JP4727443B2 - サラダの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、植物ステロール類を用いて、食材である野菜類等からの離水が抑えられ、麺類を用いたサラダにおいては、更にサラダの上層部に位置した麺類の表面乾燥が抑えられたサラダに関する。
マヨネーズ、サラダクリーミードレッシング、フレンチドレッシング等の水中油型乳化食品は、日常の食生活で広く親しまれている調味料の一種であり、これを用いた代表的な食品としてサラダがある。サラダは、その中の主な食材により、例えば、野菜サラダ、ポテトサラダ、パスタサラダ、タマゴサラダ等に分けられるが、これらのサラダは、きゅうり、玉ねぎ、にんじん、レタス、セロリ、キャベツ、コーン等の野菜類を少なくとも配合している。
サラダは、一般的に食材と水中油型乳化食品を和えて製し、業務用のサラダは、得られたサラダを半日、場合によっては数日間冷蔵下で保管される。そのため、サラダの食材として野菜類等が配合されていると、製造直後は問題ないものの、冷蔵保管中に、水中油型乳化食品に配合されている、あるいは、別途添加した食酢、食塩、砂糖等の調味料の浸透圧の影響により、野菜類等から水分が次第に離水し、その結果、サラダの外観を損なったり食感が水っぽくなる等の問題を生じた。また、マカロニ等の麺類を用いたサラダの場合は、サラダの上層部に位置する麺類が、保管中に表面が乾燥し、製造直後の食感を損なうという問題があった。
野菜類等からの離水を抑える方法としては、従来より、種々の方法が検討されており、その一つとして、特開平8−154626号公報(特許文献1)には、特定以上のSFC(Solid Fat Content:固体脂指数)を有した油脂、つまり硬化油脂を配合した水中油型乳化脂をサラダ食材用コーティング剤として用いることが提案されている。
上記硬化油は、トリグリセリドであるが、融点の高い油性成分として、植物ステロール及びその飽和型である植物スタノールがある。植物ステロール及び植物スタノールは、血中の総コレステロール濃度及び低密度リポ蛋白質−コレステロール濃度を低下させる機能を有することが知られているが、植物由来の食材には、極僅かしか含有していないことから、食品原料としての利用が期待されている。
そこで、本発明者らは、上述した野菜類等からの離水等が抑えられることを期待し、まず植物ステロールを単に混合した水中油型乳化食品を製した後、当該混合物を用いてサラダを製し、冷蔵保管後の状態を観察した。しかしながら、保管後のサラダは、ある程度、離水等は抑えられるものの、冷蔵保管中に依然として食材である野菜類等からの離水や、サラダの上層部に位置する麺類の表面乾燥を生じ、満足できるものとは言い難いものであった。
特開平8−154626号公報 WO2005/041690
そこで、本発明の目的は、植物ステロール類を用いて、食材である野菜類等からの離水が抑えられ、麺類を用いたサラダにおいては、更にサラダの上層部に位置した麺類の表面乾燥が抑えられたサラダを提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、サラダの配合原料として別途、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を加配するならば、意外にも食材である野菜類等からの離水が抑えられ、麺類を用いたサラダにおいては、更にサラダの上層部に位置した麺類の表面乾燥が抑えられることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を添加するサラダの製造方法であって、前記複合体は、植物ステロール類と卵黄を水系中で撹拌混合することにより得られたものであり、前記複合体を、以下の(A)〜(F)いずれかの方法によって添加することを特徴とするサラダの製造方法。
(A)複合体の調製過程で発生する水系媒体に分散した複合体をそのまま、食材と水中油型乳化食品とを和える際に添加混合する方法;
(B)乾燥複合体を水系媒体と混合したものを、食材と水中油型乳化食品とを和える際に添加混合する方法;
(C)複合体の調製過程で発生する水系媒体に分散した複合体をそのまま、予め水中油型乳化食品に添加混合した後、当該混合物と食材とを和える方法;
(D)乾燥複合体を水系媒体と混合したものを、予め水中油型乳化食品に添加混合した後、当該混合物と食材とを和える方法;
(E)乾燥複合体を、食材と水中油型乳化食品と和える際に添加混合する方法;
(F)乾燥複合体を、予め水中油型乳化食品に添加混合した後、当該混合物と食材とを合える方法;
(2)前記複合体が乾燥複合体である請求項1記載のサラダの製造方法
(3)前記複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部である請求項1又は2記載のサラダの製造方法
(4)前記複合体の配合量が、製品に対し乾物換算で0.05〜5%である請求項1乃至3のいずれかに記載のサラダの製造方法
である。
なお、本出願人は、既に植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を含有した水中油型乳化食品を出願しており(WO2005/041690:特許文献2)、当該実施例には、前記複合体を配合した水相部に油相部である食用油脂を徐々に添加して乳化を行った水中油型乳化食品が記載されている。このようにして得られた水中油型乳化食品を用いたサラダは、食材である野菜類等からの離水や、麺類の表面乾燥が抑えられるが、本発明は、前記複合体を別途、加配することにより、更に効果的に抑えられることを見出したものである。
本発明によれば、冷蔵下で保管してもサラダの食材である野菜類等からの離水や、麺類を用いたサラダにおいては、更にサラダの上層部に位置した麺類の表面乾燥を効果的に抑えることが可能であることから、このような環境下で保管される業務用サラダへの更なる利用拡大が期待される。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明のサラダは、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が加配されていることを特徴とし、これにより、サラダを冷蔵保管したときに生じる食材である野菜類等からの離水が抑えられ、また、麺類を用いたサラダにおいては、更にサラダの上層部に位置した麺類の表面乾燥を抑える効果を奏する。本発明のパスタサラダは、離水を生じ易い食材、あるいは麺類を用いたサラダであれば特に限定するものではない。離水を生じ易い食材としては、具体的には例えば、きゅうり、玉ねぎ、にんじん、レタス、セロリ、キャベツ、コーン、大根、ごぼう、ブロッコリー、カリフラワー、トマト等の野菜類、りんご、パイナップル、ぶどう、いちご、キウイ等の果実等、麺類としては、マカロニ、スパゲティ、春雨、ペンネ等が挙げられる。また、これらの食材を用いたサラダとしては、野菜サラダ、ポテトサラダ、パスタサラダ、タマゴサラダ、フルーツサラダ、マカロニサラダ、コールスローサラダ、大根サラダ、ごぼうサラダ等が挙げられる。
本発明の卵黄リポ蛋白質は、卵黄蛋白質と、親水部分及び疎水部分を有するリン脂質、及びトリアシルグリセロール、コレステロール等の中性脂質とからなる複合体である。当該複合体は、蛋白質やリン脂質の親水部分を外側にし、疎水部分を内側にして、中性脂質を包んだ構造をしている。卵黄リポ蛋白質は、卵黄の主成分であって、卵黄固形分中の約80%を占める。したがって、本発明の卵黄リポ蛋白質としては、当該成分を主成分とした卵黄を用いるとよく、食用として一般的に用いている卵黄であれば特に限定するものではない。例えば、鶏卵を割卵し卵白液と分離して得られた生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。また、本発明では、鶏卵を割卵して得られる全卵、あるいは卵黄と卵白とを任意の割合で混合したもの、あるいはこれらに上記処理を施したもの等を用いてもよい。
一方、本発明の植物ステロール類とは、コレステロール又は当該飽和型であるコレスタノールに類似した構造をもつ植物の脂溶性画分より得られる植物ステロール又は植物スタノール、あるいはこれらの構成成分のことであり、植物ステロール類は、植物の脂溶性画分に合計で数%存在する。また、市販の植物ステロール又は植物スタノールは、融点が約140℃前後で、常温で固体であり、これらの主な構成成分としては、例えば、β−シトステロール、β−シトスタノール、スチグマステロール、スチグマスタノール、カンペステロール、カンペスタノール、ブラシカステロール、ブラシカスタノール等が挙げられる。また、植物スタノールについては、天然物の他、植物ステロールを水素添加により飽和させたものも使用することができる。なお、本発明において植物ステロール類は、いわゆる遊離体を主成分とするが、若干量のエステル体を含有していてもよい。
本発明に用いる植物ステロール類は、市販されている粉体あるいはフレーク状のものを用いることができるが、平均粒子径が50μm以下、特に10μm以下の粉体を使用することが好ましい。平均粒子径が50μmを超える粉体あるいはフレーク状の植物ステロール類を用いる場合には、卵黄と攪拌混合して複合体を製造する際に、均質機(T.K.マイコロイダー:プライミクス(株)製等)を用いて植物ステロール類の粒子を小さくしつつ攪拌混合を行うことが好ましい。これにより、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が形成され易くなり、また、当該複合体をサラダに配合したときざらつき感が生じ難い口当たりの良いものが得られる。
本発明のサラダに加配する植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体は、上述した植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質を主成分とする卵黄とを、好ましくは10μm以下の粉体状の植物ステロール類と卵黄を水系中で攪拌混合することにより得られる。具体的には、工業的規模での攪拌混合し易さを考慮し、卵黄リポ蛋白質として、卵黄を水系媒体で適宜希釈した卵黄希釈液を使用し、当該卵黄希釈液と植物ステロール類とを攪拌混合して製造することが好ましい。前記水系媒体としては、水分が90%以上のものが好ましく、例えば、清水の他に卵白液、液状調味料(例えば、醤油、だし汁)等が挙げられる。また、前記卵黄希釈液の濃度としては、その後、添加する植物ステロール類の配合量にもよるが、卵黄固形分として0.01〜50%の濃度が好ましく、攪拌混合時の温度は、常温(20℃)でもよいが、45〜55℃に加温しておくと複合体と攪拌混合し易く好ましい。攪拌混合は、例えば、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモゲナイザー、T.K.マイコロイダー(プライミクス(株)製)等の均質機を用いて、全体が均一になるまで行うとよい。また、上述の方法で得られたものは、複合体が水系媒体に分散したものであるが、噴霧乾燥、凍結乾燥等の乾燥処理を施して乾燥複合体としてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、複合体に他の原料を配合してもよい。
植物ステロールは、水への分散処理を施しても、その後、水面に浮いてしまう性質を有する。これに対し本発明で用いる複合体は、後述で示すとおり水に分散する性質を有する。よって、複合体は、両親媒性を有する卵黄リポ蛋白質が、当該疎水部分を疎水物である植物ステロール類の表面側に、親水部分を外側に向けて植物ステロール類の表面に付着した状態と推定される。また、このように本発明で用いる複合体は、表面が親水化されていることにより、サラダに加配したとき、食材と何らかの親和性を示し、食材である野菜類等からの離水や、麺類の表面乾燥が抑えられたのではないかと推定する。
本発明で用いる複合体は、当該原料である植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部であることが好ましく、当該構成比は、卵黄固形分中に卵黄リポ蛋白質は約8割存在するから、卵黄固形分1部に対して植物ステロール類4〜185部に相当する。後述で示すとおり水分散性を有する複合体は、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類が前記範囲で形成しているところ、植物ステロールが前記範囲より少ないと複合体を形成できなかった卵黄リポ蛋白質が残存し、一方、前記範囲より多いと水分散性を有した複合体が得られない。したがって、植物ステロール類が前記範囲より少ないと、範囲内にあるものと比較し、サラダに同量加配した場合、相対的に複合体の実質的な量が少なくなるためか、本発明の効果を奏し難く好ましくない。また、同様な効果を奏するために複合体の実質的な量を基準に考えると、植物ステロール類が前記範囲より少ないと、範囲内にあるものと比較し、サラダへの配合量を相対的に多く配合する必要があり、経済的でなく好ましくない。一方、植物ステロール類が前記範囲より多いと、複合体の水への親和性が低下するためか、本発明の効果を奏し難く好ましくない。
本発明のサラダは、上述した植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が加配されたものである。ここで、複合体が加配されているとは、サラダの一配合原料として加えるこという。したがって、特許文献2の実施例に記載した複合体を配合した水相部を調製し、当該水相部に油相部である食用油脂を徐々に添加して乳化を行った水中油型乳化食品を用いて、複合体を別途加えることなくサラダの食材と和えたものは、本願発明のサラダには含まれない。特許文献2の実施例に記載の水中油型乳化食品を用いた前記サラダであっても、本発明の効果である食材である野菜類からの離水や、麺類の表面乾燥が抑えられるが、複合体を別途加えることにより、更に効果的に抑えることができる。
本発明のサラダに複合体を加配する方法としては、例えば、複合体の調製過程で発生する水系媒体に分散した複合体をそのまま、あるいは乾燥複合体を水系媒体と混合したものを、野菜類等の食材とマヨネーズ等の水中油型乳化食品とを和える際に添加混合する方法、あるいは予め水中油型乳化食品に添加混合した後、当該混合物と食材とを和える方法、並びに乾燥複合体を、食材と水中油型乳化食品と和える際に添加混合する方法、あるいは予め水中油型乳化食品に添加混合した後、当該混合物と食材とを和える方法等が挙げられる。特に、乾燥複合体を用いたサラダは、野菜類等からの離水や麺類の表面乾燥が効果的に抑えられ好ましい。
また、サラダへの複合体の配合量は、製品に対して乾物換算で0.05〜5%が好ましく、0.2〜3%がより好ましい。複合体の配合量が前記範囲より少ないと、食材である野菜類からの離水や、麺類の表面乾燥を十分に抑え難く、一方、前記範囲より多いと、サラダ全体が粉っぽい食感となり好ましくない。
本発明のサラダは、本発明の効果を損なわない範囲で食材、調味料及び添加剤等の各種原料を適宜選択し配合することができる。例えば、食材としては、本明細書[0014]段落に挙げた野菜類、果実及び麺類の他、ジャガイモ、さつまいも、かぼちゃ、グリンピース等、調味料としては、マヨネーズ、サラダクリーミードレッシング、フレンチドレッシング等の水中油型乳化食品の他、分離ドレッシング、液状調味料等を用いてもよい。また例えば、卵黄、ホスフォリパーゼA処理卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸処理澱粉等の乳化材、食酢、食塩、砂糖、グルタミン酸ソーダ、醤油、味噌、核酸系旨味調味料、柑橘果汁等の各種調味料、コショウ等の香辛料、異性化液糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、水飴、蜂蜜、乳糖、シロップ、オリゴ糖、糖アルコール、デキストリン、サイクロデキストリン、スクラロース、ステビア、アスパルテーム等の甘味料あるいは糖類、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸又はその塩、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、サイリュームシードガム等のガム質、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉又はこれらの化工澱粉、湿熱処理澱粉等の増粘材、グリシン、酢酸ナトリウム、卵白リゾチーム、プロタミン、ポリリジン等の静菌剤、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、色素等を用いてもよい。
本発明の製造方法としては、上述した植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体がサラダ全体に均一に加配されていれば特に限定するものではないが、本明細書[0022]段落で挙げた方法等を用いるとよい。また、本発明のサラダは、必要に応じ70〜95℃で殺菌を施してもよい。
以下、本発明で用いる植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体及びこれを用いたサラダについて、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[調製例1]:複合体の構成成分の解析及び複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比
まず、卵黄液5g(卵黄固形分2.5g、卵黄固形分中の卵黄リポ蛋白質約2g)に清水95gを加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpmで1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した。次に5000rpmで攪拌しながら植物ステロール(遊離体97.8%、エステル体2.2%、平均粒子径約3μm)2.5gを添加し、さらに10000rpmで5分間攪拌し、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質とから形成された複合体の分散液を得た(調製例1−1)。
得られた分散液1gを取り、0.9%食塩水4gを加え、真空乾燥機(東京理科器械社製、VOS−450D)で真空度を10mmHgにして1分間脱気し、遠心分離器(国産遠心分離器社製、モデルH−108ND)で3000rpmで15分間遠心分離を行い、沈澱と上澄みとを分離した。この上澄みを0.45μmのフィルターで濾過し、さらに0.2μmのフィルターで濾過し、複合体と、複合体を形成していない植物ステロールとを除去した。
この濾液の吸光度(O.D.)を、分光光度計(日立製作所製、U−2010)を用いて、0.9%食塩水を対照とし、280nm(蛋白質中の芳香環をもつアミノ酸の吸収)で測定し、濾液中の蛋白質の量を測定した。
植物ステロールの添加量を表1のように変え、同様に吸光度を測定した(調製例1−2〜調製例1−8)。この結果を表1に示す。
また、調製例1−1の濾液と、調製例1−6の濾液については、更に440nmの吸光度を測定した。ここで、440nmは、卵黄リポ蛋白質中に含まれる油溶性の色素(カロチン)の吸収波長である。この結果を表2に示す。
Figure 0004727443
Figure 0004727443
複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以下であると、表1より、植物ステロールの割合が増えるに伴い、濾液中の蛋白質あるいはアミノ酸の含量の指標となる280nmの吸光度が小さくなっており、蛋白質あるいはアミノ酸の含量が減少することが分かる。また、表2より、濾液中の油脂含量の指標となる440nmの吸光度において、調製例1−1の濾液は調製例1−6に比べ吸光度が優位に高く、油脂含量が明らかに多いことが分かる。一方、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以上であると、表1より、濾液中の蛋白質あるいはアミノ酸の含量の指標となる280nmの吸光度は略一定を示し、表2より、濾液中の油脂含量の指標となる440nmの吸光度において、調製例1−6の濾液は調製例1−1に比べ吸光度が優位に低く、油脂含量が明らかに少ないことが分かる。
以上の結果より、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以上であるものの分散液には、複合体以外に、卵黄リポ蛋白質でない遊離の蛋白質あるいはアミノ酸が存在し、一方、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部より少ないものの分散液には、前記遊離の蛋白質あるいはアミノ酸に加え、複合体を形成しなかった卵黄リポ蛋白質が存在しているものと推定される。したがって、卵黄リポ蛋白質1部を余すことなく複合体の形成に使用するためには、植物ステロール類が5部以上必要であることが分かる。
[調製例2]:複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比
鶏卵を工業的に割卵して得られた卵黄液(固形分45%)と清水の量と植物ステロールの量を表3の通りに変更して、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を調製し、この分散液の分散性から、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との好ましい構成比を検討した。
すなわち、鶏卵を割卵して取り出した卵黄液(固形分45%)に清水を加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した後、45℃に加温し、次に5000rpmで攪拌しながら植物ステロール(調製例1と同じもの)を除々に添加し、添加し終えたところで、さらに10000rpmで攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。
また、分散液の分散性に関しては、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液0.5gを試験管(内径1.6cm、高さ17.5cm)にとり、0.9%食塩水10mLで希釈し、試験管ミキサー(IWAKI GLASS MODEL−TM−151)で10秒間撹拌することにより振盪し、その後1時間室温で静置し、さらに真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS−450D)に入れ、真空度を10mmHg以下にして室温(20℃)で脱気を行い、脱気後に浮上物が見られない場合を○、浮上物が見られた場合を×と判定した。これらの結果を表3に示す。
なお、植物ステロールを加熱溶解し、冷却し、比重の異なるエタノール液に浸けて浮き沈みによりその比重を求めたところ、0.98であったことから、上述の分散性の試験での浮上物は植物ステロールであると考えられる。
Figure 0004727443
表3より、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが232部以下であると、複合体に良好な水分散性を付与できることが分かる。
調製例1及び調製例2の結果より、複合体が良好な水分散性を有し、しかも卵黄リポ蛋白質1部を余すことなく複合体の形成に使用するためには、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部の範囲であることが分かる。
[調製例3]
清水7.5kgに殺菌卵黄(固形分45%、キユーピー(株)製)0.5kgを加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した後、50℃に加温し、次に5000rpmで攪拌及び真空度350mmHgで脱気しながら植物ステロール(調製例1と同じもの)2kgを除々に添加し、添加し終えたところで、さらに同回転数で30分間攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体(殺菌卵黄使用)の分散液を得た。なお、得られた分散液中の複合体の構成比は、卵黄固形分1部に対し植物ステロール8.9部であり、卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロール11.1である。
[調製例4]
清水17.5kgに殺菌卵黄(固形分45%、キユーピー(株)製)0.5kgを加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した後、50℃に加温し、次に5000rpmで攪拌及び真空度350mmHgで脱気しながら植物ステロール(調製例1と同じもの)2kgを除々に添加し、添加し終えたところで、さらに同回転数で30分間攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。得られた複合体の分散液を噴霧乾燥機を用いて、送風温度170℃、排風温度70〜75℃の条件で乾燥し、乾燥複合体(殺菌卵黄使用)を得た。なお、複合体の構成比は、調製例3のものと同じである。
[調製例5]
生卵黄10kg(固形分50%)を50℃に加温し、豚膵臓由来のホスフォリパーゼA(ノボザイムス社「レシターゼ10L」)5mLを添加し、2時間攪拌しリゾ化率61%のホスフォリパーゼA処理卵黄を得た。なお、卵黄をホスフォリパーゼAで処理すると、ホスフォリパーゼAは、卵黄中の卵黄リポ蛋白質の構成成分であるリン脂質の1位のアシル基に、ホスフォリーパーゼAは、リン脂質の2位のアシル基に、それぞれ作用し、リゾリン脂質と脂肪酸に加水分解される。また、前記リゾ化率は、酵素処理後におけるリゾホスファチジルコリンとホスファチジルコリンの合計質量に対するリゾホスファチジルコリンの質量割合をイヤトロスキャン法(TLC−FID法)で分析し算出した値である。
調製例4の殺菌卵黄に換えて上記ホスフォリパーゼA処理卵黄を用いた以外は調製例4に準じて乾燥複合体(ホスフォリパーゼA処理卵黄)を調製した。なお、得られた複合体の構成比は、卵黄固形分1部に対し植物ステロール8.0部であり、卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロール10.0である。
[実施例1]ポテトサラダ
下記の配合のポテトサラダを調理した。つまり、調製例3で得られた複合体分散液と、食塩、ホワイトペパー及び水中油型乳化食品とを混合して均一とし、次いで、食材と和えてポテトサラダを調理した。得られたポテトサラダには、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が1g加配されている。
<ポテトサラダの配合割合>
じゃがいも(蒸煮、クラッシュ) 55g
きゅうり(輪切り、生) 8g
ニンジン(いちょう切り、ブランチング) 8g
玉ねぎ(スライス、ブランチング) 8g
水中油型乳化食品 20g
食塩 0.5g
ホワイトペパー 0.03g
複合体分散液(調製例3) 4.6g
――――――――――――――――――――――――――
合計 104.13g
なお、水中油型乳化食品は、下記に示す配合割合で仕上がり10kgで製したものを用いた。つまり、菜種油以外の原料をミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、当該水相部を攪拌させながら菜種油を徐々に注加して粗乳化物を製した。次いで、得られた粗乳化物をコロイドミルで仕上げ乳化して水中油型乳化食品を得た。
<水中油型乳化食品の配合割合>
菜種油 30%
卵黄液(10%加塩) 11%
食酢(酸度9%) 7%
卵白液 3%
α化澱粉 4%
食塩 1.3%
砂糖 0.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.5%
辛子粉 0.2%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[実施例2]ポテトサラダ
実施例1のポテトサラダで使用した調製例3の複合体(殺菌卵黄使用)分散液4gに換えて調製例4の乾燥複合体(殺菌卵黄使用)1g及び清水4gを用いた。ポテトサラダは、調製例4で得られた乾燥複合体を清水に添加し均一に分散させた後、実施例1に準じて調理した。得られたポテトサラダには、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が1g加配されている。
[実施例3]ポテトサラダ
実施例2のポテトサラダで使用した調製例4の乾燥複合体(殺菌卵黄使用)に換えて調製例5の乾燥複合体(ホスフォリパーゼA処理卵黄)を用いた。ポテトサラダは、実施例2に準じて調理した。得られたポテトサラダには、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が1g加配されている。
[比較例1]ポテトサラダ
実施例1のポテトサラダで使用した調製例3の複合体(殺菌卵黄使用)分散液4gに換えて清水4gを用いた。ポテトサラダは、清水、食塩、ホワイトペパー及び水中油型乳化食品を混合して均一とし、次いで、食材と和えてポテトサラダを調理した。
[比較例2]ポテトサラダ
実施例2のポテトサラダで使用した調製例4の乾燥複合体(殺菌卵黄使用)に換えて植物ステロール(調製例1と同じもの)を用いた。ポテトサラダは、植物ステロールが清水に分散し難いことから、清水、食塩、ホワイトペパー及び水中油型乳化食品を混合した後、植物ステロールを添加混合し均一とし、次いで、食材と和えてポテトサラダを調理した。得られたポテトサラダには、植物ステロールが1g加配されている。
[比較例3]ポテトサラダ
実施例1のポテトサラダで使用した調製例3の複合体(殺菌卵黄使用)分散液4gに換えて清水4g、また水中油型乳化食品に換えて下記に示す方法で得られた水中油型乳化食品(20g中複合体1g含有)を用いた。ポテトサラダは、清水、食塩、ホワイトペパー及び水中油型乳化食品を混合して均一とし、次いで、食材と和えてポテトサラダを調理した。得られたポテトサラダには、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が1g含有されている。
<ポテトサラダの配合割合>
じゃがいも(蒸煮、クラッシュ) 55g
きゅうり(輪切り、生) 8g
ニンジン(いちょう切り、ブランチング) 8g
玉ねぎ(スライス、ブランチング) 8g
水中油型乳化食品(複合体1g含有) 20g
食塩 0.5g
ホワイトペパー 0.03g
清水 4g
――――――――――――――――――――――――――
合計 103.53g
なお、水中油型乳化食品(20g中複合体1g含有)は、下記に示す配合割合で仕上がり10kgで製したものを用いた。つまり、菜種油以外の原料をミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、当該水相部を攪拌させながら菜種油を徐々に注加して粗乳化物を製した。次いで、得られた粗乳化物をコロイドミルで仕上げ乳化して水中油型乳化食品を得た。
<水中油型乳化食品の配合割合>
菜種油 30%
卵黄液(10%加塩) 11%
食酢(酸度9%) 7%
卵白液 3%
α化澱粉 4%
食塩 1.3%
砂糖 0.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.5%
辛子粉 0.2%
複合体分散液(調製例3) 22.5%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[試験例1]
実施例1〜3、並びに比較例1〜3で得られた各ポテトサラダをトレーに移しラップフィルムで密閉した後、24時間冷蔵(4℃)保管した。保管後の各ポテトサラダを試食し、食感を評価した。結果を表4に示す。
Figure 0004727443
<評価基準>
◎:水っぽくない
○:やや水っぽいものの問題のない程度
△:やや水っぽい
×:水っぽい
本発明の複合体の分散液、あるいは乾燥複合体を加配した実施例1〜3のポテトサラダは、複合体を加配しなかった比較例1、あるいは複合体でなく植物ステロールを加配した比較例2のポテトサラダと比較し、水っぽくなく明らかに食感に優れていることが理解される。また、複合体分散液を含有させた状態で乳化させた水中油型乳化食品を用いて製した比較例3のポテトサラダも、食感がやや水っぽいものの問題のない程度ではあるが、本発明の複合体の分散液、あるいは乾燥複合体を加配した実施例1〜3のポテトサラダのほうがより水っぽくなく好ましいことが理解される。なお、ここでは示していないが、複合体の分散液を加配した実施例1のポテトサラダに比べ、乾燥複合体を加配した実施例2及び3のポテトサラダのほうが、若干ではあるが水っぽくないように感じられた。また、複合体の原料である植物ステロールを植物スタノールに変更した場合も同様な結果となった。
[実施例4]マカロニサラダ
下記の配合のマカロニサラダを調理した。つまり、調製例3で得られた複合体分散液と、清水、食塩、ホワイトペパー及び実施例1で用いた水中油型乳化食品とを混合して均一とし、次いで、食材と和えてマカロニサラダを調理した。得られたマカロニサラダには、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が0.5g加配されている。
<マカロニサラダの配合割合>
マカロニ(歩留まり300%) 60g
きゅうり(輪切り、生) 5g
ニンジン(いちょう切り、ブランチング) 5g
玉ねぎ(スライス、ブランチング) 5g
水中油型乳化食品 22g
食塩 0.6g
ホワイトペパー 0.03g
複合体分散液(調製例3) 2.3g
清水 0.7g
――――――――――――――――――――――――――
合計 100.63g
[実施例5]マカロニサラダ
実施例4のマカロニサラダで使用した調製例3の複合体(殺菌卵黄使用)分散液2.3gに換えて調製例4の乾燥複合体(殺菌卵黄使用)0.5g及び清水1.8gを用いた。マカロニサラダは、調製例4で得られた乾燥複合体を清水に添加し均一に分散させた後、実施例1に準じて調理した。得られたマカロニサラダには、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が0.5g加配されている。
[実施例6]マカロニサラダ
実施例5のマカロニサラダで使用した調製例4の乾燥複合体(殺菌卵黄使用)に換えて調製例5の乾燥複合体(ホスフォリパーゼA処理卵黄)を用いた。マカロニサラダは、実施例5に準じて調理した。得られたマカロニサラダには、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が0.5g加配されている。
[比較例4]マカロニサラダ
実施例4のマカロニサラダで使用した調製例3の複合体(殺菌卵黄使用)分散液2.3gに換えて清水2.3gを用いた。マカロニサラダは、清水、食塩、ホワイトペパー及び水中油型乳化食品を混合して均一とし、次いで、食材と和えてマカロニサラダを調理した。
[比較例5]マカロニサラダ
実施例5のマカロニサラダで使用した調製例4の乾燥複合体(殺菌卵黄使用)に換えて植物ステロール(調製例1と同じもの)を用いた。マカロニサラダは、植物ステロールが清水に分散し難いことから、清水、食塩、ホワイトペパー及び水中油型乳化食品を混合した後、植物ステロールを添加混合し均一とし、次いで、食材と和えてマカロニサラダを調理した。得られたマカロニサラダには、植物ステロールが0.5g加配されている。
[比較例6]マカロニサラダ
実施例4のマカロニサラダで使用した調製例3の複合体(殺菌卵黄使用)分散液2.3gに換えて清水2.3g、また水中油型乳化食品に換えて下記に示す方法で得られた水中油型乳化食品(22g中複合体0.5g含有)を用いた。マカロニサラダは、清水、食塩、ホワイトペパー及び水中油型乳化食品を混合して均一とし、次いで、食材と和えてマカロニサラダを調理した。得られたマカロニサラダには、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体が0.5g含有されている。
<マカロニサラダの配合割合>
マカロニ(歩留まり300%) 60g
きゅうり(輪切り、生) 5g
ニンジン(いちょう切り、ブランチング) 5g
玉ねぎ(スライス、ブランチング) 5g
水中油型乳化食品(複合体0.5g含有)22g
食塩 0.6g
ホワイトペパー 0.03g
清水 3g
――――――――――――――――――――――――――
合計 100.63g
なお、水中油型乳化食品(22g中複合体0.5g含有)は、比較例3で用いた水中油型乳化食品において、配合原料の調製例3の複合体(殺菌卵黄使用)分散液22.5%を10%に変更し、減少分を清水で補正した以外は、同様な方法で調製した。
[試験例2]
実施例4〜6、並びに比較例4〜6で得られた各マカロニサラダをトレーに移しラップフィルムで密閉した後、24時間冷蔵(4℃)保管した。保管後の各マカロニサラダを観察し、離水の状況、及びサラダの上層部に位置するマカロニの表面状態について評価した。結果を表5に示す。
Figure 0004727443
<離水の評価基準>
◎:殆ど離水していない
○:やや離水しているが問題のない程度
△:やや離水している
×:離水している
<マカロニの表面状態の評価基準>
◎:殆ど乾いた状態でない
○:やや乾いているが問題のない程度
△:やや乾いている
×:乾いている
本発明の複合体の分散液、あるいは乾燥複合体を加配した実施例4〜6のマカロニサラダは、複合体を加配しなかった比較例4、あるいは複合体でなく植物ステロールを加配した比較例5のマカロニサラダと比較し、殆ど離水しておらず、またマカロニの表面状態も殆ど乾いた状態でなく明らかに離水及びマカロニ(麺類)の表面乾燥が改善されていることが理解される。また、複合体分散液を含有させた状態で乳化させた水中油型乳化食品を用いて製した比較例6のマカロニサラダも、離水及びマカロニの表面乾燥が問題のない程度ではあるが、本発明の複合体の分散液、あるいは乾燥複合体を加配した実施例4〜6のマカロニサラダのほうがより改善され好ましいことが理解される。なお、ここでは示していないが、複合体の分散液を加配した実施例4のマカロニサラダに比べ、乾燥複合体を加配した実施例5及び6のマカロニサラダのほうが、若干ではあるが離水及びマカロニの表面乾燥が改善されているように感じられた。また、複合体の原料である植物ステロールを植物スタノールに変更した場合も同様な結果となった。

Claims (4)

  1. 植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を添加するサラダの製造方法であって、前記複合体は、植物ステロール類と卵黄を水系中で撹拌混合することにより得られたものであり、前記複合体を、以下の(A)〜(F)いずれかの方法によって添加することを特徴とするサラダの製造方法。
    (A)複合体の調製過程で発生する水系媒体に分散した複合体をそのまま、食材と水中油型乳化食品とを和える際に添加混合する方法;
    (B)乾燥複合体を水系媒体と混合したものを、食材と水中油型乳化食品とを和える際に添加混合する方法;
    (C)複合体の調製過程で発生する水系媒体に分散した複合体をそのまま、予め水中油型乳化食品に添加混合した後、当該混合物と食材とを和える方法;
    (D)乾燥複合体を水系媒体と混合したものを、予め水中油型乳化食品に添加混合した後、当該混合物と食材とを和える方法;
    (E)乾燥複合体を、食材と水中油型乳化食品と和える際に添加混合する方法;
    (F)乾燥複合体を、予め水中油型乳化食品に添加混合した後、当該混合物と食材とを合える方法;
  2. 前記複合体が乾燥複合体である請求項1記載のサラダの製造方法
  3. 前記複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部である請求項1又は2記載のサラダの製造方法
  4. 前記複合体の配合量が、製品に対し乾物換算で0.05〜5%である請求項1乃至3のいずれかに記載のサラダの製造方法
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