JP5736706B2 - 可塑性油脂用改質剤 - Google Patents

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Description

本発明は、パーム油を主原料とするマーガリンやショートニングといった可塑性油脂に用いる可塑性油脂用改質剤に関する。
従来、可塑性油脂の原料には、良好な物性や機能が得られるという理由から、硬化魚油や植物油などを水素添加した油脂が使用されてきた。しかし、近年、水素添加油脂中に含まれるトランス脂肪酸が人の心疾患の原因になるとのことで、使用が制限されてきており、パーム油などへの置き換えが勧められている。
パーム油をマーガリンやショートニングといった可塑性油脂の主原料として配合した場合、貯蔵や流通の間に、粗大結晶ができる、硬さが硬くなる、といった変化が起こりやすいことなどが知られている。そこで、パ−ム油のトリグリセリド構造をエステル交換によって、改質することが行われている。
例えば、特許文献1には、パーム油やパームステアリンと、ラウリン酸を含む油脂を特定量の脂肪酸比率に混合し、エステル交換することで、経時的な品質変化を抑制できる油脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、パーム系油脂と不飽和脂肪酸を多く含む植物液体油をエステル交換し、ジパルミトイルモノオレオイルグリセリドの構成比率がPPO/POP≧0.5(P:パルミチン酸、O:オレイン酸)にすることで、結晶の粗大化が解消され、経日変化の少ない可塑性油脂が得られる油脂組成物が開示されている。これらの改質方法は、パーム油中のトリグリセリドPOPを他成分に変えるものであり、経日変化の抑制について一定の効果はあるが、十分ではない。さらに、融点が高い3飽和脂肪酸トリグリセリドも同時に生成することで、口溶けの悪化などの欠点もあった。
また、特許文献3では、ラウリン酸を含む油脂と、特定量のラウリン酸とC16以上の飽和脂肪酸を含む油脂をエステル交換することで得られる硬質脂肪について開示されている。この硬質脂肪を使用した可塑性油脂は、良好な口溶けと保形性を有すると記載されている。しかし、可塑性油脂として利用するためには、液状油脂を大量に使用しなければならず、経日変化の抑制効果についても十分ではない。
また、トリグリセリドを構成する脂肪酸種や結合位置を特定した油脂組成物を用い、パーム油を配合した可塑性油脂やチョコレ−トを品質改良する方法が開示されている。例えば、特許文献4には、パーム油のように結晶化が遅く、低トランス脂肪酸である油脂に対して、XXM型トリグリセリド(X:C>15の飽和鎖、M:C<15の飽和鎖)を少量組み込ませることで、結晶化の速度を顕著に増加させる油脂組成物が開示されている。特許文献5には、2位にC12以下の飽和脂肪酸(X)が結合し、1,3位にC16以上の飽和脂肪酸(S)が結合する1,3(S)−ジ(S)−2−モノ(X)型トリグリセリド(SXS)が、チョコレートのブルームを抑制する例が開示されている。これらの方法は、可塑性油脂のブツの抑制やチョコレートのブルーム抑制に関しては有効であるが、経日変化の抑制への効果は低い。
また、特許文献6には、(a)ジ飽和中鎖脂肪酸モノ長鎖脂肪酸トリグリセリドと(b)1,3−ジ飽和長鎖脂肪酸−2−モノ不飽和長鎖脂肪酸トリグリセリドとの分子間化合物であって、X線回折による長面間隔が65Å以上である分子間化合物が開示されている。この分子間化合物は、カカオバターを多く配合したチョコレートのなめらかなテクスチャーを保つことができ、ブルームが発生するのを抑制できると記載されている。また、この分子間化合物は、可塑性油脂の経日的な硬さ変化を抑制するのにも有効であると記載されている。当該文献には、可塑性油脂の具体的な使用法は開示されていない。しかし、X線回折による長面間隔が65Å以上である分子間化合物が得られるとされる、ジ飽和中鎖脂肪酸モノ長鎖脂肪酸トリグリセリドを高濃度に含む組成物を得ることは容易でない。その上、ジ飽和中鎖脂肪酸モノ長鎖脂肪酸トリグリセリドを、1,3−ジ飽和長鎖脂肪酸−2−モノ不飽和長鎖脂肪酸トリグリセリドに対し、当モル含有することは、可塑性油脂を必要以上に軟化させたり、融点を低下させたりする。従って、この分子間化合物をマーガリンやショートニングの主原料として用いることは、好ましくない。
特開2000−212590号公報 特開平10−183165号公報 特許第4426643号公報 国際公開第98/19554号パンフレット 特開平4−75593号公報 国際公開第2006/121182号パンフレット
本発明の目的は、パーム由来油を用いた可塑性油脂の硬さ変化の抑制効果や、粗大結晶の生成といった物性変化の抑制効果を有する可塑性油脂を提供すること、及び該可塑性油脂を得るための可塑性油脂用改質剤を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、構成脂肪酸全体中C12の飽和脂肪酸及びC14〜C22の飽和脂肪酸を特定量含有し、C12の飽和脂肪酸含量/(C8及びC10の飽和脂肪酸含量の合計)(重量比)が一定範囲である油脂組成物を特定量添加して得られた可塑性油脂は、物性変化が抑制され、さらに硬さが変化しにくくなることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、パーム由来油を主原料として50〜95重量%含有する可塑性油脂に用いる改質剤であって、構成脂肪酸全体中、C12の飽和脂肪酸含量が0.1〜25重量%未満且つC14〜C22の飽和脂肪酸含量が50〜70重量%で、C12の飽和脂肪酸含量/(C8及びC10の飽和脂肪酸含量の合計量)(重量比)が0.025〜2.5であるエステル交換油脂組成物を、可塑性油脂用改質剤全体中60〜100重量%含有する可塑性油脂用改質剤(但し、ホイップクリーム用油脂組成物を除く。)に関する。本発明の第二は、上記記載の可塑性油脂用改質剤を可塑性油脂全体中で5〜10重量%含有し、パーム由来油を可塑性油脂全体中50〜95重量%含有してなる可塑性油脂に関する。
本発明に従えば、パーム由来油を用いた可塑性油脂の硬さ変化の抑制効果や、粗大結晶の生成といった物性変化の抑制効果を有する可塑性油脂を提供すること、及び該可塑性油脂を得るための可塑性油脂用改質剤を提供することができる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の可塑性油脂用改質剤は、C12の飽和脂肪酸含量が特定量であり、C14〜C22の飽和脂肪酸含量が特定量であり、C12の飽和脂肪酸含量/(C8及びC10の飽和脂肪酸含量の合計量)(重量比)が特定範囲であるエステル交換油脂組成物を主として含有する。そして、本発明の可塑性油脂は、該可塑性油脂用改質剤を特定量含有し、パーム由来油を特定量含有する。なお、以下の記載では、本発明の可塑性油脂用改質剤を、単に「改質剤」と記載することもある。
本発明の可塑性油脂用改質剤中のエステル交換油脂組成物におけるC12の飽和脂肪酸含量は、構成脂肪酸全体中0.1〜25重量%未満であることが好ましく、0.1〜20重量%以下がより好ましい。0.1重量%より少ないと、ラウリン酸(C12)、その誘導体及びC12を主たる構成脂肪酸とするトリグリセリドを利用することによる、コスト削減の効果は小さくなる場合がある。25重量%以上であると、可塑性油脂の硬さが硬くなり、作業しづらいといった製造面での問題が生じる場合がある。
本発明の可塑性油脂用改質剤中のエステル交換油脂組成物におけるC14〜C22の飽和脂肪酸含量、構成脂肪酸全体中50〜70重量%であることが好ましい。50重量%より少ないと、中鎖の飽和脂肪酸からなる油脂の含有量が多くなり、可塑性油脂の硬さ変化や粗大結晶といった物性変化の抑制効果が得られない場合がある。70重量%より多いと、長鎖の飽和脂肪酸からなる油脂の含有量が多くなるため、可塑性油脂の硬さが硬くなる場合がある。
また、本発明の可塑性油脂用改質剤中のエステル交換油脂組成物の構成脂肪酸全体において、C12の飽和脂肪酸含量/(C8及びC10の飽和脂肪酸含量の合計量)(重量比)は、0.025〜2.5が好ましく、0.1〜1.0がより好ましい。0.025より小さいと、ラウリン酸(C12)、その誘導体及びC12を主たる構成脂肪酸とするトリグリセリドを利用することによる、コスト削減の効果は小さくなる場合がある。2.5より大きいと、可塑性油脂の硬さが硬くなり、作業しづらいといった製造面での問題が生じる場合がある。
本発明の可塑性油脂用改質剤全体中には、前記エステル交換油脂組成物を60〜100重量%含有することが好ましく、90〜100重量%含有することよりが好ましい。可塑性油脂を作製する際の配合調整のし易さからは、含有量が多い程良く、100重量%が最も好ましい。
可塑性油脂用改質剤中には、前記エステル交換油脂組成物以外には、例えば各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂を水素添加、分別並びにエステル交換から選択される少なくとも1つの処理を施した加工油脂、脂肪酸、モノグリセリド、ジグリセリド、食品用乳化剤などを含むことができる。
なお、本発明において、油脂組成物中の脂肪酸組成の測定は、FID恒温ガスクロマトグラフ法に従って行えばよい。FID恒温ガスクロマトグラフ法とは、社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」(発行年:1996年)の2.4.2.1脂肪酸組成に記載された方法であるように行えばよい。
本発明の可塑性油脂用改質剤を用いて可塑性油脂を作製する際、該改質剤の使用量は、可塑性油脂に硬さ変化や粗大結晶の生成といった物性変化の抑制効果や含気性を付与する観点から、可塑性油脂全体中5〜10重量%になるよう調整することが好ましい。可塑性油脂全体中の改質剤の含量が5重量%未満であると、可塑性油脂の硬さ変化や粗大結晶といった物性変化の抑制効果が十分ではない場合がある。また可塑性油脂全体中の改質剤の含量が10重量%を超えると可塑性油脂を必要以上に軟化させる場合があり、またコストも高くつく。
本発明のパーム由来油とは、パームから搾取した油脂そのままや改質や分別した油脂であれば特に限定はなく、パーム精製油、未精製のクルード油、それらの硬化油、一回以上の分別によって得られたパームオレインをはじめとする分画油などが例示される。本発明の可塑性油脂全体中、パーム由来油を50〜95重量%含有することが好ましい。50重量%より少ないと、パーム由来油を主体とする可塑性油脂ではなくなる場合がある。95重量%より多いと、可塑性油脂の硬さ変化や粗大結晶といった物性変化が抑制されない場合がある。
本発明の可塑性油脂用改質剤を製造する方法を以下に例示する。ラウリン酸(C12)、その誘導体及びラウリン酸を主たる構成脂肪酸とするトリグリセリドの中から選ばれる少なくとも1種からなる成分(1)と、カプリル酸(C8)及び/又はカプリン酸(C10)、その誘導体及びカプリル酸、カプリン酸を主たる構成脂肪酸とするトリグリセリドの中から選ばれる少なくとも1種からなる成分(2)と、パルミチン酸(C16)及び/又はステアリン酸(C18)、その誘導体及びパルミチン酸及び/又はステアリン酸を主たる構成脂肪酸とするトリグリセリドの中から選ばれる少なくとも1種から成る成分(3)とを、エステル交換することで可塑性油脂用改質剤に用いる油脂組成物を得ることができる。但し、前記成分(1)、(2)、(3)の少なくとも1つはトリグリセリドであることが重要である。
成分(1)のラウリン酸を主たる構成脂肪酸とするトリグリセリドとしては、例えばパーム核硬化油、ヤシ硬化油などが挙げられる。
成分(2)のカプリル酸、カプリン酸を主たる構成脂肪酸とするトリグリセリドとしては、中鎖脂肪酸トリグリセリドであり、例えば理研ビタミン社製「アクターMシリーズ」やダニスコ社製の中鎖脂肪酸トリグリセリドなどが挙げられる。
成分(3)のパルミチン酸及び/又はステアリン酸を主たる構成脂肪酸とするトリグリセリドとしては、例えば菜種極度硬化油、ハイエルシン菜種極度硬化油、パームステアリン極度硬化油などが挙げられる。
前記エステル交換は常法に従えばよく、触媒は化学触媒を用いても、酵素触媒を用いてもよい。化学触媒として、ナトリウムメチラートやカセインソーダが挙げられる。酵素触媒とは、微生物由来の酵素であるリパーゼのことである。本発明で用いるリパーゼは、位置特異性を有するものでも、位置特異性を有しないものでもよい。本発明で用いるリパーゼとしては、アルカリゲネス属、ムコール属、ペニシリウム属、キャリンダ属等から得られるリパーゼが挙げられる。リパーゼを用いたエステル交換反応は、カラムの連続反応、バッチ反応のどちらでもよい。
前記エステル交換反応において、エステル交換油脂組成物の構成脂肪酸全体において、C12の飽和脂肪酸含量/(C8及びC10の飽和脂肪酸含量の合計量)(重量比)を所望の範囲にするためには、エステル交換時の原料油脂の使用比率を調整することが好ましい。また前記エステル交換によって得られた油脂組成物を、蒸留及び/又は分別することでもC12の飽和脂肪酸含量/(C8及びC10の飽和脂肪酸含量の合計量)(重量比)を所望の範囲にすることができる。
前記蒸留の方法としては、短工程薄膜蒸留や分子蒸留が挙げられる。また、前記分別の方法としては、特に限定されず、有機溶剤を用いて分別する方法及び溶剤を用いないで分別する方法の何れも用いることができる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<ペネトレーション値(以下、ペネ値)の測定>
ペネ値とは、測定温度における稠度を針入度で表したもので、実施例・比較例で得られたショートニングを作製後、直ちに20℃に保管し、保管後1日目と45日目のペネ値をJIS K2220−1993の稠度試験法に準拠し、デジタル式オートペネトロメーター(三田村理研工業製)及びJIS標準品(質量102.5g)のペネトロメーター・コーンを用いて測定した。
<ショートニングの硬さ変化と硬さの評価>
ショートニングの硬さ変化は、保管後1日目と45日目のペネ値の差を用いて、以下の基準で評価した。○:保管中のペネ値変化が10未満、△:保管中のペネ値変化が10〜30、×:保管中のペネ値変化が30超える。
またショートニングの硬さは、ペネ値を用いて以下の基準で評価した。○:ペネ値が115超える、△:ペネ値が100〜115、×:ペネ値が100未満。
(実施例1) 可塑性油脂用改質剤の作製
パーム核硬化油(構成脂肪酸全体中、ラウリン酸:45.0重量%、ミリスチン酸:16.0重量%、カプリル酸:3.5重量%、カプリン酸:3.0重量%、パルミチン酸:9.5重量%、ステアリン酸:22.5重量%)15重量部に対して、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド、理研ビタミン社製「アクターM2」、構成脂肪酸全体中のカプリル酸:99.8重量%(実測値))55重量部、菜種極度硬化油30重量部(構成脂肪酸全体中、ステアリン酸92重量%、パルミチン酸5重量%、アラキジン酸2重量%、ベヘン酸1重量%以下)を混合し、真空下90℃で30分間ランダムエステル交換反応を行い、水を加えて反応停止した後、水洗した。次に、活性白土3重量部を加え、減圧下で攪拌して20分後に全量濾過して得られたエステル交換油脂を、210℃、0.3Paで薄膜蒸留して、構成脂肪酸全体における組成がC8:32.0重量%、C10:0.5重量%、C12:7.4重量%、C14以上の飽和脂肪酸:59.5重量%となるエステル交換油脂組成物を得、他の成分は加えずに可塑性油脂用改質剤とした。
(実施例2) 可塑性油脂用改質剤の作製
パーム核硬化油30重量部に対して、MCT40重量部、菜種極度硬化油30重量部を混合した以外は、実施例1と同様にしてエステル交換油脂組成物を得た。その後、薄膜蒸留(220℃、0.3Pa)して、構成脂肪酸全体における組成がC8:23.4重量%、C10:0.8重量%、C12:13.4重量%、C14以上の飽和脂肪酸:61.7重量%となる油脂組成物を得、他の成分は加えずに可塑性油脂用改質剤とした。
(実施例3) 可塑性油脂用改質剤の作製
パーム核硬化油45重量部に対して、MCT25重量部、菜種極度硬化油30重量部を混合した以外は、実施例1と同様にしてエステル交換油脂組成物を得、他の成分は加えずに可塑性油脂用改質剤とした。得られたエステル交換油脂組成物の構成脂肪酸全体における組成は、C8:21.9重量%、C10:1.4重量%、C12:20.5重量%、C14以上の飽和脂肪酸:55.6重量%であった。
(実施例4) 可塑性油脂用改質剤の作製
パーム核硬化油60重量部に対して、MCT10重量部、菜種極度硬化油30重量部を混合した以外は、実施例1と同様にしてエステル交換油脂組成物を得、他の成分は加えずに可塑性油脂用改質剤とした。得られたエステル交換油脂組成物の構成脂肪酸全体における組成は、C8:9.8重量%、C10:1.8重量%、C12:26.5重量%、C14以上の飽和脂肪酸:61.2重量%であった。
(比較例1) 可塑性油脂用改質剤の作製
MCT70重量部、菜種極度硬化油30重量部を混合した以外は、実施例1と同様にしてエステル交換油脂組成物を得た。その後、薄膜蒸留(210℃、0.3Pa)して、構成脂肪酸全体における組成がC8:38.7重量%、C14以上の飽和脂肪酸:60.7重量%となる油脂組成物を得、他の成分は加えずに可塑性油脂用改質剤とした。
(比較例2) 可塑性油脂用改質剤の作製
パーム核硬化油70重量部、菜種極度硬化油30重量部を混合した以外は、実施例1と同様にしてエステル交換油脂組成物を得、他の成分は加えずに可塑性油脂用改質剤とした。得られたエステル交換油脂組成物の構成脂肪酸全体における組成は、C8:2.1重量%、C10:2.1重量%、C12:30.3重量%、C14以上の飽和脂肪酸:64.7重量%であった。
(実施例5〜8) ショートニング(可塑性油脂)の作製
実施例1〜4で得た可塑性油脂用改質剤5重量部とパーム油95重量部とを融解混合し、急冷捏和機(パワーポイント・インターナショナル社製「マーガリン・スプレッドプロセッサー」、Aユニット:1本、Bユニット:1本)を用いて、冷媒温度:−10℃、流量:10L/hの条件で急冷練り合わせを行い、ショートニングを作製した。捏和時の各ショートニングの出口温度は5〜6℃で、Bユニットの出口温度は14〜17℃であった。A冷却ユニットの滞留時間は、150secで、Bユニットの滞留時間は80secであった。滞留時間の算出は、各ユニットの容量(L)/時間あたり流量(L/sec)により求めた。得られたショートニングについて経日的にペネ値(硬さ)を測定し、それらの結果を表1にまとめた。
Figure 0005736706
(比較例3) ショートニング(可塑性油脂)の作製
可塑性油脂用改質剤を添加せず、パーム油100%のショートニングを実施例5〜8と同様にして作製した。得られたショートニングについて経日的にペネ値(硬さ)を測定し、それらの結果を表1にまとめた。
(比較例4) ショートニング(可塑性油脂)の作製
比較例1で得た可塑性油脂用改質剤5重量部とパーム油95重量部とを融解混合し、実施例5〜8と同様にしてショートニングを作製した。得られたショートニングについて経日的にペネ値(硬さ)を測定し、それらの結果を表1にまとめた。
(比較例5) ショートニング(可塑性油脂)の作製
比較例2で得た可塑性油脂用改質剤5重量部とパーム油95重量部とを融解混合し、実施例5〜8と同様にしてショートニングを作製した。得られたショートニングについて経日的にペネ値(硬さ)を測定し、それらの結果を表1にまとめた。
表1に示したように、C12の飽和脂肪酸含量が0.1〜25重量%未満で、C14〜C22の飽和脂肪酸含量が50〜70重量%で、C12の飽和脂肪酸含量/(C8及びC10の飽和脂肪酸含量の合計)(重量比)が0.025〜2.5である改質剤を添加した実施例5〜8では、硬さの経日変化も小さく、硬さも柔らかかった。特に、C12の飽和脂肪酸含量が20%以下で、その傾向が顕著であった。これは、比較例4のC12の飽和脂肪酸を含まない改質剤と比べて、硬さが柔らかく、その経日変化は同程度であった。一方、改質剤を添加せず、パーム油のみで作製した比較例3のショートニングは、硬さが硬く、その経日変化も大きかった。また、C8とC10の飽和脂肪酸含量が少なく、C12の飽和脂肪酸含量が25重量%以上である比較例5では、硬さの経日変化は小さかったが、硬さが硬かった。

Claims (2)

  1. パーム由来油を主原料として50〜95重量%含有する可塑性油脂に用いる改質剤であって、構成脂肪酸全体中、C12の飽和脂肪酸含量が0.1〜25重量%未満且つC14〜C22の飽和脂肪酸含量が50〜70重量%で、C12の飽和脂肪酸含量/(C8及びC10の飽和脂肪酸含量の合計量)(重量比)が0.025〜2.5であるエステル交換油脂組成物を、可塑性油脂用改質剤全体中60〜100重量%含有する可塑性油脂用改質剤(但し、ホイップクリーム用油脂組成物を除く。)
  2. 請求項1に記載の可塑性油脂用改質剤を可塑性油脂全体中で5〜10重量%含有し、パーム由来油を可塑性油脂全体中50〜95重量%含有してなる可塑性油脂。
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