JP2637196B2 - 風味油の製造法 - Google Patents

風味油の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は風味油の製造法に関し、特に特定の風味を
有する食品用の油脂に限定されることなく、油脂自体の
旨さの根源であるコク味を呈した汎用性のある風味油を
製造する方法に関する。
〔従来の技術〕
常法により精製された一般の食用油脂は、胡麻油、オ
リーブ油或いはカカオ脂のような特殊な油脂に比べて、
殆ど無味無臭である。従来、このような精製食用油脂を
風味付けした香味油或いは呈味油と呼ばれる油脂が知ら
れており、これらの油脂の製造法として、例えば油脂を
強化加熱したものに茴香、葱、にんにくを投入してエキ
スを十分抽出し、次いで温度を下げ花椒を添加してさら
にエキスを抽出してから漉して、炒め料理又は揚げ物料
理用の中華料理独特の風味を呈した香味油を製造する方
法(特公昭57−58901号)、油脂に水分60%以上の野
菜、例えばキャベツ、レタス、ショウガ、ニンニク、ネ
ギ等の野菜を2mm以下に細断または摩砕して加え、110℃
〜160℃に保持した後油相を採取して種々の風味を有し
た風味油を製造する方法(特公昭59−4972号)、予め加
熱した油に野菜等の処理物を浸漬して加熱処理すると共
に加熱時に一定条件下で減圧処理し、油中に野菜等のエ
キス成分、香りその他の成分を溶解せしめて、クッカー
中より油を取出すことにより、肉のステーキ料理用、ス
キヤキ用或いは野菜いため、ラーメン、チャンポン、グ
ラタン、スープ用等の調味用油を製造する方法(特開昭
60−19449号)、油脂と野菜、鳥獣肉、魚介、海藻、ス
パイス、豆類及びこれらの加工物や醸造物等の香味賦与
物との混合物又は該混合物の常圧下加熱処理物を、加圧
下に加熱処理して種々の風味を有した香味油を製造する
方法(特開昭62−6651号)等、種々の方法が提案されて
いる。
このように、従来の香味油又は呈味油を製造する方法
は、何れも個々の香味賦与物が有するフレーバー、匂い
等の香味成分を利用したものであって、自体優れた製品
であるが、それぞれ固有の風味を有するものであるため
に用途が限定されるという難点を有する。
一方、このような香味油又は呈味油とは別に、前記し
た如く、常法により精製された一般の食用油脂は殆ど無
味無臭であるとはいうものの、実際には各々油脂固有の
油味を有しており、例えば液体油は一般に独特の油っぽ
さがあり、またパーム油は独特の粉っぽさがあるという
ように、好ましくない油味を有し、かかる不快な油味は
経時的に増加するという欠点を有する。
これに対し、米糠から抽出される米油は風味にこくが
あるという点からフライ用、スプレー用或いはマヨネー
ズ用等に広く用いられている。このように、米油は良質
の風味を食品に与え、且つ、数少ない国産の原料から採
集できる重要な食用油であるが、近年の米消費量の減少
に伴い、原料の米糠の生産量も横這いであり、米油の生
産量もこれ以上の増産は国産原料によっては望めない。
また、米油は同程度の不飽和度を有する液状油に比較
し、優れた酸化安定性を有しており、これはこめ油中に
含まれるトコフェロール類やγ−オリザノール等に依る
ものといわれているが、米油よりさらに不飽和度の低い
油脂、例えば硬化された液状油(大豆油、ナタネ油等)
やパーム油、パームオレイン等に比較するとその酸化安
定性は劣る。
〔発明が解決しようとする課題〕
この発明は、上記する如く、従来の香味油または呈味
油が各々固有の風味を有し用途的に限定されるという難
点、及び一般の食用油脂が有する好ましくない油味及び
かかる不快な油味が経時的に増加するという欠点の解決
を指向したものであり、加えて米油の有資源性に鑑み、
米油に由来する優れたこく味を有する油脂の増産を目的
とするものである。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、叙上の課題を解決すべく鋭意研究した結
果、本発明を完成するに至ったものであって、油脂中に
加熱処理した米糠を浸漬し、真空度60mmHg(60Torr)以
下の減圧下で120℃以上150℃未満の温度にて加熱処理し
た後、固形分を除去することを特徴とする、風味油の製
造法である。
米糠は、周知の如く、玄米を搗精するときに得られる
もので、果皮、種皮、糊粉層を含むものであるが、脂
肪、タンパク質、ビタミンB1に富み、その他澱粉、ペン
トザン、フィチン(リン化合物)、ヌカイン(配糖体)
等種々の成分が含まれている。このような米糠は、自体
風味が悪く、また貯蔵中に変化し易く、気温が高くて湿
度が大きい場合とくに著しい。これは米糠中のリパーゼ
作用により脂肪の酸価が増大するためであるが、この発
明においては可及的酸価の低い、例えば遊離脂肪酸が約
5%以下(オレイン酸換算)の米糠を使用するのが好ま
しい。
使用に際して、米糠は最初に110〜180℃に加熱処理す
る。この場合、加熱手段は乾熱処理が好ましい。乾熱処
理は、一般にオーブンロースターを用いるのがよいが、
例えばエクストルーダー等の加熱加圧処理機を用いても
良い。
米糠は加熱処理することにより極めて良好な特徴のあ
る風味が発現するのであって、加熱処理を経ずして得ら
れた油溶成分は、生臭い風味を呈するので好ましくな
い。
加熱処理した米糠の使用量は、油脂に対して3重量%
以上の添加量で有効な結果が得られる場合が多い。ま
た、風味を強調する場合には油脂に対して5%以上の添
加が一般的であるが、10重量%以上を加えて濃縮風味を
作り、これを使用時に一般の油脂で適当に希釈すること
もできる。
かくして、加熱処理した米糠を添加した油脂を減圧下
に加熱撹拌する。減圧の条件は真空度60mmHg(60Torr)
以下で実施する必要がある。真空度が60mmHgを越えると
酸化安定性が悪化する傾向を示す。また、加熱温度は12
0℃以上150℃未満で行う必要があり、下限未満では効果
を得難く、逆に上限を越えると焦げ臭を感ずるようにな
る。なお、加熱時間は通常2時間程度でよいが、時間の
長短はそれ程影響を与えるものではない。
次いで、加熱撹拌処理を終了した処理物を冷却し、濾
過、遠心分離、デカンテーション等、従来公知の分離手
段にて油脂と固型分とに分離することによって風味油を
得る。
この発明において、風味付けする対象の油脂としては
例えば、ナタネ油、大豆油、ヒマワリ種子油、綿実油、
落花生油、コーン油、サフラワー油、カポック油、月見
草油、パーム油、シア脂、サル脂、ヤシ油、パーム核油
等の植物性油脂並びに牛脂、ラード、魚油、鯨油等の動
物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独又は混合油或い
はそれらの硬化、分別、エステル交換等を施した加工油
脂又は合成油脂であってもよく、液体油から融点の高い
油脂に至るまで幅広い油脂が適応できる。これらの油脂
は、特に精製された油脂であるのが好ましい。特に、風
味付けする対象の油脂としてパーム油、パームオレイン
或いは硬化大豆油、硬化ナタネ油を使用したものは、米
油と同等のこく味を有していながら、米油に比較して遥
かに酸化安定性に優れたものが得られる。
以上の如く、この発明によって得られる風味油は、特
定の食品用に限定されることなく、油脂自体の旨さの根
源であるコク味を呈した汎用性のある呈味を有するもの
であって、フライ用、スプレー用、マーガリン用、ショ
ートニング用、練り込み用、クリーム用等、各種食品の
用途に適した油脂として使用し得るものである。
なお、米糠は自体決して風味のよいものではないが、
かかる米糠を加熱処理することにより香気を発現し、減
圧下に油脂と加熱接触させることにより油脂の風味を改
善し得るということは意外な効果というべきである。
〔実施例〕
以下に実施例及び比較例を例示して本発明効果をより
一層明瞭にするが、これらは例示であって本発明の精神
がこれらの例示に限定されるものではない。なお、例中
部及び%は何れも重量基準を意味する。
実施例1 ガスロースターにて150℃10分間加熱処理した米糠
(脂肪中の遊離脂肪酸4.1%)1部に対して、20部の精
製硬化菜種油(上昇融点22℃)を混合し、約60mmHgの真
空下に140℃にて2時間加熱撹拌した後、約60℃まで冷
却し、油脂と固型分を濾別して風味油を得た。
この風味油と精製硬化菜種油を使用してポテトチップ
スをフライし、20名のパネラーによる官能評価を行った
ところ、風味油を良いと答えた者18名、精製硬化菜種油
を良いと答えた者2名であり、本例によって得られた風
味油が圧倒的に良好であると支持された。
比較例1 生糠1部に対し、20部の精製硬化菜種油を混合し、実
施例1と同様の方法で実施して処理油を得た。この処理
油を使用してフライしたポテトチップスは、香ばしさに
欠け、生臭い風味を呈していた。
比較例2 実施例1と同様の方法で、100℃にて精製硬化菜種油
と接触させた処理油は、風味の強度が実施例1よりも弱
いものであった。
比較例3 実施例1と同様の方法で、160℃にて精製硬化菜種油
と接触させた処理油は、焦げ臭が感じられた。
実施例2 エクストルーダーを使用し、130℃にて加熱処理した
米糠1部を、20部の精製パーム油と混合し、5mmHgの真
空下に、120℃にて90分間加熱撹拌し、冷却後油脂と固
形分を濾別して風味油を得た。
この風味油と精製パーム油を、焼成した粳米センベイ
にスプレーし,20名のパネラーにて官能評価を行ったと
ころ、20名全員が本例の風味油をスプレーしたものを良
いと答え、精製パーム油をスプレーしたものを良いと答
えた者は一人もおらず、明らかに本例の風味油が優位で
あった。
〔発明の効果〕
以上の如く、この発明による方法によって、従来油っ
ぽいといわれてきた液体油或いはパーム油等の油脂にコ
ク味を付与することが可能となったのであって、各種の
食品に幅広く使用できる汎用性のある油脂が得られるよ
うになったのである。また本発明は、米油の有資源性に
鑑み、米油が有する優れた風味の、且つ米油より遥かに
優れた酸化安定性良好な油脂を増産可能ならしめた点に
おいて極めて有意義な発明である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油脂中に加熱処理した米糠を浸漬し、真空
    度60mmHg(60Torr)以下の減圧下で120℃以上150℃未満
    の温度にて加熱処理した後、固形分を除去することを特
    徴とする、風味油の製造法。
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