JP6519279B2 - 新規なロールインマーガリン - Google Patents

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Description

本発明は、新規なロールインマーガリンに関するものであり、更に詳しくは低トランス脂肪酸であり、層状膨化食品に好適に利用しうるロールインマーガリン及びこれを用いた層状膨化食品に関する。
最近の健康志向と食の多様化により、低トランス脂肪酸であって、チョコレート風味が強く、口どけや浮きが良好な層状膨化食品が望まれている。チョコレート風味を強くするには、層状膨化食品に使用するロールインマーガリン中のカカオマスやココアパウダーを増やすか、水分を減らせばよい。しかし、カカオマスやココアパウダーに含まれるカカオバターは結晶化が遅いため、カカオマスやココアパウダーを多用すると、ロールインマーガリン製造時の成型性が悪化したり、ロールインマーガリンが経時的に硬くなったりして、満足のいく物性が得られない。また、水分を減らすと、チョコレート風味が強くなることに加え、浮きを良くする効果もあるものの、ロールインマーガリン製造時の成型性が悪化するといった問題がある。
そこで、前記の問題を解決するために、例えば、特許文献1には、カカオバターと特定量の豚脂を含むロールイン用油脂組成物が開示されている。しかし、豚脂は高融点成分を含むため、ロールインマーガリンの成型性や、これを用いた層状膨化食品の口溶けが悪い。また、特許文献1の実施例においては、水分が少ないものでも約12重量%であるため、これを用いた層状膨化食品は、チョコレート風味や浮きが満足のいくレベルではない。更に、全実施例で硬化油を使用しており、トランス脂肪酸を含むことになり健康志向に叶うものでもない。
特開2002−345405号公報
本発明の目的は、カカオマスやココアパウダーを高含有し、水分が少なくても、良好な成型性と経時的に硬くならない物性を有し、これを用いた層状膨化食品のチョコレート風味や甘みが強く感じられ、更には浮き、口溶けが良好で、且つ低トランス脂肪酸含量のロールインマーガリン及びそれを用いてなる層状膨化食品を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、健康面から、トランス酸含量を少なくするとともに、SSU(1,2位又は2,3位にS、1位又3位にUが結合しているトリグリセリド、S:C16以上の飽和脂肪酸、U:C16以上の不飽和脂肪酸)、UUU(Uが3分子結合しているトリグリセリド、U:C16以上の不飽和脂肪酸)及び総炭素数48以上の三飽和トリグリセリドとを特定量含ませることで、チョコレート風味や甘みを強くするためにカカオマスやココアパウダーを高含有し、水分を少なくしてもロールインマーガリンの成型性が改善されること、また総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)を特定値以上とすることで、三飽和トリグリセリドによる口溶け悪化を防ぐことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の第一は、トランス脂肪酸含量がロールインマーガリンの構成脂肪酸全体中4重量%以下であり、ロールインマーガリン全体中、水分0.1〜10重量%、カカオバター3〜10重量%、カカオバター以外の油脂25〜85重量%、無脂カカオ分5〜27重量%、糖分5〜40重量%を含有し、更にロールインマーガリン中の油脂全体中、SSU3〜50重量%、UUU10〜60重量%、総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド2〜20重量%を含有し、総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.05〜0.9、であるロールインマーガリンに関する(S:C16以上の飽和脂肪酸、U:C16以上の不飽和脂肪酸、SSU:1,2位又は2,3位にS、1位又は3位にUが結合しているトリグリセリド、UUU:Uが3分子結合しているトリグリセリド。)。
好ましい実施態様は、ロールインマーガリン中の油脂全体中、総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド3〜13重量%、S2U27〜38重量%、UUU20〜50重量%を含有し、総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.2〜0.9且つSSU/SUS(重量比)が0.7〜1.4である上記記載のロールインマーガリン(S2U:Sが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド、SUS:1,3位にS、2位にUが結合しているトリグリセリド。)、より好ましくは、ロールインマーガリン中のカカオバター以外の油脂全体中、パーム系油脂20〜80重量%且つ液油20〜80重量%を含有し、それらを合計で70重量%以上含有する上記記載のロールインマーガリン、更に好ましくは、ロールインマーガリン全体中、水分0.1〜3重量%である上記記載のロールインマーガリンに関する。
本発明の第二は、ロールインマーガリンの構成脂肪酸全体中、トランス酸含量は4重量%以下であり、ロールインマーガリン全体中、水分0.1〜10重量%、カカオバター3〜10重量%、カカオバター以外の油脂25〜85重量%、無脂カカオ分5〜27重量%、糖分5〜40重量%を含有し、更にロールインマーガリン中の油脂全体中、SSU3〜50重量%、UUU10〜60重量%、総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド2〜20重量%を含有し、総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.05〜0.9である混合物を乳化し、急冷捏和することを特徴とするロールインマーガリンの製造方法に関する。
本発明の第三は、上記記載のロールインマーガリンを、層状膨化食品全体中20〜40重量%含有する層状膨化食品に関する。
本発明に従えば、カカオマスやココアパウダーを高含有し、水分が少なくても、良好な成型性と経時的に硬くならない物性を有し、これを用いた層状膨化食品のチョコレート風味や甘みが強く感じられ、更には浮き、口溶けが良好で、且つ低トランス脂肪酸含量のロールインマーガリン及びそれを用いてなる層状膨化食品を提供することができる。
本発明に係るロールインマーガリンは、トランス脂肪酸含量がロールインマーガリンの構成脂肪酸全体中特定量以下であり、ロールインマーガリン全体中、水分、カカオバター、カカオバター以外の油脂、無脂カカオ分及び糖分をそれぞれ特定量含有し、更にロールインマーガリン中の油脂全体中、SSU、UUU及び総炭素数48以上の三飽和トリグリセリドを特定量含有し、総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が特定の範囲内であることを特徴とする。なお、JAS規格(Japanese Agricultural Standard)では、油脂含有率が80%以上を「マーガリン」、80%未満は「ファットスプレッド」と定義されているが、本発明では、いずれも「マーガリン」と称する。
本発明における脂肪酸及びグリセリドの表記は以下のとおりである。
S:C16以上の飽和脂肪酸、
U:C16以上の不飽和脂肪酸、
SSU:1,2位又は2,3位にS、1位又は3位にUが結合しているトリグリセリド、
S2U:Sが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド、
UUU:Uが3分子結合しているトリグリセリド、
SUS:1,3位にS、2位にUが結合しているトリグリセリド、
SSS:Sが3分子結合しているトリグリセリド。
また、本発明で「総炭素数」とは、トリグリセリドを構成する脂肪酸の炭素数の合計をいう。
本発明のロールインマーガリンの構成脂肪酸全体中のトランス脂肪酸含量は、4重量%以下であることが好ましく、より好ましくは3重量%以下、更に好ましくは1重量%以下であり、実質的に含有しないことが最も好ましい。ここでトランス脂肪酸を実質的に含有しないとは、水素添加した油脂原料を使用しないことである。なお、油脂中のトランス脂肪酸含量は、AOCS Ce 1f−96に準じて測定できる。
本発明のロールインマーガリンの水分含量は、0.1〜10重量%であることが好ましく、0.1〜5重量%であることがより好ましく、0.1〜3重量%であることが更に好ましい。水分含量が少ないほどロールインマーガリンやこれを用いて製造した層状膨化食品におけるチョコレート風味や甘味が強くなることから好ましい。水分含量の下限値については、限定されないが、使用する原料によって不可避的に含まれる水分が存在する。
本発明のロールインマーガリンにおいて、カカオバターの含有量は、ロールイマーガリン全体中3〜10重量%が好ましく、3〜8重量%がより好ましく、4〜6重量%が更に好ましい。また、本発明のロールインマーガリンにおいて、無脂カカオ分の含有量は、ロールインマーガリン全体中5〜27重量%が好ましく、8〜20重量%がより好ましく、9〜18重量%が更に好ましい。通常、前記カカオバターや無脂カカオ分の原料としては、ココアパウダーやカカオマスが用いられるが、ココアパウダーやカカオマスの配合量が多いほど、それらに含まれるカカオバターや無脂カカオ分のロールインマーガリン中での含有量が多く、チョコレート風味や甘味が強くなる。その一方で、ココアパウダーやカカオマスの配合量が増えるにつれて、それらに含まれるカカオバターは結晶化が遅いためにロールインマーガリンの製造時の成型性が悪化したり、経時的に硬くなったりする傾向にある。カカオバターや無脂カカオ分の含有量が前記の範囲内になるようにココアパウダーやカカオマスを配合することで、チョコレート風味や甘味と、成型性や経時的に硬くならない安定性のバランスのよいロールインマーガリンを得ることができる。
本発明のロールインマーガリンにおいて、前記カカオバター以外の油脂の含有量は、ロールインマーガリン全体中25〜85重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましく、50〜70重量%が更に好ましい。前記カカオバター以外の油脂の含有量が25重量%未満では、ロールインマーガリンとしての好ましい物性を得ることができない場合がある。一方、前記カカオバター以外の油脂の含有量が85重量%を超えると、カカオバター及び無脂カカオ分の原料であるカカオマスやココアパウダー及び糖分などの配合量が相対的に減少し、ロールインマーガリンのチョコレート風味や甘味が低下する傾向にある。
前記カカオバター以外の油脂としては、食用油脂であれば特に限定は無い。前記食用油脂としては、パーム系油脂、大豆油、菜種油、ひまわり油、豚脂、牛脂などやそれらの分別油、エステル交換油などが挙げられるが、価格面などの利点からパーム油、パーム分別油及びそれらのエステル交換油などのパーム系油脂を用いることが好ましい。
本発明のロールインマーガリンにおいては、ロールインマーガリン中のカカオバター以外の油脂全体中、パーム系油脂20〜80重量%を含有することが好ましい。パーム系油脂の含有量が20重量%未満だとカカオバターと比較的相溶性の良い油脂が相対的に少なくなるため、成型が困難になる場合があり、80重量%を超えると、硬く可塑性の低い物性になる場合がある。また、ロールインマーガリン中のカカオバター以外の油脂全体中、液油の含有量は20〜80重量%であることが好ましい。液油の含有量が20重量%未満であったり、80重量%を超えると、ロールイン物性が悪い場合がある。前記パーム系油脂及び液油は、前記ロールインマーガリン中のカカオバター以外の油脂全体中、それらの合計で70重量%以上含有することが好ましい。
前記パーム系油脂としては、パーム油やパーム分別油などのパーム系油脂をエステル交換した油脂などがあげられる。また、前記液油としては、大豆油、菜種油、ひまわり油などが挙げられる。
前記パーム系油脂をエステル交換した油脂としては、パームステアリンのエステル交換油や、更にエステル交換油の分別液状部などが挙げられる。中でも、パームステアリンのエステル交換油の分別液状部を用いた場合には、ロールインマーガリンを用いた層状膨化食品に好ましい風味を付与することができることから好ましい。
パーム系油脂のエステル交換油の分別液状部は、パーム系油脂をランダムエステル交換した後に、固体部を除去して得られる液状部のことであり、得られた液状部のヨウ素価は35〜62が好ましく、37〜58がより好ましく、40〜55が更に好ましい。ヨウ素価が35より低いと、ロールインマーガリンが硬くなりすぎて折り込み時の伸展性が悪くなる場合がある。またヨウ素価が62より高いと、ロールインマーガリンが軟らかくなりすぎて折り込み時にパン生地に練り込まれやすくなる場合がある。
前記エステル交換に供するパーム系油脂のヨウ素価は30〜58が好ましく、その範囲であれば、最終的に得られる油脂のヨウ素価を35〜62に調整し易い。前記エステル交換に供する油脂としては、例えば、そのまま使用する場合、パーム油、パームステアリン、パーム中融点部、パームオレインが挙げられる。パームダブルオレイン、パームスーパーオレイン、パームトップオレイン、パームハードステアリンなどヨウ素価が30未満、もしくは58を超えるパーム系油脂を使用する場合でも、それらヨウ素価が範囲外のパーム系油脂同士を混合してヨウ素価を30〜58の範囲に調整することでエステル交換に供することができるし、又これらの硬化油及びエステル交換油を混合しヨウ素価30〜58に調整しても良い。
前記パーム系油脂のエステル交換は常法に従って行えばよく、食品用途に用いられる触媒であれば種類を問わずに使用でき、例えばナトリウムメチラートやリパーゼを用いて行えばよい。リパーゼは通常トリグリセリドのエステル交換に用いられるリパーゼなら特に種類は選ばないが、パーム油を原料に用いる場合には、対称型のSUSを減少させるため、1、3位だけでなく2位に対してもエステル交換活性を持つものが好ましい。具体的にはThermomyces属由来、Alcaligenes属由来のリパーゼなどが挙げられる。
前記エステル交換後の分別方法としては、食用油脂に一般的に適用される方法が挙げられ、例えば、パーム系油脂のエステル交換油を温調しながら攪拌して結晶を析出させた後、その油脂を加圧圧搾装置に導入して圧搾して液状部を得る。具体的には、パーム系油脂のランダムエステル交換油を5〜48時間、分別に供するエステル交換油脂の融点よりも2〜14℃低い温度で温調しながら攪拌して結晶を析出させ、その油脂を加圧圧搾装置に導入し、前記温度を維持しながら0.5〜5MPaで圧搾すると、容易にヨウ素価が35〜62の液状部が得られて好ましい。
更に前記パーム系油脂のエステル交換油の分別液状部は、SSSを2〜13重量%含有し、SSUとSUSを合計で34〜54重量%含有し、(SSUとSUSの合計含量)/(SSS含量)の重量比率が4〜20且つ(SSU含量)/(SUS含量)の重量比率が1以上であることが好ましい。
前記SSS含量は、2重量%未満であると融点が低く折り込み時に生地に練り込まれやすくなる場合があり、13重量%を超えると口溶けが悪くなる場合がある。また前記SSUとSUSの合計含量は、34重量%未満では軟らかすぎて折り込み時に生地に練り込まれやすくなる場合があり、54重量%を超えると硬くなり折り込み時に伸展性が悪い場合がある。
また前記(SSUとSUSの合計含量)/(SSS含量)の重量比率は、4より小さいとSSSが多く口溶けが悪くなるか、もしくはSSS、SSU、SUSの合計量が少ないために結晶速度の遅い軟質の油脂となって折り込み時に生地に練り込まれやすくなる場合があり、20より大きくなると、結晶核となるSSSが相対的に少ないために粗大結晶となり折り込み時の伸展性が悪くなる場合がある。
前記(SSU含量)/(SUS含量)の重量比率は1未満であると、SSUに対してSUSが多くなり結晶速度が遅く経時的に物性変化が大きくなり、伸展性が悪くなる場合がある。
前記SSS含量、SSU含量、SUS含量はガスクロマトグラフ法により分析できる。また、SSU/SUS比率は、HPLCを用いて硝酸銀カラムにより分析できる。分析条件は「Journal of the American Oil Chemists Society,68,289−293,1991」記載の方法に準拠して分析できる。更に、ヨウ素価は、日本油化学会制定、基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996」に準拠して測定できる。
本発明のロールインマーガリンにおいては、ロールインマーガリン中の油脂全体中、SSUを3〜50重量%含有することが好ましく、7〜35重量%含有することがより好ましく、15〜25重量%含有することが更に好ましい。
また、本発明のロールインマーガリンにおいては、ロールインマーガリン中の油脂全体中、総炭素数48以上の三飽和トリグリセリドを2〜20重量%含有することが好ましく、3〜13重量%含有することがより好ましく、4〜8重量%含有することが更に好ましい。
SSUや総炭素数48以上の三飽和トリグリセリドの含有量が前記の範囲よりも少ない場合には、カカオマスやココアパウダーに含まれるカカオバター中のSUSの影響で結晶化が遅いため、冷却器から半液状でマーガリンが出てきて成型性が悪く、更にその後、経時的にマーガリンが硬くなる傾向にある。また、SSUや総炭素数48以上の三飽和トリグリセリドの含有量が前記の範囲よりも多くなると、口溶けや成型性が悪くなる場合がある。
また、本発明のロールインマーガリンにおいては、ロールインマーガリン中の油脂全体中、UUUを10〜60重量%含有することが好ましく、20〜50重量%含有することがより好ましい。UUUが前記の範囲より少ないと、硬くなり、可塑性が悪くなる傾向があり、多くなると結晶速度が遅くなり、経時変化が大きくなる場合がある。前記UUUの含有量が10〜60重量%であると物性の良いロールインマーガリンが得られる。
また、本発明のロールインマーガリンにおいては、総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.05〜0.9であることが好ましく、0.2〜0.9であることがより好ましく、0.3〜0.8であることが更に好ましい。
総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.05未満では、口溶けが悪くなる場合がある。総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.9を超えると、成型性が悪い場合がある。前記総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.05〜0.9の範囲内であると、口溶けと成型性のバランスが良いロールインマーガリンが得られる。
更に、本発明のロールインマーガリンにおいては、ロールインマーガリン中の油脂全体中、S2U27〜38重量%、且つSSU/SUS(重量比)が0.7〜1.4であることが好ましく、0.9〜1.3であることがより好ましい。
前記S2Uの含有量が、27重量%未満では結晶速度が遅くなり、経時変化が大きくなり過ぎる場合があり、38重量%を超えると硬くなり可塑性が悪い場合がある。また、前記SSU/SUS(重量比)が0.7未満であると、SSUに対してSUSが多くなり、結晶速度が遅く経時的に物性変化が大きくなり好ましくない場合がある。前記SSU/SUS(重量比)が1.4を超えると、カカオバターの比率が少なくなるため、風味が落ちる場合がある。
成型性、安定性及び口溶け等のバランスがよいという観点から、ロールインマーガリンの油脂全体中のトリグリセリド組成は、総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド3〜13重量%、S2U27〜38重量%、UUU20〜50重量%、総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.2〜0.9、且つSSU/SUS(重量比)が0.7〜1.4であることが好ましい。
本発明のロールインマーガリンにおいて、糖分の含有量は、ロールインマーガリン全体中5〜40重量%が好ましく、10〜35重量%がより好ましく、15〜30重量%が更に好ましい。前記糖分の含有量が5重量%未満では、ロールインマーガリンの甘味が不足な場合がある。前記糖分の含有量が多いほどロールインマーガリンの甘味が強くなるが、その一方でカカオマスやココアパウダーといったカカオバター及び無脂カカオ分の原料であるカカオマスやココアパウダーなどの配合量が相対的に減少し、ロールインマーガリンのチョコレート風味が低下する傾向にあり、40重量%を超えるとチョコレート風味が不十分な場合がある。
本発明のロールインマーガリンに用いる糖分としては、例えば、砂糖、果糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴、はちみつ、異性化糖、転化糖、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、還元キシロオリゴ糖、還元ゲンチオオリゴ糖、キシロオリゴ糖、ゲンチチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖、テアンデオリゴ糖、大豆オリゴ糖等)、トレハロース、糖アルコール(マルチトール、エリスリトール、ソルビトール、パラチニット、キシリトール、ラクチトール等)、砂糖結合水飴等を挙げることができ、粉糖でも液糖でも構わない。これらの糖類より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本発明のロールインマーガリンには、乳化剤を配合することもできる。乳化剤としては、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、縮合リシノレイン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等の合成乳化剤や、大豆レシチン、卵黄レシチン、大豆リゾレシチン、卵黄リゾレシチン、酵素処理卵黄、サポニン、植物ステロール類、乳脂肪球皮膜等の合成乳化剤でない乳化剤が挙げられ、これらの群より選ばれる少なくとも1種類を使用すればよい。
前記乳化剤の含有量は、ロールインマーガリン全体中0.01〜5重量%であることが好ましく、0.05〜2重量%であることがより好ましく、0.1〜1重量%であることが更に好ましい。0.01重量%より少ないと、乳化剤の効果が得られない場合があり、5重量%より多いと乳化剤の苦味が感じられる場合がある。
本発明のロールインマーガリンは、その他の成分として、通常ロールインマーガリンに配合される成分を含有することができる。例えば、増粘安定剤、食塩、塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、カンゾウ抽出物(グリチルリチン)、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビア抽出物、ステビア粉末等の甘味料、β‐カロテン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物(カテキン等)、ルチン等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、香料、調味料、pH調整剤、食品保存料、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、香辛料、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物などが挙げられる。
前記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられる。
なお、前記その他の成分の合計含有量は、好ましくはロールインマーガリン全体中10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
本発明のロールインマーガリンは、シート状に成型されたものであることが好ましいが、チップ状でもよい。更に、ブロック状の塊のマーガリンをカットしてロールインマーガリンにしても良い。シート状とした場合、例えば、幅は50〜1000mmであることが好ましく、長さは50〜1000mmであることが好ましく、厚さは1〜50mmであることが好ましい。
本発明のロールインマーガリンの製造例を以下に例示するが、特に制限されるものではなく、配合以外は公知の方法により製造することができる。具体的には、先ず、カカオバター以外の油脂を含む油相を、必要により乳化剤を添加して加熱溶解後、カカオバター及び無脂カカオ分の原料となるココアパウダーやカカオマス、粉糖などの糖類や甘味料などの各種甘味成分、更には必要により水を混合乳化した後、冷却し、結晶化させることで製造することができる。冷却、結晶化は、冷却可塑化させることが好ましい。
前記ココアパウダー、カカオマス、粉糖などの固体原料は、予め微粉砕して使用したり、更には微粉砕した固体原料をペレット状にして使用してもよい。微粉砕後の好ましいサイズとしては、特に限定されないが、10〜20μm程度が好ましい。これらの原料を微粉砕して使用することで、水分量が少ない配合であっても、マーガリン製造設備のシールを傷つけ生産性を低下させることを防止することができる。
冷却速度条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、より好ましくは−5℃/分以上である。この際、徐冷却より急冷却の方が好ましい。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられる。また、冷却する機器としては、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せも挙げられる。
また、油脂の溶解後又は混合乳化後は、殺菌処理することが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。
本発明のロールインマーガリンをシート状に成型する場合は、例えば混合乳化後、冷却し、可塑化した本発明のロールインマーガリンを、成型器に導入する。
本発明のロールインマーガリンは、カカオマスやココアパウダーを高含有し、水分が少なく、チョコレート風味や甘みが強く感じられ、更に良好な成型性と経時的に硬くならない物性を有し、しかも低トランス脂肪酸含量のロールインマーガリンである。
本発明のロールインマーガリンは、層状膨化食品の作製に用いられる。該層状膨化食品としては、例えばデニッシュペストリー、クロワッサン、パイ等が挙げられる。また、該層状膨化食品への本発明のロールインマーガリンの配合量は、使用される食品の種類によって異なるが、本発明の効果を損なわない限り、特に制限されるものではない。通常、層状膨化食品全体中20〜40重量%が好ましい。
本発明の層状膨化食品の製造方法は、本発明のロールインマーガリンを用いること以外は、公知の原料を使用し、公知の配合、公知の方法により、製造することができる。
本発明のロールインマーガリンを用いて層状膨化食品を製造すると、チョコレート風味や甘みが強く感じられ、更には浮き、口溶けが良好な層状膨化食品が得られる。
<油脂のヨウ素価>
実施例・比較例で使用した油脂のヨウ素価は、「社団法人 日本油化学会 基準油脂分析試験法2.3.4.1−1996」の方法に従って測定した。
<構成脂肪酸全体中のトランス脂肪酸含量の測定方法>
実施例・比較例における構成脂肪酸全体中のトランス脂肪酸含量は、AOCS Ce 1f−96に準じて測定した。
<S2U含量、UUU含量及び総炭素数48の三飽和トリグリセリド及び総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量の分析>
実施例・比較例における各トリグリセリド含量は、ガスクロマトグラフ法により分析した。ガスクロマトグラフ装置としてAgilent社製7890Aを用いた。カラムとしてフロンティアラボ社製Ultra ALLOY TRG 30m×0.25mm×0.1μmを用い、インジェクション温度360℃、FID検出器温度360℃、オーブン初期温度280℃、昇温速度3℃/分、最終温度355℃、ホールド時間10分の条件で測定を行った。
<SSU/SUS(重量比)の分析>
実施例・比較例におけるSSU/SUS(重量比)の分析は、HPLCを用いて硝酸銀カラムにより分析した。分析条件は「Journal of the American Oil Chemists Society,68,289−293,1991」に記載の方法に準拠して実施した。
<ロールインマーガリンの成型性評価>
実施例・比較例において、成型器を通して成型されたロールインマーガリンのシート成型性を、以下の評価基準で評価した。
◎:可塑性があり且つしっかりとした触感で良好な成型性。
○:やや軟らかいが良好な成型性。
△:軟らかい触感だが成型は可能。
×:軟らかく成型が困難。
<ロールインマーガリンの安定性(経日的な硬さ)評価>
実施例及び比較例で得られたロールインマーガリンを下記所定時間経過した後、ぺネ缶に採取した。ぺネ缶の両端をバターナイフで面切りし、15℃の恒温水槽に浸漬しておき、3時間後にペネトロメーター(ELEX SCIENTIFIC社製「PENETRO METER」)でペネ値を測定し、以下の基準で評価した。なお、測定で得られるペネ値は、小数点以下は四捨五入されている。
◎:製造後一日後と二週間冷蔵した後の15℃のペネ値の差が15未満
○:製造後一日後と二週間冷蔵した後の15℃のペネ値の差が15以上30未満
△:製造後一日後と二週間冷蔵した後の15℃のペネ値の差が30以上50未満
×:製造後一日後と二週間冷蔵した後の15℃のペネ値の差が50以上
<クロワッサンのチョコレート風味評価>
実施例・比較例で作製したクロワッサンを、10人の熟練したパネラーに食べてもらい、以下の基準でチョコレート風味を評価し、それらの結果を集約した。
◎:チョコレート風味が強く感じられ好ましい。
○:チョコレート風味が感じられ好ましい。
△:チョコレート風味が感じられにくく、あまり好ましくない。
×:チョコレート風味が感じられず、好ましくない。
<クロワッサンの甘味評価>
実施例・比較例で作製したクロワッサンを、10人の熟練したパネラーに食べてもらい、以下の基準で甘味を評価し、それらの結果を集約した。
◎:甘味が強く感じられ好ましい。
○:甘味が感じられ好ましい。
△:甘味が感じられにくく、あまり好ましくない。
×:甘味が感じられず、好ましくない。
<クロワッサンの口溶け評価>
実施例・比較例で作製したクロワッサンを、10人の熟練したパネラーに食べてもらい、以下の基準で口溶けを評価し、それらの結果を集約した。
◎:口残りせず口溶け良好で好ましい。
○:わずかに口残りするが良好で好ましい。
△:口残りがしてあまり好ましくない。
×:口の中に膜が張るように感じられ、且つ口溶け不良で好ましくない。
<クロワッサンの生地浮きの評価>
実施例・比較例で作製したクロワッサンを短辺で切断し、断面を観察して、以下の評価基準で生地浮きを評価した。
◎:非常に生地浮きが良く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間があり好ましい。
○:生地浮きが良く、生地と生地の間に隙間があり好ましい。
△:生地浮きが悪く、生地と生地の間に十分な隙間の無い部分が多くあまり好ましくない。
×:生地浮きが悪く、ほとんどの生地と生地の間に十分な隙間が無く好ましくない。
(製造例1) パーム系油脂のエステル交換油の分別液状部の作製
脱酸処理されたパームステアリン(ヨウ素価33)100重量部を500Paの減圧下90℃に加熱し、0.2重量部のナトリウムメチラートを加えて30分攪拌してランダムエステル交換し、水洗した後、500Paの減圧下、90℃で2重量部の白土を加えて脱色した。脱色後の油脂を、70℃に加熱して完全に溶解し、44.5℃で攪拌しながら24時間晶析した。晶析後3.0MPaでフィルタープレスして液状部を得た。得られた液状部を240℃、200Paの条件で1時間脱臭してヨウ素価43のパーム系油脂のエステル交換油の分別液状部を得た。
(製造例2)パームステアリンのエステル交換油Aの作製
脱酸処理されたパームステアリン(ヨウ素価33)100重量部を500Paの減圧下90℃に加熱し、0.2重量部のナトリウムメチラートを加えて30分攪拌してランダムエステル交換し、水洗した後、500Paの減圧下、90℃で2重量部の白土を加えて脱色、パームステアリンのエステル交換油Aを作製した。
(製造例3)エステル交換油Bの作製
パームステアリン100重量部を、パーム極度硬化油23重量部、パームステアリン(ヨウ素価33)47重量部及びパーム核オレイン30重量部に変えた以外は、製造例2と同様にしてエステル交換油Bを作製した。
(製造例4)エステル交換油Cの作製
パームステアリン100重量部を、極度硬化ハイエルシン菜種油50重量部とヤシ油50重量部に変えた以外は、製造例2と同様にしてエステル交換油Cを作製した。
(製造例5)チョコレートの作製
製造例1で作製したパーム系油脂の分別液状部22.7重量%、ココアパウダー18.7重量%、カカオマス22.3重量%、粉糖35.1重量%、甘味料0.8重量%、大豆レシチン0.4重量%の配合比率で常法に従いチョコレートAを作製した。
(実施例1)ロールインマーガリンの作製
表1に示す配合に従って、ロールインマーガリンを製造した。即ち、製造例1の油脂、エステル交換油A及び菜種油を70℃に加温・融解したところに、乳化剤を添加して攪拌しながら溶解させた。溶解後、微粉砕したココアパウダー、カカオマス、粉糖及び甘味料を加え、液糖を加えて乳化させ、香料を加えた後、急冷捏和装置で急冷して捏和し、成型器を通して成型し、ロールインマーガリンを得た。
(実施例2、比較例1)ロールインマーガリンの作製
表1に示す配合に従って、製造例1の油脂と菜種油の量を変え、エステル交換油Aをエステル交換油Bとエステル交換油Cに変え、粉糖と液糖を上白糖と水に変え、ココアパウダー、カカオマスの量を変えた以外は、実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例3及び4、比較例2及び3)ロールインマーガリンの作製
表1に示す配合に従って、製造例1の油脂と菜種油の量を変え、エステル交換油Aをエステル交換油Bとエステル交換油Cに変え、ココアパウダーとカカオマスの量を変えた以外は実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例5、比較例4)ロールインマーガリンの作製
表1に示す配合に従って、製造例1の油脂と菜種油の量を変え、エステル交換油Aをエステル交換油Bとエステル交換油Cに変え、ココアパウダーを加えず、カカオマスの量を変えた以外は実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例6、比較例5)ロールインマーガリンの作製
表1に示す配合に従って、製造例1の油脂は加えず、パーム極度硬化油を加え、エステル交換油Aと菜種油の量を変えた以外は実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
(実施例7)ロールインマーガリンの作製
表1に示す配合に従って、製造例1の油脂の量を変え、ココアパウダー、カカオマス、粉糖、甘味料を製造例5のチョコレートに変えた以外は実施例1と同様にしてロールインマーガリンを得た。
実施例1〜7、比較例1〜5で得られたロールインマーガリンの各成分の含有量、トリグリセリド組成、成型性評価及び安定性評価の結果を表1に示す。なお、表1中、「C48のSSS」は総炭素数48の三飽和トリグリセリド、「C48以上のSSS」は総炭素数48以上の三飽和トリグリセリドを示す。
Figure 0006519279
(実施例8〜14、比較例6〜10) クロワッサンの作製
実施例1〜7、比較例1〜5で得られたロールインマーガリンを用いてクロワッサンを作製した。即ち、表2に示す配合に従って、ロールインマーガリンとショートニングを除いた原料をミキサーにて低速2分、中高速3分ミキシングした後、ショートニングを混合し、更に低速2分間、中高速4分間ミキシングした。24℃で30分間生地を発酵させた後、生地を5℃まで冷却した。この生地にロールインマーガリンを3つ折りで3回折り込み、生地を成型後35℃、湿度75%のホイロで55分間最終発酵し、200℃のオーブンで17分間焼成した。得られたクロワッサンのチョコレート風味、甘み、口溶け、浮きを評価し、その結果を表3にまとめた。
Figure 0006519279
Figure 0006519279
表1,3に示す実施例および比較例の評価結果から、本願発明によれば、カカオマスやココアパウダーを高含有し、水分が少なくても、特に層状膨化食品に利用した時にチョコレート風味や甘みが強く感じられ、更には口溶け、浮きが良好で、ロールインマーガリンとしても良好な成型性と安定性(経時的に硬くならない物性)を有する低トランス脂肪酸含量のロールインマーガリン及びそれを用いてなる層状膨化食品を提供することができる。

Claims (5)

  1. トランス脂肪酸含量がロールインマーガリンの構成脂肪酸全体中4重量%以下であり、
    ロールインマーガリン全体中、水分0.1〜10重量%、カカオバター3〜10重量%、カカオバター以外の油脂25〜85重量%、無脂カカオ分5〜27重量%、糖分5〜40重量%を含有し、
    更にロールインマーガリン中の油脂全体中、S2U27〜38重量%、UUU2050重量%、総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド13重量%を含有し、総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.2〜0.9且つSSU/SUS(重量比)が0.7〜1.4
    であるロールインマーガリン。
    S:C16以上の飽和脂肪酸、
    U:C16以上の不飽和脂肪酸、
    SSU:1,2位又は2,3位にS、1位又は3位にUが結合しているトリグリセリド、
    S2U:Sが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド、
    SUS:1,3位にS、2位にUが結合しているトリグリセリド、
    UUU:Uが3分子結合しているトリグリセリド。
  2. ロールインマーガリン中のカカオバター以外の油脂全体中、パーム系油脂20〜80重量%且つ液油20〜80重量%を含有し、それらを合計で70重量%以上含有する請求項1に記載のロールインマーガリン。
  3. ロールインマーガリン全体中、水分0.1〜3重量%である請求項1又は2に記載のロールインマーガリン。
  4. ロールインマーガリンの構成脂肪酸全体中、トランス酸含量は4重量%以下であり、ロールインマーガリン全体中、水分0.1〜10重量%、カカオバター3〜10重量%、カカオバター以外の油脂25〜85重量%、無脂カカオ分5〜27重量%、糖分5〜40重量%を含有し、更にロールインマーガリン中の油脂全体中、S2U27〜38重量%、UUU2050重量%、総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド13重量%を含有し、総炭素数48の三飽和トリグリセリド含量/総炭素数48以上の三飽和トリグリセリド含量(重量比)が0.2〜0.9且つSSU/SUS(重量比)が0.7〜1.4である混合物を乳化し、急冷捏和することを特徴とするロールインマーガリンの製造方法。
  5. 請求項1〜の何れかに記載のロールインマーガリンを、層状膨化食品全体中20〜40重量%含有する層状膨化食品。
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