JP5133761B2 - 油脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明の油脂組成物は、パーム系油脂と構成脂肪酸として炭素数18〜20の飽和脂肪酸を15質量%以上含有する油脂を混合しエステル交換した油脂Aを含有する。本発明において油脂Aを含有しないと、油脂組成物をフライ用油脂組成物として用いた場合、フライ食品についた油脂組成物は短時間で固化するが、フライ食品の保存時に油じみが生じたり、砂糖がけしたフライ食品の砂糖が泣いてしまう。
また、このパーム系油脂は、沃素価が48〜75であるものが好ましい。
本発明では構成脂肪酸として炭素数18〜20の飽和脂肪酸を15質量%以上含有する油脂として、パーム極度硬化油、大豆極度硬化油を用いるのが好ましく、パーム極度硬化油を用いるのがさらに好ましい。
また、上記のパーム系油脂は、沃素価が48〜75であるものが好ましい。
沃素価52.1のパーム油75質量%と、沃素価1.5、融点58℃で炭素数18〜20の飽和脂肪酸を53.9質量%含有するパーム極度硬化油25質量%との配合油10kgを、ナトリウムメチラートを触媒としてランダムエステル交換反応を行った後、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行い、エステル交換油脂A1を得た。
得られた油脂組成物の構成脂肪酸組成におけるオレイン酸の含有量は40.0質量%、トランス型脂肪酸の含有量は0.8質量%で、沃素価は52.3であった。
沃素価52.1のパーム油75質量%と、沃素価1.5、融点68.0℃で炭素数18〜20の飽和脂肪酸を89.5質量%含有する大豆極度硬化油25質量%との配合油10kgを、反応温度70℃にて、触媒としてリパーゼQLC(名糖産業(株)製)50gを用いて、15リットルの反応槽でランダムエステル交換反応を行った。反応終了後(反応時間48hr)、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行い、エステル交換油脂A2を得た。
得られた油脂組成物の構成脂肪酸組成におけるオレイン酸の含有量は40.0質量%、トランス型脂肪酸の含有量は0.8質量%で、沃素価は52.2であった。
沃素価57.3のパーム分別軟部油75質量%と、沃素価1.5、融点58.0℃で炭素数18〜20の飽和脂肪酸を53.9質量%含有するパーム極度硬化油25質量%との配合油10kgを、反応温度70℃にて、触媒としてリパーゼQLC(名糖産業(株)製)50gを用いて、15リットルの反応槽でランダムエステル交換反応を行った。反応終了後(反応時間48hr)、脱色(白土3%、85℃、9.3×102Pa以下の減圧下)、脱臭(250℃、60分間、水蒸気吹き込み量5%、4.0×102Pa以下の減圧下)を行い、エステル交換油脂A3を得た。
得られた油脂組成物の構成脂肪酸組成におけるオレイン酸の含有量は37.5質量%、トランス型脂肪酸の含有量は1.0質量%で、沃素価は49.6であった。
実施例1で使用したエステル交換油脂A1を15質量部、実施例1で使用したエステル交換油脂Bを10質量部、沃素価52.1のパーム油65質量部、沃素価114.4の菜種油10質量部を混合し、さらにトコフェロール100ppmを添加して、油脂組成物を得た。
得られた油脂組成物の構成脂肪酸組成におけるオレイン酸の含有量は39.5質量%、トランス型脂肪酸の含有量は1.1質量%で、沃素価は54.5であった。
実施例1で使用したエステル交換油A1を25質量部、沃素価57.3のパーム分別軟部油を75質量部混合し、さらにトコフェロール100ppmを添加して、油脂組成物を得た。
得られた油脂組成物の構成脂肪酸組成におけるオレイン酸の含有量は40.0質量%、トランス型脂肪酸の含有量は0.8質量%で、沃素価は52.9であった。
実施例1で使用したエステル交換油Bを25質量部、沃素価57.3のパーム分別軟部油を75質量部混合し、さらにトコフェロール100ppmを添加して、油脂組成物を得た。
得られた油脂組成物の構成脂肪酸組成におけるオレイン酸の含有量は40.0質量%、トランス型脂肪酸の含有量は0.8質量%で、沃素価は52.3であった。
実施例1で使用したエステル交換油A1を15質量部、実施例1で使用したエステル交換油Bを10重量部、沃素価114.4の菜種油を75質量部混合し、さらにトコフェロール100ppmを添加して、油脂組成物を得た。
得られた油脂組成物の構成脂肪酸組成におけるオレイン酸の含有量は54.9質量%、トランス型脂肪酸の含有量は1.6質量%で、沃素価は95.7であった。
沃素価57.3のパーム分別軟部油を62質量部、沃素価52.1のパーム油を33質量部、沃素価1.5、融点58.0℃のパーム極度硬化油を3質量部、沃素価1.5、融点60.5℃のハイエルシンナタネ極度硬化油を2質量部混合し、さらにトコフェロール100ppmを添加して、油脂組成物を得た。
得られた油脂組成物の構成脂肪酸組成におけるオレイン酸の含有量は40質量%、トランス型脂肪酸の含有量は0.8質量%で、沃素価は52.4であった。
実施例1〜4及び比較例1〜4の油脂組成物のいずれか3.5kgをフライヤーに挿入し180℃で加熱し、市販品冷凍ケーキドーナツ(フライ前約45g/個)を凍ったまま油脂組成物中に3個入れ、4分間フライした後、速やかに油を切った。得られたケーキドーナツについて、以下の方法で、砂糖泣き、べたつき、油じみの評価を行なった。
フライしたケーキドーナツが室温に冷えたところで、ケーキドーナツの表面に砂糖を振りかけ、密閉し、30℃の恒温槽に入れ、24時間後、48時間後の砂糖泣きを観察した。評価基準は以下の通りとした。
◎:砂糖泣きがない、○:砂糖泣きが若干みられる、△:砂糖泣きがみられる、×:砂糖泣きがひどい
フライしたケーキドーナツをフライ後、室温に3時間置き、ケーキドーナツ表面のべたつきを観察した。評価基準は以下の通りとした。
◎:油のべたつきがない、○:油のべたつきが若干見られる、△:油のべたつきが多い、×油のべたつきがひどい
フライした直後のケーキドーナツをろ紙の上にのせ、24時間後、48時間後の油じみの量を観察した。評価基準は以下の通りとした。
◎:油じみが極めて少ない、○:油じみが少ない、△:油じみがやや多い、×:油じみが多い
比較例1で得られたケーキドーナツは、24時間後、48時間後ともに砂糖泣きがひどく、油のべたつきがひどいものであった。また、比較例1で得られたケーキドーナツの油じみは、24時間後ではやや多く見られ、48時間後ではさらに多く見られた。
比較例2で得られたケーキドーナツは、24時間後に砂糖泣きが若干見られ、48時間後は砂糖泣きがひどくなり、また、油のべたつきが若干見られるものであった。また、比較例2で得られたケーキドーナツの油じみは、24時間後では少なかったが、48時間後ではやや多く見られた。
比較例3で得られたケーキドーナツは、24時間後に砂糖泣きが見られ、48時間後は砂糖泣きがひどくなり、また、油のべたつきが多いものであった。また、比較例3で得られたケーキドーナツの油じみは、24時間後、48時間後ともにやや多く見られた。
比較例4で得られたケーキドーナツは、24時間後、48時間後ともに砂糖泣きが見られ、油のべたつきが多いものであった。また、比較例4で得られたケーキドーナツの油じみは、24時間後、48時間後ともにやや多く見られた。
Claims (4)
- パーム系油脂と、パーム極度硬化油及び/又は大豆極度硬化油を混合しエステル交換した油脂A、パーム系油脂と構成脂肪酸として炭素数22の飽和脂肪酸を15質量%以上含有する油脂を混合しエステル交換した油脂B、及びパーム系油脂Cを含有し、構成脂肪酸組成においてオレイン酸の含有量が45質量%以下であることを特徴とする油脂組成物。
- 上記油脂Aを5〜40質量%、上記油脂Bを1〜30質量%、上記パーム系油脂Cを10〜93質量%含有する請求項1記載の油脂組成物。
- 部分硬化油を使用しない請求項1又は2記載の油脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の油脂組成物を用いた食品。
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