JP2007236206A - 油脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】大豆油等の油脂が有する原料特有の不良な臭い(例えば、大豆油での青臭さ)や戻り臭、加熱臭等の臭気を抑制し、かつ、添加した焙煎油の風味も抑制された油脂組成物を提供する。
【解決手段】この油脂組成物は、臭気を有する油脂中に、焙煎油の含有量が、前記油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、前記焙煎油の風味を実質的に感じない量含有する。焙煎油の含有量は、臭気を有する油脂あたりに換算して質量割合で37.5〜75ppmであることが好ましい。臭気を有する油脂としては、大豆油や、大豆油を原料とするエステル交換油脂が好ましい。焙煎油としては、焙煎ごま油が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、大豆油等の油脂特有の生臭さ、保存時の戻り臭、及び加熱調理時の加熱臭が抑制された油脂組成物に関する。
油糧種子生産量の中で大豆は世界一(2億1000万トン:04−05年)であり、植物油生産量としても世界一(3300万トン)を占め、次いでパーム油(3300万トン弱)、菜種油(1600万トン)と続いている。日本国内の消費需要は、大豆油76万トン、菜種油86万トンであり、大豆油の消費量バランスが、世界の生産量と異なる。その理由のひとつとして、食の多様化とともに、あっさり、軽いといった風味へ消費者の嗜好がシフトしていることも関連する。
大豆油の品質の問題の一つとして、所謂「戻り臭」の発生による臭い及び味等の面における劣化の問題、食用油脂そのものの口当たり、喉越し等の好ましくない食感の問題等がある。戻り臭とは、油の劣化過程の初期の段階で、過酸化物価がほとんど上昇していない段階において発生する異臭のことである。特に、大豆油においてはこの戻り臭が発生しやすく、その臭いも独特の「青豆臭」を発する。戻り臭の発生の大きな要因として光の影響がある。このため、プラスチック製の透明容器に収容した食用油脂は、戻り臭の発生が常に大きな問題とされてきた。食用油脂は高エネルギーで、かつ栄養価の高い食品であり、また脂溶性ビタミン類の供給源にもなっており、栄養学的に見ても価値の高い食品なので、上記の問題点の改善が求められている。
高温に加熱された多量の食用油脂に食材を投入して行う加熱調理、すなわち揚げ物調理においては、熱や水分、被調理品の成分等の影響によって油には様々な劣化が起こされる。油の加熱による劣化としては、トリグリセリドから脂肪酸が遊離する加水分解反応や、酸化反応における二次生成物である様々なケトンやアルデヒド等の化合物の発生があり、これらの化合物が空気中に揮散し、異臭の原因となっている。このような物質の中には、所謂「油酔い」の原因と考えられるものも含まれており、調理する者の食欲減退を引き起こし、揚げ物調理を行う意欲を失わせることにもつながっている。特に大豆油は使用頻度も多いことからもこの加熱時の異臭、強い刺激臭の改質、低減が求められている。
また、食用油脂は、炒め油や、揚げ油等として加熱調理に使用されるのみならず、生のままドレッシングやマヨネーズ等に調理素材として加工されて食されることもある。従って、食用油脂の品質という問題においては生の風味(臭い、味及び食感等)も重要な評価項目であり、大豆油には特有の青臭さを有しているので、この青臭さの改質、抑制が求められている。
これを解消するものとして、例えば、特許文献1には大豆油に菜種油を添加して、大豆油の戻り臭や加熱調理時に発生する加熱臭を低減させた大豆・菜種配合油が開示されている。
また、ハーブエキスと焙煎ごま油等の香味油を添加して、ハーブエキスの匂いと香味油の好ましい香り風味でマスキングすることが通常に行われている(例えば、特許文献2)。
特開平10−191885号公報 特許平02−189394号公報
しかしながら、特許文献1においては、大豆油の青臭さや戻り臭が低減されているが十分でない。また、特許文献2においては、油脂中に2〜6%の焙煎ごま油を添加しているので、ごま油の生風味がつく、調理品へのゴマ風味の付与がなされるため、汎用性が低いものとなってしまう。例えば、ごま油の生風味がついた大豆油をドレッシングに入れると、ごま風味がするドレッシングとなり、用途が限定される。また、フライ調理でも常にフライ調理品(天ぷら等)にごま風味がつくため、フライ調理品本来の風味を損ねることになる等、汎用性に欠けることになる。
このように、焙煎ごま油等の香味油を添加し、この香味油の風味を付与することで、大豆油等食用油脂が有する特有の青臭さや、戻り臭、加熱臭等を抑制することは行われているが、添加した香味油の生風味がせずに、また、調理品しても香味油風味を付与することなく、青臭さや戻り臭、加熱臭を抑制することは検討されていない。
以上の課題に鑑み、本発明の目的は、大豆油等の油脂に焙煎ごま油等の焙煎油を添加して、添加した焙煎油の生風味がせず、また、調理品への焙煎油風味を付加することなく、大豆油等の油脂が有する原料特有の不快な臭い(例えば、大豆油での青臭さ)や、戻り臭、加熱臭が抑制された油脂組成物を提供することにある。
尚、本発明の対象とする油脂とは、原料特有の不快な臭いがして、かつ、傷んだときに不快な臭いが増す度合いが大きい油脂である。「原料特有の不快な臭い」とは、例えば、大豆油の青臭さのような生風味時の臭いである。「傷んだときに不快な臭いが増す度合いが大きい油脂」とは、他の油脂に比べて、少しの傷み(例えば、曝光時)でも不快な臭いが目立つ油脂である。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ね検討した結果、大豆油等の油脂中に焙煎ごま油等の焙煎油を極微量、好ましくは37.5〜75ppm添加することで、添加した焙煎油の生風味がせず、また、調理品への焙煎油風味の付与することなく、油脂が有する特有の青臭さや、戻り臭、加熱臭が抑制されるという知見を得、本発明を完成するに至った。また、焙煎油は芳香がしない濃度でも臭いを抑制できるという知見を得、本発明を完成するに至った。
より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 臭気を有する油脂中に、焙煎油を含有してなる油脂組成物であって、前記焙煎油の含有量が、前記油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、前記焙煎油の風味を実質的に感じない量である油脂組成物。
焙煎油は芳香がしない濃度でも臭いを抑制する効果があるので、この焙煎油を大豆油等の臭気を有する油脂に含有させることにより、臭気の発生が抑制される。また、その添加量が油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、焙煎油の風味を実質的に感じない量であるので、焙煎油の芳香や風味が強すぎて素材の油脂の風味が打ち消されることがない。このため、本発明の油脂組成物は、添加した焙煎油の生風味がせず、また、調理品への焙煎油風味の付与することもない。焙煎油は臭気を有する油脂の戻り臭、加熱臭を抑制するが、特に、上記のように原料特有の不快な臭いがして、かつ、傷んだときに不快な臭いが増す度合いが大きい油脂に対する臭いの抑制に優れる。
ここで、臭気とは、油脂自体が有する原料特有の不快な臭い、例えば、大豆油の「青臭さ」、油脂をしばらく置いておくと油脂自体はそれほど傷んでいないもの(過酸化物価20程度)でも出てくる不快な臭である「戻り臭」、及び油脂を加熱したときに発生する刺激臭である「加熱臭」を意味する。また、「油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、前記焙煎油の風味を実質的に感じない量」とは、用いる油脂と焙煎油との組み合わせによって適宜決定されるが、本発明においては、通常用いられる焙煎油の添加量に比して、その含有量が極めて低いことを特徴としている。具体的には、ppmオーダー(例えば、1000ppm以下)を添加することにより、油脂の臭気を抑制することができ、かつ、焙煎油自体の風味も感じない油脂組成物を得ることに成功したものである。なお、「油脂自体が有する臭気を実質的に抑制」、「焙煎油の風味を実質的に感じない」とは、例えば、後述する実施例の官能検査において、青臭さや加熱臭を感じないという評価が、パネラー20名中、15名以上の場合である。
(2) 前記油脂組成物中の前記焙煎油の含有量が、前記臭気を有する油脂に相当する量(前記臭気を有する油脂がエステル交換油脂を含む場合には、当該エステル交換油脂部分については、エステル交換油脂の原料に用いた油脂のうちの臭気を有する油脂に相当する量)に対して、質量割合で37.5〜75ppmである(1)記載の油脂組成物。
油脂が有する青臭さ、戻り臭、及び加熱調理時の加熱臭等の臭気は、油脂に焙煎油を37.5〜75ppmという僅かな量を添加することで抑制される。このため、本発明の油脂組成物は、添加した焙煎油の生風味がせず、また、調理品への焙煎油風味の付与することもない。なお、本発明における「前記油脂組成物中の前記焙煎油の含有量を、前記臭気を有する油脂に相当する量(前記臭気を有する油脂がエステル交換油脂を含む場合には、当該エステル交換油脂部分については、エステル交換油脂の原料に用いた油脂のうちの臭気を有する油脂に相当する量)当たりに換算した場合」の意味及び具体的算出方法については、後に詳細に説明する。
(3) 前記臭気を有する油脂が、大豆油、亜麻仁油及びエゴマ油からなる群より選ばれる1種以上の油脂である(1)又は(2)記載の油脂組成物。
大豆油は、世界で最も多く生産されている植物油で、うま味とコクを持ち、さらっと軽いのが特徴で、一般的に他の植物油脂とブレンドされて「サラダ油」や「天ぷら油」として利用される。また、亜麻仁油とエゴマ油は、α−リノレン酸の補給源として、健康食品や健康志向の食用油に使用されている。しかし、他の油と比べて安定性が低く、風味劣化も早いため、食用としての用途は限られる。
リノール酸やリノレン酸は、体内で必要量を作ることができないことから、必須脂肪酸といわれ、食事から摂取することになるが、大豆油はそれら脂肪酸がバランスよく含まれている油脂といえる。
また、大豆油は抗酸化物質であるビタミンEの含量が他の油脂と比べて多い。また、体内に吸収されたビタミンEは悪玉コレステロールに対する影響だけでなく、生体内でのさまざまな酸化ストレスに対する防御作用があり、糖尿病やがん、老化の原因となる活性酸素を除去する作用がある。そのため大豆油を摂取することは栄養学的にみても有益といえる。
しかしながら、大豆油は、上記のように、青臭さ、戻り臭、加熱臭等の臭気を特に有しているので、本発明の対象とする油脂として好適に用いられる。
(4) 前記焙煎油が、焙煎ごま油である(1)から(3)いずれか記載の油脂組成物。
焙煎ごま油は、香ばしい香りと個性的な風味が特徴で、原料に由来するゴマリグナンが天然の抗酸化物質として作用し、酸化しにくく加熱にも強い植物油であり、深く焙煎されると香り立ちが強く色の濃い茶褐色の油となり、低温で焙煎されるとナッツのような甘い香ばしい香りが生まれるというように、焙煎の深さ(温度と時間)により、異なった色や香りが生みだされ、大豆油等の油脂が有する青臭さ、戻り臭、及び加熱臭等の臭気を微量で効果的に抑制できるので好ましい。
(5) 更に、前記臭気を有する油脂以外の他の油脂を含有する(1)から(4)いずれか記載の油脂組成物。
この態様によれば、臭気を有する油脂と臭気を有する油脂以外の他の油脂とをブレンドした混合油でも、焙煎油の生風味がせず、また、調理品への焙煎油風味が付与されることなく、油脂の青臭さや戻り臭、及び加熱臭等の臭気が抑制される。
(6) 前記臭気を有する油脂が、少なくとも臭気を有する油脂を原料としたエステル交換油脂を含むものである請求項1から5いずれか記載の油脂組成物。
この態様によれば、油脂をリパーゼ酵素又は化学触媒を利用してエステル変換した少なくとも臭気を有する油脂を原料としたエステル交換油脂及び該エステル交換油脂とその他の油脂をブレンドした混合油も、焙煎油の生風味がせず、また、調理品への焙煎油の風味が付与されることなく、油脂が有する青臭さや戻り臭、及び加熱臭等の臭気が抑制される。
(7) (1)から(6)いずれかに記載の油脂組成物を使用した加工品。
上記(1)から(6)いずれかに記載の油脂組成物は、原料特有の不快な臭い、例えば、大豆における青臭さや、戻り臭及び加熱調理時の加熱臭の発生が抑制され、かつ、添加した焙煎油の生風味がしないので、この油脂組成物を使用したドレッシングやフライ調理品等の加工品は、原料特有の不快な臭いや焙煎油風味の付与することがない。そのため、ドレッシングとして用いても、また、炒め料理、焼き料理、フライ調理等の調理に用いても、原料特有の不快な臭いや戻り臭、加熱臭が抑制された加工品本来の風味が得られる。
(8) 臭気を有する油脂中に、微量自己臭抑制剤として焙煎油を添加することにより、前記油脂自体が有する臭気、及び、前記焙煎油の風味を同時に抑制する方法。
焙煎油は芳香や風味(香味ともいう)に優れるので、上記のように、この焙煎油を大豆油等の臭気を有する油脂に自己臭抑制剤として微量含有させることにより、油脂自体が有する青臭さ、戻り臭、及び加熱臭等の臭気を実質的に抑制し、かつ、焙煎油の風味を実質的に感じないという効果を奏する。このため、油脂自体が有する臭気、及び、前記焙煎油の風味を同時に抑制する方法として有用である。
本発明の油脂組成物は、大豆油等の臭気を有する油脂に焙煎油を前記油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、前記焙煎油の風味を実質的に感じない量、具体的には油脂に対して質量割合で37.5〜75ppm含有されたものであるので、焙煎油の芳香がすることなく、大豆油等の油脂が有する原料特有の不快な臭い、例えば、大豆における青臭さや、戻り臭及び加熱調理時の加熱臭の発生が抑制され、かつ、添加した焙煎油の生風味がせず、また、調理品への焙煎油風味の付与することがない。そのため、ドレッシングとして用いても、また、炒め料理、焼き料理、フライ調理等の調理に用いても、青臭さや戻り臭、加熱臭が抑制された加工品本来の風味が得られる。
以下、本発明の油脂組成物についての実施形態を具体的に説明する。
本発明の油脂組成物は、大豆油等の臭気を有する油脂に焙煎油を前記油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、前記焙煎油の風味を実質的に感じない量、具体的には油脂に対して質量割合で37.5〜75ppm含有されることで得られ、この油脂組成物を使用することで、例えばドレッシングやフライ調理品等の食品の風味を良好にすることができる。
本発明の油脂組成物は、焙煎油を含んだ新油(種子から搾油した直後、或いは酸化されていない油脂)であっても、この油脂組成物を光等に曝した曝光油(搾油後、光等に曝されて生風味時の不快な臭い、及び加熱時の加熱臭が増した油脂)であっても良い。本発明によれば、曝光油でも臭気を抑制されることから、この効果は長時間持続する強いものである。
<臭気を有する油脂>
本発明において、臭気を有する油脂としては、他の油脂と比較して、原料特有の不快な臭いがして、かつ、傷んだときに不快な臭いが増す度合いが大きい油脂を指し、具体的には、大豆油、亜麻仁油、エゴマ油(シソ油)、または、これらを原料に含んだエステル交換油脂を指す。大豆油は青臭く、亜麻仁油とエゴマ油は、磯臭く、鼻につく臭いがする。
なかでも特に好ましいのは大豆油、又は、後述する大豆油を原料とするエステル交換油脂(以下、エステル交換油脂と称する)である。尚、大豆油を原料とするエステル交換油脂(エステル交換油脂)とは、大豆油100%をエステル変換したもの以外に、大豆油及びその他の油脂の混合油をエステル交換したものも含む意味である。
<混合油>
本発明においては、上記の臭気を有する油脂に、他の油脂をブレンドした混合油としてもよい。ブレンドに使用される油脂は特に規定されないが、臭気を有する油脂以外の油脂として、紅花油、ひまわり油、綿実油、パーム油等が好ましい。
混合油の具体的な組み合わせとしては、大豆油と上記に記載した他の油脂とをブレンドした混合油、大豆油とエステル交換油脂とをブレンドした混合油、エステル交換油脂と上記に記載した他の油脂とをブレンドした混合油、大豆油とエステル交換油脂と上記に記載した他の油脂とをブレンドした混合油が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、油脂組成物中の臭気を有する油脂の割合は特に限定されないが、好ましくは、臭気を有する油脂を油脂組成物中に原料として一定以上含む場合に、効果を発揮する。この臭気を有する油脂の含量としては、例えば、大豆油を用いた場合は、好ましくは、油脂組成物中に、原料として15質量%以上であり、また、亜麻仁油やエゴマ油(シソ油)を用いた場合は、好ましくは、油脂組成物中に、原料として5質量%以上である。
<エステル交換油脂>
本発明においては、上記の臭気を有する油脂は、エステル交換油脂であってもよい。エステル交換油脂とは、主としてグリセリンに3つの脂肪酸が結合した物質(グリセライド、または、グリセリド)である油脂に、この結合した脂肪酸を分子内または分子間でリパーゼ酵素あるいは化学触媒(例えば、ナトリウムメチラート)を利用して、再置換、再配列して結合位置、種類を変える操作(エステル交換という)により製造された油である。この操作により元の油脂の物性が変化し、様々な用途に利用する油を作ることができる。
このエステル交換油脂は、例えば、特開平11−169073号明細書、特開平10−165112号明細書、WO2000/039165号の公報等に記載されているように、原料として、1種類の油脂(例えば、大豆油のみ)、或いは2種類以上の油脂(例えば、大豆油とパーム油)を用いて、1,3位特異性リパーゼによりエステル交換反応を行うことで得られる。尚、臭気を有する油脂以外の油脂として、原料に臭気を有する油脂を用いないエステル交換油脂を用いてもよい。
<焙煎油>
本発明において、上記原料油脂に原料特有の不快な臭い(例えば、青臭さ)、戻り臭、及び加熱臭を抑制するために添加される焙煎油とは、特に限定されない。一般的に油糧種子から搾油を行う前に、該油糧種子を鍋、ロータリーキルン、或いはマイクロ波加熱等により、直接もしくは間接に乾式または湿式で加熱処理して焙煎し、焙煎した油糧種子をそのまま、あるいは適当な粉砕機を用いて粉砕物となし、公知の圧搾装置(例えば、エキスペラー、玉締め機等)を用いて、常法により圧搾または圧搾抽出することによって得られる香ばしいフレーバーをもつ茶褐色の油脂である。原料としては、胡麻、大豆、菜種、落花生、サフラワー、ヒマワリ、小麦胚芽、コーンジャーム、アーモンド、ならびに各種ナッツ類等が用いられる。焙煎油としては、焙煎ごま油、焙煎大豆油、焙煎菜種油、焙煎落花生油、焙煎亜麻仁油等が挙げられるが、特に焙煎ごま油が好ましい。
この焙煎処理は、焙煎処理する油糧種子にもよるが、ゴマを例にとれば、焙煎したゴマから焙煎ごま油を搾油する場合、ゴマの油糧種子を平鍋、ロータリーキルン、或いはマイクロ波加熱等により空気の存在下150〜200℃で2〜60分間焙煎している。
ここで、「焙煎油」とは、日本農林規格(JAS規格)における食用ごま油の規格における分類であるごま油、精製ごま油、ごまサラダ油のうちの「ごま油」に相当するものをいう。より具体的には、ロビボンド法(日本油化学協会、基準油脂分析試験法2.2.1.1)で測定した下記式(1)のロビボンド色相値において、Yが20〜70、Rが10〜17、Bが0.5〜1.5の範囲で、かつ、ロビボンド色相値(20℃)が150〜220である焙煎油が好ましい。
Figure 2007236206
<焙煎油含有量>
焙煎油は、上記の大豆油等の臭気を有する油脂に添加されて、原料特有の不快な臭い(油脂の青臭さ)、戻り臭、及び加熱臭を抑制するために用いられる。
含有量は、油脂組成物中の焙煎油の割合が、油脂組成物中の焙煎油の含有量を臭気を有する油脂に相当する量(臭気を有する油脂がエステル交換油脂を含む場合には、当該エステル交換油脂部分については、その原料油脂のうちの臭気を有する油脂に相当する量)当たりに換算した場合に、質量割合で37.5〜75ppmである。37.5ppmより少ないと、生風味時の青臭さや加熱臭を抑制することができず、また、75ppmより多いと焙煎油の芳香や風味が勝り、生でドレッシング等として使用した際の生風味、及び炒め料理、焼き料理、フライ調理等を行なった調理食品に、焙煎油の芳香や風味が残ることになり、例えば、大豆油においては、大豆油のうま味とコクを持ち、さらっと軽い風味といった大豆油本来の風味や旨味が打ち消されることになるので好ましくない。
ここで、「前記油脂組成物中の前記焙煎油の含有量を、前記臭気を有する油脂に相当する量(前記臭気を有する油脂がエステル交換油脂を含む場合には、当該エステル交換油脂部分については、エステル交換油脂の原料に用いた油脂のうちの臭気を有する油脂に相当する量)当たりに換算した場合」の油脂組成物中の焙煎油の含有量(ppm)としては、例えば、大豆油と焙煎ごま油の場合、以下の式(2)で表すことができる。尚、臭気を有する油脂に相当する量とは、例えば大豆油の場合、エステル交換の有無にかかわらず、油脂組成物中に用いられた大豆油の量を指す。
Figure 2007236206
<単独添加の場合の含有量>
ここで、上記の割合(ppm)は、「油脂組成物中の焙煎油の含有量を、臭気を有する油脂に相当する量(臭気を有する油脂がエステル交換油脂を含む場合には、当該エステル交換油脂部分については、その原料油脂のうちの臭気を有する油脂に相当する量)当たりに換算した場合」であるから、焙煎油を除く油脂組成物中の油脂が臭気を有する油脂のみの場合には、臭気を有する油脂中の焙煎油の割合を意味する。具体的には、焙煎油を除く油脂組成物中の油脂が、臭気を有する油脂の一例である大豆油100%の場合においては、油脂組成物中の焙煎油の割合が質量割合で37.5〜75ppmであることが好ましい。
<混合油の場合>
本発明においては、焙煎油を除く油脂組成物中の油脂として、大豆油等の臭気を有する油脂に、その他の油脂をブレンドした混合油を使用してもよい。この場合、上記の割合(ppm)は、例えば、大豆油とその他の油脂(例えば、パーム油)とをブレンドした混合油の場合、混合油中の大豆油量に換算した場合の割合を意味する。具体的には、大豆油50%とパーム油50%の混合油において、大豆油あたりに換算して50ppmとなるように含有する場合とは、油脂組成物に対しては1/2倍の25ppmとなるように含有することを意味する。
<エステル交換油脂の場合>
また、焙煎油を除く油脂組成物中の油脂として、少なくとも臭気を有する油脂を原料としたエステル交換油脂を使用してもよい。この場合、上記の割合(ppm)は、例えば、原料大豆油100%のエステル交換油脂であれば、上記の焙煎油を除く油脂組成物中の油脂が臭気を有する油脂のみの場合と同様に考える。すなわち、具体的には、焙煎油を除く油脂組成物中の油脂が、原料大豆油100%のエステル交換油脂の場合においては、油脂組成物中の焙煎油の割合が質量割合で37.5〜75ppmであることが好ましい。
一方、例えば、原料大豆油50%と原料パーム油50%のような混合油のエステル交換油脂の場合には、混合油中の原料大豆油量に換算した場合の割合を意味する。具体的には、原料大豆油50%と原料パーム油50%の混合油のエステル交換油脂において、原料大豆油あたりに換算して50ppmとなるように含有する場合とは、油脂組成物全体に対しては1/2倍の25ppmとなるように含有することを意味する。
<混合油、エステル交換油脂、その他の油脂の組み合わせ>
上記の混合油と、エステル交換油脂と、その他の油脂とは適宜ブレンドされていてもよい。この場合においても、本発明における油脂組成物中の焙煎油の割合は、上記の算出方法を基に、油脂組成物中の焙煎油の含有量を、臭気を有する油脂に相当する量の総量(臭気を有する油脂がエステル交換油脂を含む場合には、当該エステル交換油脂部分については、その原料油脂のうちの臭気を有する油脂に相当する量)当たりに換算して求められる。
この焙煎油は、例えば、焙煎処理していない油糧種子から搾油した油等の他の油脂で薄めて用いてもよいが、薄めて用いる場合には、焙煎油100%換算当たりで上記添加量とする。
さらに、これらの油脂組成物中には、食用油脂に用いられる一般的な添加剤を混入してもよい。この添加剤の用途は特に問わないが、例えば、結晶抑制や花さき性向上のために用いられる。油脂組成物中に添加剤が含まれている場合であっても、焙煎油の量は、油脂組成物中に用いられた臭気を有する油脂に換算して求められる。
次に、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。尚、本実施例に使用した原料の油脂および添加油は、全て日清オイリオグループ社製のものを使用した。尚、何れの試験例においても使用した焙煎ごま油は、Yが40、Rが14.1、Bが0.8で、ロビボンド色相値が181.8である。
〔試験例1〕(焙煎油の添加量の検証)
油脂として大豆油を用い、焙煎油として焙煎ごま油を用いた場合について、大豆油の青臭さ、加熱時の加熱臭の抑制効果について検証した。
大豆油(日清大豆白絞油)に焙煎ごま油(日清純正ごま油本胡麻搾り)を表1に示す添加量(添加量は質量割合)を添加・攪拌することにより大豆油に焙煎ごま油を混合して、焙煎ごま油を添加した大豆油を調製した。次いで、この調製直後の調製大豆油を7000luxの光に16時間曝しながら保存し、保存後の調製大豆油を得た。調整直後の調製大豆油及び保存後の調製大豆油それぞれについて、口に含んだときに感じる風味(生風味時)、180℃に加熱した時(加熱時)に発生する臭いを20名のパネラーにより評価した。加熱時の評価については、100mlビーカーに油を50ml入れ、これを180℃に加熱して行った。この評価により、添加した焙煎ごま油の風味を感じる濃度、大豆特有の青臭さ及び加熱時の刺激臭(加熱臭)を抑制する濃度等について各々確認した。尚、評価は、下記に示す評価基準に準じて行った。そして、その評価結果を表1に示した。焙煎ごま油37.5ppmを添加した曝光油で効果があったことは、後述、試験例4で確認した。
<評価基準>
〈評価1〉
ごまの香ばしさ、の評価
20名のパネラーにより、ごまの香ばしさの有無で判断する。
評価〇;感じない、と答えたパネラーが15名以上。
評価×;〇以外を×。
〈評価2〉
青臭さ、の評価
20名のパネラーにより、青臭さの有無で判断する。
評価〇;青臭さがない、と答えたパネラーが15名以上。
評価×;〇以外を×。
〈評価3〉
刺激臭、の評価
20名のパネラーにより、刺激臭の有無で判断する。
評価〇;刺激臭がない、と答えたパネラーが15名以上。
評価×;〇以外を×。
Figure 2007236206
表1に示すように、焙煎ごま油を質量割合で37.5〜75ppm添加することで、調製直後及び保存後のいずれの大豆油であっても、生風味時のごま風味がなく、生風味時の青臭さや加熱時の刺激臭がないことが検証された。また、曝光油においても、これらの効果があったことから、これらの効果は長期間持続する強いものであることが確認された。
〔試験例2〕(非焙煎油の添加による検証)
試験例1において、焙煎ごま油に代えて非焙煎油である太白ごま油(日清太白ごま油)を添加した以外は試験例1と同様の方法で試験を行い、口に含んだときに感じる風味(生風味時)、180℃に加熱した時(加熱時)に発生する臭いを20名のパネラーにより評価した。そして、その評価結果を表2に示した。尚、太白ごま油(日清太白ごま油)は、表2に示す添加量(添加量は質量割合)を添加した。各評価の評価基準は、試験例1と同様とした。
Figure 2007236206
表2に示すように、非焙煎ごま油の太白ごま油を添加した場合は、1質量%という高濃度まで添加しても生風味時の大豆の青臭さ、加熱時の刺激臭を抑制することができなかった。この結果、非焙煎ごま油では大豆の青臭さ、加熱時の刺激臭を抑制する効果はないことが確認された。
〔試験例3〕(米油の添加による加熱臭抑制の検証)
米油は加熱すると甘い香りを有することが知られている(例えば、特願2005−156411号参照)が、この加熱時に甘い香りを有する米油で大豆油の加熱臭刺激を抑制できるかを検証した。
試験例1において、焙煎ごま油に代えて米油(日清おいしい米油)を添加した以外は試験例1と同様の方法で試験を行い、口に含んだときに感じる風味(生風味時)、180℃に加熱した時(加熱時)に発生する臭いを20名のパネラーにより評価した。そして、その評価結果を表3に示した。尚、米油(日清おいしい米油)は、表3に示す添加量(添加量は質量割合)を添加した。「青臭さ」、「刺激臭」の評価基準は、試験例1と同様とし、「米油特有の甘い香り」の評価基準は、この「甘い香りを感じない」と答えたパネラーが15名以上のときを〇とし、〇以外を×とした。
Figure 2007236206
表3に示すように、加熱時の刺激臭については、また、1質量%以上の添加で、加熱時の刺激臭は抑制されたが、いずれの添加量であっても生風味時の大豆油の青臭さを抑制することできなかった。この結果、米油では、米油特有の甘い香りがする濃度でも、大豆油の青臭さを抑制する効果はないことが確認された。
〔試験例4〕(調理品の風味と調理中の加熱臭の検証)
大豆油に焙煎ごま油、オリーブ油、米油を添加した油脂を曝光した保存後の調製大豆油で、フライ調理品を調理した際の調理中の様子(加熱臭等)及び得られた調理品の風味を検証した。
試験例1で用いた大豆油(日清大豆白絞油)に、焙煎ごま油(日清純正ゴマ油「本胡麻搾り」)、オリーブ油(ボスコエキストラバージンオリーブオイル)、米油(日清おいしい米油)を表4に示す添加量(添加量は質量%)を添加・攪拌することにより、大豆油にそれぞれの油を混合して、ごま油、オリーブ油、米油が添加されたそれぞれの大豆油を調製した。次いで、これらの調製大豆油を7000luxの光に16時間曝しながら保存し、保存後の調製大豆油を得た。この保存後の調整大豆油を用いて、調理中の加熱臭、及び調理したフライ調理品の風味について20名のパネラーにより評価した。加熱時の評価及びフライ調理については、市販の適当な大きさの天ぷら鍋に、油を800g入れ、これを180℃に加熱して行った。そして、調理中の加熱臭の評価結果を表4に、また、フライ調理品の風味評価結果を表5に示した。青臭さ」、「刺激臭」の評価基準は、試験例1と同様とし、「添加油の臭い」の評価基準は、「添加油の臭いを感じない」と答えたパネラーが15名以上のときを〇とし、〇以外を×とした。
Figure 2007236206
Figure 2007236206
表4に示すように、焙煎ごま油は何れの添加量でも調理中の刺激臭は抑制されているが、オリーブ油では3質量%、5質量%添加しても、調理中の刺激臭を抑制することができなかった。また、米油では、1質量%、2質量%添加することで、調理中の刺激臭を抑制することができた。
また、得られたフライ調理品の風味評価については、表5に示すように、焙煎ごま油の添加量200ppm以外は、フライ調理されたいずれの調理品でも、大豆の青臭さが抑えられて、素材の味が出ていて美味しいとの評価であった。しかしながら、200ppmの添加では、大豆油の青臭さは抑えられているが、添加したごま油の風味を呈するとの評価であった。また、オリーブ油では、いずれの添加量でも大豆油の青臭さを抑制できず、また、オリーブ油の風味が付加されるとの評価であった。また、米油では、1質量%、2質量%添加では調理中の加熱臭が抑制できるが、得られたフライ調理品には米油の甘い香りを呈するとの評価であった。
これらの結果より、焙煎ごま油を37.5ppm乃至100ppm添加することで、調理中の刺激臭が抑えられ、得られたフライ調理品の大豆油の青臭さが抑制され、得られたフライ調理品には、焙煎ごま油の臭いがつかないことが確認された。また、オリーブ油は調理中の刺激臭を抑制できず、得られたフライ調理品も大豆の青臭さを呈し、全体として、調理品として好ましくないことが確認された。また、米油は、大豆の青臭さを抑えつつ、米油特有の甘い香りがつかない調理品は得られないことが確認された。
〔試験例5〕(大豆エステル交換油脂での焙煎油の効果の検証)
大豆エステル交換油脂において、焙煎油が大豆の青臭さや加熱臭の抑制に効果あるかを検討した。
先ず、大豆油(日清大豆白絞油)1Kgを撹拌機付容器に入れ、脂質分解酵素リパーゼ酵素製剤10gを用い、60℃、16hr撹拌した後、ろ過にてリパーゼ酵素製剤を除去し、通常の精製工程を経て大豆エステル交換油脂を調製した。得られた大豆エステル交換油脂に焙煎ごま油(日清純正ごま油本胡麻搾り)を表6に示す添加量(添加量は質量割合)を添加・攪拌することにより、大豆エステル交換油脂に焙煎ごま油を混合して、焙煎ごま油を添加した大豆エステル交換油脂を調製した。次いで、この調製直後の調製大豆エステル交換油脂を7000luxの光に16時間曝しながら保存し、保存後の調製大豆エステル交換油脂を得た。調整直後の調製大豆エステル交換油脂及び保存後の調製大豆エステル交換油脂のそれぞれについて、口に含んだときに感じる風味(生風味時)、180℃に加熱した時(加熱時)に発生する臭いを20名のパネラーにより評価した。評価基準は、試験例1と同じとし、その評価結果を表6に示した。
Figure 2007236206
表6に示すように、大豆エステル交換油脂でも、焙煎ごま油を50ppm添加することで、調製直後及び保存後のいずれであっても、生風味時のごま風味がなく、生風味時の青臭さがなく、加熱時の刺激臭がないことが確認された。この結果より、大豆エステル交換油脂でも、焙煎ゴマ油を添加することで、生風味時のごま風味がなく、生風味時の青臭さや加熱時の刺激臭を抑制されることが確認された。また、曝光油においても、これらの効果があったことから、これらの効果は長期間持続する強いものであることが確認された。
〔試験例6〕(大豆油と他の油脂との混合油での焙煎油の効果の検証)
大豆油と他の油脂をブレンドした油脂において、焙煎油が大豆の青臭さや加熱臭の抑制に効果あるかを検討した。
大豆油(日清大豆白絞油)85質量%とパームオレイン油(スーパーオレイン(S))15質量%をブレンドした混合油を用いて、焙煎ごま油(日清純正ゴマ油「本胡麻搾り」)を表7に示す添加量(添加量は質量割合)を添加・攪拌することにより、混合油と焙煎ごま油とを混合し、焙煎ごま油を添加した混合油を調整した。次いで、この調製直後の調製混合油を7000luxの光に16時間曝しながら保存し、保存後の調製混合油を得た。調整直後の調製混合油及び保存後の調製混合油のそれぞれについて、口に含んだときに感じる風味(生風味時)、180℃に加熱した時(加熱時)に発生する臭いを20名のパネラーにより評価した。評価基準は、試験例1と同じとし、その評価の結果を表7に示した。
Figure 2007236206
表7に示すように、大豆油にパームオレイン油をブレンドした混合油でも、焙煎ごま油を42.5ppm(大豆油換算で50ppm)添加することで、調製直後及び保存後のいずれであっても、生風味時のごま風味がなく、大豆の青臭さがなく、加熱時の刺激臭がないことが確認された。この結果より、大豆油と他の油脂をブレンドした混合油でも、使用している大豆油の相当量に対し、焙煎ゴマ油を添加することで、生風味時のごま風味がなく、生風味時の青臭さや加熱時の刺激臭を抑制されることが確認された。また、曝光油においても、これらの効果があったことから、これらの効果は長期間持続する強いものであることが確認された。
本発明の油脂組成物は、ドレッシング等といった生風味で使用食品や炒め物、揚げ物、焼き料理等の調理食品の調理用油脂として利用することができる。

Claims (8)

  1. 臭気を有する油脂中に、焙煎油を含有してなる油脂組成物であって、
    前記焙煎油の含有量が、前記油脂自体が有する臭気を実質的に抑制し、かつ、前記焙煎油の風味を実質的に感じない量である油脂組成物。
  2. 前記油脂組成物中の前記焙煎油の含有量が、前記臭気を有する油脂に相当する量(前記臭気を有する油脂がエステル交換油脂を含む場合には、当該エステル交換油脂部分については、エステル交換油脂の原料に用いた油脂のうちの臭気を有する油脂に相当する量)に対して、質量割合で37.5〜75ppmである請求項1記載の油脂組成物。
  3. 前記臭気を有する油脂が、大豆油、亜麻仁油及びエゴマ油からなる群より選ばれる1種以上の油脂である請求項1又は2記載の油脂組成物。
  4. 前記焙煎油が、焙煎ごま油である請求項1から3いずれか記載の油脂組成物。
  5. 更に、前記臭気を有する油脂以外の他の油脂を含有する請求項1から4いずれか記載の油脂組成物。
  6. 前記臭気を有する油脂が、少なくとも臭気を有する油脂を原料としたエステル交換油脂を含むものである請求項1から5いずれか記載の油脂組成物。
  7. 請求項1から6いずれかに記載の油脂組成物を使用した加工品。
  8. 臭気を有する油脂中に、微量自己臭抑制剤として焙煎油を添加することにより、前記油脂自体が有する臭気、及び、前記焙煎油の風味を同時に抑制する方法。
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