JP2665345B2 - 油脂組成物 - Google Patents
油脂組成物Info
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- JP2665345B2 JP2665345B2 JP63089672A JP8967288A JP2665345B2 JP 2665345 B2 JP2665345 B2 JP 2665345B2 JP 63089672 A JP63089672 A JP 63089672A JP 8967288 A JP8967288 A JP 8967288A JP 2665345 B2 JP2665345 B2 JP 2665345B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、特にフライ用油脂、スプレー用油脂などに
適した油脂組成物に関する。
適した油脂組成物に関する。
天然パーム油を使用したフライ用油脂、スプレー用油
脂として、特公昭61−44120号公報記載のものがある。
該公報記載の油脂は、特定の脂肪酸組成を有する、沃素
価35以下、融点35℃以下の天然パーム油分画油であり、
このものは色調良好、風味淡白でさっぱりとし、硬化臭
がないなどの特徴を有するが、その反面、ハードバター
風の風味を有し、フライ油やスプレー油としての使用に
際して、酸価上昇が早く、フライ表皮に油脂の結晶が分
散、表出して白色化するなどの問題を有するものであっ
た。
脂として、特公昭61−44120号公報記載のものがある。
該公報記載の油脂は、特定の脂肪酸組成を有する、沃素
価35以下、融点35℃以下の天然パーム油分画油であり、
このものは色調良好、風味淡白でさっぱりとし、硬化臭
がないなどの特徴を有するが、その反面、ハードバター
風の風味を有し、フライ油やスプレー油としての使用に
際して、酸価上昇が早く、フライ表皮に油脂の結晶が分
散、表出して白色化するなどの問題を有するものであっ
た。
従って、本発明の目的は、フライ用油脂、スプレー用
油脂として用いても、油脂の酸価上昇、油脂の結晶によ
る白色化の抑制された油脂組成物を提供することにあ
る。
油脂として用いても、油脂の酸価上昇、油脂の結晶によ
る白色化の抑制された油脂組成物を提供することにあ
る。
本発明は、沃素価46以下でジグリセリド含量が3.5%
以下の天然クリーム油中融点画分40〜95%、沃素価100
〜140の天然植物油60〜5%からなる、沃素価が39〜9
5、構成脂肪酸中のジエン脂肪酸以上の多不飽和脂肪酸
が5〜40%、固体脂含有率が10℃で30%以上、20℃で10
%以上、30℃で10%以下であることを特徴とする油脂組
成物を提供することにより上記目的を達成したものであ
る。
以下の天然クリーム油中融点画分40〜95%、沃素価100
〜140の天然植物油60〜5%からなる、沃素価が39〜9
5、構成脂肪酸中のジエン脂肪酸以上の多不飽和脂肪酸
が5〜40%、固体脂含有率が10℃で30%以上、20℃で10
%以上、30℃で10%以下であることを特徴とする油脂組
成物を提供することにより上記目的を達成したものであ
る。
以下本発明の油脂組成物について詳述する。
本発明の油脂組成物の第一成分である天然パーム油中
融点画分は、沃素価46以下でジグリセリド含量3.5%以
下、好ましくは3%以下のものである。天然パーム油中
融点画分が沃素価が46を超えると、色調、風味ともに悪
くなり、安定性も悪化し、またジグリセリド含量が3.5
%を超えると、パーム油のジグリセリドは飽和酸が多い
ため、加水分解や転移反応が起こりやすくなって好まし
くない。
融点画分は、沃素価46以下でジグリセリド含量3.5%以
下、好ましくは3%以下のものである。天然パーム油中
融点画分が沃素価が46を超えると、色調、風味ともに悪
くなり、安定性も悪化し、またジグリセリド含量が3.5
%を超えると、パーム油のジグリセリドは飽和酸が多い
ため、加水分解や転移反応が起こりやすくなって好まし
くない。
更に、本発明の油脂組成物中、上記天然パーム油中融
点画分は40〜95%である。40%未満では、油脂組成物の
安定性や結晶の状態が悪化し、例えばドーナッツを揚げ
たとき、砂糖泣き現象を起こすようになるので、好まし
くなく、また95%を超えると、酸価の上昇が早く、風味
が劣化し、ハードバター臭が顕著になり、フライ油とし
て用いるとフライ表皮に白化現象が起こりやすくなり、
本発明の効果を得ることができない。
点画分は40〜95%である。40%未満では、油脂組成物の
安定性や結晶の状態が悪化し、例えばドーナッツを揚げ
たとき、砂糖泣き現象を起こすようになるので、好まし
くなく、また95%を超えると、酸価の上昇が早く、風味
が劣化し、ハードバター臭が顕著になり、フライ油とし
て用いるとフライ表皮に白化現象が起こりやすくなり、
本発明の効果を得ることができない。
また、本発明の油脂組成物の第二成分である天然植物
油は、沃素価が100〜140である。かかる天然植物油のう
ち、沃素価が140を超えるものは、安定性、風味が悪
く、また沃素価が100未満のものは、酸価抑制効果が少
ない。
油は、沃素価が100〜140である。かかる天然植物油のう
ち、沃素価が140を超えるものは、安定性、風味が悪
く、また沃素価が100未満のものは、酸価抑制効果が少
ない。
更に本発明の油脂組成物中、上記天然植物油は60〜5
%である。5%未満では、油脂組成物に上述の如き白化
現象が生じ、また酸価抑制効果が少なく、また60%を超
えると、安定性が悪くなって本発明の効果を得ることが
できない。
%である。5%未満では、油脂組成物に上述の如き白化
現象が生じ、また酸価抑制効果が少なく、また60%を超
えると、安定性が悪くなって本発明の効果を得ることが
できない。
本発明の油脂組成物に用いられる上記天然植物油とし
ては、米糠油、ナタネ油、大豆油、コーン油及びそれら
のブレンド油等が好ましく、特に米糠油が好ましい。
ては、米糠油、ナタネ油、大豆油、コーン油及びそれら
のブレンド油等が好ましく、特に米糠油が好ましい。
本発明の油脂組成物は、上記第一成分及び第二成分か
らなり、しかも全体として沃素価が39〜95、構成脂肪酸
中のジエン脂肪酸以上の多不飽和脂肪酸が5〜40%、固
体脂含有率が10℃で30%以上、20℃で10%以上、30℃で
10%以下であるものである。従って、本発明の油脂組成
物は、沃素価、多不飽和脂肪酸及び固体脂含有率がかか
る範囲に入るように、第一、第二成分を調整して配合し
たものである。
らなり、しかも全体として沃素価が39〜95、構成脂肪酸
中のジエン脂肪酸以上の多不飽和脂肪酸が5〜40%、固
体脂含有率が10℃で30%以上、20℃で10%以上、30℃で
10%以下であるものである。従って、本発明の油脂組成
物は、沃素価、多不飽和脂肪酸及び固体脂含有率がかか
る範囲に入るように、第一、第二成分を調整して配合し
たものである。
本発明の油脂組成物において、沃素価が39未満では、
酸価上昇抑制効果が少なく風味が悪くなり、また沃素価
が95を超えると、アイシング性が不良で安定性が悪くな
る。
酸価上昇抑制効果が少なく風味が悪くなり、また沃素価
が95を超えると、アイシング性が不良で安定性が悪くな
る。
また、本発明の油脂組成物の構成脂肪酸中、ジエン脂
肪酸以上の多不飽和脂肪酸が5%未満であると、風味上
好ましいものができず、また40%を超えると、安定性が
悪化する。
肪酸以上の多不飽和脂肪酸が5%未満であると、風味上
好ましいものができず、また40%を超えると、安定性が
悪化する。
更に、本発明の油脂組成物の固体脂含有率が10℃で30
%以上、20%で10%以上、30℃で10%以下となるように
調整されなければ、口溶けが悪くなる。
%以上、20%で10%以上、30℃で10%以下となるように
調整されなければ、口溶けが悪くなる。
本発明の油脂組成物においては、油脂組成物に固さを
持たせるため、この油脂組成物に融点50℃以上の部分ま
たは全水素添加油脂を、5%以下含有させることができ
る。この油脂の配合量が5%を超えると、硬化臭が出、
固くなりすぎ、安定性も悪化して好ましくない。このよ
うな融点50℃以上の部分または全水素添加油脂として
は、例えばナタネ油、大豆油、コーン油、綿実油などの
植物油、及び魚油、豚油、牛油などの植物油夫々の硬化
油などが挙げられ、特にナタネ硬化油を用いるのが好ま
しい。
持たせるため、この油脂組成物に融点50℃以上の部分ま
たは全水素添加油脂を、5%以下含有させることができ
る。この油脂の配合量が5%を超えると、硬化臭が出、
固くなりすぎ、安定性も悪化して好ましくない。このよ
うな融点50℃以上の部分または全水素添加油脂として
は、例えばナタネ油、大豆油、コーン油、綿実油などの
植物油、及び魚油、豚油、牛油などの植物油夫々の硬化
油などが挙げられ、特にナタネ硬化油を用いるのが好ま
しい。
以上のように調整された本発明の油脂組成物は、その
ままフライ用油脂、スプレー用油脂として極めて好まし
く用いることができ、更にショートニング原料油脂とし
て用いることもできる。この際、フライ用油脂、スプレ
ー用油脂、ショートニング原料油脂などに、通常用いら
れる各種添加剤を用いることができる。
ままフライ用油脂、スプレー用油脂として極めて好まし
く用いることができ、更にショートニング原料油脂とし
て用いることもできる。この際、フライ用油脂、スプレ
ー用油脂、ショートニング原料油脂などに、通常用いら
れる各種添加剤を用いることができる。
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例では下記表−1に示す油脂組成物を調整し、
夫々の油脂についてIV、AOMを測定した。
夫々の油脂についてIV、AOMを測定した。
一方、上記油脂800gに対し180℃、6時間でイースト
ドーナッツ30個を揚げる、フライテストを行い、夫々の
AVの上昇及び風味(10人のパネラーによるパネルテス
ト)を調べた。また、揚げたドーナッツを20℃に一晩放
置しアイシング性を観察し、合わせて白色化の有無を検
討した。それらの結果を下記表−1に示した。
ドーナッツ30個を揚げる、フライテストを行い、夫々の
AVの上昇及び風味(10人のパネラーによるパネルテス
ト)を調べた。また、揚げたドーナッツを20℃に一晩放
置しアイシング性を観察し、合わせて白色化の有無を検
討した。それらの結果を下記表−1に示した。
尚、パネラーによる風味テストについては、次のよう
に4段階で評価した。即ち、◎は極めて良好、○は良
好、△は不良、×は極めて不良、であることを示してい
る。またアイシング性についても、風味テストと同様に
4段階で評価した。
に4段階で評価した。即ち、◎は極めて良好、○は良
好、△は不良、×は極めて不良、であることを示してい
る。またアイシング性についても、風味テストと同様に
4段階で評価した。
表−1に示す結果によれば、液状油を配合することに
よって安定性は稍々劣るものの、酸価の上昇を抑制する
効果が得られることが判る。
よって安定性は稍々劣るものの、酸価の上昇を抑制する
効果が得られることが判る。
また、パーム油単独では、ハードバター独特の臭が感
じられて風味が良くなく、しかも揚げ物の表面に白いま
だら模様があらわれるが、本実施例の如く液状油を配合
することによって、風味は格段に改善され、白色化現象
も抑えられることが判る。
じられて風味が良くなく、しかも揚げ物の表面に白いま
だら模様があらわれるが、本実施例の如く液状油を配合
することによって、風味は格段に改善され、白色化現象
も抑えられることが判る。
本発明の油脂組成物は、風味、味などが従来のものよ
りもマイルドで、硬化臭がなく、うま味が強く、またフ
ライ用油脂、スプレー用油脂として用いた場合、本発明
の油脂組成物は、油脂の酸化安定性が良く、油脂の酸価
上昇、付着した油脂の結晶発生による製品の白色化など
が抑制される。
りもマイルドで、硬化臭がなく、うま味が強く、またフ
ライ用油脂、スプレー用油脂として用いた場合、本発明
の油脂組成物は、油脂の酸化安定性が良く、油脂の酸価
上昇、付着した油脂の結晶発生による製品の白色化など
が抑制される。
Claims (1)
- 【請求項1】沃素価46以下でジグリセリド含量が3.5%
以下の天然パーム油中融点画分40〜95%、沃素価100〜1
40の天然植物油60〜5%からなり、沃素価が39〜95、構
成脂肪酸中のジエン脂肪酸以上の多不飽和脂肪酸が5〜
40%、固体脂含有率が10℃で30%以上、20℃で10%以
上、30℃で10%以下であることを特徴とする油脂組成
物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63089672A JP2665345B2 (ja) | 1988-04-12 | 1988-04-12 | 油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63089672A JP2665345B2 (ja) | 1988-04-12 | 1988-04-12 | 油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01262753A JPH01262753A (ja) | 1989-10-19 |
JP2665345B2 true JP2665345B2 (ja) | 1997-10-22 |
Family
ID=13977239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63089672A Expired - Lifetime JP2665345B2 (ja) | 1988-04-12 | 1988-04-12 | 油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2665345B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5578334A (en) * | 1995-04-07 | 1996-11-26 | Brandeis University | Increasing the HDL level and the HDL/LDL ratio in human serum with fat blends |
JP3372735B2 (ja) * | 1995-12-12 | 2003-02-04 | 花王株式会社 | 揚げ菓子類の製造方法 |
US7037550B2 (en) | 2003-05-28 | 2006-05-02 | Conagra Grocery Products Company | Sprayable cookware release composition with fractionated oil and method of preparing food item |
US6905722B2 (en) | 2003-07-03 | 2005-06-14 | Conagra Grocery Products Company | Sprayable cookware release composition with reduced heat induced browning |
JP4650059B2 (ja) * | 2005-03-30 | 2011-03-16 | 不二製油株式会社 | 焼き菓子類製品用油脂組成物及び焼き菓子類製品の製造法 |
JP4786586B2 (ja) * | 2007-04-26 | 2011-10-05 | 日清オイリオグループ株式会社 | 加熱調理用油脂組成物 |
JP5263770B2 (ja) * | 2008-10-27 | 2013-08-14 | 日清オイリオグループ株式会社 | 加熱調理用油脂組成物 |
JP7406923B2 (ja) * | 2019-03-27 | 2023-12-28 | 太陽油脂株式会社 | 加熱調理用油脂組成物 |
JPWO2021230029A1 (ja) * | 2020-05-12 | 2021-11-18 |
-
1988
- 1988-04-12 JP JP63089672A patent/JP2665345B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01262753A (ja) | 1989-10-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
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