JP7235470B2 - 大豆油の青臭さ低減剤及び加熱調理食品に含まれる大豆油の青臭さ低減方法 - Google Patents
大豆油の青臭さ低減剤及び加熱調理食品に含まれる大豆油の青臭さ低減方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7235470B2 JP7235470B2 JP2018187849A JP2018187849A JP7235470B2 JP 7235470 B2 JP7235470 B2 JP 7235470B2 JP 2018187849 A JP2018187849 A JP 2018187849A JP 2018187849 A JP2018187849 A JP 2018187849A JP 7235470 B2 JP7235470 B2 JP 7235470B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- oil
- mass
- soybean oil
- roasted
- cooking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Edible Oils And Fats (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
Description
本発明の大豆油の青臭さ低減剤は、コーン由来の焙煎油を有効成分として含有していることが重要である。なお、以降の説明においては、「本発明の大豆油の青臭さ低減剤」を「本発明の低減剤」と称する。
・焙煎温度:90℃以上180℃以下が好ましく、110℃以上180℃以下がより好ましく、120℃以上180℃以下がさらに好ましく、140℃以上180℃以下がさらにより好ましく、140℃以上165℃以下が特に好ましい
・焙煎時間:0分間超90分間以下が好ましく、3分間以上90分間以上がより好ましく、5分間以上90分間以下がさらに好ましく、5分間以上60分間以下がさらにより好ましい。
水の使用量:油脂に対して、1質量%以上5質量%以下、好ましくは1.5質量%以上3質量%以下
脱ガム助剤:必要に応じて用いることが可能であり、シュウ酸、クエン酸及びリン酸から選ばれる1種又は2種以上の酸の水溶液が好ましい
脱ガム温度:30℃以上95℃以下、好ましくは35℃以上60℃以下
撹拌時間:0秒超60分以下が好ましく、ラインミキサーを用いる場合には、1秒以上10秒以下が好ましく、タンク内で撹拌する場合には、10分以上60分以下が好ましい
アルカリの種類:炭酸ナトリウム、苛性ソーダ
アルカリ水溶液の濃度:3質量%以上40質量%以下
アルカリ水溶液の使用量:油脂に対して0.1質量%以上5質量%以下、好ましくは0.5質量%以上3質量%以下
脱酸温度:20℃以上120℃以下、好ましくは35℃以上95℃以下
活性白土の使用量:油脂に対して0.05質量%以上5質量%以下、好ましくは0.05質量%以上2質量%以下
脱色温度:60℃以上120℃以下、好ましくは70℃以上120℃以下
脱色時間:5分以上120分以下、好ましくは5分以上80分以下
水蒸気の使用量:油脂に対して0.1質量%以上10質量%以下、好ましくは0.3質量%以上8質量%以下
脱臭温度:180℃以上300℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下
脱臭時間:10分以上240分以下、好ましくは20分以上240分以下
減圧度:150Pa以上1000Pa以下、好ましくは200Pa以上800Pa以下
本発明の加熱調理食品に含まれる大豆油の青臭さ低減方法は、大豆油を含む加熱調理用油脂組成物にコーン由来の焙煎油を含有せしめ、前記加熱調理用油脂組成物を調理材料に付与して、加熱調理することが重要である。なお、以降の説明においては、「本発明の加熱調理食品に含まれる大豆油の青臭さ低減方法」を「本発明の低減方法」と称する。
まずは、本実施例において用いたコーン由来の焙煎油の調製方法について説明する。ウェットミリングで得られたコーンジャームを150℃で30分間焙煎し、圧搾して焙煎油を得た。前記焙煎油に対して、以下の精製条件にて、脱ガム処理、脱酸処理、脱色処理及び脱臭処理を施して精製油とした。
(脱ガム処理)
水の使用量:油脂に対して1.5質量%
脱ガム助剤:リン酸
脱ガム温度:85℃
撹拌時間:30分
(脱酸処理)
アルカリの種類:苛性ソーダ
アルカリ水溶液の濃度:15質量%
アルカリ水溶液の使用量:酸価が0.1になるまで添加
脱酸温度:90℃
(脱色処理)
活性白土の使用量:油脂に対して1質量%
脱色温度:80℃
脱色時間:30分
(脱臭処理)
水蒸気の使用量:油脂に対して2質量%
脱臭温度:240℃
脱臭時間:50分
減圧度:300Pa
1.大豆油:J大豆白絞油、株式会社J-オイルミルズ製
2.コーン油:Jコーン油、株式会社J-オイルミルズ製
3.パームオレイン:ヨウ素価67、株式会社J-オイルミルズ製
本実施例においては、食用油脂として大豆油を用い、前記コーン由来の焙煎油を表1に示す添加量にて添加して加熱調理用油脂組成物を調製した。また、大豆油の青臭さに対する加熱劣化の影響を検討するべく、該加熱調理用油脂組成物を180℃で24時間空加熱した劣化した加熱調理用油脂組成物を調製した。該加熱調理用油脂組成物及び劣化した加熱調理用油脂組成物を用いてフライ調理したトンカツを食して大豆油の青臭さの低減効果について評価した。評価は、専門パネラー3名の官能評価にて行った。なお、評価は、以下に示す評価指標に基づいて0.5点刻みで点数づけをおこない、3名の平均値を結果として得た。得られた評価結果を表1に示す。
比較例1-1においては、大豆油のみを用いてトンカツをフライ調理した。比較例1-2においては、大豆油のみを180℃で24時間空加熱した劣化大豆油を用いてトンカツをフライ調理した。
170℃に熱した加熱調理用食用油脂又は劣化した加熱調理用油脂組成物3.5kgで、冷凍豚カツ2枚(製品名:やわらかとんかつ160、味の素冷凍食品株式会社)を5分間揚げた。
5:青臭さを全く感じない(コーン油で油ちょうしたトンカツ相当)
4:青臭さをわずかに感じる
3:青臭さを少し感じる
2:青臭さを感じる(前記劣化大豆油で調理したトンカツ相当)
1:青臭さを強く感じる
0:青臭さを非常に強く感じる
本実施例においては、大豆油を50質量%、コーン油を30質量%及びパームオレインを20質量%混合して得た調合油に対して、前記コーン由来の焙煎油を表2に示す添加量にて添加して加熱調理用油脂組成物を調製した。また、大豆油の青臭さに対する加熱劣化の影響を検討するべく、該加熱調理用油脂組成物を180℃で24時間空加熱した劣化した加熱調理用油脂組成物を調製した。該加熱調理用油脂組物及び劣化した加熱調理用油脂組成物を用いてフライ調理したトンカツを食して大豆油の青臭さの低減効果について評価した。評価は、実施例1と同じ方法にて行った。得られた評価結果を表2に示す。なお、トンカツの調理及び評価は<実施例1>と同じ方法にて行った。
比較例2-1においては、前記調合油のみを用いてトンカツをフライ調理した。比較例2-2においては、前記調合油のみを180℃で24時間空加熱した劣化調合油を用いてトンカツをフライした。なお、トンカツの調理及び評価は<実施例1>と同じ方法にて行った。
大豆由来の焙煎油を調製して得た焙煎大豆油と、前記コーン由来の焙煎油との大豆油の青臭さ低減効果を比較検討した。焙煎大豆油としては、大豆をそのまま150℃で30分間焙煎し、溶剤抽出して得た焙煎油を脱ガム処理、脱酸処理、脱色処理及び脱臭処理して精製油とした。焙煎大豆油の精製条件は、本実施例に用いた前記コーン由来の焙煎油に付した精製条件と同じである。
Claims (6)
- コーン由来の焙煎油を有効成分として含有し、大豆油を含む加熱調理用油脂組成物中に前記焙煎油を0.01質量%以上10質量%以下含有せしめるようにして用いて、前記加熱調理用油脂組成物を調理用材料に付与して加熱調理した加熱調理食品に含まれる大豆油の青臭さを低減させるためのものである、大豆油の青臭さ低減剤。
- 大豆油を含む加熱調理用油脂組成物にコーン由来の焙煎油を含有せしめ、
前記加熱調理用油脂組成物を調理用材料に付与して、加熱調理する、加熱調理食品に含まれる大豆油の青臭さ低減方法であって、前記加熱調理用油脂組成物中に対して、前記焙煎油を0.01質量%以上10質量%以下含有せしめる、該低減方法。 - 前記焙煎油は、少なくとも脱臭処理が施されてなる精製油である、請求項2記載の低減方法。
- 前記焙煎油は、90℃以上180℃以下で焙煎したコーンジャームに由来するものである、請求項2又は3記載の低減方法。
- 前記焙煎油は、0分間超90分間以下で焙煎したコーンジャームに由来するものである、請求項2乃至4のいずれか1項に記載の低減方法。
- 前記加熱調理食品は、揚げ物である、請求項2乃至5のいずれか1項に記載の低減方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018176836 | 2018-09-21 | ||
JP2018176836 | 2018-09-21 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020048539A JP2020048539A (ja) | 2020-04-02 |
JP7235470B2 true JP7235470B2 (ja) | 2023-03-08 |
Family
ID=69994305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018187849A Active JP7235470B2 (ja) | 2018-09-21 | 2018-10-03 | 大豆油の青臭さ低減剤及び加熱調理食品に含まれる大豆油の青臭さ低減方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7235470B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023176454A1 (ja) * | 2022-03-15 | 2023-09-21 | 株式会社J-オイルミルズ | 植物性タンパク臭抑制剤、植物性タンパク臭抑制用油脂組成物、及びこれらの利用 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007236206A (ja) | 2006-03-03 | 2007-09-20 | Nisshin Oillio Group Ltd | 油脂組成物 |
WO2009028483A1 (ja) | 2007-08-31 | 2009-03-05 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 油脂組成物 |
JP2009055862A (ja) | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Nisshin Oillio Group Ltd | 加圧加熱処理済み密封食品 |
JP2009055861A (ja) | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Nisshin Oillio Group Ltd | 酸性調味料 |
JP2014080528A (ja) | 2012-10-17 | 2014-05-08 | J-Oil Mills Inc | 焙煎油の製造方法、油脂組成物、食品 |
JP2015186446A (ja) | 2014-03-26 | 2015-10-29 | 日清オイリオグループ株式会社 | 油脂組成物及び食品 |
-
2018
- 2018-10-03 JP JP2018187849A patent/JP7235470B2/ja active Active
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007236206A (ja) | 2006-03-03 | 2007-09-20 | Nisshin Oillio Group Ltd | 油脂組成物 |
WO2009028483A1 (ja) | 2007-08-31 | 2009-03-05 | The Nisshin Oillio Group, Ltd. | 油脂組成物 |
JP2009055862A (ja) | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Nisshin Oillio Group Ltd | 加圧加熱処理済み密封食品 |
JP2009055861A (ja) | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Nisshin Oillio Group Ltd | 酸性調味料 |
JP2014080528A (ja) | 2012-10-17 | 2014-05-08 | J-Oil Mills Inc | 焙煎油の製造方法、油脂組成物、食品 |
JP2015186446A (ja) | 2014-03-26 | 2015-10-29 | 日清オイリオグループ株式会社 | 油脂組成物及び食品 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020048539A (ja) | 2020-04-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7352562B2 (ja) | 油脂組成物の製造方法、油っぽさ低減剤、加熱臭抑制剤、調理用食用油脂の製造方法、油っぽさ低減方法、加熱臭抑制方法、食品の製造方法 | |
JPWO2018123596A1 (ja) | 不快臭抑制剤 | |
JP6918408B2 (ja) | 油脂の製造方法 | |
JP7171577B2 (ja) | 加熱調理食品の油っぽさ低減剤及び加熱調理食品の油っぽさ低減方法 | |
JP7235470B2 (ja) | 大豆油の青臭さ低減剤及び加熱調理食品に含まれる大豆油の青臭さ低減方法 | |
JP2019041633A (ja) | 焼き餃子羽用組成物 | |
JP7118070B2 (ja) | 加熱調理用油脂組成物の加熱臭抑制剤、加熱調理用油脂組成物の加熱臭抑制方法、及び加熱調理用油脂組成物の製造方法 | |
CN103859244A (zh) | 含油脂食品及其制造方法、菜籽油、抑制加热杀菌气味的方法 | |
WO2019003930A1 (ja) | 油脂組成物、該油脂組成物を用いた食品の製造方法及び食品の風味改善方法 | |
JP7143280B2 (ja) | 食用油脂組成物の製造方法及び食材の不快な風味のマスキング方法 | |
KR102214049B1 (ko) | 우수한 산패 억제능력을 갖는 유지 조성물 | |
JP6938851B2 (ja) | 油脂組成物及びこれを使用した食品並びに油脂組成物の製造方法 | |
JP7157599B2 (ja) | 食品用コーティング剤および食品の外観を維持する方法 | |
WO2021172034A1 (ja) | 油っぽさ低減剤、食用油脂組成物、油っぽさ低減剤の製造方法及び食品の油っぽさ低減方法 | |
JP2008237123A (ja) | 炒め玉ねぎの製造方法 | |
JP6697775B2 (ja) | 炒め物の製造方法 | |
JPWO2017204324A1 (ja) | 揚げ物衣用ミックス | |
JP6687429B2 (ja) | 冷凍おにぎりの製造方法 | |
JP6863796B2 (ja) | 炒め調理用油脂組成物 | |
WO2022209863A1 (ja) | 食用油脂の製造方法及びその食用油脂の使用 | |
JPWO2020166422A1 (ja) | フライ調理用油脂組成物の着色抑制方法、フライ調理用油脂組成物の製造方法及び着色抑制剤 | |
TW202304310A (zh) | 食用油脂組成物、特異風味抑制方法、特異風味抑制劑及炸物之製造方法 | |
JP2014045683A (ja) | 食用油脂及びそれを含有する食品並びにその製造方法 | |
JP2019024405A (ja) | 吸油低減剤、吸油低減方法および揚げ物用油脂組成物 | |
KR20140069417A (ko) | 짜장소스를 간편히 만들 수 있게 하는 짜장소스의 기본가공물(짜장베이스)의 제법 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210929 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221004 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20221115 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221122 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230221 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230224 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7235470 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |