JP2002253118A - 配合食用油およびその利用 - Google Patents

配合食用油およびその利用

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JP2002253118A JP2001054093A JP2001054093A JP2002253118A JP 2002253118 A JP2002253118 A JP 2002253118A JP 2001054093 A JP2001054093 A JP 2001054093A JP 2001054093 A JP2001054093 A JP 2001054093A JP 2002253118 A JP2002253118 A JP 2002253118A
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Rika Tanaka
利佳 田中
Yoshimi Inoue
賀美 井上
Takenori Anada
剛範 穴田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オリザノールに富み、風味良好で、しかも多
用途に適用可能な配合食用油を提供する。 【解決手段】 植物油と蒸留精製米油とを、20:80〜8
0:20、好ましくは、30:70〜70:30の重量比率で混合
してなる配合食用油。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、植物油および蒸留
精製米油からなる配合食用油、特に、オリザノールに富
み、風味良好で、しかも多用途に適用可能な新規の配合
食用油とその利用に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近年
の日本人の嗜好の多様化と健康指向の高まりに伴い、食
用油の分野においても、その流れを反映した研究開発が
続けられており、これまでに、実に多種多様のいわゆる
「健康油」が販売されている。
【0003】これら「健康油」とは、概ね、食用油を構
成する脂肪酸組成の変更や、食用油に活性成分を添加ま
たは残存させて製造されるものであり、実際のところ、
生体での食用油の消費促進や、食用油のカロリー値低減
を目的としたものが主流となっている。
【0004】ところで、粗製の米油(米糠油や米胚芽
油)は、通常、遊離脂肪酸を10〜15%、そして、ワック
ス分を3〜9%を含み、これら以外に、他の植物油には
ほとんど含まれないオリザノール(類)をさらに2%前後
含んでいる。 米油に含まれるオリザノールは、主に、
γ−オリザノールである。 このγ−オリザノールと
は、トリテルペンアルコールなどのフェルラ酸エステル
の総称であり、それによる動物の成長促進作用および性
腺刺激作用、下垂体細胞に対する作用、更年期障害の諸
症状を緩和する作用などがこれまでに確認されており、
また、医薬品成分としても利用されている物質である。
このように、γ−オリザノールの生理活性物質として
の機能が着目され、近年、その生理活性機能が一躍脚光
を浴びるに至っている。
【0005】しかしながら、米油の一般的な精製法であ
るアルカリ精製法では、γ−オリザノールを精製した米
油に残存させることは難しい。 また、蒸留脱酸法で得
た米油は香味が強すぎるため、天ぷらなど油分を多く含
む食品では油っぽさ(油味)を感じやすく、消費者の嗜
好の変化に対応できているとは到底言えるものではなか
った。 また、蒸留脱酸法で得た米油の酸化安定性が若
干劣るため、汎用性に欠ける面があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の米
油において認識されていた上掲の問題点に鑑みて鋭意研
究を行った。 特に、米油と種々の食用油の組み合わせ
の研究において、オリザノール含量が大きく、風味が良
好で、しかも多用途に適用可能な食用油として好適な性
能・性状を発現する組み合わせを検索し、その結果、本
発明の配合食用油の構成に行き着き、本発明を完成する
に至ったのである。
【0007】すなわち、本発明の要旨とするところは、
植物油および蒸留精製米油からなる配合食用油にある。
本発明の構成によって、オリザノールに富み、風味が
良好で、しかも多用途に適用可能な配合食用油が得られ
るのである。
【0008】ところで、油脂の酸化を促す因子として、
一般に、光、熱、保存期間、酵素などが知られている。
この内、本発明の配合食用油は、後述する実施例の記
載から明らかな通り、保存安定性に特に優れており、ま
た、本発明の配合食用油で食材をフライ処理すること
で、良好な風味と食味を呈するフライ食品も得られるな
ど、優れた利便性を兼ね備えた食用油が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。
【0010】米油とは、米に由来する油脂、特に、米糠
および/または米胚芽から採油した油脂を総称するもの
であり、本明細書で使用する「米油」の語、特に断りの
無い限り、この定義に沿うものとする。
【0011】米油の精製法としては、アルカリ精製法と
蒸留脱酸法とがある。
【0012】前者のアルカリ精製法は、当該技術分野に
おいて比較的よく利用されている精製方法であり、一般
的には、採油→脱ガム(リン脂質等の除去)→脱ロウ
(ワックス等の除去)→アルカリ脱酸(脂肪酸等の除
去)→脱色(色素成分等の除去)→脱臭(臭気成分等の
除去)の工程を踏むものである。 この方法によれば、
アルカリ性物質、例えば、苛性ソーダ原液を米油の粗油
(原油)に添加して酸性物質が極度に中和除去される。
同時に、粗油中の色素の分解脱色を進めるために、再
脱酸等の方法が併用され、この際の酸価測定の指示薬と
しては、通常は、アルカリブルーまたはフェノールフタ
レインが利用される。 このアルカリ精製法によれば、
脱酸油の色調は改善され、酸価は目標レベルにまで調整
することができる。 しかしながら、米油に含まれるγ
−オリザノールは、フェノール性のヒドロキシル基を有
しているので、アルカリ精製法で米油を処理すると油脂
相からγ−オリザノールが油滓に移行してしまい、脱酸
油には極微量のγ−オリザノールしか残存しないことに
なる。
【0013】これに対して、後者の蒸留脱酸法では、ア
ルカリ精製法でのアルカリ脱酸に代えて、蒸留によって
脂肪酸を除去しようとするものであり、一般的には、採
油→脱ガム(リン脂質等の除去)→脱ロウ(ワックス等
の除去)→蒸留脱酸(脂肪酸等の除去)→脱色(色素成
分等の除去)→脱臭(臭気成分等の除去)の工程を踏む
ものである。 この方法によれば、高温真空蒸留によっ
て、容易に遊離脂肪酸を留去することができ、かつγ−
オリザノールを油脂相に残存せしめることができる。
しかしながら、その後の脱臭工程においてγ−オリザノ
ールの消失を防ぐために、通常よりも低温での脱臭処理
を経ることから、良好な風味の油脂を得るのがやや難し
いと言われている。 なお、本発明の配合食用油に使用
する米油としては、そのγ−オリザノール含量の高さか
らして、蒸留脱酸法で精製した米油(以後、「蒸留精製
米油」と称する)が好適に使用できる。
【0014】本発明の配合食用油において、蒸留精製米
油と組み合わせて使用される植物油としては、米油に本
質的に含まれるγ−オリザノールの油脂相からの亡失に
関与せず、また米油の油脂安定性や風味などの諸性質に
寄与できる植物油であればいずれも利用可能であり、例
えば、大豆油、菜種油、コーン油、サフラワー油、パー
ム液体油などが利用できる。 これら植物油の中でも、
後述する実施例の記載から明らかな通り、本発明の配合
食用油の風味を良好ならしめ、かつその保存安定性の改
善にも寄与する、菜種油とサフラワー油が特に好まし
い。
【0015】菜種油は、風味が淡白で軽く、酸化安定性
が高い上に、加熱安定性も大豆油よりも優れており、し
かも健康に対する良好なイメージが消費者の間にも定着
している植物油である。 菜種油の一般的な脂肪酸組成
は、オレイン酸が最も多くて約60重量%、次いで、リノ
ール酸が約20重量%、そして、リノレン酸は9〜13重量
%程度である。 好ましくは、本発明の配合食用油にあ
っては、リノレン酸含量が低く、かつオレイン酸含量が
高い菜種油、具体的には、70重量%以上のオレイン酸と
5重量%以下のリノレン酸を含む脂肪酸組成を有する菜
種油(高オレイン酸低リノレン酸(HOLL)菜種油)を使用
する。 これはすなわち、オレイン酸含量が70重量%よ
り小さくなると、加熱時の油脂の安定性が低下し、ま
た、リノレン酸含量が5重量%より大きくなると、加熱
臭の発生が強くなることによる。
【0016】そして、菜種油と蒸留精製米油を混合す
る。 この混合作業は、常温下での菜種油と蒸留精製米
油の単純混合によって実施される。 また、菜種油と蒸
留精製米油との配合比率(重量比率)は、後出の実施例
の結果から明らかなように、好適な保存安定性を維持し
つつ、かつ配合食用油の風味を良好ならしめる観点から
して、菜種油:蒸留精製米油=20:80〜80:20、好まし
くは、30:70〜70:30の重量比率で混合する。
【0017】菜種油に代えてサフラワー油を用いること
もできる。 サフラワー油も、菜種油と同様に、風味が
淡白で軽く、酸化安定性が高く、さらに健康に良いイメ
ージが定着している植物油である。 本発明の配合食用
油にあっては、好ましくは、少なくとも約70重量%のオ
レイン酸を含むサフラワー油(高オレイン酸(HO)サフラ
ワー油)を使用する。 これはすなわち、オレイン酸含
量が70重量%より小さくなると、加熱時の油脂の安定性
が低下することによる。
【0018】そして、サフラワー油と蒸留精製米油を混
合する。 この混合作業は、常温下でのサフラワー油と
蒸留精製米油の単純混合によって実施される。 また、
サフラワー油と蒸留精製米油との配合比率(重量比率)
は、後出の実施例の結果から明らかなように、好適な保
存安定性を維持しつつ、かつ風味を良好ならしめる観点
からして、サフラワー油:蒸留精製米油=20:80〜80:
20、好ましくは、30:70〜70:30の重量比率で混合す
る。
【0019】これら一連のプロセスを経て得られる本発
明の配合食用油は、缶、ガラス瓶、プラスチック、紙な
どの公知の食用油用の収納容器に充填・収容される。
【0020】また、本発明の配合食用油は、フライ食品
の製造に好適に利用できる。 本発明の配合食用油にて
フライ調理可能な食材として、食肉類、野菜、魚介類、
キノコ類などの惣菜種、あるいはパン生地などがあり、
これら食材をフライ調理することで、コロッケ、天ぷ
ら、唐揚げ、豚カツ、ドーナツ、揚げ菓子、揚げパンな
どを、風味良好にフライ調理することができる。
【0021】
【実施例】以下に、本願発明の実施例を具体的に説明す
るが、本願発明はこれら実施例の開示によって限定的に
解釈されるべきものではない。
【0022】実施例1:配合食用油の製造およびその保
存安定性の検討 蒸留精製米油(米胚芽油;築野食品工業株式会社:オリ
ザノール含量 1000mg/100g)と、菜種油(ライトプラス
(スーパーキャノーラ油);吉原製油株式会社)とを、
以下の表1に記載の重量比率で混合して、4種類の配合
食用油(本発明油1〜4;各0.1kg)を調製した。 ま
た、比較の目的で、蒸留精製米油と菜種油(対照油1〜
2;各0.1kg)もそれぞれ準備した。
【0023】そして、これらサンプル油(本発明油1〜
4および対照油1〜2)の各100gを、300ml容のガラス
製ビーカーに個別に注いだ。 次に、各ビーカーを、55
℃に設定された恒温槽に、光を遮断した状態で保存し
た。 なお、実験開始時の各サンプル油の過酸化物価(P
OV)は0meq/kgであった。 そして、暗所に保存した油
脂のPOVを経時的に測定し、POVが30meq/kgになるまでに
要する日数(POV30:オーブン日数)を求めた。 その
結果も、併せて表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】さらに、蒸留精製米油(米胚芽油;築野食
品工業株式会社)と、サフラワー油(サフラワー油(ハ
イオレイック);吉原製油株式会社)とを、以下の表2
に記載の重量比率で混合して、4種類の配合食用油(本
発明油5〜8;各0.1kg)を調製した。 また、比較の
目的で、蒸留精製米油とサフラワー油(対照油1と3;
各0.1kg)もそれぞれ準備した。
【0026】そして、これらサンプル油(本発明油5〜
8および対照油1と3)の各100gを、300ml容のガラス
製ビーカーに個別に注いだ。 次に、各ビーカーを、55
℃に設定された恒温槽に設定し、これを暗所に置いた。
なお、実験開始時の各サンプル油の過酸化物価(POV)
は0meq/kgであった。 暗所に保存した油脂のPOVを経
時的に測定し、POVが30meq/kgになるまでに要する日数
(POV30:オーブン日数)を求めた。 その結果も、併
せて表2に示した。
【0027】
【表2】
【0028】表1および2に記載の結果から明らかなよ
うに、蒸留精製米油に対して、菜種油あるいはサフラワ
ー油を20重量%以上配合することで、保存安定性が改善
されることが認められた。 本実施例で得られた本発明
油のオーブン日数とは、対照油1の12.4日、家庭用/業
務用大豆サラダ油(吉原製油株式会社)の14.0日、それ
に菜種サラダ油(吉原製油株式会社)の13.4日のいずれ
よりも高い値であり、本実施例の結果は、蒸留精製米油
を利用した本発明の配合食用油での優れた保存安定性を
指し示すものに他ならない。
【0029】実施例2:配合食用油のフライ適性の検討 本発明の配合食用油に関して、食品のフライ調理におけ
るその有用性について検討を行った。
【0030】まず、実施例1で調製したサンプル油(本
発明油1〜8および対照油1〜3)を準備した。
【0031】そして、300gの薄力粉(商品名「バイオ
レット」:日清製粉株式会社)に約3℃の冷水480gを
加え、これを攪拌して天ぷら用バッターを調製した。
さらに、厚さ8mm程度に輪切りにした薩摩芋に、前記天
ぷら用バッターの適量を付け、それらを加熱された各サ
ンプル油(170℃)で、3〜4分間フライ調理した。
【0032】各サンプル油で揚げ調理された芋天ぷらに
関して、熟練したパネラー10名によってそれらの油っこ
さ(油味)について官能評価を行った。 油味の評価方
法は、5段階(5点:油味が非常に希薄、4点:油味が
やや希薄、3点:普通、2点:油味がやや濃厚、1点:
油味が非常に濃厚)で評価して、その合計点をとりまと
め、その結果を以下の表3に示した。 なお、この評価
結果に関しては、評点法による統計処理を施した。
【0033】
【表3】
【0034】表3に記載の得点から、対照油1と2、そ
れに対照油1と3の間には5%の危険率で有意差が認め
られ、対照油1が対照油2および3よりも油味が強いこ
とが示された。 これはすなわち、本発明油1〜8が、
対照油2および3と同様の油味を呈していることを指し
示すものに他ならず、これにより、本発明油1〜8にあ
っては、蒸留精製米油に独特の油味が解消されているこ
とが示された。
【0035】実施例3:配合食用油による風味の検討 本発明の配合食用油に関して、食品のフライ調理におけ
る風味の発現性について検討を行った。
【0036】実施例2に記載の方法に従って、芋天ぷら
を調理した。 各サンプル油で揚げ調理された芋天ぷら
に関して、熟練したパネラー10名によってそれらの風味
について官能評価を行った。 風味の評価方法は、5段
階(5点:非常に香ばしい、4点:やや香ばしい、3
点:普通、2点:香ばしさがやや希薄、1点:香ばしさ
が非常に希薄)で評価して、その合計点をとりまとめ、
その結果を以下の表4に示した。 なお、この評価結果
に関しては、評点法による統計処理を施した。
【0037】
【表4】
【0038】表4に記載の得点から、対照油1と2、そ
れに対照油1と3の間には5%の危険率で有意差が認め
られ、対照油2および3は対照油1と比較して香ばしさ
が感じられず、風味が希薄(ライト)であることが示さ
れた。 また、対照油2および3と、本発明油1〜8と
の間では有意差が認められなかった。 これはすなわ
ち、本発明油1〜8が、対照油1と同様の香ばしさを呈
していることを指し示すものに他ならず、本発明油1〜
8にあっては、蒸留精製米油に独特の風味が残存してい
ることが明らかとなった。
【0039】実施例4:配合食用油の利用例 本発明の配合食用油を用いて、天ぷらとドーナツを製造
した。
【0040】(1) いか天ぷら 蒸留精製米油(米胚芽油;築野食品工業株式会社)と菜
種油(ライトプラス(スーパーキャノーラ油);吉原製
油株式会社)とを40:60の重量比率で混合してなる配合
食用油(本発明油A)、および蒸留精製米油とサフラワ
ー油(サフラワー油(ハイオレイック);吉原製油株式
会社)とを50:50の重量比率で混合してなる配合食用油
(本発明油B)を得た。 また、比較の目的で、コーン
サラダ油(吉原製油株式会社)と菜種サラダ油(吉原製
油株式会社)もそれぞれ準備し、これら油を、それぞれ
対照油AおよびBとした。
【0041】次に、300gの薄力粉(商品名「バイオレ
ット」:日清製粉株式会社)に約3℃の冷水480gを加
え、これを攪拌して天ぷら用バッターを調製した。 そ
して、冷凍いかを解凍して、これらを幅3cm、長さ4cm
程度に切り、打ち粉をした後、前記天ぷら用バッターの
適量を付け、これらを加熱された各油(180℃)で、約
3分間フライ調理した。
【0042】各サンプル油で揚げ調理されたいか天ぷら
に関して、熟練したパネラー10名によってそれらの風味
について官能評価を行った。 風味の評価方法は、3段
階(3点:風味不良、2点:普通、1点:良好な風味)
で評価して、その合計点をとりまとめ、その結果を以下
の表5に示した。 なお、この評価結果に関しては、評
点法による統計処理を施した。
【0043】
【表5】
【0044】表5に記載の得点から、本発明油と対照油
との間には5%の危険率で有意差が認められ、本発明油
によった場合の方が、対照油からして風味が良好である
ことが示された。 これはすなわち、本発明油が、フラ
イ食品(いか天ぷら)に良好な風味を付与することを指
し示すものに他ならない。
【0045】(2) ドーナツ 蒸留精製米油(米胚芽油;築野食品工業株式会社)と菜
種油(ライトプラス(スーパーキャノーラ油);吉原製
油株式会社)とを70:30の重量比率で混合してなる配合
食用油(本発明油C)、および蒸留精製米油とサフラワ
ー油(サフラワー油(ハイオレイック);吉原製油株式
会社)とを30:70の重量比率で混合してなる配合食用油
(本発明油D)を得た。 また、比較の目的で、コーン
サラダ油(吉原製油株式会社)と菜種サラダ油(吉原製
油株式会社)もそれぞれ準備し、これら油を、それぞれ
対照油AおよびBとした。
【0046】次に、これら各油を、それぞれ180℃に加
熱し、これらにイーストドーナツ生地(各約40g、計20
0g)を投入して、3分間フライ調理した。 各サンプ
ル油で揚げ調理されたドーナツに関して、熟練したパネ
ラー10名によってそれらの風味について官能評価を行っ
た。 風味の評価方法は、5段階(5点:非常に良好、
4点:やや良好、3点:普通、2点:やや不良、1点:
風味不良)で評価して、その合計点をとりまとめ、その
結果を以下の表6に示した。 なお、この評価結果に関
しては、評点法による統計処理を施した。
【0047】
【表6】
【0048】表6に記載の得点から、本発明油によった
場合の方が、対照油からして風味が良好であることが示
された。 これはすなわち、本発明油が、ドーナツに対
しても良好な風味を付与することを指し示すものに他な
らない。
【0049】これら結果から明らかなように、いずれの
フライ食品にあっても、本発明油によってフライ調理し
た食品の方が、良好な風味を呈していた。
【0050】このように、本発明油はフライ調理に好適
に利用できるのみならず、従来の市販の植物油によって
は得られない優れた風味を発現するフライ食品が実現で
きたのである。
【0051】
【発明の効果】このように本発明によると、所期の目的
であった、オリザノールに富み、風味良好で、しかも多
用途に適用可能な配合食用油が実現される。 すなわ
ち、本発明の配合食用油は、食品(食材)のフライ調理
に適するのみならず、良好な風味を呈するフライ食品を
も提供するのである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11C 3/00 C11C 3/00 (72)発明者 穴田 剛範 兵庫県西宮市今津巽町8番8号 吉原製油 株式会社研究開発室内 Fターム(参考) 4B018 LE05 MD15 ME04 MF02 4B026 DC01 DC05 DG04 DG07 DG08 DH05 DP10 DX01 4B032 DB24 DK18 DL06 4B036 LC01 LC06 LF13 LH13 LP03 4H059 BC13 BC16 CA18 CA51 EA21

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物油および蒸留精製米油を含むことを
    特徴とする配合食用油。
  2. 【請求項2】 前記植物油が、菜種油である請求項1に
    記載の配合食用油。
  3. 【請求項3】 前記精製米油および菜種油との配合比率
    が、精製米油:菜種油=20:80〜80:20の重量比率であ
    る請求項2に記載の配合食用油。
  4. 【請求項4】 前記植物油が、サフラワー油である請求
    項1に記載の配合食用油。
  5. 【請求項5】 前記精製米油および菜種油との配合比率
    が、精製米油:サフラワー油=20:80〜80:20の重量比
    率である請求項4に記載の配合食用油。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の配合
    食用油で食材をフライ処理して得られたことを特徴とす
    るフライ食品。
  7. 【請求項7】 前記フライ食品が、天ぷらまたはドーナ
    ツである請求項6に記載のフライ食品。
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