JP7157599B2 - 食品用コーティング剤および食品の外観を維持する方法 - Google Patents
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Description
本発明の食品用コーティング剤は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含むことが重要である。
(1)水の使用量:粗原油対して、1質量%以上5質量%以下、好ましくは1.5質量%以上3質量%以下
(2)脱ガム助剤:必要に応じて用いることが可能であり、シュウ酸、クエン酸及びリン酸から選ばれる1種又は2種以上の酸の水溶液が好ましい
(3)脱ガム温度:30℃以上95℃以下、好ましくは35℃以上60℃以下
(4)撹拌時間:0秒超60分以下が好ましく、ラインミキサーを用いる場合には、1秒以上10秒以下が好ましく、タンク内で撹拌する場合には、10分以上60分以下が好ましい
(5)活性白土の使用量:脱ガム油に対して0.05質量%以上5質量%以下、好ましくは0.05質量%以上2質量%以下、より好ましくは0.05質量%以上1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以上0.7質量%以下、さらにより好ましくは0.05質量%以上0.6質量%以下
(6)脱色温度:60℃以上120℃以下、好ましくは70℃以上120℃以下、より好ましくは75℃以上110℃以下
(7)脱色時間:5分以上120分以下、好ましくは5分以上80分以下、より好ましくは5分以上60分以下
(8)水蒸気の使用量:脱色油に対して0.1質量%以上10質量%以下、好ましくは0.3質量%以上8質量%以下、より好ましくは0.3質量%以上5質量%以下
(9)脱臭温度:180℃以上300℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下、より好ましくは230℃以上300℃以下、さらに好ましくは240℃以上280℃以下
(10)脱臭時間:10分以上240分以下、好ましくは20分以上240分以下
(11)減圧度:150Pa以上1000Pa以下、好ましくは200Pa以上800Pa以下
本発明の食品の製造方法は、精製された食用油脂と、油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることが重要である。なお、前記食用油脂、中間的油脂の説明は、上述の[1.食品用コーティング剤]で述べた内容と同じであるので省略する。
本発明の食品の外観を維持する方法は、精製された食用油脂と、
油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることが重要である。なお、前記食用油脂及び前記中間的油脂の説明は、上述の[1.食品用コーティング剤]で述べた内容と同じであるので省略する。
本発明の食品の食感を維持する方法は、精製された食用油脂と、
油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることが重要である。なお、前記食用油脂及び前記中間的油脂の説明は、上述の[1.食品用コーティング剤]で述べた内容と同じであるので省略する。
本発明の食品の素材の甘味を増強する方法は、精製された食用油脂と、
油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂と、を含む油脂組成物を前記食品の表面に付着させることが重要である。なお、前記食用油脂及び前記中間的油脂の説明は、上述の[1.食品用コーティング剤]で述べた内容と同じであるので省略する。
(脱ガム工程の条件)
水の使用量:粗原油に対して2質量%
脱ガム助剤:添加なし
脱ガム温度:40℃
撹拌時間:3秒
(脱色工程の条件)
活性白土の使用量:脱ガム油に対して0.3質量%
脱色温度:100℃
脱色時間:20分
(脱臭工程の条件)
水蒸気の使用量:脱色油に対して4質量%
脱臭温度:255℃
脱臭時間:120分
減圧度:4Torr(533Pa)
本実施例においては、表1の試験油1乃至4をそれぞれコーンパンのコーンに和えて焼成した際の外観、食感及び甘味について評価した。以下に、コーンパンの調製方法及び評価方法について説明する。
コーンパンは、以下の(a)乃至(c)の手順にて調製した。
(a)スイートコーン(食塩無添加コーン、いなば食品株式会社製)50gに、試験油(24℃)1.1gを和える。
(b)耳を切り取った食パン(超熟、敷島製パン株式会社製)1枚を紙製のパウンドケーキ型に入れ、パン工房コーン&マヨ(キユーピー株式会社製)30gを載せた後、(a)のスイートコーン15gをその上に載せる。
(c)190℃に温めた電気オーブン(NE-S2625、Panasonic製)で15分間焼成してコーンパンを得た。
評価は、専門パネラー2名にて行った。外観評価においては、実施例1-1は比較例1-1を対照とし、実施例1-2は比較例1-2を対照として、コーンパンのスイートコーンの色、ふっくら感及びツヤの良し悪しを評価した。食感評価は、コーンパンのスイートコーンの瑞々しさ及びコーンの皮残りについて官能評価を行った。甘味評価、コーンパンのスイートコーンの甘味の強度について官能評価を行った。得られた試験結果を表2に示す。
本実施例においては、前記コーンパンの調製方法の工程(a)において、試験油2とマヨネーズ(ピュアセレクトマヨネーズ;油脂含量73質量%、味の素株式会社製)とを混合して食品用コーティング剤を調製した以外は、実施例1と同じ方法にてコーンパンを得た(実施例2-1)。評価方法は、実施例1と同じ方法を用いた。得られた評価結果を表3に示す。
本実施例においては、表1の試験油2をパプリカ及びウインナーに和えてピザを調製し、外観、食感及び甘味について評価した。ピザは、以下の(A)乃至(D)の手順にて調製した。
(A)解凍したピザ生地(ピザクラストベビー、直径20cm、マリンフード株式会社製)に周囲2cm程を残して中心側にレトルトカレー(おいしいカレー、エスビー食品株式会社製)50gを塗り広げる
(B)パプリカ半分(75g)を2cm×2cm、ウインナー(日本ハム株式会社製)3本(1本あたり20g)を1cm幅の輪切りにする
(C)(B)のパプリカ及びウインナーと、3gの試験油2とをボールに入れて和える
(D)(A)のピザ生地に(C)のパプリカ及びウインナーを重ならないように並べた後、200℃に温めた電気オーブン(NE-S2625、Panasonic製)で5分間焼成してピザを得た。
Claims (10)
- 精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である食品用コーティング剤(ただし揚げ物用油脂組成物を除く)。 - 前記中間的油脂が、脱ガム工程を経たものである、請求項1に記載の食品用コーティング剤。
- 前記中間的油脂が、さらに、脱色工程及び脱臭工程を経たものである、請求項2に記載の食品用コーティング剤。
- 前記中間的油脂が、前記脱色工程後のイソオクタンを対照とした、波長660nmの吸光度から波長750nmの吸光度を引いた吸光度差が0.03以上である、請求項3に記載の食品用コーティング剤。
- 前記食用油脂が、菜種油、大豆油、コーン油、パーム系油脂、ひまわり油、オリーブ油、綿実油、米油及び紅花油から選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の食品用コーティング剤。
- 前記食用油脂と前記中間的油脂の合計量が60質量%以上100質量%以下である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の食品用コーティング剤。
- 食品の製造方法であって、
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である油脂組成物を、100℃以下の状態で前記食品の表面に付着させる、前記製造方法。 - 食品の外観を維持する方法であって、
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である油脂組成物を、100℃以下の状態で前記食品の表面に付着させる、前記方法。 - 食品の食感を維持する方法であって、
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である油脂組成物を、100℃以下の状態で前記食品の表面に付着させる、前記方法。 - 食品の素材の甘味を増強する方法であって、
精製された食用油脂と、
菜種、大豆、ひまわり及びパーム果肉から選ばれる1種又は2種以上の油糧原料から得られる粗原油の精製工程において少なくとも脱酸工程を経ていない中間的油脂とを含み、
前記食用油脂100質量部に対して、前記中間的油脂が0.8質量部以上4質量部以下である油脂組成物を、100℃以下の状態で前記食品の表面に付着させる、前記方法。
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JP2009050234A (ja) | 2007-08-29 | 2009-03-12 | J-Oil Mills Inc | 加熱耐性に優れた揚げ物用油脂組成物の製造方法 |
JP2012125152A (ja) | 2010-12-13 | 2012-07-05 | Nisshin Oillio Group Ltd | 加熱調理用油脂 |
JP2012231785A (ja) | 2011-04-19 | 2012-11-29 | Nisshin Oillio Group Ltd | 被覆用油脂 |
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