JP2009189345A - 酸性液状調味料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸味を抑制したマヨネーズ、ドレッシング等の酸性液状調味料を提供する。
【解決手段】 茹卵を原料とする粉末卵であって、粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の分散液の粘度が5Pa・s以上であり、粉末卵1部を清水9部に分散させ、1時間経過させた時の分散液中の粉末卵の平均粒子径が80μm以下である粉末卵を配合する酸性液状調味料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸味を抑制したマヨネーズ、ドレッシング等の酸性液状調味料に関する。
酸性液状調味料とは、植物油、食酢、塩、香辛料等を基本とした、主として野菜サラダにかけるソースであり、乳化液状調味料、分離液状調味料、及びノンオイル調味料等が知られている。
ここで酸性液状調味料の酸味材としては、食酢の他、レモン、かぼす等の柑橘果汁、又はクエン酸等の有機酸が用いられるが、経済性の面から食酢が用いられることが一般的である。
食酢は、防腐、保存及び抗菌効果を有し、酸性液状調味料に配合し、酸性液状調味料のpHを4.6以下にすることで酸性液状調味料の常温流通を可能ならしめている。しかしながら、他の酸味材に比べ酸味を強く感じさせる問題点があり、食酢の含有量を減らすことなく酸味を抑制する方法が従来から研究されている。
食酢の酸味を抑制する方法として、γ−アミノ酪酸(GABA)を添加する方法(特許文献1)、及びリゾチームを添加する方法(特許文献2)が知られている。しかしながら、γ−アミノ酪酸(GABA)、及びリゾチームは高価であるため、経済性の観点から問題があった。また、酸味抑制についても、十分に満足できる効果を示すものではなかった。
特開2006−61089号公報 特開平9−224602号公報 特開2007−111009号公報 特開昭58−111663号公報
そこで、本発明の目的は、酸味を抑制したマヨネーズ、ドレッシング等の酸性液状調味料を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく酸性液状調味料に使用されている様々な配合原料、及び製造工程について鋭意研究を重ねた。その結果、殻付卵を加熱凝固させた茹卵を原料に製した粉末卵であって、当該粉末卵を水分散させた時の粘度及び平均粒子径がある特定範囲である粉末卵を配合することで、意外にも、酸性液状調味料の酸味抑制効果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)茹卵を原料とする粉末卵であって、粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の分散液の粘度が5Pa・s以上であり、粉末卵1部を清水9部に分散させ、1時間経過させた時の分散液中の粉末卵の平均粒子径が80μm以下である粉末卵を配合する酸性液状調味料、
(2)前記粉末卵の配合量が製品に対して0.1〜10%である(1)に記載の酸性液状調味料、
である。
なお、酸性液状調味料に粉末卵を配合することが知られている(特許文献3、4)。ここで特許文献3の粉末卵とは、特許文献3の明細書に記載の水不溶性乾燥卵粉粒子のことであり、卵黄を含む卵液を噴霧乾燥した後、得られた乾燥卵粉をほぼそのまま変性させることを特徴としている。また、特許文献4の粉末卵は、特許文献4の明細書に記載の鶏卵含有食品原料のことであり、卵黄液と卵白液を混合した卵液を加熱処理し、微細化処理した後、粉末化したことを特徴としている。
しかしながら、特許文献3、4に記載の粉末卵はどちらも酸性液状調味料の卵風味付与を目的に配合されており、酸性液状調味料の酸味抑制効果に関しては一切記載されていない。また、後述の比較例1、比較例2、及び試験例1で示すとおり、特許文献3、4に記載の粉末卵はどちらも、酸性液状調味料の酸味抑制効果に関して十分に満足できるものではなかった。
本発明によれば、酸味が抑えられて子供にも食べやすいマヨネーズ・ドレッシング等の酸性液状調味料を提供することができ、さらなる酸性液状調味料の需要拡大が期待される。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」を意味する。
本発明の酸性液状調味料とは、常温流通を可能ならしめるためにpHを4.6以下に調整された液状調味料である。このような本発明の酸性液状調味料としては、具体的には、例えば、マヨネーズ、乳化型ドレッシング等の乳化液状調味料、分離型ドレッシング等の分離液状調味料、ノンオイルドレッシング等のノンオイル調味料が挙げられる他、各種ソース類、タレ類が含まれる。
本発明の酸性液状調味料は、茹卵を原料とする特定の粉末卵を配合することを特徴としている。具体的には、本発明の酸性液状調味料は、茹卵を原料とし、粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の分散液の粘度が5Pa・s以上、好ましくは7Pa・s以上であり、粉末卵1部を清水9部に分散させ、1時間経過させた時の分散液中の粉末卵の平均粒子径が80μm以下、好ましくは70μm以下である粉末卵を配合することを特徴とし、これにより、酸性液状調味料の酸味抑制効果が得られる。すなわち、本発明の酸性液状調味料は、酸性液状調味料の酸味抑制効果を有する上記粉末卵を配合することに特徴を有することから、当該粉末卵について以下、詳述する。
まず、本発明で用いる粉末卵は、原料として茹卵を用いる必要がある。後述の比較例1、比較例2、及び試験例1で示すとおり、卵黄と卵白の比率が茹卵と同一である液全卵(卵黄液と卵白液の混合液)の乾燥処理物、あるいは加熱凝固物を原料として製した粉末卵は、本発明の特性の一つである上記平均粒子径を満たすことは可能である。しかしながら、液全卵の加熱凝固物を原料として製した粉末卵は、本発明で用いる粉末卵のもう一つの特性である上記粘度を満たさず、本発明のような酸性液状調味料の酸味抑制効果を有しないからである。
前記茹卵の原料として用いる殻付卵は、食用に供されるものであれば特に制限はなく、例えば、鶏卵、鶉卵、アヒル卵等が挙げられる。また、茹卵は、加熱凝固の程度が、卵白部の流動性が無い程度まで加熱凝固していればよい。したがって、本発明においては、卵黄部及び卵白部の流動性が無い程度まで加熱凝固した固茹での茹卵はもちろんのこと、卵白部は流動性が無い程度まで加熱凝固しているが、卵黄部の一部に流動性が残る程度までしか加熱凝固していない半熟状の茹卵を用いてもよい。このような茹卵を製するには、具体的には、例えば、殻付卵をそのまま85〜100℃の熱水中で5〜20分間加熱処理して中身を加熱凝固させた後冷却し、殻を除去する方法等が挙げられる。前記加熱処理方法は、他の方法、例えば、マイクロ波加熱等を用いてもよい。
本発明で用いる粉末卵は、上述した茹卵を用いて製したものであって、粉末卵の特性の一つとして、粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の分散液の粘度が5Pa・s以上、好ましくは7Pa・s以上を呈する。
粉末卵の分散液の粘度が上記値より低いと、たとえ後述するもう一つの特性である平均粒子径を満たしたとしても、本発明の目的である酸性液状調味料の酸味抑制効果が十分に得られ難く好ましくない。本発明において前記粘度は、より高い方が酸性液状調味料の酸味抑制効果に優れており、本発明は、その上限を規定するものではないが、酸性液状調味料への配合し易さを考慮し、上記粘度が好ましくは500Pa・s以下、より好ましくは400Pa・s以下である。
上記粘度は、粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の粘度であるが、以下の具体的な手順で測定した値である。すなわち、20℃のイオン交換水300gが入った家庭用ミキサー(オスター(Oster)社製、型番4049)を攪拌させながら泡立たないように粉末卵75gを徐々に添加し、更に泡立たないように攪拌して粉末卵が均一に分散していることを目視で確認し、粉末卵の分散液を調製する。次に、前記粉末卵の分散液300gを300mL容量用のビーカーに移し、20℃で1時間保管する。続いて、保管後の分散液を薬さじで軽く攪拌して略均一に分散させた後、当該分散液の粘度を測定する。粘度の測定条件は、上記分散液の粘度が20Pa・s未満のときは、BH型粘度計((株)東京計器製)及びローターNo.5を用いて、品温20℃、回転数4rpmの条件で、測定開始3回転後の示度により粘度を求める。また、上記分散液の粘度が20Pa・s以上のときは、T−バーステージ(東機産業(株)、TS−10形)及びTバースピンドル(T−C)を用いて、品温20℃、回転数4rpm、送り速さ20mm/分の条件で、測定開始3回転後の示度により粘度を求める。
本発明で用いる粉末卵は、上述した粘度特性に加え次のような特性を併せ持つ。すなわち、本発明で用いる粉末卵は、粉末卵1部を清水9部に分散させ、1時間経過させた時の分散液中の粉末卵の平均粒子径が80μm以下、好ましくは70μm以下を呈する。
分散液中の粉末卵の平均粒子径が上記値より高いと、たとえ上述した粘度特性を満たしたとしても、本発明の目的である酸性液状調味料の酸味抑制効果が十分に得られ難く好ましくない。本発明において前記平均粒子径は、より低い方が酸性液状調味料の酸味抑制効果に優れており、本発明は、平均粒子径の下限を規定するものではないが、あまり小さくしすぎても製造コストが増大するので工業的規模での生産性を考慮し、前記平均粒子径は1μm以上が好ましい。
上記平均粒子径は、上述した粘度測定と水希釈率は異なるものの粉末卵を清水に分散させ、1時間経過させた時の分散液を測定用試料とするものである。したがって、粘度測定と同様、以下の具体的な手順で平均粒子径の測定用試料を調製する。すなわち、20℃のイオン交換水675gが入った家庭用ミキサー(オスター(Oster)社製、型番4049)を攪拌させながら泡立たないように粉末卵75gを徐々に添加し、更に泡立たないように攪拌して粉末卵が均一に分散していることを目視で確認し、粉末卵の分散液を調製する。次に、前記粉末卵の分散液300gを300mL容量用のビーカーに移し、20℃で1時間保管する。続いて、保管後の分散液を薬さじで軽く攪拌して略均一に分散させ、粉末卵の分散液を調製し、これを平均粒子径の測定用試料とする。そして、前記測定用試料をレーザ回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、商品名「SALD−2000A」)で超音波をあてながら3分以内に分散液中の粉末卵の平均粒子径を測定する。
本発明におけ上記粉末卵の配合量は、製品に対して好ましくは0.1〜10%、より好ましくは0.3〜10%である。前記範囲より粉末卵の配合量が少ないと、本発明の酸味抑制効果が充分に得られ難く、前記範囲より配合量を多くしたとしても、配合量に応じた効果が期待し難く経済的でない。
次に、本発明の酸性液状調味料で用いる粉末卵の代表的な製造方法に詳述する。なお、粉末卵の製造方法は、茹卵を原料とし、上述した二つの特性を満たす粉末卵が得られる方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、以下のようにして本発明で用いる粉末卵を製造できる。
まず、殻付卵をそのまま85℃〜100℃の熱水中で5〜20分間加熱処理して中身を加熱凝固させた後、冷水等を用いて冷却し、次いで、殻を除去して茹卵を調製する。
続いて、得られた茹卵を、例えば、コミトロール、サイレントカッター、マスコロイダー、チョッパー、ミキサー、ニーダー等により截断してペースト化処理を施す。ペースト化処理の程度は、次工程の均質化処理装置で処理できる程度行えばよく、具体的には、ペースト化処理物の大きさが、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.5mm以下となるように処理するとよい。
続いて、得られた茹卵のペースト化処理物を均質化処理装置で均質化処理を施す。均質化処理装置としては、例えば、高圧ホモゲナイザー、高速ホモゲナーザー、コロイドミル等が挙げられる。特に、高圧ホモゲナーザーは、本発明の目的とする加工食品の保形性向上効果を有した粉末卵が得られ易いことから好ましい。均質化処理の具体的な処理条件を、高圧ホモゲナイザーを例に述べると、圧力(ゲージ圧)が好ましくは10MPa以上、より好ましくは15MPa以上である。圧力が前記値より低いと、酸性液状調味料の酸味抑制効果を有した粉末卵が得られ難く好ましくないからである。また、本発明は、圧力の上限を特に規定するものではないが、高圧ホモゲナイザーの装置の規模や処理能力を考慮し、150MPa以下が好ましく、100MPa以下がより好ましい。
なお、本発明は、茹卵をペースト化処理する際、ペースト化処理物を均質化処理する際、あるいはペースト化処理後に、必要に応じ清水を加水してもよい。加水量としては、上述した処理のし易さ、後述の乾燥処理の生産効率を考慮し、茹卵1部に対し清水を好ましくは0.1〜15部、より好ましくは0.2〜10部である。
最後に、得られた均質化処理物を水分10%以下となるように乾燥処理を施し、本発明で用いる粉末卵を製する。水分10%以下となるように乾燥処理を施すことにより、はじめて本発明の目的とする酸性液状調味料の酸味抑制効果を付与できる。乾燥処理は任意の方法を用いることができ、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、マイクロ波乾燥、熱風乾燥、パンドライ等が挙げられるが、本発明の効果を奏し易い噴霧乾燥が好ましい。また、粉末卵の水分量は、五訂日本食品標準成分表マニュアルに記載されている常圧加熱乾燥法の直接法に準じ測定する。なお、得られた粉末卵は、必要に応じ粉砕処理を施してもよい。
本発明の酸性液状調味料には上記粉末卵以外に本発明の効果を損なわない範囲で当該食品に一般的に使用されている各種原料を適宜選択し配合させることができる。例えば、食酢、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖、醤油、味噌等の各種調味料、各種エキス、菜種類、コーン油、綿実油、サフラワー油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等の食用油脂、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の増粘材、全卵、卵黄、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC若しくはホスフォリパーゼDで酵素処理した卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、ラクトアルブミン、カゼインナトリウム等の乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、色素、香味食材や各種野菜のおろし、ペースト状物、截断物等の具材の粉砕物等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[実施例1]
<粉末卵の製造方法>
殻付生卵(鶏卵、MSサイズ)を95℃の熱水に投入し、15分間加熱して凝固させた後、4℃の冷水で冷却して殻を剥き茹卵を得た。次に、得られた茹卵に等質量の清水を加え、コミットロール(アーシェル社製、モデルナンバー1700、212ブレード)でペースト化処理を施した。次に、得られたペースト化処理物を高圧ホモゲナイザーで圧力(ゲージ圧)20MPaで均質化処理を施した。次に、得られた均質化処理物を遠心アトマイザー方式の噴霧乾燥装置(ニロ(NIRO)社製、型番プロダクションマイナ型)を用いアトマイザー回転速度1800rpm、送風温度160℃、排風温度65℃の条件で乾燥処理を施し、本発明で用いる粉末卵を得た。
得られた粉末卵は、段落[0020]に準じ粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の分散液の粘度が14.1Pa・sであり、段落[0023]に準じ粉末卵1部を清水9部に分散させ、1時間経過させた時の分散液中の粉末卵の平均粒子径が60μmであった。また、粉末卵の水分量は5%であった。
<酸性乳化液状調味料の製造方法>
下記の配合割合に準じ、まず植物油以外の原料をミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、当該水相部を攪拌させながら油層の植物油を徐々に注加して粗乳化物を製した。得られた粗乳化物を更に高速で攪拌して仕上げ乳化した後、250mL容量のポリエチレンテレフタレート製の容器(以下、PET容器)に充填し、酸性乳化液状調味料を製した。
<酸性乳化液状調味料の配合割合>
(油相)
植物油 50%
(水相)
食酢(酸度5%) 10%
グラニュー糖 5%
卵黄 3%
粉末卵(実施例1) 2%
食塩 2.5%
グルタミン酸ソーダ 0.2%
キサンタンガム 0.1%
香辛料 0.1%
清水 残余
――――――――――――――――――
合計 100%
得られた酸性乳化液状調味料を喫食したところ、酸性乳化液状調味料の酸味が十分に抑えられていた。
[比較例1]
特開平3−206866号公報(特許文献3)記載に基づいて、液全卵を、実施例1と同じ条件で噴霧乾燥装置による乾燥処理を施した乾燥全卵を95℃5分間スチーム加熱して比較用粉末卵1を得た。次に、実施例1の酸性乳化液状調味料において、実施例1で用いた粉末卵を前記比較用粉末卵1に置換した以外は、実施例1と同様の方法で酸性乳化液状調味料を製した。
得られた比較用粉末卵1は、段落[0020]に準じ粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の分散液の粘度が13mPa・sであり、段落[0023]に準じ粉末卵1部を清水9部に分散させ、1時間経過させた時の分散液中の粉末卵の平均粒子径が65μmであった。また、比較用粉末卵1の水分量は5%であった。
[比較例2]
常法により、鶏卵を割卵して殻を取り除いた後、混合して液全卵(pH7.8)を得た。これを耐熱性パウチに充填後の包装体の厚さが3cmとなるように充填密封した後、ボイル槽で95℃15分間加熱して凝固させた後、4℃の冷水で冷却して加熱凝固卵を得た。次に、得られた加熱凝固卵をパウチから取り出して等質量の清水を加え、実施例1と同じ条件で、コミトロールでのペースト化処理、高圧ホモゲナイザーによる均質化処理、噴霧乾燥装置による乾燥処理を施し、比較用粉末卵2を得た。次に、実施例1の酸性乳化液状調味料において、実施例1で用いた粉末卵を前記比較用粉末卵2に置換した以外は、実施例1と同様の方法で酸性乳化液状調味料を製した。
得られた比較用粉末卵2は、段落[0020]に準じ粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の分散液の粘度が3.4Pa・sであり、段落[0023]に準じ粉末卵1部を清水9部に分散させ、1時間経過させた時の分散液中の粉末卵の平均粒子径が62μmであった。また、比較用粉末卵2の水分量は5%であった。
[試験例1]
実施例1(茹卵を原料とした粉末卵を配合)、比較例1(液全卵の乾燥処理物を原料とした比較用粉末卵1を配合)、及び比較例2(液全卵の加熱凝固物を原料とした比較用粉末卵2を配合)で得られた酸性乳化液状調味料を用いて、原料の卵の違いによる粉末卵の酸性液状調味料に対する酸味抑制効果への影響を調べた。具体的には、得られたそれぞれの酸性乳化液状調味料を喫食して、酸味抑制効果を評価した。
「酸性乳化液状調味料に対する酸味抑制効果」の評価
ランク:基準
A: 酸味が十分に抑制されている
B: 酸味が問題ない程度に抑制されている
C: 酸味が抑制されていない
Figure 2009189345
表1より、殻付卵のまま加熱凝固した茹卵を原料とした粉末卵を用いないと、酸性乳化液状調味料の酸味抑制効果が得られないことが理解される。
[試験例2]
粉末卵の分散液の粘度、及び分散液中の粉末卵の平均粒子径の違いによる粉末卵の酸性液状調味料に対する酸味抑制効果への影響を調べた。なお、評価は、実施例1の酸性乳化液状調味料の製造方法に準じて各種粉末卵を配合して製造し、得られる酸性乳化液状調味料を試験例1の評価方法により評価した。また、表中、粘度は段落[0020]、平均粒子径は段落[0023]に準じて測定した値である。
<各粉末卵の製造方法>
各粉末卵は、実施例1において高圧ホモゲナイザーの圧力(ゲージ圧)条件及び噴霧乾燥装置のアトマイザーの回転速度を調整し、それ以外は、実施例1と同様の方法で処理し、粉末卵a〜hを製造した。
Figure 2009189345
表2より、粉末卵の分散液の粘度が5Pa・s以上、及び分散液中の粉末卵の平均粒子径が80μm以下でないと酸性乳化液状調味料の酸味抑制効果を有さないことが理解される。特に、粉末卵の分散液の粘度が7Pa・s以上、及び分散液中の粉末卵の平均粒子径が70μm以下の粉末卵は、酸性乳化液状調味料の酸味抑制効果に優れていた。
[試験例3]
粉末卵の配合量の違いによる粉末卵の酸性液状調味料に対する酸味抑制効果への影響を調べた。実施例1において粉末卵の配合量を表3に示す割合で配合した以外は、実施例1と同様の方法で容器詰め酸性乳化液状調味料を製し、得られる酸性乳化液状調味料を試験例1の評価方法により評価した。
Figure 2009189345
表3より、酸性液状調味料に対する粉末卵の配合量は、製品に対し好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.3%以上であることがわかる。
[実施例2]
下記の配合に準じ、まず乳化相部において植物油以外の原料をミキサーで均一に混合した後、当該混合液を攪拌させながら植物油を徐々に注加して粗乳化物を製し、更に高速で攪拌して仕上げ乳化を行い乳化相部を調製した。そして、分離液状調味料の容量が250mLとなるように250mL容量のPET容器に上記乳化相部を充填した後に、残りの油相部である植物油を充填して乳化相部に油相部を積層させ、次いで密栓し、乳化相を有する分離液状調味料を製した。
<分離液状調味料の配合割合>
(油相部)
植物油 10%
(乳化相部)
植物油 20%
食酢(酸度5%) 13%
ブドウ糖果糖液糖 10%
卵黄 3%
粉末卵(実施例1) 2%
食塩 2.5%
グルタミン酸ソーダ 0.2%
キサンタンガム 0.2%
香辛料 0.1%
清水 残余
―――――――――――――――――――
合計 100%
得られた分離液状調味料を上下に振って一時的に乳化させた後、喫食したところ、分離液状調味料の酸味が抑えられていた。

Claims (2)

  1. 茹卵を原料とする粉末卵であって、粉末卵1部を清水4部に分散させ、1時間経過させた時の分散液の粘度が5Pa・s以上であり、粉末卵1部を清水9部に分散させ、1時間経過させた時の分散液中の粉末卵の平均粒子径が80μm以下である粉末卵を配合することを特徴とする酸性液状調味料。
  2. 前記粉末卵の配合量が製品に対して0.1〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の酸性液状調味料。
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