JP2003213291A - 油脂組成物 - Google Patents

油脂組成物

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JP2003213291A JP2002330702A JP2002330702A JP2003213291A JP 2003213291 A JP2003213291 A JP 2003213291A JP 2002330702 A JP2002330702 A JP 2002330702A JP 2002330702 A JP2002330702 A JP 2002330702A JP 2003213291 A JP2003213291 A JP 2003213291A
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weight
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fatty acid
crystal
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Kenichi Hashizume
健一 橋爪
Yasuo Okutomi
保雄 奥冨
Toru Kajimura
徹 梶村
Miki Shirahane
みき 白羽根
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Adeka Corp
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Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造する際に、特殊な温度管理をしなくても
安定結晶を含有し、且つ摂取脂肪酸比率も望ましいとさ
れる、飽和脂肪酸:モノ不飽和脂肪酸:ポリ不飽和脂肪
酸=3:4:3を満たす栄養健康機能的にも優れた油脂
組成物を提供すること。また、可塑性範囲が広く、経日
的にも硬さが変化せず安定な油脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 S1US2(S1及びS2は飽和脂肪酸、U
は不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとU
3U(S3は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表す)で
表されるトリグリセリドとからなるコンパウンド結晶を
含有し、且つ全油脂分中における構成脂肪酸の組成が飽
和脂肪酸:25〜35重量%、モノ不飽和脂肪酸:35
〜45重量%、ポリ不飽和脂肪酸:25〜35重量%で
あることを特徴とする油脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製菓・製パン用油
脂として、練り込み用途、折り込み用途、サンド・フィ
リング用途、スプレー・コーティング用途、フライ用途
等に適した物性・機能を有する油脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
マーガリン、ショートニング等の可塑性油脂に使用され
る油脂は“マーガリン ショートニング ラード”(P324
中澤君敏著:株式会社光琳発行)に記載の『マーガリ
ン、ショートニングは常温で結晶性脂肪をもつ可塑性物
質と定義されるが、そのためその物理性は主に稠度、可
塑性及び結晶構造に関連する。物理的にその結晶状態は
Alfaは蝋状(アセトグリセリドの如き)、Betaは粗結
晶、そしてBeta-primeは微粒状である。融点ではAlfa、
Beta-prime、Betaの順に高くなる。マーガリン、ショー
トニング組成の望ましい結晶状態はBeta-primeといわれ
ている。』の通り、その結晶状態はβプライム型のもの
が良好とされ、用いられてきた。
【0003】βプライム型の油脂結晶は微細結晶をとり
乳化安定性に寄与し、良好な稠度を示す。反面このβプ
ライム型結晶はエネルギー的には準安定形であるため、
保存条件等が適切でない場合等には、更にエネルギー的
に安定なβ型結晶へと転移現象を引き起こすという欠点
があった。このβ型結晶は最安定形であるため、これ以
上の転移現象を起こすことはないが、一般に結晶サイズ
が大きく、グレイニングやブルームと呼ばれる粗大結晶
粒を形成し、ザラつきや触感の悪さを呈し、製品価値の
全くないものになってしまう。
【0004】βプライム型を経由するβ型結晶であって
も、結晶サイズの比較的小さなものも知られている。例
えば、カカオ脂のV型結晶がこれに相当し、実質はSO
S、POS等の対称型トリグリセリドのβ2型結晶であ
る。しかしながら、これらの結晶サイズの比較的小さな
β型結晶を得るには、テンパリングと呼ばれる特殊な熱
処理工程を経る必要があったり、所定温度まで冷却した
後、結晶核となる特定成分を加える等、極めて煩雑な工
程を要するものであった。結果として通常の可塑性油脂
を製造するような急冷可塑化工程では、当該結晶は得ら
れないのが実状である。また、カカオ脂のV型結晶は可
塑性に乏しいものである。
【0005】一方、βプライム型で最安定形の油脂でさ
え経日的に硬くなる傾向があり、結晶の析出方法や保存
方法等を細かく管理しなければならなかった。
【0006】上記のような問題点を解決するため、エネ
ルギー的にも安定で且つ微細な結晶を得る目的で、これ
迄にも種々の発明がなされてきた。特許文献1には、特
定のトリグリセリド比率とすることにより、β型結晶を
得る方法が開示されている。また、特許文献2ではエス
テル交換反応により油脂のグレイニングを抑制する方法
が、そして特許文献3には高融点油脂を配合することに
より微細な結晶を維持させる方法が、それぞれ開示され
ている。さらに、特許文献4では、構成脂肪酸として炭
素数16〜22の飽和脂肪酸をグリセリンの2位に、炭
素数16〜18で一つの不飽和結合を有する不飽和脂肪
酸をグリセリンの1、3位に結合した混酸型トリグリセ
リドを含有する方法が開示されている。
【0007】しかし、特許文献1の方法ではβ型結晶を
得るのにテンパリング操作が必要とされ、特許文献2公
報及び特許文献3の方法では、得られた組成物は経日的
に硬くなる傾向があり、油脂組成物として安定性の点で
十分に満足の得られるものではなかった。また、特許文
献4の方法は、カカオ代用脂及びこれを含有する油脂性
菓子用途に限定されたものであった。
【0008】一方、脂肪の栄養機能については、以前は
エネルギーと必須脂肪酸を中心にしたものであったが、
近年では個々の脂肪酸の生理作用を考慮して言及される
ようになってきている。厚生省の“第6次改訂脂質所要
量”(1999年策定、2000年度から適用)による
と、脂肪酸の摂取について次のような指針が示されてい
る。すなわち、脂肪酸の摂取比率としては、飽和脂肪
酸:モノ不飽和脂肪酸:ポリ不飽和脂肪酸=3:4:3
が望ましいとされているのである。前述の各特許文献に
記載された方法では、この摂取脂肪酸の比率に関しても
満足できるものではなかった。
【0009】従って、本発明の目的は、製造する際に特
殊な温度管理をしなくても安定結晶を含有し、且つ摂取
脂肪酸比率も望ましいとされる、飽和脂肪酸:モノ不飽
和脂肪酸:ポリ不飽和脂肪酸=3:4:3を満たす栄養
健康機能的にも優れた油脂組成物を提供することにあ
る。また、可塑性範囲が広く、経日的にも硬さが変化せ
ず安定な油脂組成物を提供することにある。
【0010】
【特許文献1】特公昭51−9763号公報
【特許文献2】特公昭58−13128号公報
【特許文献3】特開平10−295271号公報
【特許文献4】特開平4−135453号公報
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、S1US2(S
1及びS2は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表す)で表
されるトリグリセリド(以下、S1US2とも言う)とU
3U(S3は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表す)で
表されるトリグリセリド(以下、US3Uとも言う)と
からなるコンパウンド結晶を含有し、且つ全油脂分中に
おける構成脂肪酸の組成が飽和脂肪酸:25〜35重量
%、モノ不飽和脂肪酸:35〜45重量%、ポリ不飽和
脂肪酸:25〜35重量%であることを特徴とする油脂
組成物により、上記の目的を達成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の油脂組成物につい
て詳細に説明する。上記のS1US2のS1とS2及びUS
3UのS3は、飽和脂肪酸を示し、カプロン酸、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸等が挙
げられるが、好ましくは炭素数16以上の飽和脂肪酸で
あり、さらに好ましくは、パルミチン酸、ステアリン
酸、アラキジン酸、ベヘニン酸である。また、本発明に
おいて、上記のS1、S2及びS 3が、同じ飽和脂肪酸で
あるのが最も好ましい。
【0013】上記のS1US2のUやUS3UのUは、好
ましくは炭素数16以上のモノ不飽和脂肪酸、さらに好
ましくは炭素数18以上のモノ不飽和脂肪酸、最も好ま
しくはオレイン酸である。
【0014】本発明において、S1US2とUS3Uとか
らなるコンパウンド結晶とは、構造の異なるS1US2
分子とUS3U1分子とが混合された際、あたかも単一
のトリグリセリド分子であるかの如き結晶化挙動を示す
ものである。コンパウンド結晶は分子間化合物とも呼ば
れる。このコンパウンド結晶はトリグリセリド分子のパ
ッキング状態が2鎖長構造をとることが知られている。
【0015】また、上記のコンパウンド結晶は、熱エネ
ルギー的に不安定なα型結晶から、準安定形のβプライ
ム型結晶を経由せず、最安定形のβ型結晶に直接転移し
たものである。
【0016】つまり、上記のコンパウンド結晶は、S1
US2とUS3Uを混合、溶解した後、冷却し、結晶化す
ることにより、最安定形のβ型結晶で、且つトリグリセ
リド分子のパッキング状態が2鎖長構造を示す結晶とし
て析出する。この際、上記の結晶化条件は如何なる結晶
化条件であってもよく、テンパリング等の特殊な熱処理
を必要としない。
【0017】本発明の油脂組成物は、油相を70℃で完
全融解した後、0℃で30分間保持し、5℃で7日間保
持した際に得られる油脂結晶が、2鎖長構造のβ型結晶
であることが好ましい。5℃で7日間保持した際に得ら
れる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることが好ま
しいが、5℃で4日間保持した際に得られる油脂結晶が
2鎖長構造のβ型結晶であることがさらに好ましく、5
℃で1日間保持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造
のβ型結晶であることが一層好ましく、5℃で1時間保
持した際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶で
あることがさらに一層好ましく、5℃で30分間保持し
た際に得られる油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶である
ことが最も好ましい。このようにして油脂結晶が2鎖長
構造のβ型結晶をとることが確認されれば、本発明の油
脂組成物はコンパウンド結晶を含有していると言える。
【0018】また、上記の油脂結晶が2鎖長構造のβ型
結晶であることを確認する方法としては、例えばX線回
折測定による方法が挙げられる。X線回折測定において
は、上記の油脂結晶について、短面間隔を2θ:17〜
26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折ピークを示した場合に、
該油脂結晶はβ型結晶であると判断する。一方、上記の
油脂結晶について、長面間隔を2θ:0〜8度の範囲で
測定し、40〜50オングストロームに相当する回折ピ
ークを示した場合に、2鎖長構造をとっていると判断す
る。
【0019】X線回折測定において、以下のようにして
短面間隔を測定すると、油脂結晶がβ型結晶であるかど
うかの判断がさらに高い精度で可能となる。具体的に
は、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、
4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する範
囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度1)と、
4.2〜4.3オングストロームの面間隔に対応する範
囲に最大値を有するピーク強度(ピーク強度2)とをと
り、ピーク強度1/ピーク強度2の比が、1.3以上、
好ましくは1.7以上、より好ましくは2.2以上、最
も好ましくは2.5以上となった場合にβ型結晶である
と判断する。
【0020】従来のマーガリンやショートニング等の可
塑性油脂は、用いられている油相を70℃で完全融解し
た後、0℃で30分間保持し、5℃で7日間保持した際
に得られる油脂結晶が、2鎖長構造である点では、本発
明の油脂組成物と同一であるが、該油脂結晶が準安定形
のβプライム型である点で、本発明の油脂組成物とは異
なる。また、主にチョコレート等の油脂性菓子に用いら
れるカカオ脂は、70℃で完全融解した後、0℃で30
分間保持し、5℃で7日間保持した際に得られる油脂結
晶が、最安定形のβ型である点では、本発明の油脂組成
物と同一であるが、該油脂結晶の鎖長構造が3鎖長であ
る点で、本発明の油脂組成物とは異なる。
【0021】油相を70℃で完全融解した後、0℃で3
0分間保持し、5℃で7日間保持した際に得られる油脂
結晶が2鎖長構造のβ型結晶とならない場合、例えばβ
プライム型で最安定形となる油脂組成物は、油脂組成物
が経日的に硬くなる傾向があり、結晶の析出方法や保存
方法等を細かく管理しなければ油脂組成物としては好ま
しくないものとなる。
【0022】本発明の油脂組成物では、S1US2とUS
3Uとからなるコンパウンド結晶を含有することが必要
であり、S1US2とUS3Uとからなるコンパウンド結
晶を含有しない場合には、経日的に硬くなる傾向があ
り、結晶の析出方法や保存方法等を細かく管理しなけれ
ば油脂組成物としては好ましくないものとなる。
【0023】そして、本発明では、S1US2とUS3
とからなるコンパウンド結晶が実質的に微細結晶である
ことが好ましい。
【0024】上記の微細結晶とは、油脂結晶が微細であ
ることであり、口にしたり、触った際にもザラつきを感
ずることのない結晶であることを意味し、好ましくは2
0μm以下、さらに好ましくは10μm以下、最も好ま
しくは3μm以下のサイズの油脂結晶を指す。上記サイ
ズとは、結晶の最大部位の長さを示すものである。結晶
のサイズが20μmを超えた油脂結晶を用いた場合、口
にしたり、触った際にザラつきを感じやすく、液状油成
分を保持することが困難となり製品の油滲みを起こしや
すく、水相成分を有する油中水型乳化とした際には、水
相成分を油脂結晶により形成される3次元構造中に維持
できない恐れがある。
【0025】本発明では、上述のようにS1US2とUS
3Uとからなるコンパウンド結晶が実質的に微細結晶で
あることが好ましい。この「実質的に」とは、全てのS
1US2とUS3Uとからなるコンパウンド結晶のうち、
微細結晶を好ましくは90重量%以上、さらに好ましく
は95重量%以上、最も好ましくは99重量%以上含有
することを指す。
【0026】本発明の油脂組成物に含有されるS1US2
とUS3Uとからなるコンパウンド結晶は、S1US2
表されるトリグリセリドやS1US2を含有する油脂と、
US 3Uで表されるトリグリセリドやUS3Uを含有する
油脂とから製造できる。
【0027】上記のS1 US2 やUS3 Uとしては、天
然に存在するS1 US2 やUS3 Uでも構わないし、又
は分別により純度を上げたものでも構わない。さらに、
トリ飽和トリグリセリド(SSS)とトリ不飽和トリグ
リセリド(UUU)、又はトリ不飽和トリグリセリド
(UUU)と飽和脂肪酸とをエステル交換し(酵素によ
る選択的エステル交換が好ましい)、さらに蒸留や分別
によりS1 US2 とUS 3 Uの純度を上げたもの等、ど
のような方法によって得られたものでも構わない。
【0028】上記のS1US2を含有する油脂としては、
例えば、パーム油、カカオバター、シア脂、マンゴー核
油、サル脂、イリッペ脂、コクム脂、デュパー脂、モー
ラー脂、フルクラ脂、チャイニーズタロー等の各種植物
油脂、これらの各種植物油脂を分別した加工油脂、並び
に下記のエステル交換油、該エステル交換油を分別した
加工油脂を用いることができる。本発明では、これらの
中から選ばれた1種又は2種以上を用いる。
【0029】上記のエステル交換油としては、パーム
油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実
油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー
油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴ
ー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植
物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添
加及び/又は分別して得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪
酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交
換油が挙げられる。
【0030】上記のUS3Uを含有する油脂としては、
例えば、豚脂、豚脂分別油、下記のエステル交換油を用
いることができ、本発明ではこれらの中から選ばれた1
種又は2種以上を用いる。
【0031】上記のエステル交換油としては、パーム
油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実
油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー
油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴ
ー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植
物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添
加、分別して得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級ア
ルコールエステルを用いて製造したエステル交換油が挙
げられる。
【0032】本発明の油脂組成物において、上記のS1
US2とUS3Uとからなるコンパウンド結晶の含有量
は、本発明の油脂組成物の全油脂分中、好ましくは5重
量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、最も好ま
しくは30重量%以上とする。S1US2とUS3Uとか
らなるコンパウンド結晶の含有量が、本発明の油脂組成
物の全油脂分中、5重量%未満であると、経日的に20
μmを越えたサイズを有するβ型結晶が出現しやすく、
経日的に硬くなりやすい。
【0033】本発明の油脂組成物において、上記のS1
US2を含有する油脂の含有量は、本発明の油脂組成物
の全油脂分中、好ましくは2.5重量%以上、さらに好
ましくは5重量%以上、最も好ましくは15重量%以上
50重量%以下とし、上記のUS3Uを含有する油脂の
含有量は、本発明の油脂組成物の全油脂分中、好ましく
は2.5重量%以上、さらに好ましくは5重量%以上、
最も好ましくは15重量%以上50重量%以下とする。
【0034】また、本発明の油脂組成物中のS1US2
表されるトリグリセリドとUS3Uで表されるトリグリ
セリドとの比率は、US3U/S1US2がモル比率で、
好ましくは0.4〜2.5、さらに好ましくは0.6〜
1.5、最も好ましくは0.8〜1.2となるようにす
る。
【0035】また、本発明の油脂組成物において、S1
US2及びUS3Uを含有しない油脂を添加しても良い。
1US2及びUS3Uを含有しない油脂を添加する場
合、その添加量は、本発明の油脂組成物の全油脂分中、
好ましくは95重量%以下、さらに好ましくは90重量
%以下、最も好ましくは70重量%以下である。
【0036】本発明の油脂組成物の全油脂分中におい
て、構成脂肪酸の組成が、飽和脂肪酸:25〜35重量
%、モノ不飽和脂肪酸:35〜45重量%、ポリ不飽和
脂肪酸:25〜35重量%であることも必須である。さ
らに好ましくは、構成脂肪酸の組成が、飽和脂肪酸:2
8〜32重量%、モノ不飽和脂肪酸:38〜42重量
%、ポリ不飽和脂肪酸:28〜32重量%である。構成
脂肪酸の組成が、これらの範囲にないと、厚生省の"第
6次改訂脂質所要量"に掲げられた、望ましい脂肪酸の
摂取比率、即ち、飽和脂肪酸:モノ不飽和脂肪酸:ポリ
不飽和脂肪酸=3:4:3を満たすことができない。構
成脂肪酸の組成が、上記の範囲にあるとき、摂取脂肪酸
比率は、望ましいとされる、飽和脂肪酸:モノ不飽和脂
肪酸:ポリ不飽和脂肪酸=3:4:3を満たし、栄養健
康機能的にも優れた油脂組成物を得ることができる。
【0037】また、本発明の油脂組成物は、実質的にト
ランス酸を含まない方が好ましい。水素添加は、油脂の
融点を上昇させる典型的な方法である。この水素添加油
脂は、完全水素添加油脂を除いて、通常構成脂肪酸中に
トランス酸が10〜50重量%程度含まれている。一
方、天然油脂中にはトランス酸が殆ど存在せず、反芻動
物由来の油脂に10重量%未満含まれているにすぎな
い。近年、化学的な処理、特に水素添加に付されていな
い油脂組成物、即ち実質的にトランス酸を含まない油脂
組成物であって、適切なコンシステンシーを有するもの
も要求されている。ここでいう「実質的に」とは、本発
明の油脂組成物の全構成脂肪酸中、好ましくは10重量
%未満、さらに好ましくは5重量%以下、最も好ましく
は1重量%以下である。
【0038】本発明の油脂組成物は、さらに高融点油脂
を含有することが好ましい。高融点油脂を配合すること
により、本発明の油脂組成物の耐熱保型性が向上し、製
パン用途、ロールイン用途(デニッシュ用途)に使用し
た際、パン・デニッシュ製造におけるホイロ時の生地の
伸びを向上させることが出来る。
【0039】上記の高融点油脂の融点は、好ましくは4
0℃以上、さらに好ましくは50℃以上、最も好ましく
は55℃以上80℃以下である。融点が40℃未満の油
脂では、ホイロ時の生地の伸びが充分に得られにくい。
【0040】また、上記の高融点油脂は、本発明の油脂
組成物の全油脂分中、好ましくは0〜30重量%、さら
に好ましくは0〜10重量%、最も好ましくは0〜5重
量%である。本発明の油脂組成物の全油脂分中における
上記の高融点油脂の含有量が、30重量%を越えると、
口溶けが悪化しやすい。
【0041】上記の高融点油脂の具体例としては、例え
ば、パーム油、カカオバター、或いは、パーム核油、ヤ
シ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ
油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚
脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚
油、鯨油等の各種動植物油脂に水素添加、分別並びにエ
ステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した
加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用
いて製造したエステル交換油が挙げられる。なお、本発
明の油脂組成物は実質的にトランス酸を含まない方が好
ましいため、各種動植物油脂を水素添加する場合は、完
全水素添加であることが好ましい。
【0042】本発明の油脂組成物に含有させることがで
きるその他の成分としては、例えば、水、乳化剤、増粘
安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、
グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビ
ア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメ
ル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等
の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白卵
及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整
剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒ
ー、ナッツペースト、香辛料、カカオマス、ココアパウ
ダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材
や食品添加物が挙げられる。
【0043】上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン
有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステ
アロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウ
ム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン
類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種
以上を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特
に制限はないが、本発明の油脂組成物中、好ましくは0
〜3重量%、さらに好ましくは0〜1重量%である。
【0044】上記増粘安定剤としては、グアーガム、ロ
ーカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、ア
ルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タ
マリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロー
ス、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉
等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以
上を用いることができる。上記増粘安定剤の配合量は、
特に制限はないが、本発明の油脂組成物中、好ましくは
0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%であ
る。
【0045】本発明の油脂組成物は、可塑性油脂組成物
であることが好ましいが、液状であってもよく、またマ
ーガリンタイプでもショートニングタイプでもよく、ま
たその乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化
型のいずれでも構わない。
【0046】次に本発明の油脂組成物の製造方法を説明
する。本発明では、S1US2とUS3Uを含有し、且つ
全油脂分中における構成脂肪酸の組成が飽和脂肪酸:2
5〜35重量%、モノ不飽和脂肪酸:35〜45重量
%、ポリ不飽和脂肪酸:25〜35重量%である混合物
を溶解した後、冷却し、結晶化させることにより、S1
US2とUS3Uとからなるコンパウンド結晶を含有し、
且つ全油脂分中における構成脂肪酸の組成が飽和脂肪
酸:25〜35重量%、モノ不飽和脂肪酸:35〜45
重量%、ポリ不飽和脂肪酸:25〜35重量%である油
脂組成物を得るものである。
【0047】このような製造方法で得られる油脂組成物
に含まれるコンパウンド結晶は、熱エネルギー的に不安
定なα型結晶から、準安定形のβプライム型結晶を経由
せず、最安定形のβ型結晶に直接転移したものである。
つまり、上記の製造方法において如何なる結晶化条件で
あっても、最安定形のβ型結晶で、且つトリグリセリド
分子のパッキング状態が2鎖長構造を示すコンパウンド
結晶が析出する。この際、上記の結晶化条件は如何なる
結晶化条件であってもよく、テンパリング等の特殊な熱
処理を必要としない。
【0048】本発明の油脂組成物をスプレー用油脂組成
物やフライ用油脂組成物として用いる場合の製造方法
は、特に制限はないが、S1US2とUS3Uを含有し、
且つ全油脂分中における構成脂肪酸の組成が飽和脂肪
酸:25〜35重量%、モノ不飽和脂肪酸:35〜45
重量%、ポリ不飽和脂肪酸:25〜35重量%である混
合物に、必要によりその他の成分を混合し、溶解し、そ
して冷却し、結晶化させることにより得ることができ
る。
【0049】本発明の油脂組成物を練り込み用油脂組成
物、ロールイン用油脂組成物、クリーム用油脂組成物等
の可塑性油脂組成物として用いる場合の製造方法は、特
に制限はないが、S1US2とUS3Uを含有し、且つ全
油脂分中における構成脂肪酸の組成が飽和脂肪酸:25
〜35重量%、モノ不飽和脂肪酸:35〜45重量%、
ポリ不飽和脂肪酸:25〜35重量%である混合物と、
必要によりその他の成分を混合し、溶解する。そして、
次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法はタンクでの
バッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換
機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却し、結晶化
する。本発明において、冷却条件は好ましくは−0.5
℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上である。
この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましいが、本発明
では徐冷却であっても、微細なβ型結晶をとり、可塑性
範囲が広く、経日的にも硬さが変化せず安定した油脂組
成物を得ることができる。冷却する機器としては、密閉
型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネ
ーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレー
ト型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクー
ラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
【0050】また、本発明の油脂組成物を製造する際の
いずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、
させなくても構わない。
【0051】また、S1US2とUS3Uとからなるコン
パウンド結晶を含有し、且つ全油脂分中における構成脂
肪酸の組成が飽和脂肪酸:25〜35重量%、モノ不飽
和脂肪酸:35〜45重量%、ポリ不飽和脂肪酸:25
〜35重量%である油脂組成物を用いた本発明の食品と
は、具体的には、S1US2とUS3Uとからなるコンパ
ウンド結晶を含有し、且つ全油脂分中における構成脂肪
酸の組成が飽和脂肪酸:25〜35重量%、モノ不飽和
脂肪酸:35〜45重量%、ポリ不飽和脂肪酸:25〜
35重量%である、スプレー用油脂組成物、フライ用油
脂組成物、練り込み用油脂組成物、ロールイン用油脂組
成物、クリーム用油脂組成物等を用いて製造したもので
ある。
【0052】本発明の油脂組成物は、食パン、菓子パ
ン、デニッシュ、パイ、シュー、ドーナツ、ケーキ、ク
ッキー、ハードビスケット、ワッフル、スコーン等のベ
ーカリー製品に、練り込み用、折込み用、フィリング
用、サンド用、トッピング用、スプレッド用、スプレー
用、コーティング用、フライ用等として使用することが
できる。また、本発明の油脂組成物の上記用途における
使用量は、使用用途により異なるものであり、特に限定
されるものではない。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、これらの実施例により何等制限され
るものではない。 また、St:ステアリン酸、O:オレイン酸、P:パル
ミチン酸、L:ラウリン酸、M:ミリスチン酸、S:飽
和脂肪酸、U:不飽和脂肪酸を示す。
【0054】(実施例1)大豆極度硬化油とオレイン酸
エチルを、重量比2:3の割合で混合、溶解し、1,3
位置選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。反
応物から分子蒸留により脂肪酸を取り除き、得られた油
脂を分別、精製することによりOStO含量60重量%
の油脂を得た。このOStO含有油脂50重量%、マン
ゴー核分別中部油50重量%を混合し、60℃で溶解
し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油(a)を得た。
混合油(a)はStOStを30重量%、OStOを3
0重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認し
たところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
【0055】確認のため、混合油(a)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0056】上記混合油(a)60重量%及び大豆油4
0重量%を混合し、60℃で溶解させ、配合油を得た。
尚、この配合油の脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:32重量
%、モノ不飽和脂肪酸:40重量%、ポリ不飽和脂肪
酸:28重量%、しかもトランス酸含量は5重量%以下
であった。この配合油80.4重量%に乳化剤としてス
テアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレシチン0.
1重量%を混合溶解して得られた油相81重量%と水1
6重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法に
より、油中水型の乳化物(b)とし、急冷可塑化工程
(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得
た。得られたマーガリンは光学顕微鏡下で、3μm以下
の微細結晶であり、マーガリンの油相を上記と同条件で
X線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をと
り、コンパウンド結晶を含有することを確認した。ま
た、全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は36重量
%であった。
【0057】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が500g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も500g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0058】(実施例2)通常の急冷可塑化工程での冷
却速度は−20℃/分以上であるが、実施例1で用いた
乳化物(b)を更に緩慢な冷却条件(冷却速度にして−
1℃/分)下で冷却可塑化した。得られたマーガリンは
通常の急冷可塑化時と同様に、3μm以下の微細な2鎖
長構造のβ型結晶をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、5℃のレオメーター値が750
g/cm2と低温でも軟らかくて可塑性範囲が広く、製
造から1ヶ月経過後での5℃のレオメーター値も750
g/cm2と経日的にも硬さが変化せず、安定した油脂
組成物であった。
【0059】(実施例3)大豆極度硬化油とハイオレイ
ックひまわり油を、重量比1:1の割合で混合、溶解
し、1,3位置選択的酵素を用いてエステル交換反応を
行った。得られた油脂を分別、精製することによりOS
tO含量40重量%の油脂を得た。このOStO含有油
脂60重量%、シア分別中部油40重量%を混合し、6
0℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油
(c)を得た。混合油(c)はStOStを24重量
%、OStOを24重量%含有し、DSCにより結晶転
移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ
型結晶であった。
【0060】確認のため、混合油(c)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0061】上記混合油(c)60重量%及び大豆油4
0重量%を混合し、60℃で溶解させ、配合油を得た。
尚、この配合油の脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:34重量
%、モノ不飽和脂肪酸:39重量%、ポリ不飽和脂肪
酸:27重量%、しかもトランス酸含量は5重量%以下
であった。この配合油80.4重量%に乳化剤としてス
テアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレシチン0.
1重量%を混合溶解して得られた油相81重量%と水1
6重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法に
より、油中水型の乳化物(d)とし、急冷可塑化工程
(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得
た。得られたマーガリンは光学顕微鏡下で、3μm以下
の微細結晶であり、マーガリンの油相を上記と同条件で
X線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をと
り、コンパウンド結晶を含有することを確認した。ま
た、全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は29重量
%であった。
【0062】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が650g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も650g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0063】(実施例4)通常の急冷可塑化工程での冷
却速度は−20℃/分以上であるが、実施例3で用いた
乳化物(d)を更に緩慢な冷却条件(冷却速度にして−
1℃/分)下で冷却可塑化した。得られたマーガリンは
通常の急冷可塑化時と同様に、3μm以下の微細な2鎖
長構造のβ型結晶をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、5℃のレオメーター値が107
0g/cm2と低温でも軟らかくて可塑性範囲が広く、
製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメーター値も10
70g/cm2と経日的にも硬さが変化せず、安定した
油脂組成物であった。
【0064】(実施例5)パーム油を60℃で溶解し、
0℃に冷却し、結晶化させDSCにより結晶転移の有無
を確認したところ、βプライム型をとる油脂であった。
確認のため、このパーム油を70℃で完全溶解し、0℃
で30分保持し、そして5℃で30分間保持し結晶析出
させたものを2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定
を実施したところ、4.2オングストロームの面間隔に
対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβプライ
ム型をとることが確認された。
【0065】このパーム油25重量%、実施例1で用い
た混合油(a)40重量%及び大豆油35重量%を混合
し、60℃で溶解させ、配合油を得た。尚、この配合油
の脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:35重量%、モノ不飽和
脂肪酸:38重量%、ポリ不飽和脂肪酸:27重量%、
しかもトランス酸含量は5重量%以下であった。この混
合溶解して得られた配合油を急冷可塑化工程(−20℃
/分以上)にかけ、ショートニングを得た。得られたシ
ョートニングは光学顕微鏡下で3μm以下の微細油脂結
晶であり、上記と同条件でX線回折測定を行ったとこ
ろ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有
することを確認した。また、全油脂分中のコンパウンド
結晶の含有量は24重量%であった。
【0066】また、得られたショートニングは5℃のレ
オメーター値が1300g/cm2と低温でも軟らかく
て可塑性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃の
レオメーター値も1300g/cm2と経日的にも硬さ
が変化せず安定した油脂組成物であった。
【0067】(実施例6)通常の急冷可塑化工程での冷
却速度は−20℃/分以上であるが、実施例5で用いた
パーム油25重量%、混合油(a)40重量%及び大豆
油35重量%の配合油を更に緩慢な冷却条件(冷却速度
にして−1℃/分)下で、冷却可塑化した。得られたシ
ョートニングは通常の急冷可塑化時と同様に、3μm以
下の微細な2鎖長構造のβ型結晶をとり、コンパウンド
結晶を含有することを確認した。また、5℃のレオメー
ター値が1500g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も1500g/cm 2と経日的にも硬さが変化
せず安定した油脂組成物であった。
【0068】(実施例7)ハイオレイックひまわり油、
パルミチン酸及びステアリン酸を、重量比15:8:2
の割合で混合、溶解し、1,3位置選択的酵素を用いて
エステル交換反応を行った。反応物から分子蒸留により
脂肪酸を取り除き、得られた油脂を分別、精製すること
によりUSU含量60重量%の油脂を得た。このUSU
含有油脂50重量%、シア分別中部油50重量%を混合
し、60℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合
油(e)を得た。混合油(e)はSUSを30重量%、
USUを30重量%含有し、DSCにより結晶転移の有
無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶
であった。
【0069】確認のため、混合油(e)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に2θ:0〜8度の範囲でX線
回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が
2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の
形成が示された。
【0070】上記混合油(e)60重量%と、大豆油4
0重量%を混合し、60℃で溶解させ、配合油を得た。
尚、この配合油の脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:32重量
%、モノ不飽和脂肪酸:40重量%、ポリ不飽和脂肪
酸:28重量%、しかもトランス酸含量は5重量%以下
であった。この配合油80.4重量%に乳化剤としてス
テアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレシチン0.
1重量%を混合溶解して得られた油相81重量%と水1
6重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法に
より、油中水型の乳化物(f)とし、急冷可塑化工程
(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得
た。得られたマーガリンは光学顕微鏡下で、3μm以下
の微細結晶であり、マーガリンの油相を上記と同条件で
X線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をと
り、コンパウンド結晶を含有することを確認した。また
全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は36重量%で
あった。
【0071】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が840g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も840g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0072】(実施例8)通常の急冷可塑化工程での冷
却速度は−20℃/分以上であるが、実施例7で用いた
乳化物(f)を更に緩慢な冷却条件(冷却速度にして−
1℃/分)下で冷却可塑化した。得られたマーガリンは
通常の急冷可塑化時と同様に、3μm以下の微細な2鎖
長構造のβ型結晶をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、5℃のレオメーター値が970
g/cm2と低温でも軟らかくて可塑性範囲が広く、製
造から1ヶ月経過後での5℃のレオメーター値も970
g/cm2と経日的にも硬さが変化せず、安定した油脂
組成物であった。
【0073】(実施例9)パームステアリンとオレイン
酸エチルを、重量比2:3の割合で混合、溶解し、1,
3位置選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。
反応物から分子蒸留により脂肪酸を取り除き、得られた
油脂を分別、精製することによりOPO含量55重量%
の油脂を得た。このOPO含有油脂52重量%、マンゴ
ー核分別中部油48重量%を混合し、60℃で溶解し、
0℃に冷却し、結晶化させ、混合油(g)を得た。混合
油(g)はStOStを29重量%、OPOを29重量
%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したとこ
ろ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
【0074】確認のため、混合油(g)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0075】上記混合油(g)60重量%及び大豆油4
0重量%を混合し、60℃で溶解させ、配合油を得た。
尚、この配合油の脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:30重量
%、モノ不飽和脂肪酸:41重量%、ポリ不飽和脂肪
酸:29重量%、しかもトランス酸含量は5重量%以下
であった。この配合油80.4重量%に乳化剤としてス
テアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレシチン0.
1重量%を混合溶解して得られた油相81重量%と水1
6重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法に
より、油中水型の乳化物(h)とし、急冷可塑化工程
(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得
た。得られたマーガリンは光学顕微鏡下で、3μm以下
の微細結晶であり、マーガリンの油相を上記と同条件で
X線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をと
り、コンパウンド結晶を含有することを確認した。ま
た、全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は35重量
%であった。
【0076】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が630g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、スプレッド性が良好なものであった。さ
らに、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメーター値
も630g/cm2と経日的にも硬さが変化せず、安定
した油脂組成物であった。
【0077】(実施例10)通常の急冷可塑化工程での
冷却速度は−20℃/分以上であるが、実施例9で用い
た乳化物(h)を更に緩慢な冷却条件(冷却速度にして
−1℃/分)下で冷却可塑化した。得られたマーガリン
は通常の急冷可塑化時と同様に、3μm以下の微細な2
鎖長構造のβ型結晶をとり、コンパウンド結晶を含有す
ることを確認した。また、5℃のレオメーター値が72
0g/cm2と低温でも軟らかくて可塑性範囲が広く、
スプレッド性が良好なものであった。さらに、製造から
1ヶ月経過後での5℃のレオメーター値も720g/c
2と経日的にも硬さが変化せず、安定した油脂組成物
であった。
【0078】(実施例11)シアステアリンとハイオレ
イックひまわり油を、重量比1:1の割合で混合、溶解
し、1,3位置選択的酵素を用いてエステル交換反応を
行った。反応物を分別、精製することによりOStO含
量45重量%の油脂を得た。このOStO含有油脂57
重量%、シア分別硬部油43重量%を混合し、60℃で
溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油(i)を得
た。混合油(i)はStOStを26重量%、OStO
を26重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確
認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であっ
た。
【0079】確認のため、混合油(i)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0080】上記混合油(i)60重量%及び大豆油4
0重量%を混合し、60℃で溶解させ、配合油を得た。
尚、この配合油の脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:32重量
%、モノ不飽和脂肪酸:40重量%、ポリ不飽和脂肪
酸:28重量%、しかもトランス酸含量は5重量%以下
であった。この配合油80.4重量%に乳化剤としてス
テアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレシチン0.
1重量%を混合溶解して得られた油相81重量%と水1
6重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法に
より、油中水型の乳化物(j)とし、急冷可塑化工程
(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得
た。得られたマーガリンは光学顕微鏡下で、3μm以下
の微細結晶であり、マーガリンの油相を上記と同条件で
X線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をと
り、コンパウンド結晶を含有することを確認した。ま
た、全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は31重量
%であった。
【0081】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が700g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も700g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0082】(実施例12)通常の急冷可塑化工程での
冷却速度は−20℃/分以上であるが、実施例11で用
いた乳化物(j)を更に緩慢な冷却条件(冷却速度にし
て−1℃/分)下で冷却可塑化した。得られたマーガリ
ンは、通常の急冷可塑化時と同様に、3μm以下の微細
な2鎖長構造のβ型結晶をとり、コンパウンド結晶を含
有することを確認した。また、5℃のレオメーター値が
1050g/cm2と低温でも軟らかくて可塑性範囲が
広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメーター値
も1050g/cm2と経日的にも硬さが変化せず、安
定した油脂組成物であった。
【0083】(実施例13)大豆極度硬化油とオレイン
酸エチルを、重量比2:3の割合で混合、溶解し、1,
3位置選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。
反応物から分子蒸留により脂肪酸を取り除き、得られた
油脂を分別、精製することによりOStO含量60重量
%の油脂を得た。このOStO含有油脂50重量%、パ
ーム分別中部油50重量%を混合し、60℃で溶解し、
0℃に冷却し、結晶化させ、混合油(k)を得た。混合
油(k)はPOPを30重量%、OStOを30重量%
含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したとこ
ろ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
【0084】確認のため、混合油(k)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0085】上記混合油(k)60重量%及び大豆油4
0重量%を混合し、60℃で溶解させ、配合油を得た。
尚、この配合油の脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:33重量
%、モノ不飽和脂肪酸:39重量%、ポリ不飽和脂肪
酸:28重量%、しかもトランス酸含量は5重量%以下
であった。この配合油80.4重量%に乳化剤としてス
テアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレシチン0.
1重量%を混合溶解して得られた油相81重量%と水1
6重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法に
より、油中水型の乳化物(l)とし、急冷可塑化工程
(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、マーガリンを得
た。得られたマーガリンは、光学顕微鏡下で3μm以下
の微細結晶であり、マーガリンの油相を上記と同条件で
X線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をと
り、コンパウンド結晶を含有することを確認した。ま
た、全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は36重量
%であった。
【0086】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が550g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も550g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0087】(実施例14)通常の急冷可塑化工程での
冷却速度は−20℃/分以上であるが、実施例13で用
いた乳化物(l)を更に緩慢な冷却条件(冷却速度にし
て−1℃/分)下で冷却可塑化した。得られたマーガリ
ンは通常の急冷可塑化時と同様に、3μm以下の微細な
2鎖長構造のβ型結晶をとり、コンパウンド結晶を含有
することを確認した。また、5℃のレオメーター値が7
40g/cm2と低温でも軟らかくて可塑性範囲が広
く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメーター値も
740g/cm2と経日的にも硬さが変化せず、安定し
た油脂組成物であった。
【0088】(実施例15)ラード32重量%、パーム
油28重量%、大豆油40重量%を混合し、60℃で溶
解し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油(m)を得
た。混合油(m)はPOPを14重量%、OPOを14
重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認した
ところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
【0089】確認のため、混合油(m)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0090】上記混合油(m)の脂肪酸組成は、飽和脂
肪酸:33重量%、モノ不飽和脂肪酸:36重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:31重量%、しかもトランス酸含量は
5重量%以下であった。この混合油(m)80.4重量
%を60℃で溶解させ、乳化剤としてステアリン酸モノ
グリセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合
溶解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重量
%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化
物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)
にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンは、光
学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、マーガリン
の油相を上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、
2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、全油脂分中のコンパウンド結晶
の含有量は28重量%であった。
【0091】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が830g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も830g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0092】(実施例16)ラード44重量%、サル脂
分別中部油11重量%、大豆油45重量%を混合し、6
0℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油
(n)を得た。混合油(n)はStOStを11重量
%、OPOを11重量%含有し、DSCにより結晶転移
の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型
結晶であった。
【0093】確認のため、混合油(n)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0094】上記混合油(n)の脂肪酸組成は、飽和脂
肪酸:32重量%、モノ不飽和脂肪酸:36重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:32重量%、しかもトランス酸含量は
5重量%以下であった。この混合油(n)80.4重量
%を60℃で溶解させ、乳化剤としてステアリン酸モノ
グリセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合
溶解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重量
%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化
物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)
にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンは、光
学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、マーガリン
の油相を上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、
2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、全油脂分中のコンパウンド結晶
の含有量は22重量%であった。
【0095】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が1100g/cm2と低温でも軟らかくて可
塑性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオ
メーター値も1100g/cm2と経日的にも硬さが変
化せず、安定した油脂組成物であった。
【0096】(実施例17)ラード47重量%、パーム
分別中部油13重量%、大豆油40重量%を混合し、6
0℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油
(o)を得た。混合油(o)はPOPを12重量%、O
POを12重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無
を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶で
あった。
【0097】確認のため、混合油(o)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に2θ:0〜8度の範囲でX線
回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が
2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の
形成が示された。
【0098】上記混合油(o)の脂肪酸組成は、飽和脂
肪酸:34重量%、モノ不飽和脂肪酸:36重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:30重量%、しかもトランス酸含量は
5重量%以下であった。この混合油(o)80.4重量
%を60℃で溶解させ、乳化剤としてステアリン酸モノ
グリセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合
溶解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重量
%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化
物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)
にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンは、光
学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、マーガリン
の油相を上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、
2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、全油脂分中のコンパウンド結晶
の含有量は24重量%であった。
【0099】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が950g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も950g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0100】(実施例18)ラード分別軟部油45重量
%、パーム分別中部油15重量%、大豆油40重量%を
混合し、60℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、
混合油(p)を得た。混合油(p)はPOPを13重量
%、OPOを13重量%含有し、DSCにより結晶転移
の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型
結晶であった。
【0101】確認のため、混合油(p)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0102】上記混合油(p)の脂肪酸組成は、飽和脂
肪酸:29重量%、モノ不飽和脂肪酸:40重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:31重量%、しかもトランス酸含量は
5重量%以下であった。この混合油(p)80.4重量
%を60℃で溶解させ、乳化剤としてステアリン酸モノ
グリセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合
溶解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重量
%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化
物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)
にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンは、光
学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、マーガリン
の油相を上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、
2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、全油脂分中のコンパウンド結晶
の含有量は26重量%であった。
【0103】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が740g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も740g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0104】(実施例19)ラード分別軟部油50重量
%、サル脂分別中部油15重量%、大豆油35重量%を
混合し、60℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、
混合油(q)を得た。混合油(q)はStOStを14
重量%、OPOを14重量%含有し、DSCにより結晶
転移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずに
β型結晶であった。
【0105】確認のため、混合油(q)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0106】上記混合油(q)の脂肪酸組成は、飽和脂
肪酸:30重量%、モノ不飽和脂肪酸:42重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:28重量%、しかもトランス酸含量は
5重量%以下であった。この混合油(n)80.4重量
%を60℃で溶解させ、乳化剤としてステアリン酸モノ
グリセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合
溶解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重量
%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化
物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)
にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンは、光
学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、マーガリン
の油相を上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、
2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、全油脂分中のコンパウンド結晶
の含有量は28重量%であった。
【0107】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が820g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も820g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0108】(実施例20)パーム分別中部油とハイオ
レイックなたね油を、重量比4:6の割合で混合、溶解
し、化学的触媒を用いてエステル交換反応を行った。得
られた反応油脂を精製することによりOPO含量9重量
%の油脂を得た。このOPO含有油脂61重量%、パー
ム分別中部油4重量%、大豆油35重量%を混合し、6
0℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油
(r)を得た。混合油(r)はPOPを5重量%、OP
Oを5重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確
認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であっ
た。
【0109】確認のため、混合油(r)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0110】上記混合油(r)の脂肪酸組成は、飽和脂
肪酸:27重量%、モノ不飽和脂肪酸:43重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:30重量%、しかもトランス酸含量は
5重量%以下であった。この混合油(r)80.4重量
%を60℃で溶解させ、乳化剤としてステアリン酸モノ
グリセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合
溶解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重量
%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化
物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)
にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンは、光
学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、マーガリン
の油相を上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、
2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また、全油脂分中のコンパウンド結晶
の含有量は10重量%であった。
【0111】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が530g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も530g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0112】(実施例21)パーム分別硬部油とハイオ
レイックなたね油を、重量比4:6の割合で混合、溶解
し化学的触媒を用いてエステル交換反応を行った。得ら
れた反応油脂を精製することによりOPO含量9重量%
の油脂を得た。このOPO含有油脂61重量%、サル脂
分別中部油4重量%、大豆油35重量%を混合し、60
℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油(s)
を得た。混合油(s)はPOPを5重量%、OPOを5
重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認した
ところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
【0113】確認のため、混合油(s)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結
晶はβ型をとることが確認された。また、光学顕微鏡で
この油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の
微細な結晶であった。更に、2θ:0〜8度の範囲でX
線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態
が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶
の形成が示された。
【0114】上記混合油(s)の脂肪酸組成は、飽和脂
肪酸:27重量%、モノ不飽和脂肪酸:43重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:30重量%、しかもトランス酸含量は
5重量%以下であった。この混合油(r)80.4重量
%を60℃で溶解させ、乳化剤としてステアリン酸モノ
グリセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合
溶解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重量
%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化
物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)
にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンは、光
学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、マーガリン
の油相を上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、
2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有する
ことを確認した。また全油脂分中のコンパウンド結晶の
含有量は10重量%であった。
【0115】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が690g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も690g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0116】(実施例22)トリラウリン、ハイオレイ
ックひまわり油及びミリスチン酸を、重量比10:1
8:3の割合で混合、溶解し1,3選択的酵素を用いて
エステル交換反応を行った。反応物から分子蒸留により
脂肪酸を取り除き、得られた油脂を分別、精製すること
によりUSU含量40重量%の油脂を得た。このUSU
含有油脂60重量%とパーム分別中部油40重量%とを
混合し、60℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、
混合油(t)を得た。混合油(t)はSUSを24重量
%、USUを24重量%含有し、DSCにより結晶転移
の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型
結晶であった。
【0117】確認のため、混合油(t)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する最大ピーク強度(ピーク強度1)
と4.2オングストロームの面間隔に対応する最大ピー
ク強度(ピーク強度2)との比(ピーク強度1/ピーク
強度2)は1.8となり、この油脂結晶はβ型をとるこ
とが確認された。また光学顕微鏡で、この油脂結晶のサ
イズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であっ
た。更に2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施
し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であ
ることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示され
た。
【0118】上記混合油(t)60重量%と、パーム極
度硬化油3重量%、大豆油37重量%を混合し、60℃
で溶解させ、配合油を得た。なおこの配合油の脂肪酸組
成は、飽和脂肪酸:31重量%、モノ不飽和脂肪酸:4
0重量%、ポリ不飽和脂肪酸:29重量%、しかもトラ
ンス酸含量は5重量%以下であった。この配合油80.
4重量%に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド
0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合溶解して得
られた油相81重量%と水16重量%、食塩1重量%、
脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化物と
し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にか
け、マーガリンを得た。得られたマーガリンは光学顕微
鏡下で、3μm以下の微細結晶であり、マーガリンの油
相を上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖
長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有すること
を確認した。また全油脂分中のコンパウンド結晶の含有
量は29重量%であった。
【0119】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が750g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も750g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0120】(実施例23)ヤシ油とハイオレイックひ
まわり油を、重量比5:3の割合で混合、溶解し1,3
選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。反応物
を分別、精製することによりLOL含量30重量%の油
脂を得た。一方、トリミリスチン(MMM)とオレイン
酸エチルを重量比2:3の割合で混合、融解し、1,3
位置選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。反
応物から分子蒸留により脂肪酸を取り除き、得られた油
脂を分別、精製することによりOMO含量50重量%の
油脂を得た。このLOL含有油脂を63重量%と、OM
O含有油脂37重量%とを混合し、60℃で溶解し、0
℃に冷却し、結晶化させ、混合油(u)を得た。混合油
(u)はLOLを19重量%、OMOを19重量%含有
し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、β
プライム型をとらずにβ型結晶であった。
【0121】確認のため、混合油(u)を70℃で完全
溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分間保
持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範囲で
X線回折測定を実施したところ、4.6オングストロー
ムの面間隔に対応する最大ピーク強度(ピーク強度1)
と4.2オングストロームの面間隔に対応する最大ピー
ク強度(ピーク強度2)の比(ピーク強度1/ピーク強
度2)は2.1となり、この油脂結晶はβ型をとること
が確認された。また光学顕微鏡で、この油脂結晶のサイ
ズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であっ
た。更に2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施
し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であ
ることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示され
た。
【0122】上記混合油(u)40重量%、パーム核油
10重量%、及び大豆油50重量%を混合し、60℃で
溶解させ、配合油を得た。なおこの配合油の脂肪酸組成
は、飽和脂肪酸:33重量%、モノ不飽和脂肪酸:38
重量%、ポリ不飽和脂肪酸:29重量%、しかもトラン
ス酸含量は5重量%以下であった。この配合油80.4
重量%に乳化剤としてステアリン酸モノグリセリド0.
5重量%とレシチン0.1重量%を混合溶解して得られ
た油相81重量%と水16重量%、食塩1重量%、脱脂
粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化物とし、
急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、
マーガリンを得た。得られたマーガリンは光学顕微鏡下
で、3μm以下の微細結晶であり、マーガリンの油相を
上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構
造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有することを確
認した。また全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は
14重量%であった。
【0123】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が900g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も900g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0124】(実施例24)上記実施例1において得ら
れた混合油(a)60重量%と、大豆油39重量%と、
パーム極度硬化油(融点58℃)1重量%とを混合し、
60℃で溶解させ、配合油を得た。尚、この配合油の脂
肪酸組成は、飽和脂肪酸:33重量%、モノ不飽和脂肪
酸:40重量%、ポリ不飽和脂肪酸:27重量%、しか
もトランス酸含量は5重量%以下であった。この配合油
80.4重量%に乳化剤としてステアリン酸モノグリセ
リド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合溶解し
て得られた油相81重量%と水16重量%、食塩1重量
%、脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化
物とし、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)
にかけ、マーガリンを得た。得られたマーガリンは光学
顕微鏡下で、3μm以下の微細結晶であり、マーガリン
の油相を実施例1と同条件でX線回折測定を行ったとこ
ろ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を含有
することを確認した。また、全油脂分中のコンパウンド
結晶の含有量は36重量%であった。
【0125】また、得られたマーガリンは5℃のレオメ
ーター値が600g/cm2と低温でも軟らかくて可塑
性範囲が広く、製造から1ヶ月経過後での5℃のレオメ
ーター値も600g/cm2と経日的にも硬さが変化せ
ず、安定した油脂組成物であった。
【0126】(比較例1)ナタネ油を原料とし、ニッケ
ル触媒を用いて水素添加を行い、融点45℃のナタネ硬
化油を得た。このナタネ硬化油を60℃で溶解し、0℃
に冷却し、結晶化させ、DSCにより結晶転移の有無を
確認したところ、βプライム型をとる油脂であった。ま
た、このナタネ硬化油はSUSもUSUも含有しない油
脂であった。
【0127】確認のため、このナタネ硬化油を70℃で
完全溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分
間保持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範
囲でX線回折測定を実施したところ、4.2オングスト
ロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油
脂結晶はβプライム型をとることが確認された。更に、
2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグ
リセリドのパッキング状態が3鎖長構造であることを確
認し、コンパウンド結晶の形成は認められなかった。
【0128】このナタネ硬化油55重量%と大豆油45
重量%とを混合し、60℃で溶解させ、配合油を得た。
この配合油はSUS及びUSUを含有しないものであ
り、脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:41重量%、モノ不飽
和脂肪酸:31重量%、ポリ不飽和脂肪酸:28重量
%、しかもトランス酸含量は23重量%であった。
【0129】次いで、この配合油80.4重量%に乳化
剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレ
シチン0.1重量%を混合溶解した油相81重量%と水
16重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法
により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(−2
0℃/分以上)にかけ、マーガリンを得た。得られたマ
ーガリンの油相を上記と同条件でX線回折測定を行った
ところ、3鎖長構造のβプライム型をとり、コンパウン
ド結晶を含有しないことを確認した。
【0130】このマーガリンは、製造直後の段階で5℃
のレオメーター値が2000g/cm2であったのに対
し、1ヶ月経過後には5℃のレオメーター値が3000
g/cm2となり、経日的に硬くなることが認められ、
安定性の乏しい油脂組成物であった。
【0131】(比較例2)コーン油を原料とし、ニッケ
ル触媒を用いて水素添加を行い、融点36℃のコーン硬
化油を得た。このコーン硬化油を60℃で溶解し、0℃
に冷却し、結晶化させ、DSCにより結晶転移の有無を
確認したところ、βプライム型をとる油脂であった。ま
た、このコーン硬化油はSUSもUSUも含有しない油
脂であった。
【0132】確認のため、このコーン硬化油を70℃で
完全溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分
間保持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範
囲でX線回折測定を実施したところ、4.2オングスト
ロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油
脂結晶はβプライム型をとることが確認された。更に、
2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグ
リセリドのパッキング状態が3鎖長構造であることを確
認し、コンパウンド結晶の形成は認められなかった。
【0133】このコーン硬化油70重量%と大豆油30
重量%とを混合し、60℃で溶解させ、配合油を得た。
この配合油はSUS及びUSUを含有しないものであ
り、脂肪酸組成は、飽和脂肪酸:23重量%、モノ不飽
和脂肪酸:57重量%、ポリ不飽和脂肪酸:20重量
%、しかもトランス酸含量は30重量%であった。
【0134】次いで、この配合油80.4重量%に乳化
剤としてステアリン酸モノグリセリド0.5重量%とレ
シチン0.1重量%を混合溶解した油相81重量%と水
16重量%、食塩1重量%、脱脂粉乳2重量%とを常法
により、油中水型の乳化物とし、急冷可塑化工程(−2
0℃/分以上)にかけ、マーガリンを得た。得られたマ
ーガリンの油相を上記と同条件でX線回折測定を行った
ところ、3鎖長構造のβプライム型をとり、コンパウン
ド結晶を含有しないことを確認した。
【0135】更に、このマーガリンは急冷可塑化直後の
時点では、光学顕微鏡下で5μm以下の微細結晶を呈し
ていたが、1ヶ月経過後には30μmにも達する粗大結
晶へと転移を起こし、非常にザラつきを感ずる製品価値
の全くないものとなった。また、同時にこのマーガリン
は、製造直後の段階で5℃のレオメーター値が1500
g/cm2であったのに対し、1ヶ月経過後には5℃の
レオメーター値が2400g/cm2となり、経日的に
硬くなることが認められ、安定性の乏しい油脂組成物で
あった。
【0136】(比較例3)比較例1で用いた融点45℃
のナタネ硬化油18重量%とカカオ脂32重量%及び大
豆油50重量%とを混合し、60℃で溶解し、0℃に冷
却し、結晶化させ、混合油(v)を得た。混合油(v)
はUSUを含有せず、SUS含量は28重量%含有し、
DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプラ
イム型をとる油脂であった。
【0137】確認のため、この混合油(v)を70℃で
完全溶解し、0℃で30分保持し、そして5℃で30分
間保持し結晶析出させたものを2θ:17〜26度の範
囲でX線回折測定を実施したところ、4.2オングスト
ロームと4.6オングストロームの面間隔に対応する強
い回折線が得られ、この油脂結晶はβプライム型とβ型
の混在をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度
の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッ
キング状態が3鎖長構造であることを確認し、コンパウ
ンド結晶の形成は認められなかった。
【0138】上記混合油(v)の脂肪酸組成は、飽和脂
肪酸:23重量%、モノ不飽和脂肪酸:57重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:20重量%、しかもトランス酸含量は
30重量%であった。この混合油(v)80.4重量%
を60℃で溶解させ、乳化剤としてステアリン酸モノグ
リセリド0.5重量%とレシチン0.1重量%を混合溶
解した油相81重量%と水16重量%、食塩1重量%、
脱脂粉乳2重量%とを常法により、油中水型の乳化物と
し、急冷可塑化工程(−20℃/分以上)にかけ、マー
ガリンを得た。得られたマーガリンの油相を上記と同条
件でX線回折測定を行ったところ、3鎖長構造のβ型と
3鎖長構造のβプライム型の混在をとり、コンパウンド
結晶を含有しないことを確認した。
【0139】更に、このマーガリンは急冷可塑化直後の
時点では、光学顕微鏡下で5μm以下の微細結晶を呈し
ていたが、1ヶ月経過後には30μmにも達する粗大結
晶へと転移を起こし、非常にザラつきを感ずる製品価値
の全くないものとなった。また、同時にこのマーガリン
は、製造直後の段階で5℃のレオメーター値が900g
/cm2であったのに対し、1ヶ月経過後には5℃のレ
オメーター値が2800g/cm2となり、経日的に硬
くなることが認められ、安定性の乏しい油脂組成物であ
った。また、その可塑性範囲は著しく狭いもので満足の
いくものではなかった。
【0140】これらの結果から明らかなように、SUS
及びUSUを含有しないβプライム型結晶油脂を用いた
比較例1及び2では、経日的な変化が認められ結晶安定
性の点で問題がある。また、比較例3に示した油脂組成
物ではSUSは含量し、一部β型結晶を示したものの、
USUを含有しておらず、微細結晶でもないため、結晶
安定性に乏しく、可塑性範囲が著しく狭いものであっ
た。更に、比較例1〜3の油脂組成物にあっては、全油
脂分中における構成脂肪酸の組成が飽和脂肪酸:25〜
35重量%、モノ不飽和脂肪酸:35〜45重量%、ポ
リ不飽和脂肪酸:25〜35重量%の範囲になく、望ま
しいとされる摂取脂肪酸比率、すなわち飽和脂肪酸:モ
ノ不飽和脂肪酸:ポリ不飽和脂肪酸=3:4:3を満た
すものではなかった。
【0141】これに対し、SUS及びUSUを含有し、
SUS/USUからなるコンパウンド結晶を含有する油
脂を用いた実施例1〜24の油脂組成物では、低温でも
軟らかく、可塑性範囲の広い、なお且つ経日的に硬さが
変化することのない、結晶安定性に優れた油脂組成物で
あった。更に、SUS/USUからなるコンパウンド結
晶を含有する油脂とβプライム型結晶である油脂を併用
した実施例5及び実施例6の組成物においても、低温で
軟らかく可塑性範囲の広い、なお且つ経日的に硬さが変
化することのない、結晶安定性に優れた油脂組成物であ
った。しかも実施例1〜24の油脂組成物にあっては、
全油脂分中における構成脂肪酸の組成が飽和脂肪酸:2
5〜35重量%、モノ不飽和脂肪酸:35〜45重量
%、ポリ不飽和脂肪酸:25〜35重量%の範囲にあ
り、望ましいとされる摂取脂肪酸比率、すなわち飽和脂
肪酸:モノ不飽和脂肪酸:ポリ不飽和脂肪酸=3:4:
3を満たす栄養健康機能的にも優れた油脂組成物であっ
た。
【0142】
【発明の効果】本発明は、S1US2(S1、S2は飽和脂
肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセ
リドとUS3U(S3は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を
表す)で表されるトリグリセリドとからなるコンパウン
ド結晶を含有し、且つ全油脂分中における構成脂肪酸の
組成が飽和脂肪酸:25〜35重量%、モノ不飽和脂肪
酸:35〜45重量%、ポリ不飽和脂肪酸:25〜35
重量%であることを特徴とする油脂組成物に関するもの
であり、油脂組成物を製造する際に特殊な温度管理をし
なくても安定結晶を含有し、飽和脂肪酸:モノ不飽和脂
肪酸:ポリ不飽和脂肪酸=3:4:3を満たす栄養健康
機能的にも優れた油脂組成物を提供することができる。
また、低温でも軟らかく、可塑性範囲の広い、なお且つ
経日的にも硬さが変化せず安定な油脂組成物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梶村 徹 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 (72)発明者 白羽根 みき 東京都荒川区東尾久7丁目2番35号 旭電 化工業株式会社内 Fターム(参考) 4B026 DC03 DG01 DG11 DH01 DK01 DK05 DP04 DX02 4H059 BA33 BB02 BB03 BC01 CA06 CA35 DA02 DA13 DA30

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 S1US2(S1及びS2は飽和脂肪酸、U
    は不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとU
    3U(S3は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表す)で
    表されるトリグリセリドとからなるコンパウンド結晶を
    含有し、且つ全油脂分中における構成脂肪酸の組成が飽
    和脂肪酸:25〜35重量%、モノ不飽和脂肪酸:35
    〜45重量%、ポリ不飽和脂肪酸:25〜35重量%で
    あることを特徴とする油脂組成物。
  2. 【請求項2】 上記S1、S2及びS3が炭素数16以上
    の飽和脂肪酸である請求項1記載の油脂組成物。
  3. 【請求項3】 上記S1、S2及びS3が同じ飽和脂肪酸
    である請求項1又は2記載の油脂組成物。
  4. 【請求項4】 可塑性を有することを特徴とする請求項
    1〜3の何れかに記載の油脂組成物。
  5. 【請求項5】 上記コンパウンド結晶の含有量が、全油
    脂分中、5重量%以上である請求項1〜4の何れかに記
    載の油脂組成物。
  6. 【請求項6】 実質的にトランス酸を含まない請求項1
    〜5の何れかに記載の油脂組成物。
  7. 【請求項7】 S1US2(S1及びS2は飽和脂肪酸、U
    は不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとU
    3U(S3は飽和脂肪酸、Uは不飽和脂肪酸を表す)で
    表されるトリグリセリドとを含有し、且つ全油脂分中に
    おける構成脂肪酸の組成が飽和脂肪酸:25〜35重量
    %、モノ不飽和脂肪酸:35〜45重量%、ポリ不飽和
    脂肪酸:25〜35重量%である混合物を溶解した後、
    冷却し、結晶化させることを特徴とする油脂組成物の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかに記載の油脂組成
    物を用いた食品。
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