JP5652462B2 - レトルトクリームソース、電子レンジ調理用容器詰食品及びクリーム煮料理の調理又は製造方法 - Google Patents
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Description
蛋白質の含有量がレトルトクリームソース全体の0.5〜4質量%であり、脂質の含有量がレトルトクリームソース全体の2〜30質量%であり、且つ脂質100質量部に対して蛋白質が10〜70質量部含有されており、
澱粉を含有し、そして
粘度が1〜10Pa・sであるレトルトクリームソースを提供する。
(1)加える具材
パウチ内に後に加える具材を一口大(約3cm角)にカットしたブロッコリー約100gとした。
表1に示す配合原料を用意した。まず、カゼインナトリウム、卵黄リゾレシチン、キサンタンガム、脱脂粉乳、澱粉、食塩及び香辛料を粉体混合した。次に、ミキサーにこの粉体混合物及び清水を投入した撹拌混合した後、菜種油を徐々に加えながら更に撹拌混合した。続いて、加熱した二重釜に、得られた混合液を加えて撹拌しながら品温90℃になるまで加熱することによりクリームソースを得た。
次に、得られたクリームソース200gを弱化シール部と切欠とからなる蒸気抜き機構を有する図1のジッパー付きスタンドパウチ(パウチサイズ:縦220mm×横140mm×折込(マチ)40mm、材質:(パウチ)ポリエステル/ポリアミド/無延伸ポリプロピレン、(ジッパー部)ポリプロピレン、最大密封充填可能容量:820mL)に充填密封後、レトルト処理(115℃、15分間)し、パウチ内にクリームソース(200mL)が充填されている電子レンジ調理用容器詰食品を得た。クリームソースの充填量は、パウチの最大密封充填可能容積の24%であった。また、クリームソースの食塩濃度は1.5%、クリームソースの粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.2、回転数20rpm)は2Pa・sであり、脂質含有量は5質量%、蛋白質含有量は1.7質量%であった(脂質含有量100質量部に対する蛋白質の含有量は34質量部)。クリームソースの全蛋白質の100%が乳蛋白質であり、クリームソースの全蛋白質の9割がカゼインであった。
(3)の電子レンジ調理用容器詰食品のジッパーを開封し、(1)のブロッコリー100gを入れ、再度ジッパーを閉じた。次に、電子レンジ内にブロッコリー投入後の電子レンジ調理用容器詰めクリームソースを蒸気抜き機構が上面になるように平置きした。このときのクリームソースの深さは、固形具材で規定されるパウチ内空間高さの1/3(即ち、固形具材で規定されるパウチ内空間高さが、クリームソースの深さの3倍)であった。これを電子レンジで加熱調理(600W×4分間)をし、料理の取出用のノッチから開封してこれを大皿にあけた。なお、電子レンジ加熱中のクリームソースは、沸騰しても液面上に泡が沸き上がらなかった。
クリームソースにおける蛋白質と脂質の割合が、具材を加えて電子レンジ加熱した際のソースの状態に与える影響を調べるため、実施例1において、乳蛋白含有原料の配合量を表2に示す配合に変え、その減少分又は増加分は清水の配合量で調整した他は実施例1と同様にして蛋白質と脂質含量が異なる4種類のレトルトクリームソース(実施例2〜4、比較例1)を得た。得られた4種類のレトルトクリームソースを用い、実施例1と同様にそれぞれにブロッコリーを加えて電子レンジで加熱調理した場合の電子レンジ加熱中のクリームソースの状態を下記評価基準で評価した。結果を表2に示す。併せて実施例1の結果も併記した。A又はBランクと評価されたものが実用上問題のないレベルである。
評価ランク 内容
A: 沸騰しているが、液面上に泡が沸き上がっていない。
B: 沸騰して液面上に泡が沸きあがっており、泡が沸きあがっている高さは、液面から20mm以下である。
C: 沸騰して液面上に泡が沸きあがっており、泡が沸きあがっている高さは、液面から20mmを越える高さである。
D: 沸騰して液面上に泡が沸きあがり、パウチ内のヘッドスペースの大部分に泡が充満し、最終的にパウチの蒸気抜きのための開口部からふきこぼれた(なお、泡が沸きあがっている高さは、液面から20mmを越える高さである)。
表3に示す配合原料を二重釜に投入し、撹拌しながら品温90℃になるまで加熱することによりクリームソースを得た。
表4に示す配合原料を二重釜に投入し、撹拌しながら品温90℃になるまで加熱することによりクリームソースを得た。なお、ナチュラルチーズは、常法により乳原料から分離して得られたレンネットカゼインを原料としたものを用いた。
実施例5において、澱粉を配合せず、代わりにキサンタンガムを0.7部配合しその減少分は清水の配合量を増やして補正した他は実施例5と同様にしてパウチ内に液状のレトルトクリームソースが充填されている電子レンジ調理用容器詰食品を得た。液状食品の調味液の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.4、回転数20rpm)は5Pa・sであった。
実施例5において、澱粉を配合せず、代わりに小麦粉を5部配合しその増加分は清水の配合量を減らして補正した他は実施例5と同様にしてパウチ内に液状のレトルトクリームソースが充填されている電子レンジ調理用容器詰食品を得た。液状食品の調味液の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.4、回転数20rpm)は4.5Pa・sであった。
実施例5において、澱粉を配合せずその減少分は清水の配合量を増やして補正した他は実施例5と同様にしてパウチ内に液状のレトルトクリームソースが充填されている電子レンジ調理用容器詰食品を得た。液状食品の調味液の粘度(品温60℃、(株)東京計器製のBH形粘度計、ローターNo.1、回転数20rpm)は0.1Pa・sであった。
乳蛋白質の種類が、具材を加えて電子レンジ加熱した際のソースの状態に与える影響を調べるため、以下の試験を行った。即ち、表5に示すように乳蛋白質又はその濃度が異なる4種類の水溶液を調製し、これら4種類の水溶液を実施例1と同じパウチに200gずつ充填した後レトルト処理した。得られた4種類のパウチ(サンプル1〜4)にブロッコリーを100gずつ加え、600Wで加熱した際の状態を評価した。結果を表5に示す。
10 パウチ
11 側縁シール部
12 上縁シール部
13 ジッパー部
14 ジッパーシール部
15 ノッチ
16 ノッチ
17 蒸気抜き機構
18 弱化シール部
19 切欠
20 固形具材
30 (レトルト)クリームソース
31 ソース表面
40 説明表示
50 平板
Claims (8)
- 具材を加えて電子レンジで加熱調理することによりクリーム煮料理を得られるようにするレトルトクリームソースであって、蛋白質、脂質、湿熱処理澱粉又は加工澱粉、及び小麦粉を含有するレトルトクリームソースにおいて、
更にモノアシル型親水性乳化剤を含有し、
蛋白質の含有量がレトルトクリームソース全体の0.5〜4質量%であり、脂質の含有量がレトルトクリームソース全体の2〜30質量%であり、且つ脂質100質量部に対して蛋白質が15〜50質量部含有されており、
全蛋白質に占める乳蛋白質の割合が70質量%以上であり、
乳蛋白質が、乳清蛋白質除去処理された、カゼインを含有する乳蛋白含有原料に由来するものを含み、
湿熱処理澱粉又は加工澱粉の含有量が0.1〜10質量%であり、
小麦粉の含有量が1質量%以下であり、そして
粘度が1〜5Pa・sであるレトルトクリームソース。 - モノアシル型親水性乳化剤の含有量が0.001〜1質量%である請求項1記載のレトルトクリームソース。
- 請求項1又は2記載のレトルトクリームソースが電子レンジ用容器に充填されてなり、該電子レンジ用容器内に固形具材を投入し、電子レンジで加熱調理することによりクリーム煮を得られるようにする電子レンジ調理用容器詰食品であって、電子レンジ用容器が固形具材の投入口となるジッパー部と電子レンジによる加熱調理時に蒸気を排出する蒸気抜き機構とを有したパウチである電子レンジ調理用容器詰食品。
- パウチへの投入に適した固形具材の種類と投入量の説明表示を備えている請求項3記載の電子レンジ調理用容器詰食品。
- レトルトクリームソースが、パウチの最大密封充填可能容積の10〜40%となる容積でパウチに充填密封されている請求項3又は4記載の電子レンジ調理用容器詰食品。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の電子レンジ調理用容器詰食品のジッパー部を開封し、そこから固形具材をパウチ内に投入し、ジッパー部を閉じ、電子レンジで加熱調理することを特徴とするクリーム煮料理の調理又は製造方法。
- 具材を、請求項1又は2記載のレトルトクリームソースに加えて電子レンジで加熱調理することを特徴とするクリーム煮料理の調理又は製造方法。
- レトルトクリームソース及び加えた具材の合計300gあたり、600W×3分相当以上の条件で電子レンジで加熱調理する請求項6又は7記載のクリーム煮料理の調理又は製造方法。
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