JP2017077215A - 油菓子用生地 - Google Patents

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Abstract

【課題】ソフト感、歯切れ感、及び口溶け感に優れた食感、並びに表面にシワが出来にくい油菓子を製造するための油菓子用生地の提供。【解決手段】穀粉100質量部に対して水中油型乳化物を3〜20質量部、並びにモノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂を2〜10質量部含む油菓子用生地であり、前記油脂は該油脂中にモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを1〜10質量%、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを1〜7質量%、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを1〜5質量%含有し、前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルは構成脂肪酸中のパルミチン酸含有量が90質量%以上であり、前記水中油型乳化物中の油脂の含有量は30〜60質量%であり、前記油菓子用生地がドーナツ用生地である油菓子用生地。【選択図】なし

Description

本発明は、ソフト感、歯切れ感、及び口溶け感に優れた食感を有し、さらに表面にシワが出来にくい油菓子が得られる油菓子用生地に関するものである。
油菓子は、小麦粉等の穀粉、糖類、油脂を主原料とする生地を油ちょうしたものであり、代表的なものとして、ドーナツや揚げパンがある。特にドーナツは、人気のあるお菓子として、揚げてから中にクリームを注入したり、チョコレートでコーティングするなど様々な種類のドーナツが考案されている。
最近では、ふんわりとした外観とやわらかい食感のドーナツ(ソフトドーナツ)に人気があり、店舗で販売されるドーナツにおいては、やわらかく、口溶けのよい食感が長持ちすることが望まれている。しかし、ドーナツの食感をやわらかくすると、歯切れ感が悪くなり、くちゃついた食感になることや、また、ドーナツ表面にシワが出来やすくなり、しぼんだ印象を与えたり、チョコレート等でコーティングするときに、ムラやヒビ割れができやすくなる等の問題があった。
これまで、ドウ状生地及びペースト状生地の異なる2種類の生地を併用した、やわらかい食感のソフトドーナツ(特許文献1)や、アルギン酸エステルを生地改良剤として使用した、ソフトで弾力のある状態が維持でき、保形性に優れたドーナツ(特許文献2)等が提案されている。しかし、これらの技術は、ソフト感、歯切れ感、及び口溶け感に優れた食感、並びに表面にシワが出来にくいという技術課題を同時に解決できるものでは無かった。
特開2014−217325号公報 特開2004−065245号公報
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ソフト感、歯切れ感、及び口溶け感に優れた食感、並びに表面にシワが出来にくい油菓子を製造するための油菓子用生地を提供するものである。
本発明者は、油菓子用生地中に、水中油型乳化物と特定の乳化剤を含む油脂とを配合することで、上記課題が解決される点を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は下記のものを提供する。
(1)穀粉100質量部に対して水中油型乳化物を3〜20質量部、並びにモノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂を2〜10質量部含むことを特徴とする油菓子用生地。
(2)前記モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂は、該油脂中にモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを1〜10質量%、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを1〜7質量%、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを1〜5質量%含有することを特徴とする(1)に記載の油菓子用生地。
(3)前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中のパルミチン酸含有量が90質量%以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の油菓子用生地。
(4)前記水中油型乳化物中の油脂の含有量は、30〜60質量%であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の油菓子用生地。
(5)前記油菓子用生地がドーナツ用生地であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の油菓子用生地。
(6)前記(1)〜(5)に記載の油菓子用生地を油ちょうして得られるドーナツ。
本発明によると、食感が、ソフト感、歯切れ感、及び口溶け感に優れ、さらに表面にシワが出来にくい油菓子を製造するための油菓子用生地を提供することができる。
以下、本発明の油菓子用生地について詳しく説明する。
本発明の油菓子用生地は、油ちょうにより油菓子を製造するための生地である。ここで、油菓子とは、具体的にドーナツ、揚げパン、アメリカンドック等を指す。
本発明の油菓子用生地は、穀粉100質量部に対して水中油型乳化物を3〜20質量部、並びにモノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂を2〜10質量部含むものである。ここで、本発明における生地とは、穀粉、油脂、糖類、卵類、乳製品、塩類、水等の原料を混合して得られる油ちょう前の生地を指す。
(水中油型乳化物)
本発明で使用される水中油型乳化物は、油脂類、液糖、水系原料及び乳化性原料を使用して油相と水相とを混合・乳化することにより得られる。前記乳化性原料としては、乳化剤、乳蛋白、加工澱粉等が挙げられる。
前記水中油型乳化物は、本発明の油菓子用生地中に、穀粉100質量部に対して3〜20質量部含み、好ましくは4〜17質量部、より好ましくは5〜15質量部、最も好ましくは8〜12質量部含む。水中油型乳化物の含有量が上記の範囲であると、得られた油菓子の食感が、口溶け感と歯切れ感の優れたものになり、さらに、油菓子の表面のシワが出来にくくなるので好ましい。
本発明で使用される水中油型乳化物に使用される油脂としては、特に制限はなく、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
前記水中油型乳化物中の油脂の含有量は、30〜60質量%が好ましく、35〜55質量%がより好ましく、40〜50質量%が最も好ましい。前記水中油型乳化物中の油脂含有量が上記範囲にあると、得られた油菓子の食感が、口溶け感と歯切れ感の優れたものになるので好ましい。
本発明で使用される水中油型乳化物に使用される油脂は、そのSFC(固体脂含量)が、10℃で好ましくは0〜20%、より好ましくは0〜10%、20℃で好ましくは0〜15%、より好ましくは0〜7%、30℃で好ましくは0〜10%、より好ましくは0〜5%である。前記水中油型乳化物に使用される油脂のSFCが上記範囲程度であると、得られた油菓子の食感が、歯切れ感の優れたものになるので好ましい。
なお、SFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9−2003固体脂含量(NMR法)に従って測定することができる。
また、前記水中油型乳化物に使用される油脂には、10℃で流動性のある液状油脂を配合することが好ましい。前記水中油型乳化物に使用される油脂中に含まれる前記液状油脂は、70〜100質量%が好ましく、75〜95質量%がより好ましく、80〜90質量%が最も好ましい。前記水中油型乳化物に使用される油脂中に含まれる前記液状油脂がこの範囲内であると、得られた油菓子の食感が、口溶け感の優れたものになるので好ましい。
本発明で使用される水中油型乳化物に使用される液糖は、液状の糖類であれば特に限定されないが、砂糖液糖、転化糖液糖、異性化糖やそれらの混合物を用いることができる。前記水中油型乳化物中の液糖の含有量は、38〜68質量%が好ましく、43〜63質量%がより好ましく、48〜58質量%の範囲が最も好ましい。本発明の水中油型乳化物に使用される液糖の含量が上記範囲程度であると、得られた油菓子の食感が、歯切れ感の優れたものになるので好ましい。
本発明の油菓子用生地に使用される水中油型乳化物は、本発明の効果を損なわない程度において、通常の水中油型乳化物に使用されるその他の成分を含有することができる。例えば、ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、アラビアガム、CMC、ローカストビーンガム、ジェランガム等の増粘多糖類、全脂粉乳、バターミルク、脱脂粉乳、全脂加糖練乳、生クリーム、カゼインナトリウム、乳ホエイ等の乳製品、大豆タンパク、大豆タンパク分解物、大豆ホエイ濃縮物、乾燥卵白、加糖卵黄、小麦グルテン、小麦グルテン分解物等の蛋白関連製品、モノグリセリド、有機酸モノグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、酵素分解レシチン、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリソルベート等の乳化剤、フレーバー、着色料、酸化防止剤等を使用することができる。
本発明の油菓子用生地に使用される水中油型乳化物は、通常の水中油型乳化物と同様の方法により製造することができる。
(モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂)
本発明に使用する、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂(以下、油脂Aともいう。)は、本発明の油菓子用生地中に、穀粉100質量部に対して2〜10質量部含み、好ましくは2.5〜7質量部、より好ましくは3〜6質量部、最も好ましくは3.5〜5.5質量部含む。油脂Aの含有量が上記の範囲であると、得られた油菓子の食感が、ソフト感と歯切れ感の優れたものになるので好ましい。
油脂Aに含有する油脂は、上記水中油型乳化物に使用されるのと同様の食用油脂であれば特に制限なく使用できる。また、油脂Aに含有する油脂は、該油脂中に20℃で液状の油脂を12〜42質量%含有することが好ましく、15〜40質量%含有することがより好ましく、20〜35質量%含有することが最も好ましい。前記20℃で液状の油脂の含有量が上記範囲にあると、得られた油菓子がくちゃつかなく、ソフト感に優れたものとなる。
前記20℃で液状の油脂とは、20℃で流動性を有する油脂であれば特に限定されないが、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、並びにそれら単独の油又は複数混合油の水素添加油、それら単独の油又は複数混合油のエステル交換油、及びそれら単独の油又は複数混合油の分別油等の加工油等が挙げられる。これらの中でも、入手の容易性及び価格の観点から、大豆油、菜種油、コーン油から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
さらに、油脂Aに含有する油脂は、該油脂中にパーム系油脂を合計30〜70質量%含有することが好ましく、合計40〜65質量%含有することがより好ましい。さらに、前記パーム系油脂は、2種以上のパーム系油脂含み、エステル交換されたパーム系油脂をパーム系油脂の合計中、25質量%以上含むことが好ましく、35質量%以上含むことがより好ましい。前記パーム系油脂と前記エステル交換されたパーム系油脂の含有量が上記範囲にあると、得られた油菓子がソフト感の優れたものになる。
ここで、パーム系油脂とは、パーム油、パーム油分別油脂、及びそれらのエステル交換油であり、例えば、パームステアリン、パームオレイン、パーム油中融点画分やそれらのエステル交換油等が挙げられる。
本発明に使用する油脂Aに含有するモノグリセリンモノ脂肪酸エステルは、市販のモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いてもよいし、従来公知の方法により製造したモノグリセリンモノ脂肪酸エステル用いてもよい。本発明に使用するモノグリセリンモノ脂肪酸エステルの市販品としては、ポエムV−100(理研ビタミン(株)製)、エマルジーMH(理研ビタミン(株)製)等を使用することができる。
また、油脂Aに含有するモノグリセリンモノ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中のステアリン酸含量が60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。
油脂Aは、モノグリセリンモノ脂肪酸エステルを該油脂組成物中に1〜10質量%含有することが好ましく、3〜7質量%含有することがより好ましく、4〜6質量%含有することが最も好ましい。前記モノグリセリンモノ脂肪酸エステルが上記範囲にあると、得られた油菓子がソフト感の優れたものになる。
本発明に使用する油脂Aに含有するプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルは、市販のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを用いてもよいし、従来公知の方法により製造したプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル用いてもよい。本発明に使用するプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルの市販品としては、リケマールPB−100(理研ビタミン(株)社製)等を使用することができる。
また、油脂Aに含有するプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中のベヘン酸含量が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
油脂Aは、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを該油脂組成物中に1〜7質量%含有することが好ましく、2〜5質量%含有することがより好ましく、2〜4質量%含有することが最も好ましい。前記プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルが上記範囲にあると、得られた油菓子が歯切れ感の優れたものになる。
本発明に使用する油脂Aに含有するジグリセリンモノ脂肪酸エステルは、市販のジグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いてもよいし、従来公知の方法により製造したジグリセリンモノ脂肪酸エステル用いてもよい。本発明に使用するジグリセリンモノ脂肪酸エステルの市販品としては、ポエムDP-95RF(理研ビタミン(株)製)等を使用することができる。
また、油脂Aに含有するジグリセリンモノ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中のパルミチン酸含有量が、90質量%以上が好ましく、93〜100質量%がより好ましく、95〜100質量%が最も好ましい。
油脂Aは、前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを該油脂組成物中に1〜5質量%含有することが好ましく、1.5〜3質量%含有することがより好ましく、2〜2.5質量%含有することが最も好ましい。ジグリセリンモノ脂肪酸エステルが上記範囲にあると、得られた油菓子が歯切れ感の優れたものになる。
前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルの構成脂肪酸含量は、AOCS法(Celf−96)に準じてガスクロマトグラフィー法にて測定することができる。
本発明に使用する油脂Aは、水を含有しないショートニングタイプであってもよく、水との乳化物であるマーガリンタイプであってもよいが、ショートニングタイプであることが好ましい。なお、マーガリンタイプとして用いられる場合は、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれであってもよいが、油中水型であることが好ましい。
また、前記油脂Aは、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上記以外の乳化剤、増粘安定剤、着色料、酸化防止剤等を配合することができる。
本発明に使用する油脂Aは、公知の製造条件及び製造方法により製造することができる。例えば、油脂、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステル、及びその他の原料を、加熱条件下で融解混合後、急冷練り合わせすることで製造することができる。急冷練り合わせする機械としては、密閉型連続式チューブ冷却器、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート式熱交換器等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せが挙げられる。
(穀粉)
本発明に使用する穀粉は、通常、ドーナツ等の油菓子の生地に配合されるものであれば、特に制限なく使用することができる。また、穀粉の配合量も、一般的に、ドーナツや揚げパンの生地に配合される範囲で特に制限なく配合することができる。穀粉の具体例としては、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉等)、大麦粉、米粉、とうもろこし粉、ライ麦粉、そば粉、大豆粉等が挙げられるが、好ましくは小麦粉を使用できる。
(その他の原料)
本発明の油菓子用生地で使用される穀粉、水中油型乳化物、及び油脂A以外の原料は、特に制限されるものではないが、ドーナツ等の油菓子の生地に通常使用される、粉末状糖類、甘味料、乳製品、酵母(イースト)、膨張剤、油脂類、水、食塩、澱粉類、乳化剤、香辛料、香料、着色料などの公知の材料を適宜用いることができる。
本発明の油菓子用生地は、穀粉100質量部に対して油分が7〜25質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましく、13〜16質量部であることが最も好ましい。前記油分が上記の範囲にあると、得られた油菓子がソフト感の優れたものになる。ここで、前記油分は、本発明の油菓子用生地で使用される水中油型乳化物、及び油脂Aに含まれる油脂の合計量を指す。また、水中油型乳化物及び油脂A以外の油脂類を配合する場合は、該油脂類中の油脂も合わせた合計量を指す。
(油菓子用生地の製造方法)
本発明の油菓子用生地の製造方法は、中種法、ストレート法、及びオールインミックス法のいずれの製造方法を用いてもよい。
(油菓子の製造方法)
本発明の油菓子用生地を成型した後、油ちょうすることで、ソフト感、歯切れ感、及び口溶け感に優れた食感を有し、さらに表面にシワが出来にくい油菓子を製造することができる。前記油ちょうは、一般的に、ドーナツや揚げパンを製造する条件で行うことができるが、例えば温度160〜200℃にて1分〜5分油ちょうすることにより油菓子が得られる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[水中油型乳化物の製造]
10℃で液状の油脂(サラダ油、日清オイリオグループ(株)製造品)39質量部、10℃で固形状の油脂(菜種硬化油、日清オイリオグループ(株)製造品)7質量部を溶解混合することで油相を調製した。次に、液糖(Brix71)49.3質量部、加工澱粉4.2質量部、乾燥卵白0.5質量部を混合することで水相を調製し、ホモミキサーを用いて常法により水中油型乳化物を得た。
水中油型乳化物中の油脂(固形状油脂と液状油脂)の含有量は46質量%であり、液状油脂の含有量は39質量%であり、該油脂中の液状油脂の含有量は84.8質量%であった。また、前記水中油型乳化物の油相中に含まれる油脂のSFC(固体脂含量)は、10℃で5%、20℃で2%、30℃で1%であった。なお、SFCは、社団法人日本油化学会編、「基準油脂分析試験法」の2.2.9−2003固体脂含量(NMR法)に従って測定した。
[モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂(油脂A)の製造]
表1に示した配合で以下の方法により製造した。下記の原料油脂1〜4にモノグリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名:ポエムV−100(構成脂肪酸中パルミチン酸30質量%、ステアリン酸68質量%)、理研ビタミン(株)製)、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル(商品名:リケマールPB−100(構成脂肪酸中ベヘン酸95質量%)、理研ビタミン(株)製)、及び構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名:ポエムDP-95RF、理研ビタミン(株)製)を溶解させて、掻き取り式熱交換器(95℃、5〜15秒間)にて殺菌し、その後、掻き取り式熱交換器(コンビネーター)にて急冷練り合わせを行い、最終製品温度を15〜20℃に調整することで、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂(油脂A)を得た。また、表1に示した配合で上記と同様に急冷練り合わせをして、乳化剤を含まない油脂(油脂B)を得た。なお、油脂A中の油脂の含有量は89.8質量%であった。
(原料油脂1の調製)
パーム核油(日清オイリオグループ(株)製造品)40質量部と、パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)60質量部を混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、前記混合油に対し、0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間撹拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、原料油脂1を得た。
(原料油脂2の調製)
パームオレイン(日清オイリオグループ(株)製造品)を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、原料油脂2を得た。
(原料油脂3)
原料油脂3は、精製パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)を使用した。
(原料油脂4)
原料油脂4は、菜種油(商品名:日清菜種サラダ油、日清オイリオグループ(株)製)を使用した。前記菜種油は20℃で液状であった。
Figure 2017077215
[ドーナツの製造]
表2及び3に示した配合の20倍量で各原料を秤量し、ストレート法により製造した。捏ね上げ温度26℃で、低速5分、中速5分混捏して生地を得た後、フロアタイムを60分(28℃)取り、次に50gに分割し、ベンチタイムを20分取った後、リング状に成型した。40分間のホイロ(34℃)を経て、180℃のフライ油で3分間フライして、ドーナツ(対照例、実施例1〜4、比較例1〜3)を得た。
なお、表2及び3中のマーガリンは、市販のマーガリン(商品名:日清ロイヤルシャープ180、日清オイリオグループ(株)製、油脂含有量83質量%)を使用した。また、表2及び3中の油分は、市販のマーガリン、油脂A(又は油脂B)、及び水中油型乳化物に含まれる油脂の合計値(計算値)である。
Figure 2017077215
Figure 2017077215
[ドーナツの評価]
上記で製造した各ドーナツについて、下記の評価方法に従い、製造から1日後に官能評価及び外観評価を行い、各ドーナツのソフト感、歯切れ感、口溶け感、及びシワの発現を評価した。
(官能評価:ソフト感、歯切れ感、又は口溶け感の評価)
◎:○と比べて、良好
○:対照例と比べて、良好
×:対照例と比べて、同等以下
(外観評価:シワの発現の評価)
◎:○と比べて、シワの発現の程度が少ない
○:対照例と比べて、シワの発現の程度が明らかに少ない
×:対照例と比べて、シワの発現の程度が同等以下
上記表2及び表3の評価結果より、穀粉100質量部に対して水中油型乳化物を5〜15質量部、並びに油脂Aを4又は10質量部含む油菓子用生地から得られたドーナツ(実施例1〜4)は、該水中油型乳化物及び該油脂Aを含有しない生地から得られたドーナツ(対照例)と比べて、食感の点で、ソフト感、歯切れ感、及び口溶け感に優れ、さらに表面にシワが出来にくいものであった。
また、実施例2の生地配合から水中油型乳化物を除いた生地より得られたドーナツ(比較例1)は、対照例と比べて、シワの発現が同程度であった。一方、実施例2の生地配合から油脂Aを除いた生地より得られたドーナツ(比較例2)は、対照例と比べて、ソフト感が同程度であった。さらに、実施例2の生地配合から油脂Aを増量(対粉12質量部)した生地より得られたドーナツ(比較例3)は、対照例と比べて、くちゃつき感があり、歯切れ感が劣るものであった。

Claims (5)

  1. 穀粉100質量部に対して水中油型乳化物を3〜20質量部、並びにモノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂を2〜10質量部含むことを特徴とする油菓子用生地。
  2. 前記モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有する油脂は、該油脂中にモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを1〜10質量%、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを1〜7質量%、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを1〜5質量%含有することを特徴とする請求項1に記載の油菓子用生地。
  3. 前記ジグリセリンモノ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中のパルミチン酸含有量が90質量%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の油菓子用生地。
  4. 前記水中油型乳化物中の油脂の含有量は、30〜60質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の油菓子用生地。
  5. 前記油菓子用生地がドーナツ用生地であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の油菓子用生地。
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WO2021200147A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 株式会社J-オイルミルズ 揚げ菓子用練り込み油脂組成物、揚げ菓子の製造方法及び揚げ菓子の食感を向上させる方法

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