JP5353349B2 - マイグレーション抑制用添加剤 - Google Patents

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Description

本発明は、食品に使用することができるマイグレーション抑制用添加剤に関する。
マイグレーションは異なる油脂組成を持つ隣接した二種の油相間で起き、一方の油相から分離した液油が他方の油相へ吸油あるいは拡散する現象であると考えられている。このマイグレーションは、異なる菓子生地やチョコレートなどのトッピングを含む複合菓子において、製品劣化(陥没、白化、ブルーム)の原因となっている。
そこでこれまで、マイグレーションを抑制するためには、特許文献1、特許文献2のように、水素添加油脂を用い、固体脂含有量を調整すること、あるいは、C20以上の長鎖脂肪酸を多く含む水素添加魚油を使用することが開示されている。特に、菓子生地に用いる油脂として水素添加魚油が多用されてきたが、最近魚油原油が高くなり、また健康志向からトランス脂肪酸を避ける傾向にあるため、トランス脂肪酸を多く含む水素添加魚油の使用を減らすことが重要になってきている。しかし、水素添加魚油の使用を減らすと、製品に前記マイグレーションの問題が生じ、賞味期限が短くなる。
また、長鎖脂肪酸、特にアラキジン酸(C20)やベヘン酸(C22)を多く含有するように作製されたエステル交換油脂が提案されている(特許文献3、特許文献4)。しかし、これらの組成物のC24(リグノセリン酸)以上の脂肪酸含有量は、数%以下と少ないもので、積極的にC24の特徴を生かすものではなかった。
一方、特許文献5では、食用植物油と天然ワックスをエステル交換して得られる高粘度油脂組成物の製造方法について開示されているが、マイグレーション抑制を目的としたものではなく、C24以上の脂肪酸含有量も明確ではない。
また、ベヘン酸エチルエステルと油脂をエステル交換して得られる可塑性油脂(特許文献6)、パーム油中融点画分と炭素数20以上の飽和脂肪酸を含む油脂とのエステル交換油脂の製造方法(特許文献7)についても開示されているが、C24含有量は不明確で、また、マイグレーションに対する効果は、開示されていなかった。
即ち、上述したように、従来のマイグレーション抑制用添加剤は、C20以上の脂肪酸、特に、ベヘン酸(C22)を特定比率含む組成及び構造物としたものであり、C24以上の脂肪酸に言及し、それらを含む油脂の事例特許(特許文献3、特許文献4、特許文献7)もあるが、その含有量は少なかった。
特公昭61−47491号公報 特開昭64−60325号公報 特開昭62−6635号公報 特開昭62−134043号公報 特開昭57−67694号公報 特開平7−264982号公報 特開平8−332093号公報
本発明の目的は、従来の添加剤よりも少量で、高いマイグレーション抑制効果を得られるマイグレーション抑制用添加剤を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、構成される脂肪酸全体中、飽和脂肪酸を特定量以上含有し、且つC24以上の飽和脂肪酸を特定量含有する油脂を添加した油脂組成物は、優れたマイグレーション抑制効果を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、構成脂肪酸全体中、飽和脂肪酸が30重量%以上であり、且つC24(リグノセリン酸)以上の飽和脂肪酸量が10〜30重量%で、C22(ベヘン酸)とC24以上の飽和脂肪酸の重量比(C24/C22)が1〜9であり、且つマイグレーション抑制用添加剤中のトランス脂肪酸含量が2重量%以下であるマイグレーション抑制用添加剤に関する。好ましい実施形態は、C24以上の脂肪酸及び/又はその誘導体と融点45℃以下の油脂とをリパ−ゼを用いてエステル交換することで得られる上記記載のマイグレーション抑制用添加剤、より好ましくは、融点45℃以下の油脂が、パ−ム油及び/又はその分別油で、沃素価が30〜75である上記記載のマイグレーション抑制用添加剤、更に好ましくは、C24以上の脂肪酸及びその誘導体が、植物ワックス由来である上記記載のマイグレーション抑制用添加剤、に関する。本発明の第二は、上記記載のマイグレーション抑制用添加剤を油脂組成物全体中3〜30重量%添加してなる油脂組成物に関する。本発明の第三は、上記記載の油脂組成物を含有する食品に関する。
本発明に従えば、従来の添加剤よりも少量で、高いマイグレーション抑制効果を得られるマイグレーション抑制用添加剤を提供することができる。
しみ出し試験の説明図。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明のマイグレーション抑制用添加剤とは、構成脂肪酸全体中、飽和脂肪酸量が特定量以上であり、且つC24(リグノセリン酸)以上の飽和脂肪酸量が特定量で、且つトランス脂肪酸含量が2重量%以下であることを特徴とする。
本発明において、飽和脂肪酸の含有量は、マイグレーション抑制用添加剤の構成脂肪酸全体中30重量%以上であることが好ましい。より好ましくは、30〜70重量%であり、更に好ましくは40〜65重量%である。30重量%未満であると、マイグレーション抑制効果が十分でない場合がある。
さらに、本発明において、マイグレーション抑制用添加剤の構成脂肪酸全体中、C24(リグノセリン酸)以上の飽和脂肪酸量が3〜30重量%であることが好ましい。より好ましくは、10〜20重量%である。3重量%未満であると、マイグレーション抑制効果が十分でない場合があり、30重量%を超えると口どけが悪くなるなどの製品面での問題点が出てくる場合がある。
また本発明のマイグレーション抑制用添加剤の構成脂肪酸において、C22(ベヘン酸)とC24以上の飽和脂肪酸の重量比(C24/C22)は1〜9が好ましい。より好ましくは、2〜5である。1未満であると、マイグレーション抑制効果が十分でない場合があり、9を超えると口どけが悪くなるなどの製品面での問題点が出てくる場合がある。
本発明において用いるC24以上の脂肪酸及びその誘導体は、例えば植物ワックス由来であり、植物ワックス由来のものとしては米油が挙げられる。
本発明において用い得る融点45℃以下の油脂は、パーム油、牛脂、豚脂、大豆油、コーン油、菜種油、サフラワー油といった動植物油脂であり、単独又は混合して用いることもできるし、これら油脂の分別油、硬化油、硬化油の分別油及びエステル交換油脂を用いることができる。それらの中でも、パーム油及び/又はその分別油が好ましい。そしてそれらの油脂の沃素価は、30〜75であることが好ましい。
なお、本発明において、マイグレーション抑制用添加剤の構成脂肪酸の分析は、FID恒温ガスクロマトグラフ法により行える。FID恒温ガスクロマトグラフ法とは、社団法人日本油化学会編「基準油脂分析試験法」(発行年:1996年)の2.4.2.1脂肪酸組成に記載された方法である。
本発明において、マイグレーション抑制効果は、液体油脂のしみ出し量により評価できる。即ち、まずはしみ出し量測定用油脂組成物を作製してから固化し、固化物に濾紙をさして、30分間静置した後、濾紙の重量の変化量をしみ出し量として測定し、それを評価値とする。
本発明のマイグレーション抑制用添加剤の製造方法を以下に例示する。本発明において、マイグレーション抑制用添加剤は、上記記載のC24以上の脂肪酸及び/又はその誘導体と融点45℃以下の油脂とをリパーゼを用いてエステル交換することにより製造する。上記の混合物中のC24以上の脂肪酸及び/又はその誘導体に対する融点45℃以下の油脂の重量比は0.1〜10であり、さらに好ましくは1〜5である。上記のリパーゼは、位置特異性を有するものでも、位置特異性を有しないものでもよい。本発明で用いるリパーゼとしては、アルカリゲネス属、アスペルギルス属、ムコール属、ペニシリウム属、キャンディダ属等から得られるリパーゼが挙げられる。リパーゼを用いたエステル交換反応は、カラム式の連続反応、バッチ反応のどちらでもよい。
本発明において、前記のようなC24以上の脂肪酸及びその誘導体を用い、前記のような融点45℃以下の油脂のみを用いる限り、本発明のマイグレーション抑制用添加剤中のトランス脂肪酸は2重量%以下である。また他の原料から、トランス脂肪酸が混入する場合でも、好ましくはマイグレーション抑制用添加剤全体中5重量%以下が好ましく、より好ましくは2重量%以下である。なお、トランス脂肪酸が多くても、本発明の効果を発現できる場合は、健康的な観点を除いては当該技術範囲である。
本発明のマイグレーション抑制用添加剤は、他に動植物油脂や乳化剤などと混合された油脂組成物として、ビスケットやクッキーなどの菓子類に用いることができる。該油脂組成物全体中、マイグレーション抑制用添加剤の含有量は、3〜30重量%が好ましい。より好ましくは、5〜20重量%である。3重量%未満であると、マイグレーション抑制効果が十分でない場合があり、30重量%を超えるとビスケットやクッキーを作製する際に作業しづらいといった作業面や口どけが悪くなるなどの製品面での問題点が出てくる場合がある。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<マイグレーション抑制用添加剤のマイグレーション抑制効果の評価>
マイグレーション抑制効果の評価は、以下のように、しみ出し量測定用油脂組成物を作製してからそのしみ出し量を測定することで行った。
(1)しみ出し量測定用油脂組成物の作製
パーム油中融点画分400重量部に対して、或いは実施例1及び比較例1〜4で得たそれぞれのマイグレーション抑制用添加剤100重量部及びパ−ム油中融点部300重量部に対して、エステル交換油脂A600重量部を撹拌・混合し、しみ出し量測定用油脂組成物を得た。
(2)しみ出し量の測定
上記(1)で得られたしみ出し量測定用油脂組成物:80gを70℃で溶解後、40℃で2時間保持し、次いで35℃で4時間保持し、更に30℃で18時間保持することで固化し、図1のように濾紙(アドバンテック東洋株式会社「No.2」)を1cmさして、30分間静置した後、濾紙の重量の変化量をしみ出し量として測定した。
<固体脂含量の測定>
固体脂含量は、NMR法により測定した。NMR法とは、社団法人日本油化学会編「基準油脂分析試験法−2.2.9固体脂含量(NMR法)」(発行年:2003年)に記載された方法である。ただし、試料の温調温度および時間は、しみ出し量測定用油脂組成物を固化した温度履歴で行った。
<トランス脂肪酸含量の測定>
トランス脂肪酸含量は、FID恒温ガスクロマトグラフ法により測定した。FID恒温ガスクロマトグラフ法とは、社団法人日本油化学会編「基準油脂分析試験法−2.4.2.1脂肪酸組成」に記載された方法である。試料の調整は、「基準油脂分試験析法」(発行年:1996年)の2.4.2.1脂肪酸組成に記載された方法に従い、油脂組成物中の脂肪酸部分をメチルエステル化し、それを分離、定量することで測定した。なお、上記方法にて得られるクロマトグラム上のピーク面積百分率を試料中の各脂肪酸の重量百分率とした。
<ビスケット製造時における練り込み性評価>
実施例・比較例でビスケットを作製する際、マイグレーション抑制用添加剤がショートニングの練り込み性に及ぼす影響を評価した。その際の評価基準は、以下の通りであった。○:硬すぎず、あるいは柔らかすぎずに練りこみしやすい、△:やや硬すぎる、あるいは柔らかすぎて練りこみしづらい、×:硬すぎる、あるいは柔らかすぎて練りこみしづらい。
<複合菓子におけるマイグレーション抑制効果の評価>
実施例・比較例で得られたビスケット複合菓子を25℃の一定温度で60日間静置した後、並びに32℃で8時間静置した後20℃で14時間静置(昇温・降温に各1時間)というサイクルを60サイクル実施した後、ビスケット生地表面部分を目視で評価した。その際の評価基準は、以下の通りであった。○:白色化及び/又は斑点等の現象が全く認められなかった、△:白色化及び/又は斑点等の現象が僅かに部分的に見られた、×:白色化及び/又は斑点等の現象が広範囲に見られた。
(製造例1) 米ワックス抽出物の作製
米ワックス100重量部に対してナトリウムエチラート300重量部、ヘキサン500重量部を反応させ、酸で中和した後、蒸留水を30重量部加えて反応を停止させた後、静置し、水相を除去した。その後、300重量部のヘキサンを加えて、不溶分を除去した後、ヘキサンを蒸留除去し、リグノセリン酸エチルに富む米ワックス抽出物(C22:20.9重量%、C24:51.7重量%、C22/C24=2.5)を得た。
(実施例1) マイグレーション抑制用添加剤の作製及び評価
パーム油中融点画分(PMF)100重量部に対して、米ワックス抽出物35重量部、ヘキサン200重量部を加え、さらにLipozyme RMIM(Novozymes(株)製)10重量部を加えて50℃で反応させた後、ヘキサンを蒸留で除去し、さらに蒸留することで脂肪酸及び脂肪酸エステルを除去し、C24を含有するエステル交換油脂であるマイグレーション抑制用添加剤を得た。得られたマイグレーション抑制用添加剤の脂肪酸組成、しみ出し量及び30℃の固体脂含量(%)を表1に示した。
Figure 0005353349
(実施例2) マイグレーション抑制用添加剤の作製及び評価
パーム油中融点画分(PMF)の代わりにパームオレイン(IV60)100重量部を用い、米ワックス抽出物の量を65重量部とした以外は実施例1と同様に行い、C24を含有するエステル交換油脂であるマイグレーション抑制用添加剤を得た。得られたマイグレーション抑制用添加剤の脂肪酸組成、しみ出し量及び30℃の固体脂含量(%)を表1に示した。
(比較例1) マイグレーション抑制用添加剤の作製及び評価
パーム油中融点画分(PMF)100重量部に対して、C12(ラウリン酸)あるいはそのアルコールエステル50重量部、さらにLipozyme RMIM(Novozymes(株))10重量部を加えて60℃でエステル交換反応させた後、蒸留により、脂肪酸及び脂肪酸エステルを除去し、C12を含有するマイグレーション抑制用添加剤を得た。得られたマイグレーション抑制用添加剤の脂肪酸組成、しみ出し量及び30℃の固体脂含量(%)を表1に示した。
(比較例2〜4) マイグレーション抑制用添加剤の作製及び評価
遊離脂肪酸(C16:パルミチン酸、C18:ステアリン酸、C22:ベヘン酸)或いはそのアルコールエステルを用いた以外は、比較例1と同様にして、それぞれの脂肪酸を含有するマイグレーション抑制用添加剤(計3種)を得た。得られたマイグレーション抑制用添加剤の脂肪酸組成、しみ出し量及び30℃の固体脂含量(%)を表1に示した。
(比較例5) マイグレーション抑制用添加剤の作製及び評価
パーム油中融点画分(PMF)をマイグレーション抑制用添加剤として、その脂肪酸組成、しみ出し量及び30℃の固体脂含量(%)を表1に示した。
表1に示したように、実施例1,2のようなC24を高含有しているマイグレーション抑制用添加剤は、比較例と同程度かそれ以下の固体脂含量しかないにもかかわらず、しみ出し量が極めて少なかった。
(製造例2) エステル交換油脂Aの作製
パームステアリン:70重量部及びパーム核オレイン:30重量部を混合し、90℃、真空下で脱水を行った。ナトリウムメチラート:0.3重量部を加え、90℃、窒素気流下で30分間ランダムエステル交換反応を行い、水を加えて反応停止後、水洗した。次に、活性白土:3重量部を加え、減圧下で攪拌して20分後に全量濾過してエステル交換油脂Aを得た。
(製造例3) エステル交換油脂Bの作製
パームステアリン:70重量部及びパーム核オレイン:30重量部の代わりにパーム油:75重量部、パーム核オレイン:25重量部を用いた以外は、製造例2と同様にしてエステル交換油脂Bを得た。
(実施例3) 油脂組成物及びショートニングの作製
ランダムエステル交換油脂A:20重量部、ランダムエステル交換油脂B:40重量部、パームオレイン:20重量部、実施例1で得られたマイグレーション抑制用添加剤:20重量部を混合し、乳化剤としてレシチンを0.2重量部添加して撹拌・混合し、油脂組成物を得た。得られた油脂組成物を常法に従って急冷捏和し、ショートニング1を作製した。
(実施例4) 油脂組成物及びショートニングの作製
ランダムエステル交換油脂A:10重量部、ランダムエステル交換油脂B:10重量部、パームオレイン:20重量部、パームオレイン(IV60)のエステル交換油脂:50重量部、実施例1で得られたマイグレーション抑制用添加剤:10重量部を混合し、乳化剤としてレシチン0.2重量部を添加して撹拌・混合し、油脂組成物を得た。得られた油脂組成物を急冷捏和し、ショートニング2を作製した。
(実施例5) 油脂組成物及びショートニングの作製
ランダムエステル交換油脂A:20重量部、ランダムエステル交換油脂B:50重量部、パームオレイン:20重量部、実施例2で得られたマイグレーション抑制用添加剤:10重量部を混合し、乳化剤としてレシチン0.2重量部を添加して攪拌・混合し、油脂組成物を得た。得られた油脂組成物を急冷捏和し、ショートニング3を作製した。
(実施例6)油脂組成物及びショートニングの作製
パームオレイン(IV60)のエステル交換油脂:95重量部、実施例2で得られたマイグレーション抑制用添加剤:5重量部を混合し、乳化剤としてレシチン0.2重量部を添加して攪拌・混合し、油脂組成物を得た。得られた油脂組成物を急冷捏和し、ショートニング4を作製した。
(比較例6) 油脂組成物及びショートニングの作製
パームオレイン(IV60)のエステル交換油脂75重量部、パーム油25重量部を混合し、乳化剤としてレシチン0.2重量部を添加して急冷捏和し、ショートニング5を作製した。
(製造例4) エステル交換油脂Cの作製
特開平8−332093で開示されているような、パーム油中融点画分と炭素数20以上の飽和脂肪酸を構成脂肪酸として含む油脂とをエステル交換し、C20以上の脂肪酸を含有するショートニングを作製するため、パーム油中融点部80重量部、菜種極度硬化油20重量部を混合した油脂を混合、脱水した。アルカリゲネス属由来のリパーゼQL(名糖産業(株)製)の5重量%水溶液を粉末ケイソウ土(昭和科学(株)製「ラジオライト♯3000」)と混合し、減圧乾燥したものを固定化リパーゼとし、これに定量ポンプで上記原料油脂を通液(60℃、空間速度5/hr)し、もしくは対油0.5重量部の固定化リパーゼとともに攪拌してエステル交換し、エステル交換油脂Cを得た。
(比較例7) 油脂組成物及びショートニングの作製
エステル交換油脂C75重量部、パーム油25重量部を混合し、乳化剤としてレシチン0.2重量部を添加して急冷捏和し、ショートニング6を作製した。
(製造例5) エステル交換油脂Dの作製
特開2000−129286で開示されているような、C20以上の脂肪酸を含有するショートニングを作製するため、米ワックス100重量部の代わりにヤシ油50重量部、菜種極度硬化油50重量部を混合したものを用いた以外は、以下は製造例2と同様にしてエステル交換油脂Dを得た。
(比較例8) 油脂組成物及びショートニングの作製
硬化魚油80重量部、エステル交換油脂D20重量部を混合し、乳化剤としてレシチン0.2重量部を添加して急冷捏和し、ショートニング7を作製した。
(実施例7〜10、比較例9〜11) 複合菓子の作製及び評価
表2の配合に従って、全ての材料を混捏した後、型抜きをし、170℃で12分間焼成し、直径35mm、厚み3mmの円形ビスケットを作製した。その際、ショートニングの練り込み性を評価した。得られたビスケットを、カカオ脂を38%含有し、直径40mmの円形状の容器に入れた融解状のチョコレート(重量約12g)に該ビスケットの表面が埋もれない程度に埋没させて、その後20℃で1時間冷却してチョコレートを固化させ、複合菓子を得た。ショートニングの練り込み性及び複合菓子の評価結果は、表2にまとめた。
Figure 0005353349
実施例7〜9は、ビスケットの練りこみ性は良好であり、60日後、及び60サイクル経過後もビスケット表面部分の白色化または斑点等の現象は認められなかった。実施例10は、ビスケットの練りこみ性は良好であったが、60日後、及び60サイクル経過後、ビスケット表面部分の白色化または斑点等の現象がわずかに認められた。比較例9と10は、ビスケットの練りこみ性は良好であったが、60日後、及び60サイクル経過後、ビスケット表面部分の白色化が認められた。比較例11は、ビスケットの練りこみ性は良好であり、60日後、及び60サイクル経過後もビスケット表面部分の白色化または斑点等の現象は認められなかったが、用いたショートニングはトランス脂肪酸がショートニング全体中16.5重量%含まれていた。

Claims (6)

  1. 構成脂肪酸全体中、飽和脂肪酸が30重量%以上であり、且つC24(リグノセリン酸)以上の飽和脂肪酸量が10〜30重量%で、C22(ベヘン酸)とC24以上の飽和脂肪酸の重量比(C24/C22)が1〜9であり、且つマイグレーション抑制用添加剤中のトランス脂肪酸含量が2重量%以下であるマイグレーション抑制用添加剤。
  2. C24以上の脂肪酸及び/又はその誘導体と融点45℃以下の油脂とをリパ−ゼを用いてエステル交換することで得られる請求項1に記載のマイグレーション抑制用添加剤。
  3. 融点45℃以下の油脂が、パ−ム油及び/又はその分別油で、沃素価が30〜75である請求項2に記載のマイグレーション抑制用添加剤。
  4. C24以上の脂肪酸及びその誘導体が、植物ワックス由来である請求項2又は3に記載のマイグレーション抑制用添加剤。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載のマイグレーション抑制用添加剤を油脂組成物全体中3〜30重量%添加してなる油脂組成物。
  6. 請求項5に記載の油脂組成物を含有する食品。
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