JP5907801B2 - 水中油型乳化食品 - Google Patents

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本発明は、水中油型乳化食品に関する。より詳細には、本発明は、解凍後も安定な乳化状態を有し、冷凍耐性に優れた水中油型乳化食品に関する。
マヨネーズや半固形状乳化ドレッシングなどの水中油型乳化食品は、日常の食生活で広く親しまれている調味料の一種である。当該水中油型乳化食品を用いた代表的な食品としてはサラダがあるが、近年、その用途が拡大され、製菓、製パンや冷凍食品などの分野にも利用されている。
また、前記水中油型乳化食品を用いた惣菜を冷凍して保存し、解凍あるいは温めて食するものがある。このように冷凍されるものは、解凍後の状態が良好であることが望まれており、前記水中油型乳化食品においても、解凍後安定な乳化状態を有することが好ましい。
上記冷凍耐性を有する水中油型乳化食品としては、例えば、特開平9−149772号公報(特許文献1)に、卵黄、乳蛋白およびゼラチンを配合し、油相を40%以下とした酸性水中油型乳化食品が提案されている。
しかしながら、この技術は、冷凍耐性を有する水中油型乳化食品が得られるものの、乳蛋白やゼラチンの配合量を増やすと、風味や食感に影響がでる場合がある。よって、風味や食感を損なうことなく、より簡便に、水中油型乳化食品の冷凍耐性を向上する方法が求められている。
特開平9−149772号公報
本発明は、解凍後も安定な乳化状態を有し、冷凍耐性に優れた水中油型乳化食品を提供する。
本発明者らは、水中油型乳化食品の冷凍耐性について鋭意研究した結果、意外にも、所定の要件を具備する乾燥卵黄を含有する水中油型乳化食品が、冷凍耐性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は
用油脂および乾燥卵黄(酵素処理卵黄を除く)を含有した水中油型乳化食品の製造方法であって、
前記乾燥卵黄は、インレット温度130〜160℃、アウトレット温度50〜70℃の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥されており、
前記乾燥卵黄の水分含量が10質量%以下であり、
前記乾燥卵黄1質量部を精製水1.25質量部に均一分散させたときの分散液の粘度(25℃)が500〜25,000mPa・sであり、
前記乾燥卵黄1質量部を5質量%塩化ナトリウム水溶液9質量部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率が90質量%以上である
ことを特徴とする水中油型乳化食品の製造方法
である。
以上の構成により、本発明によれば、解凍後も安定な乳化状態を有した酸性水中油型乳化食品を提供できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において、格別に断らない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
1.水中油型乳化食品
本発明において、水中油型乳化食品とは、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散し水中油型に乳化された食品である。このような水中油型乳化食品としては、代表的には、例えば、マヨネーズ、乳化ドレッシング等の酸性水中油型乳化調味料等が挙げられるが、本発明は、これらの乳化食品に限定するものではない。また、一般的に水中油型乳化食品には、5〜80%程度の食用油脂が配合されており、本発明の水中油型乳化食品においても、同程度の量を配合すればよい。
本発明の水中油型乳化食品に配合する上記食用油脂としては、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油及びこれらの精製油、ならびにMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド等のように化学的あるいは酵素的処理を施して得られる油脂等を含有させることができる。
本発明の水中油型乳化食品は、特定の乾燥卵黄を配合することを特徴としている。具体的には、本発明の水中油型乳化食品は、乾燥卵黄1部を精製水1.25部に均一分散させたときの分散液の粘度(25℃)が500〜25,000mPa・sであり、乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率が90%以上である乾燥卵黄を配合することを特徴とし、これにより、冷凍耐性を有する水中油型食品となる。
2.乾燥卵黄
本発明において「乾燥卵黄」とは、鶏卵等の家禽卵を割卵して、卵黄を卵白から分離し、適宜の乾燥方法によって水分含量が10%以下、好ましくは4%以下になるまで乾燥させたものをいう。
乾燥方法としては、例えば、噴霧乾燥(スプレードライ)、凍結乾燥(フリーズドライ)、静置乾燥(パンドライ)、真空乾燥、マイクロウェーブ乾燥等が挙げられるが、これらの方法のうち、本発明の効果を奏しやすい噴霧乾燥による方法が好ましい。
なお、乾燥卵黄の水分量は、五訂日本食品標準成分表マニュアルに記載されている常圧加熱乾燥法の直接法に準じ測定する。なお、得られた乾燥卵黄は、必要に応じ粉砕処理をしてもよい。
2.1.乾燥卵黄の分散液の粘度
本発明で用いる乾燥卵黄は、特性のひとつとして、乾燥卵黄1部を精製水1.25部に均一分散させたときの分散液の粘度(25℃)が500〜25,000mPa・s、好ましくは500〜10,000mPa・s、より好ましくは800〜5,000mPa・s、さらに好ましくは800〜3,000mPa・sを呈する。
乾燥卵黄の分散液の粘度が上記値より低い場合や、上記値より高い場合は、たとえ後述するもうひとつの特性である溶解率を満たしたとしても、解凍後の状態において油分離が観察され、安定な乳化状態を有しにくくなる。
上記粘度は、乾燥卵黄1部を精製水1.25部に均一分散させたときの分散液(固形分44%)の粘度であるが、以下の具体的な手順で測定した値である。
すなわち、300mL容量のビーカーに25℃の精製水125gを入れ、精製水を撹拌しながら乾燥卵黄100gを徐々に添加し、泡立たないようにさらに撹拌して乾燥卵黄が均一に分散していることを目視で確認し、乾燥卵黄の分散液を調製する。次に、前記乾燥卵黄の分散液を25℃で1時間保管し、薬さじで軽く撹拌した後、当該分散液の粘度を測定する。
なお、本発明における乾燥卵黄の粘度の測定は、当該乾燥卵黄をBH形粘度計で、品温25℃、回転数4rpmの条件で、粘度が1,875mPa・s未満のときローターNo.1、1,875mPa・s以上7,500mPa・s未満のときローターNo.2、7,500mPa・s以上18,750mPa・s未満のときローターNo.3、18,750mPa・s以上37,500mPa・s未満のときローターNo.4、37,500mPa・s以上75,000mPa・s未満のときローターNo.5、75,000mPa・s以上187,500mPa・s未満のときロータNo.6、187,500mPa・s以上のときロータNo.7を使用し、測定開始後ローターが2回転した時の示度により求めた値である。
2.2.乾燥卵黄の溶解率
本発明で用いる乾燥卵黄は、上述した粘度特性に加え、次のような特性を併せ持つ。すなわち、本発明で用いる乾燥卵黄は、前記乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液(25℃)9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率が90%以上、好ましくは95%以上である。
溶解率が上記値より低いと、たとえ上述した粘度特性を満たしたとしても、解凍後の状態において油分離が観察され、安定な乳化状態を有しにくくなる。
本発明において前記溶解率は、より高い方が水中油型乳化食品の冷凍耐性が優れているが、本発明においては、不溶性の乾燥卵黄が一定量含まれていることが好ましく、上記溶解率が好ましくは99%以下、より好ましくは98%以下、さらに好ましくは97%以下である。
上記溶解率は、前記乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率であるが、以下の具体的な手順で測定した値である。
すなわち、ビーカーに乾燥卵黄10gおよび5%塩化ナトリウム水溶液(25℃)90gを入れ、マグネチックスターラーでゆるやかに20分撹拌した後、ヒスコトロン((株)日音医理科器機製作所製、NS−50型)を用いて、10,000rpmで1分間撹拌する。次に、デジタル屈折計((株)アタゴ製 RX−5000α型)を用いて、乾燥卵黄の5%塩化ナトリウム分散液のブリックス(Brix)および5%塩化ナトリウム水溶液のBrixを測定し、下記式より溶解率を求める。
溶解率(%)=((乾燥卵黄の5%塩化ナトリウム分散液のBrix−5%塩化ナトリウム水溶液のBrix)/10)×100
2.3.乾燥卵黄の配合量
本発明における上記乾燥卵黄の配合量は、製品に対して好ましくは1〜10%、より好ましくは2〜7%である。前記範囲より乾燥卵黄の配合量が少ないと、水中油型乳化食品の解凍後の状態において油分離が観察され、安定な乳化状態を有しにくくなり、前記配合量を多くしても、配合量に応じた効果が期待しにくく経済的ではない。
2.4.乾燥卵黄の製造方法
上記乾燥卵黄の分散液の粘度および上記溶解率を満たす乾燥卵黄の製造方法について、以下に詳述する。
なお、本発明の乾燥卵黄は、上記2つの条件を満たすものであればいずれの方法でもよく、下記方法に限定されるものではない。
まず、乾燥卵黄に用いる液卵黄を用意する。液卵黄としては、例えば、卵を割卵して卵白と分離した生液卵黄、これをろ過、殺菌、冷凍などの処理をしたもののほか、卵黄中の成分を除去する処理、例えば、糖分を除去する脱糖処理をしたものなどが挙げられる。
本発明は、これらの液卵黄の中でも、脱糖処理をした液卵黄を用いることが好ましい。脱糖処理を行わないと、噴霧乾燥や静置乾燥などの加熱による乾燥処理をした場合、乾燥処理中に卵黄蛋白質中のアミノ基と遊離の糖がメイラード反応を起こし、褐変、不快臭の発生などの品質低下を伴うとともに、上記乾燥卵黄の分散液の粘度および上記溶解率を満たしにくくなり、本発明の目的とする冷凍耐性に優れた水中油型乳化食品が得られにくくなる。
脱糖処理は、酵母、酵素、細菌などを用いて常法により行えばよく、液卵黄中の遊離の糖含有率が好ましくは0.1%以下となるように行うことが好ましい。
次に、液卵黄を水分含量が10%以下、好ましくは4%以下となるように乾燥処理をして、本発明で用いる乾燥卵黄を調製する。水分含量10%以下となるように乾燥処理をすることにより、はじめて本発明の目的とする冷凍耐性に優れた水中油型乳化食品を得られる。乾燥方法としては、本発明の効果を奏しやすい方法が好ましく、噴霧乾燥による方法が好ましい。
乾燥処理の具体的な処理条件を、噴霧乾燥装置(スプレードライヤー)を用いた噴霧乾燥を例に述べると、インレット温度(送風温度)が好ましくは130〜170℃、より好ましくは130〜160℃、さらに好ましくは140〜155℃であり、アウトレット温度(排風温度)が好ましくは40〜90℃、より好ましくは40〜80℃、さらに好ましくは50〜70℃である。インレット温度およびアウトレット温度が前記範囲であることにより、上記乾燥卵黄の分散液の粘度が500〜25,000mPa・sとなり、かつ、前記乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率が90%以上となる。
インレット温度が前記範囲より低い場合、乾燥卵黄の水分を10%以下にすることが困難である。また、インレット温度が前記範囲より高い場合、加熱による卵黄蛋白質の変性や、卵黄蛋白質中のアミノ基と遊離の糖とのメイラード反応などが進み、上記乾燥卵黄の分散液の粘度を500〜25,000mPa・sとすることができず、また、前記乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率を90%以上とすることができない。
また、アウトレット温度が前記範囲より低い場合、乾燥卵黄の水分を10%以下にすることが困難である。また、アウトレット温度が前記範囲より高い場合、加熱による卵黄蛋白質の変性や、卵黄蛋白質中のアミノ基と遊離の糖とのメイラード反応などが進み、上記乾燥卵黄の分散液の粘度を500〜25,000mPa・sとすることができず、また、前記乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率を90%以上とすることができない。
噴霧乾燥装置としては、上記乾燥卵黄の分散液の粘度が500〜25,000mPa・sとなり、かつ、上記乾燥卵黄の溶解率が90%となる条件を調整できるものであれば特に限定されず、縦型、横型などいずれのタイプでも使用することができるが、生産効率の点から、縦型の噴霧乾燥装置が好ましい。また、インレット温度およびアウトレット温度以外のアトマイザー回転数などの噴霧乾燥装置の条件は、上記乾燥卵黄の特性が得られる条件であれば、特に限定されない。
3.水中油型乳化食品の成分および製造方法
本発明の水中油型乳化食品は、上述の乾燥卵黄を配合する他に本発明の効果を損なわない範囲で水中油型乳化食品に通常用いられている各種原料を適宜選択し含有させることができる。例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦澱粉、米澱粉、これらの澱粉をアルファ化、架橋等の処理を施した加工澱粉、ならびに湿熱処理澱粉等の澱粉類、キサンタンガム、タマリンド種子ガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、グアーガム等のガム質、食酢、クエン酸、乳酸、レモン果汁等の酸味材、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖等の各種調味料、卵黄、ホスホリパーゼA処理卵黄、全卵、液卵白、レシチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、オクテニルコハク酸化澱粉等の乳化剤、動植物のエキス類、からし粉、胡椒等の香辛料、並びに各種蛋白質やこれらの分解物などが挙げられる。
また、本発明の製造方法は、上述の乾燥卵黄を一原料として配合させる以外は、水中油型乳化食品の常法にのっとり製造すればよく、例えば、上述の乾燥卵黄を配合し均一にした水相原料をミキサーなどで撹拌させながら油相原料と注加して粗乳化し、次にコロイドミル等で仕上げ乳化をした後、チューブ容器やガラス容器等に充填密封する。
以下、本発明の水中油型乳化食品について、実施例および比較例ならびに試験例にもとづき具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定するものではない。
4.実施例
4.1.実施例1
4.1.1.乾燥卵黄の調製
殻付き卵を割卵機で割り、全卵から卵黄液のみを分離し、卵黄液100部に対し、30部の清水を加えて撹拌した後、遠心アトマイザー方式の噴霧乾燥装置(ニロ(NIRO)社製、型番 プロダクションマイナ(PM)型)を用いて乾燥処理を施し、実施例1の水中油型乳化食品で用いる乾燥卵黄を得た。噴霧乾燥装置の条件は、アトマイザー回転速度23,500rpm、インレット温度150℃、アウトレット温度66℃とした。得られた乾燥卵黄の水分含量は、2.0%であった。
得られた乾燥卵黄は、段落[0017]に準じ、乾燥卵黄1部を精製水1.25部に均一分散させたときの分散液の粘度は1,125mPa・sであった。また、段落[0020]に準じ、乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率は95.5%であった。
4.1.2.水中油型乳化食品の調製
下記の配合割合に準じ、まず植物油以外の原料をミキサーで均一に混合して水相部を調製した後、当該水相部を撹拌させながら油相の植物油を徐々に注加して粗乳化物を調製した。得られた粗乳化物をさらに高速で撹拌して仕上げ乳化した後、250mL容量のポリエチレンテレフタレート製の容器(以下、PET容器)に充填し、実施例1の水中油型乳化食品を調製した。
<水中油型乳化食品の配合割合>
(油相)
植物油 70%
(水相)
食酢(酸度5%) 10%
グラニュー糖 5%
乾燥卵黄(実施例1) 7.5%
食塩 2%
グルタミン酸ナトリウム 0.2%
キサンタンガム 0.1%
香辛料 0.1%
清水 残余
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 100%
得られた水中油型乳化食品の平均粒子径を、粒度分布測定装置(日機装製、粒度分布計 MT3300EXII)を用いて測定し、体積換算で得た粒度分布から求めた値(メジアン径)は、1.9μmであった。
得られた水中油型乳化食品を、−20℃で30時間冷凍保存し、室温にて解凍した後、乳化粒子の平均粒子径を測定したところ、2.6μmであった。
4.2.試験例1
噴霧乾燥装置の送風温度および排風温度を下記表1に示されるものとした以外は、実施例1と同様の方法にて試験番号1〜4の水中油型乳化食品を調製した。
なお、試験番号2の乾燥卵黄は、一般に市販されている乾燥卵黄の製造条件と同様の条件で製造したものである。
次いで、試験番号1〜3の水中油型乳化食品について、乳化粒子の平均粒子径を、実施例1と同様の方法にて測定した。
また、冷凍保存前後の平均粒子径の増加量を下記式にて求め、表1に記載のA〜Bの基準にて冷凍耐性の評価を行った。
平均粒子径の増加量(μm)=冷凍保存後の平均粒子径(μm)−冷凍保存前の平均粒子径(μm)
表1より、試験番号1の水中油型乳化食品は、乾燥卵黄1部を精製水1.25部に均一分散させたときの分散液の粘度(25℃)が500〜25,000mPa・sであり、かつ、乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率が90%以上であり、冷凍保存による平均粒子径の増加量も少なかった。したがって、試験番号1の水中油型乳化食品は、冷凍耐性が優れていることがわかる。
これに対して、試験番号2〜4の水中油型乳化食品は、乾燥卵黄1部を精製水1.25部に均一分散させたときの分散液の粘度(25℃)が25,000mPa・sを超え、乾燥卵黄1部を5%塩化ナトリウム水溶液9部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率が90質量%以下であった。試験番号2〜3の水中油型乳化食品は、冷凍保存による平均粒子径の増加量が多かった。したがって、乾燥卵黄の分散液の粘度および乾燥卵黄の溶解率の要件を満たさない試験番号2〜3の水中油型乳化食品は、冷凍耐性が劣っていることがわかる。
4.3.参考例
殻付き卵を割卵機で割り、全卵から卵黄液のみを分離し、乾燥卵黄を当該卵黄液に代え、下記の配合にした以外は実施例1と同様にして参考例の水中油型乳化食品を調製した。
なお、前記卵黄液の固形分含量を44%になるように精製水を加えて調整し、粘度を実施例1と同様の方法にて測定したところ、163mPa・sであった。また、乾燥卵黄の代わりに卵黄液22.5gを用い、5%塩化ナトリウム水溶液の添加量を90gの代わりに77.5gにし、塩化ナトリウムを1.1g加えた以外は、実施例1と同様の方法にて、前記卵黄液の溶解率を測定したところ、100%であった。
<水中油型乳化食品の配合割合>
(油相)
植物油 70%
(水相)
食酢(酸度5%) 10%
グラニュー糖 5%
卵黄液(参考例) 15%
食塩 2%
グルタミン酸ナトリウム 0.2%
キサンタンガム 0.1%
香辛料 0.1%
清水 残余
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
合計 100%
得られた水中油型乳化食品の平均粒子径を、実施例1と同様の方法にて測定したところ、2.2μmであった。
得られた水中油型乳化食品を、−20℃で30時間冷凍保存し、室温で解凍したところ、著しい油分離が観察され、乳化粒子の平均粒子径を測定することができなかった。

Claims (1)

  1. 食用油脂および乾燥卵黄(酵素処理卵黄を除く)を含有した水中油型乳化食品の製造方法であって、
    前記乾燥卵黄は、インレット温度130〜160℃、アウトレット温度50〜70℃の噴霧乾燥条件で噴霧乾燥されており、
    前記乾燥卵黄の水分含量が10質量%以下であり、
    前記乾燥卵黄1質量部を精製水1.25質量部に均一分散させたときの分散液の粘度(25℃)が500〜25,000mPa・sであり、
    前記乾燥卵黄1質量部を5質量%塩化ナトリウム水溶液9質量部に均一分散させたときの乾燥卵黄の溶解率が90質量%以上である
    ことを特徴とする水中油型乳化食品の製造方法
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