JP6399846B2 - ベーカリー製品用油脂組成物及び該ベーカリー製品用油脂組成物を使用したベーカリー製品 - Google Patents

ベーカリー製品用油脂組成物及び該ベーカリー製品用油脂組成物を使用したベーカリー製品 Download PDF

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Description

本発明は、ベーカリー製品の風味を損なうことなく、ベーカリー製品の歯切れ感とソフト感を改良し、また、トーストした際にもその食感(歯切れ感、ソフト感)が保持されているベーカリー製品を製造することができる、ベーカリー製品用の油脂組成物に関する。
ベーカリー製品は、通常、小麦粉に水、イースト、食塩、油脂、糖類、乳製品等を加えて調製した生地を焼成することで製造される。ベーカリー製品でポピュラーなものはパンであるが、中でも食パンは、朝食時に主食として多くの人に食されている。食パンは、パン生地を焼型に入れて焼成したものであり、ボリュームがあって、食した時の歯切れ感が良く、ソフトなものが好まれる。
近年、製パンメーカーでは、流通の広域化にともなう在庫時間や流通時間のタイムロスを考慮して、製造直後の食感を長時間維持できるパンへの要望が強い。特に食パンは、ふんわりとして歯切れ感が良く、ソフトな食感が重視されるので、タイムロスにより食パンの老化が進んで食感が悪くなるのを防止するために、種々の乳化剤が配合されている。しかし、乳化剤の添加によって、歯切れ感が悪くなったり、くちゃつくなど、好ましくない効果が表れる問題があった。さらに、食感を軟らかくするために、液状油脂の配合量を多くすることもあるが、軟らかくなり過ぎて、くちゃついてしまうことがあった。
また、食パンはトーストして食されることが多いため、トーストしても、トースト前の歯切れ感とソフト感が保持される食パンが求められている。
ベーカリー製品の歯切れ感や口溶け感を改善する技術として、3種の乳化剤を配合する方法(特許文献1)が報告されているが、この技術は液状油脂を多く配合する必要があり、くちゃついた食感を与える場合があった。また、トースト後の食パンの歯切れ感を改善する方法として、融点40℃以下のジグリセリドを配合する方法(特許文献2)が報告されているが、歯切れ感以外の食感に関する検討はなされていなかった。
したがって、くちゃつきの発生が無く、歯切れ感とソフト感を改善し、トーストした際にもその食感が保持されているベーカリー製品を提供する技術については十分に検討されていなかった。
特開2009−39070号公報 特開平2−124055号公報
本発明の目的は、ベーカリー製品の風味を損なうことなく、歯切れ感とソフト感を改善し、トーストした際にもその食感が保持できるベーカリー製品用油脂組成物及び該ベーカリー製品用油脂組成物を使用したベーカリー製品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、ベーカリー製品用油脂組成物として、トリグリセリド組成が特定の条件を満たす油脂と、特定の3種の乳化剤を配合することで、該油脂組成物を使用したベーカリー製品の歯切れ感とソフト感とが改善され、トーストした際にもその食感が保持されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、油脂、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及び構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有し、且つ該油脂中のトリグリセリド含有量が下記の(1)〜(3)を全て満たすことを特徴とするベーカリー製品用油脂組成物
(1)SSSの含有量が5〜13質量%
(2)S2UとSU2の合計含有量が40〜70質量%
(3)UUUの含有量が17〜38質量%
但し、
SSS:Sが3分子結合しているトリグリセリド
S2U:Sが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
SU2:Sが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
UUU:Uが3分子結合しているトリグリセリド
S:飽和脂肪酸
U:不飽和脂肪酸
である。
本発明の第2の発明は、前記油脂が、20℃で液状の油脂を12〜42質量%含有することを特徴とする第1の発明に記載のベーカリー製品用油脂組成物である。
本発明の第3の発明は、前記油脂が、パーム系油脂を30〜70質量%含有することを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載のベーカリー製品用油脂組成物である。
本発明の第4の発明は、前記パーム系油脂が、2種以上のパーム系油脂を含有し、且つ該パーム系油脂中に25質量%以上のエステル交換されたパーム系油脂を含有することを特徴とする第1の発明〜第3の発明のいずれか1つに記載のベーカリー製品用油脂組成物である。
本発明の第5の発明は、第1の発明〜第4の発明のいずれか1つに記載されたベーカリー製品用油脂組成物を使用して製造されたベーカリー製品ある。
本発明によると、ベーカリー製品の風味を損なうことなく、歯切れ感とソフト感を改善し、トーストした際にもその食感が保持できるベーカリー製品用油脂組成物、及び該ベーカリー製品油脂組成物を使用したベーカリー製品を提供することができる。
まず、上記(1)のSSSの含有量について述べる。本発明のベーカリー製品用油脂組成物において、油脂中のSSSの含有量は5〜13質量%、好ましくは7〜13質量%、より好ましくは7〜12質量%である。前記SSSの含有量が上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品が歯切れ感とソフト感の優れたものになる。
次に、上記(2)のS2UとSU2の合計含有量について述べる。本発明のベーカリー製品用油脂組成物において、油脂中のS2UとSU2の合計含有量は40〜70質量%、好ましくは45〜70質量%、より好ましくは45〜65質量%である。前記S2UとSU2の合計含有量が上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品がソフト感の優れたものになる。
続いて、上記(3)のUUUの含有量について述べる。本発明のベーカリー製品用油脂組成物において、油脂中のUUUの含有量は17〜38質量%、好ましくは20〜38質量%、より好ましくは23〜30質量%である。前記UUUの含有量が上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品がやわらかく、ソフト感の優れたものになる。
ここで、上記のSSS等のトリグリセリドを構成するSは、飽和脂肪酸を示すものであり、好ましくは炭素数8〜24、より好ましくは炭素数8〜22の飽和脂肪酸である。また、上記のUUU等のトリグリセリドを構成するUは、不飽和脂肪酸を示すものであり、好ましくは炭素数16〜24、より好ましくは炭素数16〜20の不飽和脂肪酸である。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有する油脂は、上記の条件(1)〜(3)の全てを満たしていれば特に制限はなく、例えば、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、オリーブ油、キャノーラ油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオ脂、魚油、鯨油等の各種植物油脂、動物油脂、並びにこれらを水素添加、分別及びエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂から選ばれた1種又は2種以上を使用することができる。
また、本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有する油脂は、該油脂中に20℃で液状の油脂を12〜42質量%含有することが好ましく、15〜40質量%含有することがより好ましく、20〜35質量%含有することが最も好ましい。前記20℃で液状の油脂の含有量が上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品がくちゃつかなく、ソフト感に優れたものとなる。
前記20℃で液状の油脂とは、20℃で流動性を有する油脂であれば特に限定されないが、大豆油、菜種油、コーン油、ひまわり油、紅花油、ごま油、綿実油、米油、オリーブ油、落花生油、亜麻仁油、並びにそれら単独の油又は複数混合油の水素添加油、それら単独の油又は複数混合油のエステル交換油、及びそれら単独の油又は複数混合油の分別油等の加工油等が挙げられる。これらの中でも、入手の容易性及び価格の観点から、大豆油、菜種油、コーン油を用いることが好ましい。
さらに、本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有する油脂は、該油脂中にパーム系油脂を合計30〜70質量%含有することが好ましく、合計40〜65質量%含有することがより好ましい。さらに、前記パーム系油脂は、2種以上のパーム系油脂含み、エステル交換されたパーム系油脂をパーム系油脂の合計中、25質量%以上含むことが好ましく、35質量%以上含むことがより好ましい。前記パーム系油脂と前記エステル交換されたパーム系油脂の含有量が上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品がソフト感の優れたものになる。
ここで、パーム系油脂とは、パーム油、パーム油分別油脂、及びそれらのエステル交換油であり、例えば、パームステアリン、パームオレイン、パーム油中融点画分やそれらのエステル交換油等が挙げられる。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有する油脂のトリグリセリド組成は、カラムにジーエルサイエンス社製のSilicone GS−1を用いたガスクロマトグラフィーにより測定することができる。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有する構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルは、市販のジグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いてもよいし、従来公知の方法により製造したジグリセリンモノ脂肪酸エステル用いてもよい。本発明に使用する構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルの市販品としては、ポエムDP-95RF(理研ビタミン(株)製)等を使用することができる。
また、本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有する構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中のパルミチン酸以外の脂肪酸含有量が8質量%以下、好ましくは5質量%以下であれば、パルミチン酸以外の脂肪酸を夾雑物として含有しても本発明の効果に影響を与えない。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物は、前記構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルを該油脂組成物中に1〜5質量%含有することが好ましく、1.5〜3質量%含有することがより好ましく、2〜2.5質量%含有することが最も好ましい。前記構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステルが上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品が口どけ良く、歯切れ感の優れたものになり、トーストした際にもその食感が保持できる。
また、本発明のベーカリー製品用油脂組成物は、前記構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステル以外のジグリセリンモノ脂肪酸エステルを配合してもよいが、本発明の効果を得やすくするために、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル全合計中の前記構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステル含有量が、93〜100質量%であることが好ましく、95〜100質量%であることがより好ましい。
本発明に使用するジグリセリンモノ脂肪酸エステルの構成脂肪酸含量は、AOCS法(Celf−96)に準じてガスクロマトグラフィー法にて測定することができる。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有するモノグリセリンモノ脂肪酸エステルは、市販のモノグリセリンモノ脂肪酸エステルを用いてもよいし、従来公知の方法により製造したモノグリセリンモノ脂肪酸エステル用いてもよい。本発明に使用するモノグリセリンモノ脂肪酸エステルの市販品としては、ポエムV−100(理研ビタミン(株)製)、エマルジーMH(理研ビタミン(株)製)等を使用することができる。
また、本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有するモノグリセリンモノ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中のステアリン酸含量が60質量%以上であることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましい。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物は、モノグリセリンモノ脂肪酸エステルを該油脂組成物中に1〜10質量%含有することが好ましく、3〜7質量%含有することがより好ましく、4〜6質量%含有することが最も好ましい。前記モノグリセリンモノ脂肪酸エステルが上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品がソフト感の優れたものになる。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有するプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルは、市販のプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを用いてもよいし、従来公知の方法により製造したプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル用いてもよい。本発明に使用するプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルの市販品としては、リケマールPB−100(理研ビタミン(株)社製)等を使用することができる。
また、本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有するプロピレングリコールモノ脂肪酸エステルは、構成脂肪酸中のベヘン酸含量が80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物は、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルを該油脂組成物中に1〜7質量%含有することが好ましく、2〜5質量%含有することがより好ましく、2〜4質量%含有することが最も好ましい。前記プロピレングリコールモノ脂肪酸エステルが上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品が歯切れ感の優れたものになる。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物は、水を含有しないショートニングタイプであってもよく、水との乳化物であるマーガリンタイプであってもよいが、ショートニングタイプであることが好ましい。なお、マーガリンタイプとして用いられる場合は、その乳化形態は、油中水型、水中油型、及び二重乳化型のいずれであってもよいが、油中水型であることが好ましい。
また、本発明のベーカリー製品用油脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上記以外の乳化剤、増粘安定剤、着色料、酸化防止剤等を配合することができる。
本発明のベーカリー製品用油脂組成物は、公知の製造条件及び製造方法により製造することができる。例えば、油脂、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステル、及びその他の原料を、加熱条件下で融解混合後、急冷練り合わせすることで製造することができる。急冷練り合わせする機械としては、密閉型連続式チューブ冷却器、例えば、ボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート式熱交換器等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターとの組合せが挙げられる。
本発明のベーカリー製品は、具体的には、パン、ケーキ、ドーナッツ、クッキー等が挙げられるが、中でもパンが好ましい。
本発明のベーカリー製品がパンである場合、具体的には、食パン、テーブルロール、菓子パン、調理パンなどが挙げられるが、食パンであることが特に好ましい。一般に食パンと呼ばれるものは、パン生地を型に入れて焼成する型焼きパンを指す。例えば、四角の型に蓋をして焼成した角食パン、型に生地玉を2〜3個いれて山型に焼成したイギリスパン、1個の生地玉でまくら型をしたワンローフなどが挙げられる。
本発明のベーカリー製品における本発明のベーカリー製品用油脂組成物の配合量は、小麦粉100質量部に対して、1〜30質量部、好ましくは3〜10質量部である。前記ベーカリー製品用油脂組成物が上記範囲にあると、本発明のベーカリー製品が歯切れ感とソフト感とが改善され、トーストした際にもその食感が保持されたものとなる。
本発明のベーカリー製品は、本発明のベーカリー製品用油脂組成物を用いて、公知の製造方法及び製造条件により製造することができる。例えば、本発明のベーカリー製品がパンである場合、直捏法(ストレート法)、中種法、液種法、オールインミックス法、老麺法などの製法等を挙げることができるが、中種法、直捏法(ストレート法)が好ましい。
本発明のベーカリー製品がパンである場合、該パンは風味が良好で歯切れ感とソフト感に優れ、トーストした際にもその食感が保持される。ここでトーストとは、オーブンやトースターなどを使用した天火焼き、フライパンなどを使用した鉄板焼き、直接火で炙るなどの直火焼きなど、一般的に焼く調理方法を意味する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[油脂Aの調製]
パーム核油(日清オイリオグループ(株)製造品)40質量部と、パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)60質量部を混合した混合油を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、前記混合油に対し、0.2質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間撹拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂Aを得た。
[油脂B(パーム系油脂)の調製]
パームオレイン(日清オイリオグループ(株)製造品)を、減圧下120℃に加熱することにより十分に乾燥させた後、対油0.1質量%のナトリウムメチラートを添加し、減圧下、110℃で0.5時間攪拌しながらエステル交換反応を行った。反応終了後、ナトリウムメチラートを水洗除去し、常法の精製方法に従って、脱色、脱臭処理して、油脂B(パーム系油脂)を得た。
[油脂C(パーム系油脂)]
油脂Cは、精製パーム油(日清オイリオグループ(株)製造品)を使用した。
[油脂D(パーム系油脂)]
油脂Dは、パーム極度硬化油(商品名:パーム極度硬化油、横関油脂工業(株)製)を使用した。
[油脂E(液状油脂)]
油脂Eは、菜種油(商品名:日清菜種サラダ油、日清オイリオグループ(株)製)を使用した。前記菜種油は20℃で液状であった。
[ベーカリー製品用油脂組成物の調製]
表1に示した配合で以下の方法により製造した。上記油脂A〜Eにモノグリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名:ポエムV−100、理研ビタミン(株)製)、及びプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル(商品名:リケマールPB−100、理研ビタミン(株)製)、並びに構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名:ポエムDP-95RF、理研ビタミン(株)製)、又は構成脂肪酸がステアリン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステル(商品名:ポエムDS−80RF、理研ビタミン(株)製)を溶解させて、掻き取り式熱交換器(95℃、5〜15秒間)にて殺菌し、その後、掻き取り式熱交換器(コンビネーター)にて急冷練り合わせを行い、最終製品温度を15〜20℃に調整することで、実施例1及び2、並びに比較例1〜4の油脂組成物を得た。
なお、本発明のベーカリー製品用油脂組成物に含有する油脂のトリグリセリド組成は、カラムにジーエルサイエンス社製のSilicone GS−1を用いたガスクロマトグラフィーにより測定した。測定結果を表1に示す。
[食パンの製造]
強力粉1050g、イースト39g、生イースト1.5g、水600gを低速2分、中速2分混捏し、捏ね上げ温度25℃の中種を28℃、相対湿度80%で120分間発酵させた。
発酵させた中種に、さらに、強力粉450g、上白糖90g、食塩26g、脱脂粉乳45g、水420gを加え、低速2分、中速5分混捏し、ここで、上記で調製したベーカリー製品用油脂組成物90gを加え、低速2分、中速4分、高速2分混捏し、捏ね上げ温度28℃の生地を得た。
フロアタイムを30分取った後、205gに分割し、さらにベンチタイムを20分取った後、モルダーにてU字に成型した生地を、交互に6個ずつプルマンの型に生地を入れ、38℃、相対湿度85%のホイロに45分入れて最終発酵を行った。最終発酵後、上火200℃、下火210℃のオーブンに入れて、35分焼成し、食パンを得た。
[食パンの評価]
上記で製造した各食パンについて、下記の方法で焼成から1日後に官能評価を行い、各食パンの歯切れ感及びソフト感を下記の基準に基づいて評価した。また、トースト後の各食パンについても官能評価を行い、下記の基準に基づいて評価した。その結果を表1に示す。
(歯切れ感の評価)
4点:歯切れが非常に良好。
3点:歯切れが良好。
2点:歯切れがやや悪い。
1点:歯切れが悪い。
(ソフト感の評価)
4点:くちゃつきもなく、ソフトで非常に良好。
3点:くちゃつきもなく、ソフトで良好。
2点:ソフトであるが、若干のくちゃつきがあり、やや不良。
1点:ソフトではない、又はくちゃつきがあり不良。
(トースト後の食感の評価)
4点:やわらかく、歯切れが非常に良好。
3点:やわらかく、歯切れが良好。
2点:若干のぱさつき、又は若干のくちゃつきがあり、歯切れがやや悪い。
1点:ぱさつき、又はくちゃつきがあり、歯切れが悪い。
上記の評価結果と風味にもとづき、各食パンについて総合評価を行った。その結果を表1に示す。
(総合評価)
◎:風味が良好で、ソフト感、歯切れ感、及びトースト後の食感の全評価が4点。
○:風味が良好で、ソフト感、歯切れ感、及びトースト後の食感の評価が2点以下を含まず。
×:風味が悪い、又はソフト感、歯切れ感、及びトースト後の食感の評価に2点以下を含む。
Figure 0006399846
表1に示すように、実施例1及び2で調製した本発明のベーカリー製品用油脂組成物を使用して製造した食パンは、風味が良好で、歯切れ感とソフト感に優れ、トーストした際にもその食感が保持されたものであった。
[ドーナツの製造]
強力粉350g、イースト0.5g、生イースト17.5g、乳化剤1.5g、全卵75g、及び水140gを低速2分、中速2分混捏し、捏ね上げ温度25℃の中種を28℃、相対湿度80%で120分間発酵させた。
次に発酵させた中種に、さらに、薄力粉150g、上白糖50g、食塩7.5g、蜂蜜40g、生クリーム50g、水40gを加え、低速2分、中速5分混捏し、ここで、上記で調製した実施例1のベーカリー製品用油脂組成物20g、及び市販のショートニング30gを加え、低速2分、中速7分混捏し、捏ね上げ温度28℃の生地を得た。また、比較対象(対照)として、前記の実施例1のベーカリー製品用油脂組成物を市販のショートニングに置き換えて、市販のショートニングを合計50g加えた生地も調製した。
フロアタイムを30分取った後、60gに分割し、さらにベンチタイムを20分取った後、18cmの棒状にしてリング成型した生地を、175℃のフライ油で3分30秒間フライして、ドーナツ(実施例3)を得た。
[ドーナツの評価]
上記で製造した各ドーナツについて、上記の食パンの評価と同様の方法で、製造から1日後に官能評価を行い、各ドーナツの歯切れ感及びソフト感を評価した。
Figure 0006399846
表2に示すように、本発明のベーカリー製品用油脂組成物(実施例1)を使用して製造したドーナツ(実施例3)は、歯切れ感とソフト感に優れたものであり、風味も良好であった。

Claims (5)

  1. 油脂、モノグリセリンモノ脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、及びジグリセリンモノ脂肪酸エステルを含有し、該ジグリセリンモノ脂肪酸エステル全合計中の構成脂肪酸がパルミチン酸であるジグリセリンモノ脂肪酸エステル含有量が、93〜100質量%であり、且つ該油脂中のトリグリセリ含有量が下記の(1)〜(3)を全て満たすことを特徴とするベーカリー製品用油脂組成物
    (1)SSSの含有量が5〜13質量%
    (2)S2UとSU2の合計含有量が40〜70質量%
    (3)UUUの含有量が17〜38質量%
    但し、
    SSS:Sが3分子結合しているトリグリセリド
    S2U:Sが2分子、Uが1分子結合しているトリグリセリド
    SU2:Sが1分子、Uが2分子結合しているトリグリセリド
    UUU:Uが3分子結合しているトリグリセリド
    S:飽和脂肪酸
    U:不飽和脂肪酸
    である。
  2. 前記油脂は、20℃で液状の油脂を12〜42質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のベーカリー製品用油脂組成物。
  3. 前記油脂は、パーム系油脂を30〜70質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のベーカリー製品用油脂組成物。
  4. 前記パーム系油脂は、2種以上のパーム系油脂を含有し、且つ該パーム系油脂中に25質量%以上のエステル交換されたパーム系油脂を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のベーカリー製品用油脂組成物。
  5. 請求項1〜4に記載されたベーカリー製品用油脂組成物を使用して製造されたベーカリー製品。
JP2014154633A 2014-05-30 2014-07-30 ベーカリー製品用油脂組成物及び該ベーカリー製品用油脂組成物を使用したベーカリー製品 Active JP6399846B2 (ja)

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