JP2007135460A - レトルトパスタソースの製造方法 - Google Patents

レトルトパスタソースの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007135460A
JP2007135460A JP2005332891A JP2005332891A JP2007135460A JP 2007135460 A JP2007135460 A JP 2007135460A JP 2005332891 A JP2005332891 A JP 2005332891A JP 2005332891 A JP2005332891 A JP 2005332891A JP 2007135460 A JP2007135460 A JP 2007135460A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sauce
pasta
retort
emulsified
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005332891A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4749129B2 (ja
Inventor
Yuko Kurihara
佑子 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP2005332891A priority Critical patent/JP4749129B2/ja
Publication of JP2007135460A publication Critical patent/JP2007135460A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4749129B2 publication Critical patent/JP4749129B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】常温のソースを茹でたパスタに和えても適温を有し、しかもパスタが「ぬめり感」がなく口当たりの良い、またソース全体も口当たりが良く一体感のある食味を有したパスタ料理が得られるレトルトパスタソースの製造方法の提供。
【解決手段】食用油脂、湿熱処理澱粉及びモノアシル型親水性乳化剤を配合した乳化状ソースを製し、耐熱性容器に充填し、レトルト処理することより油相と乳化相に解乳化させるレトルトパスタソースの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、常温のソースを茹でたパスタに和えて喫食するレトルトパスタソースの製造方法に関する。詳しくは常温のソースを茹でたパスタに和えても適温を有し、しかもパスタが「ぬめり感」がなく口当たりの良い、またソース全体も口当たりが良く一体感のある食味を有したパスタ料理を提供するレトルトパスタソースの製造方法に関する。
パスタ料理は、茹でたパスタを油で炒めつつ、これに調味料や香辛料、さらに野菜等を加えて調理するものや、茹でたパスタにあらかじめ調理したパスタソースを和えて調理するものである。しかし、パスタ料理は、調理に手間がかかるため、湯煎あるいは電子レンジで加熱するだけで簡単に喫食することができるレトルトパウチや缶等に充填されたレトルトパスタソースが好まれるようになってきた。そして、近年、更なる簡便性が求められており、常温のソースを茹でたパスタに和えるだけでパスタの味付けができるパスタソースが望まれるようになっている。
上記のようなパスタソースとして、例えば、特開平11−225714号公報(特許文献1)には、茹でたパスタに和えるだけで均一にバジル風味を付与することができるパスタソースであるバジルソースが、特開平10−75747号公報(特許文献2)には、茹でたパスタに和えるだけで、パスタをおいしく味付けすることができるオイルタイプのパスタソースがそれぞれ開示されている。
しかし、特許文献1のパスタソースは、当該実施例で開示されているとおり、1食当り(通常、乾麺100g程度)のソースの量が40g以下と少なく、また、バジルの低温殺菌を可能とならしめるために水分活性を低く抑えているため、どうしても水相部の量を少なくする必要があり、そのため色々な食味を有するソースへの応用が難しかった。さらに、特許文献1のパスタソースは、キサンタンガムを含有していることから、パスタソース中の水分がパスタに少量浸透しただけでも、キサンタンガム由来の「ぬめり感」が発現しやすく、その結果、パスタが口当たりの良いものとは言い難いものであった。
また、特許文献2のパスタソースは、当該実施例で開示されているとおり、1食当たりのソースの量が100gと多いため、そのままパスタと和えただけでは全体が冷えてしまうということがあった。また、仮に、全体が冷えすぎないように1食当たりのソースの量を減らした場合でも、特許文献2のパスタソースは、キサンタンガムを含有しているため、「ぬめり感」が発現する場合があった。
さらに、特許文献1及び2のパスタソースのいずれも、キサンタンガムを配合し一時乳化させた後、当該乳化物をパウチに充填し、レトルト処理を施している。しかしながら、キサンタンガムはそもそも乳化力が弱いため、水相部中に油脂が留まり難く、レトルト処理により油相と水相に解乳化し易く、たとえ使用時に一時乳化させたとしても、ソース全体が一体感のある食味を有し難い場合があり、満足できるものではなかった。
特開平11−225714号公報 特開平10−75747号公報
そこで、本発明の目的は、常温のソースを茹でたパスタに和えても適温を有し、しかもパスタが「ぬめり感」がなく口当たりの良い、またソース全体も口当たりが良く一体感のある食味を有したパスタ料理が得られるレトルトパスタソースの製造方法を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく使用原料等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、一食当たりのパスタソースの量を特定量とし、当該パスタソースに特定の原料を配合し、更に特定の方法により製造するならば意外にも和えた時に冷えることなく適温を有し、しかもパスタが「ぬめり感」がなく口当たりの良い、またソース全体も口当たりが良く一体感のある食味を有したレトルトパスタソースが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)製品に対し3〜30%の食用油脂、湿熱処理澱粉及びモノアシル型親水性乳化剤を配合した乳化状ソースを製した後、乾麺100g当たり50〜90gの前記乳化状ソースを耐熱性容器に充填し、レトルト処理することより油相と乳化相に解乳化させることを特徴とするレトルトパスタソースの製造方法、(2)製品に対し湿熱処理澱粉を0.05〜1%配合する(1)のレトルトパスタソースの製造方法、
(3)製品に対しモノアシル型親水性乳化剤を0.001〜0.1%配合する(1)又(2)のレトルトパスタソースの製造方法、
(4)モノアシル型親水性乳化剤がリゾリン脂質である(3)のレトルトパスタソースの製造方法、
(5)リゾリン脂質が卵黄リゾリン脂質である(4)のレトルトパスタソースの製造方法、
である。
本発明の製造方法によれば、常温のソースを茹でたパスタに和えても適温を有し、しかもパスタが「ぬめり感」がなく口当たりの良い、またソース全体も口当たりが良く一体感のある食味を有したパスタ料理を提供するレトルトパスタソースを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明は、常温のソースを茹でたパスタに和えて喫食するレトルトパスタソースの製造方法であって、製品に対し3〜30%の食用油脂、湿熱処理澱粉及びモノアシル型親水性乳化剤を配合した乳化状ソースを製した後、乾麺100g当たり50〜90gの前記乳化状ソースを耐熱性容器に充填し、レトルト処理することより油相と乳化相に解乳化させることを特徴とする。これにより、常温のソースを茹でたパスタに和えても適温を有し、また、パスタがぬめり感がなく口当たりの良い、ソース全体も口当たりが良く一体感のある食味を有したパスタ料理を提供するレトルトパスタソースを得ることができる。
ここで、レトルト処理したレトルトパスタソースとは、従来のレトルトパスタソースと同様、耐熱性容器に充填し、ソースの中心部の品温を120℃で4分間相当加熱する又はこれと同等以上の効果を有する条件、具体的には、例えば、100℃超130℃以下の程度で5〜90分間程度処理する加熱殺菌処理、いわゆるレトルト処理したレトルトパスタソースのことである。
また、本発明で用いる「湿熱処理澱粉」とは、加熱しても糊化しない程度の水分を含む澱粉粒子を、密閉容器中で、水分の存在下で加熱して作られたものである。例えば、特開平4−130102号公報に記載された方法、すなわち天然澱粉を減圧下に置いた後、蒸気導入による加圧加熱を行ない、あるいはこの操作を繰り返した後、冷却し、粉砕して製造する方法等により得られる澱粉が挙げられる。このような湿熱処理澱粉は、例えば、商品名「ノベーション」(日本エヌエスシー(株)製)等と、既に市販されており、本発明は当該市販品を用いればよい。
前記湿熱処理澱粉を使用する目的は、後述のモノアシル型親水性乳化剤と併用することで水相と油相を乳化させるためであるが、後述の試験例に示しているとおり湿熱処理澱粉を使用したものは、ガム類を使用したものと比較し、パスタに和えた時パスタがぬめり感がなく口当たりが良く、他の澱粉を使用したものと比較し、ソース全体の口当たりが良いものとなる。
湿熱処理澱粉の配合量は、製品に対して好ましくは0.05〜1%、より好ましくは0.1〜0.5%である。前記範囲より少ないと水相と油相を乳化する際、安定な乳化物が得られ難く、一方、前記範囲より多いと澱粉特有の風味が生じ易く、好ましくないからである。
また、「モノアシル型親水性乳化剤」とは、1個のアシル基を有し、水又は温水に分散する性質を有する食品に使用可能な乳化剤のことであり、具体的には、例えば、ジアシルグリセロリン脂質をホスフォリパーゼA<sub>1</sub>あるいはホスフォリパーゼA<sub>2</sub>の酵素で1位あるいは2位のアシル基を加水分解し、水酸基に変換したモノアシルグリセロリン脂質であるリゾリン脂質や、HLB(親水性親油性バランス)が、10以上のショ糖脂肪酸エステル若しくはポリグリセロリン脂肪酸エステル等が挙げられる。特に、これらの乳化剤の内リゾリン脂質を使用すると、レトルト処理前の乳化処理において、乳化安定性に優れた乳化物が得られ易く、更に、リゾリン脂質のうち卵黄リゾリン脂質を使用すると、風味の点で好ましい。
なお、モノアシル型親水性乳化剤としてリゾリン脂質を用いる場合は、リゾリン脂質そのものを使用しても良いが、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質等の他の脂質成分も含有した一般的に卵黄リゾレシチン、大豆リゾレシチン、酵素処理卵黄レシチン、酵素処理大豆レシチン、酵素処理卵黄油等と称されるものも使用して良い。この場合、脂質混合物中のリゾリン脂質の部分が本発明のリゾリン脂質に相当する。
前記モノアシル型親水性乳化剤を使用する目的は、前述の湿熱処理澱粉と併用することで水相と油相を乳化させ、更にその後のレトルト処理で解乳化し発生する油相と乳化相を得るためである。そして、前記解乳化して油相と乳化相の状態にすることにより、茹でたパスタと和えたときソース全体が一体感のある食味となり好ましい。一方、後述の試験例に示しているとおりモノアシル型親水性乳化剤を使用せずガム類のみを使用したものは、油相と水相を乳化することができるものの、その後のレトルト処理により、油相と水相に解乳化され易く、ソース全体が一体感のある食味とは言い難く好ましくない。
モノアシル型親水性乳化剤の配合量は、製品に対して好ましくは0.001〜0.1%、より好ましくは0.002〜0.05%である。前記範囲より少ないと、水相と油相を乳化する際、安定な乳化物が得られ難く、一方、前記範囲より多いと乳化剤特有の風味が生じ、好ましくないからである。
本発明の「食用油脂」とは、食品に供される油脂であればいずれのものでも特に限定するものではない。このような食用油脂としては例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油脂等のような化学的あるいは酵素処理等を旋して得られる油脂、または各種スパイスオイル等が挙げられる。
食用油脂の配合量は、製品に対し3〜30%、好ましくは5〜20%である。前記範囲より少ないと、パスタソース中の水分がパスタに浸透しやすくなり、パスタの口当たりが悪いものとなり、一方、前記範囲より多いと、ソース全体が油っぽいものとなってしまい口当たりが好ましくないからである。
本発明は、油相が分離した分離タイプのレトルトパスタソースであるが、まず、製品に対し3〜30%の食用油脂、湿熱処理澱粉及びモノアシル型親水性乳化剤を配合した乳化状ソースを製する。つまり、本発明は、特定量の食用油脂と、湿熱処理澱粉及びモノアシル型親水性乳化剤とを必須の配合原料とし、それ以外の配合原料は、本発明の効果を損なわない範囲で分離タイプのレトルトパスタソースの原料として一般的に使用されているものを適宜選択し、食用油脂が油滴としてソース中に略均一に分散した乳化状のソースとなるように処理を施す方法であればいずれの方法を用いても良い。例えば、水相原料の混合物を製した後に、当該水相混合物を撹拌させながら油相である食用油脂を注加して乳化状とする方法、あるいは油相である食用油脂を撹拌させながら予め製していた水相原料の混合物を注加して乳化状とする方法、あるいは水相及び油相の全配合原料を混合タンク内に投入した後に、全体が乳化状となるように撹拌混合する方法等が挙げられる。
なお、本発明の必須の配合原料以外の原料としては、例えば、食塩、醤油、砂糖、液糖、グルタミン酸ナトリウム、核酸系旨味調味料等の各種調味料、ペッパー、唐辛子等の香辛料、増粘多糖類、エキス、色素、発色剤、更には、ひらたけ、椎茸、エリンギ、しめじ、マッシュルーム、玉葱、ニンニク、トマト、オリーブ等の具材等が挙げられる。また、レトルトパスタソースには、上記のような各種具材が配合されている場合があるが、具材の配合時期は、上記処理工程を損なわない範囲で行なえば良く、特に限定するものではない。
次に、得られた乳化状ソースを耐熱性容器、例えば、缶、レトルトパウチ、好ましくはアルミニウム箔、有機樹脂塗工フィルム(呉羽化学工業(株)製、商品名「ベセーラ」)、又はアルミナ若しくはシリカ蒸着フィルム等のガスバリア層含有耐熱性パウチ、あるいは更に自立性を有したスタンディングパウチ等に充填する。パスタ料理は、通常、1食当たり100gの乾麺が使用される。したがって、前記乳化状ソースの充填量は、乾麺100g当たり50〜90g、好ましくは50〜80gである。つまり、乾麺100g当たり50〜90g、好ましくは50〜80g充填するとは、1食分ずつ充填する場合は、前記充填量を充填することとなるが、例えば、2食分ずつ充填する場合は、前記充填量の2倍量、3食分ずつ充填する場合は、前記充填量の3倍量を充填することになる。充填量が前記範囲より少ないと、茹でたパスタと和えた時にパスタ全体にソースがいきわたらず、一方、前記範囲より多いと、茹でたパスタに和えた時にパスタが冷えてしまうからである。
次に、上述した方法で得られた耐熱性容器に充填したものを、レトルト処理する。レトルト処理するとは、上述したとおりソースの中心部の品温を120℃で4分間相当加熱する又はこれと同等以上の効果を有する条件で処理を施すことであり、具体的には、例えば、100℃超130℃以下の程度で5〜90分間程度処理を施すと良い。当該レトルト処理することにより、乳化状ソースが油相と乳化相に解乳化され、本発明の目的とするレトルトパスタソースが得られる。
以上、述べたとおり本発明のレトルトパスタソースの製造方法は、製品に対し3〜30%の食用油脂、湿熱処理澱粉及びモノアシル型親水性乳化剤を配合した乳化状ソースを製した後、乾麺100g当たり50〜90gの前記乳化状ソースを耐熱性容器に充填し、レトルト処理することより油相と乳化相に解乳化させるものである。またこれにより、常温のソースを茹でたパスタに和えても適温を有し、また、パスタがぬめり感がなく口当たりの良い、ソース全体も口当たりが良く一体感のある食味を有したパスタ料理を提供するレトルトパスタソースを得ることができる。
喫食するにあたっては、耐熱性容器を開封し、これをそのまま、あるいは開封前に軽く振った後に、茹でたパスタにかけて和えればよい。
以下、本発明のレトルトパスタソースについて、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
乳化状ソース100kgを製造した。つまり、撹拌機付き二重釜にサラダ油、ガーリックミンチを入れ加熱撹拌し、100℃に達温後、あらかじめミキサーで均一混合しておいた醤油、グラニュー糖、食塩、湿熱処理澱粉(日本エヌエスシー(株)製、「ノベーション2600」)、酵素処理卵黄油(キユーピー(株)製、「卵黄レシチンLPL−20」(リゾリン脂質約20%含有))、及び清水の混合物を投入し撹拌混合し乳化させた。得られた乳化物に、ボイル済みの約6mm角にダイスカットした具材である玉葱、ひらたけ、椎茸、及びエリンギをそれぞれ加え、撹拌させながら加熱し、80℃に達温後加熱を停止し乳化状ソースを製造した。得られた乳化状ソースを55gずつ耐熱性レトルトパウチに充填・密封した後、120℃で30分間レトルト処理し、冷却してレトルトパスタソースを製造した。得られたレトルトパスタソースは、油相と乳化相に解乳化されていた。
<本発明の配合割合>
油相 サラダ油 15%
ガーリックミンチ 2%
水相 玉葱 20%
ひらたけ 10%
椎茸 5%
エリンギ 5%
醤油 5%
グラニュー糖 2%
食塩 1.5%
湿熱処理澱粉 0.5%
酵素処理卵黄油 0.05%
清水 残 余
―――――――――――――――――――
合計 100%
[実施例2]
乳化状ソース100kgを製造した。つまり、撹拌機付き二重釜にサラダ油、ガーリックミンチ、唐辛子を入れ加熱撹拌し、100℃に達温後、あらかじめミキサーで均一混合しておいたアンチョビーソース、食塩、ブラックペパー、湿熱処理澱粉(日本エヌエスシー(株)製、「ノベーション2600」)、ショ糖脂肪酸エステル(HLB16、三菱化学フード(株)製、「リョートーシュガーエステルS1670」(ショ糖モノ脂肪酸エステル約75%含有))、及び清水の混合物を投入し撹拌混合し乳化させた。得られた乳化物に、ボイル済みの約6mm角にダイスカットしたオリーブ及びオイル漬けの6mm角にダイスカットしたドライトマトを加え、撹拌させながら加熱し、80℃に達温後加熱を停止し乳化状ソースを製造した。得られた乳化状ソースを80gずつ耐熱性レトルトパウチに充填・密封した後、120℃で30分間レトルト処理し、冷却してレトルトパスタソースを製造した。得られたレトルトパスタソースは、油相と乳化相に解乳化されていた。なお、レトルト処理する前の乳化状ソースは、実施例1と比較し、やや乳化安定性に欠けるものの問題のない範囲であった。
<本発明の配合割合>
油相 サラダ油 13%
ガーリックミンチ 5%
唐辛子 0.5%
水相 オリーブ 20%
ドライトマト 5%
アンチョビーソース 1%
食塩 1%
ブラックペパー 0.5%
湿熱処理澱粉 0.4%
ショ糖脂肪酸エステル 0.02%
清水 残 余
――――――――――――――――――
合計 100%
後述の試験例に準じ、得られたレトルトパスタソースを温めることなくそのまま茹でたパスタに和えて喫食したところ、パスタ料理全体が適温を有し、しかもパスタがぬめり感がなく口当たりの良い、またソース全体も口当たりが良く一体感のある食味を有したパスタ料理であった。
[比較例1]
実施例1において、湿熱処理澱粉0.5%及び酵素処理卵黄油0.05%(卵黄リゾリン脂質として0.01%に相当)に換えてキサンタンガム0.03%を用いた以外は、実施例1と同様な方法でレトルトパスタソースを製造した。得られたレトルトパスタソースは、油相と水相に解乳化されていた。
[試験例1]
パスタのぬめり感及びソース全体の一体感について調べるために、パスタ料理1食相当量の乾麺100gを茹で皿に盛り、実施例1及び比較例1で得られたそれぞれのパスタソースを温めることなくそのまま和え、喫食し、評価を行った。
Figure 2007135460
表1より、キサンタンガムを配合し、レトルト処理により油相と水相に解乳化されている比較例1のレトルトパスタソースは、ぬめり感が発現し口当たりが悪く、また、ソース全体の一体感がなく好ましいものではなかった。これに対し、湿熱処理澱粉とモノアシル型親水性乳化剤を配合し、レトルト処理により油相と乳化相に解乳化されている実施例1のレトルトパスタソースは、ぬめり感がなく口当たりの良い、またソース全体も一体感のある食味を有し、好ましいことが理解される。
[比較例2]
実施例1において、湿熱処理澱粉を化工澱粉(日本エヌエスシー(株)製、「コルフロ67」)に換えた以外は、実施例1と同様な方法でレトルトパスタソースを製造した。得られたレトルトパスタソースは、油相と乳化相に解乳化されていた。
[試験例2]
澱粉の違いによるソース全体の口当たりについて調べるために、実施例1及び比較例2で得られたそれぞれのパスタソースを試験例1同様、パスタ料理1食相当量の乾麺100gを茹で皿に盛ったところに、温めることなくそのまま和え、喫食し、評価を行った。
Figure 2007135460
表2より、湿熱処理澱粉を配合した実施例1のパスタソースは、化工澱粉を配合した比較例2のパスタソースと比較し、ソース全体の口当たりが良く好ましいものであることが理解される。
[試験例3]
食用油脂の配合量の違いによるパスタの口当たり及びソース全体の口当たりについて調べるために、実施例1において食用油脂の配合量を変えた以外は、実施例1と同様な方法でレトルトパスタソースを製造した。得られたパスタソースを試験例1同様パスタ料理1食相当量の乾麺100gを茹で皿に盛ったところに、温めることなくそのまま和え、喫食し、油脂の配合量の違いによるパスタの口当たり及びソース全体の口当たりについて評価を行った。
Figure 2007135460
表3より、食用油脂の配合量が製品に対し3%より少ないものは、パスタにコシがなく口当たりが良いものでなく、一方、30%より多いものは、ソース全体が油っぽく口当たりの良いものでなかった。これ対し、食用油脂の配合量が製品に対し3〜30%の範囲にあるものは、パスタにコシがあり口当たりが好ましく、ソース全体の口当たりも良いことが理解される。特に、食用油脂の配合量が製品に対し5〜20%の範囲にあるものが好ましかった。
[試験例4]
乳化状ソースの充填量による違い、すなわち一食相当量のパスタソースの量の違いによるパスタに和えた時の温かさへの影響を調べるために、実施例1において得られたソースの充填量を以下の方法で変えた以外は、実施例1と同様な方法でレトルトパスタソースを製造した。つまり、例えば、充填量を70gとするには実施例1で得られた55gのソースに15g加水し混合した。得られたパスタソースを試験例1同様、パスタ料理1食相当量の乾麺100gを茹で皿に盛ったところに、温めることなくそのまま和え、喫食し、充填量による違い、すなわち一食相当量のパスタソースの量の違いによるパスタに和えた時の温かさについて評価を行った。
Figure 2007135460
表4より、乳化状ソースの充填量が乾麺100g当たり90gより多く充填したものは、パスタと和えた時にパスタがやや冷えてしまうのに対し、乾麺100g当たりの充填量が50〜90gの範囲にあるものは、パスタと和えても適温であることが理解される。特に、充填量が50〜80gの範囲にあるものが好ましかった。

Claims (5)

  1. 製品に対し3〜30%の食用油脂、湿熱処理澱粉及びモノアシル型親水性乳化剤を配合した乳化状ソースを製した後、乾麺100g当たり50〜90gの前記乳化状ソースを耐熱性容器に充填し、レトルト処理することより油相と乳化相に解乳化させることを特徴とするレトルトパスタソースの製造方法。
  2. 製品に対し湿熱処理澱粉を0.05〜1%配合する請求項1記載のレトルトパスタソースの製造方法。
  3. 製品に対しモノアシル型親水性乳化剤を0.001〜0.1%配合する請求項1又は2記載のレトルトパスタソースの製造方法。
  4. モノアシル型親水性乳化剤がリゾリン脂質である請求項3記載のレトルトパスタソースの製造方法。
  5. リゾリン脂質が卵黄リゾリン脂質である請求項4記載のレトルトパスタソースの製造方法。
JP2005332891A 2005-11-17 2005-11-17 レトルトパスタソースの製造方法 Active JP4749129B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005332891A JP4749129B2 (ja) 2005-11-17 2005-11-17 レトルトパスタソースの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005332891A JP4749129B2 (ja) 2005-11-17 2005-11-17 レトルトパスタソースの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007135460A true JP2007135460A (ja) 2007-06-07
JP4749129B2 JP4749129B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=38199060

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005332891A Active JP4749129B2 (ja) 2005-11-17 2005-11-17 レトルトパスタソースの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4749129B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010017121A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Q P Corp 蛋白質系素材のソテー煮込み用調味液
JP2011120522A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Q P Corp パスタソース
JP2012039897A (ja) * 2010-08-16 2012-03-01 Nisshin Foods Kk パスタソース用ルウ
JP2014103884A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Q P Corp ネギ科野菜ソース

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2512689C1 (ru) * 2012-12-27 2014-04-10 Олег Иванович Квасенков Способ производства томатного соуса "экзотика"
RU2510837C1 (ru) * 2012-12-27 2014-04-10 Олег Иванович Квасенков Способ приготовления томатного соуса "экзотика"
RU2513290C1 (ru) * 2012-12-27 2014-04-20 Олег Иванович Квасенков Способ производства томатного соуса "экзотика"
RU2510832C1 (ru) * 2012-12-27 2014-04-10 Олег Иванович Квасенков Способ приготовления томатного соуса "экзотика"

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05252914A (ja) * 1992-01-31 1993-10-05 Nippon Flour Mills Co Ltd 包装パスタソース
JPH067124A (ja) * 1992-06-26 1994-01-18 Dainippon Pharmaceut Co Ltd 湿熱処理澱粉を原料とするレトルト食品
JPH08322520A (ja) * 1995-05-30 1996-12-10 Q P Corp レトルトソース
JP2002300858A (ja) * 2001-01-31 2002-10-15 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 風味のすぐれたたれ・ソース類

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05252914A (ja) * 1992-01-31 1993-10-05 Nippon Flour Mills Co Ltd 包装パスタソース
JPH067124A (ja) * 1992-06-26 1994-01-18 Dainippon Pharmaceut Co Ltd 湿熱処理澱粉を原料とするレトルト食品
JPH08322520A (ja) * 1995-05-30 1996-12-10 Q P Corp レトルトソース
JP2002300858A (ja) * 2001-01-31 2002-10-15 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 風味のすぐれたたれ・ソース類

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010017121A (ja) * 2008-07-10 2010-01-28 Q P Corp 蛋白質系素材のソテー煮込み用調味液
JP2011120522A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Q P Corp パスタソース
JP2012039897A (ja) * 2010-08-16 2012-03-01 Nisshin Foods Kk パスタソース用ルウ
JP2014103884A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Q P Corp ネギ科野菜ソース

Also Published As

Publication number Publication date
JP4749129B2 (ja) 2011-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4749129B2 (ja) レトルトパスタソースの製造方法
JP4024155B2 (ja) 容器詰め水中油型乳化パスタソース
JP4926050B2 (ja) 酸性水中油滴型エマルジョン及びその食品への応用
JP3769239B2 (ja) 炒め物用調味料及びその製造方法
JP5132130B2 (ja) バジル入り緑色ソース又はスープの製造方法
CN106102483A (zh) 香料混合物、加热烹调用调味料及油炸食品用面衣材料
JP2011142832A (ja) 濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソース、及びこれらを用いたクリームスープ又はクリームソースの製造方法
WO2020004632A1 (ja) 冷凍餃子及びその製造方法
CN110325053A (zh) 用于涂覆和煎炸食物产品的烹饪助剂以及用于制备所述烹饪助剂的方法
JP5654836B2 (ja) クリーム状レトルト食品及びその製造方法
JP4630309B2 (ja) 酸性液状調味料
JP4085938B2 (ja) パスタソース
JP4889684B2 (ja) 液状調味料の製造方法
JP2010017121A (ja) 蛋白質系素材のソテー煮込み用調味液
JP4718524B2 (ja) 蛋白調整卵焼き
JP5140463B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品
JP5043053B2 (ja) 卵焼き用加工液卵及び卵焼き
JP4619332B2 (ja) パスタ入り加工食品の製造方法
CN108697132A (zh) 调味产品
JP6325353B2 (ja) 酸性水中油型乳化調味料
JPH11225713A (ja) レトルトホワイトソース及びその製造方法
JP5298870B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品の製造方法
JP5250144B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品
JP6608554B2 (ja) 炒め調理用調味油
JP7321737B2 (ja) 濃縮調味料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080402

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101214

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110517

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4749129

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250