JP2012010601A - 容器詰め具材入り液状食品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水分活性が0.70〜0.94の容器詰め具材入り液状食品であって、容器ごと軽く振るだけで液状食品中に具材を略均一に分散することができ、その具材が略均一に分散した状態で液状食品を容器から簡便に出すことができる容器詰め具材入り液状食品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水分活性が0.70〜0.94の容器詰め具材入り液状食品であって、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散している容器詰め具材入り液状食品。前記容器詰め具材入り液状食品の製造方法であって、製造工程において、澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質粒子を完全に溶解することなく製造する容器詰め具材入り液状食品の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】水分活性が0.70〜0.94の容器詰め具材入り液状食品であって、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散している容器詰め具材入り液状食品。前記容器詰め具材入り液状食品の製造方法であって、製造工程において、澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質粒子を完全に溶解することなく製造する容器詰め具材入り液状食品の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、水分活性が0.70〜0.94の容器詰め具材入り液状食品及びその製造方法に関し、より詳しくは、容器ごと軽く振るだけで液状食品中に具材を略均一に分散することができ、その具材が略均一に分散した状態で液状食品を容器から簡便に出すことができる容器詰め具材入り液状食品及びその製造方法に関する。
調理をせずにそのままで又は温めたりするだけで、簡単に喫食できる容器詰め食品が多く市販されている。例えば、粉末状として常温流通を可能とした即席スープやソース等が市販されており、近年の個食化傾向、利便性追求を背景にその需要は、増加傾向にある。このような即席食品の種類は和、洋、中といったメニュー展開と共に多様化してきており、さらには、グルメ化、本物志向に合わせて従来の即席食品にない差別化が求められているが、粉末状であるために風味の点で充分に満足できるものではなく改善が望まれていた。このような即席食品としては、例えば、特開平5−69号(特許文献1)には、キサンタンガム、澱粉類及び食用油脂を加熱混合して得られる液状ルーに、所定量の粉末状混合物を添加混合し、造粒して得られる具材入りの顆粒状ソースが記載されているが、当該か粒状ソースにおいても、風味の点で充分に満足できるものではなかった。
このような状況下、本発明者は、具材入りの即席食品として、水分活性を0.70〜0.94に調整して常温流通可能な具材入りの容器詰め液状食品を製造したところ、当該液状食品は、粉末品に比べて比較的風味が優れた好ましいものであった。しかしながら、このような具材入りの容器詰め液状食品は、具材が容器内で沈殿したり浮上したりする等して具材が分散した均一な状態で容器から出し難いという問題が生じた。そこで、本発明者は、液状食品に増粘材を加えたところ具材の沈殿は防止されたものの、当該増粘した液状食品は、水分活性が一般的な液状食品よりも低いためか容器内壁に付着して容器から出し難くなってしまった。
従来、具材の分散剤としては、例えば、特開2007−159412号(特許文献2)にはトリアセチンが、また、特開2004−49225号(特許文献3)には乳糖等の分散剤が使用されている。しかしながら、これらの分散剤は、充分な効果が得られ難く、しかもコストがかかり手軽に使用できない問題があった。
そこで、本発明は、水分活性が0.70〜0.94の容器詰め具材入り液状食品であって、容器ごと軽く振るだけで液状食品中に具材を略均一に分散することができ、その具材が略均一に分散した状態で液状食品を容器から簡便に出すことができる容器詰め具材入り液状食品及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、水分活性が0.70〜0.94の具材入り液状食品に、特定の増粘材を非溶解状態で分散させ、これを容器詰め製品としたところ、当該容器詰め具材入り液状食品は、意外にも容器ごと軽く振るだけで液状食品中に具材を略均一に分散することができ、その具材が略均一に分散した状態で液状食品を容器から簡便に出すことができることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)水分活性が0.70〜0.94の容器詰め具材入り液状食品であって、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散している容器詰め具材入り液状食品、
(2)前記澱粉が架橋澱粉である(1)記載の容器詰め具材入り液状食品、
(3)(1)又は(2)に記載の容器詰め具材入り液状食品の製造方法であって、製造工程において、澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造する容器詰め具材入り液状食品の製造方法、
である。
(1)水分活性が0.70〜0.94の容器詰め具材入り液状食品であって、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散している容器詰め具材入り液状食品、
(2)前記澱粉が架橋澱粉である(1)記載の容器詰め具材入り液状食品、
(3)(1)又は(2)に記載の容器詰め具材入り液状食品の製造方法であって、製造工程において、澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造する容器詰め具材入り液状食品の製造方法、
である。
本発明の容器詰め具材入り液状食品は、容器ごと軽く振るだけで液状食品中に具材を略均一に分散することができ、その具材が略均一に分散した状態で液状食品を容器から簡便に出すことができる。しかも、本発明の容器詰め具材入り液状食品を使用して水で希釈する等して調製した料理は、従来の乾燥品からなる即席食品を使用した料理に比べて食味に優れたものである。したがって、容器詰め具材入り液状食品の更なる需要拡大が期待出来る。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明の容器詰め具材入り液状食品とは、具材が分散した液状食品がパウチ、ガラス瓶、缶、樹脂製成型容器等の容器に容器詰めされたものである。液状食品としては、例えば、スープ、ソース、液状調味料等の液状食品が挙げられる。
本発明に用いる具材としては、液状食品に一般的に使用するものであればいずれものでもよく、具体的には、例えば、玉ねぎ、大根、赤ピーマン、ニンニク、しょうが、梅、かつおぶし、オリーブ、バジル等のハーブ、唐辛子、みょうが、ごま、のり、青じそ、しいたけ、ねぎ、ナッツ、ベーコン、ゆず等の截断物、おろし、あるいはペースト状物等が挙げられる。また、前記具材の大きさとしては、小さすぎると具材の固形感が感じられないことや、大きすぎると具材が分散し難くなることから、0.1〜15mmが好ましく、0.5〜10mmがより好ましい。また、具材の配合量は、液状調味料中に具材が目視で認識される程度配合されていればよく、好ましくは生換算で0.1%以上、より好ましくは0.5%以上配合すればよい。上記具材の配合量は、あまり多すぎても液状食品としての流動性が損なわれることから、好ましくは生換算で30%以下、より好ましくは20%以下である。
本発明の前記具材入り液状食品の水分活性は0.70〜0.94である。水分活性が、0.94以下であることにより、細菌的により安全性を確保することができ、常温保存が可能となる。水分活性は、必要以上に低下させると食味が悪くなることから、水分活性は好ましくは0.70以上、より好ましくは0.80以上である。水分活性を前記範囲に調整するには、液状食品の食味を考慮し、常法により、食塩等の塩分及び糖類により調整すればよい。
本発明の容器詰め具材入り液状食品は、当該具材入り液状食品中に、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散していることを特徴とする。このような本発明の容器詰め具材入り液状食品は、容器ごと軽く振るだけで液状食品中に具材を略均一に分散することができ、その具材が略均一に分散した状態で液状食品を容器から簡便に出すことができる。
ここで、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散しているとは、水相に含まれている澱粉及び/又はガム質の全てが非溶解状態となっていることは必ずしも必要ではなく、一部、好ましくは全てが非溶解状態で分散していればよい。また、このように澱粉及び/又はガム質が、非溶解状態で分散しているかどうかは、例えば、光学顕微鏡で具材入り液状食品を観察することにより確認でき、この場合、非溶解状態の澱粉及び/又はガム質は粒子として確認できる。
ここで、具材入り液状食品中に非溶解状態で分散する澱粉としては、常温(15〜25℃)で水に不溶性又は難溶性で常温よりも高い温度に加熱することにより溶解して増粘性を発揮する生澱粉、もしくは水に不溶性又は難溶性の架橋澱粉等を挙げることができる。
前記生澱粉としては、具体的には、米澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉等をあげることができる。これらは、澱粉の種類にもよるが、通常、水に分散した状態で60〜90℃程度に加熱されると溶解しはじめることから、これら生澱粉を用いる場合には、製造工程において、これらが完全に溶解しない温度で製造し、具材入り液状食品に非溶解状態で分散させればよい。
また、前記架橋澱粉としては、架橋処理により水への溶解性が抑制され水中で粒子状態が保たれやすく加工された架橋澱粉が挙げられる。このような架橋澱粉としては、前記生澱粉に、アセチル化アジピン酸架橋や、アセチル化リン酸架橋等を施し、澱粉分子中の水酸基のうちいくつかを架橋処理したもの等が挙げられる。このような架橋澱粉は、架橋度の強さ、つまり、水中での溶解温度や溶解のし難さが異なる種々の架橋澱粉が市販されているのでこれらを使用することができる。架橋澱粉を用いる場合には、製造工程において、これらが溶解しない温度で製造し、具材入り液状食品に非溶解状態で分散させればよい。
一方、具材入り液状食品中に非溶解状態で分散する加熱溶解性のガム質とは、常温(15〜25℃)で水に不溶性又は難溶性で常温よりも高い温度に加熱することにより溶解して増粘性を発揮するガム質をいう。このような加熱溶解性のガム質としては、加熱溶解性タマリンドシードガム(溶解温度70〜90℃)、加熱溶解性ローカストビーンガム(溶解温度70〜80℃)及び加熱溶解性カラギーナン(カッパカラギーナン、イオタカラギーナンともに溶解温度70〜80℃)等をあげることができ、本発明においては、これらの1種又は複数種を合わせて使用することができる。なお、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、カラギーナン等には、精製法、乾燥法等によって上述の粘度特性を示さず、常温で容易に溶解するものがあるが、そのような常温溶解性ガム質は加熱溶解性ガム質と区別される。
本発明においては、上述した澱粉及び加熱溶解性ガム質の中でも、架橋澱粉を非溶解状態で具材入り液状食品に分散させると、液状食品中に具材を略均一に分散する効果が得られ易く特に好ましい。
また、本発明の具材入り液状食品において、上述の澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質の合計配合量は、使用する澱粉や加熱溶解性ガム質の種類にもよるが、乾物換算で具材入り液状食品に対して0.01〜20%が好ましく、0.1〜10%がより好ましい。澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質の合計配合量が少なすぎると液状食品中に具材を略均一に分散する効果が得られ難く、反対に多すぎると具材入り液状食品の食感がざらつく場合がある。
なお、本発明の具材入り液状食品は、上述の澱粉粒子及び/又は加熱溶解性ガム質を含有させる他に本発明の効果を損なわない範囲で具材入り液状食品に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、砂糖、醤油、食塩、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、カツオやコンブ等の動植物エキス、牛乳、生クリーム、バター、チーズ等の乳製品、水飴、デキストリン、還元デキストリン、サイクロデキストリン、ソルビトール、トレハロース等の糖類、キサンタンガム、ゼラチン等の増粘材、卵黄、ホスフォリパーゼA処理卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化材、食酢、クエン酸等の有機酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、着色料、香料、甘味料、保存料等の原料が挙げられる。
本発明の具材入り液状食品の製造方法は、製造工程において澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造することを特徴とする。製造工程のいずれかの段階で、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質を水に分散した状態で、これらが溶解する温度以上に加熱して完全に溶解させると、液状食品中に具材を略均一に分散する効果が得られ難いためである。
具体的には、以下のように製造することができる。例えば、常法により加熱調理した具材入り液状食品を澱粉や加熱溶解性ガム質が溶解しない温度に冷却し、冷却後の具材入り液状食品に、澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質を加えて分散し製造する方法が挙げられる。また、別の方法としては、澱粉や加熱溶解性ガム質を含む具材入り液状食品の原料を混合した後、澱粉や加熱溶解性ガム質が溶解しない温度で加熱して具材入り液状食品を製造する方法等が挙げられる。
以上のようにして得られた具材入り液状食品は、パウチや缶等の容器包装に充填・密封することで容器詰めの製品とすることができる。また、必要に応じて冷凍処理等を行ってもよい。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
[実施例1]
下記に示す配合割合で具材入り液状食品(液状調味料)を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、食塩、グルタミン酸ナトリウム、ローストガーリックエキス、唐辛子截断物(2〜5mm)、玉ねぎ截断物(5〜10mm)及びワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(商品名「ファリネックスVA70WM」、松谷化学株式会社製)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、具材入り液状食品を製した。得られた具材入り液状食品は水分活性が0.88であり、また、具材入り液状食品を常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉粒子が確認された。次いで、得られた具材入り液状食品を200mL容量の樹脂製ボトルに200gずつ充填した。
下記に示す配合割合で具材入り液状食品(液状調味料)を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、食塩、グルタミン酸ナトリウム、ローストガーリックエキス、唐辛子截断物(2〜5mm)、玉ねぎ截断物(5〜10mm)及びワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(商品名「ファリネックスVA70WM」、松谷化学株式会社製)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、具材入り液状食品を製した。得られた具材入り液状食品は水分活性が0.88であり、また、具材入り液状食品を常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉粒子が確認された。次いで、得られた具材入り液状食品を200mL容量の樹脂製ボトルに200gずつ充填した。
<配合割合>
食塩 15%
グルタミン酸ナトリウム 5%
ローストガーリックエキス 5%
唐辛子截断物 0.5%
玉ねぎ截断物 5%
架橋澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
食塩 15%
グルタミン酸ナトリウム 5%
ローストガーリックエキス 5%
唐辛子截断物 0.5%
玉ねぎ截断物 5%
架橋澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
[実施例2]
実施例1の架橋澱粉として、タピオカ澱粉を原料とした架橋澱粉(商品名「フードスターチHR−7」、松谷化学株式会社製)を用いた以外は同様にして具材入り液状食品を製した。なお、得られた具材入り液状食品は水分活性が0.88であり、また、具材入り液状食品を常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉粒子が確認された。
実施例1の架橋澱粉として、タピオカ澱粉を原料とした架橋澱粉(商品名「フードスターチHR−7」、松谷化学株式会社製)を用いた以外は同様にして具材入り液状食品を製した。なお、得られた具材入り液状食品は水分活性が0.88であり、また、具材入り液状食品を常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉粒子が確認された。
[実施例3]
下記に示す配合割合で具材入り液状食品(液状調味料)を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、食塩、グルタミン酸ナトリウム、ローストガーリックエキス、唐辛子截断物(2〜5mm)、玉ねぎ截断物(5〜10mm)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後品温20℃まで冷却した。次に、冷却後の混合液に生米澱粉を撹拌タンクで撹拌混合することにより具材入り液状食品を製した。得られた具材入り液状食品は水分活性が0.88であり、また、得られた具材入り液状食品を常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉粒子が確認された。次いで、得られた具材入り液状食品を200mL容量の樹脂製ボトルに200gずつ充填した。
下記に示す配合割合で具材入り液状食品(液状調味料)を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、食塩、グルタミン酸ナトリウム、ローストガーリックエキス、唐辛子截断物(2〜5mm)、玉ねぎ截断物(5〜10mm)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後品温20℃まで冷却した。次に、冷却後の混合液に生米澱粉を撹拌タンクで撹拌混合することにより具材入り液状食品を製した。得られた具材入り液状食品は水分活性が0.88であり、また、得られた具材入り液状食品を常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉粒子が確認された。次いで、得られた具材入り液状食品を200mL容量の樹脂製ボトルに200gずつ充填した。
<配合割合>
食塩 15%
グルタミン酸ナトリウム 5%
ローストガーリックエキス 5%
唐辛子截断物 0.5%
玉ねぎ截断物 5%
生米澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
食塩 15%
グルタミン酸ナトリウム 5%
ローストガーリックエキス 5%
唐辛子截断物 0.5%
玉ねぎ截断物 5%
生米澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
[実施例4]
実施例3において、生澱粉に変えて加熱溶解性のカラギーナンを用いた以外は同様にして具材入り液状食品を製した。なお、得られた具材入り液状食品は水分活性が0.88であり、また、得られた具材入り液状食品を光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のカラギーナン粒子が確認された。
実施例3において、生澱粉に変えて加熱溶解性のカラギーナンを用いた以外は同様にして具材入り液状食品を製した。なお、得られた具材入り液状食品は水分活性が0.88であり、また、得られた具材入り液状食品を光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のカラギーナン粒子が確認された。
[比較例1]
実施例3において、生米澱粉を加熱溶解させた以外は同様にして具材入り液状食品を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、生米澱粉を含む原料を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、具材入り液状食品を製した。次いで、得られた具材入り液状食品を200mL容量の樹脂製ボトルに200gずつ充填した。
実施例3において、生米澱粉を加熱溶解させた以外は同様にして具材入り液状食品を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、生米澱粉を含む原料を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、具材入り液状食品を製した。次いで、得られた具材入り液状食品を200mL容量の樹脂製ボトルに200gずつ充填した。
[比較例2]
実施例4において、加熱溶解性のカラギーナンを加熱溶解させた以外は同様にして具材入り液状食品を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、カラギーナンを含む原料を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、具材入り液状食品を製した。次いで、得られた具材入り液状食品を200mL容量の樹脂製ボトルに200gずつ充填した。
実施例4において、加熱溶解性のカラギーナンを加熱溶解させた以外は同様にして具材入り液状食品を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、カラギーナンを含む原料を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、具材入り液状食品を製した。次いで、得られた具材入り液状食品を200mL容量の樹脂製ボトルに200gずつ充填した。
[試験例1]
実施例1〜4、及び比較例1、2の容器詰め具材入り液状食品を用いて、容器からの出しやすさ、及び具材の分散のしやすさを評価した。試験方法は下記方法により行った。結果を表1に示す。
実施例1〜4、及び比較例1、2の容器詰め具材入り液状食品を用いて、容器からの出しやすさ、及び具材の分散のしやすさを評価した。試験方法は下記方法により行った。結果を表1に示す。
<試験方法>
容器詰め具材入り液状食品を樹脂製ボトルに入れた状態でそれぞれ24時間静置した。次に、容器詰め具材入り液状食品を上下を反転し、5秒間保持した後、直ちに樹脂製ボトルから内容物を皿に50g程度注ぎだし、その際の容器からの出しやすさを評価した。更に、注ぎ出した液状食品と容器内に残った液状食品における具材の量を比較することにより具材の分散のしやすさを評価した。
容器詰め具材入り液状食品を樹脂製ボトルに入れた状態でそれぞれ24時間静置した。次に、容器詰め具材入り液状食品を上下を反転し、5秒間保持した後、直ちに樹脂製ボトルから内容物を皿に50g程度注ぎだし、その際の容器からの出しやすさを評価した。更に、注ぎ出した液状食品と容器内に残った液状食品における具材の量を比較することにより具材の分散のしやすさを評価した。
なお、実施例1において、架橋澱粉を配合しなかった以外は同様にして製造した対照品の具材入り液状食品を用意し、評価はこの対照品の具材入り液状食品を用いた場合と比較して下記評価基準により行った。
<容器からの出しやすさの評価基準>
A:対照品の具材入り液状食品と同様に出しやすい。
B:対照品の具材入り液状食品に比べてやや出し難いが問題のない範囲である。
C:対照品の具材入り液状食品に比べてやや出し難い。
D:対照品の具材入り液状食品に比べて出し難い。
A:対照品の具材入り液状食品と同様に出しやすい。
B:対照品の具材入り液状食品に比べてやや出し難いが問題のない範囲である。
C:対照品の具材入り液状食品に比べてやや出し難い。
D:対照品の具材入り液状食品に比べて出し難い。
<具材の分散のしやすさの評価基準>
A:対照品の具材入り液状食品に比べて具材の分散性がよい。
B:対照品の具材入り液状食品に比べてやや具材の分散性がよい。
C:対照品の具材入り液状食品と同様に具材の分散性が悪い。
D:対照品の具材入り液状食品よりも具材の分散性が悪い。
A:対照品の具材入り液状食品に比べて具材の分散性がよい。
B:対照品の具材入り液状食品に比べてやや具材の分散性がよい。
C:対照品の具材入り液状食品と同様に具材の分散性が悪い。
D:対照品の具材入り液状食品よりも具材の分散性が悪い。
表1より、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散している具材入り液状食品(実施例1乃至4)は、容器ごと軽く振るだけで液状食品中に具材を略均一に分散することができ、その具材が略均一に分散した状態で液状食品を容器から簡便に出すことができることが理解できる。特に、の澱粉として、架橋澱粉を用いた実施例1及び2は、液状食品中に具材を略均一に分散する効果が得られ易く特に好ましかった。これに対して、澱粉又は加熱溶解性ガム質を配合していてもこれらが非溶解状態で分散していない場合(比較例1、2)は、具材入り液状食品を容器から出し難く好ましくなかった。
[実施例5]
下記に示す配合割合で具材入り液状食品(バジルソース)を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、還元水飴、食塩、グルタミン酸ナトリウム、鮭エキス、バジル截断物(2〜5mm)及びワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(実施例1と同じ)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、具材入り液状食品を製した。なお、得られた具材入り液状食品は水分活性が0.90であり、また、得られた具材入り液状食品具材入り液状食品を常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉粒子が確認された。次いで、得られた具材入り液状食品を樹脂製パウチに140gずつ充填した。
下記に示す配合割合で具材入り液状食品(バジルソース)を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、還元水飴、食塩、グルタミン酸ナトリウム、鮭エキス、バジル截断物(2〜5mm)及びワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(実施例1と同じ)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、具材入り液状食品を製した。なお、得られた具材入り液状食品は水分活性が0.90であり、また、得られた具材入り液状食品具材入り液状食品を常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉粒子が確認された。次いで、得られた具材入り液状食品を樹脂製パウチに140gずつ充填した。
<配合割合>
バジル截断物 15%
還元水飴 8%
食塩 13%
グルタミン酸ナトリウム 1%
鮭エキス 1%
架橋澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
バジル截断物 15%
還元水飴 8%
食塩 13%
グルタミン酸ナトリウム 1%
鮭エキス 1%
架橋澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
[実施例6]
下記に示す配合割合で具材入り液状食品(バジルソース)を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、還元水飴、食塩、グルタミン酸ナトリウム、鮭エキス及びバジル截断物(2〜5mm)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後品温20℃まで冷却した。次に、冷却後の混合液に加熱溶解性ローカストビーンガムを撹拌タンクで撹拌混合することにより具材入り液状食品を製した。なお、得られた具材入り液状食品は水分活性が0.90であり、また、得られた具材入り液状食品を常法により光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のローカストビーンガム粒子が確認された。次いで、得られた具材入り液状食品を樹脂製パウチに140gずつ充填した。
下記に示す配合割合で具材入り液状食品(バジルソース)を製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、還元水飴、食塩、グルタミン酸ナトリウム、鮭エキス及びバジル截断物(2〜5mm)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後品温20℃まで冷却した。次に、冷却後の混合液に加熱溶解性ローカストビーンガムを撹拌タンクで撹拌混合することにより具材入り液状食品を製した。なお、得られた具材入り液状食品は水分活性が0.90であり、また、得られた具材入り液状食品を常法により光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のローカストビーンガム粒子が確認された。次いで、得られた具材入り液状食品を樹脂製パウチに140gずつ充填した。
<配合割合>
バジル截断物 15%
還元水飴 8%
食塩 13%
グルタミン酸ナトリウム 1%
鮭エキス 1%
加熱溶解性ローカストビーンガム 3%
清水 残余
合計 100%
バジル截断物 15%
還元水飴 8%
食塩 13%
グルタミン酸ナトリウム 1%
鮭エキス 1%
加熱溶解性ローカストビーンガム 3%
清水 残余
合計 100%
実施例5及び6の容器詰め具材入り液状食品は、いずれも容器ごと軽く振るだけで具材を略均一に分散することができ、更に、その具材が略均一に分散した状態で液状食品を容器から簡便に出すことができ大変好ましいものであった。
Claims (3)
- 水分活性が0.70〜0.94の容器詰め具材入り液状食品であって、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散していることを特徴とする容器詰め具材入り液状食品。
- 前記澱粉が架橋澱粉である請求項1記載の容器詰め具材入り液状食品。
- 請求項1又は2に記載の容器詰め具材入り液状食品の製造方法であって、製造工程において、澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質粒子を完全に溶解することなく製造することを特徴とする容器詰め具材入り液状食品の製造方法。
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