JP6112848B2 - 油脂含有食品 - Google Patents

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    • A23L3/00Preservation of foods or foodstuffs, in general, e.g. pasteurising, sterilising, specially adapted for foods or foodstuffs

Description

本発明は油脂含有食品、特に加熱殺菌処理工程による風味変化が抑制された油脂含有食品に関する。
缶詰、瓶詰、レトルトパック等の加工食品は、常温でも長期に渡って保管することができ、また簡単な調理で手軽に食べることができるので、様々な食品について開発が行われている。しかしながら、缶詰、瓶詰、レトルトパック等の加工食品は、高温での加熱殺菌がその製造工程に入るため、加工食品特有の臭い、いわゆる加熱殺菌臭が生じる。これは油脂を含有する食品の場合でも同様である。
この加熱殺菌臭を防止する方法としては、例えば、ポリデキストロースを添加する方法(特許文献1)、香辛料を添加する方法(特許文献2)、酵母抽出物を添加する方法(特許文献3)等、様々な方法が提案されている。また、油脂含有食品の場合はさらに、油脂の不飽和脂肪酸含量を調整(酸化安定性を調整)することによって、加熱殺菌臭の生成をできるだけ抑えることが考えられる。
しかしながら、添加物による方法は、加熱殺菌臭とは別に、食品本来の風味を変えてしまうという難点があった。また、酸化安定性が高い油脂の使用は、加熱殺菌臭の低減乃至抑制というよりは、保存中の油脂による風味劣化の対策に重点をおいたものであった。
従って、加熱殺菌処理工程を経て製造される油脂含有食品に有効な加熱殺菌臭対策が望まれていた。
特開平9−28315号公報 特開2003−169644号公報 特開2002−191298号公報
解決しようとする課題は、加熱殺菌処理工程を経て製造される油脂含有食品において、加熱殺菌臭が抑制された油脂含有食品を提供することである。また、該油脂含有食品を製造するための加熱殺菌臭を抑制する方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、全く意外にも、食用油脂の製造条件を調整し、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるように調製した色度が濃く風味の濃いナタネ油を、加熱殺菌処理を経る油脂含有食品に使用することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の態様の1つは、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油を含む加熱殺菌処理済みである油脂含有食品である。好ましい態様としては、前記ナタネ油が脱臭処理を経たナタネ油であり、前記脱臭処理の脱臭温度が200℃未満である油脂含有食品であり、また、前記加熱殺菌処理の温度が100〜140℃である油脂含有食品である。
本発明のまた別の態様としては、加熱殺菌処理する油脂含有食品に使用する、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油である。
本発明のまた別の態様としては、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油を食品原材料の一部に使用する工程、及び、その後加熱殺菌する工程を含む、油脂含有食品の製造方法である。
本発明のまた別の態様としては、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油を使用することにより、油脂含有食品の加熱殺菌処理による加熱殺菌臭を抑制する方法である。
本発明によれば、加熱殺菌処理工程を経て製造される油脂含有食品において、加熱殺菌臭が抑制された油脂含有食品を提供することができる。また、該油脂含有食品を製造するための加熱殺菌臭を抑制する方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の油脂含有食品は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油(以下、油脂Aという場合がある)を含有する。ここで、ロビボンド比色計におけるY+10R値とは、1インチセル(25.4ミリセル)を使用して測定したY値と、同じく1インチセル(25.4ミリセル)を使用して測定したR値とから、Y値にR値の10倍の数を加えることによって導き出される値である。ロビボンド比色計におけるY値及びR値の測定は、日本油化学協会、基準油脂分析法2.2.1.1−1996のロビボンド法に準拠して行うことができる。色度が濃い(ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上である)ナタネ油を使用することで、加熱殺菌処理工程を経て製造される油脂含有食品において、加熱殺菌臭を抑制することができる。
上記油脂Aの油脂含有食品中の含量は、油脂含有食品の種類によって一概に規定できない部分はあるが、油脂Aは油脂含有食品中に概ね0.01〜25質量%含有されることが好ましく、0.05〜20質量%含有されることがより好ましく、0.1〜15質量%含有されることがさらに好ましい。油脂含有食品中の油脂Aの含量が上記範囲にあると、加熱殺菌処理工程を経て製造される油脂含有食品において、加熱殺菌臭を抑制することができる。
本発明におけるロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油(油脂A)は、ナタネ種子より圧搾乃至圧搾抽出により得られるものである。ナタネ種子は焙煎処理されたものでも良いが、未焙煎種子より得られた未焙煎油である方がより、加熱殺菌処理工程を経て製造される油脂含有食品において、食品本来の風味を保持した上で加熱殺菌臭を抑制することができるので好ましい。なお、ナタネ種子を圧搾乃至圧搾抽出する前に通常行われるナタネ種子の蒸煮処理(クッキング)は焙煎には該当しない。
本発明における油脂Aは、脱臭処理されたものであることが好ましい。脱臭処理は、揮発性物質等を除去することができれば、その脱臭方法は特に限定されないが、例えば、油脂の精製に通常用いられる減圧水蒸気蒸留にて脱臭することが好ましい。
減圧水蒸気蒸留の条件は、脱臭処理する油脂の臭気の強さにより適宜変更されるが、通常の食用油脂の精製における脱臭温度(200〜270℃)より低い温度、すなわち、脱臭温度が200℃以上とはならない(200℃未満である)ことが好ましい。例えば、20トール未満の減圧下(好ましくは2〜10トールの減圧下)、脱臭温度180℃以下で行うことが好ましく、100〜170℃で行うことがより好ましく、120〜160℃で行うことが更に好ましい。脱臭時間は、10〜120分間であることが好ましく、20〜90分間であることがより好ましい。上記脱臭条件で脱臭処理することにより、油脂Aが容易に得られるので好ましい。
本発明における油脂Aの態様の1つとしては、ナタネ種子より圧搾乃至圧搾抽出されたナタネ油を、脱ガム、脱臭処理したナタネ油であることが好ましい。脱ガム処理としては、例えば、温度70〜80℃、水添加量約3質量%(対圧搾油乃至圧搾抽出油)の条件下、必要に応じてクエン酸もしくはリン酸を添加して、遠心分離機で遠心分離することでリン脂質の除去がなされる。必要に応じて水洗い、乾燥後、再度ろ過する等方法が挙げられるが、これに限定するものではない。
通常食用油脂の製造で行われる、脱酸、脱色処理は特に必須ではないが、脱酸、脱色処理を行うことで、脱臭後のナタネ油の品質はより安定したものとなる。
脱酸処理においては、例えば、80〜90℃程度に加温した脱ガム処理油に、油脂中の遊離脂肪酸に対して中和当量で5〜40質量%過剰のアルカリ水溶液を添加攪拌し、遠心分離により、沈殿物を除去することにより、油脂中に含まれる遊離した脂肪酸を除去することができる。脱酸処理で使用するアルカリ水溶液は、特に限定されず、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等公知の種々のアルカリ水溶液を使用することができる。
脱酸処理に付随する後工程として、必要に応じて油脂中に含まれる石鹸(アルカリ成分)を除去するために水洗を行う(水洗工程)。水洗工程は、アルカリ成分を除去することができれば水洗でなくてもよく、例えば、湯を使用してアルカリ成分を除去してもよい。なお、水洗工程後必要に応じて、脱酸水洗された油脂を乾燥させてもよい。
脱色処理は、油脂に吸着剤を添加することにより行う。油脂に添加する吸着剤は、適宜変更することができるが、例えば、モンモリロナイトを主成分とする白色から黄褐色の粘土鉱物である白土を酸処理した活性白土、活性炭等公知の種々の吸着剤を使用することができる。これらは単独で使用してもよいが、複数組み合わせて使用してもよい。
吸着剤の添加量は、油脂中に含まれる着色成分量によって適宜変化させることができるが、例えば、活性白土の場合、油脂に対して0.05〜0.5質量%であることが好ましく、0.1〜0.4質量%であることが更に好ましい。吸着剤の添加量が上記範囲であると、脱臭処理後の色度と風味が適度なものとなり好ましい。油脂と吸着剤との接触条件は、油脂によって適宜変更することができるが、例えば90〜120℃で10〜40分間接触させることが好ましい。この条件で効率的に脱色処理を行うことができる。
また、油脂と吸着剤とを接触させる際、水分の存在による吸着剤の吸着効率の低下を防止するとともに、酸素の存在による油脂の酸化を防止するために、減圧下で油脂と吸着剤とを接触させ、脱色処理を行うことが好ましい。脱色処理の終了には、フィルタープレス等によりろ過し、吸着剤を除去する。
本発明における油脂Aは、未焙煎のナタネ種子から圧搾乃至圧搾抽出した油脂を、上記記載の条件で、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭処理したものが、加熱殺菌処理工程を経て製造される油脂含有食品に使用した場合、効果的に加熱殺菌臭を抑制することができるので好ましい。
本発明における油脂Aは、油脂含有食品に使用した場合に、効果的に加熱殺菌臭を抑制するために、ロビボンド比色計におけるY+10R値が30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることがさらに好ましい。Y+10R値の上限値は特に制限はないが、品質をより安定したものとするために、150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、100以下であることがさらに好ましい。
本発明の加熱殺菌処理済みである油脂含有食品は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油(油脂A)を含む以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の動植物油脂を1種あるいは2種以上含んでも良い。本発明でいう油脂A以外の動植物油脂は、食用に適したものであれば、どのようなものであっても構わないが、本発明の効果を効率よく得るために、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である植物油脂(以下、油脂Bという場合がある)を含むことが好ましい。例えば、従来食用に供される大豆油、ナタネ油、綿実油、ヒマワリ種子油、落花生油、米糠油、コーン油、サフラワー油、オリーブ油、ゴマ油、イリッペ脂、サル脂、シア脂、パーム油、パーム核油、ヤシ油等、並びに、これらに、硬化、分別、エステル交換(油脂と脂肪酸または脂肪酸エステルとのエステル交換も含む)等の加工を加えた加工油脂の中から1種あるいは2種以上を選択して使用できる。硬化油は、水素添加臭(水添臭)が出る恐れがあるので使用しないか、極度硬化して使用するのが好ましいが、使用したとしても30質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下である。
上記油脂Bは、油脂Aの効果を効率よく発現するために、ロビボンド比色計におけるY+10R値が10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、2以下であることが更に好ましい。Y+10R値の下限値は特に制限はないが、過剰精製による品質の劣化を防止するために、0より大きいことが好ましい。
上記油脂Bは、食用油脂の精製工程に通常を用いられる、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭等の各処理を経て製造することができる。特に、脱色処理における吸着剤の添加量と脱臭処理における脱臭温度を、油脂Aよりも強めの条件で精製することにより得ることができる。例えば、脱色処理の場合、吸着剤が活性白土の場合の添加量は、油脂に対して0.3〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。例えば、脱臭処理の場合、脱臭温度は、200〜270℃であることが好ましく、220〜260℃であることがより好ましい。
なお、通常市販されているキャノーラ油(ナタネ油)やサラダ油(ナタネ油と大豆油の混合油)等の食用油脂は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が1程度であり、油脂Bとして好適に使用できる。
本発明の油脂含有食品は、油脂Bを含有する場合、油脂Aと油脂Bを、質量比0.1:99.9〜99.5:0.5含有することが好ましく、質量比1:99〜70:30で含有することがより好ましく、質量比3:97〜50:50で含有することがさらに好ましい。
本発明の加熱殺菌処理済みである油脂含有食品は、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油を含む食品であれば、特に制限はなく、通常食される加熱殺菌処理済みである油脂含有食品を挙げることができる。より具体的には、缶詰、瓶詰、プラスチックフィルムの張り合わせやプラスチックトレーとプラスチックフィルムとの張り合わせ等のレトルトパウチ等で密封された加工食品であることが好ましい。レトルトパウチはプラスチックフィルムやトレーにアルミ箔等の金属箔を張り合わせたものでもよい。
本発明における加熱殺菌処理済みである油脂含有食品である密封された加工食品としては、より具体的には、ツナ、サバ、イワシ、カキ等の各種魚介類の調理品、やきとり、くじら煮、牛角煮、ハンバーグ、ミートボール、コンビーフ等の各種畜肉・鯨肉類の調理品、カレー、ハヤシ、シチュー、コーンスープ、ホワイトソース、パスタソース、タルタルソース、マヨネーズ、ドレッシング等の各種ソース・シチュー・スープ・汁物類、焼き肉のたれ、うなぎのたれ、マーボー豆腐の素、混ぜご飯の素、どんぶりの素等の各種たれ類や米飯類が挙げられる。
本発明における熱殺菌処理済みである油脂含有食品は、本発明の効果をより明確に得るために、油脂を、0.1〜90質量%含有する食品であることが好ましく、0.5〜60質量%含有する食品であることがより好ましく、1〜40質量%含有する食品であることがさらに好ましく、2〜30質量%含有することが最も好ましい。
本発明における加熱殺菌処理済みである油脂含有食品の製造は、食品原材料の一部にロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油を使用し、該ナタネ油を含んだ状態で加熱殺菌処理する以外は、通常の缶詰、瓶詰、レトルトパウチ等を製造する方法を適用することができる。例えば、レトルト殺菌、オートクレーブ殺菌、UHT殺菌等が挙げられる。本発明の効果をより明確に得るために、加熱殺菌処理工程の殺菌温度は、100〜140℃であることが好ましく、105〜135℃であることがより好ましく、110〜130℃であることがさらに好ましい。また、加熱殺菌の際の圧力は1〜5気圧が好ましく、1〜3気圧がより好ましく、1〜2気圧が更に好ましい。また、加熱殺菌時間は10秒間〜120分間であることが好ましく、3分間〜100分間であることがより好ましく、10分間〜90分間であることがさらに好ましい。
本発明における加熱殺菌処理済みである油脂含有食品の製造の好ましい態様の1つとしては、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20以上であるナタネ油を含む調理済みの食材をプラスチックフィルムの張り合わせたレトルト容器に充填し、1〜2気圧、115〜125℃で、5〜30分間加熱殺菌する、いわゆるレトルト殺菌処理による製造が挙げられる。
以下、具体的な実施例に基づいて、本発明について詳しく説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例の内容に、何ら限定されるものではない。
(色度の測定)
油脂の色度Y値及びR値の測定は、ロビボンド比色計(ティントメーター社製、TINTOMETER MODEL F)で25.4ミリセル(=1インチセル)を用いて測定した。
(油脂Aの調製)
〔ナタネ油1〕
未焙煎のナタネ種子から圧搾抽出されたナタネ粗油を、常法に従って、脱ガム、脱酸処理した後、活性白土を対油0.3質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、140℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が63であるナタネ油1を得た。
(油脂Bの調製)
〔ナタネ油2〕
未焙煎のナタネ種子から圧搾抽出されたナタネ粗油を、常法に従って、脱ガム、脱酸処理した後、活性白土を対油0.7質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、255℃で60分水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.2であるナタネ油2を得た。
〔エステル交換油1〕
パームステアリン(ヨウ素価32)30部とパーム油(ヨウ素価52)70部とを混合し、常法に従って、ナトリウムメチラートを触媒としてエステル交換した後、触媒を中和し、活性白土を対油2.0質量%添加して、減圧下90〜110℃で20分間攪拌した後、ろ過により活性白土を除去して脱色(処理)油を得た。得られた脱色油を、5〜6トールの減圧下、250℃で90分間水蒸気蒸留(脱臭処理)を行い、ロビボンド比色計におけるY+10R値が0.4であるエステル交換油1を得た。
<ツナフレーク缶詰の調製及び評価>
ナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂と、ナタネ油2をそれぞれ使用して、以下の手順に従って実施例1と比較例1のツナフレーク缶詰を調製した。調製したツナフレーク缶詰について、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂を使用したツナフレークの方の加熱殺菌臭が弱いと回答した(表1)。
(ツナフレークの缶詰の調製方法)
血合部を取り除いて蒸したビンナガマグロ53.2質量部を缶に詰める。その後、水21質量部に食塩0.8質量部を溶かした食塩水21.8質量部と油脂25質量部とを缶に入れ、80℃で巻き締めし、115℃で80分間加熱殺菌してツナフレークの缶詰を得た。
Figure 0006112848
<ホワイトソースのレトルトパウチ調製及び評価>
ナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂と、ナタネ油2をそれぞれ使用して、以下の方法に従って実施例2と比較例2のホワイトソースのレトルトパウチを調製した。調製したホワイトソースについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とナタネ油2とを質量比2:8で混合した油脂を使用したホワイトソースの方の加熱殺菌臭が弱いと回答した(表2)。
(ホワイトソースレトルトパウチの調製方法)
牛乳200質量部と小麦粉10質量部を、鍋に入れ加熱攪拌する。さらにコンソメ粉末3.5質量部を加えて攪拌し、沸騰直前にバター4質量部を入れて攪拌する。加熱をやめ、油脂4質量部を加えて攪拌し、ホワイトソースを調製した。該ホワイトソースをアルミ箔付きプラスチックフィルムの袋に詰めて密封シールし、1.5気圧、120℃で30分間加熱殺菌してホワイトソースのレトルトパウチを得た。
Figure 0006112848
<カレーソースのレトルトパウチ調製及び評価>
ナタネ油1とエステル交換油1とを質量比4:96で混合した油脂と、エステル交換油1をそれぞれ使用して、以下の方法に従って実施例3と比較例3のカレーソースのレトルトパウチを調製した。調製したカレーソースのレトルトパウチについて、パネル5名で試食評価を行ったところ、5名全員がナタネ油1とエステル交換油1とを質量比4:96で混合した油脂を使用したカレーソースの方の加熱殺菌臭が弱いと回答した(表3)。
(カレーソースのレトルトパウチ調製方法)
油脂100質量部及び小麦粉100質量部を、加熱攪拌鍋に入れ、かき混ぜながら120℃に達するまで加熱した。次に油脂及び小麦粉の混合物を、攪拌混合しながら品温を約110℃まで下げ、カレー粉30質量部、食塩28質量部、調味料26質量部、砂糖17質量部を順次添加し、さらに攪拌混合することでカレールウを調製した。該カレールウ15質量部と水85質量部とを混合し、アルミ箔付きプラスチックフィルムの袋に詰めて密封シールし、1.5気圧、120℃で30分間加熱殺菌してカレーソースのレトルトパウチを得た。
Figure 0006112848

Claims (7)

  1. 未焙煎のナタネ粗油に、脱ガム、脱酸、油脂に対して0.1〜0.4質量%添加した活性白土と減圧下90〜120℃で10〜40分間接触させる脱色および2〜10トールの減圧下120〜160℃での20〜90分間の脱臭、の各処理をして得られる、ロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上であるナタネ油を原材料の一部に使用する工程、及び、その後加熱殺菌処理する工程、を含む、油脂含有食品の製造方法。
  2. 原材料の一部に、さらに、ロビボンド比色計におけるY+10R値が20未満である植物油脂を使用する、請求項1に記載の油脂含有食品の製造方法。
  3. 前記油脂含有食品が、密封された油脂含有食品である、請求項1または2に記載の油脂含有食品の製造方法。
  4. 前記加熱殺菌処理の温度が100〜140℃である、請求項1〜3の何れか一項に記載の油脂含有食品の製造方法。
  5. 前記加熱殺菌処理が、レトルト殺菌である、請求項1〜4の何れか一項に記載の油脂含有食品の製造方法。
  6. 未焙煎のナタネ粗油に、脱ガム、脱酸、油脂に対して0.1〜0.4質量%添加した活性白土と減圧下90〜120℃で10〜40分間接触させる脱色および2〜10トールの減圧下120〜160℃での20〜90分間の脱臭、の各処理を適用する、ロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上である、加熱殺菌処理される油脂含有食品に使用される、ナタネ油の製造方法。
  7. 未焙煎のナタネ粗油に、脱ガム、脱酸、油脂に対して0.1〜0.4質量%添加した活性白土と減圧下90〜120℃で10〜40分間接触させる脱色および2〜10トールの減圧下120〜160℃での20〜90分間の脱臭、の各処理をして得られる、ロビボンド比色計におけるY+10R値が40以上であるナタネ油を、原材料の一部に使用することにより、油脂含有食品の加熱殺菌処理による加熱殺菌臭を抑制する方法。
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