JP6184687B2 - 油脂含有食品 - Google Patents

油脂含有食品 Download PDF

Info

Publication number
JP6184687B2
JP6184687B2 JP2012274064A JP2012274064A JP6184687B2 JP 6184687 B2 JP6184687 B2 JP 6184687B2 JP 2012274064 A JP2012274064 A JP 2012274064A JP 2012274064 A JP2012274064 A JP 2012274064A JP 6184687 B2 JP6184687 B2 JP 6184687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fat
rapeseed
fats
oils
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012274064A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014132833A (ja
Inventor
麻衣 宮原
麻衣 宮原
剛 亀谷
剛 亀谷
洋二 原田
洋二 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nisshin Oillio Group Ltd
Original Assignee
Nisshin Oillio Group Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Oillio Group Ltd filed Critical Nisshin Oillio Group Ltd
Priority to JP2012274064A priority Critical patent/JP6184687B2/ja
Priority to CN201310680978.2A priority patent/CN103859063A/zh
Priority to TW102145847A priority patent/TW201422159A/zh
Publication of JP2014132833A publication Critical patent/JP2014132833A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6184687B2 publication Critical patent/JP6184687B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は油脂含有食品、特に食塩の塩味が強化された油脂含有食品に関する。
油脂は、蛋白質・炭水化物と共に三大栄養素の一つではあるが、栄養成分としての役割だけではなく、例えば、マグロのとろや霜降り牛肉などのように食品にうまさを与えている。また、油脂を用いた調理が、食品の味を一段と良くすることはよく知られているところである。
このように食品のおいしさへの寄与が大きい油脂ではあるが、例えば非特許文献1によると、食品に油脂が存在し、舌が油脂で被覆されると、普通の食品の呈味物質が一般に水溶性であるため、水溶性の呈味物質の味受容体および臭受容体への移動に影響をうけ、そのため、閾値(最低呈味濃度)が上昇することになると考えられている。
水溶性の呈味成分の中でも食塩は、その過剰摂取が高血圧症をはじめ、腎臓や心臓の疾患などの循環器系疾病の誘発要因になるとも言われており、日本人の栄養摂取基準(2010)では、一日当たりの食塩の摂取量は男性で9g未満、女性で7.5g未満が目標とされている。また、WHO国際高血圧学会や日本高血圧学会のガイドラインでは6g未満を推奨しており、イギリスやアメリカを初めとする世界各地で6g未満が基準になりつつある。しかしながら、現状では日本人は一日に約11gという過剰の食塩を摂取しているとされており、更なる減塩が望ましいとされている。
このような状況下、各種食品において減塩の試みがなされている。特に油脂含有食品は、上述のように塩味をはじめとする水溶性の呈味成分の閾値が上昇し、使用量が多くなりがちであるため、有効な減塩方法が望まれている。例えば、特許文献1には、油脂及び具材からなる油脂組成物における油脂含量その他を調整することによって、多量の塩味成分を含有させなくても食品に好ましい塩味を付与する技術が開示されている。特許文献2には、有機酸またはその塩を分散した油脂を、呈味材を含有する食品素材と共に用いる呈味強化技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示の技術は、トーストやパスタ等の加熱調理食品に塗るあるいは混ぜることにより風味付与するペースト状の油脂組成物に関する技術であり、適用範囲が限られたものであった。また特許文献2に開示の技術は、その効果が判然としないものであった。
従って、油脂含有食品において水溶性の呈味成分の呈味発現を強化する技術、特に食塩の塩味を強化する技術の開発が求められていた。
特開2000−228947号公報 WO2011/102477号公報
食品調味の知識、117〜120頁、太田静行著、株式会社幸書房、2001年発行
解決しようとする課題は、油脂含有食品において水溶性呈味成分の呈味発現を強化する油脂、特に食塩の塩味を強化する油脂を開発することであり、該油脂を使用した油脂含有食品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、全く意外にも、食用油脂を製造するために行う精製処理条件を調整し、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるように調製した色度が濃く風味の濃いナタネ油を、油脂含有食品に使用することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の態様の1つは、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経たナタネ油を含む油脂含有食品である。好ましい態様としては、前記ナタネ油のロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上である油脂含有食品であり、前記ナタネ油の脱臭処理の脱臭温度が200℃未満である油脂含有食品であり、前記油脂含有食品が食塩を含む油脂含有食品である。
本発明のまた別の態様としては、油脂含有食品に使用する、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経たナタネ油である。好ましい態様としては、前記油脂含有食品に使用するナタネ油のロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上であるナタネ油である。
本発明のまた別の態様としては、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経たナタネ油を油脂含有食品に使用することによる、油脂含有食品の呈味発現強化方法である。好ましい態様としては、記油脂含有食品に使用するナタネ油のロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上である油脂含有食品の呈味発現強化方法である。
本発明によれば、油脂含有食品において水溶性呈味成分の呈味発現を強化する油脂、特に食塩の塩味を強化する油脂を提供することができる。また、該油脂を使用した油脂含有食品を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の油脂含有食品は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経たナタネ油(以下、油脂Aという場合がある)を含有する。ここで、ロビボンド比色計におけるY+10R値とは、1インチセル(25.4ミリセル)を使用して測定したY値と、同じく1インチセル(25.4ミリセル)を使用して測定したR値とから、Y値にR値の10倍の数を加えることによって導き出される値である。ロビボンド比色計におけるY値及びR値の測定は、日本油化学協会、基準油脂分析法2.2.1.1−1996のロビボンド法に準拠して行うことができる。色度が濃い(ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である)ナタネ油を使用することで、油脂含有食品の水溶性呈味成分、特に食塩の塩味の発現を強化することができる。
上記油脂Aの油脂含有食品中の含量は、油脂含有食品の種類によって一概に規定できない部分はあるが、油脂Aは油脂含有食品中に概ね0.1〜25質量%含有されることが好ましく、0.1〜20質量%含有されることがより好ましく、0.3〜15質量%含有されることがさらに好ましい。油脂含有食品中の油脂Aの含量が上記範囲にあると、油脂含有食品の水溶性呈味成分、特に食塩の塩味の発現を強化することができる。
本発明におけるロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経たナタネ油(油脂A)は、ナタネ種子より圧搾乃至圧搾抽出により得られるものであるが、少なくとも脱臭処理を経たものである。ナタネ種子は焙煎処理されたものでも良いが、未焙煎種子より得られた未焙煎油である方がより、油脂含有食品の水溶性呈味成分、特に食塩の塩味の発現を強化できるので好ましい。なお、ナタネ種子を圧搾乃至圧搾抽出する前に通常行われるナタネ種子の蒸煮処理(クッキング)は焙煎には該当しない。脱臭処理は、揮発性物質等を除去することができれば、その脱臭方法は特に限定されないが、例えば、油脂の精製に通常用いられる減圧水蒸気蒸留にて脱臭することが好ましい。
減圧水蒸気蒸留の条件は、脱臭処理する油脂の臭気の強さにより適宜変更されるが、通常の食用油脂の精製における脱臭温度(200〜270℃)より低い温度、すなわち、脱臭温度が200℃以上とはならない(200℃未満である)ことが好ましい。例えば、20トール未満の減圧下(好ましくは2〜10トールの減圧下)、脱臭温度180℃以下で行うことが好ましく、100〜170℃で行うことがより好ましく、120〜160℃で行うことが更に好ましい。脱臭時間は、10〜120分間であることが好ましく、20〜90分間であることがより好ましい。上記脱臭条件で脱臭処理することにより、油脂Aが容易に得られるので好ましい。
本発明における油脂Aの態様の1つとしては、ナタネ種子より圧搾乃至圧搾抽出されたナタネ油を、脱ガム、脱臭処理したナタネ油であることが好ましい。脱ガム処理としては、例えば、温度70〜80℃、水添加量約3質量%(対圧搾油乃至圧搾抽出油)の条件下、必要に応じてクエン酸もしくはリン酸を添加して、遠心分離機で遠心分離することでリン脂質の除去がなされる。必要に応じて水洗い、乾燥後、再度ろ過する等方法が挙げられるが、これに限定するものではない。
通常食用油脂の製造で行われる、脱酸、脱色処理は特に必須ではないが、脱酸、脱色処理を行うことで、脱臭後のナタネ油の品質はより安定したものとなる。
脱酸処理においては、例えば、80〜90℃程度に加温した脱ガム処理油に、油脂中の遊離脂肪酸に対して中和当量で5〜40質量%過剰のアルカリ水溶液を添加攪拌し、遠心分離により、沈殿物を除去することにより、油脂中に含まれる遊離した脂肪酸を除去することができる。脱酸処理で使用するアルカリ水溶液は、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等公知の種々のアルカリ水溶液を使用することができる。
脱酸処理に付随する後工程として、必要に応じて油脂中に含まれる石鹸(アルカリ成分)を除去するために水洗を行う(水洗工程)。水洗工程は、アルカリ成分を除去することができれば水洗でなくてもよく、例えば、湯を使用してアルカリ成分を除去してもよい。なお、水洗工程後必要に応じて、脱酸水洗された油脂を乾燥させてもよい。
脱色処理は、油脂に吸着剤を添加することにより行う。油脂に添加する吸着剤は、適宜変更することができるが、例えば、モンモリロナイトを主成分とする白色から黄褐色の粘土鉱物である白土を酸処理した活性白土、活性炭等公知の種々の吸着剤を使用することができる。これらは単独で使用してもよいが、複数組み合わせて使用してもよい。
吸着剤の添加量は、油脂中に含まれる着色成分量によって適宜変化させることができるが、例えば、活性白土の場合、油脂に対して0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.1〜0.4質量%であることが更に好ましい。吸着剤の添加量が上記範囲であると、脱臭処理後の色度と風味が適度なものとなり好ましい。油脂と吸着剤との接触条件は、油脂によって適宜変更することができるが、例えば90〜120℃で10〜40分間接触させることが好ましい。この条件で効率的に脱色処理を行うことができる。
また、油脂と吸着剤とを接触させる際、水分の存在による吸着剤の吸着効率の低下を防止するとともに、酸素の存在による油脂の酸化を防止するために、減圧下で油脂と吸着剤とを接触させ、脱色処理を行うことが好ましい。脱色処理の終了には、フィルタープレス等によりろ過し、吸着剤を除去する。
本発明における油脂Aは、未焙煎のナタネ種子から圧搾乃至圧搾抽出した油脂を、上記記載の条件で、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭処理したものが、油脂含有食品に使用した場合、効果的に油脂含有食品の水溶性呈味成分、特に食塩の塩味の発現を強化することができるので好ましい。
本発明における油脂Aは、油脂含有食品に使用した場合に、効果的に油脂含有食品の水溶性呈味成分、特に食塩の塩味の発現を強化するために、ロビボンド比色計におけるY+10R値が30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることが更に好ましく、55以上であることが更により好ましい。Y+10R値の上限値は特に制限はないが、品質をより安定したものとするために、150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、100以下であることが更に好ましい。
本発明の油脂含有食品は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経たナタネ油(油脂A)を含む以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の動植物油脂を1種あるいは2種以上含んでも良い。本発明でいう油脂A以外の動植物油脂は、食用に適したものであれば、どのようなものであっても構わないが、本発明の効果を効率よく得るために、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である植物油脂(以下、油脂Bという場合がある)を含むことが好ましい。例えば、従来食用に供される大豆油、ナタネ油、綿実油、ヒマワリ種子油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、イリッペ脂、サル脂、シア脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油等、並びに、これらに、硬化、分別、エステル交換(油脂と脂肪酸または脂肪酸エステルとのエステル交換も含む)等の加工を加えた加工油脂の中から1種あるいは2種以上を選択して使用できる。硬化油は、水素添加臭(水添臭)が出る恐れがあるので使用しないか、極度硬化して使用するのが好ましいが、使用したとしても30質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。
上記油脂Bは、油脂Aの効果を効率よく発現するために、ロビボンド比色計におけるY+10R値が10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、2以下であることが更に好ましい。Y+10R値の下限値は特に制限はないが、過剰精製による品質の劣化を防止するために、0より大きいことが好ましい。
上記油脂Bは、食用油脂の精製工程に通常を用いられる、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭等の各処理を経て製造することができる。特に、脱色処理における吸着剤の添加量と、脱臭処理における脱臭温度を、油脂Aよりも強めの条件で精製することにより得ることができる。例えば、脱色処理の場合、吸着剤が活性白土の場合の添加量は、油脂に対して0.3〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。例えば、脱臭処理の場合、脱臭温度は、200〜270℃であることが好ましく、220〜260℃であることがより好ましい。
なお、通常市販されているキャノーラ油(ナタネ油)やサラダ油(ナタネ油と大豆油の混合油)等の食用油脂は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が1程度であり、油脂Bとして好適に使用できる。
本発明の油脂含有食品は、油脂Bを含有する場合、油脂Aと油脂Bを、質量比0.1:99.9〜99.5:0.5で含有することが好ましく、質量比1:99〜70:30で含有することがより好ましく、質量比5:95〜50:50で含有することがさらに好ましい。
本発明の油脂含有食品は、水溶性の呈味成分として砂糖及び/又は食塩を含むことが好ましく、特に食塩を含むことが好ましい。食塩としては、精製塩、天然塩、自然塩、岩塩等が挙げられる。本発明の油脂含有食品は、食品の油脂中にロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経たナタネ油(油脂A)を含むことにより、油脂Aの替りに油脂Aと同量の他の油脂を含む場合と比較して、水溶性呈味成分の呈味、特に食塩の塩味をより強化することができる。本発明の油脂含有食品における食塩の含有量は、食品の種類によって一様ではないが、概ね食品中に0.05〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましく、0.1〜3質量%であることがさらに好ましく、0.2〜2質量%であることが最も好ましい。
本発明の油脂含有食品は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である脱臭処理を経たナタネ油を含む食品であれば、特に制限はなく、通常食される食品を挙げることができる。より具体的には、油脂食品、乳製品、パン・菓子、ソース・ルウ・スープ・シチュー、調味液、米飯・麺、加工品・缶詰及び飲料等からなる群より選択される1種以上が挙げられる。特に食塩を含む食品であることが好ましい。
本発明における油脂食品とは、油脂を主原料とする食品であって、より具体的には、揚げ油、サラダオイル、スプレー油、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、ホイップクリーム、カスタードクリーム、バタークリーム、シュガークリーム等が挙げられる。
本発明における乳製品とは、乳由来の原料を含有する食品であって、より具体的には、牛乳、加工乳、ヨーグルト、乳清飲料、乳酸菌飲料、バター、チーズ、生クリーム、コーヒーホワイトナー等が挙げられる。
本発明におけるパン・菓子としては、より具体的には、食パン、ロールパン、クロワッサン、デニッシュ、菓子パン、調理パン、フランスパン、蒸しパン、揚げパン等のパン、アップルパイ、マロンパイ、パンプキンパイ、ミートパイ等のパイ、スポンジケーキ、パウンドケーキ、バターケーキ、シュー菓子、発酵菓子、クリームゼリーケーキ、ワッフル、カステラ、デザート菓子等のケーキ、和菓子、ようかん、最中、ういろう、団子、大福餅、ポテトチップ、ポップコーン、スナック菓子、ドーナッツ、ビスケット、クラッカー、饅頭、キャンディー、ガム、チョコレート、飴、餡、ゼリー、プリンアイスクリーム、ソフトクリーム、シャーベット、アイスキャンデー、ラクトアイス、氷菓等の菓子が挙げられる。
本発明におけるソース・ルウ・スープ・シチューとしては、より具体的には、カレーソース、ホワイトソース、クリームソース、ハヤシソース、マヨネーズ、タルタルソース、ドレッシング等のソース、カレールウ、ホワイトルウ等のルウ、コーンポタージュ、ボルシチ、クリームシチュー等のスープ・シチューが挙げられる。
本発明における調味液とは、食品の調理・加工時に使用する、風味付け、保存性の向上等のための液全般を指し、より具体的には、ごまだれ、ウナギのたれ、焼き肉のたれ等のたれ、醤油、魚醤、ウスターソース、トマトソース、トマトケチャップ、トマトペースト、トマトピューレ、チリソース、ラー油、ピックル液等が挙げられる。
本発明における米飯・麺としては、より具体的には、いわゆる飯をはじめ、炊き込みご飯、炒飯等の米飯、穀粉を水等と捏ねた生地を成型したもので、小麦粉を主原料としたうどん、そうめん、ひやむぎ、中華麺等やデュラムセモリナを用いたスパゲッティーやマカロニ等のパスタ、蕎麦粉を用いたそば、米粉を用いたビーフン、澱粉を使用したはるさめ等の麺が挙げられる。
本発明における加工品・缶詰としては、より具体的には、ハム、ソーセージ、ベーコン、ミートボール等の加工肉製品、蒲鉾、つみれ、ちくわ等の水産練り製品、豆腐、湯葉、油揚げ、厚揚げ、がんもどき、みそ等の大豆加工品、コロッケ、トンカツ、フライドポテト、エビフライ等のフライ食品、冷凍アントレ、畜産冷凍食品、農産冷凍食品等の冷凍食品、肉、魚肉、果物、野菜やこれらの加工品等を缶やビンに詰めた缶詰・瓶詰が挙げられる。
本発明における飲料としては、より具体的には、豆乳、ココナッツミルク、ミルクコーヒー、カフェオレ等のコーヒー系飲料、ミルクティー、チャイ等の紅茶系飲料が挙げられる。
本発明の油脂含有食品は、油脂を、1〜100質量%含有する食品であることが好ましく、1〜99質量%含有する食品であることがより好ましく、3〜90質量%含有する食品であることがさらに好ましく、5〜70質量%含有する食品であることがさらにより好ましく、5〜50質量%含有する食品であることが最も好ましい。
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に、何ら限定されるものではない。
(色度の測定)
油脂の色度Y値及びR値の測定は、ロビボンド比色計(ティントメーター社製、TINTOMETER MODEL F)で25.4ミリセル(=1インチセル)を用いて測定した。
(油脂Aの調製)
〔ナタネ油1〕
未焙煎のナタネ種子から圧搾抽出されたナタネ粗油を、常法に従って、脱ガム、脱酸処理した後、活性白土を対油0.3質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、140℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が63であるナタネ油1を得た。
(油脂Bの調製)
〔ナタネ油2〕
未焙煎のナタネ種子から圧搾抽出されたナタネ粗油を、常法に従って、脱ガム、脱酸処理した後、活性白土を対油0.7質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、255℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.2であるナタネ油2を得た。
〔ヒマワリ油1〕
市販のハイオレイックヒマワリ油(商品名:オレインリッチ、昭和産業株式会社製)をヒマワリ油1とした。ロビボンド比色計におけるY+10R値は0.1であった。
<塩焼きそばの調製及び評価>
ナタネ油1とナタネ油2をそれぞれ試験油脂として、表1の原材料配合及び調製手順に従って実施例1と比較例1の塩やきそばを調製した。調製した塩焼きそばについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1で調理した実施例1の塩やきそばの方が塩味を強く感じると回答した(表2)。
Figure 0006184687
Figure 0006184687
また、ナタネ油1とナタネ油2とを質量比3:7で混合した油脂を試験油脂として、実施例1と同様に塩焼きそばを調製して実施例2とした。実施例2と比較例1の塩焼きそばについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とナタネ油2とを質量比3:7で混合した油脂で調理した実施例2の塩やきそばの方が塩味を強く感じると回答した(表3)。
Figure 0006184687
また、ヒマワリ油1を試験油脂として、実施例1と同様に塩焼きそばを調製して比較例2とした。実施例2と比較例2の塩焼きそばについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とナタネ油2とを質量比3:7で混合した油脂で調理した実施例2の塩やきそばの方が塩味を強く感じると回答した(表4)。
Figure 0006184687
<ポテトチップの調製及び評価>
ナタネ油1とナタネ油2とを質量比1:9で混合した油脂と、ナタネ油2をそれぞれ試験油脂として、以下の手順に従って実施例3と比較例3のポテトチップを調製した。調製したポテトチップについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とナタネ油2とを質量比1:9で混合した油脂で揚げた実施例3のポテトチップの方が塩味を強く感じると回答した(表5)。
ポテトチップの調製手順
(1)馬鈴薯をスライスして水につける
(2)水を切り180℃に加熱した試験油脂で2分間(1)の馬鈴薯を揚げる
(3)99質量部の(2)に対して食塩を1質量部ふりかける
Figure 0006184687
<ツナフレーク缶詰の調製及び評価>
ナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂と、ナタネ油2をそれぞれ試験油脂として、表6の原材料配合及び調製手順に従って実施例4と比較例4のツナフレーク缶詰を調製した。調製したツナフレーク缶詰について、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂を使用した実施例4のツナフレークの方が塩味を強く感じると回答した(表7)。
Figure 0006184687
Figure 0006184687
<ホワイトソースの調製及び評価>
ナタネ油1とナタネ油2をそれぞれ試験油脂として、表8の原材料配合及び調製手順に従って実施例5と比較例5のホワイトソースを調製した。調製したホワイトソースについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1を使用した実施例5のホワイトソースの方が塩味を強く感じると回答した(表9)。
Figure 0006184687
Figure 0006184687
また、ナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂を試験油脂として、実施例5と同様にホワイトソースを調製して実施例6とした。実施例6と比較例5のホワイトソースについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂を使用した実施例6のホワイトソースの方が塩味を強く感じると回答した(表10)。
Figure 0006184687
<米菓の調製及び評価>
ナタネ油1とナタネ油2とを質量比1:9で混合した油脂と、ナタネ油2をそれぞれ試験油脂として、表11の原材料配合及び調製手順に従って実施例7と比較例6の米菓を調製した。調製した米菓について、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とナタネ油2とを質量比1:9で混合した油脂を使用した実施例7の米菓の方が塩味を強く感じると回答した(表12)。
Figure 0006184687
Figure 0006184687
<カスタードクリームの調製及び評価>
ナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂と、ナタネ油2をそれぞれ試験油脂として、表13の原材料配合及び調製手順に従って実施例8と比較例7のカスタードクリームを調製した。調製したカスタードクリームについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、4名がナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂を使用した実施例8のカスタードクリームの方が甘味を強く感じると回答した(表14)。
Figure 0006184687
Figure 0006184687

Claims (5)

  1. 未焙煎のナタネ粗油に、脱ガム、脱酸、油脂に対して0.1〜0.4質量%添加した活性白土と減圧下90〜120℃で10〜40分間接触させる脱色および2〜10トールの減圧下120〜160℃での20〜90分間の脱臭、の各処理をして得られる、ロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上であるナタネ油、を含ませる、加熱を経る油脂含有食品の製造方法。
  2. さらに、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である植物油脂を含ませる、請求項に記載の油脂含有食品の製造方法。
  3. 前記油脂含有食品が食塩を含む、請求項1または2に記載の油脂含有食品の製造方法。
  4. 未焙煎のナタネ粗油に、脱ガム、脱酸、油脂に対して0.1〜0.4質量%添加した活性白土と減圧下90〜120℃で10〜40分間接触させる脱色および2〜10トールの減圧下120〜160℃での20〜90分間の脱臭、の各処理を適用する、ロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上である、加熱を経る油脂含有食品に使用するナタネ油の製造方法。
  5. 未焙煎のナタネ粗油に、脱ガム、脱酸、油脂に対して0.1〜0.4質量%添加した活性白土と減圧下90〜120℃で10〜40分間接触させる脱色および2〜10トールの減圧下120〜160℃での20〜90分間の脱臭、の各処理をして得られる、ロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上であるナタネ油、を油脂含有食品に使用することによる、加熱を経る油脂含有食品の呈味発現強化方法。
JP2012274064A 2012-12-12 2012-12-14 油脂含有食品 Active JP6184687B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012274064A JP6184687B2 (ja) 2012-12-12 2012-12-14 油脂含有食品
CN201310680978.2A CN103859063A (zh) 2012-12-12 2013-12-12 含油脂食品、菜籽油以及强化含油脂食品呈味显现的方法
TW102145847A TW201422159A (zh) 2012-12-12 2013-12-12 含油脂食品、菜籽油以及強化含油脂食品呈味顯現的方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012270971 2012-12-12
JP2012270971 2012-12-12
JP2012274064A JP6184687B2 (ja) 2012-12-12 2012-12-14 油脂含有食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014132833A JP2014132833A (ja) 2014-07-24
JP6184687B2 true JP6184687B2 (ja) 2017-08-23

Family

ID=51411659

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012274064A Active JP6184687B2 (ja) 2012-12-12 2012-12-14 油脂含有食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6184687B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SG11201704067WA (en) * 2014-11-26 2017-06-29 Fuji Oil Holdings Inc Manufacturing method of oil-and-fat for enhancing salty taste
JP6957180B2 (ja) * 2017-03-31 2021-11-02 株式会社J−オイルミルズ ドレッシング用油脂組成物
JP6995551B2 (ja) * 2017-09-28 2022-01-14 日清オイリオグループ株式会社 チョコレート
JP7158814B2 (ja) * 2018-07-27 2022-10-24 日清オイリオグループ株式会社 ベーカリー食品用生地、及びベーカリー食品

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2911526B2 (ja) * 1990-02-23 1999-06-23 森永乳業株式会社 乳幼児食品用油脂組成物
JP3598281B2 (ja) * 2001-08-24 2004-12-08 日清オイリオグループ株式会社 食用油脂製造方法及び食用油脂脱臭方法
JP4095111B1 (ja) * 2007-08-29 2008-06-04 株式会社J−オイルミルズ 加熱耐性に優れた揚げ物用油脂組成物の製造方法
JP4808203B2 (ja) * 2007-10-18 2011-11-02 株式会社カネカ 精製なたね油及び精製なたね油を利用した油脂加工食品及び食品
JP4962481B2 (ja) * 2008-12-17 2012-06-27 株式会社カネカ タマネギエキスおよびタマネギエキスの製造方法並びにそれを用いた食品
JP2012200159A (ja) * 2011-03-23 2012-10-22 Kaneka Corp 塩味増強剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014132833A (ja) 2014-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20150083995A (ko) 감미 및/또는 우유 풍미 증강제
JP6184687B2 (ja) 油脂含有食品
JP6918408B2 (ja) 油脂の製造方法
JP6841680B2 (ja) 風味増強油脂の製造方法
JP2002186424A (ja) 共役トリエン酸系油脂を含有する飲食品
JP6210741B2 (ja) 呈味改善剤及び該呈味改善剤を含む香料組成物
JPH0728660B2 (ja) 風味油の製造法
JP5936823B2 (ja) ルウ用油脂
TW201422159A (zh) 含油脂食品、菜籽油以及強化含油脂食品呈味顯現的方法
JP2012139111A (ja) 食用油及び当該食用油で製造した食品
JP6112848B2 (ja) 油脂含有食品
KR20170062740A (ko) 미꾸라지 튀김이 들어있는 쌈의 제조방법
JP5901136B2 (ja) ルウ用油脂及びそれを用いたルウ
JP2015128406A (ja) バター代替油脂
JPWO2019003930A1 (ja) 油脂組成物、該油脂組成物を用いた食品の製造方法及び食品の風味改善方法
JP5850647B2 (ja) ルウ用油脂及びそれを用いたルウ
JP2002058427A (ja) 油脂含有食品の風味劣化防止剤
JP7090408B2 (ja) 食用油脂および該食用油脂を含む食品
JPH06189711A (ja) パーム油カロチン含有食品
JP2023148029A (ja) 食品用風味増強剤、食品の風味増強方法、及び食品用風味増強剤の製造方法
JP2007325560A (ja) 香味油乳化物発酵調味料
JP6211809B2 (ja) 硬化風味油脂
KR102647810B1 (ko) 유채 전복전의 제조방법
JP7157599B2 (ja) 食品用コーティング剤および食品の外観を維持する方法
JPH03986B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160517

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160629

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161115

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6184687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250