JP3434725B2 - フライ用油脂およびフライ食品 - Google Patents

フライ用油脂およびフライ食品

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JP3434725B2
JP3434725B2 JP08071199A JP8071199A JP3434725B2 JP 3434725 B2 JP3434725 B2 JP 3434725B2 JP 08071199 A JP08071199 A JP 08071199A JP 8071199 A JP8071199 A JP 8071199A JP 3434725 B2 JP3434725 B2 JP 3434725B2
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康幸 遠藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香辛料の香り立ち
を引き立てるフライ用油脂とこれを用いたフライ食品と
に関する。
【0002】
【従来の技術】フライ用油脂は、油脂の耐熱性、安定
性、風味等を考慮して、動植物油脂の1種あるいは2種
以上の組合わせたものを用いたり、所望のフライ適性を
得るために分別、水素添加、エステル交換油等の加工を
施したものが用いられている。フライ用油脂に用いられ
る油脂の種類や加工条件は、フライ食品の風味やテクス
チャーに影響を及ぼす。例えば加工処理されていない動
植物油脂からなるフライ用油脂は、その油脂に特有な風
味をフライ食品に与える。またこれらの動植物油脂を原
料として水素添加を行った硬化油は、水添臭とよばれる
特有な臭いを有する。これら硬化油特有の臭いは、調理
する素材の風味に良い影響を与えることもあるが素材に
よっては相性が合わず風味が悪くなることもある。この
原因として、油脂によってはその中の成分または酸化等
により生成する成分に、香辛料の風味をマスキングする
物質が存在し、それらが食品に添加された香辛料の風味
を弱めていると推察されている。油脂の風味が素材に与
える影響を小さくする方法として、特開平2−7559
1号公報には、液油と液油、液油と固形脂、および固形
脂と固形脂をリパーゼによる1,3位選択的エステル交
換することにより、食品に与える油の風味を少なくし、
素材本来の風味を生かすことのできる油脂を得ることが
できることが開示されている。しかしながら、この方法
による効果はあくまで油脂の持つ臭いを減少させるもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、香辛
料や香料で風味付けを行なうから揚げ、スナック等のフ
ライ食品の風味を引き立て、その劣化を抑制するフライ
用油脂とそれを用いたフライ食品を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために、鋭意検討を重ねた結果、特定の油脂を
混合した油脂原料に、1,3位特異的リパーゼによるエ
ステル交換反応を施し、特定脂肪酸の割合と特定SFC
値をもつよう調製したフライ用油脂が、から揚げ、スナ
ック等のフライ油脂として供することで、フライ食品の
風味を引き立て、経時変化にともなう風味の弱化を低減
することと密接に関連することを見出し、本発明を完成
した。すなわち本発明は、エステル交換油脂50〜10
0重量%に油脂を0〜50重量%を混合し、構成脂肪酸
に占める分子内に二重結合を2以上含む脂肪酸の割合が
20重量%以下で、かつ35℃でのSFCの値が10%
以下であることを特徴とする、フライ食品の風味を引き
立て、その劣化を抑制するフライ用油脂に関する。上記
エステル交換油脂が植物油脂、それらの硬化油、それら
の分別油から選ばれる1種または2種以上を混合して、
1,3位特異性リパーゼを用いて選択的エステル交換反
応したものであることが好ましい。また、上記油脂が植
物油脂、それらの硬化油、それらの分別油から選ばれる
1種または2種以上であることが好ましい。また本発明
は、かかるフライ用油脂およびこの油脂でフライした、
香辛料、香料の立ちよく、かつ風味劣化の抑制されたフ
ライ食品を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳しく説明する。本
発明のエステル交換油脂は、植物油脂、それらの硬化
油、それらの分別油から選ばれる1種または2種以上を
混合して、1,3位特異性リパーゼによるエステル交換
反応を行なったものである。エステル交換反応を行なっ
た後の構成脂肪酸に占める分子内に二重結合を2以上含
む脂肪酸の割合は、20重量%以下であり、13重量%
以下がより好ましい。ここでいう分子内に二重結合を2
以上含む脂肪酸は多価不飽和脂肪酸をいい、リノール
酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン
酸、ドコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等が挙げ
られる。本発明の植物油脂は、天然に存在するものを用
いてもよいし、合成されたものを用いてもよい。大豆
油、菜種油、ハイオレイック菜種油、コーン油、綿実
油、サフラワー油、ハイオレイックサフラワー油、ゴマ
油、米油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、パーム油分
別液体油(パームオレイン、2段分別パームオレイン
等)、パーム核分別液体油、ヤシ油分別液体油、パーム
油分別固体脂(パームステアリン、パームミッドフラク
ション)、パーム核分別固体脂、ヤシ油分別固体脂等を
用いれば良い。これらの植物油脂は、未精製品、半精製
品およびすでに精製を終えたもののいずれでもよく、ま
たこれらの植物油脂に水素添加を施した硬化油でもよ
い。これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上の組
合せで用いてもよい。エステル交換油脂の油脂原料の組
合わせとしては、パーム油単品、パーム分別油単品、パ
ーム油またはパーム分別油と菜種油、パーム油またはパ
ーム分別油とハイオレイック菜種油、パーム油またはパ
ーム分別油と菜種硬化油、パーム油またはパーム分別油
と大豆硬化油が好ましい。
【0006】本発明のエステル交換油脂に配合できる油
脂は、植物油脂、それらの硬化油、それらの分別油であ
る。具体的には、大豆油、菜種油、ハイオレイック菜種
油、コーン油、綿実油、サフラワー油、ハイオレイック
サフラワー油、ゴマ油、米油、パーム油、パーム核油、
ヤシ油、パーム油分別液体油(パームオレイン、2段分
別パームオレイン等)、パーム核分別液体油、ヤシ油分
別液体油、パーム油分別固体脂(パームステアリン、パ
ームミッドフラクション)、パーム核分別固体脂、ヤシ
油分別固体脂等を用いればよい。またこれらの植物油脂
に水素添加を施した硬化油でもよい。さらにこれら植物
油脂を1種単独で用いてもよいし、2種以上の組合せで
用いてもよい。パーム油、パーム分別油、菜種油、ハイ
オレイック菜種油、菜種硬化油、大豆硬化油が好まし
い。
【0007】本発明の硬化油は、常法に従って1種ある
いは2種以上の植物油脂をニッケル触媒とともにオート
クレーブに仕込み、水素ガス存在下で攪拌しながら14
0〜220℃で水添反応を行う。反応の進行はヨウ素価
の低減を追跡することにより調節を行うことができる。
ついで触媒ろ過、活性白土を用いた脱色処理、水蒸気蒸
留による脱臭処理により精製し本発明に使用することが
できる。例えば、菜種硬化油、大豆硬化油、パーム硬化
油、パーム分別硬化油等が挙げられる。
【0008】本発明の分別油は、油脂を完全に溶解した
後、徐々に冷却し、ある特定温度に保持することにより
結晶を析出させ、この固形脂部分と液状油部分を濾過に
より分離させることにより得られる。分別された固体脂
と液体油の物性は、冷却速度、保持する温度、保持時間
等により変えられる。例えば、上記パーム油分別液体油
(パームオレイン、2段分別パームオレイン等)、パー
ム核分別液体油、ヤシ油分別液体油、パーム油分別固体
脂(パームステアリン、パームミッドフラクション)、
パーム核分別固体脂、ヤシ油分別固体脂等が挙げられ
る。
【0009】また、本発明ではエステル交換油脂および
/または油脂を混合し、構成脂肪酸に占める分子内に二
重結合を2以上含む脂肪酸の割合が20重量%以下で、
かつ35℃でのSFC(Solid Fat Content)の値が1
0%以下に調整することが必要である。分子内に二重結
合を2以上含む脂肪酸の割合が13重量%以下で、かつ
35℃でのSFCの値が6%以下であることがより好ま
しい。ここでいう、SFCとは、液体油のNMRのシグ
ナルの大きさを基準にして求めた、所定温度における固
体脂含量の百分率をいう。分子内に二重結合を2以上含
む脂肪酸の割合が20重量%を越えると香辛料の風味が
弱くなる。またSFCの値(35℃)が10%を越える
と香りそのものの立ちが悪くなり、風味が低下する。な
お、本発明ではエステル交換油脂の配合割合は50〜1
00重量%、より好ましくは70〜100重量%であ
る。エステル交換油脂の割合が50重量%未満である
と、配合した油脂の及ぼす影響が大きくなり、香辛料の
臭いの立ちが弱くなる。
【0010】エステル交換反応は、1,3位特異性リパ
ーゼを用いて行なうことができる。リパーゼは、動物、
植物および微生物のいずれの起源でもよく、例えばブタ
肝臓リパーゼ、大豆、米ヌカ等由来のリパーゼ、アルカ
リゲネス属(Alcaligenes sp.)由来、リゾプス属(R
hizopus sp.)由来、ムコール属(Mucor sp.)由来等
のリパーゼを挙げることができる。特にアルカリゲネス
属のリパーゼを粉末状のまま油脂原料に分散することが
好ましい。エステル交換反応は、攪拌機付きのバッチ式
容器等で行なうことができ、リパーゼの使用量は例えば
油脂原料の0.005〜10重量%で行なうことができ
る。反応温度は30〜130℃で、反応時間は1〜72
時間で行なうことができる。過度の反応は2位の脂肪酸
のランダム化を引き起こすため好ましくない。反応に使
用する原料油脂中の水分は5〜1500ppm、好まし
くは50〜500ppmである。過剰の水分は加水分解
反応に使用され、収量の低下を招くため好ましくない。
反応の完了はガスクロマトグラフィーにより反応生成物
のトリグリセリド組成を測定することによって確認す
る。反応の停止は酵素をろ過により除去することで行な
う。反応生成物は水洗、乾燥の後、常法にて脱色、脱臭
する。なお、リパーゼはろ過等により回収して再利用す
ることができる。
【0011】本発明のフライ用油脂は、使用できる油脂
原料の混合割合を調整してエステル交換反応を施して、
構成脂肪酸に占める分子内に二重結合を2以上含む脂肪
酸の割合とSFCの値(35℃)に調整したものや、エ
ステル交換油脂に上記油脂を混合することにより、分子
内に二重結合を2以上含む脂肪酸の割合とSFCの値
(35℃)を調整したもの等がある。すなわち、パーム
系油脂と液体油とをエステル交換し、分子内に二重結合
を2以上含む脂肪酸の割合が20重量%以下で、かつS
FCの値(35℃)が10%以下になるように調製した
ものや、エステル交換したパーム油に液体油または硬化
油を混合して、分子内に二重結合を2以上含む脂肪酸の
割合が20重量%以下で、かつSFCの値(35℃)が
10%以下になるように調製したものが挙げられる。通
常、フライ用油脂として用いた場合、より香りが引き立
てられ、その劣化が抑制された、香辛料により風味付け
された、スナック、から揚げ等のフライ食品を得ること
ができる。本発明のフライ用油脂は、同じ効果を目的と
する食品であれば使用でき、例えばスナック類のコーテ
ィング油脂としても使用できる。
【0012】上記のようにして得られる本発明のフライ
用油脂は、そのままで、もしくは必要に応じて通常用い
られる添加剤を配合して、フライ用油脂として使用する
ことができる。かかる添加剤としては、保存安定性向
上、酸化安定性向上、熱安定性向上、低温化での結晶抑
制等を目的としたポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ
糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ビタミ
ンE、アスコルビン酸脂肪酸エステル、リグナン、コエ
ンザイムQ、オリザノール、ジグリセリド、シリコー
ン、トコフェロール、レシチン等が挙げられる。
【0013】本発明におけるフライ食品とは、から揚げ
類、竜田揚げ、カツ類、コロッケ類、フライ、ナゲッ
ト、フリッター等のフライして調理する食品のうち、主
に、香辛料で香り付けされるものをさす。例えば、香辛
料をから揚げ粉、バッター等にあらかじめ添加した、
魚、肉類のから揚げ、ナゲット等や、肉などを香辛料で
まぶしたフライ、カツ等が挙げられ、また、せんべい、
あられ、ビスケット、クラッカー、クッキー、プレッツ
ェル、コーンチップス、コーンパフ、コーンフレーク
ス、ポップコーン、ポテトチップス、ナッツ等のスナッ
ク類のうち、香辛料を予め生地に練り込み、あるいは、
固着させた後、調理を行うものであるコーンチップス、
クラッカー、ポップコーン等や、調理後に香辛料をスプ
レーによる塗布、あるいは単に香辛料を振り掛けるもの
であるコーンパフ、ポテトチップス等が挙げられる。な
お、本発明によるフライ用油脂を使用したスナック、揚
げ菓子、から揚げ等のフライ食品は、香辛料により風味
付けされ、本発明によるフライ用油脂を用いること意外
は、使用する素材などに特別な条件を要求しない。本発
明で用いられる香辛料はシナモン、ハーブ、チリペッパ
ー、胡しょう、カレー粉といった臭いに刺激のあるも
の、香りの立ちの良いものが好ましい。
【0014】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をより具体的に説
明するが、本発明はそれらによって限定されるものでは
ない。 実施例1 パーム油(日清製油(株))2.0kgを減圧乾燥によ
り水分100ppmに調製した後、攪拌機付き容器に入
れ、アルカリゲネス属由来の1,3位特異性リパーゼ粉
末(名糖産業(株)製)を対油0.06重量%添加し、
60℃にて12時間反応を行った。反応終了後、対油
0.12重量%のセライトを添加し、吸引濾過により、
反応生成物である油脂部分を分離した。反応生成物に対
し活性白土を対油1.0%添加し、真空ポンプにより吸
引しながら110℃にて15分間脱色処理した後、25
0℃にて90分間水蒸気蒸留にて脱臭してフライ用油脂
Aを1.7kg得た。40gのフライ用油脂Aに1gの
香辛料を添加し、180℃にて5分間保持した後、常温
で1時間冷却し、冷却後の香辛料の強さを官能的に評価
した結果および、分析値を表1に示す。尚、前記の評価
には、香辛料として胡しょう、およびカレー粉を用い
た。次に表3に示す配合でホバートミキサーを用いてコ
ーンチップスの生地を調製し、約1mm厚に延ばし、3
cm×3cm角にカットした後、直ちに180℃の油温
で1分15秒フライして、コーンチップスaを調製し
た。このコーンチップスaのスパイス臭の強さについて
調理1時間後、および25℃保存3ヶ月後に官能評価を
行なった。その結果を表2に示す。
【0015】実施例2 パーム油(日清製油(株))80重量%と菜種油(日清
製油(株))20重量%を混合した配合油2Kgを、実
施例1と同様に1,3位特異性リパーゼによるエステル
交換反応および脱色、脱臭の精製を行い、フライ用油脂
Bを得た。このフライ用油脂Bについて実施例1と同
様、香辛料による評価および分析値を表1に示す。次に
実施例1と同様の方法でコーンチップスbを調製し、実
施例1同様の評価を実施した。その結果を表2に示す。
【0016】比較例1 実施例1のパーム油をエステル交換せずそのまま実施例
1と同様の活性白土を用いた脱色処理および水蒸気蒸留
による脱臭処理を施した精製を行い、フライ用油脂Cを
得た。このフライ用油脂Cについて実施例1と同様、香
辛料による評価および分析値を表1に示す。次に実施例
1と同様の方法でコーンチップスcを調製し、実施例1
同様の評価を実施した。その結果を表2に示す。
【0017】比較例2 実施例2の配合油をエステル交換せずに、実施例1と同
様の活性白土を用いた脱色処理および水蒸気蒸留による
脱臭処理を施した精製を行い、フライ用油脂Dを得た。
このフライ用油脂Dについて実施例1と同様、香辛料に
よる評価および分析値を表1に示す。次に実施例1と同
様の方法でコーンチップスdを調製し、実施例1同様の
評価を実施した。その結果を表2に示す。
【0018】比較例3 大豆サラダ油(日清製油(株))を、実施例1と同様に
1,3位特異性リパーゼによるエステル交換反応および
脱色、脱臭の精製を行い、フライ用油脂Eを得た。この
フライ用油脂Eについて実施例1と同様、香辛料による
評価および分析値を表1に示す。次に実施例1と同様の
方法でコーンチップスeを調製し、実施例1同様の評価
を実施した。その結果を表2に示す。
【0019】比較例4 大豆硬化油(日清製油(株)、ヨウ素価68)を、実施
例1と同様に1,3位特異性リパーゼによるエステル交
換反応および脱色、脱臭の精製を行い、フライ用油脂F
を得た。フライ用油脂Fについて実施例1と同様、香辛
料による評価および分析値を表1に示す。次に実施例1
と同様の方法でコーンチップスfを調製し、実施例1同
様の評価を実施した。その結果を表2に示す。
【0020】
【表1】 注1)PUFA;分子内に二重結合を二つ以上もつ脂肪
酸 注2) 香辛料の香りの強さの評価基準;5:強い、
4:やや強い、3:普通、2:やや弱い、1:弱い(表
中の値はパネル5人による評価点数の平均値)
【0021】
【表2】 注1)評価基準;5:強い、4:やや強い、3:普通、
2:やや弱い、1:弱い(表中の値はパネル10人によ
る評価点数の平均値)
【0022】
【表3】
【0023】実施例3 実施例1のエステル交換油脂(フライ用油脂A)800
gとハイオレイック菜種油(日清製油(株))200g
とを混合し、フライ用油脂Gを得た。フライ用油脂Gに
ついて実施例1と同様、香辛料による評価および分析値
を表4に示す。次に市販のから揚げ粉(日清製粉(株))
に5%のガラナマサダを加えたものを調製し、とりもも
肉に対し適量を塗し、180℃で4分間フライし、スパ
イシーから揚げgを得た。このスパイス臭の強さについ
て官能評価を行なった。その結果を表5に示す。
【0024】実施例4 実施例1のエステル交換油脂(フライ用油脂A)500
gと大豆硬化油(日清製油(株)、ヨウ素価75)50
0gとを混合し、フライ用油脂Hを得た。フライ用油脂
Hについて実施例1と同様、香辛料による評価および分
析値を表4に示す。次に実施例3と同様の方法でスパイ
シーから揚げhを調製し、実施例3同様の評価を実施し
た。その結果を表5に示す。
【0025】比較例5 実施例1のエステル交換油脂(フライ用油脂A)200
gと菜種白絞油(日清製油(株))800gとを混合
し、フライ用油脂Iを得た。フライ用油脂Iについて実
施例1と同様、香辛料による評価および分析値を表4に
示す。次に実施例3と同様の方法でスパイシーから揚げ
iを調製し、実施例3同様の評価を実施した。その結果
を表5に示す。
【0026】比較例6 実施例1のエステル交換油脂(フライ用油脂A)400
gと大豆硬化油(日清製油(株)、ヨウ素価75)60
0gとを混合し、フライ用油脂Jを得た。フライ用油脂
Jについて実施例1と同様、香辛料による評価および分
析値を表4に示す。次に実施例3と同様の方法でスパイ
シーから揚げjを調製し、実施例3同様の評価を実施し
た。その結果を表5に示す。
【0027】
【表4】 注1)PUFA;分子内に二重結合を二つ以上もつ脂肪
酸 注2) 香辛料の香りの強さの評価基準;5:強い、
4:やや強い、3:普通、2:やや弱い、1:弱い(表
中の値はパネル5人による評価点数の平均値)
【0028】
【表5】 注1)評価基準;5:強い、4:やや強い、3:普通、
2:やや弱い、1:弱い(表中の値はパネル10人によ
る評価点数の平均値)
【0029】実施例5 パームミッドフラクション(日清製油(株))2kg
を、実施例1と同様に、1,3特異性リパーゼによるエ
ステル交換反応および、脱色、脱臭の精製をおこないエ
ステル交換反応精製油1.7kgを得、このエステル交
換反応精製油900gとパームステアリン(日清製油
(株)、ヨウ素価38)100gを混合し、フライ用油
脂Kを得た。フライ用油脂Kについて実施例1と同様、
香辛料による評価および分析値を表6に示す。次に、表
8の配合で常法により米菓の生地を調製した後、240
℃にて45秒フライした後、カレー粉を塗し、米菓kを
得た。カレーの香りの強さについて調製直後および25
℃保存3ヶ月後に官能評価をおこなった。その結果を表
7に示す。
【0030】実施例6 大豆硬化油50重量%とパームオレイン(日清製油
(株)、ヨウ素価60)50重量%を混合した配合油2
kgを、実施例1と同様に、1,3特異性リパーゼによ
るエステル交換反応および、脱色、脱臭の精製をおこな
い、エステル交換反応精製油1.7kgを得、このエス
テル交換反応精製油700gとパームオレイン300g
とを混合し、フライ用油脂Lを得た。フライ用油脂Lに
ついて実施例1と同様、香辛料による評価および分析値
を表6に示す。次に実施例5と同様の方法で米菓lを調
製し、実施例5と同様の評価を実施した。その結果を表
7に示す。
【0031】比較例7 パームミッドフラクション(日清製油(株))2kg
を、実施例1と同様に、1,3特異性リパーゼによるエ
ステル交換反応および、脱色、脱臭の精製をおこない、
エステル交換反応精製油1.7kgを得、このエステル
交換反応精製油600gとパームステアリン(日清製油
(株)、ヨウ素価38)400gを混合し、フライ用油脂
Mを得た。フライ用油脂Mについて実施例1と同様、香
辛料による評価および分析値を表6に示す。実施例5と
同様の方法で米菓mを調製し、実施例5と同様の評価を
実施した。その結果を表7に示す。
【0032】比較例8 大豆硬化油50重量%にパームオレイン(日清製油
(株)、ヨウ素価60)50重量%を混合した配合油2
kgを、実施例1と同様に、脱色、脱臭の精製をおこな
い、精製油1.9kgを得、この精製油700gとパー
ムオレイン300gとを混合し、フライ用油脂Nを得た
(最終的な配合比;大豆硬化油:パームオレイン=3
5:65)。フライ用油脂Nについて実施例1と同様、
香辛料による評価および分析値を表6に示す。次に実施
例5と同様の方法で米菓nを調製し、実施例5と同様の
評価を実施した。その結果を表7に示す。
【0033】
【表6】 注1)PUFA;分子内に二重結合を二つ以上もつ脂肪
酸 注2) 香辛料の香りの強さの評価基準;5:強い、
4:やや強い、3:普通、2:やや弱い、1:弱い(表
中の値はパネル5人による評価点数の平均値)
【0034】
【表7】 注1)評価基準;5:強い、4:やや強い、3:普通、
2:やや弱い、1:弱い(表中の値はパネル10人によ
る評価点数の平均値)
【0035】
【表8】
【0036】以上の結果より、実施例1〜6のフライ用
油脂でフライしたコーンチップス、から揚げ、米菓は、
比較例1〜8のものとくらべ、スパイスが引き立ち、ス
パイスの臭りが強く感じられ、その劣化が抑制されるこ
とが明らかとなった。本発明のフライ用油脂は、特に胡
しょうやカレーなどの刺激のある香りを引き立てること
が明らかとなった。
【0037】
【発明の効果】本発明のフライ用油脂は、スナック、か
ら揚げ等のフライ食品の香辛料の風味を引き立てるフラ
イ用油脂および、それを用いた香辛料の香りを引き立て
られたフライ食品を提供できる。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル交換油脂50〜100重量%に
    油脂を0〜50重量%を混合し、構成脂肪酸に占める分
    子内に二重結合を2以上含む脂肪酸の割合が20重量%
    以下で、かつ35℃でのSFC(Solid Fat Content)
    の値が10%以下であることを特徴とするフライ用油
    脂。
  2. 【請求項2】 エステル交換油脂が植物油脂、それらの
    硬化油、それらの分別油から選ばれる1種または2種以
    上を混合して、1,3位特異性リパーゼを用いて選択的
    エステル交換反応したものである請求項1記載のフライ
    用油脂。
  3. 【請求項3】 油脂が植物油脂、それらの硬化油、それ
    らの分別油から選ばれる1種または2種以上である請求
    項1記載のフライ用油脂。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のフライ
    用油脂を使用したフライ食品。
  5. 【請求項5】 エステル交換油脂50〜100重量%と
    油脂0〜50重量%との混合物であって、構成脂肪酸に
    占める分子内に二重結合を2以上含む脂肪酸の割合が2
    0重量%以下で、かつ35℃でのSFC(Solid Fat Co
    ntent)の値が10%以下であることを特徴とする香辛
    料の風味を引き立てるフライ用油脂。
  6. 【請求項6】 エステル交換油脂が植物油脂、それらの
    硬化油、それらの分別油から選ばれる1種または2種以
    上を混合して、1,3位特異性リパーゼを用いて選択的
    エステル交換反応したものである請求項5記載の香辛料
    の風味を引き立てるフライ用油脂。
  7. 【請求項7】 油脂が植物油脂、それらの硬化油、それ
    らの分別油から選ばれる1種または2種以上である請求
    項5記載の香辛料の風味を引き立てるフライ用油脂。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の香辛料
    の風味を引き立てるフライ用油脂を使用したフライ食
    品。
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