JP2012010602A - パスタソース及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】茹でたパスタと和えることでパスタ料理を得ることができるパスタソースであって、和えやすさを損なうことなくパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制することができるパスタソース及びその製造方法を提供する。
【解決手段】非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散しているパスタソース。前記パスタソースの製造方法であって、製造工程において、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造するパスタソースの製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散しているパスタソース。前記パスタソースの製造方法であって、製造工程において、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造するパスタソースの製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、茹でたパスタと和えることでパスタ料理を得ることができるパスタソース及びその製造方法に関し、より詳しくは、和えやすさを損なうことなくパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制することができるパスタソース及びその製造方法に関する。
生活様式の変化や女性の社会進出などに伴って、調理をせずにそのままで又は温めたりするだけで、簡単に喫食できる食品が多く用いられるようになっている。パスタソースもその例外ではなく、パスタソースをそのままで又は電子レンジ等で温めて茹でたパスタと和えるだけで簡単にパスタ料理を得ることができる容器入りのパスタソースが近年普及している。
しかしながら、茹でたパスタは吸水性が顕著であるため、パスタソースと和えると、経時的にパスタソース中の水分がパスタに吸収されてパスタがのびてしまい、歯ごたえの無い食感となりおいしくなくなるという問題があった。
前記問題を解決する方法としては、例えば、特開2007−60914号公報(特許文献1)には、ガティガムを含有することにより、パスタへの吸水を抑えたパスタソースが開示されている。しかしながら、ガティガムを含有させた特許文献1のパスタソースは、ある程度パスタへの吸水を防止できるものの、満足できるものとは言い難いものであり、さらに、ガティガムによるある程度の粘度増加が避けられないため、パスタと均一に混合し難く好ましくないものであった。
本発明は、茹でたパスタと和えることでパスタ料理を得ることができるパスタソースであって、和えやすさを損なうことなくパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制することができるパスタソース及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の増粘剤を非溶解状態で分散させたパスタソースは、和えやすさを損なうことなくパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制することができることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散しているパスタソース、(2)前記澱粉が架橋澱粉である(1)記載のパスタソース、
(3)水分活性が0.70〜0.94である(1)又は(2)に記載のパスタソース、(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載のパスタソースの製造方法であって、製造工程において、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造するパスタソースの製造方法、
である。
(1)非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散しているパスタソース、(2)前記澱粉が架橋澱粉である(1)記載のパスタソース、
(3)水分活性が0.70〜0.94である(1)又は(2)に記載のパスタソース、(4)(1)乃至(3)のいずれかに記載のパスタソースの製造方法であって、製造工程において、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造するパスタソースの製造方法、
である。
本発明のパスタソースによれば、パスタソースをそのままで又は電子レンジ等で加熱して茹でたパスタと和えるだけで簡単にパスタ料理を調理することができるだけでなく、パスタ料理を調理した後、喫食するまでに時間が経過した場合であっても、調理直後のおいしさが維持される。したがって、容器入りパスタソースの更なる需要拡大が期待出来る。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明のパスタソースとは、茹でたスパゲッティーやマカロニ等のパスタと和えてパスタ料理に仕上げるためのソースをいう。このようなパスタソースの味の種類としては、例えば、カルボナーラスパゲッティー等のクリーム系パスタを得るためのパスタソース、トマトスパゲッティー等のトマト系パスタを得るためのパスタソース、あるいは、ガーリックスパゲッティー等を得るためのパスタソース等が挙げられる。
本発明のパスタソースは、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散していることを特徴とし、これにより、和えやすさを損なうことなくパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制することができる。
ここで、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散しているとは、水相に含まれている澱粉及び/又はガム質の全てが非溶解状態で粒子となっていることは必ずしも必要ではなく、一部、好ましくは全てが非溶解状態で分散していればよい。また、このように澱粉及び/又はガム質が、非溶解状態で分散しているかどうかは、例えば、光学顕微鏡でパスタソースを観察することにより確認でき、この場合、非溶解状態の澱粉及び/又はガム質は粒子として確認できる。
ここで、パスタソース中に、非溶解状態で分散する澱粉としては、常温(15〜25℃)で水に不溶性又は難溶性で常温よりも高い温度に加熱することにより溶解して増粘性を発揮する生澱粉、もしくは水に不溶性又は難溶性の架橋澱粉を挙げることができる。
前記生澱粉としては、具体的には、米澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉等をあげることができる。これらは、澱粉の種類にもよるが、通常、水に分散した状態で60〜90℃程度に加熱されると溶解しはじめることから、これら生澱粉を用いる場合には、製造工程において、これらが完全に溶解しない温度で製造し、パスタソースに非溶解状態で分散させればよい。
また、前記架橋澱粉としては、架橋処理により水への溶解性が抑制され水中で粒子状態が保たれやすく加工された架橋澱粉が挙げられる。このような架橋澱粉としては、前記生澱粉に、アセチル化アジピン酸架橋や、アセチル化リン酸架橋等を施し、澱粉分子中の水酸基のうちいくつかを架橋処理したもの等が挙げられる。このような架橋澱粉は、架橋度の強さ、つまり、水中での溶解温度や溶解のし難さが異なる種々の架橋澱粉が市販されているのでこれらを使用することができる。架橋澱粉を用いる場合には、製造工程において、これらが溶解しない温度で製造し、パスタソースに非溶解状態で分散させればよい。
一方、パスタソース中に、非溶解状態で分散する澱粉加熱溶解性のガム質とは、常温(15〜25℃)で水に不溶性又は難溶性で常温よりも高い温度に加熱することにより溶解して増粘性を発揮するガム質をいう。このような加熱溶解性のガム質としては、加熱溶解性タマリンドシードガム(溶解温度70〜90℃)、加熱溶解性ローカストビーンガム(溶解温度70〜80℃)及び加熱溶解性カラギーナン(カッパカラギーナン、イオタカラギーナンともに溶解温度70〜80℃)等をあげることができ、本発明においては、これらの1種又は複数種を合わせて使用することができる。なお、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、カラギーナン等には、精製法、乾燥法等によって上述の粘度特性を示さず、常温で容易に溶解するものがあるが、そのような常温溶解性ガム質は加熱溶解性ガム質と区別される。
本発明においては、上述した澱粉及び加熱溶解性ガム質の中でも、架橋澱粉を非溶解状態でパスタソースに分散させるとパスタの「のび」を抑制効果が高く特に好ましい。
また、本発明のパスタソースにおいて、上述の澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質の合計配合量は、使用する澱粉や加熱溶解性ガム質の種類にもよるが、乾物換算でパスタソースに対して0.01〜20%が好ましく、0.1〜10%がより好ましい。澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質の合計配合量が少なすぎると茹でたパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制する効果が得られ難く、反対に多すぎるとパスタソースの食感がざらつく場合がある。
本発明のパスタソースは、上述のように、和えやすさを損なうことなくパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制することができ、このような本発明のパスタソースとしては、冷凍流通品、チルド流通品、あるいは、常温流通品等の種々の容器入りパスタソースに使用することができる。これらのパスタソースの中でも、常温流通品とするために水分活性を0.94以下としたパスタソースは、水分活性を低下させるために、食塩や糖類の配合量が多く味が濃くなることが避けられない。このような水分活性を0.94以下としたパスタソースは、茹でたパスタと和えた後のパスタの「のび」を防止するために、従来のように増粘剤を溶解して用いる方法を採用すると、パスタと和えた際にパスタソースを均一に分散し難く、この場合、味の濃さにばらつきが生じ易いが、本発明のパスタソースによれば、パスタとの和えやすさを損なうことなくパスタの「のび」を防止することができる。したがって、本発明は、このような水分活性を0.94以下としたパスタソースにおいて特に好適に実施できる。なお、水分活性は細菌的により安全性を確保するために低下させるが、必要以上に低下させると食味が悪くなることから、水分活性は好ましくは0.70以上、より好ましくは0.80以上である。水分活性を前記範囲に調整するには、パスタソースの食味を考慮し、常法により、食塩等の塩分及び糖類により調整すればよい。
本発明のパスタソースは、上述の澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質を含有させる他に本発明の効果を損なわない範囲でパスタソースに通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、トマト、玉葱、セロリ、人参、マッシュルーム、ピーマン、パセリ等の具材、砂糖、醤油、食塩、グルタミン酸ナトリウム等の調味料、カツオやコンブ等の動植物エキス、牛乳、生クリーム、バター、チーズ等の乳製品、水飴、デキストリン、還元デキストリン、サイクロデキストリン、ソルビトール、トレハロース等の糖類、キサンタンガム、ゼラチン等の増粘剤、卵黄、ホスフォリパーゼA処理卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化材、食酢、クエン酸等の有機酸又はその塩、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、着色料、香料、甘味料、保存料等の原料が挙げられる。
本発明のパスタソースの製造方法は、製造工程において、澱粉及び/又は加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造することを特徴とする。製造工程のいずれかの段階で、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質を水に分散した状態で、これらが溶解する温度以上に加熱して完全に溶解させると、茹でたパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制する効果が得られ難いためである。
具体的には、以下のように製造することができる。例えば、常法により加熱調理したパスタソースを澱粉や加熱溶解性ガム質が溶解しない温度に冷却し、冷却後のパスタソースに、澱粉や加熱溶解性ガム質を加えて製造する方法が挙げられる。また、別の方法としては、澱粉や加熱溶解性ガム質を含むパスタソース原料を、混合した後、澱粉や加熱溶解性ガム質が溶解しない温度で加熱してパスタソースを製造する方法等が挙げられる。
以上のようにして得られたパスタソースは、パウチや缶等の容器包装に充填・密封することで容器入りの製品とすることができる。また、必要に応じて冷凍処理等を行ってもよい。
以下、本発明のついて、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定するものではない。
[実施例1]
下記に示す配合割合でガーリックパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、食塩、グルタミン酸ナトリウム、ローストガーリックエキス、唐辛子エキス、キサンタンガム及びワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(商品名「ファリネックスVA70WM」、松谷化学株式会社製)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、ガーリックパスタソースを製した。得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、パスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉が確認された。次いで、得られたガーリックパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
下記に示す配合割合でガーリックパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、食塩、グルタミン酸ナトリウム、ローストガーリックエキス、唐辛子エキス、キサンタンガム及びワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(商品名「ファリネックスVA70WM」、松谷化学株式会社製)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、ガーリックパスタソースを製した。得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、パスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉が確認された。次いで、得られたガーリックパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
<配合割合>
食塩 15%
グルタミン酸ナトリウム 5%
ローストガーリックエキス 5%
唐辛子エキス 5%
キサンタンガム 0.2%
架橋澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
食塩 15%
グルタミン酸ナトリウム 5%
ローストガーリックエキス 5%
唐辛子エキス 5%
キサンタンガム 0.2%
架橋澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
[実施例2]
実施例1の架橋澱粉として、タピオカ澱粉を原料とした架橋澱粉(商品名「フードスターチHR−7」、松谷化学株式会社製)を用いた以外は同様にしてガーリックパスタソースを製した。なお、得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、パスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉が確認された。
実施例1の架橋澱粉として、タピオカ澱粉を原料とした架橋澱粉(商品名「フードスターチHR−7」、松谷化学株式会社製)を用いた以外は同様にしてガーリックパスタソースを製した。なお、得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、パスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉が確認された。
[実施例3]
下記に示す配合割合でガーリックパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、食塩、グルタミン酸ナトリウム、ローストガーリックエキス、唐辛子エキス及びキサンタンガムを投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後品温20℃まで冷却した。次に、冷却後の混合液に生米澱粉を加え撹拌タンクで撹拌混合することによりガーリックパスタソースを製した。得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、得られたパスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉が確認された。次いで、得られたガーリックパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
下記に示す配合割合でガーリックパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、清水、食塩、グルタミン酸ナトリウム、ローストガーリックエキス、唐辛子エキス及びキサンタンガムを投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後品温20℃まで冷却した。次に、冷却後の混合液に生米澱粉を加え撹拌タンクで撹拌混合することによりガーリックパスタソースを製した。得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、得られたパスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉が確認された。次いで、得られたガーリックパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
<配合割合>
食塩 15%
グルタミン酸ナトリウム 5%
ローストガーリックエキス 5%
唐辛子エキス 5%
キサンタンガム 0.2%
生米澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
食塩 15%
グルタミン酸ナトリウム 5%
ローストガーリックエキス 5%
唐辛子エキス 5%
キサンタンガム 0.2%
生米澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
[実施例4]
実施例3において、生米澱粉に変えて加熱溶解性のカラギーナンを用いた以外は同様にしてガーリックパスタソースを製した。なお、得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、得られたパスタソースを光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のカラギーナンが確認された。
実施例3において、生米澱粉に変えて加熱溶解性のカラギーナンを用いた以外は同様にしてガーリックパスタソースを製した。なお、得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、得られたパスタソースを光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のカラギーナンが確認された。
[比較例1]
実施例3において、生米澱粉を加熱溶解させた以外は同様にしてガーリックパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、生米澱粉を含む原料を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、ガーリックパスタソースを製した。得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、パスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉は確認されなかった。次いで、得られたガーリックパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
実施例3において、生米澱粉を加熱溶解させた以外は同様にしてガーリックパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、生米澱粉を含む原料を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、ガーリックパスタソースを製した。得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、パスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉は確認されなかった。次いで、得られたガーリックパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
[比較例2]
実施例4において、加熱溶解性のカラギーナンを加熱溶解させた以外は同様にしてガーリックパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、カラギーナンを含む原料を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、ガーリックパスタソースを製した。得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、パスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のカラギーナンは確認されなかった。次いで、得られたガーリックパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
実施例4において、加熱溶解性のカラギーナンを加熱溶解させた以外は同様にしてガーリックパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、カラギーナンを含む原料を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、ガーリックパスタソースを製した。得られたパスタソースは水分活性が0.88であり、また、パスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のカラギーナンは確認されなかった。次いで、得られたガーリックパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
[試験例1]
実施例1〜4、及び比較例1、2のパスタソースを用いてパスタを製造し、パスタとパスタソースの混ぜやすさ、及びパスタの「のび」について評価した。試験方法は下記方法により行った。結果を表1に示す。
実施例1〜4、及び比較例1、2のパスタソースを用いてパスタを製造し、パスタとパスタソースの混ぜやすさ、及びパスタの「のび」について評価した。試験方法は下記方法により行った。結果を表1に示す。
<試験方法>
太さ1.6mmのスパゲティーニを常法により7分間茹でた。茹でたパスタ300gに各パスタソース(品温20℃)30gずつを加えてトングで充分に混ぜ合わせてパスタを調製し、その際の混ぜ易さを評価した。次に、得られた各パスタを10分間室温20℃にて静置した後、喫食してパスタの「のび」を評価した。
太さ1.6mmのスパゲティーニを常法により7分間茹でた。茹でたパスタ300gに各パスタソース(品温20℃)30gずつを加えてトングで充分に混ぜ合わせてパスタを調製し、その際の混ぜ易さを評価した。次に、得られた各パスタを10分間室温20℃にて静置した後、喫食してパスタの「のび」を評価した。
なお、実施例1において、架橋澱粉を配合しなかった以外は同様にして製造した対照品のパスタソースを用意し、評価はこの対照品のパスタソースを用いた場合と比較して下記評価基準により行った。
<和えやすさの評価基準>
A:対照品のパスタソースと同様に和えやすい。
B:対照品のパスタソースに比べてやや和え難いが問題のない範囲である。
C:対照品のパスタソースに比べてやや和え難い。
D:対照品のパスタソースに比べて和え難い。
A:対照品のパスタソースと同様に和えやすい。
B:対照品のパスタソースに比べてやや和え難いが問題のない範囲である。
C:対照品のパスタソースに比べてやや和え難い。
D:対照品のパスタソースに比べて和え難い。
<パスタの「のび」の評価基準>
A:対照品のパスタソースに比べてのびていない。
B:対照品のパスタソースに比べてややのびていない。
C:対照品のパスタソースと同様にのびている。
D:対照品のパスタソースよりものびている。
A:対照品のパスタソースに比べてのびていない。
B:対照品のパスタソースに比べてややのびていない。
C:対照品のパスタソースと同様にのびている。
D:対照品のパスタソースよりものびている。
表1より、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散しているパスタソース(実施例1乃至4)は、和えやすさを損なうことなくパスタと和えた後のパスタの「のび」を抑制することができることが理解できる。特に、澱粉として、架橋澱粉を用いた実施例1及び2は、パスタの「のび」を抑制する効果が高く特に好ましかった。これに対して、澱粉又は加熱溶解性ガム質を配合していてもこれらを溶解させた場合(比較例1、2)は、パスタソースと混ぜ難く好ましくなかった。
[実施例5]
下記に示す配合割合でクリームパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、生クリーム、食塩、グルタミン酸ナトリウム、鮭エキス、キサンタンガム及びワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(実施例1と同じ)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、クリームパスタソースを製した。得られたパスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉が確認された。次いで、得られたクリームパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
下記に示す配合割合でクリームパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、生クリーム、食塩、グルタミン酸ナトリウム、鮭エキス、キサンタンガム及びワキシーコーンスターチを原料とした架橋澱粉(実施例1と同じ)を投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後冷却し、クリームパスタソースを製した。得られたパスタソースを常法によりヨウ素で着色して光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態の澱粉が確認された。次いで、得られたクリームパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
<配合割合>
生クリーム 30%
食塩 2%
グルタミン酸ナトリウム 1%
鮭エキス 1%
キサンタンガム 0.2%
架橋澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
生クリーム 30%
食塩 2%
グルタミン酸ナトリウム 1%
鮭エキス 1%
キサンタンガム 0.2%
架橋澱粉 3%
清水 残余
合計 100%
[実施例6]
下記に示す配合割合でクリームパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、生クリーム、食塩、グルタミン酸ナトリウム、鮭エキス及びキサンタンガムを投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後品温20℃まで冷却した。次に、冷却後の混合液に加熱溶解性ローカストビーンガムを撹拌タンクで撹拌混合することによりクリームパスタソースを製した。得られたパスタソースを常法により光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のローカストビーンガムが確認された。次いで、得られたクリームパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
下記に示す配合割合でクリームパスタソースを製した。つまり、撹拌機付きのニーダーに、生クリーム、食塩、グルタミン酸ナトリウム、鮭エキス及びキサンタンガムを投入し、原料が均一になるように撹拌しながら品温95℃になるまで加熱した後品温20℃まで冷却した。次に、冷却後の混合液に加熱溶解性ローカストビーンガムを撹拌タンクで撹拌混合することによりクリームパスタソースを製した。得られたパスタソースを常法により光学顕微鏡で観察したところ、非溶解状態のローカストビーンガムが確認された。次いで、得られたクリームパスタソースを樹脂製パウチに140gずつ充填した。
<配合割合>
生クリーム 30%
食塩 2%
グルタミン酸ナトリウム 1%
鮭エキス 1%
キサンタンガム 0.2%
加熱溶解性ローカストビーンガム 3%
清水 残余
合計 100%
生クリーム 30%
食塩 2%
グルタミン酸ナトリウム 1%
鮭エキス 1%
キサンタンガム 0.2%
加熱溶解性ローカストビーンガム 3%
清水 残余
合計 100%
実施例5及び6のパスタソースのそれぞれにおいて、試験例1と同様にしてパスタを調製し、対照品と比べたパスタの和えやすさを評価した。つまり、それぞれ澱粉及びローカストビーンガムを配合しなかった以外は同様にして対照品のパスタソースを製造した。次に、実施例5及び6のパスタソースを用いて試験例1と同様にしてパスタを調製し、対照品と比べたパスタの和えやすさを評価したところ、いずれも対照品と同様に和えやすく、好ましかった。更に、得られた各パスタを10分間室温20℃にて静置した後、喫食したところ、いずれも対照品を用いたパスタに比べて「のび」が抑制されていて好ましかった。
Claims (4)
- 非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質が分散していることを特徴とするパスタソース。
- 前記澱粉が架橋澱粉である請求項1記載のパスタソース。
- 水分活性が0.70〜0.94である請求項1又は2に記載のパスタソース。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のパスタソースの製造方法であって、製造工程において、非溶解状態の澱粉及び/又は非溶解状態の加熱溶解性ガム質を完全に溶解することなく製造することを特徴とするパスタソースの製造方法。
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