JP7488973B1 - 動物油脂感付与剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】動物油脂感の付与に有用な動物油脂感付与剤を提供すること。【解決手段】(工程1)マカダミアナッツオイルを用意する工程、(工程2)前記工程1で用意した前記マカダミアナッツオイルをリパーゼ処理することによってマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を得る工程、および(工程3)前記工程2で得られたマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を、POVが1を超えないように加熱する工程を含む製造方法によって製造される動物油脂感付与剤が提供される。【選択図】なし

Description

本発明は、動物油脂感付与剤に関する。
近年、消費者の嗜好性の多様化により、消費者のニーズに合うような様々な商品の開発が望まれている。その中で、飲食品などに乳脂感、油脂感などの香気・香味を付与および増強を目的とする要求も多い。油脂には、主成分のトリグリセリドのほか、種々の遊離脂肪酸、アルコール類、アルデヒド類、モノグリセリド、ジグリセリド、ビタミン類などが含まれており、これらの成分が一体となって油脂の風味を構成していると考えられる。
油脂様の香気・香味を付与するための素材として、例えば、特許文献1には、長鎖高度不飽和脂肪酸の分解物又はその抽出物を含むコク味向上剤が記載され、食品のコク味が増し、味を引き立たす効果が得られると記載されている。
国際公開第2005/4634号
本発明の課題は、飲食品に動物油脂感を付与可能な組成物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討したところ、マカダミアナッツオイルという特定の植物油脂のリパーゼ処理物が動物油脂感の付与に顕著に優れることを見出した。かくして、本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。
[1] 下記工程1~3を含む、動物油脂感付与剤の製造方法。
(工程1) マカダミアナッツオイルを用意する工程
(工程2) 前記工程1で用意した前記マカダミアナッツオイルをリパーゼ処理することによってマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を得る工程
(工程3) 前記工程2で得られたマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を、POVが1を超えないように加熱する工程
[2] 前記工程1で用意するマカダミアナッツオイルが、POVが0~1の加熱済のマカダミアナッツオイルである、[1]に記載の動物油脂感付与剤の製造方法。
[3] 前記工程1および工程2の間、前記工程2の後、またはその両方に、抗酸化剤を添加する工程をさらに含む、[1]または[2]に記載の動物油脂感付与剤の製造方法。
[4] 前記工程2の後に抗酸化剤を添加する工程を行う、[3]に記載の動物油脂感付与剤の製造方法。
[5] POVが1未満の加熱済マカダミアナッツオイルリパーゼ処理物からなる、動物油脂感付与剤。
[6] [5]に記載の動物油脂感付与剤を含有する、飲食品添加用組成物。
[7] [5]に記載の動物油脂感付与剤、または[6]に記載の飲食品添加用組成物を、飲食品に添加することを含む、飲食品の動物油脂感付与方法。
[8] [5]に記載の動物油脂感付与剤、または[6]に記載の飲食品添加用組成物を、飲食品に添加することを含む、飲食品の製造方法。
本発明によって、飲食品への動物油脂感付与に有効な動物油脂感付与剤を提供できる。
以下、本発明について、具体例を挙げつつさらに詳細に説明する。本明細書において、「~」は下限値および上限値を含む範囲を意味し、濃度(ppt、ppb、ppmなど)、%は特に断りのない限りそれぞれ質量濃度、質量%を表し、濃度とは特に断りのない限り最終濃度とする。
[動物油脂感付与剤の製造方法]
本発明の一態様に係る動物油脂感付与剤の製造方法(以下、本件製造方法ということがある。)は、下記工程を含むことを特徴とする。
(工程1) マカダミアナッツオイルを用意する工程
(工程2) 前記工程1で用意した前記マカダミアナッツオイルをリパーゼ処理することによってマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を得る工程
(工程3) 前記工程2で得られたマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を、POVが1を超えないように加熱する工程
本明細書において、POVとは、過酸化物価(Peroxide Value)を意味する。
本件製造方法の工程2で得たマカダミアナッツリパーゼ処理物は、任意で水分を除去した後、動物油脂感付与剤として各種飲食品に添加し、その飲食品への動物油脂感付与に用いてよい。
マカダミアナッツオイルは動物油脂ではなく植物油脂であるところ、上記工程を経て製造されたそのリパーゼ処理物が動物油脂感の付与に有効であることは、驚くべき発見であった。
本明細書において「動物油脂感」とは、動物油脂独特のねっとりとした舌に残る甘味のある香味、および/または動物油脂様のジューシー感もしくは肉汁感を含む感覚を意味する。「動物」は特に限定されないが、代表例として、牛、豚、鳥類(鶏、鴨、七面鳥、アヒル、キジ、ウズラなど)、羊(ラムまたはマトン)、馬、鹿、猪、熊などが挙げられ、好ましくは、牛、豚、鶏、鴨、または羊であり、より好ましくは、牛、豚、または鶏である。
本明細書において「動物油脂感付与(動物油脂感を付与する)」とは、本発明に係る動物油脂感付与剤(以下、本件動物油脂感付与剤ということがある。)の添加によって添加対象に動物油脂感を新たに加える、および/または、添加対象の動物油脂感を増強することを含み、例えば、動物油脂感を付与した結果、添加対象の動物油脂感が改善されること、または添加対象の香味全体が改善されることを含む。本発明の好ましい一態様では、本件動物油脂感付与剤による動物油脂感の付与によって、その付与対象に動物油脂を実際より多く使用したような感覚を付与することができる。さらに好ましくは、動物油脂感の付与によって、動物肉またはその加工品において動物油脂がとろけた際に感じられるようなとろりとした肉汁感を含む油脂感を、添加対象に付与できる。
本明細書において、「香味」とは、香りによって変化し得る1種または複数種の感覚、代表的には嗅覚と味覚を含む感覚を意味する。また、飲食品の香味を風味という場合がある。
本明細書において「添加」とは、ある対象に噴霧、滴下などによって単に加えること、およびある対象と混ぜ合わせることの、少なくとも1つを含む。
本件動物油脂感付与剤は少なくともトリグリセリドおよび/または脂肪酸を含有すると考えられ、これらは劣化(代表的には酸化)によって、すえたような独特のくどい劣化臭(油脂酸化臭または油脂劣化臭ともいう。)を示すことがある。そのような不快な劣化臭を付与しない観点から、本件製造方法で得られる動物油脂感付与剤は、そのPOVが0~1の範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、POVは0~0.7、0~0.6、または0~0.5の範囲内のいずれかであってよいが、これらに限定されない。
本件製造方法の工程1(以下、単に工程1ということがある。)で用意するマカダミアナッツオイルは、任意の市販品を用いてよい。好ましくは、工程1で用意するマカダミアナッツオイルは、POVが1を超えないように加熱されたものであって、さらに好ましくは、POVが1を超えないように70~90℃で10~30分間加熱されたものである。いかなる理論に拘泥されるものではないが、この加熱により、マカダミアナッツオイル中に動物油脂感付与に寄与する酸化物(マカダミアナッツオイル中の成分が酸化されたもの)が生じる可能性が考えられる。
本件製造方法の工程2(以下、単に工程2ということがある。)では、工程1で用意したマカダミアナッツオイルをリパーゼ処理して、マカダミアナッツオイルに含まれる油脂(トリグリセリド)を構成するエステル結合を加水分解する。本明細書において「リパーゼ処理」という場合は、マカダミアナッツオイルにリパーゼおよび水を適当量添加して、当該加水分解を生じさせることをいう。
工程2で使用するリパーゼは、当該加水分解が可能な酵素群より任意に選択でき、その種類は特に制限されるものではない。例えば、アスペルギルス属、リゾムコール属、リゾープス属、ペニシリウム属、キャンディダ属、ピキア属、クロモバクテリウム属、アルカリゲネス属、ストレストマイセス属、アクチノマデュラ属、バチラス属等の各種微生物から採取されるリパーゼ、豚の膵臓から得られるリパーゼ、子山羊、子羊、子牛の口頭分泌腺から採取したオーラルリパーゼなどを適宜利用することができ、中でも、動物油脂感付与効果を高くする観点から、キャンディダ属(特にCandida cylindracea)由来のリパーゼが好ましく用いられる。また、市販品としてはリパーゼL、リパーゼM、リパーゼAP、リパーゼAY、リパーゼP、リパーゼAK、リパーゼCES、リパーゼM-AP、リパーゼD、リパーゼN、リパーゼCT、リパーゼR、リパーゼMER(以上、天野エンザイム(株)製)、スミチームNLS、スミチームRLS、スミチームALS(以上、新日本化学工業(株)製(スミチームは登録商標));リパーゼMY、リパーゼPL、リパーゼQLM、リパーゼOF(以上、名糖産業(株)製)、リパーゼP、リパーゼA-10D、PLA2、リパーゼ-サイケン(登録商標)(以上、ナガセケムテックス(株)製)、豚膵臓リパーゼ(シグマアルドリッチジャパン(株)製)、レシターゼ、パラターゼ、パラダーゼM(以上、ノボザイムズ(株)製)、タリパーゼ(田辺製薬(株)製)等を例示することができる。これらのリパーゼは単独又は数種組み合わせて利用することもできる。動物油脂感付与効果を高くする観点から、好ましいリパーゼの例としては、短鎖、中鎖、長鎖の脂肪酸を遊離可能な、トリグリセリドのα位、β位に作用するリパーゼが挙げられ、代表的には、Candida cylindracea由来のリパーゼAYおよびリパーゼOFが挙げられるが、これらに限定されない。なお、リパーゼAYは、有効に機能するpH範囲が3.0~8.0と広く、熱安定性も高い点が産業上の観点から特に有用である。
本件製造方法において、工程2のリパーゼ処理の温度は、使用するリパーゼや反応時間の調整を勘案して、リパーゼによる加水分解が進行可能な温度の範囲で任意に決定できるが、好ましくは30~70℃、より好ましくは30~60℃、さらに好ましくは30~50℃で行う。最も好ましい温度範囲の例として、使用するリパーゼにも依存するが、30~45℃、32~45℃、35~45℃、30~48℃、32~48℃、35~48℃などが挙げられるが、これらに限定されない。リパーゼ処理の時間は、少なくとも、30~70℃の温度条件において30分~40時間の範囲内であれば、動物油脂感付与効果を有する動物油脂感付与剤が得られることを本発明者らは確認したが、好ましくは、30~70℃の温度条件において1~35時間、より好ましくは3~30時間、より好ましくは10~25時間の範囲内である。また、リパーゼ処理を停止させるタイミング(リパーゼ処理時間の終了タイミング)としては、好ましくは、リパーゼ処理に供されているマカダミアナッツオイルの酸価(Acid Value, A.V.)が90以上、100以上、110以上、120以上、130以上、140以上、または150以上となった段階で、リパーゼによる加水分解を停止させる。本発明者らは、当該酸価が90以上であれば動物油脂感付与効果を有する動物油脂感付与剤が得られることを確認したが、当該酸価は、好ましくは120以上、より好ましくは130以上、より好ましくは140以上であるが、動物油脂感付与剤による所望の動物油脂感付与効果、製造時間、製造コストなどに応じて、酸価を適宜調整することができる。動物油脂感付与効果、製造時間、製造コストを総合的に勘案すると、酸価は、好ましくは100~160、110~155、120~150の各範囲内のいずれかであってよく、特に120~150の範囲内が好ましい場合がある。
工程2におけるリパーゼの使用量は、通常の市販のリパーゼを使用する場合は、マカダミアナッツオイルの全体質量を基準として、0.05~1質量%が好ましく、0.1~0.9質量%がより好ましく、0.2~0.8質量%がより好ましい。この使用量とすることで、動物油脂感付与剤中に適当な量の脂肪酸が遊離し、動物油脂感の付与に特に優れる動物油脂感付与剤を製造することができると考えられる。特に、リパーゼがリパーゼAYまたはリパーゼOFである場合、これらの使用量とすることが、動物油脂感の付与に特に優れる動物油脂感付与剤を製造する観点から好ましい。
工程2において、リパーゼとその分解対象(トリグリセリド)をよく接触させるために、攪拌を行ってもよい。おおよそ200~400rpm、好ましくは300rpm程度で攪拌を行う。
また、工程2において、リパーゼによる加水分解を促進する目的で、使用するリパーゼの至適pH付近に維持する緩衝作用のある化合物(緩衝剤、水素イオン濃度調整剤またはpH調整剤ともいう。)を反応系に含有させ、反応系を緩衝液としてもよい。リパーゼの至適pHはおよそ3~9の範囲内であるが、使用するリパーゼに応じて維持すべきpHを決定できる。緩衝作用のある化合物は公知の物質を使用してよく、代表的には、消費者庁が指定する「水素イオン濃度調整剤又はpH調整剤」と表示可能な化合物から選択することができ、これらから、使用するリパーゼの至適pH付近に反応系を維持可能な緩衝剤を選択でき、具体的には、塩酸、クエン酸、酢酸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、各種リン酸塩などが例示できるが、これらに限定されない。例えば、上述のCandida cylindracea由来のリパーゼを使用する場合は、反応が進みやすい中性(pH7)付近にpHを維持することが好ましく、その際に特に好適に使用できる緩衝作用を有する化合物としては、特にリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。緩衝剤を反応系に含有させる場合、上述の酸価は、リパーゼの分解対象(トリグリセリド)の加水分解がより促進されて脂肪酸が遊離するため、好ましくは100以上、110以上、120以上、130以上、140以上、150以上、160以上、または170以上であってよい。
本件製造方法の工程3では、工程2で得られたマカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物を、POVは1を超えないように加熱する。いかなる理論に拘泥されるものではないが、工程3によって、飲食品に添加した際に、油脂の劣化臭なく動物油脂感を付与可能な動物油脂感付与剤が得られると考えられる。
本件製造方法の工程3では、加熱によって、加熱対象(マカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物)のPOVが上昇することがあるが、本発明において、加熱条件は、加熱対象のPOVの範囲(0~1)を超えない程度の温度(本明細書において、加熱の温度は加熱対象の内温とする。)および時間を採用する。例えば、温度70~90℃の間で10~30分の間であれば、通常、POVは0~1の範囲内となる。温度70~90℃の間で10~30分の間という条件を加熱の時間と温度との積として換算した場合、その積を700~2700の間とすれば、通常、POVは0~1の範囲内となる。加熱を複数回行う場合は、1回の加熱が前記積の範囲を越えなければ、POVは1を越えがたいと考えられるため、各加熱において前記積の範囲を超えない条件とする。ただし、例えば、100℃以上で20時間を超えて加熱を行う場合に、POVが1を超える場合があるため、本件製造方法は、100℃以上で20時間超の加熱工程は含まないことが好ましい。
また、工程3の加熱は、通常は、常圧下で、空気がヘッドスペースに存在可能な容器内で加熱対象(マカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物)の表面が空気に触れた状態で加熱を行うことができるが、より加熱対象中の成分の酸化を抑制する観点からは、ヘッドスペースの空気を窒素で置換してもよい。また、加熱の際、加熱対象に酸素を吹き込まないことが好ましい。酸素吹き込み(本明細書において、酸素吹き込みとは、空気のような酸素を含む気体の吹き込みも含む。)によって、加熱対象中の成分の酸化が促進され、POVの大きな上昇を引き起こすことがある。そのため、本発明において、好ましくは、酸素吹き込みを伴う加熱工程は実施しない。また、激しい攪拌によっても、酸素がマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物に混ざりPOVが上昇する可能性があるため、攪拌の程度は、POVが1を超えない程度、好ましくは0.9を超えない程度、さらに好ましくは0.8を超えない程度、さらに好ましくは0.7を超えない程度に、調整することが好ましい。
好ましい加熱態様として、50~300kgの加熱対象(マカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物)を密閉容器(ジャケット付きタンクなど)に収容し、その容器周辺に温水、熱水、加熱した油、蒸気などの熱源を通過させる(例えばジャケット付きタンクのジャケットにこれらの熱源を通す)ことで容器内の加熱対象を加熱して、酸素吹き込みおよび攪拌を行わない態様が例示できる。加熱後に加熱対象を冷却する場合は、放冷する、容器周辺に水などを通して(例えばジャケット付きタンクのジャケットに水を通して)容器内を冷却する、などの態様が例示できるが、これらに限定されない。
本件製造方法は、好ましくは、酸化によるPOV上昇を抑え、劣化臭発生を抑える観点から、工程1および2の間、工程2の後、またはその両方に、マカダミアナッツオイルまたはマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物に抗酸化剤を添加する工程(以下、抗酸化剤添加工程ということがある。)をさらに含むことが好ましい。具体的には、工程1で用意したマカダミアナッツオイルに抗酸化剤を添加し、当該添加後のマカダミアナッツオイルを工程2に供すること、および/または工程2で得られたマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物に抗酸化剤を添加することを、さらに行うことが好ましい。抗酸化剤を添加するタイミングは特に限定されないが、温度が高い場合にPOVが上昇しやすいことから、本件製造方法が加熱工程を含む場合に、抗酸化剤をできるだけ長時間作用させる観点から、加熱前、加熱中、および/または加熱終了直後に添加することがさらに好ましい。加熱終了直後に添加する場合の具体例として、加熱後に抗酸化剤添加対象の温度が95℃以下、90℃以下、85℃以下、80℃以下、または75℃以下が例示できるが、これらに限定されない。
抗酸化剤は、食品製造に使用可能な任意のものを用いることができるが、本件動物油脂感付与剤が高級脂肪酸を含むと考えられることから、油溶性の抗酸化剤を用いることが好ましい。油溶性の抗酸化剤の具体例として、β-カロテン、ユビキノール、ローズマリー抽出物、トコフェロール、ビタミンCパルミテート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、アスコルビルステアレート、ケルセチンなどが挙げられるが、これらに限定されない。抗酸化剤の添加によって動物油脂感付与剤の動物油脂感付与効果に影響を与えづらい好適な抗酸化剤の一例として、トコフェロール、ローズマリー抽出物が挙げられる。
本件製造方法が加熱工程および抗酸化剤添加工程を含む場合の好ましい例として、下記が挙げられる。ただし、本発明はこれらに限定されない。
[例1]
(1) マカダミアナッツオイルを用意する工程(工程1)
(2) 前記工程1で用意したマカダミアナッツオイルを温度70~90℃で10~30分間加熱する工程
(3) 前記工程1で用意した前記マカダミアナッツオイルをリパーゼ処理することによってマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を得る工程(工程2)
(4) 前記工程2で得たマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を温度70~90℃で10~30分間加熱する工程(工程3)
(5) 加熱後のマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物に抗酸化剤を添加する工程
[例2]
(1) マカダミアナッツオイルを用意する工程(工程1)
(2) 前記工程1で用意したマカダミアナッツオイルを温度70~90℃で10~30分間加熱する工程
(3) 前記工程1で用意した前記マカダミアナッツオイルをリパーゼ処理することによってマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を得る工程(工程2)
(4) マカダミアナッツオイルリパーゼ処理物に抗酸化剤を添加する工程
(5) 抗酸化剤添加後のマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を温度70~90℃で10~30分間加熱する工程(工程3)
[例3]
(1) マカダミアナッツオイルを用意する工程(工程1)
(2) 前記工程1で用意した前記マカダミアナッツオイルをリパーゼ処理することによってマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を得る工程(工程2)
(3) 前記工程2で得たマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を温度70~90℃で10~30分間加熱する工程(工程3)
(4) 加熱後のマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物に抗酸化剤を添加する工程
[例4]
(1) マカダミアナッツオイルを用意する工程(工程1)
(2) 前記工程1で用意した前記マカダミアナッツオイルをリパーゼ処理することによってマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を得る工程(工程2)
(3) マカダミアナッツオイルリパーゼ処理物に抗酸化剤を添加する工程
(4) 抗酸化剤添加後のマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を温度70~90℃で10~30分間加熱する工程(工程3)
本発明による動物油脂感付与効果および製造容易性の観点から、特に好ましくは[例1]または[例2]の順であり、さらに好ましくは[例1]の順である。
本件製造方法において、リパーゼ処理に際して加水分解に必要な水をマカダミアナッツオイルに対して添加するため、水分による酸化促進防止(POV上昇防止)の観点から、マカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物から水分を除去することがさらに好ましい。従って、本件製造方法は、さらに、工程3の後に、マカダミアナッツオイルリパーゼ処理物から水分を除去する工程(以下、水分除去工程ということがある。)を含むことが好ましい。水分の除去には、比重差によるデカント分離、吸水材の添加による水分吸着など、公知の任意の方法を採用してよい。比重差によるデカント分離を行う場合は、適当なタイミングで塩などを加えて油層と水層の比重を調整し、分離容易にしておくことが好ましい。吸水材の添加を行う場合は、水分吸着後、適当なフィルタを用いてろ過を行って吸水材を除去することが好ましい。水分除去工程のタイミングは、工程3の後であれば任意であるが、抗酸化剤添加工程を実施する場合であって、当該抗酸化剤に水分が含まれる場合は、抗酸化剤添加工程の後に行うことが、水分除去効率の観点から好ましい。
POVの測定は、基準油脂分析試験法 2.5.2.1-2013に従って行うことができ、例えば、以下の手順で行うことができる。
1.三角フラスコに、イソオクタン:酢酸=2:3(体積比)の混合溶液を調製し、撹拌子で緩やかに撹拌する。
2.冷蔵保存した飽和ヨウ化カリウム水溶液を用意する。
3.0.01mol/Lのチオ硫酸ナトリウム水溶液を調製する。
4.過酸化物価測定装置(平沼自動滴定装置COM-1700、平沼産業株式会社製)を用い、モード「TS1」にて測定を行う。
5.滴下ビュレットに調製した0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム水溶液を満たすため、パージを行う。具体的には、ビュレットの連結部を逆さにし、ビュレット下部に廃液受けを置く。パージが終了したら、連結部を元の向きに戻す。
6.メニューで測定対象として「POV」を選択する。
7.200mL共栓三角フラスコに試料(POV測定対象。以下同じ。)を5g程度量り取り、当該フラスコに撹拌子を入れ、調製したイソオクタン・酢酸混合溶液を当該フラスコに30mL注ぎ入れ、撹拌子を回転させて試料を均一に溶解させる。
8.前記フラスコ内の空気を窒素で置換し、窒素を通じたまま飽和ヨウ化カリウム溶液を0.2mL加え、直ちに共栓をして撹拌子にて1分間撹拌する。さらに超純水を100mL注ぎ入れてよく振り混ぜる。
9.三角フラスコを装置に載せ、電極類を下ろして浸す。滴下ビュレットは、先端が液面にちょうど浸る程度とする。
本件製造方法によって得られた動物油脂感付与剤は、油脂や脂肪酸を含有することから、室温以上で放置するとPOVが上昇する可能性がある。そのため、冷蔵または冷凍の保管とすることで、長期保存後であってもPOVの上昇を抑えることが好ましい。冷蔵または冷凍での保存であれば、通常、POVは5を超えず、好ましくは4を超えず、さらに好ましくは3を超えず、さらに好ましくは2を超えない。
[動物油脂感付与剤]
本発明の一態様に係る動物油脂感付与剤(本明細書では本件動物油脂感付与剤ということもある。)は、POVが1未満の加熱済マカダミアナッツオイルリパーゼ処理物からなり、好ましくは、当該加熱が、70~90℃で10~30分間マカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を加熱することである。
本件動物油脂感付与剤において「動物油脂感」、「動物油脂感付与(付与する)」とは、本件製造方法の項で説明したとおりである。
本明細書において、「からなる」とは、マカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物のみからなるが、当業者が有する通常の知識に基づいて実質的にマカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物のみからなればよく、例えば、これらのマカダミアナッツオイルをリパーゼ処理した際に残存する不純物を含むことは動物油脂感付与に影響のない限り問題ない。
マカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物は、好ましくは、[動物油脂感付与剤の製造方法]の項で述べた方法で製造されたものである。
本件動物油脂感付与剤はトリグリセリドおよび/または脂肪酸を含有すると考えられ、これらは劣化(代表的には酸化)によって、すえたような独特のくどい劣化臭(油脂酸化臭または油脂劣化臭ともいう。)を示すことがある。そのような不快な劣化臭を付与しない観点から、本件動物油脂感付与剤は、そのPOVが0~1の範囲内であることが好ましく、特に好ましくは、POVは0~0.7、0~0.6、0~0.5または0~0.5の範囲内のいずれかであってよいが、これらに限定されない。
本件動物油脂感付与剤を各種飲食品に添加する場合、本件動物油脂感付与剤の飲食品中の濃度は、所望の動物油脂感付与効果に応じて任意に決定できるが、本発明者らは、当該濃度が飲食品の全体質量に対して本件動物油脂感付与剤の濃度が1ppb~1%の範囲内であれば各種飲食品に動物油脂感を付与できることを確認している。そのため、本発明の一態様において、飲食品に動物油脂感付与効果が奏されるように1ppb~1%の範囲内に適当な濃度にすればよく、より具体的には、下限値を1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppm、1000ppmのいずれかとし、上限値を1%、1000ppm、100ppm、10ppm、1ppm、100ppb、10ppbのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせによる範囲内とすることができ、動物油脂感付与効果を十分に発揮すること、および飲食品への添加量(当該飲食品の製造コスト)の観点から、好ましくは100ppb~1000ppmの範囲内、さらに好ましくは1ppm~100ppmの範囲内が挙げられるが、これらに限定されない。
[飲食品添加用組成物]
本件動物油脂感付与剤を飲食品に添加可能な組成物と混合して、飲食品への添加に適した形態である飲食品添加用組成物(以下、本件飲食品添加用組成物ということがある。)を製造することができる。本件飲食品添加用組成物は、本件動物油脂感付与剤を含有するため、飲食品の動物油脂感付与用組成物として使用することができる。
飲食品に添加可能な組成物の例としては、飲食品に添加することが可能な溶媒、抗酸化剤、色素、およびその他添加物から選択される1種以上を含む組成物であってよい。また、さらにそれを乳化製剤、粉末製剤、その他固体製剤(固形脂など)としてもよい。
本件飲食品添加用組成物の形態としては、水溶性または油溶性溶媒溶液、乳化製剤、粉末製剤、その他固体製剤(固形脂など)が挙げられるが、本発明は以上の例に限定されない。
本件飲食品添加用組成物が含有する本件動物油脂感付与剤はトリグリセリド類および脂肪酸を含有することから親水性に乏しいため、本件動物油脂感付与剤を水中油型の乳化製剤として本件飲食品添加用組成物に含有させることで、各種飲食品に添加しても飲食品の水分からの分離を起こさず、広範な飲食品に使用することができる。また、乳化製剤とすることで、動物油脂感付与効果が持続する場合がある。
本件動物油脂感剤を乳化製剤とする方法としては、本件動物油脂感付与剤を、適宜食用油脂で希釈して、さらに必要に応じて比重調整剤(ショ糖酢酸イソ酪酸エステルなど)、油溶性抗酸化剤を含有させたのち、水溶性溶媒および乳化剤と共に乳化して得ることができる。乳化方法としては特に制限されるものではなく、従来から飲食品などに用いられている各種類の乳化剤、例えば、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、加工でん粉、ソルビタン脂肪酸エステル、キラヤ抽出物、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸及びおよびその塩類、カラギーナン、ゼラチン、カゼイン、キラヤサポニン、カゼインナトリウムなどの乳化剤を使用してホモミキサー、コロイドミル、回転円盤型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いて乳化処理することにより安定性の優れた乳化液を得ることができる。これら乳化剤の使用量は厳密に制限されるものではなく、使用する乳化剤の種類などに応じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常、本件動物油脂感付与剤1質量部に対し、約0.01~約100質量部、好ましくは約0.1~約50質量部の範囲内が適当である。また、乳化を安定させるため、かかる水溶性溶媒液は水の他に、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、グルコース、トレハロース、糖液、還元水飴などの多価アルコール類の1種類または2種類以上の混合物を添加することができる。
本件飲食品添加用組成物は、飲食品に添加した際の動物油脂感付与効果を調整するため(例えば、付与効果の強さを弱めるなど)に、本件動物油脂感付与剤をリパーゼ処理していない食用油脂と混合したものとしてもよい。リパーゼ処理していない食用油脂は、POVが0~10の範囲内であることが好ましい。リパーゼ処理していない食用油脂は、食用のものであれば任意であるが、代表例として、米油、米サラダ油、マカダミアナッツオイル、綿実油、ごま油、オリーブ油、中鎖脂肪酸油(MCTオイル)などが挙げられ、好ましくは比較的酸化しづらい油脂である、米油、米サラダ油、またはMCTオイルである。
使用する溶媒の種類に特に制限はない。水溶性溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、2-プロパノール、メチルエチルケトン、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシルグリコール、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ジエチルフタレートなどを例示することができる。これらのうち、飲食品へ使用する場合には、エタノールまたはプロピレングリコールが特に好ましい。油溶性溶媒としては、植物性油脂、動物性油脂、精製油脂類(例えば、中鎖脂肪酸トリグリセリドなどの加工油脂や、トリアセチン、トリプロピオニンなどの短鎖脂肪酸トリグリセリドが挙げられる)、ハーコリン、各種精油、トリエチルシトレートなどを例示することができる。
本件飲食品添加用組成物を乳化製剤とするためには、本件動物油脂感付与剤の項で説明した方法と同様の方法を採用できる。
また、かくして得られた乳化液は、所望ならば乾燥することにより粉末製剤とすることができる。粉末化に際して、さらに必要に応じて、アラビアガム、トレハロース、デキストリン、砂糖、乳糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴などの糖類を適宜添加することもできる。これらの使用量は粉末製剤に望まれる特性などに応じて適宜に選択することができる。
本件動物油脂感付与剤は、本件動物油脂感付与剤に加えて、溶媒、分散媒、香味付与成分、抗酸化成分などの補助成分など任意の他の成分(具体例は後述)と混合して使用してもよい。
前記任意の他の成分の具体例として、各種類の香料化合物、香料組成物、色素類、ビタミン類、機能性物質、魚肉エキス類、畜肉エキス類、動植物エキス類、動動物油脂、酵母エキス類、動植物タンパク質類、動植物タンパク質分解物類、澱粉、デキストリン、糖類、アミノ酸類、核酸類、有機酸類、溶剤、乳化剤、比重調整剤、抗酸化剤などを例示することができる。例えば、「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品用香料、平成12年1月14日発行」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」(平成12年度厚生科学研究報告書、日本香料工業会、平成13年3月発行)、および「合成香料 化学と商品知識」(2016年12月20日増補新版発行、合成香料編集委員会編集、化学工業日報社)に記載されている天然精油、天然香料、香料化合物などを挙げることができる。
香料化合物のその他の例として、炭化水素化合物としては、α-ピネン、β-ピネン、ミルセン、カンフェン、リモネンなどのモノテルペン、バレンセン、セドレン、カリオフィレン、ロンギフォレンなどのセスキテルペン、1,3,5-ウンデカトリエンなどが挙げられる。
アルコール化合物としては、ブタノール、ペンタノール、3-オクタノール、ヘキサノール、(Z)-3-ヘキセン-1-オール、プレノール、2,6-ノナジエノールなどの飽和または不飽和アルコール、リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、テトラヒドロミルセノール、ファルネソール、ネロリドール、セドロール、テルピネオールなどのテルペンアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、シンナミルアルコールなどの芳香族アルコールが挙げられる。
アルデヒド化合物としては、アセトアルデヒド、ヘキサナール、オクタナール、デカナール、(E)-2-ヘキセナール、2,4-オクタジエナールなどの飽和または不飽和アルデヒド、シトロネラール、ヒドロキシシトロネラール、シトラール、ミルテナール、ペリルアルデヒドなどのテルペンアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、バニリン、エチルバニリン、ヘリオトロピン、p-トリルアルデヒドなどの芳香族アルデヒドが挙げられる。
ケトン化合物としては、2-ヘプタノン、2-ウンデカノン、1-オクテン-3-オン、アセトインなどの飽和または不飽和ケトン、ジアセチル、2,3-ペンタンジオン、マルトール、エチルマルトール、シクロテン、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノンなどのジケトンおよびヒドロキシケトン、カルボン、メントン、ヌートカトンなどのテルペンケトン、α-イオノン、β-イオノン、β-ダマセノンなどのテルペン分解物に由来するケトン、ラズベリーケトンなどの芳香族ケトンが挙げられる。
フランまたはエーテル化合物としては、フルフリルアルコール、フルフラール、ローズオキシド、リナロールオキシド、メントフラン、テアスピラン、エストラゴール、オイゲノール、1,8-シネオールなどが挙げられる。
エステル化合物としては、酢酸エチル、酢酸イソアミル、酪酸エチル、イソ酪酸エチル、酪酸イソアミル、2-メチル酪酸エチル、3-メチル酪酸エチル、イソ酪酸2-メチルブチル、ヘキサン酸エチル、ヘキサン酸アリル、ヘプタン酸エチル、カプロン酸エチル、イソ吉草酸イソアミル、ノナン酸エチルなどの脂肪族エステル、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、酢酸ラバンジュリル、酢酸テルペニルなどのテルペンアルコールエステル、酢酸ベンジル、酪酸ベンジル、サリチル酸メチル、サリチル酸ベンジル、ケイ皮酸メチル、プロピオン酸シンナミル、安息香酸エチル、イソ吉草酸シンナミル、3-メチル-2-フェニルグリシド酸エチルなどの芳香族エステルが挙げられる。
ラクトン化合物としては、γ-デカラクトン、γ-ドデカラクトン、δ-デカラクトン、δ-ドデカラクトン、7-デセン-4-オリド、2-デセン-5-オリドなどの飽和または不飽和ラクトンが挙げられる。
酸化合物としては、酢酸、酪酸、オクタン酸、イソバレル酸、カプロン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸などの飽和または不飽和脂肪酸が挙げられる。
含窒素化合物としては、ピリジン、アルキル置換ピラジン、アントラニル酸メチル、トリメチルピラジンなどが挙げられる。
含硫化合物としては、メタンチオール、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド、アリルイソチオシアネート、3-メチル-2-ブテン-1-チオール、3-メチル-2-ブタンチオール、3-メチル-1-ブタンチオール、2-メチル-1-ブタンチオール、およびフルフリルメルカプタンなどが挙げられる。
天然精油としては、スイートオレンジ、ビターオレンジ、プチグレン、レモン、ベルガモット、マンダリン、ネロリ、ペパーミント、スペアミント、ラベンダー、カモミール、ローズマリー、ユーカリ、セージ、バジル、ローズ、ヒヤシンス、ライラック、ゼラニウム、ジャスミン、イランイラン、アニス、クローブ、ジンジャー、ナツメグ、カルダモン、スギ、ヒノキ、ベチバー、パチョリ、ラブダナム、エルダーフラワー、クラリセージなどが挙げられる。
各種動植物エキスとしては、乳または乳加工品およびこれらのリパーゼおよび/またはプロテアーゼなどの各種酵素分解物などが挙げられる。
[飲食品の動物油脂感付与方法・飲食品の製造方法]
本発明の一態様において、本件動物油脂感付与剤または本件飲食品添加用組成物を、各種飲食品に添加することによって、各種飲食品に動物油脂感を付与することができる(以下、これを本件付与方法ということがある。)。本件付与方法は、本件動物油脂感付与剤または本件飲食品添加用組成物を添加することで動物油脂感が付与された飲食品が製造できるため、飲食品の製造方法ともいえる。動物油脂感付与剤または本件飲食品添加用組成物の各種飲食品への添加タイミングは任意であり、動物油脂感付与剤または本件飲食品添加用組成物それ自体を飲食品に添加してもよいし、1種または2種以上の他の香味付与組成物(例えば、水溶性香料組成物、乳化香料組成物、任意の香料化合物、天然精油(例えば、前掲の「特許庁公報、周知・慣用技術集(香料)第II部食品香料」、「日本における食品香料化合物の使用実態調査」、および「合成香料 化学と商品知識」に記載される香料化合物)、から選択される1種以上)と併せて各種飲食品に添加してもよい。
本件飲食品添加用組成物を添加可能な飲食品は特に限定されず、いかなる香味(風味ともいう)を有していてもよいが、動物油脂を含有することで好ましい香味となる飲食品が特に好適であり、特に好適な例として、パン、ショートニング、マーガリン、ファットスプレッド、ドレッシング、マヨネーズ、ホイップクリーム、チョコレート、コーンフレーク、揚げ物(天ぷら、フライ、唐揚げ、コロッケ、メンチカツ、ドーナツチュロス、かりんとう、揚げ餅など)、炒め物(惣菜、炒飯など)、植物肉(大豆肉など)、コーヒー、植物ミルク(豆乳、オーツミルク、ライスミルク、アーモンドミルクなど)、氷菓、スナック菓子、インスタントラーメン、ケーキ、焼き菓子(ビスケット、パイ、プレッツェル、ラスク、ショートブレッドなど)、キャンディー(キャラメル、チューイングキャンディーなど)、シュークリーム生地冷菓(アイスミルク、ラクトアイスなど)、プリン、コーヒーホワイトナーなどが挙げられるがこれらに限定されない。
本件動物油脂感付与剤または本件飲食品添加用組成物の飲食品への添加濃度は、所望の動物油脂感付与効果に応じて任意に決定できるが、本発明者らは、上述の通り、飲食品の全体質量を基準として本件動物油脂感付与剤の濃度が1ppb~1%の範囲内となるよう添加すれば各種飲食品に動物油脂感を付与できることを確認している。そのため、本発明の一態様において、飲食品に動物油脂感付与効果が奏されるように1ppb~1%の範囲内にて適当な濃度にすればよく、より具体的には、下限値を1ppb、10ppb、100ppb、1ppm、10ppm、100ppm、1000ppmのいずれかとし、上限値を1%、1000ppm、100ppm、10ppm、1ppm、100ppb、10ppbのいずれかとして、これら下限値および上限値の任意の組み合わせによる範囲内とすることができ、動物油脂感付与効果を十分に発揮すること、および飲食品への添加量(当該飲食品の製造コスト)の観点から、好ましくは100ppb~1000ppmの範囲内、さらに好ましくは1ppm~100ppmの範囲内が挙げられるが、これらに限定されない。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1] 動物油脂感付与剤の製造例1
下記手順で本件動物油脂感付与剤を製造した。
市販のマカダミアナッツオイル(マカダミア種子の搾油)850gを用意した。次いで、用意したマカダミアナッツオイルを約75℃で10分間加熱し、40℃前後まで冷却した。
冷却後のマカダミアナッツオイルに、リパーゼ(リパーゼAY「アマノ」30SD、天野エンザイム社製)4gおよび水110gを添加したのち約40℃で約22時間リパーゼ処理を行った。次いで、並塩を26g加えて(後述の水層分離のための比重調整剤としての添加。)、約85℃で15分間の加熱を行った。そして、抗酸化剤(トコフェロール)3gを加えたのちに約70℃に冷却し、約1時間静置した。次いで、分離した水層を廃棄し油層部分を得た。得られた油層部分に濾過助剤7gを添加後10分間攪拌し、吸引濾過を行って不純物を除去し、マカダミアナッツオイルのリパーゼ処理物704gを、本件動物油脂感付与剤として得た(本発明品1)。本発明品1の香味を確認するために湯に1質量%添加してその香味を確認したところ、マカダミアナッツオイル中のトリグリセリドの主要構成脂肪酸であるオレイン酸様の香味であった。本発明品1のPOVは約0.2であった。
なお、上記POVは、下記手順に従って測定した。
1.三角フラスコに、イソオクタン:酢酸=2:3(体積比)の混合溶液を調製し、撹拌子で緩やかに撹拌する。
2.冷蔵保存した飽和ヨウ化カリウム溶液を用意する。
3.0.01mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液を調製する。
4.過酸化物価測定装置(平沼自動滴定装置COM-1700、平沼産業株式会社製)を用い、モード「TS1」にて測定を行う。
5.滴下ビュレットに調製した0.01mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液を満たすため、パージを行う。具体的には、ビュレットの連結部を逆さにし、ビュレット下部に廃液受けを置く。パージが終了したら、連結部を元の向きに戻す。
6.メニューで測定対象として「POV」を選択する。
7.200mL共栓三角フラスコに試料(前記本発明品1)を5g程度量り取り、当該フラスコに撹拌子を入れ、調製したイソオクタン・酢酸混合溶液を当該フラスコに30mL注ぎ入れ、撹拌子を回転させて試料(前記本発明品1)を均一に溶解させる。
8.前記フラスコ内の空気を窒素で置換し、窒素を通じたまま飽和ヨウ化カリウム溶液を0.2mL加え、直ちに共栓をして撹拌子にて1分間撹拌する。さらに超純水を100mL注ぎ入れてよく振り混ぜる。
9.三角フラスコを装置に載せ、電極類を下ろして浸す。滴下ビュレットは、先端が液面にちょうど浸る程度とする。
[実施例2] 動物油脂感付与剤の製造例2
実施例1に記載の製造方法において、リパーゼ種類、リパーゼ処理温度、リパーゼ処理時間を下記表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、本件動物油脂感付与剤または比較品のリパーゼ処理物を製造した(本発明品2-1~2-14)。本発明品2-1~2-14のPOVを実施例1と同様の方法で測定したところ、下記表1に示す通りであった。
Figure 0007488973000001
[実施例3] 動物油脂感付与剤の製造例3
実施例1に記載の製造方法において、工程1と工程2との間、および/または工程2の後の加熱工程を下記表2のように変更した以外は実施例1と同様にして、本件動物油脂感付与剤または比較品のリパーゼ処理物を製造した(本発明品3-1~3-4、および比較品3)。本発明品3-1~3-4および比較品3のPOVを実施例1と同様の方法で測定したところ、下記表2に示す通りであった。
Figure 0007488973000002
[実施例4] 動物油脂感付与剤の製造例4
実施例1で得た発明品1を、下記手順で乳化製剤とした。
モノオレイン酸デカグリセリル35gとグリセリン765gの混合物を用意し、約92℃に加熱して殺菌処理およびモノオレイン酸デカグリセリルの溶解処理を行って混合物1を得た。一方で、動物油脂78gと本発明品1の22gとの混合物2を得た。次いで、混合物2を混合物1に、T.K.ロボミックス(プライミクス社製)により2000rpmで攪拌しながら加え、7000rpmで6分間攪拌することで乳化し、さらに水100gを加えてよく混合して終夜静置し、濾過を行って、本発明の一態様に係る動物油脂感付与剤(乳化製剤、平均粒径約179nm)を得た(本発明品4)。
[実施例5] 動物油脂感付与効果の確認1
動物油脂として、市販の豚の脂(ラード)、牛脂、鶏油を用意して、それぞれ基本ラード、基本牛脂、基本鶏油とした。そして、基本ラード、基本牛脂、基本鶏油を、約45~55℃の市販の中鎖脂肪酸(MCT)オイルで50%に溶解させることで希釈して、希釈ラード、希釈牛脂、希釈鶏油を調製した。
次いで、希釈ラードに、実施例1~4で得た本発明品1、2-1~2-12、3-1~3-4、本発明品4、実施例3で得た比較品3を、それぞれ100ppmとなるように添加して(本発明品4については乳化製剤に含まれる本発明品1が希釈ラード中100ppmの濃度となるように添加。)、動物油脂組成物(本発明品5-1~5-18、比較品5-1)を調製した。また、希釈牛脂に、実施例1~4で得た本発明品1、2-1~2-12、3-1~3-4、本発明品4、実施例3で得た比較品3を、それぞれ100ppmとなるように添加して(本発明品4については乳化製剤に含まれる本発明品1が希釈牛脂中100ppmの濃度となるように添加。)、動物油脂組成物(本発明品5-19~5-36、比較品5-2)を調製した。また、希釈鶏油に、実施例1~4で得た本発明品1、2-1~2-12、3-1~3-4、本発明品4、実施例3で得た比較品3を、それぞれ100ppmとなるように添加して(本発明品4については乳化製剤に含まれる本発明品1が希釈鶏油中100ppmの濃度となるように添加。)、動物油脂組成物(本発明品5-37~5-54、比較品5-3)を調製した。
そして、本発明品5-1~5-54および比較品5-1~5-3について、官能評価を行った。官能評価は、よく訓練された経験年数10年以上のパネリスト10名によって実施し、各種動物油脂組成物について、その基本品(本発明品を添加していない市販品のままの、基本ラード、基本牛脂および基本鶏油)と同等の動物油脂感(基本品がラードの場合はラード感、牛脂の場合は牛脂感、鶏油の場合は鶏油感とする。)を4点、その希釈品と同等の動物油脂感を1点とした下記評価基準に従って点数付けするとともに、感じられた香味についてコメントさせた。
(評価基準)
基本品と同等の動物油脂感である:4
希釈品より明らかに動物油脂感を感じるが、基本品には劣る:3
希釈品よりわずかに動物油脂感を強く感じる:2
希釈品と同等の動物油脂感である:1
表3~表5に、パネリスト10名の点数平均および代表的なコメントを示す。
Figure 0007488973000003
Figure 0007488973000004
Figure 0007488973000005
表3~5に示すように、本件動物油脂感付与剤は、各種動物油脂について、その動物油脂感を付与することができる。
[実施例6] 動物油脂感付与効果の確認2
下記表6に示す成分を用いて、下記手順に従って大豆ミートのハンバーグを調製した。
Figure 0007488973000006
まず、成分3~6(食塩、上白糖、L-グルタミン酸ナトリウム)を成分2(湯)で溶解し、そこにビーフフレーバー1(動物油脂を含有しないもの、水溶性、長谷川香料株式会社製)を添加して着味液を得て、素早く成分1(粒状大豆タンパク)を浸漬した。そこに成分7(加工でん粉)を添加し、均一になるまで捏ねて、混合物1を得た。また、成分9(粉末大豆タンパク)と成分10(メチルセルロース)を成分11(米サラダ油1)に分散させペーストを得て、そこに成分8(冷水、氷水でよい)を添加後、ハンドミキサーで攪拌しカードを作成して、混合物2を得た。そして、混合物1および混合物2をよく混ぜ合わせた後、成分12(米サラダ油2)およびビーフフレーバー2(動物油脂を含有しないもの、油溶性、長谷川香料株式会社製)を添加して混合物3を調製した。得られた混合物3の約100gを取り、成型してスチームオーブンで蒸した(120℃、10分間)のち、ホットプレートで焼いて、基本大豆ミートハンバーグを得た。
一方で、実施例1で得た本発明品1、本発明品2-1、本発明品2-10、本発明品3-2を、基本ハンバーグの調製においてビーフフレーバー2とともに表8に示す濃度で添加した以外は基本ハンバーグと同様にして、本発明の一態様に係る大豆ミートハンバーグを得た(本発明品6-1~6-20)。添加した本発明品および比較品は表7のとおりである。
Figure 0007488973000007
そして、本発明品および比較品の大豆ミートハンバーグの香味について官能評価を行った。官能評価では、基本大豆ミートハンバーグを対照品6とし、対照品6と比べた本発明品6-1~6-20の香味について、経験年数12年以上のよく訓練されたパネリスト10人に評価させた。評価にあたっては、本発明品の動物油脂感について下記基準で点数付けさせるとともに、対照品6と異なると感じられた香味について自由にコメントさせた。
(評価基準:動物油脂感について)
対照品より顕著に動物油脂感(牛の油脂感)が強い:4
対照品より明らかに動物油脂感(牛の油脂感)が強い:3
対照品よりわずかに動物油脂感(牛の油脂感)が強い:2
対照品と同等の動物油脂感(牛の油脂感)である:1
パネリストの点数平均と代表的なコメントを表8に示す。
Figure 0007488973000008
表8に示すように、本件動物油脂感付与剤は、動物油脂を含有しない飲食品についても、動物油脂感を付与することができる。
[実施例7] 動物油脂感付与効果の確認3
市販のマーガリン(植物性油脂を主原料とするもの)に、本発明品1を10ppmの濃度となるように添加し、よく混練した。そして当該添加前後の香味の変化について、経験年数12年以上のよく訓練されたパネリスト5名にコメントさせたところ、5名全員が、本発明品1の添加によって、マーガリンに、ややとろりとした乳脂様の甘い油脂感が付与され、乳脂肪分が高くなったような香味となったと回答した。

Claims (8)

  1. 下記工程1~3を含む、動物油脂感付与剤の製造方法。
    (工程1) マカダミアナッツオイルを用意する工程
    (工程2) 前記工程1で用意した前記マカダミアナッツオイルをリパーゼ処理することによってマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を得る工程
    (工程3) 前記工程2で得られたマカダミアナッツオイルリパーゼ処理物を、POVが1を超えないように加熱する工程
  2. 前記工程1で用意するマカダミアナッツオイルが、POVが0~1の加熱済のマカダミアナッツオイルである、請求項1に記載の動物油脂感付与剤の製造方法。
  3. 前記工程1および工程2の間、前記工程2の後、またはその両方に、抗酸化剤を添加する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の動物油脂感付与剤の製造方法。
  4. 前記工程2の後に抗酸化剤を添加する工程を行う、請求項3に記載の動物油脂感付与剤の製造方法。
  5. POVが1未満の加熱済マカダミアナッツオイルリパーゼ処理物からなる、動物油脂感付与剤。
  6. 請求項5に記載の動物油脂感付与剤を含有する、飲食品添加用組成物。
  7. 請求項5に記載の動物油脂感付与剤、または請求項6に記載の飲食品添加用組成物を、飲食品に添加することを含む、飲食品の動物油脂感付与方法。
  8. 請求項5に記載の動物油脂感付与剤、または請求項6に記載の飲食品添加用組成物を、飲食品に添加することを含む、飲食品の製造方法。
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