JP6430724B2 - 加熱調理用油脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、フライ食品等の加熱調理食品の調理に熱媒体として使用される加熱調理用油脂組成物に関する。
フライ食品の加熱調理には、各種の植物油脂や動物油脂が使用されているが、油脂の熱安定性やベタツキの抑制の面を考慮し、これらの油脂を原料とし触媒を用いて水素添加した部分硬化油が使用されることが多い。
しかし、水素添加した部分硬化油は一般にトランス酸量が高く、近年では、消費者の健康意識の高まりと共にトランス酸を低減させたいという要求も出てきていることから、トランス酸の少ないエステル交換油脂やパーム系油脂、極度硬化油が使用されてきている。
また加熱調理用油脂組成物は、製造時から使用時に際してハンドリング性が良好であることが求められている。例えば、製造した加熱調理用油脂組成物は、業務用等に使用される製品として出荷するために、急冷捏和装置の充填口から天切り缶等の容器に充填されるが、缶内部側面に加熱調理用油脂組成物がハネ返ることや、更には缶の外部まで飛び出すこともあり、これらを抑制することが求められる。また、製品の加熱調理用油脂組成物を使用する際には、固形状又は半固形状の加熱調理用油脂組成物を容器からすくい出してフライヤー等の油槽に入れ、その後加熱溶解して調理に供するが、容器からすくい取る際に器具が抵抗なく突き刺さり、ザラツキなく滑らかな状態ですくい取られることが求められる。
また、加熱調理したフライ食品は、長期に保存した場合、油脂の染みだしが見られると、ベタツキを生じたり、外観や食感等が低下する懸念もある。従って、油脂中の2不飽和トリグリセリド及び3不飽和トリグリセリド等の低融点トリグリセリドである液状油の染みだしを抑制することが求められる。特に、ドーナツ等のフライ食品においては、このような液状油の染みだしの少ないことが求められ、特に砂糖を掛けた場合に液状油の染みだしによって砂糖が溶ける“なき”が生じないことが求められる。
また消費者は、フライした食品にサクさがある食感を好むことが多い。例えば、ドーナツでは、食感としては、サクさがあるもの、シュー皮様で軽い食感のもの、もっちり感があるものなど各種のタイプがあるが、例えば、揚げられているため表面はサクサクとした食感で、中はふんわりした食感のソフトでサクさがあるものや、表面はカリッとしていて中がサクサクしているものまで、サクさがあるものは古くから好まれている。特に、口に入れて噛んだときにサクサクとして、その後速やかに溶ける口溶けの良いものが好まれることが多いが、加熱調理後に食品中に浸透した油脂はこのような食感にも影響する。
上記のようなハンドリング性、液状油の染みだし、サクさは、結晶化の程度や結晶の性状のような油脂の結晶化挙動が密接に影響する。例えば、パーム系油脂は硬化油に比べて結晶化が遅いため、加熱調理した食品から液状油が染みだしベタツキが生じるという懸念もあり、揚げたドーナツは砂糖のなきが生じる。そして結晶の微細化は、例えばサクさのある食感を改善する。
従来、ドーナツの砂糖のなきの抑制や、製菓、製パンにおける急冷時の特性改善を目的として、油脂の結晶化を促進することが検討されている。
油脂の点から改善を図ったものでは、特許文献1には、特定のエステル交換油脂とパーム系油脂を組み合わせる技術が提案されている。特許文献2には、特定のトリグリセリドを含有するパーム分別油を用いる技術が提案されている。
しかし、油脂の改良によって結晶化の促進に一定の効果があることが示されているが、結晶の微細化については検討されていない。また上記のような特定の油脂に限定されずに、ハンドリング性、液状油の染みだし、加熱調理した食品のサクさと口溶けを改善できる技術が望まれている。例えば特許文献2で使用されている分別油は硬質油であることから、良好な口溶けを得るのが難しい。
製菓、製パンに使用される油脂組成物の製造工程において短時間で急冷し練り合わせる際に、油脂の結晶化を促進させる技術として、特許文献3には、特定のトリグリセリドを含む油脂に動植物性ワックスを含有させることが提案されている。
しかし、ワックスを使用すると良好な風味と口溶けを得ることが難しい。
製菓、製パンに使用される油脂組成物の製造工程において短時間で急冷し練り合わせる際に、油脂の結晶化を促進させる技術として、特許文献4には、エステル化率とソルビトール型含量が特定範囲であるソルビタン脂肪酸エステルを使用することが提案されている。
しかし、製菓、製パンに使用されるマーガリン等の油脂組成物の急冷捏和、すなわち熱交換等によって強制的に短時間で冷却し結晶化させる急冷条件を想定して実施例では結晶化速度の試験がされているが、加熱調理用油脂組成物を熱媒体に用いて加熱調理した後、加熱調理用油脂組成物を含む食品を放冷するような長時間での徐冷条件における検討はされていない。また、結晶の微細化については検討されていない。そして加熱調理用油脂組成物に特有の上記のような課題と結晶化挙動との関連性については示唆されていない。
製菓、製パンに使用される油脂組成物の製造工程において短時間で急冷し練り合わせる際に、油脂の結晶の粗大化を抑制し、結晶成長した部分と液状油の部分に分かれることを抑制する技術として、特許文献5には、全構成脂肪酸中、炭素数10〜14の飽和脂肪酸、炭素数16〜18の飽和脂肪酸、及び炭素数20〜22の飽和脂肪酸の含有量がいずれも10質量%以上であるソルビタン脂肪酸エステルを使用することが提案されている。
しかし、製菓、製パンに使用されるマーガリン等の油脂組成物の急冷捏和、すなわち熱交換等によって強制的に短時間で冷却し結晶化させる急冷条件を想定し、実施例では急冷捏和して製造したコンパウンドマーガリンについて結晶の粗大化の試験がされているが、加熱調理用油脂組成物を熱媒体に用いて加熱調理した後、加熱調理用油脂組成物を含む食品を放冷するような長時間での徐冷条件での検討はされていない。また、結晶の微細化については検討されていない。そして加熱調理用油脂組成物に特有の上記のような課題と結晶化挙動との関連性については示唆されていない。
特許文献6には、フライ時の泡立ちを抑制することを目的として、HLBが特定範囲のソルビタン脂肪酸エステルを使用することが提案されている。
特開2009−247316号公報 特許第5085810号公報 特開2014−11962号公報 特開2009−209350号公報 特開2012−52048号公報 特開2000−290684号公報
しかしながら、特許文献6は、液状油を使用する技術に関するものであることから、油脂の結晶化をコントロールすることで特性を改善することについては開示がない。
加熱調理用油脂組成物は、[1]菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油等の液状油を使用した常温で液状のものと、[2]パーム油や水素添加した硬化油等を使用した常温で固形状から半固形状のものに大別される。
前者[1]では、加温後に冷却しても固体脂と液状油の分離が起きないことから、製造時に液状油に添加剤を添加し加温溶解させた後、急冷捏和を要しない。一方、後者[2]では、2飽和及び3飽和トリグリセリドのような結晶核となる油脂を多く含有しているので、加温下で油脂に添加剤を均一に溶解させた後、そのまま放冷すると固体脂が析出して固液分離を起こす。そのため、製造工程において加温下で溶解状態にある加熱調理用油脂組成物は、急冷捏和装置によって、急冷しながら結晶化させつつ練り合わせることで、均質な性状を安定に保つようにしている。
すなわち特許文献6に記載の技術は、液状油を使用した場合の泡立ち抑制を課題としているが、常温で液状のため、加温後に常温まで冷却しても実質的に結晶化は起こらず、上記[2]のように2飽和及び3飽和トリグリセリドのような結晶核となる油脂を多く含有し、急冷捏和を要する油脂を使用した場合において、結晶化挙動に関連する上記のハンドリング性、液状油の染みだし、サクさ等を改善する課題と解決手段は知見されていない。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、油脂組成物の製造時及び使用時におけるハンドリング性が良好な加熱調理用油脂組成物を提供することを課題としている。
また、加熱調理した食品からの液状油の染みだしが抑制され、ドーナツ等では、なきのないものを得ることができる加熱調理用油脂組成物を提供することを別の課題としている。
更に、加熱調理した食品のサクさと口溶けが良好で、特にサクい食感の付与に優れた加熱調理用油脂組成物を提供することを別の課題としている。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、パーム油の固化開始を一定温度以上上昇させるソルビタン脂肪酸エステルを、油脂の結晶化に関与する2飽和及び3飽和トリグリセリドが特定の組成を有する油脂に添加することで、加熱調理用油脂組成物の製造時における急冷条件のみならず、加熱調理後の食品に含まれる加熱調理用油脂組成物の徐冷条件においても、油脂の結晶化が促進され、かつ均質に微細化した結晶が多く存在する結晶状態になり、上記課題を解決できることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の加熱調理用油脂組成物は、2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量が20〜90質量%、2飽和トリグリセリドのうち対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)との質量比(SUS/SSU)が6.9以下である油脂と、パーム油の固化開始温度を1.0℃以上上昇させるソルビタン脂肪酸エステルとを含有することを特徴としている。
(1)本発明によれば、油脂組成物の製造時及び使用時におけるハンドリング性が良好である。
(2)本発明によれば、加熱調理した食品からの液状油の染みだしが抑制され、ドーナツ等では、なきのないものを得ることができる。
(3)本発明によれば、加熱調理した食品のサクさと口溶けが良好で、特にサクい食感の付与に優れている。
(4)本発明によれば、前記(1)〜(3)のいずれも満足する。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、その製造時における急冷条件と、加熱調理した食品に含まれて冷却される徐冷条件のいずれにおいても、油脂の結晶化が促進され、かつ均質に微細化した結晶が多く存在する結晶状態になる。
本発明の加熱調理用油脂組成物の製造時においては、加温下で均一な溶解状態にある油脂組成物を、固体脂と液状油が分離状態となることを防止し、均質な加熱調理用油脂組成物を得るために、急冷捏和装置によって、急冷条件で冷却しながら練り合わせ、油脂をある程度結晶化させた状態で充填口から容器に取り出す。本発明の加熱調理用油脂組成物は、この製造時における急冷捏和条件において、油脂の結晶化が促進され、かつ均質に微細化した結晶が多く存在する結晶状態になる。そのため、急冷捏和装置の充填口から容器に取り出す際に、容器内部側面に加熱調理用油脂組成物がハネ返ることや、更には容器の外部まで飛び出すことを抑制することができ、ハンドリング性が良好である。更に、加熱調理用油脂組成物を使用する際には、フライヤー等の油槽に入れるために容器から器具等によってすくい取る際に、容器内の固形状から半固形状の加熱調理用油脂組成物に器具等が抵抗なく突き刺さるためすくい易く、そしてザラツキなく滑らかな状態ですくい取ることができ、ハンドリング性が良好である。
そして加熱調理時においては、熱媒体である加熱調理用油脂組成物を例えば150〜200℃に加熱して食品を調理した後、室温まで冷却される。熱媒体としての加熱調理用油脂組成物は、加熱調理温度まで上昇して一旦溶解し、その後、加熱調理した食品中の水分と置換され、加熱調理した食品中に含まれて室温に置かれるため、徐冷条件で冷却され、油脂は食品中で結晶化する。本発明の加熱調理用油脂組成物は、この徐冷条件においても、油脂の結晶化が促進され、かつ均質に微細化した結晶が多く存在する結晶状態になる。パーム系油脂は、硬化油に比べて加熱調理後の結晶化が遅いため、加熱調理した食品から液状油の染みだしが生じるという問題があるが、本発明の加熱調理用油脂組成物は、徐冷条件においても結晶化が促進されるため、液状油の染みだしが抑制され、ドーナツ等では、なきのないものを得ることができる。更に本発明の加熱調理用油脂組成物は、この徐冷条件において、結晶化が促進され、かつ結晶が微細化されるため、微細化された結晶によって加熱調理した食品のサクさが良好である。また口溶けを向上させる油脂を選択することができるので、口に入れて噛んだときにはサクサクとして、その後は速やかに溶ける口溶けの良い加熱調理食品が得られる。
(油脂)
本発明において、油脂中のトリグリセリドとは、1分子のグリセロールに3分子の脂肪酸がエステル結合した構造を有するものである。トリグリセリドの1位、2位、3位とは、脂肪酸が結合した位置を表す。なお、トリグリセリドの構成脂肪酸の略称として、S:飽和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸、を用いる。
飽和脂肪酸Sは、油脂中に含まれるすべての飽和脂肪酸である。また、各トリグリセリド分子に結合している2つ又は3つの飽和脂肪酸Sは、同一の飽和脂肪酸であってもよいし、異なる飽和脂肪酸であってもよい。
飽和脂肪酸Sとしては、酪酸(4)、カプロン酸(6)、カプリル酸(8)、カプリン酸(10)、ラウリン酸(12)、ミリスチン酸(14)、パルミチン酸(16)、ステアリン酸(18)、アラキジン酸(20)、ベヘン酸(22)、リグノセリン酸(24)等が挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数である。
不飽和脂肪酸Uは、油脂中に含まれるすべての不飽和脂肪酸である。また、各トリグリセリド分子に結合している2つ又は3つの不飽和脂肪酸Uは、同一の不飽和脂肪酸であってもよいし、異なる不飽和脂肪酸であってもよい。不飽和脂肪酸Uとしては、ミリストレイン酸(14:1)、パルミトレイン酸(16:1)、オレイン酸(18:1)、リノール酸(18:2)、およびリノレン酸(18:3)、エルカ酸(22:1)等が挙げられる。なお、上記の数値表記は、脂肪酸の炭素数と二重結合数の組み合わせである。
本発明の加熱調理用油脂組成物に使用される油脂は、1分子のグリセロールに2分子の飽和脂肪酸Sと1分子の不飽和脂肪酸Uが結合した2飽和トリグリセリドとして、1位及び3位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ2位に不飽和脂肪酸Uが結合した対称型トリグリセリド(SUS)と、1位及び2位に飽和脂肪酸Sが結合し、かつ3位に不飽和脂肪酸Uが結合した非対称型トリグリセリド(SSU)とを含む。また、1位、2位、及び3位の全てに飽和脂肪酸Sが結合した3飽和トリグリセリドを更に含んでもよく、その他に1分子のグリセロールに2分子の不飽和脂肪酸Uと1分子の飽和脂肪酸Sが結合した2不飽和トリグリセリド、1位、2位、及び3位の全てに不飽和脂肪酸Uが結合した3不飽和トリグリセリドを更に含んでもよい。
本発明の加熱調理用油脂組成物における油脂の含有量は、好ましくは70〜99.9質量%、より好ましくは90〜99.8質量%、更に好ましくは96〜99.8質量%である。
本発明の加熱調理用油脂組成物に使用される油脂は、2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量が20〜90質量%、好ましくは20〜75質量%であり、かつ2飽和トリグリセリドのうち対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)との質量比(SUS/SSU)が6.9以下、好ましくは0.1〜5.0である。この範囲内であると、パーム油の固化開始温度を1.0℃以上上昇させるソルビタン脂肪酸エステルと併用することで、本発明の加熱調理用油脂組成物の製造時における急冷捏和条件と、フライ食品等の加熱調理食品の加熱調理時における徐冷条件のいずれにおいても、油脂の結晶化が促進され、かつ均質に微細化した結晶が多く存在する結晶状態になる。そのため油脂組成物の製造時及び使用時におけるハンドリング性が良好である。また、加熱調理した食品からの液状油の染みだしが抑制され、ドーナツ等では、なきのないものを得ることができる。更に、加熱調理した食品のサクさと口溶けが良好で、特にサクい食感の付与に優れている。
2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量が20質量%以上でかつSUS/SSUが6.9以下であると、上記ソルビタン脂肪酸エステルを併用することで、油脂の結晶化が促進され、かつ均質に微細化することができ、油脂組成物の製造時及び使用時におけるハンドリング性が良好で、加熱調理した食品からの液状油の染みだしが抑制され、加熱調理した食品にサクい食感を付与することができる。過度な結晶化による口溶けやその他の特性の低下を抑制することを全体的に考慮すると、2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量は90質量%以下である。
本発明の加熱調理用油脂組成物に使用される油脂としては、パーム油、ヤシ油、パーム核油、菜種油、大豆油、綿実油、ヒマワリ油、コーン油、米油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油等の植物油脂、ラード、牛脂等の動物油脂、乳脂、これらの分別油、硬化油(部分水素添加油又は極度硬化油)、エステル交換油脂等が挙げられる。これらは油脂中の2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量とSUS/SSUのバランスを適宜調整するために、1種又は2種以上を選択する。
なお、硬化油は、原料の植物油脂又は動物油脂を常法によりニッケル触媒等の触媒を用いて水素添加することによって得ることができる。極度硬化油は、ヨウ素価が好ましくは3以下、より好ましくは2以下である。
また、動物油脂としては、動物の脂肉から溶出法により採取した脂肪を精製したものを用いることができ、その精製方法も特に制限はなく、溶剤分別等により得られる分別油であってもよい。
好ましい例としては、20℃で固形状の油脂を1種単独で又は2種以上組み合わせて使用し、あるいは、この20℃で固形状の油脂と共に、20℃で液状を呈する液状油を組み合わせて使用する。
上記20℃で固形状の油脂としては、パーム系油脂、パーム系油脂を原料に含むエステル交換油脂、ラードが好ましい。更に、これらの油脂に極度硬化油を組み合わせて使用すると、3飽和トリグリセリドの含有量を高めることができる。
ここでパーム系油脂としては、パーム油、パーム分別油、及びこれらの硬化油等が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。パーム分別油としては、硬質部(パームステアリン等)、軟質部(パームオレイン等)、中融点部(PMF等)等を用いることができる。これらの中でも、ヨウ素価30〜60のパーム系油脂を使用することが好ましく、このようなパーム系油脂としては、パーム油、パーム分別軟質油、パーム分別中融点油等が挙げられる。
上記20℃で液状を呈する液状油としては、菜種油、大豆油、コーン油、米油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、パーム油を分別したスーパーオレイン等が挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
本発明の加熱調理用油脂組成物における上記20℃で液状を呈する液状油の含有量は、油脂全量に対して60質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましい。
本発明の加熱調理用油脂組成物に使用される油脂は、3飽和トリグリセリドの含有量が30質量%以上である油脂を含有することが好ましい。この油脂を含有することで、この油脂が結晶核となるため、結晶化がより促進される。そのため油脂組成物の製造時及び使用時におけるハンドリング性、加熱調理した食品からの液状油の染みだし抑制、加熱調理した食品のサクさに、特に効果を発揮し易くなる。
3飽和トリグリセリドの含有量が30質量%以上である油脂としては、特に限定されるものではないが、植物油脂又は動物油脂の硬化油(部分水素添加油又は極度硬化油)や分別油の硬質油、これを含む油脂を原料とするエステル交換油脂等が挙げられる。その中でも、植物油脂又は動物油脂の極度硬化油、あるいはこれを含む油脂を原料とするエステル交換油脂が好ましい。ここで植物油脂の極度硬化油としては、ヤシ極度硬化油、パーム極度硬化油、パーム核極度硬化油、菜種極度硬化油等が挙げられ、動物油脂の極度硬化油としては、ラード極度硬化油、牛脂極度硬化油等が挙げられる。
3飽和トリグリセリドの含有量が30質量%以上である油脂の含有量は、油脂全量に対して0.5〜65質量%が好ましい。この含有量が0.5質量%以上であると、この油脂が結晶核となるため、結晶化がより促進される。この含有量が65質量%以下であると、過度な結晶化による口溶けやその他の特性の低下を抑制できる。
特に、3飽和トリグリセリドの含有量が30質量%以上の油脂として、パーム系油脂とラウリン系油脂とのエステル交換油脂を用いると、加熱調理用油脂組成物の製造時における急冷捏和条件と、フライ食品等の加熱調理食品の加熱調理時における徐冷条件のいずれにおいても、この油脂が結晶核となるため、結晶化がより促進される。そのため油脂組成物の製造時及び使用時におけるハンドリング性、加熱調理した食品からの液状油の染みだし抑制、加熱調理した食品のサクさに、特に効果を発揮し易くなるとともに、加熱調理食品の口溶けが良好となる。
上記パーム系油脂とラウリン系油脂とのエステル交換油脂の含有量は、油脂全量に対して5〜65質量%が好ましく、10〜60質量%がより好ましい。
上記パーム系油脂とラウリン系油脂とのエステル交換油脂は、ヨウ素価が20〜45であることが好ましく、25〜40であることがより好ましい。この範囲であると、結晶化を促進するとともに、加熱調理食品として口溶けが良好なものを得ることができる。
ここでパーム系油脂としては、前述のものが挙げられ、ラウリン系油脂としては、ヤシ油、パーム核油、これらの分別油、硬化油等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
上記パーム系油脂とラウリン系油脂とのエステル交換油脂を得るために用いるエステル交換反応は、化学的エステル交換反応であっても酵素的エステル交換反応であってもよい。化学的エステル交換反応は、ナトリウムメチラート等の化学触媒を用いて行われる、位置特異性の乏しいエステル交換反応である(ランダムエステル交換とも言われる)。
化学的エステル交換反応は、例えば、常法に従って、原料油脂を十分に乾燥させ、触媒を原料油脂に対して0.05〜1質量%添加した後、減圧下、80〜120℃で0.5〜1時間攪拌することにより行うことができる。エステル交換反応終了後は、触媒を水洗にて洗い流した後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
酵素的エステル交換反応は、リパーゼを触媒として用いて行われる。リパーゼとしては、リパーゼ粉末やリパーゼ粉末をセライト、イオン交換樹脂等の担体に固定化した固定化リパーゼを使用するができる。酵素的エステル交換によるエステル交換反応は、リパーゼの種類によって、位置特異性の乏しいエステル交換反応とすることもできるし、1、3位特異性の高いエステル交換反応とすることもできる。
位置特異性の乏しいエステル交換反応を行うことのできるリパーゼとしては、アルカリゲネス属由来リパーゼ(例えば、名糖産業株式会社製のリパーゼQLM、リパーゼPL等)、キャンディダ属由来リパーゼ(例えば、名糖産業株式会社製のリパーゼOF等)等が挙げられる。
1、3位特異性の高いエステル交換反応を行うことのできるリパーゼとしては、リゾムコールミーハイ由来の固定化リパーゼ(ノボザイムズ社製のリポザイムTLIM、リポザイムRMIM等)等が挙げられる。
酵素的エステル交換反応は、例えば、リパーゼ粉末または固定化リパーゼを原料油脂に対して0.02〜10質量%、好ましくは0.04〜5質量%添加した後、40〜80℃、好ましくは40〜70℃で0.5〜48時間、好ましくは0.5〜24時間攪拌することにより行うことができる。エステル交換反応終了後は、ろ過等によりリパーゼ粉末または固定化リパーゼを除去後、通常の食用油の精製工程で行われる脱色、脱臭処理を施すことができる。
本発明の加熱調理用油脂組成物に使用される油脂は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が0.5〜12質量%であることが好ましい。この範囲でラウリン酸を含有すると、体温に近い温度でシャープな融解性を持ち、加熱調理した食品は室温で固まっていた油脂が口の中で速やかに溶け、口溶けが良好となる。全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量は、構成脂肪酸にラウリン酸を多く含むラウリン系油脂を使用すると高めることができることから、特に上記パーム系油脂とラウリン系油脂とのエステル交換油脂は好適である。
(ソルビタン脂肪酸エステル)
本発明の加熱調理用油脂組成物は、パーム油の固化開始温度を1.0℃以上上昇させるソルビタン脂肪酸エステルを含有する。
パーム油の固化開始温度を1.0℃以上上昇させるソルビタン脂肪酸エステルを用いることで、2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量とSUS/SSUが前述の特定範囲である油脂を用いた際に、本発明の加熱調理用油脂組成物の製造時における急冷捏和条件と、フライ食品等の加熱調理食品の加熱調理時における徐冷条件のいずれにおいても、油脂の結晶化が促進され、かつ均質に微細化した結晶が多く存在する結晶状態になる。そのため油脂組成物の製造時及び使用時におけるハンドリング性が良好である。また、加熱調理した食品からの液状油の染みだしが抑制され、ドーナツ等では、なきのないものを得ることができる。更に、加熱調理した食品のサクさと口溶けが良好で、特にサクい食感の付与に優れている。
本発明に使用されるソルビタン脂肪酸エステルは、パーム油の固化開始温度を1.0℃以上、好ましくは1.5℃以上、より好ましくは2.0〜4.0℃上昇させるものである。パーム油の固化開始温度の上昇値がこの範囲内であると、加熱調理用油脂組成物の製造時における急冷捏和条件と、フライ食品等の加熱調理食品の加熱調理時における徐冷条件のいずれにおいても、2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量とSUS/SSUが前述の範囲にある油脂が結晶核となり、結晶化が促進され、かつ結晶が微細化される。
本発明において、パーム油の固化開始温度は、示差走査熱量測定(DSC)により測定した値である。固化開始温度の測定には、示差走査熱量計(型番:DSC Q1000、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)を用いることができる。より詳細には、パーム油100質量部にソルビタン脂肪酸エステル0.5質量部を添加し、80℃から毎分10℃の速度で冷却し、固化開始温度を測定した。
本発明に使用されるソルビタン脂肪酸エステルは、全構成脂肪酸中の好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上がパルミチン酸とステアリン酸である。また、パルミチン酸とステアリン酸の質量比は、好ましくは0.3:1.0〜1.0:1.0であり、より好ましくは0.5:1.0〜0.8:1.0である。パルミチン酸とステアリン酸の質量比が上記範囲程度であれば、パーム油の固化開始温度を1.0℃以上上昇させることができる。
ここでパルミチン酸とステアリン酸の質量比は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」)により測定することができる。
本発明に使用されるソルビタン脂肪酸エステルは、HLB値が好ましくは3.5〜5.5であり、より好ましくは4.0〜5.5である。HLB値がこの範囲であると、パーム油の固化開始温度を上昇させるのに適している。
ここでHLB値は、Griffin式(Atlas社法)により求めることができる。
本発明においては、上記のようなソルビタン脂肪酸エステルとして、市販のものを用いることができる。例えば、理研ビタミン(株)製のS−320YN、ポエムS−60V、及びソルマンS−300V等が挙げられる。
ソルビタン脂肪酸エステルの含有量は、油脂全量に対して、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.1〜5.0質量%であり、更に好ましくは0.2〜4.0質量%である。ソルビタン脂肪酸エステルの含有量が0.1質量%以上であると、2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量とSUS/SSUが前述の範囲にある油脂が結晶核となり、結晶化が促進され、かつ結晶が微細化される。ソルビタン脂肪酸エステルの含有量が10質量%以下であると、乳化剤としての異味が最終製品の加熱調理食品に影響を及ぼすことを抑制できる。
(その他の成分)
本発明の加熱調理用油脂組成物は、その効果を損なわない範囲において、上記の油脂及びソルビタン脂肪酸エステルに加えて、食品添加物等のその他の成分を配合することができる。
食品添加物は、特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。例えば、酸化防止剤、消泡剤、乳化剤、着色料、フレーバー等が挙げられる。
酸化防止剤としては、L−アスコルビン酸やL−アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコトリエノール、リグナン、ユビキノン類、キサンチン類、オリザノール、植物ステロール、カテキン類、ポリフェノール類、茶抽出物等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
乳化剤としては、結晶促進や微細化を阻害しないものであれば添加することができる。例えば、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
着色料としては、カロテン、アスタキサンチン、アナトー等が挙げられる。
フレーバーとしては、バターフレーバー、ミルクフレーバー等が挙げられる。
(加熱調理用油脂組成物の製造方法)
本発明の加熱調理用油脂組成物は、例えば、原料となる1種又は2種以上の前述したような油脂を加温下で溶解し、溶解した油脂中に前述したソルビタン脂肪酸エステルと、必要に応じて前述した食品添加物等のその他の成分とを添加し、公知の方法で均一に分散し、溶解することによって製造することができる。
製造工程において加温下で溶解状態にある本発明の加熱調理用油脂組成物は、急冷捏和装置によって、急冷しながら練り合わせると、油脂が結晶化して半固形状や可塑性のある固形状態となる。急冷捏和することで固体脂と液状油が分離状態となることを防止し、均質な加熱調理用油脂組成物を得ることができる。
急冷捏和処理は、通常、可塑性油脂組成物を製造する場合と同様にして行うことができる。例えば、冷却条件は、20℃/分以上、好ましくは30℃/分以上とすることができる。また、急冷捏和処理は、従来公知の急冷捏和装置を用いて行うことができ、必要に応じてガス、例えば窒素等を混入することもできる。密閉状態で連続的に急冷し、同時に捏和して均質な油脂組成物を得る装置としては、ボテーター、パーフェクター、コンビネーター、オンレーター等を用いることができる。急冷捏和装置の出口での油脂組成物の温度は、通常は5〜40℃の範囲である。
急冷捏和装置の出口の形状は充填口で、製造した本発明の加熱調理用油脂組成物は、業務用等に使用される製品として出荷するために、急冷捏和機の充填口から天切り缶等の容器に充填される。
このとき、本発明の加熱調理用油脂組成物によれば、急冷捏和条件においても結晶化が促進され、かつ均一に微細化した結晶が多く存在する結晶状態になることから、缶内部側面に加熱調理用油脂組成物がハネ返ることや、更には缶の外部まで飛び出すことを抑制することができ、ハンドリング性が良好である。
(加熱調理食品)
本発明の加熱調理用油脂組成物は、業務用及び家庭用の加熱調理に使用できる。例えば業務用の場合には、天切り缶等の容器に充填された固形状又は半固形状の加熱調理用油脂組成物を容器から器具によってすくい出してフライヤー等の油槽に入れる。このとき、本発明の加熱調理用油脂組成物は、結晶化が促進され、かつ均質に微細化した結晶が多く存在する結晶状態になることから、すくい取る際に抵抗なく突き刺さるためすくい易く、そしてザラツキなく滑らかな状態ですくい取ることができ、ハンドリング性が良好である。
本発明の加熱調理用油脂組成物を熱媒体に用いて、通常のフライ食品等の加熱調理食品に使用される具材や生地を、例えば120〜200℃、好ましくは150〜200℃に加熱して調理することにより加熱調理食品を得ることができる。
本発明において加熱調理とは、加熱調理用油脂組成物を熱媒体として食品を加熱調理することを意味し、主に揚げ物(フライ食品)の調理が代表的なものとして挙げられるが、その他、炒め物(例えば焼きそば、野菜炒め等)、焼き物(例えば焼き肉、お好み焼き等)等が含まれる。
本発明の加熱調理用油脂組成物は、加熱調理した食品中に浸透した油脂含量が多い食品であると効果の発現がより顕著であり、好適である。油脂含量が多い食品としては、揚げ物(フライ食品)であり、中でもドーナツ類が好適である。
具体的な加熱調理方法としては、フライ食品の場合には、本発明の加熱調理用油脂組成物をフライヤー等の油槽に入れた後、調理温度までヒーターやガス等で昇温させて加熱溶解する。加熱調理用油脂組成物の油温を制御しながら、生地等の加熱調理する食品を投入し、連続生産の場合にはコンベア等で搬送しながら、加熱調理を行う。加熱調理用油脂組成物の量、加熱温度及び加熱時間については、使用する食品の種類、調理の方法等により適宜に調整する。
本発明の加熱調理用油脂組成物により加熱調理した食品は、熱して食品を調理した後、通常は室温までゆっくりと冷却される。すなわち熱媒体としての加熱調理用油脂組成物は、加熱調理温度まで上昇して一旦溶解し、その後、加熱調理した食品に含まれて室温に置かれるため、徐冷条件で冷却され、油脂は結晶化する。本発明の加熱調理用油脂組成物は、このような徐冷条件においても結晶化が促進されるため、液状油の染みだしが抑制され、ドーナツ等では、なきのないものを得ることができる。更に本発明の加熱調理用油脂組成物は、この徐冷条件において、結晶化が促進されると共に、結晶が微細化されるため、微細化された結晶によって加熱調理した食品のサクさが良好である。また口溶けを向上させる油脂を選択することができるので、口に入れて噛んだときにはサクサクとして、その後は速やかに溶ける口溶けの良い加熱調理食品が得られる。
これらの点から、本発明の加熱調理用油脂組成物は、ドーナツ類、揚げパイ類、揚げ和菓子類等の揚げ菓子類や、揚げパン類等の揚げ物の加熱調理に好適である。特にドーナツ類の加熱調理には好適である。
ドーナツ類は、ベーキングパウダー等の膨張剤を用いて生地を膨化させて製造されるケーキドーナツ等が挙げられる。ケーキドーナツには、揚げられているため表面はサクサクとした食感で、中はふんわりした食感のソフトでサクさがあるものや、表面はカリッとしていて中がサクサクしているもの等がある。その他、サクサクとした食感に特徴のあるいわゆるオールドファッションや、フレンチクルーラー、イーストで発酵させた生地を用いたイーストドーナツ、クロワッサンドーナツ等が挙げられる。これらはチョコレート等でコーティングしたものであってもよい。また、リング状に成形して揚げたものだけでなく、球状のもの、スティック状のもの、ツイスト状のものや、中に具を入れた餡ドーナツや、クリームドーナツ等であってもよい。
ケーキドーナツの生地の原材料としては、小麦粉(薄力粉やこれに中力粉や強力粉を混ぜたものなど)等の穀粉や膨張剤(ベーキングパウダーなど)、澱粉等を配合し、その他、一般にケーキドーナツの生地に使用されているその他の原材料を配合することができる。例えば、水、糖、糖アルコール、卵、卵加工品、食塩、乳化剤、全脂粉乳、脱脂粉乳、牛乳、濃縮乳、合成乳、発酵乳、生クリーム、ヨーグルト、油脂類(ショートニング、マーガリンなど)、着色料、フレーバー等が挙げられる。
これらの原材料を配合して常法に従って混合し、この生地を成型してそのままあるいは成型後に冷凍保存した後に加熱調理に供するか、又は生地にフィリングを包み込んで、フライヤー等の油槽内の本発明の加熱調理用油脂組成物に投入し、常法に従ってフライし膨張剤等で生地を膨化させる。ケーキドーナツの揚げ温度は一般に170〜190℃である。
揚げパイ類としては、肉類、魚介類、卵、野菜類等の具材をパイ生地で包んだものをフライしたものが挙げられる。例えば、リンゴから作製されたペーストをパイ生地に包んだアップルパイをフライしたもの、カスタードクリームをパイ生地で包んだクリームパイをフライしたもの、ミンチ肉を炒めたものをパイ生地で包んだミートパイをフライしたもの等が挙げられる。
揚げ和菓子類としては、揚げ万頭、揚げ大福、かりんとう饅頭、かりんとう、芋けんぴ等が挙げられる。
揚げパン類としては、パン生地を直接揚げて調理した揚げパン、コッペパン等の焼いたパンを揚げたものに砂糖などで味付けした菓子パン、砂糖やシナモンをまぶして食べるチュロス、カレーパン、ピロシキ、揚げ中華まん、花巻揚げパン等が挙げられる。
揚げパン類の生地の原材料としては、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉など)等の穀粉を配合し、その他、一般に揚げパン類の生地に使用されているその他の原材料を配合することができる。例えば、水、糖、糖アルコール、卵、卵加工品、澱粉、食塩、乳化剤、乳化起泡剤(乳化油脂)、チーズ、ホエイ、生クリーム、合成クリーム、ヨーグルト、全脂粉乳、脱脂粉乳、牛乳、濃縮乳、合成乳、イースト、イーストフード、カカオマス、ココアパウダー、チョコレート、コーヒー、紅茶、抹茶、野菜類、果物類、果実、果汁、ジャム、フルーツソース、肉類、魚介類、豆類、きな粉、豆腐、豆乳、大豆蛋白、膨張剤、油脂類(ショートニング、マーガリンなど)、甘味料、調味料、香辛料、着色料、フレーバー等が挙げられる。これらの原材料を用いて揚げパン類を製造する際には、直捏法、中種法、液種法、老麺法、湯種法等によりパン生地を調製し、これを所望する揚げパン類の形状に成型する。
以上のような揚げ菓子類や揚げパン類には、グラニュー糖等の砂糖、シナモンパウダー、きな粉、ココアパウダー等の粉末を掛けても、本発明の加熱調理用油脂組成物は、徐冷条件においても結晶化が促進されるため、液状油の染みだしが抑制され、ドーナツ等では、なきのないものを得ることができる。
その他、揚げ物の加熱調理食品としては特に限定されるものではなく、具材として野菜類、果物類、肉類、魚介類、乳製品、及びこれらの加工調理品、冷凍品等を用いた、揚げ種にバッターやブレッダー、パン粉をつけて油ちょうする衣揚げ、揚げ種に衣をつけずにそのまま油ちょうする素揚げ等に使用できる。このような加熱調理食品としては、例えば、フライ(トンカツ等のカツ類、コロッケ類、エビフライ等)、天ぷら、唐揚げ、素揚げ、揚げぎょうざや春巻き等の包み揚げ類、フリッター、フライドポテト、フライドチキン等が挙げられる。
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、表1及び表2における各原料の配合量は質量部を示す。
1.測定方法
各油脂のヨウ素価は基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)の「2.3.4.1−2013ヨウ素価(ウィイス−シクロヘキサン法)」で測定した。
油脂における2飽和トリグリセリド及び3飽和トリグリセリドの合計含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)で測定し、それぞれ脂肪酸量を用いて計算にて求めた。
油脂における対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)との質量比(SUS/SSU)は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」と「奨2−2013 2位脂肪酸組成」)により求めたSUS型トリグリセリドとSSU型トリグリセリドの質量より算出した。
油脂における全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量は、ガスクロマトグラフ法(基準油脂分析試験法(社団法人日本油化学会)の「2.4.2.2−2013 脂肪酸組成(FID昇温ガスクロマトグラフ法)」により測定した。
2.加熱調理用油脂組成物の製造
表1及び表2に示す配合比にて各原料油脂をタンク内で混合し、プロペラ撹拌機で撹拌しながら75℃に調温後、乳化剤を添加し、均一に分散し溶解させた混合物をパーフェクターで25℃/分の条件により急冷捏和して加熱調理用油脂組成物を得た。
(エステル交換油脂1、2)
エステル交換油脂1は次の方法で製造した。パーム核極度硬化油20質量%、パーム油55質量%、パーム油極度硬化油25質量%を混合し、触媒としてナトリウムメチラートを添加し、減圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭し、エステル交換油脂1を得た。エステル交換油脂1のSUS含有量は14.4質量%、SSU含有量は28.9質量%、ヨウ素価30であった。
エステル交換油脂2は次の方法で製造した。パーム分別軟質油(ヨウ素価56)に触媒としてナトリウムメチラートを添加し、減圧下でエステル交換反応を行った。エステル交換反応後、水洗、脱水、脱色、脱臭し、エステル交換油脂2を得た。エステル交換油脂2のSUS含有量は11.1質量%、SSU含有量は22.3質量%であった。
(ソルビタン脂肪酸エステル1〜5)
加熱調理用油脂組成物に添加したソルビタン脂肪酸エステル1〜5の詳細は、表3に示すとおりである。
ソルビタン脂肪酸エステルを添加したパーム油の固化開始温度(℃)の上昇値は、以下のようにして測定した。まず、パーム油(ヨウ素価53)100質量部にソルビタン脂肪酸エステル0.5質量部を添加し、それを測定用のアルミニウムパンに3.5mg量り、更にサンプルを何も入れない空パン(リファレンス)を用いて、示差走査熱量計(型番:DSC Q1000、ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン(株)製)で以下の条件で固化開始温度を測定した。
次に、同様にして、ソルビタン脂肪酸エステルを添加していないパーム油の固化開始温度を測定した。
ソルビタン脂肪酸エステルを添加したパーム油の固化開始温度とソルビタン脂肪酸エステルを添加していないパーム油の固化開始温度の差を、パーム油の固化開始温度(℃)の上昇値とした。
<測定条件>
示差走査熱量計のセル内の温度を80℃まで昇温し、5分間保持し、完全にサンプルを溶解させた。その後、毎分10℃(10℃/min.)で80℃から−40℃まで降温させ、その過程における固化開始温度(発熱ピークにおける発熱開始温度)を測定した。固化開始温度は、ベースラインとピークとの接線における交点とした。
さらに、実施例1、比較例2の油脂組成物を80℃で溶解後、20℃で72時間放置した徐冷後の様子を顕微鏡で観察した。
実施例1では、5μm以下の細かい結晶が均一に析出し、結晶量は多かった。
比較例2では、結晶が成長し、実施例1に比べ非結晶部分が多かった。
なお、加熱調理用油脂組成物の製造時における急冷捏和条件で冷却した後の実施例1
の油脂組成物の様子も顕微鏡で観察したところ、上記と同様に細かい結晶が均一に析出し、結晶量も多かった。
これらの結果から、パーム油の固化開始温度を1.0℃以上上昇させるソルビタン脂肪酸エステルを用いることで、急冷、徐冷時においても結晶化が促進され、かつ微細結晶を得ることができることが分かった。
細かい結晶を多く有する場合、非常にサクさのある食感の食品が得られた。一方結晶が成長し、非結晶部分が多いと口中に入れたときに微細な結晶を感じることができず、サクさのある食感を得ることができないと考えられる。
3.評価
実施例1〜14及び比較例1〜7の油脂組成物について、次の評価を行った。各評価結果を表4及び表5に示す。
[充填口でのハネ]
油脂組成物の製造時に、急冷捏和した油脂組成物をパーフェクター充填口(高さ:30cm)で入れ目8kgの天切り缶に製品を計量する際に、天切り缶内での油脂組成物のハネ返りの状態を次の基準で評価した。
評価基準
◎:缶内部側面に油脂組成物のハネ返りがない。
○:缶内部側面に油脂組成物のハネ返りが少しある。
△:缶内部側面に油脂組成物のハネ返りがある。
×:缶内部側面に油脂組成物がハネ返り、缶の外部まで飛び出す。
[すくいやすさ]
パーフェクターで急冷混和して得た油脂組成物を25℃の調温室で1週間調温した後、幅3cm、長さ30cmのスパテラですくい取ったときのすくいやすさを次の基準で評価した。
評価基準
◎:油脂組成物中に抵抗なく突き刺さり、ザラツキなく滑らかな状態ですくい取れた。
○:油脂組成物中に抵抗なく突き刺さり、ザラツキはないがすくい取るときに若干抵抗
があった。
△:油脂組成物中に突き刺すときに若干抵抗があり、若干のザラツキがあると共にすく
い取るときに若干抵抗があった。
×:油脂組成物中に突き刺すときに抵抗があり、ザラツキがあると共にすくい取るとき
に抵抗があった。
(ケーキドーナツの作製)
次の手順でケーキドーナツを作製した。
[1] 下記配合のショートニング、全卵、水を除くすべての原料を均一に篩っておく。
[2] 篩った原材料をミキサーボールに入れ全卵と水を加えビータで低速30秒、中低速1分ミキシングする。
[3] ショートニングを加え低速30秒、中低速2分ミキシングする。
[4] 出来た生地を、麺棒で1cm厚に延ばしドーナツ型で型抜きし、ドーナツフライテストに供した。
ドーナツフライテストは、各油脂組成物を電気フライヤーに7000g採取し、油温180℃でコントロールし、ケーキドーナツ生地を投入後、片面90秒、さらに反転して90秒フライした。
〈ケーキドーナツの配合〉
薄力粉 1000質量部
砂 糖 400質量部
食 塩 15質量部
ショートニング※1 100質量部
全卵(正味) 220質量部
ベーキングパウダー 30質量部
水 280質量部
※1 ショートニング:ミヨシ油脂製「ショートニングAVS」
[なき]
フライしたケーキドーナツに、常温(15〜25℃)で1分間放冷してから粉砂糖3gを上面に均一になるように振り掛け25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後の粉砂糖が溶けた“なき”の状態を次の基準で評価した。
評価基準
◎:粉砂糖が溶けてなきがあるのは、ドーナツ表面の10%未満であった。
○:粉砂糖が溶けてなきがあるのは、ドーナツ表面の10%以上30%未満であった。
△:粉砂糖が溶けてなきがあるのは、ドーナツ表面の30%以上60%未満であった。
×:粉砂糖が溶けてなきがあるのは、ドーナツ表面の60%以上であった。
[口溶け]
フライしたケーキドーナツを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後の口溶けをパネル10名により次の基準で評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、口溶けが良いと評価した。
○:パネル10名中5〜7名が、口溶けが良いと評価した。
△:パネル10名中3〜4名が、口溶けが良いと評価した。
×:パネル10名中、口溶けが良いと評価したのは2名以下であった。
[サクさ]
フライしたケーキドーナツを25℃に調温した恒温器内に保管し、24時間後のケーキドーナツのサクさをパネル10名により次の基準で評価した。
評価基準
◎:パネル10名中8名以上が、サクさがあると評価した。
○:パネル10名中5〜7名が、サクさがあると評価した。
△:パネル10名中3〜4名が、サクさがあると評価した。
×:パネル10名中、サクさがあると評価したのは2名以下であった。

Claims (4)

  1. 2飽和及び3飽和トリグリセリドの含有量が20〜90質量%、2飽和トリグリセリドのうち対称型トリグリセリド(SUS)と非対称型トリグリセリド(SSU)との質量比(SUS/SSU)が6.9以下である油脂と、パーム油の固化開始温度を1.5℃以上上昇させるソルビタン脂肪酸エステルとを含有する加熱調理用油脂組成物。
  2. 前記油脂は、3飽和トリグリセリドの含有量が30質量%以上である油脂を含有する請求項1に記載の加熱調理用油脂組成物。
  3. 前記油脂は、全構成脂肪酸中のラウリン酸含有量が0.5〜12質量%である請求項1又は2に記載の加熱調理用油脂組成物。
  4. 前記油脂は、パーム系油脂およびパーム系油脂を原料に含むエステル交換油脂から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の加熱調理用油脂組成物。
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