JP2022063091A - 容器詰め食品の製造方法及び容器詰め食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】澱粉を含み、かつ、食味に優れる容器詰め食品の製造方法及び容器詰め食品を提供する。【解決手段】本発明の容器詰め食品の製造方法は、具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、前記具材は生の青果物を含み、前記調味液は澱粉を含み、前記具材及び前記調味液を含む容器を高圧処理する高圧処理工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は容器詰め食品の製造方法及び容器詰め食品に関する。
特許文献1には、旨味成分を短時間のうちに増加させる目的で、食品に調味液を塗布し、この調味液を塗布した食品をポリエチレン製袋に入れて脱気し、このポリエチレン製袋に入った野菜、畜肉、果実、豆腐またはキノコを300MPa以下、20℃以上90℃以下、20分以上16時間以内の条件で処理する方法が記載されている。
特開2020-115888号公報
調味液に増粘剤を加えて粘度を高める場合がある。しかし、調味液の粘度が高いことによって、食味が悪くなることがある。例えば、調味液の粘度が高いと、調味液の口どけ感が悪くなったり、具材に調味液の味が馴染み難かったりする。
本発明の一態様は、澱粉を含み、かつ、食味に優れる容器詰め食品の製造方法及び容器詰め食品を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、青果物を具材として含み、調味液が澱粉を含む容器詰め食品を製造するときに、高圧処理を行なうことで、澱粉を含み、かつ、食味に優れる容器詰め食品を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、前記具材は生の青果物を含み、前記調味液は澱粉を含み、前記具材及び前記調味液を含む容器を高圧処理する高圧処理工程を含むことを特徴とする、容器詰め食品の製造方法、
(2)前記高圧処理は、300MPa以上であることを特徴とする、(1)の容器詰め食品の製造方法、
(3)前記高圧処理工程の前に、前記具材及び前記調味液を前記容器に詰める容器詰め工程を含み、前記容器詰め工程の前に、前記具材及び前記調味液を予め混合した混合物を得る混合工程を含み、前記容器詰め工程では、前記混合物を容器詰めすることを特徴とする、(1)又は(2)の容器詰め食品の製造方法、
(4)前記澱粉の前記調味液に対する濃度が1質量%以上、18質量%以下であることを特徴とする、(1)~(3)の容器詰め食品の製造方法、
(5)前記澱粉が未加工澱粉及びα化された未加工澱粉のうち少なくとも一方の澱粉であることを特徴とする、(1)~(4)の容器詰め食品の製造方法、
(6)前記澱粉が、サツマイモ及びジャガイモのうち少なくとも一方に由来する澱粉であることを特徴とする、(1)~(5)の容器詰め食品の製造方法、
(7)具材及び調味液を含み、前記具材が生の青果物を含み、前記調味液が、未加工澱粉及びα化された未加工澱粉のうち少なくとも一方の澱粉を含み、前記調味液に対する前記澱粉の濃度が1質量%以上、18質量%以下であり、前記調味液の粘度が25℃で500mPa・S以下である、容器詰め食品、
(8)具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、前記具材として生の青果物を含む具材を用い、前記調味液として、サツマイモ由来の澱粉を含む調味液を用い、前記具材及び前記調味液を容器に詰める容器詰め工程を含むことを特徴とする、容器詰め食品の製造方法、
である。
本発明の一態様によれば、澱粉を含み、かつ、食味に優れる容器詰め食品を製造することができる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、単に「%」と記載されている場合は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
<本発明の容器詰め食品の製造方法の特徴>
本発明の一態様にかかる容器詰め食品の製造方法は、具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、前記具材は生の青果物を含み、前記調味液は澱粉を含み、前記具材及び前記調味液を含む容器を高圧処理する高圧処理工程を含む。澱粉を含む調味液に対して高圧処理することで、食味に優れる容器詰め食品を製造できる。
この理由は、次の通りである。つまり、澱粉を加えると粘度が増加することがある。ここで、高圧処理を加えることで、青果物中の澱粉分解酵素と澱粉とが反応する。その結果、澱粉によって増加した粘度が減少する。これにより、調味液が口の中で良好に溶けるので、いわゆる「口どけ感」が向上する。また、調味液の粘度が減少することにより具材に調味液が浸透しやすくなり、調味液の味が具材により良く馴染む。これらの作用により、食味に優れる容器詰め食品を製造できる。なお、調味液の粘度を調整する目的として、例えば、キサンタンガム等の増粘剤が考えられるが、キサンタンガムでは、その粘性のために、喫食時の口どけ感が悪く、食味が悪い。なお、前述の通り、澱粉分解酵素による澱粉の一部分解により、澱粉の鎖長が短くなる。そのため粘度は若干落ちるが、製造時に配合した澱粉の量とほぼ同じ量が製品には含まれている。
<具材>
本発明の一態様に係る容器詰め食品の製造方法において、具材は生の青果物を含む。
<生の青果物>
「生の青果物」は加熱処理されていない未加熱の青果物が意図される。加熱処理とは、熱を加えることを目的とした処理を意図する。高圧処理によって、生の青果物の温度が数℃上昇することがある。しかし、高圧処理は熱を加えることを目的とした処理ではないので、高圧処理された青果物は「生の青果物」の範疇である。
<青果物の種類>
青果物の種類は、目的とする食品の種類に応じて適宜選択すればよい。青果物としては、例えば、野菜、果物が挙げられる。野菜としては、ニンジン、タマネギ、きゅうり、ジャガイモ、レタス、セロリ、キャベツ、コーン、大根、ごぼう、ブロッコリー、カリフラワー、トマト、カブ、パプリカ等が挙げられる。果物としては、例えば、りんご、パイナップル、ぶどう、いちご、キウイ、もも、梨、メロン、すいか、グレープフルーツ、アボカド、マンゴー、レモン、オレンジ等が挙げられる。中でも、澱粉に由来する粘性をより解消する観点から、ニンジン、大根が好ましい。
生の青果物は、不可食部が切断されて除去された状態であることがより好ましい。また、生の青果物はカットされていてもよい。カットの態様としては、食品の種類に応じて適宜選択すればよく、例えば、薄切り、輪切り、角切り、くし切り、みじん切り、ダイスカット等が挙げられる。カットする場合の大きさは食品の種類に応じて適宜設定すればよい。例えば、カットの態様が千切りの場合、長さは1mm以上が好ましく、また、50mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましい。これらの範囲であれば、品質が低下しにくくなり、目的とする作用効果が得られやすくなる。
<生の青果物の量>
生の青果物の量は特に制限されず、食品の種類等に応じて適宜設定すればよい。例えば、調味液と生の青果物との質量比は、1:1~9が好ましい。
<生の青果物以外の具材>
本発明の一態様に係る容器詰め食品の製造方法において、具材は生の青果物以外の具材を含んでもよい。生の青果物以外の具材としては、特に制限はない。例えば、生の青果物以外の具材としては、肉類、魚類、加熱処理された青果物、卵、パスタ、春雨、海藻等が挙げられる。本発明の一態様によれば、具材に調味液を浸透させるための加熱処理を施さなくともよいので、加熱処理によって、風味、食感が劣化しやすい具材も好適に用いることができる。
<調味液>
本発明の一態様に係る容器詰め食品の製造方法において、調味液は澱粉を含む。
<澱粉>
調味液が含む澱粉の種類は、特に制限されない。澱粉としては、未加工澱粉、α化した未加工澱粉、α化以外の加工澱粉が挙げられる。α化以外の加工澱粉としては、架橋等の処理を施した加工澱粉、加熱処理及び湿熱処理を施した澱粉等が挙げられ、より具体的には、ヒドロキシプロピル化澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、アセチル化澱粉、アセチル化アジピン酸架橋澱粉、アセチル化リン酸架橋澱粉等が挙げられる。中でも未加工澱粉及びα化した未加工澱粉は、より少ない量で調味液の粘度を高めることができることによって、容器により充填しやすくできることから、より好ましい。また、α化以外の加工した澱粉に比べて、未加工澱粉及びα化した未加工澱粉は、澱粉分解酵素の作用が出易く、製造時における適切な粘度が得られやすい。また、澱粉の種類としては、例えば、サツマイモ澱粉、ジャガイモ澱粉、ワキシーコーンスターチ等のコーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉が挙げられる。澱粉は1種でもよく複数種類を混合してもよい。なお、本明細書において「サツマイモ澱粉」という場合、サツマイモ由来の澱粉を意味する。他の種類の澱粉についても同様である。中でも、食味の観点からサツマイモ澱粉、ジャガイモ澱粉がより好ましく、サツマイモ澱粉が特に好ましい。また、外観の観点から、ワキシーコーンスターチ、サツマイモ澱粉、ジャガイモ澱粉がより好ましく、サツマイモ澱粉が特に好ましい。また、外観及び食味の観点から、サツマイモ澱粉、ジャガイモ澱粉であって、且つ、未加工の澱粉及び未加工の澱粉をα化したものがさらに好ましい。澱粉の粘性に起因する糊状、ゼリー状の質感の調味液が具材に絡まっていると、食品の種類によっては外観上好ましくない場合がある。しかし、本発明の一態様によれば、澱粉の粘度が減少していることから、調味液の糊状、ゼリー状の質感が抑制されているので、より好ましい外観とすることができる。
<澱粉の含有量>
調味液に含まれる澱粉の含有量は、容器への充填をより容易にする観点から、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、当該含有量は、食味をよりよくする観点、並びに、粘度を低くすることによって製造を行なう作業者の手及び製造装置の配管等から具材及び調味液を剥がれ易くする観点から、18質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましい。
<調味液における澱粉以外の成分>
調味液は澱粉以外の成分を含んでもよい。例えば、調味料、酸味料、呈味料、香辛料、澱粉以外の増粘剤等が挙げられる。調味料としては、例えば、食塩、砂糖等が挙げられる。酸味料としては、例えば、柑橘類の果汁、クエン酸、酒石酸、乳酸、食酢等が挙げられる。呈味料としては、例えば、グルタミン酸ソーダ等が挙げられる。香辛料としては、例えば、辛子粉、オイルマスタード、コショウ等が挙げられる。増粘剤としては、大豆蛋白質、デキストリン、セルロース、その他増粘多糖類等が挙げられる。
<容器詰め食品>
本発明における容器詰め食品は、生の青果物及び調味液を含む食品であればよく、具体的な態様は限定されない。容器詰め食品としては、例えば、野菜マリネ、果実マリネ等のマリネ、野菜等の和え物、野菜等の酢の物等が挙げられる。
<容器>
本発明における容器詰め食品の容器としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂で製造された容器が挙げられる。容器の材質は、単層でもよく、複層でもよい。容器の形態としては、例えば、パウチ、カップ等が挙げられる。
<高圧処理工程>
高圧処理工程は、具材及び調味液を含む容器を高圧処理する工程である。生の青果物と澱粉を含む調味液との混合物を高圧処理することにより、澱粉由来の調味液の粘性が減少する。その結果、例えば、調味液の口どけ感が向上したり、具材への調味液の浸透が促進したりするので、食味が向上する。高圧処理の具体的な方法は、従来公知の高圧処理用の機器を用いればよい。
<高圧処理における圧力>
高圧処理の圧力は、所望する食味に応じて適宜設定すればよい。例えば、調味液の粘性をより下げて食味を向上させる観点から、圧力は300MPa以上が好ましく、400MPa以上がより好ましい。また、圧力の上限は特に制限されないが、製造効率の観点から、700MPa以下が好ましい。
<高圧処理の時間>
高圧処理を行う時間は、圧力に応じて適宜設定すればよい。当業者であれば、食品の味、調味液の粘度を確認しながら、圧力に応じた適切な時間を設定可能である。例えば、澱粉由来の粘性をより減少させる観点から、保持時間は、30秒以上が好ましく、1分以上がさらに好ましく、2分以上がより好ましく、また、具材の食感を活かす観点から10分以下が好ましい。
<高圧処理のその他の条件>
高圧処理を行なうときの温度は特に限定されない。例えば、0℃以上、40℃以下で行ってもよく、常温(25℃)で行ってもよい。
<容器詰め工程>
本発明の一態様に係る容器詰め食品の製造方法は、具材及び調味液を容器に詰める容器詰め工程を含むことがより好ましい。具材及び調味液の容器詰めは常法により行えばよい。また、具材及び調味液を容器詰めした後、常法によって密封すればよい。容器内の気体は、空気でもよく、窒素ガスで置換してもよい。また、容器詰め食品の保存性を向上させる観点から容器内の酸素を除去することが好ましく、脱気することがより好ましい。
容器に具材、調味液を入れる順番、方法等は特に制限されないが、容器詰め工程の前に、具材及び調味液を予め混合した混合物を得る混合工程を行ない、容器詰め工程では、当該混合物を容器詰めすることがより好ましい。
<混合工程>
混合工程は、容器詰め工程の前に、具材及び調味液を予め混合した混合物を得る工程である。混合工程を含むことで、具材の充填を効率よく行なうことができる。青果物が、粘度の増した調味液と纏まっているので、青果物を首尾よく容器に充填することができる。つまり、一般に、生の青果物を容器に充填する際は、生の青果物の張り及びかさのため、青果物が容器からはみ出したり、封止するときに封止箇所に青果物が噛みこまれたりし易い。しかし、本発明の一態様によれば、これらを防ぐことができる。一方、調味液の粘度が高いと、喫食時に調味液が口の中で溶け難かったり、調味液が具材に浸透し難かったりして、食味が悪くなることがある。しかし、本発明によれば前述の通り、高圧処理によって調味液の粘度が下がっている。よって、充填し易く、かつ、食味の優れた容器詰め食品を製造することができる。
<本発明の容器詰め食品の特徴>
前述した、本発明の容器詰め食品の製造方法によって製造される容器詰め食品は本発明の範疇である。かかる容器詰め食品は、澱粉を含み、かつ、食味に優れている。また、本発明の容器詰め食品の一態様は、具材及び調味液を含み、前記具材が生の青果物を含み、前記調味液が、未加工澱粉及びα化された未加工澱粉のうち少なくとも一方の澱粉を含み、前記調味液に対する前記澱粉の濃度が1質量%以上、18質量%以下であり、前記調味液の粘度が25℃で500mPa・S以下であるものがより好ましい。当該一態様に係る容器詰め食品は、より食味に優れている。なお、容器詰め食品の構成のうち、本発明の容器詰め食品の製造方法において説明した事項については、ここでは説明を繰り返さない。
<調味液の粘度>
調味液の粘度は、例えば25℃で10mPa・S以上であることが好ましく、25mPa・S以上であることがより好ましい。また、調味液の粘度は、より食味を良好する観点、特に、粘度が低いほど口どけがよく、また、外食、中食のような容器詰めを必要としない料理に近づける観点から、500mPa・S以下であることが好ましく、400mPa・S以下であることがより好ましく、200mPa・S以下であることがさらに好ましく、100mPa・S以下であることが特に好ましい。
<本発明の容器詰め食品の製造方法の別の態様の特徴>
本発明に係る容器詰め食品の製造方法の別の態様は、具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、前記具材として生の青果物を含む具材を用い、前記調味液として、サツマイモ由来の澱粉を含む調味液を用い、前記具材及び前記調味液を容器に詰める容器詰め工程を含むことを特徴とする。サツマイモ由来の澱粉と青果物とを含むことにより、澱粉を含み、かつ、食味に優れる容器詰め食品を製造できる。なお、本発明の容器詰め食品の製造方法の別の態様の構成のうち、前述の本発明の容器詰め食品の製造方法において説明した事項については、ここでは説明を繰り返さない。
<高圧処理工程>
本別の態様における容器詰め食品の製造方法では、前述した高圧処理工程は行ってもよく、行わなくてもよい。高圧処理工程を行なわなくても、澱粉がサツマイモ由来であることによって、食味に優れる容器詰め食品を製造できる。
<容器詰め工程及び混合工程>
本別の態様における容器詰め食品の製造方法では、容器詰め工程の前に、具材及び調味液を予め混合した混合物を得る混合工程を行ない、容器詰め工程では、当該混合物を容器詰めすることがより好ましい。青果物が、サツマイモ由来の澱粉によって粘度の増した調味液と纏まっているので、青果物を首尾よく容器に充填することができる。
以下、本発明について、実施例、比較例及び試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
本発明の一実施例について以下に説明する。
[実施例1]
包丁にて2.0mm×2.5mm×40.0mmの大きさにカットした生のニンジン80gと、α化したサツマイモ由来の澱粉(松谷化学工業株式会社製、マツノリン(登録商標)K、未加工)を10質量%の濃度となるように溶解させた調味液20gとを混合した。次に、混合物をパウチ(140mm×170mm、ナイロンと直鎖状低密度ポリエチレンの複層)に詰めて、バキュームシーラー(株式会社古川製作所製、型式FVC-2-G)を用いて密封した。次に、高圧処理装置(株式会社神戸製鋼所製、装置名Dr.CHEF)を用いて、高圧処理を行なった。圧力は600MPaとし、保持時間は3分間とした。これにより、容器詰め食品を得た。得られた容器詰め食品について、次の評価等を行なった。結果を表1及び表2に示す。
<充填適性>
混合物をパウチに詰める際に、充填のし易さ(以下、「充填適性」という。)を以下の評価基準に基づいて評価した。なお、生のニンジンが、パウチからはみ出たり、パウチの密封時に封止箇所に噛みこまれたり、容器詰めする作業者の手から剥がれにくかったりする等の充填時の支障が少ないほど、充填適性を高く評価して、当該支障が多いほど低く評価した。
4:具材と調味液とのまとまりが非常に良好であり、充填適性が非常に高い。
3:具材と調味液とのまとまりが良好であり、充填適性が高い。
2:具材と調味液とのまとまりがやや良好であり、充填適性がある。
1:具材と調味液とのまとまりが悪く、充填適性がない。
<官能評価>
高圧処理前の混合物、及び高圧処理後に得られた容器詰め食品について官能評価を行なった。官能評価では、訓練されたパネラーが喫食して、各評価基準に基づいて評価した。
<食味評価>
4:口どけ感、味の浸透の具合が総合的に非常に良好であり、商品価値が非常に高い。
3:口どけ感、味の浸透の具合が総合的に良好であり、商品価値が高い。
2:口どけ感、味の浸透の具合が総合的にやや良好であり、商品価値がある。
1:口どけ感、味の浸透の具合が総合的に優れず、商品価値がない。
<外観評価>
4:外観が非常に良好であり、商品価値が非常に高い。
3:外観が良好であり、商品価値が高い。
2:外観がやや良好で、商品価値がある。
1:外観が優れず、商品価値がない。
なお、外観評価においては、調味液が適度に落ち具材がしんなりしているほど外観を良好とし、調味液が具材にべたついているほど外観は良好でないものとした。
<粘度の測定方法>
容器詰め食品から調味液を回収して、当該調味液の粘度をB形粘度計、ローターNo.60-1rpmを用いて測定した。結果を表2に示す。
[実施例2]
調味液として、α化したジャガイモ由来の澱粉(松谷化学工業株式会社製、品番マツノリン(登録商標)M、未加工)を10質量%の濃度で含む調味液を用いたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価、官能評価及び粘度の測定を行なった。結果を表1及び2に示す。
[実施例3]
調味液として、α化したワキシコーン由来の澱粉(イングレディオン・ジャパン株式会社製、品番NOVATION(登録商標) 5600、物理処理加工)を8質量%の濃度で含む調味液を用いたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価及び官能評価を行なった。結果を表1に示す。
[実施例4]
調味液として、α化したワキシコーン由来の澱粉(イングレディオン・ジャパン株式会社社製、品番ULTRA SPERSE(登録商標) M、リン酸架橋処理加工)を6質量%の濃度で含む調味液を用いたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価及び官能評価を行なった。結果を表1に示す。
[実施例5]
調味液として、α化したタピオカ由来の澱粉(イングレディオン・ジャパン株式会社製、品番NATIONAL 104、リン酸架橋処理加工)を10質量%の濃度で含む調味液を用いたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価及び官能評価を行なった。結果を表1に示す。
[実施例6]
調味液として、α化したワキシコーン・タピオカ由来の澱粉(イングレディオン・ジャパン株式会社製、品番IF131、リン酸架橋処理加工)を10質量%の濃度で含む調味液を用いたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価、官能評価及び粘度の測定を行なった。結果を表1及び2に示す。
Figure 2022063091000001
[実施例7~10]
表2に示すとおりに調味液が含む澱粉の種類及び濃度を変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価、官能評価、粘度測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例1]
調味液として、増粘剤キサンタンガム(DSP五協フード&ケミカル株式会社製、品番エコーガム)を5質量%の濃度で含む調味液を用いたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価、官能評価、粘度測定を行った。結果を表2に示す。
[比較例2]
調味液として、澱粉及び増粘剤を含まない調味液を用いたこと以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価、官能評価、粘度測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2022063091000002
[実施例11~14]
表3に示すとおりに高圧処理の圧力を変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価、官能評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2022063091000003
[実施例15~17]
表4に示すとおりに調味液が含む澱粉の種類及び濃度を変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価、官能評価、粘度測定を行った。結果を表4に示す。
Figure 2022063091000004
実施例1~17から、具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、前記具材は生の青果物を含み、前記調味液は澱粉を含み、前記具材及び前記調味液を含む容器を高圧処理する高圧処理工程を行なうことによって、澱粉を含み、かつ、食味に優れる容器詰め食品を得られることが示された。また、実施例1~17から、前記具材及び前記調味液を前記容器に詰める容器詰め工程を含み、前記容器詰め工程の前に、前記具材及び前記調味液を予め混合した混合物を得る混合工程を含み、前記容器詰め工程では、前記混合物を容器詰めすることで、製造時の充填特性が優れることが示された。

参考例・実施例~10]
表2に示すとおりに調味液が含む澱粉の種類及び濃度を変更した以外は、実施例1と同じ操作を行い、容器詰め食品を得て、充填適性の評価、官能評価、粘度測定を行った。結果を表2に示す。
Figure 2022063091000005
実施例1~6、8~17及び参考例から、具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、前記具材は生の青果物を含み、前記調味液は澱粉を含み、前記具材及び前記調味液を含む容器を高圧処理する高圧処理工程を行なうことによって、澱粉を含み、かつ、食味に優れる容器詰め食品を得られることが示された。また、実施例1~6、8~17及び参考例から、前記具材及び前記調味液を前記容器に詰める容器詰め工程を含み、前記容器詰め工程の前に、前記具材及び前記調味液を予め混合した混合物を得る混合工程を含み、前記容器詰め工程では、前記混合物を容器詰めすることで、製造時の充填特性が優れることが示された。

Claims (8)

  1. 具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、
    前記具材は生の青果物を含み、
    前記調味液は澱粉を含み、
    前記具材及び前記調味液を含む容器を高圧処理する高圧処理工程を含むことを特徴とする、容器詰め食品の製造方法。
  2. 前記高圧処理は、300MPa以上であることを特徴とする、請求項1に記載の容器詰め食品の製造方法。
  3. 前記高圧処理工程の前に、前記具材及び前記調味液を前記容器に詰める容器詰め工程を含み、
    前記容器詰め工程の前に、前記具材及び前記調味液を予め混合した混合物を得る混合工程を含み、
    前記容器詰め工程では、前記混合物を容器詰めすることを特徴とする、請求項1又は2に記載の容器詰め食品の製造方法。
  4. 前記澱粉の前記調味液に対する濃度が1質量%以上、18質量%以下であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の容器詰め食品の製造方法。
  5. 前記澱粉が未加工澱粉及びα化された未加工澱粉のうち少なくとも一方の澱粉であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の容器詰め食品の製造方法。
  6. 前記澱粉が、サツマイモ及びジャガイモのうち少なくとも一方に由来する澱粉であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の容器詰め食品の製造方法。
  7. 具材及び調味液を含み、
    前記具材が生の青果物を含み、
    前記調味液が、未加工澱粉及びα化された未加工澱粉のうち少なくとも一方の澱粉を含み、
    前記調味液に対する前記澱粉の濃度が1質量%以上、18質量%以下であり、前記調味液の粘度が25℃で500mPa・S以下である、容器詰め食品。
  8. 具材及び調味液を含む容器詰め食品の製造方法において、
    前記具材として生の青果物を含む具材を用い、
    前記調味液として、サツマイモ由来の澱粉を含む調味液を用い、
    前記具材及び前記調味液を容器に詰める容器詰め工程を含むことを特徴とする、容器詰め食品の製造方法。
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