JP2012010616A - クリームソース類及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】食品に塗布後、加熱により適度に食品の表面に溶け広がり、冷却後に剥がれにくいトッピングを形成することのできる半固体状のクリームソース類を提供する。
【解決手段】クリームソース類が、水相に第1の増粘剤と第2の増粘剤を含有する。第1の増粘剤は、その1wt%水分散液を55℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度が、同水分散液を90℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度の80%未満であり、前記水相で5℃において少なくとも一部が非溶解状態で分散する。第2の増粘剤は、ゼラチンである。クリームソース類は、その粘度が5℃において140〜1000Pa・sである。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品の表面への塗布とその後の加熱により、食品に剥がれにくいトッピングを形成することのできるクリームソース類及びその製造方法に関する。
クリーム様食品、マヨネーズ様食品等の半固体状乳化食品の使用方法の一つに、パン、パスタ、肉、野菜等の食品表面に塗布し、オーブン、スチーマー等で加熱することにより、食品の表面に調味成分をなじませるとともにトッピングを形成することがある(特許文献1)。
しかしながら、このような半固体状乳化食品として従来のクリームソース類を使用すると、形成されたトッピングがその下地になっている食品から剥がれ易いという問題が生じる。
特開平11−318354号公報
そこで、本発明は、食品に塗布後、加熱により形成したトッピングであって、冷却後に剥がれにくいトッピングを形成することのできる半固体状のクリームソース類及びその製造方法を提供すること目的とする。
本発明者は、クリームソース類の水相に特定の2種の増粘剤を含有させることにより上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、水相に非溶解状態の第1の増粘剤と溶解状態の第2の増粘剤を含有し、5℃における粘度が140〜1000Pa・sであるクリームソース類であって、
(a)第1の増粘剤は、その1wt%水分散液を55℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度が、同水分散液を90℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度の80%未満であり、
(b)第2の増粘剤はゼラチンである
クリームソース類を提供する。
また、本発明は、このクリームソース類の製造方法であって、製造工程において、前記第1の増粘剤を水相に分散した状態で60℃以上に加熱することなく製造する製造方法を提供する。
本発明のクリームソース類によれば、5℃においてクリームソース類の粘度は140〜1000Pa・sである。このため、このクリームソース類を冷蔵庫に保管していた場合でも、冷蔵庫から取り出した後、直ちに食品の表面に所望の塗布パターンで絞り出したり、塗り広げたりしてクリームソース類を適度に食品の表面凹凸に押し込むことができる。
また、5℃において水相で非溶解状態で分散していた第1の増粘剤が、加熱により溶解あるいはゾル化して増粘に寄与するが、5℃において水相でゲルを形成していた第2の増粘剤がゾル化することにより、クリームソース類全体としては低粘度化する。したがって、本発明のクリームソース類を食品の表面に塗布後、加熱すると、クリームソース類は適度に溶け、食品の表面凹凸に沿って自重により変形し、食品の表面凹凸の中に入り込む。その後加熱が進むと、5℃において水相に非溶解状態で分散していた第1の増粘剤が、加熱により溶解あるいはゾル化して増粘に寄与する割合が大きくなり、クリームソース類が増粘する。
さらに、上述のように加熱した後、常温以下に冷却すると、クリームソース類は、加熱によりゾル化していた第1の増粘剤がゲル化することにより増粘し、第2の増粘剤のゲルの再形成によっても増粘する。このため、クリームソース類は、食品の表面で加熱前よりも硬く、かつ食品の表面凹凸に沿ってゲル化し、くさび類似の作用により食品に強く付着したものとなる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明のクリームソース類とは、少なくとも調味料及び乳原料を含有する乳化状のソースである。調味料としては、食塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム、動植物エキス類、香辛料等が挙げられる。乳原料としては、牛乳、クリーム、バター、チーズ、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、チーズなどが挙げられる。本発明のクリームソース類の具体的な製品形態としては、クリームソース、ホワイトソース、オランデーズソース、カルボナーラソース等をあげることができる。
本発明のクリームソース類は、その粘度が、5℃において140〜1000Pa・s、より好ましくは140〜600Pa・sである。これにより、このクリームソース類を冷蔵庫に保管していた場合でも、冷蔵庫から取り出した後、直ちに食品の表面に所望の塗布パターンで絞り出したり、滑らかに塗り広げたりすることが可能となる。粘度は、BH形粘度計を用い、クリームソース類の粘度が0.005〜0.5Pa・sのときNo.1ローター、回転数20rpm、0.5〜10Pa・sのときNo.4ローター、回転数20rpm、10〜500Pa・sのときNo.6ローター、回転数2rpm、500〜1000Pa.sのときT‐BAR SPINDLE Dのローター、回転数2rpm、1000〜5000Pa・sのときT‐BAR SPINDLE Fのローター、回転数2rpmで測定し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により求めた値である。
本発明のクリームソース類は、水相に次の第1の増粘剤と第2の増粘剤を含有する。
第1の増粘剤は、その略1wt%水分散液を55℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度が、同水分散液を90℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度の80%未満、となる粘度特性を有するものである。この粘度特性は、より具体的には、増粘剤の水分散液を室温で0.5〜3wt%の範囲内に調製し、それを加熱撹拌下で55℃に加熱し、55℃に達温後直ちに自然放冷し、20℃に冷却されたときに測定した粘度と、加熱温度を90℃として同様に加熱冷却後に測定した粘度とから算出される。
また、この第1の増粘剤の粘度特性は、加熱前では20℃において第1の増粘剤の多くあるいは全部が水に溶解していないために増粘作用が発揮されず、55℃に加熱してもその状態は殆ど変わらないが、90℃に加熱すると水に溶解ないしゾル化することにより増粘作用が発揮され、その後に冷却するとゲル化し、20℃においても増粘作用が発揮されることを意味する。
このような粘度特性を満たす増粘剤としては、カラギーナン、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、非糊化デンプン等をあげることができる。ここで、非糊化デンプンとしては、α化していない種々のデンプン、例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、米澱粉やこれらに加工処理を施した加工澱粉等をあげることができる。なお、未精製の穀物粉は、澱粉以外の成分を多く含むため、通常上述の粘度特性を満たさない。また、カラギーナン、ローカストビーンガム、タマリンドシードガム等には、精製法、処理方法等によって上述の粘度特性を示さないものがあるが、それらは第1の増粘剤にはならない。
上述の増粘剤は、水相中に1種又は複数種を含有させることができる。また、これらの増粘剤のうち、非糊化デンプンを多く含有させると、なめらかさが低下して食材への付着性が悪くなる場合がある。したがって、食品に滑らかに塗れ食材への付着性も良好な点からは、タマリンドシードガム、ローカストビーン、カラギーナン等のガム類が好ましい。
本発明のクリームソース類において、第1の増粘剤は、水相で5℃において少なくとも一部が、より好ましくは全てが、非溶解状態で分散しているものとする。上述の粘度特性を有する増粘剤であっても、水相で増粘剤を予め加熱することにより、増粘剤が既に十分に溶解あるいはゾル化していると、クリームソース類を食品の表面に塗布後、加熱し、次いで冷却することによりトッピングを形成しても、トッピングに剥がれ防止効果を得ることができない。これは、予め水相で加熱溶解した第1の増粘剤は、クリームソース類を増粘するため、50〜90℃に加熱されたクリームソース類が低粘度下し難くなるためである。つまり、クリームソース類を50〜90℃に加熱しても食品の表面凹凸に沿ってクリームソース類が適度に溶けて自重により変形し食品の表面凹凸の中に入り込み難いためである。
第1の増粘剤の好ましい配合割合は、第1の増粘剤の種類にもよるが、クリームソース類の0.01〜3%、より好ましくは0.05〜2%、非糊化デンプンの場合、0.1〜8%、より好ましくは0.3〜5%である。第1の増粘剤の含有量が少な過ぎる場合、第1の増粘剤が溶解ないしゾル化した後に冷却してもクリームソース類が十分に増粘しないため、トッピングに食品への付着効果が得られ難く、第1の増粘剤の含有量が多過ぎる場合、クリームソース類を食品の表面に塗布し、加熱しても、食品の表面からクリームソース類が染みこみにくくなってトッピングの剥がれ防止効果が得られ難く、しかも、加熱して冷却した後のクリームソース類の食感が硬くなりすぎる場合がある。
一方、第2の増粘剤は、本発明のクリームソース類の水相において、5℃で熱可塑性ゲルを形成するもの、即ち、加熱によりゾル化して低粘度化し、クリームソース類が塗布される食品の表面で自重により変形し、その後、冷却によりゲルを再形成して高粘度化するものである。
第2の増粘剤としては、ゼラチンを用いる。ゼラチンは、動物の皮膚や骨などの結合組織の主成分であるコラーゲンを加熱し、抽出したものであり、蛋白質を主成分とする混合物である。本発明で用いるゼラチンとしては、その原料に特に制限はなく、例えば、市販のブタゼラチン、ウシゼラチン、または魚ゼラチンなどを挙げることができる。また、ゼラチンには、分子量や精製方法等によって冷水に一部は溶けるものの完全には溶けにくく、約40〜45℃に温められたときに溶解して粘着性の液体となる温水溶解性ゼラチンと、冷水に速やかに溶解する冷水溶解性ゼラチンがあり、本発明においてはいずれのゼラチンも使用することができるが、トッピングにおいて良好な剥がれ防止効果を得る点で温水溶解性ゼラチンがより好ましい。
第2の増粘剤の好ましい配合割合は、クリームソース類の0.2〜4%、より好ましくは0.5〜2%である。また、第1の増粘剤と第2の増粘剤の合計量は、好ましくは0.4〜10%、より好ましくは1〜4%である。
本発明のクリームソース類の水分含量としては、第2の増粘剤を常温でできる限り速やかにゲル化又はゾル化するため、クリームソース類の30〜90%とすることが好ましく、40〜90%とすることがより好ましい。
本発明のクリームソース類において、油相は主成分として食用油脂を含有する。食用油脂としては、従来のクリームソース類で使用される種々の食用油脂であれば特に制限は無く、具体的には、例えば、菜種油、大豆油、コーン油、サフラワー油、ひまわり油、綿実油、ごま油、こめ油、パーム油、パームオレイン、オリーブ油、落花生油、やし油、しそ油、乳脂、牛脂、ラード、魚油等の動植物油又はこれらの精製油、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素処理等を施して得られる油脂等の1種又は2種以上を組み合わせて配合することができる。また、これら食用油脂としては、生クリームや牛乳等の食用油脂を含む原料により配合してもよい。
食用油脂の配合量としては、一般的なクリームソース類と同程度とすればよいが、上述のようにクリームソース類の水分含量を好ましくは30〜90%、より好ましくは40〜90%とする点から、その他の原料の配合量も考慮して食用油脂の配合量は10〜70%とすることが好ましく、10〜60%とすることがより好ましい。
本発明のクリームソース類は、乳化材として、例えば、卵黄、卵白、全卵、レシチン、リゾレシチン、乳蛋白、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、オクテニルコハク酸化澱粉等を含有することができる。
また、本発明のクリームソース類には、クリームソース類に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、デキストリン、デキストリンアルコール、オリゴ糖、オリゴ糖アルコール等の糖類、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖等の各種調味料、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、各種エキス、胡椒等の香辛料、各種蛋白質やこれらの分解物、タマネギ、パセリ等のみじん切りにした野菜等をあげることができる。
本発明のクリームソース類の製造方法は、製造工程において、前記第1の増粘剤を水相に分散した状態で60℃以上に加熱することなく製造する製造方法であり、前記第1の増粘剤を水相に分散した状態で水相を60℃以上に加熱しない点以外は、常法に従うことができる。例えば、水相原料として、第1の増粘剤、第2の増粘剤、乳化材及び調味料を60℃未満で均一に混合し、ミキサー等で撹拌しながら、油相原料を注加して粗乳化し、次にコロイドミルなどで仕上げ乳化をした後、ボトル容器やガラス容器などに充填密封する方法などをあげることができる。これに対し、前記第1の増粘剤を水相に分散した状態で予め60℃以上に加熱すると、第1の増粘剤の多くは50〜90℃でゾル化し始めるため、水相に十分な量で非溶解状態の第1の増粘剤を含有させることが困難となり、クリームソース類から形成したトッピングに良好な剥がれ防止効果を得ることが困難となる。
[実施例1]
下記に示す配合割合でクリームソースを製した。つまり、生クリーム、菜種油、バター、香辛料、食塩、タマリンドシードガム(第1の増粘剤)、ゼラチン(第2の増粘剤)、及び清水をミキサーに入れて撹拌混合した。次に、得られた混合物を容量300mLの三層のラミネート容器に充填することにより本発明品のクリームソースを製した。
得られたクリームソースの5℃における粘度は200Pa・sであった。
また、第1の増粘剤として使用したタマリンドシードガムの1%水分散液を55℃に加熱し、20℃まで冷却した時の粘度は、同水分散液を90℃に加熱し、20℃まで冷却した時の粘度に対し、10%であった。
<クリームソースの配合割合>
生クリーム 50%
菜種油 8%
バター 5%
香辛料 1%
食塩 0.5%
タマリンドシードガム(第1の増粘剤) 2%
ゼラチン(第2の増粘剤) 2%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[実施例2]
実施例1において、配合原料のタマリンドシードガム(第1の増粘剤)全量を、同量のカラギーナン(第1の増粘剤)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でクリームソースを製した。
得られたクリームソースの5℃における粘度は230Pa・sであった。
また、第1の増粘剤として使用したカラギーナンの1%水分散液を55℃に加熱し、20℃まで冷却した時の粘度は、同水分散液を90℃に加熱し、20℃まで冷却した時の粘度に対し、53%であった。
[実施例3]
実施例1において、配合原料のタマリンドシードガム(第1の増粘剤)全量を、同量の非ローカストビーンガム(第1の増粘剤)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でクリームソースを製した。
得られたクリームソースの5℃における粘度は220Pa・sであった。
また、第1の増粘剤として使用したローカストビーンガムの1%水分散液を55℃に加熱し、20℃まで冷却した時の粘度は、同水分散液を90℃に加熱し、20℃まで冷却した時の粘度に対し、70%であった。
[実施例4]
実施例1において、配合原料のタマリンドシードガム(第1の増粘剤)全量を、同量の非糊化デンプン(第1の増粘剤)に変更した以外は、実施例1と同様の方法でクリームソースを製した。
得られたクリームソースの5℃における粘度は200Pa・sであった。
また、第1の増粘剤として使用した非糊化デンプンの1%水分散液を55℃に加熱し、20℃まで冷却した時の粘度は、同水分散液を90℃に加熱し、20℃まで冷却した時の粘度に対し、27%であった。
[比較例1]
実施例1のクリームソースの調製において、タマリンドシードガム(加熱溶解性)と清水を混合し、90℃まで加熱することで、タマリンドシードガムを溶解させた後、他の水相原料を混合した以外は実施例1と同様の方法でクリームソースを製した。
[試験例1]
クリームソース中に非溶解状態で含有させる第1の増粘剤の種類、及びクリームソースの製造工程における加熱処理の有無が、トッピングの剥がれにくさに与える影響を調べるために以下の試験を行った。すなわち、実施例1乃至4、並びに比較例1のクリームソースを可撓性チューブ容器の吐出穴からスライスした食パンの切断面全体に絞り出すことにより、クリームソースをスライスした食パンに塗布し、オーブンで焼成(200℃、10分間)し、トッピングの剥がれにくさを次の3段階で評価した。
<クリームソース類の剥がれにくさの評価基準>
○:クリームソース類から形成したトッピングをスプーンで押すと、トッピングは剥がれずにトッピングの形状が崩れる
△:クリームソース類から形成したトッピングをスプーンで押すと、ストッピングの一部がやや剥がれるが、問題のない程度である
×:クリームソース類から形成したトッピングをスプーンで押すと、剥がれる
Figure 2012010616
表1より、第1の増粘剤として加熱溶解性のタマリンドシードガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、及び非糊化デンプンを用い、これらの増粘剤を水分散状態で60℃を超える温度で加熱することなく製造したクリームソース類(実施例1乃至4)は、これらが形成したトッピングはパンから剥れにくいことが理解できる。特に、加熱溶解性のタマリンドシードガム及びカラギーナンを用いた場合(実施例1及び2)は、加熱後により形成されたトッピングが剥がれにくく好ましかった。これに対して、加熱溶解性の増粘安定剤を用いた場合であっても、当該増粘安定剤を水分散状態で60℃を超える温度で加熱して溶解したクリームソース類(比較例1)は、加熱により形成されたクリームソース類が剥がれやすく好ましくなかった。
[試験例2]
クリームソース類中に溶解する増粘剤の種類が、クリームソース類から形成されるトッピングの剥がれにくさに与える影響を調べるために以下の試験を行った。すなわち、実施例1において、配合原料のゼラチンの全量を、α化澱粉、又はキサンタンガムにそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法でクリームソース類を製した。次いで、これら得られたクリームソース類を試験例1と同様の方法で加熱し、加熱後のクリームソース類の剥がれにくさを試験例1と同様の評価基準で評価した。結果を表2に示す。
Figure 2012010616
表2より、ゼラチンを用い、これらの増粘剤を水相中に溶解して製造したクリームソース類(No.2−1)は、加熱後のトッピングが剥がれにくく好ましいことが理解できる。これに対して、α化澱粉を溶解して用いたクリームソース類(No.2−2)及びキサンタンガム(No.2−3)を溶解して用いたクリームソース類は、加熱後のクリームソース類から形成されたトッピングが剥がれやすく好ましくなかった。
[試験例3]
第1の増粘剤の配合量が、クリームソース類から形成されるトッピングの剥がれやすさ及びクリームソース類の食感に与える影響を調べるために以下の試験を行った。すなわち、実施例1において、タマリンドシードガム(第1の増粘剤)の配合量を表3に示す割合に変更した以外は、実施例1と同様の方法でクリームソース類を製した。次いで、得られたクリームソース類を試験例1と同様の方法で加熱し、加熱後のクリームソース類から形成されたトッピングの剥がれにくさを試験例1と同様の評価基準で評価した。更に、加熱後のクリームソース類を喫食しその食感を下記評価基準により評価した。結果を表3に示す。
<クリームソース類の食感の評価基準>
A:ざらつきもなく口当たりがよい。
B:ややざらつきがあるが問題のない程度である。
C:ざらつきがある。
Figure 2012010616
表3より、第1の増粘剤の配合量が、製品に対し0.01〜3%であるクリームソース類(No.3−1〜No.3−4)は、加熱後のクリームソース類から形成されるトッピングが剥がれにくく、また、クリームソース類の食感も問題とならない程度であり好ましいことが理解できる。特に、前記配合量が0.05〜2%である場合(No.3−2〜No.3−3)は、加熱後のクリームソース類から形成されるトッピングが非常に剥がれにくく、また、クリームソース類の食感も口当たりがよく大変好ましかった。

Claims (3)

  1. 水相に非溶解状態の第1の増粘剤と溶解状態の第2の増粘剤を含有し、5℃における粘度が140〜1000Pa・sであるクリームソース類であって、
    (a)第1の増粘剤は、その1wt%水分散液を55℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度が、同水分散液を90℃に加熱後20℃に冷却したときの粘度の80%未満であり、
    (b)第2の増粘剤はゼラチンである
    クリームソース類。
  2. 第1の増粘剤として、カラギーナン、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム及び非糊化デンプンから選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1記載のクリームソース類。
  3. 請求項1又は2に記載のクリームソース類の製造方法であって、製造工程において、前記第1の増粘剤を水相に分散した状態で60℃以上に加熱することなく製造するクリームソース類の製造方法。
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