JP4376043B2 - 固形ルウ - Google Patents

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Description

本発明は、コンパウンド結晶を含有する固形ルウ用油脂組成物、該固形ルウ用油脂組成物を用いた固形ルウ、該固形ルウを用いた加工食品、及び該固形ルウの製造方法に関する。該固形ルウ用油脂組成物は、カレールウ、ハヤシルウ、シチュールウ等の固形ルウの製造に用いることができ、該固形ルウ用油脂組成物を用いた固形ルウは、油脂成分の滲み出し及び油脂結晶粗大化による白色化(ファットブルーム)が防止され、長期にわたって表面の光沢を保持するものである。
固形ルウ、例えばカレールウは、食用油脂及び小麦粉を混合加熱し、カレー粉、香辛料、調味料等を混合して製造され、容器に流し込み風冷固化後、常温で流通・販売される。その製品の状態としては、通常、油脂の連続相に粉体が分散している形を採っている。
そして、固形ルウに使用する油脂としては、従来は、風味やコク味が良好であること及び常温で固体であることから、牛脂、豚脂及びこれらの硬化油脂が、主として使用されてきた。
ところで、油脂の結晶形はα型、β型及びβプライム型に分類することができ、その結晶状態はα型は蝋状、β型は粗結晶、そしてβプライム型は微粒状である(非特許文献1参照)。このため、固形の油脂組成物は、一般にβプライム型となるように製造される。このβプライム型の油脂結晶は、微細結晶をとり乳化安定性に寄与し、良好な稠度を示す反面、エネルギー的には準安定形であるため、保存条件等が適切でない場合等には、更にエネルギー的に安定なβ型結晶へと転移現象を引き起こす。このβ型結晶は、最安定形であるため、これ以上の転移現象を起こすことはないが、一般に結晶サイズが大きく、グレイニングやブルームと呼ばれる粗大結晶粒を形成し、ザラつきや触感の悪さを呈し、製品価値の全くないものになってしまう。
ここで、従来固形ルウに使用されている上記牛脂、豚脂及びこれらの硬化油脂を先に述べた固形ルウの製造条件で使用すると、油脂結晶がβ型の粗大結晶となってしまい、製造当初から固形ルウの表面が白色化(ファットブルーム)してしまい、見た目が悪いという問題があった。
この問題を避けるため、例えば、急冷可塑化により油脂結晶をβプライム型としたり、カカオ脂やハードバター等のチョコレート用油脂を使用しテンパリング操作を加える等の方法により、油脂結晶を微細結晶とすれば、製造当初からの固形ルウの表面白色化(ファットブルーム)の問題は解消される。しかし、固形ルウは、マーガリン等と異なり粒子状の固形成分を多く含有するため、製造時に急冷可塑化やテンパリング操作を行うことは工程上困難である。さらに、たとえ急冷可塑化やテンパリング操作をして製造された固形ルウであっても、先に述べたとおり固形ルウは常温で流通・販売されるため、特に夏季は固形ルウに使用される油脂が溶解してしまい、その後再固化した場合、その再固化は当然徐冷条件であるため、油脂結晶がβ型の粗大結晶となってしまい、固形ルウ表面の白色化(ファットブルーム)は避けられない。
そのため、このような固形ルウの製造条件及び流通・販売条件下であっても固形ルウ表面の白色化(ファットブルーム)を防止する方法が、各種検討されてきた。例えば、モノグリセリド等の乳化剤を使用する方法(例えば特許文献1及び特許文献2参照)が行われてきたが、乳化剤を使用すると、固形ルウを用いた加工食品の風味発現性に影響がでたり、ワキシーな食感になってしまうという問題が生じ、さらに固形ルウ製造の際の型剥がれが悪くなってしまうという問題もあった。
このため、高融点油脂を配合した固形ルウに気相を含有させる方法(例えば特許文献3参照)や、ポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する方法(例えば特許文献4及び特許文献5参照)が提案されている。しかし、特許文献3の方法は、気相を含有するためルウ製造時の冷却効率が悪く、固形ルウの製造時間が従来よりも長くなってしまうという問題があり、また、油脂成分の滲み出し及び油脂結晶粗大化による白色化は防止されるものの、固形ルウを使用した加工食品の口溶けの改善は行なわれていないため、ワキシーな食感になってしまうという問題が残っていた。また、特許文献4又は特許文献5の方法は、乳化剤を使用するために生じるワキシーな食感や風味に関する問題は解決されず、また、特許文献5において使用される乳化剤は、融点が高いため、口溶けに影響するという問題もあった。
一方、本出願人は、油脂組成物にβ直接結晶油脂を配合することによって主として油脂組成物の可塑性を改良することについて提案を行なっているが(例えば特許文献6参照)、このβ直接結晶油脂の、カレールウのような固形食品のブルーム防止効果については触れられていない。
マーガリン ショートニング ラード、P324、中澤君敏著、株式会社光琳発行、発行年月日1979年8月3日) 特開平7−39351号公報 特開平6−98727号公報 特開2001−292744号公報 特開平10−140180号公報 特開平10−313783号公報 特開2002−69484号公報
本発明の目的は、製造時及び流通・販売時の固形ルウ表面の油脂結晶粗大化による白色化(ファットブルーム)を防止することができ、且つ、固形ルウ製造時の冷却時間が短くて済む固形ルウ用油脂組成物、このような特徴を有した固形ルウ、及び風味や口溶けが良好な、固形ルウを使用した加工食品を提供することにある。また、本発明のさらなる目的は、上記固形ルウの製造方法を提供することにある。
本発明は、S1MS2(S1及びS2は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとMS3M(S3は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとからなるコンパウンド結晶及び極度硬化油脂を含有する固形ルウ用油脂組成物を用いたことを特徴とする固形ルウ、及び該固形ルウを用いた加工食品を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
また、本発明は、上記固形ルウの製造方法であって、上記固形ルウ用油脂組成物及びその他の原料を混合溶解した後、型に流し込み、冷却固化させることを特徴とする固形ルウの製造方法を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
本発明の固形ルウ用油脂組成物を用いて固形ルウを製造すると、製造時及び流通・販売・保管時の固形ルウ表面の油脂結晶粗大化による白色化(ファットブルーム)が防止され、且つ、固形ルウ製造時の冷却時間が短くて済む。また、該固形ルウ用油脂組成物を用いた固形ルウは、風味や口溶けが良好な加工食品を提供することができる。
以下、本発明の固形ルウ、加工食品及び固形ルウの製造方法について詳細に説明する。
まず、本発明の固形ルウに用いる油脂組成物(以下、本発明の固形ルウ用油脂組成物という)について詳細に説明する。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、S1MS2(S1及びS2は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す。以下同じ。)で表されるトリグリセリド(以下、S1MS2とも言う。)と、MS3M(S3は飽和脂肪酸を表す。以下同じ。)で表されるトリグリセリド(以下、MS3Mとも言う。)とからなるコンパウンド結晶を含有する。
上記のS1 MS2におけるS1及びS2並びに上記のMS3 MにおけるS3は、好ましくは炭素数16以上の飽和脂肪酸であり、さらに好ましくは、パルミチン酸、 ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸である。また、本発明において、上記のS1 、S2 及びS3 が、同じ飽和脂肪酸であるのが最も好ましい。
上記のS1 MS2 におけるM及び上記のMS3 MにおけるMは、好ましくは炭素数16以上のモノ不飽和脂肪酸、さらに好ましくは炭素数18以上のモノ不飽和脂肪酸、最も好ましくはオレイン酸である。
本発明の固形ルウ用油脂組成物において、S1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶とは、構造の異なるS1 MS2 1分子とMS3 M1分子とが混合された際、あたかも単一のトリグリセリド分子であるかの如き結晶化挙動を示すものである。コンパウンド結晶は分子間化合物とも呼ばれる。このコンパウンド結晶は、トリグリセリド分子のパッキング状態が2鎖長構造をとることが知られている。
また、上記のコンパウンド結晶は、熱エネルギー的に不安定なα型結晶から、準安定形のβプライム型結晶を経由せず、最安定形のβ型結晶に直接転移したものである。
つまり、上記のコンパウンド結晶は、S1MS2とMS3Mとを混合溶解した後、冷却し、結晶化することにより、最安定形のβ型結晶で、且つトリグリセリド分子のパッキング状態が2鎖長構造を示す結晶として析出する。この際、結晶化条件は如何なるものであってもよく、テンパリング等の特殊な熱処理を必要としない。
上記のコンパウンド結晶は、以下のようにして得られる油脂結晶についてX線回析で結晶型を測定した結果、該油脂結晶がβ型の2鎖長構造をとるものであることが好ましい。
即ち、本発明の固形ルウ用油脂組成物の油相を70℃で完全融解した後、0℃で30分間保持し、次いで、好ましくは5℃で7日間、さらに好ましくは5℃で4日間、一層好ましくは5℃で1日間、最も好ましくは5℃で30分間保持した際に得られる油脂結晶が、X線回析で結晶型を測定した結果、β型の2鎖長構造をとるものであることが好ましい。
上記の油脂結晶が2鎖長構造のβ型結晶であることを確認する方法としては、例えばX線回折測定による方法が挙げられる。
X線回折測定においては、上記の油脂結晶について、短面間隔を2θ:17〜26度の範囲で測定し、4.5〜4.7オングストロームの面間隔に対応する強い回折ピークを示した場合に、該油脂結晶はβ型結晶であると判断する。一方、上記の油脂結晶について、長面間隔を2θ:0〜8度の範囲で測定し、40〜50オングストロームに相当する回折ピークを示した場合に、2鎖長構造をとっていると判断する。
従って、固形ルウ用油脂組成物が上記のコンパウンド結晶を含有するかどうか確認をする方法の一例としては、固形ルウ用油脂組成物を70℃で完全溶解した後、0℃で30分間保持し、次いで5℃で30分間保持して得られた油脂結晶について、上述した方法によりX線回折で結晶型を測定する方法が挙げられ、その結果、β型の2鎖長構造をとるものは、上記のコンパウンド結晶を含有していると言える。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、S1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶を含有することが必要である。S1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶を含有しないと、固形ルウの製造時及び流通・販売時の白色化防止効果が得られない。
さらに、本発明の固形ルウ用油脂組成物では、S1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶が実質的に微細結晶であることが好ましい。
上記の微細結晶とは、上記のコンパウンド結晶が微細であることであり、口にしたり、触った際にもザラつきを感ずることのない結晶であることを意味し、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm、最も好ましくは3μm以下のサイズの油脂結晶を指す。該サイズとは、油脂結晶の最大部位の長さを示すものである。サイズが20μmを超えた油脂結晶を用いた場合、口にしたり、触った際にザラつきを感じやすく、固形ルウの表面が艶がなくざらついてしまい見栄えが悪い上に、固形ルウを使用した加工食品の食感及び口溶けが悪くなりやすい。
本発明の固形ルウ用油脂組成物では、上述したように、S1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶が実質的に微細結晶であることが好ましいが、この「実質的に」とは、S1 MS2 とMS3 Mとからなる全てのコンパウンド結晶のうち、微細結晶が好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、最も好ましくは99重量%以上であることを指す。
上記のS1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶は、「S1 MS2 で表されるトリグリセリド」及び/又は「S1 MS2を含有する油脂」と、「MS3 Mで表されるトリグリセリド」及び/又は「MS3 Mを含有する油脂」とを用いて製造することができる。
上記の「S1 MS2 で表されるトリグリセリド」及び「MS3 Mで表されるトリグリセリド」それぞれは、天然に存在するS1 MS2 及びMS3 Mでも構わないし、分別により純度を上げたものでも構わない。さらに、トリ飽和トリグリセリド(SSS)とトリ不飽和トリグリセリド(MMM)、又はトリ不飽和トリグリセリド(MMM)と飽和脂肪酸とをエステル交換し(酵素による選択的エステル交換が好ましい)、さらに蒸留や分別によりS1 MS2 又はMS3 Mの純度を上げたもの等、どのような方法によって得られたものでも構わない。
上記の「S1MS2を含有する油脂」としては、例えば、パーム油、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、コクム脂、デュパー脂、モーラー脂、フルクラ脂、チャイニーズタロー等の各種植物油脂や牛脂等の動物油脂、これらの各種動植物油脂を分別した加工油脂、並びに下記エステル交換油及び該エステル交換油を分別した加工油脂を用いることができる。本発明では、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いる。
上記のエステル交換油としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添加及び/又は分別した後に得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油が挙げられる。
上記の「MS3Mを含有する油脂」としては、例えば、豚脂、豚脂分別油、下記エステル交換油を用いることができ、本発明ではこれらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いる。
上記のエステル交換油としては、パーム油、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、カカオバター、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂、これらの各種動植物油脂を必要に応じて水素添加及び/又は分別した後に得られる加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油が挙げられる。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、上記のS1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶を必須成分とするものである。そして、上記のコンパウンド結晶の含有量は、本発明の固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは20重量%以上、最も好ましくは40〜100重量%となる量である。
本発明の固形ルウ用油脂組成物において、上記の「S1 MS2で表されるトリグリセリド」及び/又は「S1 MS2 を含有する油脂」の配合量は、本発明の固形ルウ用油脂組成物における全油脂分中のS1 MS2の含有量が、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、最も好ましくは20〜50重量%となる量である。上記の「MS3 Mで表されるトリグリセリド」及び/又は「MS3 Mを含有する油脂」の配合量も、本発明の固形ルウ用油脂組成物における全油脂分中のMS3 Mの含有量が、好ましくは5重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上、最も好ましくは20〜50重量%となる量である。
さらに、本発明の固形ルウ用油脂組成物は、MS3Mのモル数/S1MS2のモル数が、好ましくは0.4〜2.5、さらに好ましくは0.6〜1.5、最も好ましくは0.8〜1.2となるように配合する。
また、本発明の固形ルウ用油脂組成物では、S1 MS2 及びMS3 M以外のトリグリセリドや、S1 MS2 及びMS3 Mを含有しない油脂を添加しても良い。S1 MS2 及びMS3 M以外のトリグリセリドや、S1 MS2 及びMS3 Mを含有しない油脂を添加する場合、これらの添加量は、本発明の固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中、90重量%以下、好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは70重量%以下とする。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、さらに高融点油脂を含有する。高融点油脂を配合することにより、本発明の固形ルウ用油脂組成物を使用した固形ルウの製造時及び流通・販売時の油脂溶解を防止し、耐熱保型性を向上させることができる。
上記の高融点油脂の融点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上80℃以下である。
また、上記の高融点油脂は、本発明の固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中、好ましくは15重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下とする。本発明の固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中における上記の高融点油脂の含有量が15重量%を越えると、固形ルウを使用した加工食品の製造時のルウ溶解性が悪くなりやすく、また該加工食品の口溶けが悪化しやすい。
上記の高融点油脂の具体例としては、例えば、パーム油、カカオバター、或いは、パーム核油、ヤシ油、コーン油、オリーブ油、綿実油、大豆油、ナタネ油、米油、ヒマワリ油、サフラワー油、牛脂、乳脂、豚脂、シア脂、マンゴー核油、サル脂、イリッペ脂、魚油、鯨油等の各種動植物油脂を水素添加、分別並びにエステル交換から選択される1又は2以上の処理を施した加工油脂、脂肪酸、脂肪酸低級アルコールエステルを用いて製造したエステル交換油が挙げられる。
本発明の固形ルウ用油脂組成物においては、上記の高融点油脂の中でも、結晶性が良好であることから、極度硬化油脂を使用し、より好ましくは風味の点から牛脂の極度硬化油、豚脂の硬化油を使用する。
ただし、本発明の固形ルウ用油脂組成物において、上記の高融点油脂が必要でなければ、上記の高融点油脂を用いなくてもよい。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、S1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶と、高融点油脂を含むS1 MS2 及びMS3 M以外のトリグリセリドとを合わせた油脂分を80〜100重量%含有することが好ましく、より好ましくは90〜100重量%含有する。
本発明の固形ルウ用油脂組成物には、上記の油脂分の他に、必要に応じ、本発明の目的の範囲内で、例えば、水、乳化剤、食塩、乳製品、糖類、多糖類、酵素、抗酸化剤、塩類、色素、香料等を配合することもできる。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の固形ルウ用油脂組成物中、好ましくは0〜3重量%、さらに好ましくは0〜1重量%である。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、可塑性を示しても示さなくてもどちらでもよく、水分を含むマーガリンタイプでも水分を含まないショートニングタイプでもどちらでもよい。また、乳化物とする場合、その乳化形態は、油中水型、水中油型及び二重乳化型のいずれでも構わない。
本発明の固形ルウ用油脂組成物においては、使用される全油脂からなる配合油のSFCが、好ましくは10℃で30〜85%、20℃で20〜75%、さらに好ましくは10℃で40〜80%、20℃で30〜70%となるように調整するのがよい。SFCが10℃で30%未満又は20℃で20%未満であると、固形ルウ製造時の固化性が悪くなりやすく、また、流通・販売時に溶解・軟化しやすく、商品価値が無くなってしまうおそれがあり、一方、SFCが10℃で85%を超える又は20℃で75%を超えると、固形ルウを使用して加工食品を製造する際に固形ルウが溶解しにくくなる上に、得られる加工食品の口溶けが悪くなりやすい。
上記のSFCは、次のようにして測定する。即ち、配合油を60℃に30分保持し、油脂を完全に融解した後、0℃に30分保持して固化させる。次いで、25℃に30分保持し、テンパリングを行い、その後、0℃に30分保持する。これをSFCの各測定温度に順次30分保持後、SFCを測定する。
本発明の固形ルウ用油脂組成物は、S1MS2とMS3Mとを混合溶解した後、冷却し、結晶化させることにより製造することができる。
詳しくは、先ず、S1MS2とMS3Mとを混合溶解した油相に、必要により水相を混合乳化する。そして、次に殺菌処理するのが望ましい。殺菌方法は、タンクでのバッチ式でも、プレート型熱交換機や掻き取り式熱交換機を用いた連続式でも構わない。次に、冷却し、必要により可塑化する。冷却条件は、好ましくは−0.5℃/分以上、さらに好ましくは−5℃/分以上とする。この際、徐冷却より急速冷却の方が好ましいが、徐冷却であっても、微細なβ型結晶をとり、経日的にも硬さが変化せず安定した本発明の固形ルウ用油脂組成物を得ることができる。冷却する機器としては、密閉型連続式チューブ冷却機、例えばボテーター、コンビネーター、パーフェクター等のマーガリン製造機やプレート型熱交換機等が挙げられ、また、開放型のダイアクーラーとコンプレクターの組み合わせ等が挙げられる。
また、本発明の固形ルウ用油脂組成物を製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
次に、本発明の固形ルウについて説明する。
本発明の固形ルウは、上述した本発明の固形ルウ用油脂組成物及び小麦粉を混合加熱し、必要に応じ、副原料を混合して、容器に流し込み、風冷等の冷却方法により冷却固化させることによって得ることができる。
本発明の固形ルウにおいて、本発明の固形ルウ用油脂組成物の配合量は、特に限定はないが、好ましくは25〜70重量%、更に好ましくは、30〜60重量%である。本発明の固形ルウ用油脂組成物の配合量が25重量%より少ないと、S1 MS2 とMS3 Mとからなるコンパウンド結晶の効果が固形ルウに顕れないおそれがあることに加え、固形ルウを使用した加工食品に適度な粘性を付与できず、なめらかさに欠ける食感となってしまう場合がある。また、本発明の固形ルウ用油脂組成物の配合量が70重量%より多いと、固形ルウを使用した加工食品の粘度が低下し、また油っぽくなってしまう場合がある。
また、本発明の固形ルウにおいて、上記の小麦粉の配合量は、特に限定はないが、好ましくは30〜75重量%、更に好ましくは40〜70重量%である。小麦粉の配合量が75重量%より多いと、固形ルウを使用した加工食品に適度な粘性を付与できず、なめらかさに欠ける食感となってしまう場合がある。また、小麦粉の配合量が30重量%より少ないと、固形ルウを使用した加工食品の粘度が低下し、得られる加工食品のコク味が欠けてしまう場合がある。
また、本発明の固形ルウには、本発明の固形ルウ用油脂組成物及び上記の小麦粉以外に、必要により、副原料として、水、乳化剤、増粘安定剤、食塩や塩化カリウム等の塩味剤、酢酸、乳酸、グルコン酸等の酸味料、糖類や糖アルコール類、ステビア、アスパルテーム等の甘味料、β−カロチン、カラメル、紅麹色素等の着色料、トコフェロール、茶抽出物等の酸化防止剤、小麦蛋白や大豆蛋白といった植物蛋白、卵及び各種卵加工品、着香料、乳製品、調味料、pH調整剤、食品保存料、日持ち向上剤、果実、果汁、コーヒー、ナッツペースト、カレー粉等の香辛料、カカオマス、ココアパウダー、穀類、豆類、野菜類、肉類、魚介類等の食品素材や食品添加物等を使用することができる。本発明の固形ルウにおいて、これらの副原料の配合量は、特に制限されるものではなく、固形ルウを使用する加工食品の種類等に応じて適宜選択することができるが、好ましくは合計量として45重量%以下である。
上記乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン類等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記乳化剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の固形ルウ中、好ましくは0〜3重量%、さらに好ましくは0〜1重量%である。
また、上記増粘安定剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、アラビアガム、アルギン酸類、ペクチン、キサンタンガム、プルラン、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、寒天、グルコマンナン、ゼラチン、澱粉、化工澱粉等が挙げられ、これらの中から選ばれた1種又は2種以上を用いることができる。上記増粘安定剤の配合量は、特に制限はないが、本発明の固形ルウ中、好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%である。
次に、本発明の固形ルウの製造方法について説明する。
本発明の固形ルウは、一般的な固形ルウの製造方法を用いて製造することが出来るが、例えば、以下の製造方法で製造することができる。即ち、本発明の固形ルウ用油脂組成物を加熱溶解し、小麦粉を加えて混合物を作製し、該混合物を110〜120℃に達するまで撹拌しながら加熱焙焼した後、ここにカレー粉等の香辛料、食塩、糖類、調味料等の副材料を添加して、混合し、次いで、これを型に入れて、風冷等の冷却方法により0〜25℃で5〜120分冷却して固化させることによって得ることができる。
また、本発明の固形ルウを製造する際のいずれかの製造工程で、窒素、空気等を含気させても、させなくても構わない。
次に、本発明の加工食品について説明する。
本発明の加工食品は、上述した本発明の固形ルウを使用して製造されたものであり、その具体例としては、ホワイトソース、デミグラスソース、カレーソース等のソースや、ホワイトシチュー、デミグラスシチュー、カレーシチュー等のシチューの他、パンのフィリング材、トッピング材、包餡生地の内包材等が挙げられる。本発明の固形ルウを使用して製造された本発明の加工食品は、良好な口溶け感を保ちながら適度のボディー感を有し、更には、冷蔵したり或いはレトルト処理を行った後においても、食感が硬くならずに良好な口溶け感を保つことが出来る。本発明の加工食品において、本発明の固形ルウの使用量は、特に限定はなく、目的とする個々の加工食品の所望とする食感や物性に応じて適宜選択することが出来るが、加工食品中、1〜40重量%であることが好ましく、10〜30重量%であることがさらに好ましい。本発明の加工食品の製造方法に特に限定はなく、例えば、従来使用していた固形ルウを本発明の固形ルウに代替することで、本発明の加工食品を得ることが出来る。
本発明の加工食品は、冷却しても口溶けや食感が良好なものである。また、本発明の加工食品は、冷蔵又は冷凍してもよく、本発明の加工食品の冷凍品を解凍して食する際には、電子レンジで解凍調理することも可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例等により何ら制限されるものではない。尚、以下の実施例1〜7のうち、実施例3及び6が本発明の実施例であり、実施例1、2、4、6及び7は参考例である。
下記実施例1〜7は、コンパウンド結晶を含有する本発明の固形ルウ用油脂組成物の製造例、該固形ルウ用油脂組成物を用いた固形ルウ、及び該固形ルウを用いた加工食品の製造例を示すものである。また、下記比較例1〜2は、コンパウンド結晶を含有しない固形ルウ用油脂組成物、該固形ルウ用油脂組成物を用いた固形ルウ、及び該固形ルウを用いた加工食品の製造例を示すものである。なお、各実施例及び比較例において、固形ルウ及び該固形ルウを用いた加工食品の配合・製法・評価は、下記の方法によって実施した。
(固形ルウ及び加工食品の配合・製法・評価方法)
固形ルウ用油脂組成物350g及び小麦粉320gを釜に投入し、かき混ぜながら120℃まで加熱した後、火を止め、さらにかき混ぜた。約100℃まで下がった時点で、引き続きかき混ぜながら、食塩100g、上砂糖50g、カレー粉90g、調味料90gを順次添加し、さらにかき混ぜ、次いで、これを直径50mmの型に厚さ10mmに流し込み、20℃で60分冷却・固化させ、本発明の固形ルウ(固形カレールウ)を得た。該固形ルウを25℃の恒温室にて保管し、経時的な表面の光沢、艶、色調の変化を観察した。
また、該固形ルウを20重量%含有するカレーソースを常法により作成し、品温45℃におけるカレーソースの口溶けを評価した。
尚、以下の実施例及び比較例において、Stはステアリン酸、Oはオレイン酸、Pはパルミチン酸、Sは飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を示す。
〔実施例1〕
大豆極度硬化油とオレイン酸エチルとを、重量比2:3の割合で混合し、溶解した後、1,3位置選択的酵素を用いてエステル交換反応を行った。反応物から分子蒸留により脂肪酸を取り除き、得られた油脂を分別、精製することにより、OStO含量60重量%の油脂を得た。このOStO含有油脂40重量%、マンゴー核分別中部油40重量%及び大豆油20重量%を混合し、60℃で溶解した後、0℃に冷却し、結晶化させ、混合油(a)を得た。混合油(a)は、StOStを24重量%、OStOを24重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
確認のため、混合油(a)を70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示された。また、光学顕微鏡でこの油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であった。
上記混合油(a)を溶解したもの99.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部を溶解、混合し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、本発明の固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた本発明の固形ルウ用油脂組成物は、光学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、また、上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成することを確認した。そして、固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は、48重量%であり、固形ルウ用油脂組成物に用いた混合油(a)のSFCは、10℃で37%、20℃で22%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れ、25℃で3ヶ月保管しても光沢、艶が維持されており、表面の白色化はみられなかった。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において良好な口溶けを有していた。
〔実施例2〕
パーム分別中部油18重量%、豚脂72重量%及び大豆油10重量%を混合し、60℃で溶解した後、0℃で冷却し、結晶化させ、混合油(b)を得た。この混合油(b)は、SMSを18重量%、MSMを18重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
確認のため、混合油(b)を70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示された。また、光学顕微鏡でこの油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であった。
上記混合油(b)を溶解したもの99.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部を溶解、混合し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、本発明の固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた本発明の固形ルウ用油脂組成物は、光学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、また、上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成することを確認した。そして、固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は、36重量%であり、固形ルウ用油脂組成物に用いた混合油(b)のSFCは、10℃で37%、20℃で22%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れ、25℃で3ヶ月保管しても光沢、艶が維持されており、表面の白色化はみられなかった。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において良好な口溶けを有していた。
〔実施例3〕
パーム分別中部油18重量%、豚脂72重量%、大豆油5重量%及び大豆極度硬化油5重量%を混合し、60℃で溶解した後、0℃で冷却し、結晶化させ、混合油(c)を得た。この混合油(c)は、SMSを18重量%、MSMを18重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
確認のため、混合油(c)を70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示された。また、光学顕微鏡でこの油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であった。
上記混合油(c)を溶解したもの99.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部を溶解、混合し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、本発明の固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた本発明の固形ルウ用油脂組成物は、光学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、また、上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成することを確認した。そして、固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は、36重量%であり、固形ルウ用油脂組成物に用いた混合油(c)のSFCは、10℃で41%、20℃で25%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れ、25℃で3ヶ月保管しても光沢、艶が維持されており、表面の白色化はみられなかった。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において良好な口溶けを有していた。
〔実施例4〕
サル脂分別中部油18重量%、豚脂72重量%及び大豆油10重量%を混合し、60℃で溶解した後、0℃で冷却し、結晶化させ、混合油(d)を得た。この混合油(d)は、SMSを18重量%、MSMを18重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
確認のため、混合油(d)を70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示された。また、光学顕微鏡でこの油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であった。
上記混合油(d)を溶解したもの97.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部及びショ糖エルカ酸エステル(HLB2)2重量部を溶解、混合し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、本発明の固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた本発明の固形ルウ用油脂組成物は、光学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、また、上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成することを確認した。そして、固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は、36重量%であり、固形ルウ用油脂組成物に用いた混合油(d)のSFCは、10℃で50%、20℃で33%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れ、25℃で3ヶ月保管しても光沢、艶が維持されており、表面の白色化はみられなかった。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において良好な口溶けを有していた。
〔実施例5〕
パームステアリン30重量%、牛脂15重量%及び豚脂55重量%を混合し、60℃で溶解した後、0℃で冷却し、結晶化させ、混合油(e)を得た。この混合油(e)は、SMSを12重量%、MSMを12重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
確認のため、混合油(e)を70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示された。また、光学顕微鏡でこの油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であった。
上記混合油(e)を溶解したもの99.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部を溶解、混合し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、本発明の固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた本発明の固形ルウ用油脂組成物は、光学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、また、上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成することを確認した。そして、固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は、24重量%であり、固形ルウ用油脂組成物に用いた混合油(e)のSFCは、10℃で46%、20℃で36%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れ、25℃で3ヶ月保管しても光沢、艶が維持されており、表面の白色化はみられなかった。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において良好な口溶けを有していた。
〔実施例6〕
牛脂極度硬化油10重量%、牛脂60重量%、及び豚脂30重量%を混合溶解し、60℃で溶解した後、0℃で冷却し、結晶化させ、混合油(f)を得た。この混合油(f)は、SMSを8.5重量%、MSMを8.5重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
確認のため、混合油(f)を70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示された。また、光学顕微鏡でこの油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であった。
上記混合油(f)を溶解したもの99.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部を溶解、混合し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、本発明の固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた本発明の固形ルウ用油脂組成物は、光学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、また、上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成することを確認した。そして、固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は、17重量%であり、固形ルウ用油脂組成物に用いた混合油(f)のSFCは、10℃で40%、20℃で30%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れ、25℃で3ヶ月保管しても光沢、艶が維持されており、表面の白色化はみられなかった。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において良好な口溶けを有していた。
〔実施例7〕
パームステアリン20重量%、牛脂30重量%、及び豚脂50重量%を混合溶解し、60℃で溶解した後、0℃で冷却し、結晶化させ、混合油(g)を得た。この混合油(g)は、SMSを11.5重量%、MSMを11.5重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプライム型をとらずにβ型結晶であった。
確認のため、混合油(g)を70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.6オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβ型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることも確認され、コンパウンド結晶の形成が示された。また、光学顕微鏡でこの油脂結晶のサイズを確認したところ、3μm以下の微細な結晶であった。
上記混合油(g)を溶解したもの99.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部を溶解、混合し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、本発明の固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた本発明の固形ルウ用油脂組成物は、光学顕微鏡下で3μm以下の微細結晶であり、また、上記と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβ型をとり、コンパウンド結晶を形成することを確認した。そして、固形ルウ用油脂組成物の全油脂分中のコンパウンド結晶の含有量は、23重量%であり、固形ルウ用油脂組成物に用いた混合油(g)のSFCは、10℃で42%、20℃で32%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れ、25℃で3ヶ月保管しても光沢、艶が維持されており、表面の白色化はみられなかった。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において良好な口溶けを有していた。
〔比較例1〕
魚油を原料とし、ニッケル触媒を用いて水素添加を行い、融点30℃の魚油硬化油、融点36℃の魚油硬化油及び融点45℃の魚油硬化油をそれぞれ得た。これらの融点30℃の魚油硬化油、融点36℃の魚油硬化油及び融点45℃の魚油硬化油それぞれについて、60℃で溶解し、0℃に冷却し、結晶化させ、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、いずれも、βプライム型をとる油脂であった。また、これらの融点30℃の魚油硬化油、融点36℃の魚油硬化油及び融点45℃の魚油硬化油は、いずれも、SMS及びMSMを含有しない油脂であった。
確認のため、これらの融点30℃の魚油硬化油、融点36℃の魚油硬化油及び融点45℃の魚油硬化油それぞれを、70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.2オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、これらの油脂結晶はβプライム型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施したところ、トリグリセリドのパッキング状態が3鎖長構造であることが確認され、コンパウンド結晶の形成は認められなかった。
これらの融点30℃の魚油硬化油75重量%、融点36℃の魚油硬化油15重量%及び融点45℃の魚油硬化油10重量%を混合してなる配合油を溶解したもの99.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部を溶解、混合後、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた固形ルウ用油脂組成物について、実施例1と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβプライム型をとり、コンパウンド結晶を含有しないことを確認した。また、固形ルウ用油脂組成物に用いた上記配合油のSFCは、10℃で38%、20℃で22%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた当初の固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れていたが、25℃で1ヶ月保管後には、艶が消失し、表面の白色化が認められた。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において、やや口溶けが悪く油性感が感じられた。
〔比較例2〕
牛脂硬化油78重量%、牛脂15重量%、及び豚脂7重量%を混合溶解し、60℃で溶解した後、0℃で冷却し、結晶化させ、混合油(h)を得た。この混合油(h)は、SMSを2重量%、MSMを2重量%含有し、DSCにより結晶転移の有無を確認したところ、βプライム型結晶であった。
確認のため、混合油(h)を70℃で完全溶解し、0℃で30分保持した後、5℃で30分間保持し析出させた油脂結晶について、2θ:17〜26度の範囲でX線回折測定を実施したところ、4.2オングストロームの面間隔に対応する強い回折線が得られ、この油脂結晶はβプライム型をとることが確認された。更に、2θ:0〜8度の範囲でX線回折測定を実施し、トリグリセリドのパッキング状態が2鎖長構造であることを確認した。よって、得られた結晶は2鎖長構造のβプライム型結晶であり、コンパウンド結晶の形成は認められなかった。
上記混合油(h)を溶解したもの99.95重量部に、酸化防止剤として50%ミックストコフェロール0.05重量部を溶解、混合し、急冷可塑化工程(冷却速度−20℃/分以上)にかけ、固形ルウ用油脂組成物を得た。得られた固形ルウ用油脂組成物について、実施例1と同条件でX線回折測定を行ったところ、2鎖長構造のβプライム型をとり、コンパウンド結晶を含有しないことを確認した。固形ルウ用油脂組成物に用いた混合油(h)のSFCは、10℃で56%、20℃で46%であった。
この固形ルウ用油脂組成物を用い、上記の固形ルウの配合及び製法にて、固形カレールウを得た。得られた当初の固形カレールウは、表面の光沢、艶、色調に優れていたが、25℃で3ヶ月保管後には、艶が消失し、表面の白色化が認められた。また、この固形カレールウを用いて製造されたカレーソースは、45℃において、やや口溶けが悪く油性感が感じられた。

Claims (7)

  1. 1MS2(S1及びS2は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとMS3M(S3は飽和脂肪酸、Mはモノ不飽和脂肪酸を表す)で表されるトリグリセリドとからなるコンパウンド結晶及び極度硬化油脂を含有する固形ルウ用油脂組成物を用いたことを特徴とする固形ルウ
  2. 上記S1、S2及びS3が炭素数16以上の飽和脂肪酸である請求項1記載の固形ルウ。
  3. 上記コンパウンド結晶が実質的に微細結晶である請求項1又は2記載の固形ルウ。
  4. 上記固形ルウ用油脂組成物において、上記コンパウンド結晶を含む全油脂分の含有量が、80重量%以上である請求項1〜3の何れかに記載の固形ルウ。
  5. 上記固形ルウ用油脂組成物において、上記コンパウンド結晶の含有量が、全油脂分中、10重量%以上である請求項1〜4の何れかに記載の固形ルウ。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の固形ルウを用いた加工食品。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の固形ルウの製造方法であって、上記固形ルウ用油脂組成物及びその他の原料を混合溶解した後、型に流し込み、冷却固化させることを特徴とする固形ルウの製造方法。
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