JP3844011B2 - 水中油型乳化食品 - Google Patents

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Description

本発明は、水中油型乳化食品及びその製造方法に関し、特に植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体を含有する水中油型乳化食品及びその製造方法に関する。
植物ステロール及びその飽和型である植物スタノールは、血中の総コレステロール濃度及び低密度リポ蛋白質−コレステロール濃度を低下させることが知られており、また、食品としての安全性も有する。植物ステロールは、植物油脂、大豆、小麦等に含まれているのでヒトは日常的に摂取していることになるが、その摂取量は僅かであることから、近年、植物ステロールを食品原料として利用することへの期待が高まっている。
しかしながら、植物ステロールは、常温で固体であり(融点140℃前後)、水に溶解せず、油性成分へも溶解し難く、また、植物ステロールの粉体を単に各種食品に添加しただけでは植物ステロールの粉体の粒子同士が凝集し、食品の舌触りがざらつくという問題がある。そのため、食品への利用方法が種々検討されている。
例えば、植物ステロールを含むマヨネーズ等の水中油型乳化物を得るために、植物ステロールを油脂に溶解して油相とし、一方、酵素処理卵黄と水から水相を形成し、水相を撹拌しつつ油相を添加混合して乳化物を得ること(特許文献1)、リン脂質とステロールとを有機溶媒に溶解し、その有機溶媒を除去することによりリン脂質とステロールを同時に析出させてこれらの複合体を得、この複合体を乳化剤として使用すること(特許文献2)などが提案されている。
特開2002−171931号公報 特開平4−149194号公報
しかしながら、植物ステロールを一旦油脂に溶解して水中油型乳化物を得る方法(特許文献1)では、得られた水中油型乳化物の乳化安定性が低く、長期保存又は物理的な刺激が加わることにより分離し易いという問題がある。
また、植物ステロールとリン脂質から得られた複合体(特許文献2)を使用する方法では、この複合体が単に植物ステロールとリン脂質を混合しただけでは得られず、この複合体を製造するために、植物ステロールとリン脂質を有機溶媒に溶解させた後、瞬間的に有機溶媒を除去することが必要であるため、真空下で溶媒を気化させる噴霧乾燥装置を使用する。この装置は、防爆型で大規模なものとなるので複合体の製造コストが上昇するという問題がある。また、この複合体は植物ステロールに対するリン脂質の含有量が高い。そのため、水中油型食品中の植物ステロール含量を高めようとすると、リン脂質含量も高くなり、リン脂質の好まれざる風味が水中油型食品の風味に影響する。
これに対し、本発明は、植物ステロールの含有量を高くしても乳化安定性に優れ、植物ステロール由来のざらつき感のない滑らかな食感を呈する水中油型乳化食品を得ることを目的とする。
本発明者は、(i)卵黄と粉末状の植物ステロールとを水系媒体中で撹拌混合するとこれらが均一に分散すること、(ii)この場合、撹拌混合時の卵黄の希釈率が高いと、撹拌混合後静置することにより、撹拌混合前には水面に浮いていた植物ステロールが沈澱すること、(iii)この沈殿物は相互に凝集することなく、ざらつきのない滑らかな食感を呈し、分離乾燥後、水系媒体に再度分散させると、当初の植物ステロールとは異なって分散性が著しく向上していること、さらに、沈澱が生じた撹拌混合液の上澄みからは、当初卵黄中に存在していた卵黄リポ蛋白質が消失していることから、この沈殿物は植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体であると考えられること、(iv)この植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体を水中油型乳化食品に含有させた場合には、該複合体の含有量が相当に多くても、水中油型乳化食品は長期保存安定性を有し、また、物理的な刺激によっても水相と油相とに分離することはなく、また、滑らかな食感を呈するという知見を得た。
即ち、本発明は、
(1) 植物ステロール卵黄リポ蛋白質との複合体として添加した水中油型乳化食品であって、該複合体は、該複合体を0.9%食塩水に植物ステロール濃度15%となるように分散させ、超音波を1分間照射し、室温で1時間静置した場合に、分散液に浮上層を生じさせない分散性を有する水中油型乳化食品
特に、この水中油型乳化食品において、
(2) 複合体を形成する卵黄リポ蛋白質が、リゾ化卵黄、脱コレステロール卵黄、又はリゾ化脱コレステロール卵黄に含まれるリポ蛋白質である態様、
(3) 複合体の植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1質量部に対して植物ステロール232質量部以下である態様、
(4) 水中油型乳化食品がリゾリン脂質を含有する態様、
(5) リゾリン脂質の含有量が0.3%以上である態様を提供する。
また、本発明は、上述の水中油型乳化食品の製造方法として、
(6)少なくとも、卵黄リポ蛋白質と植物ステロールを撹拌混合して複合体の分散液を調製する工程と、複合体の分散液に油相原料を加えて乳化処理する工程とを有する方法、特に、この水中油型乳化食品の製造方法において、
(7)複合体の分散液を調製する工程で、水系媒体及び/又はリゾリン脂質を加える態様、(8)複合体の分散液を調製後、リゾリン脂質及び/又は水相原料を加えて撹拌混合する工程を有する態様、
(9)卵黄リポ蛋白質1質量部に対して植物ステロール232質量部以下を使用して複合体の分散液を調製する態様、
(10)卵黄リポ蛋白質として卵黄液を使用する態様、
(11)卵黄リポ蛋白質として卵黄希釈液を使用する態様、
(12)卵黄固形分1質量部に対して、植物ステロール185質量部以下を使用する態様、
(13)植物ステロールの平均粒径が50μm以下である態様を提供する。
本発明の水中油型乳化食品は、植物ステロールを卵黄リポ蛋白質との複合体として含有しているため、一般に水中油型乳化食品に対し植物ステロールを含有させることにより生ずる、舌触りのざらつきや油相の分離といった問題が生じ難いものである。すなわち、植物ステロールの粒子が卵黄リポ蛋白質で取り囲まれた状態で水中油型乳化食品中に分散しているので、植物ステロールの粒子同士が凝集し難く、その結果、舌触りが滑らかで、乳化安定性の高い水中油型乳化食品が得られたものと推察される。
この効果は、複合体の卵黄リポ蛋白質として、リゾ化卵黄、リゾ化脱コレステロール卵黄等の加工卵黄を使用した場合に顕著に向上する。
さらに、複合体の卵黄リポ蛋白質として、脱コレステロール卵黄やリゾ化脱コレステロール卵黄等の加工卵黄を使用した場合には、卵黄リポ蛋白質中に含まれるコレステロールが除去されているので、この複合体を用いた本発明の水中油型乳化食品は、血中の総コレステロール濃度及び低密度リポ蛋白質−コレステロール濃度を低下させるという植物ステロールの摂取目的に、一層かなうものとなる。
また、本発明の水中油型乳化食品の製造方法によれば、本発明の水中油型乳化食品を効率的に大量生産することができる。
[図1]図1は、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体の調製方法を示すフローシートである。
[図2]図2は、植物ステロールと卵黄から複合体を形成した場合における、植物ステロールと卵黄固形分との比率と、複合体の分散液の上澄みの吸光度との関係図である。
[図3]図3は、植物ステロールと卵黄を撹拌混合することにより得た複合体の分散液の濾液の電気泳動パターンである。
[図4]図4は、複合体の電子顕微鏡写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は、特にことわらない限り「質量%」を意味する。
本発明において、卵黄とは、割卵して卵白と分離した卵黄液、乾燥卵黄、冷凍卵黄、加熱殺菌卵黄等の希釈していない種々の形態の卵黄をいう。この卵黄には、リゾ化、脱コレステロール化、リゾ化脱コレステロール化等の種々の処理を行った加工卵黄も含まれる。
卵黄液とは、割卵して卵白と分離したもの、加熱殺菌卵黄、冷凍卵黄を解凍したもの、乾燥卵黄粉を通常の卵黄程度に水戻ししたもの、また、リゾ化、脱コレステロール化、リゾ化脱コレステロール化等の種々の処理をした卵黄であって、希釈していない液状の卵黄をいう。
卵黄希釈液とは、上述の卵黄を清水、卵白液、調味料(例えば、醤油、だし汁)等の水系媒体で希釈したものをいう。
卵黄リポ蛋白質は、蛋白質と、親水部分と疎水部分を有するリン脂質、及びトリアシルグリセロールやコレステロール等の中性脂質とからなる複合体である。この複合体は、蛋白質やリン脂質の親水部分を外側にし、疎水部分を内側にして、中性脂質を包んだ構造をしている。この卵黄リポ蛋白質は、卵黄の主成分であって卵黄固形分中の約80%を占める。卵黄固形分は、割卵して卵白と分離した卵黄液の約50%(工業的に割卵した場合には、卵白混入により約45%)を占めるから、卵黄リポ蛋白質は卵黄液の36〜40%となる。
リゾ化卵黄に含まれる卵黄リポ蛋白質は、上述の卵黄リポ蛋白質を構成するリン脂質の一部又は全部が、加水分解されてリゾリン脂質となっているものである。本発明の複合体においてリゾ化卵黄に含まれる卵黄リポ蛋白質を用いると、植物ステロールの分散性を顕著に向上させることができるので好ましい。
リゾ化卵黄は、生卵黄、あるいは乾燥卵黄粉を水戻しする等により得られる卵黄液を、酵素処理してその含有リン脂質をリゾ化することにより得られる。酵素処理に使用する酵素としては、ホスホリパーゼA(ホスホリパーゼA、ホスホリパーゼA)を用いるのが一般的である。卵黄をホスホリパーゼAで処理することにより、卵黄の主成分である卵黄リポ蛋白質の構成リン脂質にホスホリパーゼAが作用し、そのリン脂質の1位あるいは2位の脂肪酸残基が加水分解されてリゾリン脂質となったものを得ることができる。
酵素処理条件は、例えば、ホスホリパーゼAを使用する場合、その使用量を卵黄1kg当たり酵素活性10〜10ユニット程度とし、温度45〜55℃、pH6〜8の条件下で2〜12時間程度反応させればよい。また、本発明において好ましいリゾ化率(酵素処理後におけるリゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの合計質量に対するリゾホスファチジルコリンの質量割合)は、イヤトロスキャン法(TLC−FID法)で分析した場合に、10%以上、より好ましくは30%以上である。なお、90%を超えると苦味を呈する傾向がある。
一方、脱コレステロール卵黄とは、卵黄中に存在するコレステロールを減少させ、あるいは除去した加工卵黄である。なお、生の卵黄のコレステロール含量は約1.2%である。本発明の複合体において脱コレステロール卵黄を使用すると、植物ステロールの分散性を向上させることができ、また、複合体の摂取に伴うコレステロールの摂取を低減させることができるので、好ましい。
卵黄の脱コレステロール処理としては、超臨界二酸化炭素を用いる方法が効率的であり、その際、脱コレステロール処理する卵黄液を予め乾燥しておくことが、脱コレステロール処理をより効率的に行う点から好ましい。この場合の乾燥手段は特に限定されず、例えば噴霧乾燥、凍結乾燥等の方法で、脱糖卵黄の水分含量を1〜6%程度にすればよい。この乾燥処理により卵黄中のコレステロールも濃縮されて、含有量が2〜3%程度になる。
また、脱コレステロール処理する卵黄液は、予め、脱糖処理をしておけば、得られる脱コレステロール乾燥卵黄が褐変し難く鮮やかな色彩のものとすることができるので好ましい。脱糖処理には、細菌、酵母、酵素を使用する方法等があり、例えば、酵母を使用する場合には、卵黄液に酵母を0.2%程度添加し、30℃の恒温室にて攪拌しながら3時間保管して脱糖を行い、60℃に達した後その温度で3分間保持して発酵を停止させ、冷却することにより脱糖卵黄液を得ることができる。生の卵黄液には遊離のグルコースが約0.2%含まれているが、かかる脱糖処理により、0.02〜0.1%程度にまで低減させることができる。
次に、超臨界二酸化炭素を用いた脱コレステロール処理では、31.0℃の臨界温度あるいはそれ以上の温度、および7.14MPaの臨界圧あるいはそれ以上の圧力の条件下にある二酸化炭素、特に、温度35〜45℃、及び圧力13〜50MPaの条件下にある超臨界二酸化炭素を用いて卵黄を処理する。この超臨界二酸化炭素を用いた脱コレステロール処理自体は、従来法に準じて行えばよい。それにより、例えば、処理後の脱コレステロール乾燥卵黄中のコレステロール含有量を0.1〜1.0%程度とする。
なお、卵黄からコレステロールを除去する他の方法としては、卵黄を食用油と混合し、次いで食用油を分離除去する操作を1回から数回行う方法を用いることもできる。
また、本発明においてコレステロール含有量の測定方法は、科学技術庁資源調査会食品成分部会「日本食品標準成分表分析マニュアル」(平成9年1月発行)に記載の「コレステロール定量法A」に準拠した。
リゾ化脱コレステロール卵黄は、上述のリゾ化卵黄を超臨界二酸化炭素等で脱コレステロール処理したものである。超臨界二酸化炭素による脱コレステロール処理を上述と同様に行うことにより、処理後の加工乾燥卵黄中のコレステロール含有量が0.1〜1.0%程度になるようにするのが好ましい。
一方、植物ステロールは、コレステロールに類似した構造をもち、植物の脂溶性画分に数%存在し、融点が約140℃前後であり、常温で固体である。本発明で用いる植物ステロールの種類については特に制限はなく、例えば、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロール等を挙げることができる。また、植物ステロールの飽和型である植物スタノールも、天然物の他、植物ステロールを水素添加により飽和させたものを使用することができる。
なお、本発明において、植物ステロールは所謂遊離体を主成分とするが、若干量のエステル体等を含有していてもよい。
本発明に用いる植物ステロールの形態としては、フレーク状或いは粉体の状態で市販されているものを用いることができるが、平均粒子径が50μm以下、特に10μm以下の粉体を使用することが好ましい。平均粒子径が50μmを超えるフレーク状あるいは粉体の植物ステロールを用いる場合には、卵黄と撹拌混合して複合体を製造する際に、均質機(T.K.マイコロイダー:特殊機化工業社製、コミトロール:URSCHEL社製等)を用いて平均粒子径を小さくしつつ撹拌混合が行われるようにすることが好ましい。これにより、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が形成され易くなり、分散性が向上し、また、口当たりが滑らかとなる。
なお、植物ステロールの平均粒子径の測定方法としては、20℃の清水と植物ステロールとを混合し、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所製、SALD−200VER)にて測定し、体積換算する方法がある。
植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体は、上述の植物ステロールと卵黄リポ蛋白質とを、好ましくは水系媒体中で撹拌混合することにより得られる。この複合体は、両親媒性をもつ卵黄リポ蛋白質が、その疎水部分を疎水的な植物ステロールの表面に付着させ、親水部分を外側(水側)に向けて植物ステロールを覆ったものであり、これにより、複合体は表面が親水化されて水分散可能となり、相互に凝集することがなく、水相中に安定に分散し、また、相互に凝集しないため、水中油型乳化食品に含有させてもざらつき感が生じにくいと推察される。
なお、従来、植物ステロールの乳化物を得るためにリン脂質が使用されており(特許文献2参照)、一方、卵黄にはリン脂質(卵黄リン脂質)が含まれている。しかしながら、卵黄中のリン脂質は蛋白質と結合した卵黄リポ蛋白質の形態で存在するため、卵黄中で複合体を形成しているリン脂質と、特許文献2に記載されているリン脂質とでは、植物ステロールに対する作用が全く異なる。即ち、卵黄リポ蛋白質が植物ステロールと水系媒体中で撹拌混合するだけで複合体を形成するのに対し、リン脂質単独では、卵黄リポ蛋白質のように植物ステロールと撹拌混合するだけで複合体を形成することはないと推察される(実施例5参照)。
本発明において、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質とを撹拌混合する具体的な態様としては、卵黄リポ蛋白質として、卵黄を水系媒体で適宜希釈した卵黄希釈液を使用することが好ましい。この場合、割卵して卵白と分離した卵黄液は植物ステロールと撹拌混合する際に、必ずしも水系媒体で希釈する必要はないが、乾燥卵黄は水系媒体で希釈して使用する。これにより、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の攪拌が容易となり、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が形成され易くなるので望ましい。ここで、水系媒体の割合が少な過ぎると相対的に植物ステロールの割合が高まり、卵黄希釈液の粘度が高くなるので攪拌に長時間を要し、反対に水系媒体の割合が多すぎると複合体に占める卵黄リポ蛋白質の割合が過度に少なくなり、複合体の水系媒体に対する分散性が低下するので好ましくない。
卵黄希釈液の調製に使用する水系媒体としては、例えば、清水の他に卵白液、調味料(例えば、醤油、だし汁)等を挙げることができる。なお、水系媒体にはサラダ油等の食用油脂やアルコールを少量添加することも可能である。
卵黄と植物ステロールとを水系媒体中で撹拌混合して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体を形成するにあたり、卵黄は植物ステロールに対して極少量を使用しても、複合体の水系媒体への分散性を向上させることができる。例えば、植物ステロール100質量部を水に分散させるために、卵黄固形分は0.54質量部以上あればよく、言い換えれば、卵黄固形分1質量部に対して植物ステロール185質量部以下とすればよい(実施例2参照)。なお、卵黄固形分中に卵黄リポ蛋白質は約8割存在するから、上述の割合で植物ステロールと卵黄とを撹拌混合することにより、卵黄リポ蛋白質1質量部に対して植物ステロール232質量部以下の複合体を得ることができる。
植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体の代表的な製造方法は次の通りである。
まず、鶏卵を割卵して卵白を取り除き、卵黄を取り出して卵黄液とする。次に、卵黄液と清水等の水系媒体を攪拌混合して、卵黄液を希釈する。卵黄液を希釈しなくても、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体を調製することはできるが、水分が少ないと植物ステロールの添加量が多くなるにつれて高粘度となり、撹拌に大きな力と長い時間を要するので、卵黄リポ蛋白質1質量部に対する植物ステロールの比率を高める必要がある場合には、適宜、卵黄液を清水等の水系媒体で希釈し、卵黄希釈液とすることが望ましい。
次に、卵黄希釈液と植物ステロールとをホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、T.K.マイコロイダー(特殊機化工業社製)等の均質機を用いて、全体が均一になるまで混合撹拌し(例えば、10000rpm、5〜20分間)、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体を調製する。攪拌混合時の温度は、常温(20℃)でもよいが、45〜55℃に加温しておくとより望ましい。
得られた複合体は、本発明の水中油型乳化食品において、分散液の状態で用いることができるが、長期保存用に凍結乾燥、噴霧乾燥等により乾燥粉体とした複合体を用いてもよい。
本発明の水中油型乳化食品は、水相原料と油相原料とが水中油型に乳化されてなる乳化物である。すなわち、水相中に油滴が分散された状態にある乳化物であり、具体的には、マヨネーズ、低カロリーのマヨネーズ様乳化食品、タルタルソース、乳化タイプのドレッシング等が挙げられる。水相と油相の割合は、前者10〜90%に対して後者90〜10%程度でよいが、一般的には、前者20%〜70%に対して後者80%〜30%程度である。
本発明の水中油型乳化食品は、上述の植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体を、主として水相中に含有している。水中油型乳化食品中の複合体の含有量は、水中油型乳化食品に含有させる植物ステロールの量に対応するが、一般に、人間の血中コレステロール量を低下させるために必要な植物ステロールの摂取量は0.4g以上、より好ましくは0.7g以上と言われており、また、日本人が一回の食事で食するマヨネーズは約15gであるため、本発明の水中油型乳化食品においても、その15g中に0.4g以上より好ましくは0.7g以上の植物ステロールを配合すること、すなわち植物ステロールの配合量を2.7%以上より好ましくは4.7%以上とし得る量の複合体を含有させることが好ましい。
植物ステロールがこのような量となる複合体を含有させても、本発明の水中油型乳化食品では、上述のとおり、植物ステロールが卵黄リポ蛋白質との複合体の状態にあるため、従来、水中油型乳化食品において植物ステロールを含有させることにより生ずる、舌触りのざらつきや油相の分離といった問題が生じ難いものである。すなわち、植物ステロールの粒子が卵黄リポ蛋白質で取り囲まれた状態で水中油型乳化食品中に分散しているので、植物ステロールの粒子同士が凝集し難く、その結果、舌触りが滑らかで、乳化安定性の高い水中油型乳化食品が得られたもの推察される。
また、本発明の水中油型乳化食品では、リゾリン脂質を含有させると、さらに乳化安定性が向上し好ましい。
ここで、リゾリン脂質とは、リン脂質に酵素ホスフォリパーゼA1或いはホスフォリパーゼA2を作用させて加水分解し、1位或いは2位のアシル基を脱アシル化した、所謂リゾ化させたリン脂質である。リン脂質は、蛋白質と結合しているリポ蛋白質とは区別されるため、リポ蛋白質をリゾ化させたものは、ここでいうリゾリン脂質には含まれない。
本発明においては、リゾリン脂質そのものを使用してもよいが、トリグリセリド、コレステロール、リン脂質等の他の脂質成分をも含有した一般に卵黄リゾレシチン、大豆リゾレシチン、酵素処理卵黄レシチン、酵素処理大豆レシチン、酵素処理卵黄油等と称されるものを使用することも可能である。この場合には、これら脂質混合物中のリゾリン脂質の部分が本発明にいうリゾリン脂質に相当する。
リゾリン脂質を含有する本発明の水中油型乳化食品は、水中油型乳化食品の表面部分に油脂がにじみ出てくるといった、油相の分離現象が生じ難いものである。リゾリン脂質は強い乳化力を有し、また卵黄リポ蛋白質となじみ良いため、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の水相への分散性向上に寄与しているものと推察される。
なお、本発明の水中油型乳化食品におけるリゾリン脂質の含有量は、0.3%以上であることが好ましい。
上述の複合体及びリゾリン脂質以外の、本発明の水中油型乳化食品に使用する各種原料としては、目的とする水中油型乳化食品の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、マヨネーズ様乳化食品の場合には、水相原料として親水性の、米酢・穀物酢・リンゴ酢等の食酢、卵黄、卵白、各種だし汁、醤油・食塩・砂糖等の調味料、グルタミン酸ナトリウム等の呈味料等が挙げられ、油相原料として親油性の、菜種油・コーン油・棉実油・オリーブ油・サフラワー油・パーム油・卵黄油・魚油等の動植物油脂、MCT・ジグリセイド等の化学処理油脂等が挙げられる。また、食用油脂の使用量を減じた低カロリーのマヨネーズ様食品であれば、さらに、大豆蛋白質、澱粉、デキストリン、セルロース、その他増粘多糖類等を配合すればよい。
次に、本発明の水中油型乳化食品の製造方法について説明する。
まず、前述のように卵黄液又は卵黄希釈液と植物ステロールを撹拌混合して複合体の分散液を調製する。
この複合体の分散液の調製工程では、リゾリン脂質を加えることができる。この場合には、上述の卵黄液と植物ステロールにリゾリン脂質を加え、さらに必要に応じて水系媒体を加えて撹拌混合すればよく、また、加えるリゾリン脂質の量が比較的多い場合には、まず、卵黄液と植物ステロールに必要に応じて水系媒体を加えて撹拌混合し、次いでリゾリン脂質を加えてさらに撹拌混合すればよい。
なお、複合体の分散液を調製する際には、少量であればサラダ油等の食用油脂やアルコール等を添加しても差し支えない。
本発明の水中油型乳化食品の製造方法としては、上述のように、複合体の分散液を調製する工程を別個に設けてもよいが、水中油型乳化食品の水相の調製に際し、予め水相原料としての卵黄に植物ステロール及び必要に応じて水系媒体を添加して撹拌混合することにより複合体を形成させ、これに必要に応じて他の水相原料やリゾリン脂質を加えてさらに撹拌混合するといったように、水相の製造工程の前半段階で複合体の分散液を調製するようにすれば、より効率的であり好ましい。
例えば、水相原料である卵黄液に植物ステロール及び水系媒体(水相原料でもある)として卵白液、清水等を加え、上述の均質機等を用いて全体が均一になるまで撹拌混合して複合体の分散液を調製し、次いで食酢、食塩等の他の水相原料とリゾリン脂質を加えてさらに撹拌混合することにより、複合体を含有する水相を効率的に製することができる。
なお、水相には、少量であれば食用油脂等の疎水性の原料を添加することも差し支えない。したがって、例えば粉体の原料を水相原料に均一に分散させるために、予め粉体原料をサラダ油等と混合しておく方法等を採用することも可能である。
次に、得られた水相に油相原料を加えて乳化処理を行い、本発明の水中油型乳化食品を製造する。ここで乳化処理は常法により行えばよいが、油滴が微小な高品質の水中油型乳化食品を製するには、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモジナイザー、T.K.マイコロイダー(特殊機化工業社製)等の均質機を用いることが好ましい。
また、本発明の水中油型乳化食品における油相は、主として食用油脂からなるものであるが、少量であれば疎油性の原料を添加しても差し支えない。
なお、水中油型乳化食品がマヨネーズ様乳化食品である場合には、食酢等の酸性物質により蛋白質系原料が変性してしまうことを防ぐために、水相原料と油相原料とを乳化処理した後に、さらに水相原料である食酢等を添加して均質化する工程を加えることも可能である。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
[実施例1]複合体の構成成分の解析
(1)図1のフローシートにより、植物ステロールと卵黄から植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体を次のように調製した。
まず、卵黄液5g(卵黄固形分2.5g、卵黄固形分中卵黄リポ蛋白質約2g)に清水95gを加え、攪拌機(日音医理科器械製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpmで1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した。次に5000rpmで攪拌しながら植物ステロール(遊離体97.8%、エステル体2.2%、平均粒子径約3μm)2.5gを添加し、さらに10000rpmで5分間攪拌し、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質とから形成される複合体の分散液を得た。
得られた分散液1gを取り、0.9%食塩水4gを加え、真空乾燥機(東京理科器械社製、VOS−450D)で真空度を10mmHgにして1分間脱気し、遠心分離器(国産遠心分離器社製、モデルH−108ND)で3000rpmで15分間遠心分離を行い、沈澱と上澄みとを分離した。この上澄みを0.45μmのフィルターで濾過し、さらに0.2μmのフィルターで濾過し、複合体と、複合体を形成していない植物ステロールとを除去した。
この濾液の吸光度(O.D.)を、分光光度計(日立製作所製、U−2010)を用いて、0.9%食塩水を対照とし、280nm(蛋白質中の芳香環をもつアミノ酸の吸収)で測定し、濾液中の蛋白質の量を測定した(1−1)。
植物ステロールの添加量を表1のように変え、同様に吸光度を測定した(実施例1−2〜実施例1−8)。
この結果を表1及び図2に示す。
Figure 0003844011
表1及び図2から、卵黄固形分1gに対して植物ステロールが4g以下であると、卵黄固形分に対する植物ステロールの割合が増えるのに伴って濾液の吸光度が小さくなっていることがわかる。したがって、卵黄希釈液への植物ステロールの添加により、卵黄に含まれる蛋白質と植物ステロールとが結合し、濾液中の蛋白質濃度が低下したと考えられる。一方、卵黄固形分1gに対する植物ステロールが4g以上となると、濾液の吸光度は略一定となることから、濾液中には、植物ステロールと結合しない蛋白質が存在することがわかる。
また、卵黄固形分1gに対して植物ステロールが4g以下であると、植物ステロールと結合する蛋白質が濾液中に余っているから、卵黄固形分1gを余すことなく複合体の形成に使用するためには、植物ステロールが4g以上必要であることがわかる(卵黄リポ蛋白質1gに対しては植物ステロール5g以上)。
(2)(1)で得た実施例1−1の濾液と、実施例1−6の濾液に存在する蛋白質について、前述の280nmの他に440nmの吸光度を測定し、440nmの吸光度と280nmの吸光度の比をとった。ここで、440nmは、リポ蛋白質中に含まれる油溶性の色素(カロチン)の吸収波長である。この結果を表2に示す。
Figure 0003844011
表2から、実施例1−6のように植物ステロールに対して適量の卵黄が結合している場合には、440nmの吸光度が極めて低いことから、濾液中に卵黄リポ蛋白質は殆ど残っていない。したがって、卵黄リポ蛋白質が、植物ステロールと複合体を形成することがわかる。
また、実施例1−1のように植物ステロールに対する卵黄の量が過剰である場合、280nmと440nmの双方の吸光度が高く、また、440nmの吸光度と280nmの吸光度の比が実施例1−6に比して大きいので、濾液中に複合体を形成し得る卵黄リポ蛋白質と、複合体を形成し得ない蛋白質の両方が存在すること、及び、卵黄リポ蛋白質が実施例1−6に比して多く残っていることがわかる。
(3)(1)で得た実施例1−1の濾液と、実施例1−6の濾液にSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行うことにより、植物ステロールと複合体を形成し得る蛋白質と、植物ステロールと複合体を形成しない蛋白質がそれぞれ何であるかを調べた。
この場合、電気泳動の測定条件としては、濾液の一部を凍結乾燥してサンプルバッファーで溶解し、その一定量を4〜20%の濃度勾配のゲルにのせ、20mAの定電流で泳動し、蛋白質をクマシーブルーで染色した。(サンプルバッファーの組成:蒸留水5.0mL、0.5Mトリス塩酸緩衝液1.25mL、グリセロール1.0mL、10%SDS2.0mL、2−メルカプトエタノール0.5mL、0.05%ブロモフェノールブルー0.05mL)この電気泳動パターンを図3に示す。
この結果、植物ステロールに対する卵黄の割合が過剰である実施例1−1の電気泳動パターンには、水溶性画分特有の蛋白質(図3の分子量36.5×1000)と卵黄リポ蛋白質特有の蛋白質(図3の分子量200×1000)の双方が検出されたが、実施例1−6のように、植物ステロールに対する卵黄の割合が過剰でない場合には、卵黄リポ蛋白質特有の蛋白質は検出されず、水溶性画分特有の蛋白質のみ検出された。これにより卵黄の中で、複合体を形成しない蛋白質は水溶性画分特有の蛋白質であり、複合体を形成する蛋白質は卵黄リポ蛋白質であることがわかる。
(4)実施例1−4で上澄を分離した残りの沈殿物を、沈殿物質量の約60倍量の生理食塩水で洗浄し、再度遠心分離により沈殿物を得、これを凍結乾燥することにより複合体紛体を得、その紛体を導電性テープに分散させ、導電性をもたせるためカーボン蒸着を行い、電解放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製、JSM−7400F)で写真を撮った(加速電圧5kv、倍率10万)。この写真を図4に示す。この写真から、植物ステロールの表面をリポ蛋白質(LDL)が覆っていることがわかる。
[実施例2]複合体の分散液の調製時の植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の割合等の検討
鶏卵を工業的に割卵して得られた卵黄液(固形分45%)と清水の量と植物ステロールの量を表3の通りに変更して、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を調製し、この分散液の分散性と撹拌性から、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体を調製するに際して望ましい水分量や、植物ステロールと卵黄との割合を検討した。
この場合、鶏卵を割卵して取り出した卵黄液(固形分45%)に清水を加え、攪拌機(日音医理科器械製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄液と清水をなじませた後、45℃に加温し、次に5000rpmで攪拌しながら植物ステロール(実施例1と同じもの)を除々に添加し、添加し終えたところで、さらに10000rpmで攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。
また、分散液の分散性に関しては、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液0.5gを試験管(内径1.6cm、高さ17.5cm)にとり、0.9%食塩水10mLで希釈し、試験管ミキサー(IWAKI GLASS MODEL−TM−151)で10秒間撹拌することにより振盪し、その後1時間室温で静置し、さらに真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS−450D)に入れ、真空度を10mmHg以下にして室温(20℃)で脱気を行い、脱気後に浮上物が見られない場合を○、浮上物が見られた場合を×と判定した。なお、植物ステロールを加熱溶解し、冷却し、比重の異なるエタノール液に浸けて浮き沈みによりその比重を求めたところ、0.98であったことから、上述の分散性の試験での浮上物は植物ステロールであると考えられる。
これらの結果を表3に示す。
Figure 0003844011
表3から、複合体に良好な分散性を付与するためには、卵黄固形分1gに対して植物ステロール185g(卵黄リポ蛋白質1gに対して植物ステロール約232g)(実施例2−13)以下を使用すること、言い換えれば、植物ステロール100質量部を水に分散させるために、卵黄固形分は0.54質量部以上(卵黄リポ蛋白質0.43質量部以上)という僅かな使用量でよいことがわかる。
なお、表3に示す実施例2−1、2−2では、植物ステロールを添加するとやや高粘度になり、撹拌混合に10分間以上の時間を要したが、実施例2−3〜2−13では容易に短時間(5分間程度)で撹拌混合することができた。したがって、分散液中の水分濃度は、48.9%以上が好ましいことがわかる。
[実施例3]複合体の粉体の再分散
(1)複合体の調製
鶏卵を割卵して取り出した卵黄液18g(卵黄固形分50%、卵黄液中卵黄リポ蛋白質約7.2g)に清水9982gを加え、攪拌機(TKホモミキサー、特殊機化工業社製)を用い、5000rpmで3分間攪拌して均一化し、次いで、攪拌速度を12000rpmにして攪拌しながら植物ステロール(実施例1と同じもの)1500g(卵黄リポ蛋白質1質量部に対して植物ステロール208質量部)を除々に添加し、添加後さらに5分間攪拌を続けた。次いで、マリンプロペラタイプ攪拌機を用いて61℃で4分間加熱して低温殺菌し、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を調製した。
得られた分散液の一部を凍結乾燥し、乳鉢で粉砕後30メッシュのふるいで濾過し、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体を含むの粉体(複合体含有率99.88%)を得た。
以上で得られた植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体を含有する粉体の0.202g,0.405g、1.52gをそれぞれ試験管(内径16mm、高さ17.5cm)にとり、0.9%食塩水を加えて10gになるように調製し、超音波洗浄機(国際電気エルテック社製、モデルSine・Sonic100)で1分間音波照射し、1時間室温で静置後、複合体の分散状態や浮上層の有無を観察した。
また、対照として、複合体を含有する粉体に代えて、植物ステロール(実施例1と同じもの)0.2g、0.4g、1.5gを直接食塩水に分散させ、その分散状態や浮上層の有無を観察した。
結果を表4に示す。
Figure 0003844011
表4に示したように、対照では植物ステロールが全く分散せず、いずれの添加量においても浮上物が認められ、下層の液は透明であった。これに対し実施例3により複合体の粉体を再分散させた場合、いずれの添加量においても、分散液全体が白濁し、一部に沈殿が見られた。
[実施例4]マヨネーズ様乳化食品
表5の配合により、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を次のように調製した。
まず、卵黄液(キューピー社製、加塩卵黄(10%加塩、卵黄固形分40.5%))に清水を加えて攪拌機(TKホモミキサー、特殊機化工業社製)に投入し、5000rpmで3分間撹拌し、清水と卵黄をなじませた。次に、撹拌速度を14000rpmとして撹拌を続けながら、植物ステロール(実施例1と同じもの)を徐々に添加して20分間撹拌し、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。
得られた複合体の分散液を用いて、表6の配合によりマヨネーズ様乳化食品を次のように調製した。まず、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を家庭用ミキサーにとり、液卵白と清水を入れて1分間撹拌し、次いで、食塩、加工澱粉、辛子粉、キサンタンガム、上白糖、グルタミン酸ナトリウムを添加して1分間撹拌し、菜種油を徐々に添加して3分間撹拌し、食酢を徐々に添加して1分間撹拌し、真空度0〜10mmHgで1分間撹拌し脱気してマヨネーズ様乳化食品を調製した。
対照例として、表7の配合において、予め植物ステロールを菜種油に分散してからマヨネーズ様乳化食品を調製した。即ち、菜種油に植物ステロールを添加し、攪拌機(TKホモミキサー、特殊機化工業社製)に投入し、10000rpmで10分間撹拌して植物ステロール分散油を調製した。次に、卵黄(キューピー社製、加塩卵黄(10%加塩))、卵白液及び清水を家庭用ミキサーに入れて1分間撹拌し、食塩、加工澱粉、辛子粉、キサンタンガム、上白糖、グルタミン酸ナトリウムを添加して1分間撹拌し、植物ステロール分散油を徐々に添加して3分間撹拌し、食酢を徐々に添加して1分間撹拌し、真空度0〜10mmHgで1分間撹拌し脱気してマヨネーズ様乳化食品を調製した。
実施例4及び対照例のマヨネーズ様食品を試食し、舌触りを試験した。また、各マヨネーズ様乳化食品を200g詰用のポリエチレン製の可撓性ボトルに120g詰め、蓋をしないで該可撓性ボトルの中央を手で押し、離すという操作を10回繰り返して分離試験を行い、分離試験直後と分離試験から1日保管後のマヨネーズ様乳化食品の乳化状態を観察した。
結果を表8に示す。
Figure 0003844011
Figure 0003844011
Figure 0003844011
Figure 0003844011
表8の結果から、植物ステロールを予め菜種油に分散した対照例では、食感にざらつきがあり、分離試験直後から割れ目ができて油が滲むこと等から、安定なマヨネーズ様乳化食品が得られないと考えられる。
これに対して実施例4のマヨネーズ様乳化食品は、植物ステロールと卵黄を予め混合して複合体を形成しておくことにより、食感が滑らかとなり、割れ目ができてそこから油が滲むこともなく、安定した乳化状態のマヨネーズ様乳化食品となる。
[実施例5]マヨネーズ様乳化食品における、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液と、植物ステロールとリン脂質の分散液との乳化安定化力の差
植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を用いたマヨネーズ様乳化食品と、植物ステロールとリン脂質の分散液を用いたマヨネーズ様乳化食品をそれぞれ次のように調製し、それらの乳化安定性を比較した。
(1)マヨネーズ様乳化食品の調製
まず、表9の配合により、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を、実施例4と同様にして調製した。この場合、卵黄としては、鶏卵を割卵して得た卵黄液(固形分45%)を用いた。
Figure 0003844011
一方、対照例として、表10の配合により、植物ステロールとリン脂質の分散液を次のように調製した。即ち、まず、鶏卵を割卵して得た卵黄液(卵黄固形分45%)を噴霧乾燥し、乾燥卵黄とした後、エタノールで脂質を抽出し、エタノールを除去し、さらにアセトンにより中性脂質を除去して、リン脂質(粉末)を得た。
このリン脂質に清水を加え、攪拌機(日音医理科器械製作所社製、ヒスコトロン)を用いて5000rpmで2分間撹拌して清水とリン脂質とをなじませ、45℃に加温し、5000rpmで撹拌しながら植物ステロール(実施例1と同じもの)を徐々に添加し、添加し終えたところで、さらに10000rpmで5分間撹拌して植物ステロールとリン脂質との分散液を調製した。
Figure 0003844011
Figure 0003844011
得られた各分散液を用いて、表11、表12の配合により、マヨネーズ様乳化食品を調製した。この調製方法は、まず、家庭用ミキサーに分散液、卵白液、清水と共に卵黄液(固形分45%)も入れて撹拌する他は、実施例4と同様とした。
Figure 0003844011
Figure 0003844011
(2)乳化安定性の比較
植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を用いたマヨネーズ様乳化食品と、植物ステロールとリン脂質の分散液を用いたマヨネーズ様乳化食品の乳化安定性を次のように調べた。
各マヨネーズ様乳化食品200gを、200g詰め用のポリエチレン製の可撓性ボトルに詰めた。蓋をして30℃で1日保管したものと、蓋をして30℃で3ヶ月間保管したもののそれぞれについて、分離試験(乳化安定性試験)を行った。
分離試験は、蓋をあけ、内容物を80g取り出し、蓋を開けたまま可撓性ボトルの中央を手で押し、離すという操作を10回繰り返し、その繰り返し直後の乳化状態を観察することにより行った。結果を表13に示す。
Figure 0003844011
表13の結果から、対照例の植物ステロールとリン脂質の分散液を用いたマヨネーズ様乳化食品は、一般的なマヨネーズの調製としては十分な量の卵黄液(市販のマヨネーズ様乳化食品中の卵黄液の配合量は約3〜15%)を用いているにもかかわらず、僅か1日で油がにじみ出し、3ヶ月後には亀裂ができてさらに油の分離が進んだ。この油の分離の要因としては、植物ステロールとリン脂質が複合体を形成しなかったため、疎水性である植物ステロールの粒子の表面に油が付着し、そこから乳化の破壊が進んだと推察される。
これに対し、実施例5の植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を用いたマヨネーズ様乳化食品は、3ヶ月後も分離せず、乳化安定性が良好であった。これは、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質が複合体を形成していたためと推察される。
[実施例6]リゾリン脂質を含有するマヨネーズ様乳化食品
表14の配合により、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を次のように調製した。まず、卵黄液(キューピー社製、加塩卵黄(10%加塩、卵黄固形分40.5%))に卵白液及び清水を加えて攪拌機に投入して攪拌し、各原料をなじませた。次に植物ステロール(実施例1と同じもの)を入れて攪拌し、さらに事前に菜種油と混合しておいた酵素処理卵黄油(キューピー社製、卵黄レシチンLPL−20(リゾリン脂質を約20%含有))を入れて均一になるまで攪拌混合して、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。
得られた複合体の分散液を用いて表15の配合によりマヨネーズ様乳化食品を次のように調製した。まず、高濃度食酢と清水を攪拌機に投入して攪拌し、次いで食塩、水飴、辛子粉、キサンタンガム、上白糖、グルタミン酸ナトリウムを入れて均一になるまで攪拌混合して調味液を得た。
得られた調味液を上述の複合体の分散液に加えて攪拌機で攪拌混合し、次いで菜種油を除々に添加しつつ攪拌混合して粗乳化した後、ホモジナイザーを用いて仕上げ乳化処理してマヨネーズ様乳化食品を製した(実施例6−1)。
Figure 0003844011
Figure 0003844011
Figure 0003844011
実施例6−2〜6−5として、表16の配合により、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を調製した。調製方法は、実施例6−1における複合体の分散液の調製方法と同じであるが、実施例6−4、6−5においては、酵素処理卵黄油及び菜種油に代えて表16に示す加工澱粉を使用した。
また、マヨネーズ様乳化食品の調製は、表14の配合による複合体の分散液に代えて、表16の各配合による複合体の分散液を使用する点を除き、実施例6−1の製造方法と同じである。
Figure 0003844011
Figure 0003844011
実施例6−1〜6−5のマヨネーズ様乳化食品を、各々200g詰用ポリエチレン製の可撓性ボトルに120gずつ充填し、蓋をしないで該可撓性ボトルの中央部を手で押し、離すという操作を、10回又は15回繰り返して分離試験を行い、分離試験直後のマヨネーズ様乳化食品の乳化状態を観察した。結果を表17に示す。
Figure 0003844011
表17の結果から、実施例6−1〜6−5の全てのマヨネーズ様乳化食品について、押圧回数が10回の場合に油が滲み出ることはなく、実用的なレベルの乳化安定性を有していることがわかる。
さらに、リゾリン脂質を0.3%以上含有させた実施例6−1、6−2のマヨネーズ様乳化食品は、押圧回数が15回の場合においても油が滲み出ることなく、乳化安定性が特に優れていることがわかる。
[実施例7]未処理卵黄、リゾ化卵黄、脱コレステロール卵黄、リゾ化脱コレステロール卵黄を用いて製造した各マヨネーズ様乳化食品の分離試験
実施例6−1と略同様の製法にて、表18の複合体分散液を用い、表19の配合で実施例7−1〜7−8のマヨネーズ様乳化食品を調製した。
ここで、複合体分散液の調製に用いたリゾ化卵黄液としては、鶏卵を工業的に割卵して得られた卵黄液(固形分45%)に食塩を加えて食塩濃度10質量%の加塩卵黄液とし、これをホスホリパーゼAで酵素処理することにより得たリゾ化率50%のリゾ化加塩卵黄液を用いた。
脱コレステロール卵黄としては、まず、鶏卵を工業的に割卵して得られた卵黄液(固形分45%)を、酵母を用いて脱糖処理した後乾燥し、超臨界二酸化炭素によりコレステロールを除去して、コレステロール含量0.25%、固形分95%(105℃乾燥法により測定)の脱コレステロール乾燥卵黄を得、次に、この乾燥卵黄(2.7%)に3倍量の清水(8.1%)と食塩(1.2%)を加えて高速攪拌して水戻ししたものを使用した。
リゾ化脱コレステロール卵黄としては、まず、鶏卵を工業的に割卵して得られた卵黄液(固形分45%)をホスホリパーゼAで酵素処理してリゾ化率55%のリゾ化卵黄液を得、この卵黄液を乾燥し、超臨界二酸化炭素によりコレステロールを除去して、コレステロール含量0.15%、固形分96%(105℃乾燥法により測定)のリゾ化脱コレステロール乾燥卵黄を得、次いで、この乾燥卵黄(2.7%)に3倍量の清水(8.1%)と食塩(1.2%)を加えて高速攪拌して水戻ししたものを使用した。
得られた各マヨネーズ様乳化食品に対して、実施例6と同様に分離試験を行い、押圧と解除の繰り返しを10回、15回、20回、又は25回行った場合の乳化状態を観察した。
結果を表20に示す。
Figure 0003844011
Figure 0003844011
Figure 0003844011
表20の結果から、リゾ化脱コレステロール卵黄を使用した場合(実施例7−7、7−8)に最も乳化安定性が高く、次いで、リゾ化卵黄を使用した場合(実施例7−3、7−4)に乳化安定性が高い。脱コレステロール卵黄を使用した場合(実施例7−5、7−6)は、未処理卵黄の場合(実施例7−1、7−2)と同程度の効果である。但し、本発明の水中油型乳化食品の使用目的が、血中コレステロール量の低減であることに鑑みれば、原料として、脱コレステロール卵黄を未処理卵黄に代替して使用できるということは、本発明の目的により適うものであり好ましい。

Claims (13)

  1. 植物ステロール卵黄リポ蛋白質との複合体として添加した水中油型乳化食品であって、該複合体は、該複合体を0.9%食塩水に植物ステロール濃度15%となるように分散させ、超音波を1分間照射し、室温で1時間静置した場合に、分散液に浮上層を生じさせない分散性を有する水中油型乳化食品
  2. 卵黄リポ蛋白質が、リゾ化卵黄、脱コレステロール卵黄、又はリゾ化脱コレステロール卵黄に含まれるリポ蛋白質である請求項1記載の水中油型乳化食品。
  3. 複合体の植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1質量部に対して植物ステロール232質量部以下である請求項1記載の水中油型乳化食品。
  4. リゾリン脂質を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型乳化食品。
  5. リゾリン脂質の含有量が0.3質量%以上である請求項4記載の水中油型乳化食品。
  6. 少なくとも卵黄リポ蛋白質と植物ステロールを撹拌混合して複合体の分散液を調製する工程と、複合体の分散液に油相原料を加えて乳化処理する工程とを有する請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  7. 複合体の分散液を調製する工程で水系媒体及び/又はリゾリン脂質を加える請求項6記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  8. 複合体の分散液を調製後、リゾリン脂質及び/又は水相原料を加えて撹拌混合する工程を有する請求項6又は7記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  9. 卵黄リポ蛋白質1質量部に対して植物ステロール232質量部以下を使用して複合体の分散液を調製する請求項6〜8のいずれかに記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  10. 卵黄リポ蛋白質として卵黄液を使用する請求項6〜9のいずれかに記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  11. 卵黄リポ蛋白質として卵黄希釈液を使用する請求項6〜9のいずれかに記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  12. 卵黄固形分1質量部に対して、植物ステロール185質量部以下を使用する請求項10又は11記載の水中油型乳化食品の製造方法。
  13. 植物ステロールの平均粒径が50μm以下である請求項6〜12のいずれかに記載の水中油型乳化食品の製造方法。
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