JP2007259832A - コーヒーホワイトナー及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 熱いコーヒー等に添加したときでもオイルオフが発生し難い植物ステロール類を配合したコーヒーホワイトナー及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が配合されているコーヒーホワイトナー及びその製造方法。
【選択図】 無し

Description

本発明は、植物ステロール類を配合したコーヒーホワイトナー及びその製造方法に関し、詳しくは、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を配合することにより、熱いコーヒー等に添加したときでもオイルオフが発生し難い植物ステロール類を配合したコーヒーホワイトナー及びその製造方法に関する。
コーヒーホワイトナーは、コーヒーや紅茶等に加え、苦味や渋味等を低減したり、あるいはコク味を付与するために用いられているクリーム様の液状物である。コーヒーホワイトナーは、通常、食用油脂を主原料とし、乳化剤、必要に応じ乳成分、増粘剤、香料等を添加した乳化液を高圧ホモゲナイザー等のせん断力に優れた乳化機で均質化処理をして調製される。また、コーヒーホワイトナーは、その多くが冷蔵で保管されているが、使用の際は、熱いコーヒーや紅茶等に添加するため油脂の分離(オイルオフ)や乳蛋白質の変性(フェザーリング)が発生しない安定な品位が要求される。更に、コーヒーホワイトナーは、食用油脂を主原料としていることから、近年、健康に配慮した商品開発の要望が高まっている。
一方、植物ステロール類は、日常的に摂取することにより、血中の総コレステロール及び低密度リポ蛋白質−コレステロール濃度を低下させる機能を有することが知られている。これら植物ステロール類は、植物油脂、大豆、小麦等の食材に含まれているがその含有量は極僅かであるため、これら植物ステロール類を強化して日常的に摂取できるようにした食品の開発が望まれている。
このような状況下、特開2003−221332号公報(特許文献1)には、体脂肪蓄積抑制作用を有する食用油脂であるジグリセリドと上記植物ステロールを含有したコーヒーホワイトナーが提案されている。しかしながら、特許文献1で使用している食用油脂は特殊な油脂であり高価な原料であるため汎用性に欠ける。そこで、本発明者は、コーヒーホワイトナーの食用油脂として一般的に使用されている植物油脂等のトリグリセリドを用いて植物ステロール類を配合したコーヒーホワイトナーを製した。しかしながら、得られたコーヒーホワイトナーは、熱いコーヒー等に添加するとオイルオフを発生し商品価値を損なうものであった。
特開2003−221332号公報 WO2005/041692
そこで、本発明の目的は、熱いコーヒー等に添加したときでもオイルオフが発生し難い植物ステロール類を配合したコーヒーホワイトナー及びその製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体を配合するならば、意外にもコーヒーに添加したときでもオイルオフが発生し難い植物ステロール類を配合したコーヒーホワイトナーが得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が配合されているコーヒーホワイトナー、
(2)前記複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部である(1)のコーヒーホワイトナー、
(3)前記複合体の配合量が、製品に対し乾物換算で0.05〜20%である(1)又は(2)のコーヒーホワイトナー、
(4)植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との乾燥複合体を油相部に添加するコーヒーホワイトナーの製造方法、
である。
なお、本出願人は、既に植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体及びこれを含有した食品について出願している(WO2005/041692:特許文献4)。しかしながら、同出願には、前記複合体を配合したコーヒーホワイトナーについては一切検討されていない。
本発明によれば、生理活性を有する植物ステロール類を配合しているにも拘らず、熱いコーヒー等に添加してもオイルオフの発生し難いコーヒーホワイトナーを提供できることから、植物ステロール類の新たな用途の拡大、並びにコーヒーホワイトナーの新たな需要の拡大が期待される。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
コーヒーホワイトナーは、食用油脂を主原料とし、当該食用油脂を水中油型に乳化された液状物であるが、本発明のコーヒーホワイトナーは、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が配合されていることを特徴とし、これにより、植物ステロール類を配合しているにも拘らず、熱いコーヒー等に添加してもオイルオフが発生し難いという効果を奏する。
本発明のコーヒーホワイトナーに配合する植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体のうち卵黄リポ蛋白質は、卵黄蛋白質と、親水部分及び疎水部分を有するリン脂質、並びにトリアシルグリセロール、コレステロール等の中性脂質とからなる複合体である。当該複合体は、蛋白質やリン脂質の親水部分を外側にし、疎水部分を内側にして、中性脂質を包んだ構造をしている。卵黄リポ蛋白質は、卵黄の主成分であって、卵黄固形分中の約80%を占める。したがって、本発明の卵黄リポ蛋白質としては、当該成分を主成分とした卵黄を用いるとよく、食用として一般的に用いている卵黄であれば特に限定するものではない。例えば、鶏卵を割卵し卵白液と分離して得られた生卵黄をはじめ、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等が挙げられる。また、本発明では、鶏卵を割卵して得られる全卵、あるいは卵黄と卵白とを任意の割合で混合したもの、あるいはこれらに上記処理を施したもの等を用いてもよい。
一方、植物ステロール類とは、コレステロール又は当該飽和型であるコレスタノールに類似した構造をもつ植物の脂溶性画分より得られる植物ステロール又は植物スタノール、あるいはこれらの構成成分のことであり、植物ステロール類は、植物の脂溶性画分に合計で数%存在する。また、市販の植物ステロール又は植物スタノールは、融点が約140℃前後で、常温で固体であり、これらの主な構成成分としては、例えば、β−シトステロール、β−シトスタノール、スチグマステロール、スチグマスタノール、カンペステロール、カンペスタノール、ブラシカステロール、ブラシカスタノール等が挙げられる。また、植物スタノールについては、天然物の他、植物ステロールを水素添加により飽和させたものも使用することができる。なお、本発明において植物ステロール類は、いわゆる遊離体を主成分とするが、若干量のエステル体を含有していてもよい。
本発明の複合体に用いる植物ステロール類は、市販されている粉体あるいはフレーク状のものを用いることができるが、平均粒子径が50μm以下、特に10μm以下の粉体を使用することが好ましい。平均粒子径が50μmを超える粉体あるいはフレーク状の植物ステロール類を用いる場合には、卵黄と攪拌混合して複合体を製造する際に、均質機(T.K.マイコロイダー:プライミクス(株)製)等を用いて植物ステロール類の粒子を小さくしつつ攪拌混合を行うことが好ましい。これにより、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が形成され易くなる。
本発明のコーヒーホワイトナーに配合する植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体は、上述した植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質を主成分とする卵黄とを、好ましくは10μm以下の粉体状の植物ステロール類と卵黄を水系中で攪拌混合することにより得られる。具体的には、工業的規模での攪拌混合し易さを考慮し、卵黄リポ蛋白質として、卵黄を水系媒体で適宜希釈した卵黄希釈液を使用し、当該卵黄希釈液と植物ステロール類とを攪拌混合して製造することが好ましい。前記水系媒体としては、水分が90%以上のものが好ましく、例えば、清水の他に糖液等が挙げられる。また、前記卵黄希釈液の濃度としては、その後、添加する植物ステロール類の配合量にもよるが、卵黄固形分として0.01〜50%の濃度が好ましく、攪拌混合時の温度は、常温(20℃)でもよいが、45〜55℃に加温しておくと複合体と攪拌混合し易く好ましい。攪拌混合は、例えば、ホモミキサー、コロイドミル、高圧ホモゲナイザー、T.K.マイコロイダー(プライミクス(株)製)等の均質機を用いて、全体が均一になるまで行うとよい。また、上述の方法で得られたものは、複合体が水系媒体に分散したものであるが、噴霧乾燥、凍結乾燥等の乾燥処理を施して乾燥複合体としてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で、複合体に他の原料を配合してもよい。
なお、本発明のコーヒーホワイトナーの製造の際における上記複合体の添加方法としては、水相部に添加する方法及び/又は油相部に添加する方法、あるいは乳化物を製した後に添加する方法等が挙げられる。これらの添加方法のうち、水相部に添加する方法、あるいは乳化物を製した後に添加する方法は、上記水系媒体に分散させた複合体あるいは乾燥複合体のいずれのものを用いてもよいが、油相部に添加する方法では乾燥複合体を用いる必要がある。
植物ステロールは、水への分散処理を施しても、その後、水面に浮いてしまう性質を有する。これに対し本発明で用いる複合体は、後述で示すとおり水に分散する性質を有する。よって、複合体は、両親媒性を有する卵黄リポ蛋白質が、当該疎水部分を疎水物である植物ステロール類の表面側に、親水部分を外側に向けて植物ステロール類の表面に付着した状態と推定される。また、このように本発明で用いる複合体は、表面が親水化されていることにより、コーヒーホワイトナーの乳化状態に何らかの影響を及ぼし、熱いコーヒー等に添加してもオイルオフが発生し難いものとなったのではないかと推定する。
本発明で用いる複合体は、当該原料である植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部であることが好ましく、当該構成比は、卵黄固形分中に卵黄リポ蛋白質は約8割存在するから、卵黄固形分1部に対して植物ステロール類4〜185部に相当する。後述で示すとおり水分散性を有する複合体は、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類が前記範囲で形成しているところ、植物ステロールが前記範囲より少ないと複合体を形成できなかった卵黄リポ蛋白質が残存し、得られたコーヒーホワイトナーの風味を損なう場合があり好ましくない。一方、前記範囲より多いと、本発明の効果である熱いコーヒー等に添加してもオイルオフが発生し難いものが得られ難く好ましくない。
また、本発明のコーヒーホワイトナーに対する複合体の配合量は、乾物換算で0.05〜20%が好ましく、0.2〜15%がより好ましい。複合体の配合量が前記範囲より少ないと、本発明の複合体を用いなくても植物ステロール類単独でもオイルオフが発生し難いものが得られる場合があり、一方、前記範囲より多いと本発明の複合体を用いたとしてもオイルオフが発生し難いものが得られ難いことから好ましくない。
本発明のコーヒーホワイトナーである乳化物は、常法に則り、製すればよく、例えば、水相部と油相部をそれぞれ調製した後、水相部をホモミキサーで攪拌させながら油相部を注加して予備乳化物を製し、次に当該予備乳化物を高圧ホモゲナイザー等のせん断力に優れた乳化機で均質化処理をして調製する方法等が挙げられる。また上述した本発明の複合体の添加方法としては、水相部に添加する方法及び/又は油相部に添加する方法、あるいは乳化物を製した後に添加する方法等が挙げられるが、得られたコーヒーホワイトナーの保存安定性の点で植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との乾燥複合体を油相部に添加する方法が好ましい。水系媒体に分散させた複合体又は乾燥複合体を、水相部に添加する方法、あるいは乳化物を製した後に添加する方法では、保存中に沈殿物を生じる場合があり好ましくない。
本発明のコーヒーホワイトナーには、上述した植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体以外に、コーヒーホワイトナーで一般的に使用されている原料を本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択し添加することができる。例えば、主原料である食用油脂としては、食品に供される油脂であればいずれのものでも良く、ヤシ油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂等が挙げられる。また、乳化剤としては、例えば、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル又はポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸処理澱粉等が挙げられる。また、その他の原料としては、例えば、脱脂粉乳、全脂粉乳、ホエー蛋白質、カゼインナトリウム、生乳、生クリーム、練乳、バターミルク等の乳成分、異性化液糖、果糖、ブドウ糖、麦芽糖、水飴、蜂蜜、乳糖、シロップ、オリゴ糖、糖アルコール、デキストリン、サイクロデキストリン、ソルビトール、トレハロース、キシロース、キシリトール、マンニトール、フラクトオリゴ糖、等の糖類、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、サイリュームシードガム、グアガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉又はこれらの化工澱粉、湿熱処理澱粉、カルボキシメチルセルロース、ペクチン等の増粘材、保存料、酸化防止剤、pH調整剤等が挙げられる。
以下、本発明で用いる植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体及びこれを配合したコーヒーホワイトナーについて、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
[調製例1]:複合体の構成成分の解析及び複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比
まず、卵黄液5g(卵黄固形分2.5g、卵黄固形分中の卵黄リポ蛋白質約2g)に清水95gを加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpmで1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した。次に5000rpmで攪拌しながら植物ステロール(遊離体97.8%、エステル体2.2%、平均粒子径約3μm)2.5gを添加し、さらに10000rpmで5分間攪拌し、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質とから形成された複合体の分散液を得た(調製例1−1)。
得られた分散液1gを取り、0.9%食塩水4gを加え、真空乾燥機(東京理科器械社製、VOS−450D)で真空度を10mmHgにして1分間脱気し、遠心分離器(国産遠心分離器社製、モデルH−108ND)で3000rpmで15分間遠心分離を行い、沈澱と上澄みとを分離した。この上澄みを0.45μmのフィルターで濾過し、さらに0.2μmのフィルターで濾過し、複合体と、複合体を形成していない植物ステロールとを除去した。
この濾液の吸光度(O.D.)を、分光光度計(日立製作所製、U−2010)を用いて、0.9%食塩水を対照とし、280nm(蛋白質中の芳香環をもつアミノ酸の吸収)で測定し、濾液中の蛋白質の量を測定した。
植物ステロールの添加量を表1のように変え、同様に吸光度を測定した(調製例1−2〜調製例1−8)。この結果を表1に示す。
また、調製例1−1の濾液と、調製例1−6の濾液については、更に440nmの吸光度を測定した。ここで、440nmは、卵黄リポ蛋白質中に含まれる油溶性の色素(カロチン)の吸収波長である。この結果を表2に示す。
Figure 2007259832
Figure 2007259832
複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以下であると、表1より、植物ステロールの割合が増えるに伴い、濾液中の蛋白質あるいはアミノ酸の含量の指標となる280nmの吸光度が小さくなっており、蛋白質あるいはアミノ酸の含量が減少することが分かる。また、表2より、濾液中の油脂含量の指標となる440nmの吸光度において、調製例1−1の濾液は調製例1−6に比べ吸光度が優位に高く、油脂含量が明らかに多いことが分かる。一方、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以上であると、表1より、濾液中の蛋白質あるいはアミノ酸の含量の指標となる280nmの吸光度は略一定を示し、表2より、濾液中の油脂含量の指標となる440nmの吸光度において、調製例1−6の濾液は調製例1−1に比べ吸光度が優位に低く、油脂含量が明らかに少ないことが分かる。
以上の結果より、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部以上であるものの分散液には、複合体以外に、卵黄リポ蛋白質でない遊離の蛋白質あるいはアミノ酸が存在し、一方、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが5部より少ないものの分散液には、前記遊離の蛋白質あるいはアミノ酸に加え、複合体を形成しなかった卵黄リポ蛋白質が存在しているものと推定される。したがって、卵黄リポ蛋白質1部を余すことなく複合体の形成に使用するためには、植物ステロール類が5部以上必要であることが分かる。
[調製例2]:複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比
鶏卵を工業的に割卵して得られた卵黄液(固形分45%)と清水の量と植物ステロールの量を表3の通りに変更して、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を調製し、この分散液の分散性から、植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との好ましい構成比を検討した。
すなわち、鶏卵を割卵して取り出した卵黄液(固形分45%)に清水を加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した後、45℃に加温し、次に5000rpmで攪拌しながら植物ステロール(調製例1と同じもの)を除々に添加し、添加し終えたところで、さらに10000rpmで攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。
また、分散液の分散性に関しては、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液0.5gを試験管(内径1.6cm、高さ17.5cm)にとり、0.9%食塩水10mLで希釈し、試験管ミキサー(IWAKI GLASS MODEL−TM−151)で10秒間撹拌することにより振盪し、その後1時間室温で静置し、さらに真空乾燥機(東京理化器械社製、VOS−450D)に入れ、真空度を10mmHg以下にして室温(20℃)で脱気を行い、脱気後に浮上物が見られない場合を○、浮上物が見られた場合を×と判定した。これらの結果を表3に示す。
なお、植物ステロールを加熱溶解し、冷却し、比重の異なるエタノール液に浸けて浮き沈みによりその比重を求めたところ、0.98であったことから、上述の分散性の試験での浮上物は植物ステロールであると考えられる。
Figure 2007259832
表3より、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロールが232部以下であると、複合体に良好な水分散性を付与できることが分かる。
調製例1及び調製例2の結果より、複合体が良好な水分散性を有し、しかも卵黄リポ蛋白質1部を余すことなく複合体の形成に使用するためには、複合体の構成比が卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部の範囲であることが分かる。
[調製例3]
清水17.5kgに殺菌卵黄(固形分45%、キユーピー(株)製)0.5kgを加え、攪拌機(日音医理科器機製作所社製、ヒスコトロン)で2000rpm、1分間攪拌して卵黄希釈液を調製した後、50℃に加温し、次に5000rpmで攪拌及び真空度350mmHgで脱気しながら植物ステロール(調製例1と同じもの)2kgを除々に添加し、添加し終えたところで、さらに同回転数で30分間攪拌して植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体の分散液を得た。なお、得られた分散液中の複合体の構成比は、卵黄固形分1部に対し植物ステロール8.9部であり、卵黄リポ蛋白質1部に対し植物ステロール11.1部である。
[調製例4]
調製例3で得られた複合体の分散液を噴霧乾燥機を用いて、送風温度170℃、排風温度70〜75℃の条件で乾燥し、乾燥複合体を得た。なお、得られた乾燥状の複合体の構成比は、調製例3のものと同じである。
[実施例1]
精製ヤシ油20部を70℃に加温した後、ソルビタンモノステアリン酸エステル(HLB=5)0.15部及びグリセリンモノ脂肪酸エステル(HLB=4)0.2部を加えて溶解し、次いで同温でT.K.オートホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて3000rpmで攪拌させながら調製例4で得られた乾燥複合体2部を加えて均一に分散し、油相部を調製した。一方、70℃の温水71.2部に脱脂粉乳3部、カゼインナトリウム3部、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(HLB=15)0.25部及びクエン酸ナトリウム0.2部を加えて溶解し、水相部を調製した。次いで調製した水相部(70℃)をT.K.オートホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて3000rpmで攪拌させながら油相部(70℃)を徐々に注加し、その後、10000rpmで10分間攪拌して予備乳化物(70℃)100部を調製した。得られた予備乳化物(70℃)を高圧ホモゲナイザーを用いて一次圧30MPa、二次圧10MPaで均質化した後、5℃まで急冷して油相部に(乾燥)複合体を添加したコーヒーホワイトナーを製した。
[実施例2]
精製ヤシ油20部を70℃に加温した後、ソルビタンモノステアリン酸エステル(HLB=5)0.15部及びグリセリンモノ脂肪酸エステル(HLB=4)0.2部を加えて溶解し、油相部を調製した。一方、70℃の温水55.2部に脱脂粉乳3部、カゼインナトリウム3部、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(HLB=15)0.25部及びクエン酸ナトリウム0.2部を加えて溶解し、次いで同温でT.K.オートホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて3000rpmで攪拌させながら調製例3で得られた18部を加えて均一に分散し、水相部を調製した。そして調製した水相部(70℃)をT.K.オートホモミクサー(プライミクス(株)製)を用いて3000rpmで攪拌させながら油相部(70℃)を徐々に注加し、その後、10000rpmで10分間攪拌して予備乳化物(70℃)100部を調製した。得られた予備乳化物(70℃)を高圧ホモゲナイザーを用いて一次圧30MPa、二次圧10MPaで均質化した後、5℃まで急冷して水相部に複合体を添加したコーヒーホワイトナーを製した。
[比較例1]
実施例1において、乾燥複合体2部に換えて複合体の原料である植物ステロール(調製例1と同じもの)1.8部を溶解させた以外は、同様の方法で油相に植物ステロールを添加したコーヒーホワイトナーを製した。
[試験例1]
実施例1、実施例2並びに比較例1で得られた各コーヒーホワイトナーを熱いコーヒーに添加したときのオイルオフの発生の有無を試験した。つまり、市販のインスタントコーヒーを溶かした85℃のコーヒー(pH4.7)200mLに各コーヒーホワイトナー10mLを添加して攪拌したときのオイルオフの状態を目視で観察し評価した。なお、各コーヒーホワイトナーとも植物ステロールが1.8%配合されている。
Figure 2007259832
表4に示すように植物ステロール単独を配合した比較例1のコーヒーホワイトナーは、熱いコーヒーに添加するとオイルオフの発生が観察されたのに対し、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質の複合体を配合した実施例1及び実施例2のコーヒーホワイトナーは、オイルオフが発生せず安定であることが理解される。
なお、ここでは示していないが、調製例3で用いた植物ステロールに換えて植物スタノールを用いた複合体で実施例1あるいは実施例2のコーヒーホワイトナーを調製し、上記試験を行ったところ同様の結果が得られた。また、実施例1及び実施例2のコーヒーホワイトナーを容器に充填し冷蔵保存(4℃)で1週間保存したところ、油相部に(乾燥)複合体を添加した実施例1のコーヒーホワイトナーは安定であったが、水相部に複合体を添加した実施例2のコーヒーホワイトナーは、問題とならない程度ではあるが、僅かに沈殿物が発生していた。

Claims (4)

  1. 植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との複合体が配合されていることを特徴とするコーヒーホワイトナー。
  2. 前記複合体の植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との構成比が、卵黄リポ蛋白質1部に対して植物ステロール類5〜232部である請求項1記載のコーヒーホワイトナー。
  3. 前記複合体の配合量が、製品に対し乾物換算で0.05〜20%である請求項1又は2記載のコーヒーホワイトナー。
  4. 植物ステロール類と卵黄リポ蛋白質との乾燥複合体を油相部に添加することを特徴とするコーヒーホワイトナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009291136A (ja) * 2008-06-06 2009-12-17 Kanto Shokken Kk 飲食品用ホワイトナー
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