JP2023166921A - 香味油の製造方法、及び飲食品 - Google Patents

香味油の製造方法、及び飲食品 Download PDF

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佑輔 富田
Yusuke Tomita
紗栄 藤浪
Sae Fujinami
幹子 上山
Mikiko Kamiyama
圭佑 魚住
Keisuke Uozumi
晶 太田
Akira Ota
政憲 志田
Masanori Shida
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Abstract

【課題】本発明の課題は、良好な香ばしさ、及び重厚感を有する香味油を提供することである。【解決手段】本発明は、麹発酵物残渣を油脂に浸漬させ、加熱する加熱工程を含み、前記加熱工程が、70℃以上130℃以下の温度条件で、10分以上40時間以下加熱する工程である、香味油の製造方法を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、香味油の製造方法、及び飲食品に関する。
近年、フレキシタリアン、ベジタリアン、ビーガン等の多様なライフスタイルに対応した、植物由来の材料を原料とする代替肉や、各種調味料の市場が成長を続けている。
これらの代替肉等を含めた各種飲食品の嗜好性を高めるための調味料として、香味油が知られる。
香味油とは、油脂に対して所望の風味を付与したものであり、風味の付与のために各種素材が用いられる(例えば、特許文献1及び2を参照。)。
特開昭62-6651号公報 特開2008-283894号公報
しかし、従来知られていない風味が付与された風味油に対するニーズがある。
本発明者らは、従来充分に検討されていない風味として、香ばしさ、及び重厚感に着目した。
また、食品廃棄物(麹発酵物残渣等)の処理が社会問題となっており、肥料や飼料等への利用は行われているものの、より付加価値の高い活用方法が求められている。そのため、本発明者らは、このような素材の活用も模索した。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、良好な香ばしさ、及び重厚感を有する香味油を提供することを目的とする。
本発明者らは、油脂を、麹発酵物残渣とともに、所定条件下で加熱処理することで、上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下を提供する。
(1) 麹発酵物残渣を油脂に浸漬させ、加熱する加熱工程を含み、
前記加熱工程が、70℃以上130℃以下の温度条件で、10分以上40時間以下加熱する工程である、
香味油の製造方法。
(2) 前記加熱工程後、前記麹発酵物残渣を除去し、香味油を得る香味油回収工程を含む、(1)に記載の製造方法。
(3) 前記加熱工程における、下記式で定義される積算温度が7000以上80000以下である、(1)に記載の製造方法。
積算温度=(保持温度(℃))×(保持時間(時間))1/2
(4) 前記麹発酵物残渣が、米麹発酵物残渣である、(1)に記載の製造方法。
(5) 前記米麹発酵物残渣が、みりん粕である、(1)に記載の製造方法。
(6) 前記油脂の構成脂肪酸が、10.0質量%以上85.0質量%以下のオレイン酸を含む、(1)に記載の製造方法。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の製造方法から得られた香味油を含む、飲食品。
本発明によれば、良好な香ばしさ、及び重厚感を有する香味油が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
<香味油の製造方法>
本発明の香味油の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)は、麹発酵物残渣を油脂に浸漬させ、70℃以上130℃以下の温度条件で、10分以上40時間以下の条件で加熱する工程を含む。
本発明において、麹発酵物残渣は、油脂に対して風味を付与するための素材である。
本発明者らの検討の結果、油脂及び麹発酵物残渣を、70℃以上130℃以下の温度条件で、10分以上40時間以下にわたって加熱すると、油脂に対して良好な香ばしさ、及び重厚感を付与できることが見出された。
その理由は定かではないが、上記条件下での加熱により、麹発酵物残渣に含まれる様々な香気成分が、適度な割合で油脂に移行する結果、香ばしさ及び重厚感を形成することによるものと推察される。
本発明において「香ばしさ」とは、軽めの香りを有し、発酵物(焦がし醤油、白ワイン等)に特有の香りを思い起こさせる風味を意味する。
このような風味は、通常、香味油を口に含んですぐ(例えば、口に含んだ時点から3秒以内)に感じられる。
本発明において「重厚感」とは、どっしりとして厚みのある、重厚感を有する飲食品(加熱した牛肉、フルボディーの赤ワイン、長時間煮込んだもつ煮等)を思い起こさせる風味を意味する。
このような風味は、通常、香味油を口に含んだ後、比較的長時間(例えば、口に含んだ時点から10秒以上)持続する。
本発明の製造方法から得られる香味油は、良好な甘みをも有し得る。
本発明において「甘み」とは、糖類(砂糖、蜂蜜、みりん、果実等)を含有する食品を口に含んだ際に、鼻から抜ける甘い風味を意味する。
本発明の製造方法から得られる香味油は、劣化臭が抑制され得る。
本発明において「劣化臭」とは、油脂が酸化された際に感じる、独特の不快な油臭さ(例えば、揚げ物を連続的に長時間行った場合に感じられる臭い)を意味する。
香味油の香ばしさ、重厚感、甘み、及び劣化臭のそれぞれは、実施例に示した方法で評価される。
以下、本発明の製造方法の詳細について説明する。
(1)加熱工程
加熱工程は、麹発酵物残渣を油脂に浸漬させた後、これらを加熱する工程である。
(油脂への麹発酵物残渣の浸漬)
加熱工程における加熱対象は、麹発酵物残渣及び油脂である。
加熱工程に供するに際し、麹発酵物残渣は油脂に浸漬させる。
麹発酵物残渣と、油脂との比率は特に限定されないが、油脂に対して充分な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、油脂の量は、通常、麹発酵物残渣の全体を漬け込むことができる量に設定される。
麹発酵物残渣と油脂との質量比(麹発酵物残渣:油脂)は、好ましくは2:98~40:60、より好ましくは10:90~30:70である。
麹発酵物残渣を油脂へ浸漬させる手段としては特に限定されないが、例えば、同一の容器(鉄鍋、ステンレスタンク、ニーダー釜、撹拌釜等)へ麹発酵物残渣及び油脂を入れる方法が挙げられる。
また、麹発酵物残渣及び油脂は、適宜撹拌してもよい。
[麹発酵物残渣]
麹発酵物残渣は、コウジカビを用いた糖化や発酵(アルコール発酵等)によって得られる飲食品の製造時において生じる残渣(粕等)である。
本発明において「麹発酵物」は、少なくともコウジカビを利用して得られた発酵物を意味する。本発明において「麹発酵物」は、コウジカビにくわえて、その他の微生物(酵母等)を利用して得られた発酵物も包含する。
麹発酵物残渣は、例えば、以下の方法で得られる。
基質である農作物(米、麦、豆、芋等)等のデンプンやタンパク質が、コウジカビの作用によって分解され、麹発酵物が得られる。コウジカビによる分解の工程前に酵母等によって基質を分解や発酵させてもよいし、コウジカビによる分解の工程中、あるいは工程後に、酵母等によって麹発酵物をさらに発酵させてもよい。こうして得られた麹発酵物を原料に様々な食品が作られ、その副産物として麹発酵物残渣が得られる。
麹発酵物にともなって生じた副産物は、麹発酵物残渣としてそのまま利用することもできるが、該残渣を酵母等によってさらに発酵させたものを麹発酵物残渣として利用することもできる。
このような残渣は通常廃棄されるか、肥料や家畜の飼料となるため、本発明は、廃棄物の有効活用や、廃棄物への付加価値付け(いわゆるアップサイクル)としても意義がある。
コウジカビとしては特に限定されないが、例えば、ニホンコウジカビ(Aspergillus oryzae)、ショウユコウジカビ(Aspergillus sojae)、アワモリコウジカビ(Aspergillus luchuensis)等が挙げられる。
酵母としては、特に限定されないが、例えば、Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces bayanus等が挙げられる。
麹発酵物残渣の種類としては、特に限定されないが、基質の種類に応じて、例えば、米麹発酵物、麦麹発酵物、豆麹発酵物、芋麹発酵物等の残渣が挙げられる。
米麹発酵物残渣は、任意の米麹発酵物に由来し得る。
米麹発酵物としては、みりん、清酒、米焼酎等が挙げられる。したがって、米麹発酵物残渣は、みりん粕、酒粕、米焼酎粕等であり得る。
麦麹発酵物残渣は、任意の麦麹発酵物に由来し得る。
麦麹発酵物としては、麦焼酎等が挙げられる。したがって、麦麹発酵物残渣は、麦焼酎粕等であり得る。
豆麹発酵物残渣は、任意の豆麹発酵物に由来し得る。
豆麹発酵物としては、醤油等が挙げられる。したがって、豆麹発酵物残渣は、醤油粕等であり得る。
芋麹発酵物残渣は、任意の芋麹発酵物に由来し得る。
芋麹発酵物としては、芋焼酎等が挙げられる。したがって、芋麹発酵物残渣は、芋焼酎粕等であり得る。
麹発酵物残渣としては、油脂に対して香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、米麹発酵物が好ましい。米麹発酵物残渣としては、油脂に対して特に良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、みりん粕が好ましい。
麹発酵物残渣の形態は特に限定されず、乾燥物、板粕、ばら粕、練り粕、踏み込み粕等でもよい。
麹発酵物残渣の形状は特に限定されず、粉状、固形状、ばら状、流動状等でもよい。
[油脂]
油脂としては、通常、食用油脂が用いられる。このような油脂としては、植物性油脂、動物性油脂、合成油脂、加工油脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせた調合油として用いてもよい。
植物性油脂としては、菜種油、ヤシ油、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、高オレイン酸ヒマワリ油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米ぬか油、小麦胚芽油、カカオ脂、パーム核油及び藻類油等が挙げられる。
動物性油脂としては、魚油(マグロ、サバ、イワシ、カツオ、ニシン等に由来する油脂)、豚脂、牛脂、乳脂、羊脂、鶏油等が挙げられる。
合成油脂としては、中鎖脂肪酸油、ジアシルグリセロール等が挙げられる。
加工油脂としては、上記の油脂に対して所望の処理を施した油脂であってもよい。このような処理としては、分別(例えば分別乳脂低融点部、パームスーパーオレイン等の分別油)、硬化、エステル交換反応等が挙げられる。油脂に対しては、1又は2以上の処理を施してもよい。
油脂としては、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、油脂の構成脂肪酸が、10.0質量%以上85.0質量%以下のオレイン酸を含むものが好ましい。このような油脂として、菜種油、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、コーン油、ゴマ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米ぬか油、小麦胚芽油、カカオ脂及びパーム核油等が挙げられる。
これらのうち、菜種油、パーム油、ヒマワリ油、大豆油、米ぬか油が好ましく、菜種油、ヒマワリ油、米ぬか油がより好ましい。
本発明において用いられる油脂としては、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、構成脂肪酸としてオレイン酸を10.0質量%以上85.0質量%以下含むものが好ましく、40.0質量%以上85.0質量%以下含むものがより好ましい。
本発明において用いられる油脂としては、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、構成脂肪酸としてリノール酸を1.0質量%以上60.0質量%以下含むものが好ましく、5.0質量%以上45.0質量%以下含むものがより好ましい。
本発明において用いられる油脂としては、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、構成脂肪酸としてパルミチン酸を1.0質量%以上50.0質量%以下含むものが好ましく、1.0質量%以上20.0質量%以下含むものがより好ましい。
なお、脂肪酸組成は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2-2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」に基づいて特定できる。
[その他の成分]
加熱工程に供される混合物には、麹発酵物残渣及び油脂に加えて、その他の成分が配合されていてもよく、配合されていなくてもよい。
ただし、その他の成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、種類や量を設定する。例えば、このような成分としては、食品(本発明における香味油以外の香味油、野菜、果実、酵母エキス、糖類、タンパク質加水分解物、スパイス等)や、食品添加物(ビタミン類、ミネラル類、酸化防止剤、色素、シリコーン、香料等)が挙げられる。
本発明の効果を奏しやすいという観点から、加熱工程に供される混合物は、水分又は/及びエタノールを合計で0.5質量%以上99質量%以下含むことが望ましい。
本発明において「水分」とは水(HO)を意味する。エタノールとはエチルアルコール(COH)を意味する。
なお、水分は、市販のマイクロ波水分計等により測定することができる。エタノールは市販のエチルアルコール濃度計等により測定することができる。
(加熱条件)
本発明における「加熱工程」とは、麹発酵物残渣及び油脂を含む混合物を、10分以上40時間以下にわたって、70℃以上130℃以下の温度条件に保つ工程をいう。
本発明において、加熱工程における混合物の温度を「保持温度」といい、加熱工程における「70℃以上130℃以下の温度条件」とは「保持温度」に相当する。
本発明において、混合物が保持温度に置かれる時間を「保持時間」といい、加熱工程における「10分以上40時間以下」とは「保持時間」に相当する。
上記のような条件で麹発酵物残渣及び油脂を加熱することにより、油脂に対して良好な香ばしさ、及び重厚感を付与できる。
なお、本発明において、混合物の温度(品温)が70℃を下回っている期間は、加熱工程における「加熱」に該当しない。
ただし、70℃以上130℃以下の温度条件に保つ際に、混合物の温度(品温)が130℃を上回る場合があるので、混合物の温度が130℃を上回る期間は、加熱工程における「加熱」に該当し得る。
本発明における混合物の加熱手段としては、飲食品の分野において用いられる任意の手段を採用できる。
このような手段として、例えば、混合物を、容器(鉄鍋、ステンレスタンク、ニーダー釜、撹拌釜、オートクレーブ等)に投入したのち、直接又は間接的に加熱する方法が挙げられる。
直接的な加熱法としては、混合物に高温蒸気を吹き込む方法、電熱線等が混合物に接触するようにして加熱する方法等が挙げられる。
間接的な加熱法としては、容器の外から、熱源(直火、炭火、電磁熱、高温蒸気、熱湯、高温の油等)を接触させることにより、混合物を加熱する方法等が挙げられる。
また、加熱処理は、常圧下で行ってもよいし、減圧下で行ってもよい。
保持温度の下限は、油脂に対して充分な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、70℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは86℃以上である。
保持温度の上限は、好ましくない風味(劣化臭等)が生じにくいという観点から、130℃以下、好ましくは125℃以下、より好ましくは120℃以下である。
保持時間の下限は、油脂に対して充分な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、10分以上、好ましくは1時間以上、より好ましくは2時間以上、さらに好ましくは15時間以上、最も好ましくは19時間以上である。
保持時間の上限は、好ましくない風味(劣化臭等)が生じにくいという観点から、40時間以下、好ましくは35時間以下、より好ましくは30時間以下、さらに好ましくは25時間以下である。
加熱工程においては、麹発酵物残渣及び油脂の混合物を、10分以上40時間以下にわたって、70℃以上130℃以下の温度に保つことができれば、その他の条件は特に限定されない。
ただし、良好な香ばしさ、及び重厚感を実現する観点から、麹発酵物残渣及び油脂の混合物(つまり、加熱工程に供される混合物)の温度は、130℃を超えないことが好ましい。
麹発酵物残渣から油脂への香気成分の移行が、充分かつ適度となりやすいという観点から、加熱工程における積算温度は、好ましくは7000以上80000以下、より好ましくは20000以上60000以下、さらに好ましくは30000以上50000以下である。
なお、本発明において「積算温度」とは、下記式で定義される。
積算温度=(保持温度(℃))×(保持時間(時間))1/2
加熱工程における保持温度は、一定であってもよく、不定であってもよい。ただし、本発明の効果が奏されやすいという観点から、温度が不定である場合は、最高温度と最低温度との差が30℃以内であることが好ましい。
保持時間は、連続していてもよく、断続していてもよい。ただし、本発明の効果が得られやすいという観点から、保持時間は連続していることが好ましい。
加熱工程完了後、麹発酵物残渣及び油脂の混合物は、香味油回収工程に供される。
加熱工程と香味油回収工程とは、連続していてもよく、連続していなくてもよい。
これらの工程が連続していない場合、例えば、香味油回収工程に供する前に、混合物を適宜冷却等してもよい。
(2)香味油回収工程
加熱工程後、麹発酵物残渣を除去し、香味油を得る工程(香味油回収工程)を実施してもよい。なお、香味油回収工程は任意工程であり、本発明は、香味油回収工程を行う態様、及び行わない態様のいずれも包含する。
麹発酵物残渣を除去する方法としては、固形物である麹発酵物残渣を分離し、油脂画分を取り出せる任意の方法を採用できる。
このような方法として、濾過、デカンテーション、遠心分離等が挙げられる。
本発明において、得られた香味油(油脂画分)に、任意の量の麹発酵物残渣が含まれる態様は排除されない。例えば、香味油には、麹発酵物残渣が、香味油に対して10質量%以下含まれ得る。
回収された香味油(油脂画分)は、そのまま香味油として任意の用途に利用できる。香味油は、適宜、冷却や保管等してもよい。
<香味油の性質>
本発明の製造方法から得られた香味油は、良好な香ばしさ、及び重厚感を有する。
本発明の製造方法から得られた香味油は、劣化臭を感じにくいという観点から、過酸化物価(POV)が好ましくは0.05meq/kg以上15.0meq/kg以下、より好ましくは0.05meq/kg以上10.0meq/kg以下、さらに好ましくは0.05meq/kg以上5.0meq/kg以下、最も好ましくは0.05meq/kg以上1.0meq/kg以下である。
なお、香味油の過酸化物価は、実施例に記載した方法で特定される。
本発明の製造方法から得られた香味油は、麹発酵物残渣に由来する香気成分を含む。
このような香気成分としては、ヒドロキシメチルフルフラール(化学式:C)、フェニルエタナール(化学式:CO)、エタノール(化学式:COH)、等が挙げられる。なお、ヒドロキシメチルフルフラールは5-(ヒドロキシメチル)-2-フルアルデヒド等とも称され、フェニルエタナールはフェニルアセトアルデヒド等とも称される。
本発明の製造方法から得られた香味油は、これらの成分を全て含み得る。
なお、香味油に含まれるこれらの成分の含有量は、実施例に記載した方法で特定される。
本発明の香味油に含まれるヒドロキシメチルフルフラール(HMF)の含有量の下限は、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から10ppm以上が好ましく、500ppm以上がより好ましく、1000ppm以上がさらに好ましく、2500ppm以上であることが最も好ましい。
本発明の香味油に含まれるヒドロキシメチルフルフラールの含有量の上限は、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から7500ppm以下が好ましく、7000ppm以下であることがより好ましい。
本発明の香味油に含まれるフェニルエタナールの含有量の下限は、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、5ppm以上が好ましく、25ppm以上がより好ましく、35ppm以上がさらに好ましい。
本発明の香味油に含まれるフェニルエタナールの含有量の上限は、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、110ppm以下が好ましく、90ppm以下がより好ましい。
本発明の香味油に含まれるエタノールの含有量の上限は、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、50000ppm以下が好ましく、10000ppm以下がより好ましく、7000ppm以下がさらに好ましい。
本発明の香味油に含まれるエタノールとHMF(ヒドロキシメチルフルフラール)の質量比(エタノール/HMF)は、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、0.05以上2500以下が好ましく、0.2以上10以下がより好ましい。
本発明の香味油に含まれるエタノールとフェニルエタナールの質量比(エタノール/フェニルエタナール)は、より良好な香ばしさ、及び重厚感を付与しやすいという観点から、1以上3000以下が好ましく、1以上500以下がより好ましい。
ただし、麹発酵物残渣に由来する香気成分には、未知の成分が含まれる可能性があり、本発明においては、そのような成分が、良好な香ばしさ及び重厚感の形成に寄与している可能性がある。
<香味油の用途>
本発明の製造方法から得られた香味油の用途は特に限定されず、従来知られる香味油や風味油の代替物等として使用したり、任意の調味料(従来知られる香味油等)と組み合わせて使用したりすることができる。
本発明の製造方法から得られた香味油は、任意の飲食品に配合でき、該香味油を配合された飲食品等に対し、良好な香ばしさ、及び重厚感を付与できる。
したがって、本発明は、本発明の製造方法から得られた香味油を含む飲食品も包含する。
本発明の製造方法から得られた香味油を配合し得る飲食品等としては、特に限定されないが、油脂を使用して作製する各種惣菜(フライ食品、炒飯、カレールー、ハンバーグ、スープ等)、製菓、製パン等が挙げられる。
また、本発明の製造方法から得られた香味油は、フライ油、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、食用油脂、香味食用油、水中油型乳化物(濃縮乳、ホイップクリーム、マヨネーズ等)、粉末油脂、ドレッシング等の油脂を含む食品の原料としても使用することができる。原料として使用する場合、香味油をそのまま使用してもよく、他の油脂と混合、希釈した上で使用してもよい。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<試験1:香味油の作製及び評価>
以下の方法で香味油を作製し、その評価を行った。
(香味油の作製)
以下の方法で、香味油を作製した。
(1)加熱工程
みりん粕及び酒粕(米麹発酵物残渣に相当する。)の全体を、表2~5の「油脂」の項に示す油脂に浸漬した。米麹発酵物残渣の使用量は、油脂の質量に対して5質量%から40質量%に設定した(換言すれば、米麹発酵物残渣を、その1.5倍量から20倍量の油脂に浸漬させた。)。
浸漬後、表2~5の「加熱条件」に示す条件で、米麹発酵物残渣及び油脂の混合物を加熱した。加熱方法は、米麹発酵物残渣及び油脂の混合物をニーダー釜に投入し、釜のジャケットに高温蒸気を通過させる、間接加熱を行った。
本例において使用した、油脂の脂肪酸組成は、表1に示すとおりである。
なお、脂肪酸組成は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2-2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」に基づいて特定した。
Figure 2023166921000001
「加熱条件」のうち、「積算温度」は、下記式で定義される温度である。
積算温度=(保持温度(℃))×(保持時間(時間))1/2
(2)香味油回収工程
加熱工程の完了後、60メッシュストレーナー及び300メッシュ濾布を通過させ、米麹発酵物残渣を除去し、油脂画分(香味油に相当する。)を得た。
得られた香味油を室温程度まで冷却し、以下の評価に供した。
(香味油の評価)
以下の方法で、香味油の成分分析、及び風味評価を行った。その結果を表2~5に示す。
(1)過酸化物価
各香味油における過酸化物価(POV)を、(基準油脂分析試験法(公益社団法人日本油化学会)の「2.5.2.1-2013」に基づいて特定した。
(2)成分分析
各香味油の成分分析は、ガスクロマトグラフィーのSPME(固相マイクロ抽出)を用いて、外部標準法に基づき行った。その結果を、表中の「香味油の成分」の項に示す。
表中、「エタノール」、「HMF(ヒドロキシメチルフルフラール)」、及び「フェニルエタナール」の各項に示す数値の単位は「ppm」である。
表中、「エタノール/HMF」とは、各組成中のヒドロキシメチルフルフラールに対するエタノールの質量比を示す。「エタノール/フェニルエタナール」とは、各組成中のフェニルエタナールに対するエタノールの質量比を示す。
(3)脂肪酸組成
表1に示した各成分の脂肪酸組成に基づき、各香味油の脂肪酸組成を算出した。その結果を、表中の「脂肪酸組成」の項に示す。
(4)風味評価
各香味油における、香ばしさ、重厚感、甘み、及び劣化臭のそれぞれについて、以下に基づき官能評価を行った。その結果を表中の「風味評価」の項に示す。
なお、官能評価(各種風味の評価)は、下記のように選抜されたパネルによって行った。
パネル候補に対し、五味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)の識別テスト、味の濃度差識別テスト、食品の味の識別テスト、基準臭覚テストを実施し、その各々のテストで適合と判定された20名をパネルとして選抜した。
また、評価を実施するにあたり、パネル全体で討議し、各評価項目の特性に対してすり合わせを行って、各パネルが共通認識を持つようにした。また、官能評価におけるパネルの偏りを排除し、評価の精度を高めるために、サンプルの試験区番号や内容はパネルに知らせず、ランダムに提示した。
(4-1)評価方法
各香味油(1g)を口に含んだ際に、4種類の風味(本発明において定義される香ばしさ、重厚感、甘み、及び劣化臭)のそれぞれについて、風味を感じるかを各パネル(計20名)に回答させ、その回答結果に基づき、以下の評価基準で評価した。
なお、各評価基準において「◎+」は最も良い結果を示し、「×」は最も劣る結果を示す。各評価項目において「○」以上であれば、充分に良好な結果であると判断した。
(4-2)評価基準(香ばしさ)
◎+:20名中、17名以上が香ばしさを感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が香ばしさを感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が香ばしさを感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が香ばしさを感じると回答した。
× :20名中、5名以下が香ばしさを感じると回答した。
(4-3)評価基準(重厚感)
◎+:20名中、17名以上が重厚感を感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が重厚感を感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が重厚感を感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が重厚感を感じると回答した。
× :20名中、5名以下が重厚感を感じると回答した。
(4-4)評価基準(甘み)
◎+:20名中、17名以上が甘みを感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が甘みを感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が甘みを感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が甘みを感じると回答した。
× :20名中、5名以下が甘みを感じると回答した。
(4-5)評価基準(劣化臭)
◎+:20名中、17名以上が劣化臭を感じないと回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が劣化臭を感じないと回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が劣化臭を感じないと回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が劣化臭を感じないと回答した。
× :20名中、5名以下が劣化臭を感じないと回答した。
Figure 2023166921000002
Figure 2023166921000003
Figure 2023166921000004
Figure 2023166921000005
表2~5に示されるとおり、本発明の要件を全て満たす製造方法から得られた香味油は、良好な香ばしさ、及び重厚感を有していた。
さらに、これらの香味油は、良好な甘みを有し、劣化臭が低減されている傾向にあった。
他方で、表2~5に示されるとおり、本発明の要件のうちいずれか又は全てを満たさない製造方法から得られた香味油は、香ばしさ、及び重厚感のいずれか又は両方が劣っていた。
<試験2:飲食品の作製及び評価>
上記「試験1」で作製した香味油を使用し、飲食品を作製し、その評価を行った。
なお、本例において使用した香味油は、表6~12中の「香味油」の項に示す。
(1)フライ食品の作製及び評価
各香味油(20質量%)、及びパーム油(80質量%)を混合し、フライ油を調製した。
次いで、各フライ油を用いて、コロッケを180℃で3分間油ちょうし、フライ食品(コロッケ)を作製した。
各フライ食品は以下の基準で評価した。
[評価基準(フライ食品)]
◎+:20名中、17名以上が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
× :20名中、5名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
(2)炒飯の作製及び評価
各香味油(20質量%)、及びパーム油(80質量%)を混合し、炒め油を調製した。
次いで、各炒め油を炒飯に対して1重量%使用して炒飯を3分間炒め、炒飯を作製した。
各炒飯は以下の基準で評価した。
[評価基準(炒飯)]
◎+:20名中、17名以上が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
× :20名中、5名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
(3)カレールーの作製及び評価
各香味油(20質量%)、及びパーム油(80質量%)を混合し、カレー用香味油を調製した。
次いで、フライパンにカレー用香味油30g、薄力粉大さじ3杯を入れ、焦がさないように薄いきつね色になるまで炒めた。粗熱を取り、赤缶カレー粉(エスビー食品株式会社製)を大さじ2杯加え、よく混ぜた。さらに500gの湯を注ぎ、よく混ぜ合わせ、カレールーを作製した。カレールーを20gずつとりわけ、カレー用香味油を0.6gずつ加え、試験に供した。
各カレールーは以下の基準で評価した。
[評価基準(カレールー)]
◎+:20名中、17名以上が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
× :20名中、5名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
(4)大豆ハンバーグの作製及び評価-1
各香味油(20質量%)、及びパーム油(80質量%)を混合し、大豆ハンバーグ用油脂を調製した。
粉末状大豆タンパク質40g、塩4g、メチルセルロース4g、大豆ハンバーグ用油脂36gを混合し、そこに水316gを加えて、粘りが出るまでフードプロセッサーで攪拌し、大豆カードを作製した。次いで、粒子状大豆タンパク質72gを144gの水で戻し、そこへ、刻み玉ねぎ60g、塩4g、油脂102g、大豆カード218gを加え、粘りが出るまでよく捏ねて生地を作製した。
生地を50gずつに成形し、180℃に設定したコンベクションオーブンで15分焼成した。焼成後、半分にカットしたものを試験に供した。
各大豆ハンバーグは以下の基準で評価した。
[評価基準(大豆ハンバーグ)]
◎+:20名中、17名以上が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
× :20名中、5名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
(5)スープの作製及び評価-1
各香味油(20質量%)、及びパーム油(80質量%)を混合し、スープ用油脂を調製した。
ニンジン30g、玉ねぎ40g、キャベツ30gを切り刻み、鍋に入れて、500gの水を加えて20分間中火にかけた。ざるで野菜を濾して、スープを作製した。このスープを30gずつとりわけ、スープ用油脂を0.9gずつ加え、試験に供した。
各スープを以下の基準で評価した。
[評価基準(スープ)]
◎+:20名中、17名以上が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
× :20名中、5名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
(6)大豆ハンバーグの作製及び評価-2
各香味油(15質量%)、ネギ油(5質量%、ユウキ食品株式会社製)、及びパーム油(80質量%)を混合し、大豆ハンバーグ用油脂を調製した。
粉末状大豆タンパク質40g、塩4g、メチルセルロース4g、大豆ハンバーグ用油脂36gを混合し、そこに水316gを加えて、粘りが出るまでフードプロセッサーで攪拌し、大豆カードを作製した。次いで、粒子状大豆タンパク質72gを144gの水で戻し、そこへ刻み玉ねぎ60g、塩4g、油脂102g、大豆カード218gを加え、粘りが出るまでよく捏ねて生地を作製した。
生地を50gずつに成形し、180℃に設定したコンベクションオーブンで15分焼成した。焼成後、半分にカットしたものを試験に供した。
各大豆ハンバーグは以下の基準で評価した。
[評価基準(大豆ハンバーグ)]
◎+:20名中、17名以上が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
× :20名中、5名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
(7)スープの作製及び評価-2
各香味油(15質量%)、ネギ油(5質量%、ユウキ食品株式会社製)、及びパーム油(80%質量%)を混合し、スープ用油脂を調製した。
ニンジン30g、玉ねぎ40g、キャベツ30gを切り刻み、鍋に入れて、500gの水を加えて20分間中火にかけた。ざるで野菜を濾して、スープを作製した。このスープを30gずつとりわけ、スープ用油脂を0.9gずつ加え、試験に供した。
各スープは以下の基準で評価した。
[評価基準(スープ)]
◎+:20名中、17名以上が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
◎ :20名中、14名以上16名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
○ :20名中、10名以上13名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
△ :20名中、6名以上9名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
× :20名中、5名以下が香ばしさ及び重厚感を感じると回答した。
Figure 2023166921000006
Figure 2023166921000007
Figure 2023166921000008
Figure 2023166921000009
Figure 2023166921000010
Figure 2023166921000011
Figure 2023166921000012
表6~12に示されるとおり、本発明の要件を全て満たす製造方法から得られた香味油は、飲食品に対し、良好な香ばしさ、及び重厚感を付与することができた。

Claims (7)

  1. 麹発酵物残渣を油脂に浸漬させ、加熱する加熱工程を含み、
    前記加熱工程が、70℃以上130℃以下の温度条件で、10分以上40時間以下加熱する工程である、
    香味油の製造方法。
  2. 前記加熱工程後、前記麹発酵物残渣を除去し、香味油を得る香味油回収工程を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記加熱工程における、下記式で定義される積算温度が7000以上80000以下である、請求項1に記載の製造方法。
    積算温度=(保持温度(℃))×(保持時間(時間))1/2
  4. 前記麹発酵物残渣が、米麹発酵物残渣である、請求項1に記載の製造方法。
  5. 前記米麹発酵物残渣が、みりん粕である、請求項1に記載の製造方法。
  6. 前記油脂の構成脂肪酸が、10.0質量%以上85.0質量%以下のオレイン酸を含む、請求項1に記載の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法から得られた香味油を含む、飲食品。
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