JP2007269909A - 油中水型乳化油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 飽和脂肪酸を減らし、且つトランス酸量を減らした上で、マーガリンとして求められる硬さや可塑性などの物性を満足する油中水型乳化油脂組成物を提供すること。
【解決手段】 油中水型乳化油脂組成物として、油中水型乳化油脂組成物全体中、トランス酸の含有量が3重量%以下、油脂の含有量が84〜40重量%、且つ水の含有量が14.5〜40重量%の油中水型乳化油脂組成物であって、該油脂は、油脂全体中6〜16重量%のカカオバター及び/又は油脂全体中0.5〜5重量%のロウを含み、且つ未加工のパーム油、シア脂、パームステアリンからなる群より選ばれる少なくとも1種を油脂全体中12〜25重量%含有し、さらに油脂の構成脂肪酸の内、飽和脂肪酸残基が30〜10重量%且つ不飽和脂肪酸残基が70〜90重量%であることを特徴とする油中水型乳化油脂組成物を使用すること。
【選択図】 なし。

Description

本発明は、飽和脂肪酸含量及びトランス酸含量の低減化に向けたパン・菓子練り込み用油中水型乳化油脂組成物に関するものである。
一般的にショートニング・マーガリン・バターなどは、パン・菓子の製造において一定の硬さが必要なため、飽和脂肪酸(油中水型乳化油脂組成物中:約25〜60重量%)及びトランス酸(油中水型乳化油脂組成物中:約10〜45重量%)の含量が高く、それらの摂取は健康に良くない可能性が指摘されており、最近特にトランス酸を嫌う消費者が急増している。アメリカFDAではトランス酸の心臓病疾患などから2006年1月1日にトランス酸含量の表示が義務化された。また飽和脂肪酸についても、既に表示義務化されトランス酸同様に健康を害するなどとの見解が示さている。また、カナダで2003年1月1日からトランス酸・飽和脂肪酸含量表示の義務化などもあり、摂取量などに関係無く、これらの存在が健康を害する印象になりつつあるのがトレンドである。加えて、昨今安全・安心としての消費者意識の高まりがあり、出来るだけ不安な食品は避ける傾向がある。油脂加工製造においても今まで長年油脂加工の基本であった油脂を硬化する方法により、飽和脂肪酸・トランス酸を増加させること及びエステル交換・溶剤分別などの天然でない油脂加工も好ましくないと考える消費者が増えてきているのが実情である。
またショートニング・マーガリン・バターなどは、季節により物性が変わるため、適宜融点・固体脂含量などを調整し、製造における加工作業性を維持している。それらの調整は、主に天然の油脂を硬化・エステル交換などの油脂加工を行い、飽和脂肪酸量を増やすことで硬度を得るものである。また、溶剤などを利用して油脂の分別などを施し、固体脂含量を高めた油脂を配合したものも製品化されている。また、トランス酸の低減化を試みた油中水型乳化油脂組成物に関して特許文献1に記載があるが、その中では飽和脂肪酸は、C16以上の飽和脂肪酸含量35〜60重量%、C14以下の飽和脂肪酸含量20〜50重量%、不飽和脂肪酸含量10〜30重量%であり、実質的にトランス酸を含まないことを特徴とする可塑性油脂であるが、不飽和脂肪酸含量が少なく、硬すぎる問題がある。また、飽和脂肪酸含量が全構成脂肪酸に対して25重量%以下に低減された油脂組成物又はそのエマルションを10〜150MPaの範囲で加圧晶析を行うことが特許文献2に記載されている。また特許文献3には、融点が30℃以上のラウリン系油脂を10重量%〜40重量%含有し、且つ油脂成分中の飽和脂肪酸の含有量が全脂肪酸量の35重量%以下であり、トランス酸含量が全脂肪酸量の5重量%以下である油中水型乳化油脂組成物が記載されている。しかし、具体的な開示として実施例の記載では、油脂成分中の飽和脂肪酸の含有量が全脂肪酸量の29.4重量%、30.0重量%しかなく、またトランス酸含量は、全脂肪酸全量中0.1重量%、0.2重量%である。さらに特許文献3における油脂は、ヤシ油、パーム核油、パーム核油オレイン、パーム油などであるが何れも硬化を行った加工油であり、カカオバター、ロウ、且つ未加工のパーム油、シア脂、パームステアリンは含有していない。一般的にラウリン系油脂の融点は、硬化を施さなければ30℃以下であり、未加工のパーム油、シア脂、パームステアリンとは異なる。
飽和脂肪酸・トランス酸を単純に減少させると油中水型乳化油脂組成物の物性が著しく軟質変化し、そのために今まで得られていた製パン・菓子の加工性が劣るものになって、その結果、パン・菓子の見栄え・食感・風味など食品として満足のゆくものでなくなってしまうことになっている。何れにしても、これまでは飽和脂肪酸を減らし、且つトランス酸量を減らした上で、マーガリンとして求められる硬さや可塑性などの物性を満足する油中水型乳化油脂組成物がなかった。
特開2001−262181号公報 特開2001−254093号公報 特開2002−161294号公報
飽和脂肪酸を減らし、且つトランス酸量を減らした上で、マーガリンとして求められる硬さや可塑性などの物性を満足する油中水型乳化油脂組成物を提供すること。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、飽和脂肪酸を減らし、且つトランス酸量を減らした油中水型乳化油脂組成物でも、カカオバターやロウを特定量含んでいれば、マーガリンとして求められる硬さや可塑性などの物性を満足できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、即ち、本発明の第一は、油中水型乳化油脂組成物全体中、トランス酸の含有量が3重量%以下、油脂の含有量が84〜40重量%、且つ水の含有量が14.5〜40重量%の油中水型乳化油脂組成物であって、該油脂は、油脂全体中6〜16重量%のカカオバター及び/又は油脂全体中0.5〜5重量%のロウを含み、且つ未加工のパーム油、シア脂、パームステアリンからなる群より選ばれる少なくとも1種を油脂全体中12〜25重量%含有し、さらに油脂の構成脂肪酸の内、飽和脂肪酸残基が30〜10重量%且つ不飽和脂肪酸残基が70〜90重量%であることを特徴とする油中水型乳化油脂組成物に関する。好ましい実施態様は、さらにDE2〜30のデキストリンを含有することを特徴とする上記記載の油中水型乳化油脂組成物に関する。より好ましくは、デキストリンの含有量が油中水型乳化油脂組成物全体中0.5〜20重量%である上記記載の油中水型乳化油脂組成物、更に好ましくは、さらにイヌリンを含有することを特徴とする上記記載の油中水型乳化油脂組成物、最も好ましくは、イヌリンの含有量が油中水型乳化油脂組成物全体中0.5〜20重量%の範囲である請求項4に記載の油中水型乳化油脂組成物、に関する。
本発明の油中水型乳化油脂組成物を用いれば、飽和脂肪酸を減らし、且つトランス酸量を減らした上で、マーガリンとして求められる硬さや可塑性などの物性を満足できる。
以下、本発明につき、さらに詳細に説明する。本発明の油中水型乳化油脂組成物は、未加工の食用油脂、カカオバターやロウなどの油脂を含有する油相部と水を主に含有し、好ましくはデキストリン及び又はイヌリンを含有し、更には必要に応じて呈味剤や乳製品などを含む水相部からなり、油脂中のトランス酸含量、即ちトランス酸残基の含有量が油中水型乳化油脂組成物全体中の3重量%以下であることが特徴である。油中水型乳化油脂組成物全体中のトランス酸含量は、油中水型乳化油脂組成物をガスクロマトグラフィーにより分析し、そのピーク面積比から求めることができる。
本発明における油脂とは、未加工の食用油脂、カカオバター及びロウのことである。前記油脂は、その構成脂肪酸全体中、不飽和脂肪酸残基は70〜90重量%且つ飽和脂肪酸残基は30〜10重量%が好ましく、不飽和脂肪酸残基は、75〜85重量%且つ飽和脂肪酸残基は、25〜15重量%がより好ましい。構成脂肪酸の構成比が前記の通りであると、好適に効果を発現できる。また油脂の含有量は、油中水型乳化油脂組成物全体中84〜40重量%が好ましい。
本発明の未加工の食用油脂とは、硬化・エステル交換などの油脂加工を施さない未加工の食用油脂であり、例えば菜種油、大豆油、パーム油、パーム核油、パームステアリン、カカオ脂、シア脂などの植物油脂、魚油、鯨油、牛脂、豚油などの動物油脂が挙げられ、それらの群から選ばれる少なくとも1種が用いられる。それらの中でも、パーム油、シア脂、パームステアリンを用いることが好ましい。未加工の食用油脂の含有量は、油中水型乳化油脂組成物全体中2〜20重量%含有することがより好ましい。
本発明のカカオバターは、カカオバター代用脂も含む。カカオバター代用脂は、カカオバターの代用として用い得る油脂であれば特にその成分に限定はないが、例えば主にパーム油中融点画部からなるものが挙げられる。カカオバターの含有量は、油中水型乳化油脂組成物全体中6〜16重量%が好ましい。カカオバターの含有量が6重量%より少ないと、油中水型乳化油脂組成物の硬さ不足で軟らかくパン生地の練り込み性が劣る場合があり、16重量%より多いと、カカオバターの風味が強くなりすぎて、油中水型乳化油脂組成物としての風味が悪くなる場合がある。
また本発明のロウは、天然ロウであれば特に限定はなく、カウナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、米ぬかロウ、モクロウなどが挙げられ、それらの内少なくとも1種用いることができる。ロウの含有量は、油中水型乳化油脂組成物全体中0.5〜5重量%が好ましい。ロウが0.5重量%より少ないと、油中水型乳化油脂組成物の硬さ不足となる場合があり、5重量%より多いと、ロウの特徴的な味が出過ぎて油中水型乳化油脂組成物としての風味が悪くなったり、融点が高くなり過ぎて、口溶けが劣るものとなる場合がある。カカオバターとロウは両方添加しても良いし、何れか一方でも本発明の効果を発現できる。カカオバターとロウは両方添加しても良いし、何れか一方でも本発明の効果を発現できる。
本発明の水の含有量は、油中水型乳化油脂組成物全体中14.5〜40重量%が好ましい。より好ましくは、25〜35重量%である。水の含有量が上記範囲にあれば、油中水型乳化油脂組成物の硬さ、パンなどの練り込み性・油脂の風味において充分な効果がでる。
本発明のデキストリンは、DE2〜30の範囲が好ましく、デキストリンの含有量は油中水型乳化油脂組成物全体中に0.5重量%〜20重量%が好ましく、より好ましくは1.0重量%〜5.0重量%である。上記範囲のデキストリンを含有させることで乳化状態が向上し、練り込み性が良くなる。
また本発明のイヌリンは、油中水型乳化油脂組成物全体中0.5重量%〜20重量%が好ましく、より好ましくは、1.0重量%〜5.0重量%である。上記範囲のイヌリンを含有させることでパンがソフトで、口ごなれが良好になる。ここでパンがソフトとは、レオナーメーター(機器名:YAMADEN CREEP METER RE2-33005S、山電社製)でパンクラムの応力を測定した時の値が低いことを意味する。
本発明で任意に添加する呈味剤としては、特に限定はないが、卵、砂糖などが挙げられ、少なくとも1種用いることができる。また任意に添加する乳製品としては、バター・生クリーム・チーズなどが挙げられ、少なくとも1種用いることができる。
本発明の油中水型乳化油脂組成物の製造方法は、特に限定されるわけではないが以下に例示する。油脂、カカオバター及び/又はロウと水を混合し、予備乳化を行う。得られた予備乳化物をコンビネーター、ボテーターなどの急冷捏和機を用いて冷却捏和し、所定の容器に充填して油中水型乳化油脂組成物を得る。
本発明の油中水型乳化油脂組成物は、練り込み用・スプレッド等の用途に用いられる。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」や「%」は重量基準である。
<油中水型乳化油脂組成物の硬さ評価法>
実施例・比較例で得た油中水型乳化油脂組成物を予めペネ缶に充填し、15℃の恒温水槽に2時間温調した後、ペネトロメーター・コーン(102.5g、JIS標準品)の先を油中水型乳化油脂組成物の表面に合わせてから落下させ、5秒後のコーン進入距離(単位:mm)を測定し、それを針入度(15℃)として評価値とした。
<油中水型乳化油脂組成物中のトランス酸量の測定法>
実施例、比較例で得られた油中水型乳化油脂組成物に対し、GC法(基準油脂分析試験法、2003年版)に準拠して、ガスクロマトグラフィー(機器名:6890Nガスクロマトグラフ、Agilent社製)を用いて、油中水型乳化油脂組成物中のトランス酸量の測定を実施した。
<製パン性試験:捏ね上げ状態評価法>
製パン時のノビとコシを熟練した作業員が評価した。その際の評価基準は以下の通りである。○:良好(生地を広げると半透明で均一な膜質を有すこと)、△:やや良好(生地を広げるとやや半透明でやや均一な膜質を有すこと)、×:不良(生地を広げると半透明でなく、均一でない膜質)。
<製パン性試験:成型時生地状態評価法>
製パン時の生地のこなれ及びソフトさを熟練した作業員が評価した。その際の評価基準は以下の通りである。○:良好(生地を広げると半透明で均一な膜質を有すこと)、△:やや良好(生地を広げるとやや半透明でやや均一な膜質を有すこと)、×:不良(生地を広げると半透明でなく、均一でない膜質)。
<パンの硬さ評価法>
実施例、比較例で得られたパンを25℃で24時間、48時間、72時間保管後に、そのパンクラムを20mm厚に切り出して、レオナーメーター(機器名:YAMADEN CREEP METER RE2-33005S、山電社製)で以下の条件で測定した。硬さ応力(Pa)は、次式で求められる。
硬さ応力(Pa)=高さ(mm)/断面積(mm2)×10-6
接触面積 :400mm2
プランジャー:40mm
測定歪率 :50%
測定速度 :1mm/s
<パンの凝集性評価法>
実施例、比較例で得られたパンを25℃で24時間、48時間、72時間保管後に、そのパンクラムを20mm厚に切り出して、レオナーメーター(機器名:YAMADEN CREEP METER RE2-33005S、山電社製)で以下の条件で測定した。凝集性は、次式で求められる。
凝集性=2回目記録曲線上の面積/1回目記録曲線上の面積
接触面積 :400mm2
プランジャー:40mm
測定歪率 :50%
測定速度 :1mm/s
<パンの官能評価法>
実施例、比較例で得られたパンを25℃で保管した後、熟練の3人のパネラーによりサンプル名ブラインド方式で試食評価し、総合的に評価した。その際の評価基準は以下の通りであった。○:良好(食感がソフト・口ごなれが良い)、△:やや良好(食感がややソフト・やや口ごなれよい)、×:不良(食感硬く、口ごなれ悪い)。
(実施例1) 油中水型乳化油脂組成物1の作製
全油脂中、ナタネ油78重量%、パーム油20重量%、カルナウバロウ2重量%を含有する油脂を約60℃に温度調節しながらプロペラミキサーにて攪拌して油相部とし、一方水100重量部及びデキストリン(DE16)20重量部を配合して溶解し、約60℃に温度調節した水相部を油相部に添加し、乳化を約20分行った後、マーガリン製造機急冷捏和して油中水型乳化油脂組成物1を得た。このとき、油相部と水相部の重量比は70:30であった。得られた油中水型乳化油脂組成物1の硬さを針入度として評価した。また油中水型油脂組成物を融解し油脂の戻し油上昇融点を測定、それらの結果を表1にまとめた。
Figure 2007269909
(実施例2) 油中水型乳化油脂組成物2の作製
全油脂中、ナタネ油78重量%、パームステアリン11重量%、カカオバター11重量%を含有する油脂を約60℃に温度調節しながらプロペラミキサーにて攪拌して油相部とし、一方水100重量部及びデキストリン(DE16)20重量部を配合して溶解し、約60℃に温度調節した水相部を油相部に添加し、乳化を約20分行った後、パーフェクター、コンビネーター、ボテーターなどのマーガリン製造機にて急冷捏和して油中水型乳化油脂組成物2を得た。このとき、油相部と水相部の重量比は70:30であった。得られた油中水型乳化油脂組成物2の硬さを針入度として評価した。また油中水型油脂組成物を融解し油脂の戻し油上昇融点を測定、それらの結果を表1にまとめた。
(実施例3) 油中水型乳化油脂組成物3の作製
全油脂中、ナタネ油78重量%、パームステアリン11重量%、カカオバター11重量%を含有する油脂を約60℃に温度調節しながらプロペラミキサーにて攪拌して油相部とし、一方水100重量部及びイヌリン20重量部を配合し溶解、約60℃に温度調節した水相部を油相部に添加し、乳化を約20分行った後、パーフェクター、コンビネーター、ボテーターなどのマーガリン製造機にて急冷捏和して油中水型乳化油脂組成物3を得た。このとき、油相部と水相部の重量比は70:30であった。得られた油中水型乳化油脂組成物3の硬さを針入度として評価した。また油中水型油脂組成物を融解し油脂の戻し油上昇融点を測定、それらの結果を表1にまとめた。
(比較例1) 油中水型乳化油脂組成物4の作製
全油脂中、ナタネ油76重量%、パーム分別油(PMF)20重量%、パームステアリン4重量%を含有する油脂を約60℃に温度調節しながらプロペラミキサーにて攪拌したものをパーフェクター、コンビネーター、ボテーターなどのショートニング、マーガリン製造機を使用して急冷捏和して油中水型乳化油脂組成物4を得た。得られた油中水型乳化油脂組成物4の硬さを針入度として評価した。また油中水型油脂組成物を融解し油脂の戻し油上昇融点を測定、それらの結果を表1にまとめた。
(比較例2) 油中水型乳化油脂組成物5の作製
全油脂中、ナタネ油76重量%、パーム分別油(PMF)20重量%、パームステアリン4重量%を含有する油脂を約60℃に温度調節しながらプロペラミキサーにて攪拌して油相部とし、一方約60℃に温度調節し水を油相部に添加し、パーフェクター、コンビネーター、ボテーターなどのマーガリン製造機にて急冷捏和して油中水型乳化油脂組成物5を得た。このとき、油相部と水相部の重量比は90:10であった。得られた油中水型乳化油脂組成物5の硬さを針入度として評価した。また油中水型油脂組成物を融解し油脂の戻し油上昇融点を測定、それらの結果を表1にまとめた。
(比較例3) 油中水型乳化油脂組成物6の作製
全油脂中、綿実油を硬化(融点31.0℃)した油脂83.2重量%、油溶性乳化剤のエマルジーMS0.3重量%を含有する油脂を約60℃に温度調節しながらプロペラミキサーにて攪拌して油相部とし、約60℃に温度調節した水16.5重量%を、パーフェクター、コンビネーター、ボテーターなどのマーガリン製造機にて急冷捏和して油中水型乳化油脂組成物6を得た。このとき、油相部と水相部の重量比は83.5:16.5であった。得られた油中水型乳化油脂組成物の硬さを針入度として評価した。また油中水型油脂組成物6を融解し油脂の戻し油上昇融点を測定、それらの結果を表1にまとめた。
実施例1〜3の硬さのを表す針入度は、158〜171であった。これに対して比較例は、15℃では測定出来ない程軟質な物性を示した。トランス酸量は、実施例、比較例とも油中水型油脂組成物全体中0.77〜0.84重量%であり、低減化が図ることができた。
(実施例4) 油中水型油脂組成物1の冷凍生地での製パン性試験
表2の配合及び表3の条件に従い、油中水型乳化油脂組成物1を用いて製パン性試験を行った。得られたパンの評価結果は、表4に示した。
Figure 2007269909
Figure 2007269909
Figure 2007269909
(実施例5) 油中水型油脂組成物2の冷凍生地での製パン性試験
表2の配合及び表3の条件に従い、油中水型乳化油脂組成物2を用いて製パン性試験を行った。得られたパンの評価結果は、表4に示した。
(実施例6) 油中水型油脂組成物3の冷凍生地での製パン性試験
表2の配合及び表3の条件に従い、油中水型乳化油脂組成物3を用いて製パン性試験を行った。得られたパンの評価結果は、表4に示した。
(比較例4) 油中水型油脂組成物4の冷凍生地での製パン性試験
表2の配合及び表3の条件に従い、油中水型乳化油脂組成物4を用いて製パン性試験を行った。得られたパンの評価結果は、表4に示した。
(比較例5) 油中水型油脂組成物5の冷凍生地での製パン性試験
表2の配合及び表3の条件に従い、油中水型乳化油脂組成物5を用いて製パン性試験を行った。得られたパンの評価結果は、表4に示した。
実施例6は、特に成型時の生地の状態も良く、パンの硬さ応力も実施例4、実施例6が小さく良好であった。官能評価においては、実施例5が特に口ごなれが良く、実施例4、実施例6も良好であった。従来の多飽和多トランスタイプのマーガリンに比べてパンの口こなれ、パンの柔らかさなどの特性に優れたパンを得た。油中水型油脂組成物1〜3の冷凍生地での製パン性試験結果に対して、油中水型油脂組成物4,5の冷凍生地での製パン性試験においては、練り込み時間があまりに長く、生地のコシ・ノビ・成型性が劣ったため、その後の評価を中止した。

Claims (5)

  1. 油中水型乳化油脂組成物全体中、トランス酸の含有量が3重量%以下、油脂の含有量が84〜40重量%、且つ水の含有量が14.5〜40重量%の油中水型乳化油脂組成物であって、該油脂は、油脂全体中6〜16重量%のカカオバター及び/又は油脂全体中0.5〜5重量%のロウを含み、且つ未加工のパーム油、シア脂、パームステアリンからなる群より選ばれる少なくとも1種を油脂全体中12〜25重量%含有し、さらに油脂の構成脂肪酸の内、飽和脂肪酸残基が30〜10重量%且つ不飽和脂肪酸残基が70〜90重量%であることを特徴とする油中水型乳化油脂組成物。
  2. さらにDE2〜30のデキストリンを含有することを特徴とする請求項1記載の油中水型乳化油脂組成物。
  3. デキストリンの含有量が油中水型乳化油脂組成物全体中0.5〜20重量%である請求項2記載の油中水型乳化油脂組成物。
  4. さらにイヌリンを含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の油中水型乳化油脂組成物。
  5. イヌリンの含有量が油中水型乳化油脂組成物全体中0.5〜20重量%の範囲である請求項4に記載の油中水型乳化油脂組成物。
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