JPH05146251A - 香味油及びその製造方法 - Google Patents

香味油及びその製造方法

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JPH05146251A
JPH05146251A JP3066396A JP6639691A JPH05146251A JP H05146251 A JPH05146251 A JP H05146251A JP 3066396 A JP3066396 A JP 3066396A JP 6639691 A JP6639691 A JP 6639691A JP H05146251 A JPH05146251 A JP H05146251A
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JP
Japan
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oil
flavor
oils
cocoa
cacao
Prior art date
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Pending
Application number
JP3066396A
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English (en)
Inventor
Futoshi Yokomizo
太 横溝
Yoichi Tashiro
洋一 田代
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カカオ豆の持つ芳醇な香味を呈した食用香味
油を安価に、容易に且つ大量に提供する。 【構成】 ハードバターにカカオ豆またはカカオマスま
たはココアパウダーを添加し、これを加熱し攪拌しなが
ら任意の時間保持する。その後、これを冷却し、濾過等
従来公知の手段で固形分を分離し、その濾液を香味油と
する。 【効果】 この発明による方法によって、香味に欠ける
と言われてきたハードバター、特にカカオ脂の配合を限
定されるノンテンパリング型(ラウリン系、非ラウリン
系共)ハードバターにカカオ風味を付与することが可能
となり、カカオ脂を使用した商品と同等の香味を有して
いながら、より良好な物性、保存性を有した菓子類、特
にチョコレートを作ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主に製菓用として使用す
る新規な食用香味油及びその製造法に関し、特に天然の
芳香なカカオバターの風味を呈した香味油及びこの香味
油を安価に、容易に且つ大量に製造しうる方法を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】常法により精製された一般の食用油脂
は、殆ど無味無臭である。従来、このような精製食用油
脂に風味付けをした香味油或いは呈味油と呼ばれる油脂
が知られている。これらの油脂の製造法として、例えば
油脂を強火加熱したものに茴香、葱、にんにくを投入し
てエキスを十分に抽出し、次いで温度を下げ花椒を添加
してさらにエキスを抽出してから漉して、炒め料理また
は揚物料理用の中華料理独特の風味を呈した香味油を製
造する方法(特公昭57− 58901号)、油脂に水分60%以
上の野菜、例えばキャベツ、レタス、ショウガ、ニンニ
ク、ネギ等の野菜を2mm以下に細断または摩砕して加
え、 110℃〜 160℃に保持した後油相を採取して種々の
風味を有した風味油を製造する方法(特公昭59−4972
号)、予め加熱した油に野菜等の処理物を浸漬して加熱
処理すると共に加熱時に一定条件下で減圧処理し、油中
に野菜等のエキス成分、香りその他の成分を溶解せしめ
て、クッカー中より油を取り出すことにより、肉のステ
ーキ料理用、スキヤキ用或いは野菜いため、ラーメン、
チャンポン、グラタン、スープ用等の調味用油を製造す
る方法(特開昭60− 19449号)、油脂と野菜、鳥獣肉、
魚介、海藻、スパイス、豆類及びこれらの加工物や醸造
物等の香味賦与物との混合物またはこの混合物の常圧下
加熱処理物を、加圧下に加熱処理して種々の風味を有し
た香味油を製造する方法(特開昭62−6651号)等、種々
の方法が提案されている。
【0003】このように、従来の香味油又は呈味油を製
造する方法は、何れも個々の香味賦与物が有するフレー
バー、匂い等の香味成分を利用したものであるが、従来
より天然の芳香なカカオバターの風味を有した香味油は
市販されておらず、かかる天然の芳香なカカオバターの
風味を有した香味油を安価に、容易に且つ大量に製造す
る方法は全く知られていなかった。このため、カカオバ
ターの風味を必要とする菓子類には高価であり稀少であ
るカカオバターあるいはこれを含有するカカオマス、コ
コアパウダーを添加しなければならなかった。また、価
格を高く出来ない菓子には上記カカオバター類の添加量
が限定されるため、香味に乏しくフレーバー類の添加に
よりこれを補うことが多かった。
【0004】一方、前記したような香味油または呈味油
とは別に、常法により精製された一般の食用油脂は殆ど
無味無臭であるとはいうものの、実際には各々油脂固有
の油味を有しており、例えば液体油は一般に独特の油っ
ぽさが、またパーム油は独特の粉っぽさがあり、さらに
これらの硬化油は独特の硬化臭を有するというように、
種々好ましくない油味を有し、かかる不快な油味は経時
的に増加するという欠点を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記するよ
うに、従来より市販されていなかった天然の芳香なココ
アバター風味を呈した香味油を安価に、容易に且つ大量
に提供することを指向したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決すべく鋭意研究した結果完成するに至ったものであ
る。すなわち本発明は、カカオ脂以外の油脂中にカカオ
豆由来の油溶性成分を含有する香味油、並びにカカオ脂
以外の油脂中にカカオ豆、カカオマス又はココアパウダ
ーを浸漬し、開放系で80〜 180℃に加熱処理した後、固
形分を除去することを特徴とする該香味油の製造方法で
ある。
【0007】天然物より抽出または蒸留によってフレー
バー成分を濃縮し、これを他の食品フレーバーとして利
用することは古くから行われている方法である。このフ
レーバーが簡単な化学成分から出来ている場合は、容易
に合成することによって天然物に代替することができる
が、複雑且つ多種の構成成分より成り立っていて、それ
がたがいに関連し、全体としての均衡のある芳醇でしか
も優雅な風味を呈する様な物の場合は到底人工的には作
り出すことはできない。カカオバターのフレーバーはこ
のような種類のもので、未だ人工合成品でこれに代替し
うるようなものは何一つとして出来ていない。従って、
カカオフレーバー或いはチョコレートフレーバーは天然
のカカオ豆から溶剤等を使用して抽出、蒸留等により製
造している。
【0008】本発明において、カカオ豆、カカオマス又
はココアパウダーの使用量は油脂に対して1重量%以上
の添加量で有効な結果が得られる場合が多い。また、風
味を強調する場合には油脂に対して10重量%以上を添加
するのが一般的であるが、20重量%以上を添加して濃縮
風味を作り、これを使用時に一般の油脂で適当に希釈す
ることもできる。また、カカオ豆は粉砕して使用する方
がより濃く風味がつく傾向がある。
【0009】上記カカオ豆類と供に糖類を使用すればよ
り良好な風味が得られる場合が多い。使用する糖類は一
般的な糖類で良いが、特に還元糖、例えばブドウ糖、果
糖、ガラクトース等の単糖類、麦芽糖、乳糖等の少糖類
等が好ましく、その使用量はカカオ豆類に対し10重量%
が好ましい。
【0010】このようにしてカカオ豆類或いはカカオ豆
類及び糖類を添加した油脂を加熱攪拌する。加熱温度は
好ましくは80℃以上 180℃以下であり、さらに好ましく
は 100℃以上 160℃以下である。加熱温度は下限未満で
は効果を得難く、逆に上限を越えると焦げ臭を感ずるよ
うになる。なお、加熱時間は通常90分間程度でよいが、
時間の長短はそれ程影響を与えるものではない。
【0011】次いで、加熱攪拌処理を終了した処理物を
冷却し、濾過、遠心分離、デカンテーション等、従来公
知の分離手段で油脂と固形分とに分離することによって
香味油を得る。
【0012】本発明において、風味付けする対象の油脂
としては例えば、大豆油、菜種油、ヒマワリ種子油、綿
実油、落花生油、コーン油、サフラワー油、カポック
油、月見草油、パーム油、シア脂、サル脂、ヤシ油、パ
ーム核油、米油等の植物性油脂並びに牛脂、ラード、魚
油、鯨油等の動物性油脂が例示でき、上記油脂類の単独
又は混合油或いはそれらの硬化、分別、エステル交換等
を施した加工油脂又は合成油脂であってもよく、液体油
から融点の高い油脂に至るまで幅広い油脂を適用でき
る。これらの油脂は、特に精製された油脂であるのが好
ましい。特に、風味付けする対象の油脂にハードバター
を使用した場合はカカオバターと同等の良好な風味を有
していながら、同時に酸化安定性に優れた油脂を得るこ
とができる。また、ラウリン酸を含有するハードバター
類は特にカカオバターとの相容性が低く、共に配合して
チョコレートを作るとブルームの原因となりチョコレー
トの商品価値を下げる。このためラウリン系ハードバタ
ーを配合するチョコレート菓子にはカカオバター、カカ
オマスの添加量が限定され香味に乏しいものとなること
を避けられない。このラウリン系ハードバターに本発明
による風味付けを施せばこうした問題は解決することが
出来る。
【0013】以上の如く、本発明によって得られる香味
油は、特定の食品用に限定されることなく、油脂自体の
旨さの根源であるコク味を呈した汎用性のある呈味を有
するものであって、チョコレート用を始め、ショートニ
ング用、練り込み用、マーガリン用、クリーム用、スプ
レー用等、各種食品の用途に適した油脂として使用しう
るものである。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を例示して本発明
の効果をより一層明瞭にするが、これらは例示であって
本発明の精神がこれらの例示に限定されるものではな
い。なお、例中、部は重量基準を意味する。 実施例1 ノンテンパリング型ハードバター(パームオレイン硬化
分別油)20部に対し粉砕したカカオ豆1部及びブドウ糖
0.1部を加え、大気中で 150℃にて90分間加熱攪拌した
後、約60℃まで冷却し、油脂と固形分を濾別して香味油
を得た。
【0015】この香味油とノンテンパリング型ハードバ
ターを使用してミルクチョコレートを試作し20名のパネ
ラーによる官能評価を行ったところ、香味油を良いと答
えた者18名、分からないと答えた者2名であり、ノンテ
ンパリング型ハードバターを良いと答えた者は皆無であ
った。本例によって得られた香味油は良好な風味を有す
るという結果が得られ、原料であるノンテンパリング型
ハードバターより優れた油脂であった。
【0016】実施例2 実施例1と同様の方法でラウリン系ノンテンパリング型
ハードバターに風味付けを行い香味油を得た。この香味
油10部とカカオバター10部をそれぞれラウリン系ノンテ
ンパリング型ハードバター90部に混合し、それぞれの混
合油を使用してチョコレートを試作した。これらのチョ
コレートはいずれも良好な風味を呈していた。これらの
チョコレートを25℃定温で保存したところカカオバター
を配合したものは2ヶ月でブルームが発生しチョコレー
トとしての商品価値を失っていたのに対し、香味油を使
用したものは5ヶ月経過してもブルームの発生は観察さ
れなかった。
【0017】実施例3 実施例1と同様の方法でマーガリン用油脂に風味付けを
行い香味油を得た。この香味油と風味付けを施さないマ
ーガリン用油脂を使用してチョコレート風味のマーガリ
ンを作成した。それぞれのマーガリンを食パンに塗り、
20名のパネラーによる官能評価を行った。その結果、香
味油を良いと答えた者20名であり、風味付けを施さない
マーガリン用油脂を良いと答えた者は皆無であった。本
例により得られたマーガリン用香味油は良好な風味を有
していることが判った。
【0018】
【発明の効果】以上の如く、本発明による方法によっ
て、従来香味に欠けると言われてきたハードバター、特
にカカオ脂の配合を限定されるノンテンパリング型(ラ
ルリン系、非ラウリン系共)ハードバターにカカオ風味
を付与することが可能となり、より良好な香味、物性、
保存性を有した各種食品、特にチョコレート等の菓子類
を製造することが可能となったのであって、業界におい
ては極めて有意義な発明と言いうるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カカオ脂以外の油脂中にカカオ豆由来の
    油溶性成分を含有する香味油。
  2. 【請求項2】 カカオ脂以外の油脂中にカカオ豆、カカ
    オマス又はココアパウダーを浸漬し、開放系で80〜 180
    ℃に加熱処理した後、固形分を除去することを特徴とす
    る請求項1記載の香味油の製造方法。
JP3066396A 1991-03-29 1991-03-29 香味油及びその製造方法 Pending JPH05146251A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012125152A (ja) * 2010-12-13 2012-07-05 Nisshin Oillio Group Ltd 加熱調理用油脂
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