脂が均一に混合されなかった。
<作製時および作製直後の評価(製造適性)>
ペースト状調味組成物の作製時および作製直後の評価(製造適性)を確認するために、作製時および作製直後のペースト状調味組成物の混合性および状態を評価した。評価は目視で行い、表3の評価基準で評価した。結果を表4に示す。
<保管時の状態の評価>
得られたペースト状調味組成物(実施例品1〜13、比較例品1〜7)を300mLペットボトルに200g加えてキャップをし、5℃で7日間保管した後のペースト状調味組成物の状態を評価した。評価は目視で行い、表3の評価基準で評価した。結果を表4に示す。
Figure 0006474592
Figure 0006474592
結果より、実施例品は、食用濃縮エキス、油脂加工澱粉および食用油脂との混合性が良好または非常に良好であり、均一に混合することができ製造適性を有していた。また、作製直後は均一でありなめらかな状態であった。さらに保管後は、油脂分離および澱粉沈殿がなく、全体的にほぼ均一または均一状態を維持し、物性がなめらかな状態を維持することができた。
一方、比較例品は、食用濃縮エキスと、澱粉類(油脂加工澱粉、澱粉)および/または食用油脂、との混合性が非常に悪く、均一に混合することができなかった。さらに、油脂分離および/または澱粉類の沈殿があり、均一な状態を維持することができなかった。
<ペースト状ラーメンスープ用調味組成物の作製>
(1)原材料
[食用濃縮エキス]
畜肉エキス2(商品名:冷凍げん骨スープFG50;理研ビタミン社製、Brix50)

魚介エキス1(かつおエキスA25(商品名;理研ビタミン社製のBrix83)
[油脂加工澱粉]
油脂加工澱粉2(商品名:バッタースターチ#200N;日本食品加工社製、リン酸架橋タピオカ澱粉にサフラワー油とグリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステルを加え処理して作製した油脂加工澱粉)
[食用油脂]
ナタネサラダ油(商品名:ナタネサラダ油キャノーラ;日清オイリオ社製)
調味動物油脂(商品名:RFOポーク;理研ビタミン社製 )
[その他の粉末状原材料]
オニオンエキスパウダー(商品名:オニオンパウダーSK‐3760;日研フード社製)
ガーリックパウダー(商品名:ガーリクパウダーSK3237;日研フード社製)
カツオ粉末(商品名:純カツオ粉末;マルハチ村松社製)
L-グルタミン酸ナトリウム(キリン協和フーズ社製)
核酸系調味料(商品名:リボタイド;キリン協和フーズ社製)
酵母エキスパウダー(商品名:ミーストパウダーB‐6521;アサヒフードアンドヘルス)
(2)配合
上記原材料を用いて作製したペースト状ラーメンスープ用調味料の配合を表5に示す。
Figure 0006474592
(3)ペースト状ラーメンスープ用調味料の作製方法
表5に記載の原材料を用いて下記方法でペースト状ラーメンスープ用調味料を作製した。
畜肉エキス2、魚介エキス1を3Lのステンレス製ジョッキに加え、湯煎を用いて約50℃まで加温した。そこに、油脂加工澱粉2と、食用油脂の2/3量および調味動物油脂を予め混合した混合物、ならびにオニオンパウダー、ガーリックパウダー、カツオ粉末、L‐グルタミン酸ナトリウム、リボタイド、酵母エキスパウダーおよび食用油脂の残り1/3量を予め混合した混合物を加え、低速混合機(型式:ラボラトリーハイパワーミキサーSM‐103:AS ONE社製)を用いて60rpmで5分間、約50℃に加温しながら混合し、ペースト状ラーメンスープ用調味料(実施例品14)を得た。なお、上記畜肉エキス2、魚介エキス1の混合品の固形分は、Brix51.3%であった。
(4)作製および保管時の評価
得られたペースト状ラーメンスープ用調味料は、食用濃縮エキス(畜肉エキス2、魚介エキス1)油脂加工澱粉、食用油脂およびその他の原材料を混合することにより均一に分散したペースト状の調味料とすることができた。
また、ペースト状ラーメンスープ用調味料を5℃、7日間保管しても、分離することなくなめらかなペースト状を維持していた。
なお、保管後のペースト状ラーメンスープ用調味料100gと水400gを鍋に加え、耐熱ベラを用いて撹拌しながら沸騰するまで撹拌することにより、ラーメンスープのガラスープに適したスープベースとなった。

Claims (2)

  1. ペースト状調味組成物100質量部中に、固形分含量が30〜80質量%の食用濃縮エキス40〜80質量部、油脂加工澱粉10〜40質量部および食用油脂10〜25質量部を含有し、油脂加工澱粉が糊化せず分散状態で存在することを特徴とするペースト状調味組成物。
  2. 固形分含量が30〜80質量%の食用濃縮エキス40〜80質量部、油脂加工澱粉10〜40質量部および食用油脂10〜25質量部を混合して均一に分散する工程を有することを特徴とするペースト状調味組成物の製造方法。
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