JP4493216B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Description

技術分野
この発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」とも称する。)に関する。さらに詳しくは、民生用および工業用の表示機器(ディスプレイ)、あるいはプリンターヘッドの光源等に用いて好適な有機EL素子に関する。
背景技術
従来の有機EL素子の一例が、特開平7−78689号公報に開示されている。この開示された有機EL素子は、高い発光輝度を得ることを目的とし、第20図に示すように、干渉ピーク(A2)の波長と、有機発光層で発生した光の発光ピーク(B2)の波長とを一致させることを特徴としている。すなわち、有機発光層で発生した光が積層された各層を通過するためにいわゆる干渉効果が生じるが、この干渉効果に起因した干渉ピーク波長と、発光層で発生した光の発光ピーク波長とを一致させるものである。
しかしながら、干渉効果による干渉ピーク波長と、発生した光の発光ピーク波長とを一致させると、逆に色純度(CIE色度座標)の値が低下する傾向が見られた。例えば、発光ピーク波長が400〜490nmの青色発光の場合、視感度の高い緑色成分を一部含んでいるため、干渉ピーク波長と、発光ピーク波長とを一致させると、緑色成分の光強度も強めることになり、その結果、色純度(CIE色度座標)の値が低下する現象が見られた。
また、特開平7−240277号公報にも、第35図に示すように、高屈折性透明電極と、有機発光層の合計光学膜厚を中心波長の値を強めるように設定した有機EL素子が開示されている。
しかしながら、この有機EL素子においても、中心波長の値を強める際に、中心波長付近の強度の値も同時に強めることになり、色純度が低下する場合が見られた。
もちろん、これらの有機EL素子において、有機発光層の厚さが極めて均一であって、厚さのばらつきがなければ、CIE色度座標の値を均一化することができるが、歩留りが著しく低下するため現実的な解決方法ではなかった。
そこで、本発明の発明者らは上記問題を鋭意検討したところ、JIS Z 8701に準拠して測定されるCIE色度座標値は、透明電極と有機層との合計光路長の値に対応して極大値および極小値を有して周期的に変化するため、かかる極大値および極小値を考慮して有機層の厚さを決定し、むしろ干渉ピーク波長と発光ピーク波長とを一定範囲ずらすことにより、CIE色度座標の変化が小さくなることを見出した。
すなわち、本発明は、透明電極と有機層との合計光路長に所定分布が生じたとしても、色純度(CIE色度座標)の変化が小さい有機EL素子およびそのような有機EL素子が効率的に得られる製造方法を提供することを目的とする。
発明の開示
[1] 本発明の一つの態様は、少なくとも一方が透明電極である電極間に挟持された有機層を含む有機EL素子であり、透明電極と有機層との合計光路長をt(nm)とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標またはCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMin(nm)とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標またはCIEy色度座標の極大値を示す光路長をMax(nm)としたときに、合計光路長(t)が以下の大小関係(a)および(b)、あるいはいずれか一方の大小関係を満足することを特徴としている。
Min−20nm<t<Min+20nm(a)
Max−20nm<t<Max+20nm(b)
このように構成することにより、有機層における所定の膜厚分布が生じたとしても、色純度(CIE色度座標)の変化が小さい極大値または極小値を示す光路長付近の値を採用しているため、優れた色純度を得ることができる。
なお、上述した透明電極と有機層との合計光路長(t)、CIEx色度座標またはCIEy色度座標の極大値を示す光路長MaxおよびMinの単位(nm)の記載を便宜上省略する場合がある。
[2] また、本発明の有機EL素子を構成するにあたり、透明電極と有機層との合計光路長(t)を、CIEx色度座標またはCIEy色度座標の極小値を示す光路長(Min)、あるいはCIEx色度座標またはCIEy色度座標の極大値を示す光路長(Max)と一致させることが好ましい。
このように構成することにより、有機層における所定の膜厚分布が生じたとしても、色純度(CIE色度座標)の変化が小さい極大値または極小値を示す光路長を採用しているため、優れた色純度を得ることができる。
[3] また、本発明の有機EL素子を構成するにあたり、有機層の発光ピーク波長(S1)を400〜490nmの範囲内の値とするとともに、透明電極と有機層との合計光路長(t1)をCIEy色度座標の極小値を示す光路長(Min)と一致させることが好ましい。
このように構成することにより、青色の色調(純度)により優れた有機EL素子とすることができる。
すなわち、青色発光の場合、色調の変化については、CIEx色度座標よりも、よりCIEy色度座標の影響を受けるためである。また、合計光路長(t1)を極小値と一致させるのは、青色発光の場合、極小値と一致させたほうが色調の変化がより小さくなるためである。
[4] また、本発明の有機EL素子を構成するにあたり、有機層の発光ピーク波長(S2)を580〜700nmの範囲内の値とするとともに、透明電極と有機層との合計光路長(t2)をCIEx色度座標の極大値を示す光路長(Max)または極小値を示す光路長(Min)と一致させることが好ましい。
このように構成することにより、赤色の純度により優れた有機EL素子とすることができる。
すなわち、赤色発光の場合、色調の変化については、CIEy色度座標よりも、CIEx色度座標の影響を受けるためである。また、合計光路長(t2)を極大値または極小値と一致させるのは、赤色発光の場合、いずれの場合も色調の変化が小さくなるためである。
[5] また、本発明の有機EL素子を構成するにあたり、有機層の発光ピーク波長(S3)を500〜570nmの範囲内の値とするとともに、透明電極と有機層との合計光路長(t3)をCIEy色度座標の極大値を示す光路長(Max)と一致させることが好ましい。
このように構成することにより、緑色の色調(純度)により優れた有機EL素子とすることができる。すなわち、緑色発光の場合、色調の変化については、CIEx色度座標よりも、よりCIEy色度座標の影響を受けるためである。また、合計光路長(t3)を極大値と一致させるのは、緑色発光の場合、極大値と一致させたほうが色調の変化がより小さくなるためである。
[6] また、本発明の有機EL素子を構成するにあたり、透明電極と有機層との合計光路長(t)の面内分布を±20nmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように構成することにより、透明電極や、有機層に膜厚分布による色純度(CIE色度座標)の変化を緩和して、より小さくすることができる。
なお、面内分布が±20nmの範囲内の値であるとは、エリプソメーターによって測定される面内の光路長の最大値と、最小値との差が、40nm以内であることを意味している。
[7] また、本発明の有機EL素子を構成するにあたり、透明電極と有機層との合計光路長(t)の値を調整するための光路長補正層を含むことが好ましい。
このように構成することにより、透明電極と有機層との合計光路長の調整がより容易となり、有機層における所定の膜厚分布が生じたとしても、色純度(CIE色度座標)の変化をより小さくすることができる。
[8] また、本発明の有機EL素子の別の態様は、少なくとも一方が透明電極である電極間に、発光ピーク波長が400〜490nmである青色発光有機層と、発光ピーク波長が500〜570nmである緑色発光有機層と、発光ピーク波長が580〜700nmである赤色発光有機層とを挟持してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、
透明電極と青色発光有機層との合計光路長をt1とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMinとしたときに、Min−20nm<t1<Min+20nmの大小関係を満足するか、
透明電極と緑色発光有機層との合計光路長をt3とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t3<Max+20nmの大小関係を満足するか、
あるいは、透明電極と赤色発光有機層との合計光路長をt2とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t2<Max+20nmの大小関係を満足すること、
を特徴としている。
このように構成することにより、有機層における所定の膜厚分布が生じたとしても、三原色(赤、青、緑)の色純度(CIE色度座標)のいずれかの変化を小さくすることができる。
よって、有機EL素子における有機層を大面積化したような場合であっても、優れた色調を有するカラー表示可能となる。
[9] また、本発明の有機EL素子の別の態様は、少なくとも一方が透明電極である電極間に、発光ピーク波長が400〜490nmである青色発光有機層と、発光ピーク波長が500〜570nmである緑色発光有機層と、発光ピーク波長が580〜700nmである赤色発光有機層とを挟持してなる有機EL素子であり、
透明電極と青色発光有機層との合計光路長をt1とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMinとしたときに、Min−20nm<t1<Min+20nmの大小関係を満足し、
透明電極と緑色発光有機層との合計光路長をt3とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t3<Max+20nmの大小大小関係を満足し、かつ、
透明電極と赤色発光有機層との合計光路長をt2とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t2<Max+20nmの大小関係を満足すること、
を特徴としている。
このように構成することにより、有機層における所定の膜厚分布が生じたとしても、三原色(赤、青、緑)の色純度(CIE色度座標)の変化をそれぞれ小さくすることができる。
よって、有機EL素子における有機層を大面積化したような場合であっても、優れた色調を有するカラー表示可能となる。
[10] また、本発明の有機EL素子を構成するにあたり、発光面側(EL発光の取り出し側)に、色変換媒体が設けてあることが好ましい。
このように構成することにより、一種類の有機層を用いた場合であっても、色変換媒体を適宜組み合わせることにより、フルカラー表示をすることができる。
したがって、フルカラー表示をする場合であっても、有機EL素子の構成が簡略化されたり、製造が容易となる。
[11] また、本発明のさらに別の態様は、少なくとも一方が透明電極である電極間に挟持された有機層を含む有機EL素子の製造方法であり、
透明電極と有機層との合計光路長をt(nm)とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標またはCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMin(nm)とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標またはCIEy色度座標の極大値を示す光路長をMax(nm)としたときに、合計光路長(t)が、以下の大小関係(a)および(b)、あるいはいずれか一方の大小関係を満足するように透明電極および有機層を形成することを特徴としている。
Min−20nm<t<Min+20nm (a)
Max−20nm<t<Max+20nm (b)
このように実施することにより、有機層における所定の膜厚分布が生じたとしても、色純度(CIE色度座標)の変化が小さい有機EL素子を効率的に提供することができる。
[12] また、本発明の有機EL素子の製造方法を実施するにあたり、有機層を、予め形成された透明電極上に形成して、合計光路長(t)を調整することが好ましい。
このように実施することにより、所定の透明電極、例えば市販の透明電極をそのまま使用するとともに、有機層の厚さや、屈折率を適宜変更することによって合計光路長(t)を調整することができる。
[13] また、本発明の有機EL素子の製造方法を実施するにあたり、透明電極と有機層との合計光路長(t)の値を調整するための光路長補正層を形成する工程を含むことが好ましい。
このように実施することにより、透明電極と有機層との合計光路長の調整がより容易となり、有機層における所定の膜厚分布が生じたとしても、色純度(CIE色度座標)の変化を小さい有機EL素子をより効率的に提供することができる。
発明を実施するための最良の実施形態
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。なお、参照する図面は、この発明が理解できる程度に各構成成分の大きさ、形状および配置関係を概略的に示してあるに過ぎない。したがって、この発明は図示例にのみ限定されるものではない。また、図面では、断面を表すハッチングを省略する場合がある。
[第1の実施形態]
第1の実施形態における有機EL素子100は、第1図に示すように、ガラス基板22上に、透明電極層(陽極層)10と、発光ピーク波長(S1)が400〜490nmの青色発光有機層12と、陰極層16とを順次に積層して構成してある。そして、第1の実施形態の有機EL素子100では、透明電極10と青色発光有機層12との合計光路長をt1とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMinとしたときに、Min−20nm<t1<Min+20nmの大小関係を満足している。
なお、青色発光有機層12以外に、電子注入層、電子輸送層、正孔注入層、正孔輸送層、あるいはそれ以外の有機層を設けた場合には、これらの層の光路長を青色発光有機層に含めて考えれば良い。
以下、第2図〜第7図を参照しながら、透明電極10および青色発光有機層12の合計光路長(以下、単に光路長と称する場合がある。)と、CIE色度座標の極小値との関係を説明する。また、第1図に示す有機EL素子100の構成要素について具体的に説明する。
(1)透明電極および青色発光有機層の合計光路長とCIEy色度座標の極値との関係
第2図は、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t1)と、EL発光のCIEx色度座標値との関係を示す図である。横軸に合計光路長(t1)の値(nm)を採って示してあり、縦軸にCIEx色度座標値を採って示してある。
また、第3図は、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t1)と、EL発光のCIEy色度座標値との関係を示す図である。横軸に合計光路長(t1)の値(nm)を採って示してあり、縦軸にCIEy色度座標値を採って示してある。
なお、参考のため、青色発光有機層からの発光についてのCIE色度座標(計算値)を第4図に、その拡大図を第5図に示す。それぞれ横軸がCIEx色度座標の値を示しており、縦軸がCIEy色度座標の値を示している。一般に青色発光の場合、CIEx色度座標の値は、0.11〜0.17程度であり、CIEy色度座標の値は、0.07〜0.29程度である。
これらの第2図および第3図から理解されるように、CIEx色度座標値およびCIEy色度座標値は、それぞれ透明電極および青色発光有機層の合計光路長が変化するにつれて周期的に変化している。
そして、CIEx色度座標値については、以下の合計光路長に極小値(Min)および極大値(Max)を有している。
極小値(Min):200nm、470nm、750nm、970nm程度
極大値(Max):90nm、340nm、600nm、840nm程度
また、CIEy色度座標値については、以下の合計光路長に極小値(Min)および極大値(Max)を有している。
極小値(Min):190nm、430nm、670nm、930nm程度
極大値(Max):90nm、340nm、560nm、810nm程度
さらに、CIEx色度座標およびCIEy色度座標の値のばらつきが、それぞれ小さいほど、青色発光における色変化が小さいことになる。ただし、青色発光の場合、人間の目による認識上、CIEx色度座標のばらつきよりも、CIEy色度座標値のばらつきのほうが、青色変化が大きく(強く)認識されるという特性がある。
したがって、青色発光有機層の合計光路長に一定のばらつきがあったとしても、CIEy色度座標値の極小値(Min)または極大値(Max)と関係づけることにより、より色調に影響するCIEy色度座標値の変化を小さくすることができる。
例えば、合計光路長に±20nmのばらつきがあり、第5図に記号B1で示すように、合計光路長をCIEy色度座標値の極小値(Min)または極大値(Max)と関係のない468nmとすると、CIEy色度座標値は、0.2280〜0.2384の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差(b1)は0.0104となる。
それに対して、合計光路長に±20nmのばらつきがあったとしても、第5図に記号B2で示すように、合計光路長(t1)をCIEy色度座標値の極小値(Min)と関係づけて430nmとすると、CIEy色度座標値は、0.2219〜0.2228の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差(b2)は0.0009となる。すなわち、関係付けない場合と比較して、9%以下の低い値(0.104×9/100%、以下同様に算出する。)となっている。
同様に、第5図に記号B3で示すように、合計光路長(t1)をCIEy色度座標値の極大値(Max)と関係づけて560nmとすると、CIEy色度座標値は、0.2834〜0.2848の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差(b3)は0.0014となる。すなわち、関係付けない場合と比較して、14%以下の低い値となっている。
なお、このように透明電極および青色発光有機層の合計光路長をCIE色度座標値の極小値(Min)または極大値(Max)と関係づけるように調整する方法は特に制限されるものでなく、透明電極の屈折率、透明電極の厚さ、青色発光有機層の屈折率、および青色発光有機層の厚さを適宜変更したり、あるいは、第4および第5の実施形態のように光路長補正層を設けることも好ましい。
また、第6図は、第1の実施形態における青色発光をしている場合の干渉ピークおよび発光スペクトルの関係を示す図である。第6図中、干渉ピークを記号A1、発光スペクトルを記号B1でそれぞれ示してある。また、この例では、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(nm)を、CIEy色度座標値の極小値(Min)と関係付ける430nmとしてある。ただし、干渉ピーク位置が明確になるように、便宜上、干渉因子については、規格化して示してあり、極大を100,極小を0としてある。一方、発光強度については、規格化せず、実際の発光強度を示してある。
第6図から、明かなように、第1の実施形態では、干渉ピーク(波長431nm)(A1)と、発光スペクトルのピーク(波長468nm)(B1)とが、波長において約37nmずれていることがわかる。
それに対して、第7図は、従来の有機EL素子において青色発光させる際の干渉ピークおよび発光スペクトルと、波長との関係を示す図である。第7図中、同様に干渉ピークを記号A2、発光スペクトルを記号B2でそれぞれ示してある。また、この従来例では、干渉ピーク(A2)と、発光スペクトルのピーク(B2)とを一致させるために、第5図に記号B1で示すように、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(nm)を468nmとしてある。ただし、この合計光路長の場合、CIEy色度座標値については、極大値(Max)や極小値(Min)とはならない。
よって、第2図および第3図に示す関係を考慮すれば、透明電極および青色発光有機層の合計光路長に一定のばらつきがあり、干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)とがずれていたとしても、かかる合計光路長を極大値(Max)や極小値(Min)に関係付けることにより、より好ましくは、CIEy色度座標値の極小値(Min)と関係づけることにより、第1の実施形態の有機EL素子では、CIE色度座標値の変化が小さくなり、結果として、視覚される青色変化を少なくすることができる。
一方、従来の有機EL素子では、干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)とが一致していたとしても、透明電極および青色発光有機層の合計光路長が極大値(Max)や極小値(Min)と関係付けられていないために、かかる合計光路長のばらつきに起因したCIE色度座標値の変化が大きくなり、その結果、視覚される青色変化が大きくなる。
なお、第1の実施形態の有機EL素子において、青色発光有機層の干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)とがずれることにより、EL発光強度の値が若干低下するものの、干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)とが一致した従来の有機EL素子の場合と比較して、7%程度の低下であり、実用上、全く問題とならない。
その他、第32図および第33図に示すように、青色発光有機層の厚さを2,000nm以上の値、より好ましくは3,000nm以上の値、さらに好ましくは5,000nm以上の値とすることにより、透明電極および青色発光有機層の合計光路長のばらつきに起因したCIE色度座標値の変化が小さくなることが確認されている。したがって、青色発光有機層の厚さを厚くすることが可能な用途であれば、CIEy色度座標値の極大値(Max)や極小値(Min)を示す合計光路長とするばかりか、青色発光有機層の厚さを上述した値とすることにより、より色調に優れ、しかも青色変化が小さい青色発光を認識することができる。
逆に言えば、青色発光有機層の厚さが2,000nm以下の場合には、上述したように、CIEy色度座標値の極大値(Max)や極小値(Min)を示す合計光路長に調整することは、色調に優れ、しかも青色変化が小さい青色発光を認識する上で、極めて有効な手段であると言える。
(2)有機層
有機層は、少なくとも有機発光層を含んで構成されているが、任意に正孔注入層、正孔輸送層、正孔障壁層、電子注入層、電子輸送層、電子障壁層等を含むことも好ましい。以下、代表的な有機層の構成層について説明する。
(有機発光層)
第1の実施形態では、青色有機発光材料を有機層(有機発光層)に含んでいる。このような青色有機発光材料としては特に制限されるものではないが、例えば、以下の3つの機能を併せ持つことが好ましい。
(a)電荷の注入機能:電界印加時に陽極、あるいは正孔注入層から正孔を注入することができる一方、陰極層、あるいは電子注入層から電子を注入することができる機能。
(b)輸送機能:注入された正孔および電子を電界の力で移動させる機能。
(c)発光機能:電子と正孔の再結合の場を提供し、これらを発光につなげる機能。
したがって、このような機能を有する有機発光材料として、スチリル基を有する芳香族環化合物が挙げられる。すなわち、スチリル基を有する芳香族環化合物を使用することにより、優れた発光特性や耐久性を得ることができる点で好ましい。
また、発光層の材料として使用可能な有機化合物としては、特に限定はないが、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤、金属キレート化オキシノイド化合物、スチリルベンゼン系化合物等を挙げることができる。
具体的に好ましい化合物名を示せば、特開昭59−194393号公報に開示されているものを挙げることができる。その代表例としては、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)−1,3,4−チアジアゾール、4,4´−ビス(5,7−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)スチルベン、4,4´−ビス[5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル]スチルベン、2,5−ビス(5,7−ジ−t−ペンチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、2,5−ビス[5−α,α−ジメチルベンジル−2−ベンゾオキサゾリル]チオフェン、2,5−ビス[5,7−ジ−(2−メチル−2−ブチル)−2−ベンゾオキサゾリル]−3,4ジオフェニルチオフェン、2,5−ビス(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)チオフェン、4,4´−ビス(2−ベンゾオキサゾリル)ビフェニル、5−メチル−2−[2−[4−(5−メチル−2−ベンゾオキサゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾオキサゾール、2−[2−(4−クロロフェニル)ビニル]ナフト[1,2−d]オキサゾール等のベンゾオキサゾール系、2−2´−(p−フェニレンジビニレン)−ビスベンゾチアゾール等のベンゾチアゾール系、2−[2−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]ビニル]ベンゾイミダゾール、2−[2−(4−カルボキシフェニル)ビニル]ベンゾイミダゾール等のベンゾイミダゾール系等の蛍光増白剤を挙げることができる。さらに、他の有用な化合物は、ケミストリー・オブ・シンセティック・ダイズ1971,628〜637頁および640頁に列挙されている。
また、上述したキレート化オキシノイド化合物としては、例えば特開昭63−295695号公報に開示されているものを用いることができる。その代表例としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)マグネシウム、ビス(ベンゾ[f]−8−キノリノール)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)アルミニウムオキシド、トリス(8−キノリノール)インジウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、8−キノリノールリチウム、トリス(5−クロロ−8−キノリノール)ガリウム、ビス(5−クロロ−8−キノリノール)カルシウム、ポリ[亜鉛(II)−ビス(8−ヒドロキシ−5−キノリノリル)メタン]等の8−ヒドロキシキノリン系金属錯体やジリチウムエピントリジオン等を挙げることができる。
また、上述したスチリルベンゼン系化合物としては、例えば欧州特許第0319881号明細書や欧州特許第0373582号明細書に開示されているものを用いることができる。その代表例としては、1,4−ビス(2−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−メチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(4−メチルスチリル)ベンゼン、ジスチリルベンゼン、1,4−ビス(2−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(3−エチルスチリル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−メチルベンゼン、1,4−ビス(2−メチルスチリル)−2−エチルベンゼン等を挙げることができる。
また、特開平2−252793号公報に開示されているジスチリルピラジン誘導体も発光層の材料として用いることができる。その代表例としては、2,5−ビス(4−メチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス(4−エチルスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ナフチル)ビニル]ピラジン、2,5−ビス(4−メトキシスチリル)ピラジン、2,5−ビス[2(4−ビフェニル)ビニル]ピラジン、2,5−ビス[2−(1−ピレニル)ビニル]ピラジン等を挙げることができる。その他のものとして、例えば欧州特許第0387715号明細書に開示されているポリフェニル系化合物も発光層の材料として用いることもできる。
さらに、上述した蛍光増白剤、金属キレート化オキシノイド化合物、およびスチリルベンゼン系化合物等以外に、例えば12−フタロペリノン(J.Appl.Phys.,第27巻,L713(1988年))、1,4−ジフェニル−1,3−ブタジエン、1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(以上Appl.Phys.Lett.,第56巻,L799(1990年))、ナフタルイミド誘導体(特開平2−305886号公報)、ペリレン誘導体(特開平2−189890号公報)、オキサジアゾール誘導体(特開平2−216791号公報、または第38回応用物理学関係連合講演会で浜田らによって開示されたオキサジアゾール誘導体)、アルダジン誘導体(特開平2−220393号公報)、ピラジリン誘導体、(特開平2−220394号公報)シクロペンタジエン誘導体(特開平2−289675号公報)、ピロロピロール誘導体(特開平2−296891号公報)、スチリルアミン誘導体(Appl.Phys.Lett.,第56巻,L799(1990年))、クマリン系化合物(特開平2−191694号公報)、国際公開公報WO90/13148やAppl.Phys.Lett.,vol 58,18,P1982(1991)に記載されているような高分子化合物等も、発光層の材料として用いることができる。
本発明では、特に発光層の材料として、芳香族ジメチリディン系化合物(欧州特許第0388768号明細書や特開平3−231970号公報に開示のもの)を用いることが好ましい。具体例としては、1,4−フェニレンジメチリディン、4,4−フェニレンジメチリディン、2,5−キシレンジメチリディン、2,6−ナフチレンジメチリディン、1,4−ビフェニレンジメチリディン、1,4−p−テレフェニレンジメチリディン、9,10−アントラセンジイルジルメチリディン、4,4´−ビス(2,2−ジ−t−ブチルフェニルビニル)ビフェニル、4,4´−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等、およびそれらの誘導体を挙げることができる。
また、第1の実施形態に使用する青色有機発光材料に限られる内容ではなく、後述する第2の実施形態における緑色有機発光材料や、第3の実施形態における赤色有機発光材料にも該当するが、有機発光層に、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系等の蛍光増白剤や、スチリルベンゼン系化合物、8−キノリノール誘導体を配位子とする金属錯体を併用することも好ましい。
さらにまた、ジスチリルアリーレン骨格の有機発光材料、例えば4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル等をホストとし、当該ホストに青色から赤色までの強い蛍光物質、例えばクマリン系、あるいはホストと同様の蛍光物質をドープしたものを併用することも好適である。
また、このようにして構成される有機発光層の厚さは、光路長等を考慮して適宜選択することができるが、通常5nm〜5μmの範囲内の値であることが好ましい。
この理由は、有機発光層の膜厚が5nm未満となると、発光輝度や耐久性が低下する場合があり、一方、有機発光層の膜厚が5μmを超えると、印加電圧の値が高くなる場合があるためである。
したがって、有機発光層の膜厚を10nm〜3μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20nm〜1μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、有機発光層は、上述した材料からなる一種または二種以上の組み合わせからなる一層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる複層構造であってもよい。
(正孔注入層)
また、必要に応じて設けられる正孔注入層の材料としては、従来より光伝導材料の正孔注入材料として慣用されているものや有機EL素子の正孔注入層に使用されている公知のものの中から任意のものを選択して用いることができる。正孔注入層の材料は、正孔の注入、電子の障壁性のいづれかを有するものであり、有機物、あるいは無機物のどちらでもよい。
好ましい具体例としては、例えばトリアゾール誘導体(米国特許3,112,197号明細書等参照)、オキサジアゾール誘導体(米国特許3,189,447号明細書等参照)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号公報等参照)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許3,615,402号明細書、同第3,820,989号明細書、同第3,542,544号明細書、特公昭45−555号公報、同51−10983号公報、特開昭51−93224号公報、同55−17105号公報、同56−4148号公報、同55−108667号公報、同55−156953号公報、同56−36656号公報等参照)、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体(米国特許第3,180,729号明細書、同第4,278,746号明細書、特開昭55−88064号公報、同55−88065号公報、同49−105537号公報、同55−51086号公報、同56−80051号公報、同56−88141号公報、同57−45545号公報、同54−112637号公報、同5−74546号公報等参照)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3,615,404号明細書、特公昭51−10105号公報、同46−3712号公報、同47−25336号公報、特開昭54−53435号公報、同54−110536号公報、同54−119925号公報等参照)、アリールアミン誘導体(米国特許第3,567,450号明細書、同第3,180,703号明細書、同第3,240,597号明細書、同第3,658,520号明細書、同第4,232,103号明細書、同第4,175,961号明細書、同第4,012,376号明細書、特公昭49−35702号公報、同39−27577号公報、特開昭55−144250号公報、同56−119132号公報、同56−22437号公報、西独特許第1,110,518号明細書等参照)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3,526,501号明細書等参照)、オキサゾール誘導体(米国特許第3,257,203号明細書等に開示のもの)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号公報等参照)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号公報等参照)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3,717,462号明細書、特開昭54−59143号公報,同55−52063公報,同55−52064号公報、同55−46760号公報、同55−85495号公報、同57−11350号公報,同57−148749号公報,特開平2−311591号公報等参照)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号公報、同61−228451号公報,同61−14642号、同61−72255号公報、同62−47646号公報、同62−36674号公報、同62−10652号公報、同62−30255号公報、同60−93445号公報、同60−94462号公報、同60−174749号公報、同60−175052号公報等参照)、シラザン誘導体(米国特許第4,950,950号明細書)、ポリシラン系(特開平2−204996号公報)、アニリン系共重合体(特開平2−282263号公報)、特開平1−211399号公報に開示されている誘電性高分子オリゴマー(特にチオフェンオリゴマー)等を挙げることができる。
正孔注入層の材料としては上記のものを使用することができるが、ポリフィリン化合物(特開昭63−295695号公報等に開示のもの)、芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物(米国特許弟4,127,412号明細書、特開昭53−27033号公報、同54−58445号公報、同54−149634号公報、同54−64299号公報、同55−79450号公報、同55−144250号公報、同56−119132号公報、同61−295558号公報、同61−98353号公報、同63−295695号公報等参照)、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることがより好ましい。
このようなポルフィリン化合物の代表例としては、ポルフィン、1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、1,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン亜鉛(II)、5,10,15,20−テトラキス(ペンタフルオロフェニル)−21H,23H−ポルフィン、シリコンフタロシアニンオキシド、アルミニウムフタロシアニンクロリド、フタロシアニン(無金属)、ジリチウムフタロシアニン、銅テトラメチルフタロシアニン、銅フタロシアニン、クロムフタロシアニン、亜鉛フタロシアニン、鉛フタロシアニン、チタニウムフタロシアニンオキシド、Mgフタロシアニン、銅オクタメチルフタロシアニン等を挙げることができる。
また、好ましい芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N´,N´−テトラフェニル−4,4´−ジアミノフェニル、N,N´−ジフェニル−N,N´−ビス−(3−メチルフェニル)−[1,1´−ビフェニル]−4,4´−ジアミン、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N´,N´−テトラ−p−トリル−4,4´−ジアミノフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N´−ジフェニル−N,N´−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4´−ジアミノビフェニル、N,N,N´,N´−テトラフェニル−4,4´−ジアミノフェニルエーテル、4,4´−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4´−[4(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4´−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン、N−フェニルカルバゾール等を挙げることができる。また、発光層の材料として示した前述の芳香族ジメチリディン系化合物も、正孔注入層の材料として使用することができる。
正孔注入層としての厚さは特に制限されないが、通常は5nm〜5μmの範囲内の値であることが好ましい。この正孔注入層についても、上述した材料からなる一種または二種以上の組み合わせからなる一層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる複層構造であってもよい。
(電子注入層)
また、必要に応じて設けられる電子注入層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
電子注入層の構成材料の具体例としては、ニトロ置換フルオレノン誘導体、特開昭57−149259号公報、同58−55450号公報、同63−104061号公報等に開示されているアントラキノジメタン誘導体、Polymer Preprints,Japan Vol.37,No.3(1988)p.681等に記載されているジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、Japanese Journal of Applied Physics,27,L 269(1988)、特開昭60−69657号公報、同61−143764号公報、同61−148159号公報等に開示されているフルオレニリアンメタン誘導体、特開昭61−225151号公報、同61−233750号公報等に開示されているアントラキノジメタン誘導体およびアントロン誘導体、Appl.Phys.Lett.,55,15,1489や前述の第38回応用物理学関係連合講演会で浜田らによって開示されたオキサジアゾール誘導体、特開昭59−194393号公報に開示されている一連の電子伝達性化合物等が挙げあられる。なお、特開昭59−194393号公報では前記伝達性化合物を発光層の材料として開示しているが、本発明者の検討によれば、電子注入層の材料としても用いることができることが明らかとなった。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、具体的には、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム等や、これらの金属錯体の中心金属がIn,Mg、Cu、Ca、Sn、Zn、GaまたはPbに置き代わった金属錯体等も電子注入層の材料として用いることができる。その他に、メタルフリー、あるいはメタルフタロシアニンまたはそれらの末端がアルキル基、スルホン基等で置換されているものも望ましい。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子注入層の材料として用いることができる。
また、電子注入層としての厚さは特に制限されないが、通常は5nm〜5μmの範囲内の値であることが好ましい。この電子注入層についても、上述した材料からなる一種または二種以上の組み合わせからなる一層構造であってもよいし、同一組成または異種組成の複数層からなる複層構造であってもよい。
また、電子注入層の膜厚についても特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができるが、例えば、5nm〜5μmの範囲内の値であることが好ましい。この理由は、電子注入層の膜厚が5nm未満となると、発光輝度や耐久性が低下する場合があり、一方、電子注入層の膜厚が5μmを超えると、印加電圧の値が高くなる場合があるためである。したがって、電子注入層の膜厚を10nm〜3μmの範囲内の値とすることがより好ましく、20nm〜1μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)電極
(陽極層)
陽極層としては、正孔注入性が良好なように、仕事関数の大きい(例えば、4.0eV以上)金属、合金、電気電導性化合物またはこれらの混合物を使用することが好ましい。具体的には、インジウムチンオキサイド(ITO)、CuI(よう化銅)、SnO(酸化錫)、酸化亜鉛、金、白金、パラジウム等の1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、陽極層の厚さも特に制限されるものではないが、10〜1,000nmの範囲内の値とするのが好ましく、10〜200nmの範囲内の値とするのがより好ましい。
(陰極層)
一方、陰極層には、電子注入性が良好なように、仕事関数の小さい(例えば、4.0eV未満)金属、合金、電気電導性化合物またはこれらの混合物を使用することが好ましい。具体的には、マグネシウム、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、銀等の1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また陰極層の厚さも特に制限されるものではないが、10〜1,000nmの範囲内の値とするのが好ましく、10〜200nmの範囲内の値とするのがより好ましい。
なお、光を外部に取り出すため、陽極または陰極の少なくとも一方を透明にすることが必要である。
(4)支持基板
次に、有機EL素子における支持基板について説明する。かかる支持基板は、機械的強度に優れ、水分や酸素の透過性が少ないものであれば、この種の有機EL素子に常用されているものをそのまま用いることができる。具体的には、例えば、ガラスやセラミックス等を挙げることができる。
(5)構成例
第1の実施形態の有機EL素子は、下記構成例▲1▼としたが、他の構成要素、例えば正孔注入層や電子注入層と組み合わせて、以下に示す構成例▲1▼〜▲4▼とすることも好ましい。なお、構成▲1▼〜▲4▼において、基板を陽極層の下に設けるのではなく、陰極層の下に設けてもよい。
▲1▼基板/陽極層/有機発光層/陰極層
▲2▼基板/陽極層/正孔注入層/有機発光層/陰極層
▲3▼基板/陽極層/有機発光層/電子注入層/陰極層
▲4▼基板/陽極層/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極層
なお、第1の実施形態の有機EL素子において、発光面側に色変換層を設け、フルカラー表示を図ることも好ましい。
例えば、緑色変換層を発光面側に設けた場合の、緑色変換層(GCCM(Green Color Changing Medium)と称する場合がある。)を含む合計光路長と、CIEx色度座標との関係を第28図に示し、緑色変換層を含む合計光路長と、CIEy色度座標との関係を第29図に示す。
また、赤色変換層を発光面側に設けた場合の、赤色変換層(RCCM(Red Color Changing Medium)と称する場合がある。)を含む合計光路長と、CIEx色度座標との関係を第30図に示し、赤色変換層を含む合計光路長と、CIEy色度座標との関係を第31図に示す。
[第2の実施形態]
第2の実施形態における有機EL素子は、基本的に第1図に示す第1の実施形態と同様の構成であるが、有機発光層として、発光ピーク波長(S3)が500〜570nmの緑色発光有機層を用いている点で異なっている。そして、第2の実施形態の有機EL素子は、透明電極と緑色発光有機層との合計光路長をt3とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t3<Max+20nmの大小関係を満足している。
以下、緑色発光有機層について中心に説明するものとし、その他の構成要素についての説明は、適宜省略するものとする。
第8図は、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長(t3)と、EL発光のCIEx色度座標値との関係を示す図である。横軸に合計光路長(t3)の値(nm)を採って示してあり、縦軸にCIEx色度座標値を採って示してある。
また、第9図は、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長(t3)と、EL発光のCIEy色度座標値との関係を示す図である。横軸に合計光路長(t3)の値(nm)を採って示してあり、縦軸にCIEy色度座標値を採って示してある。
なお、参考のため、緑色発光有機層からの発光についてのCIE色度座標(計算値)を第10図に、その拡大図を第11図に示す。それぞれ横軸がCIEx色度座標の値を示しており、縦軸がCIEy色度座標の値を示している。一般に緑色発光の場合、CIEx色度座標の値は、0.15〜0.33程度であり、CIEy色度座標の値は、0.60〜0.75程度である。
これらの第8図および第9図から理解されるように、CIEx色度座標値およびCIEy色度座標値は、それぞれ透明電極および緑色発光有機層の合計光路長が変化するにつれて周期的に変化している。
そして、CIEx色度座標値については、以下の合計光路長に極小値(Min)および極大値(Max)を有している。
極小値(Min):200nm、470nm、745nm程度
極大値(Max):100nm、360nm、630nm、910nm程度
また、CIEy色度座標値については、以下の合計光路長に極小値(Min)および極大値(Max)を有している。
極小値(Min):100nm、360nm、640nm,910nm程度
極大値(Max):220nm、500nm、770nm程度
さらに、CIEx色度座標およびCIEy色度座標の値のばらつきが、それぞれ小さいほど、緑色発光における色変化が小さいことになる。ただし、緑色発光の場合、人間の目による認識上、CIEx色度座標のばらつきよりも、CIEy色度座標値のばらつきのほうが、緑色変化が大きく認識されるという特性がある。
したがって、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長に一定のばらつきがあったとしても、かかる合計光路長をCIEy色度座標値の極小値(Min)または極大値(Max)と関係づけることにより、より色調に影響するCIEy色度座標値の変化を小さくすることができる。
例えば、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長に±20nmのばらつきがあり、第11図に記号G1で示すように、かかる合計光路長をCIEy色度座標値の極小値(Min)または極大値(Max)と関係のない517nmとすると、CIEy色度座標値は、0.6482〜0.6502の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差は0.0020となる。
それに対して、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長に±20nmのばらつきがあったとしても、第11図に記号G2で示すように、かかる合計光路長(t3)をCIEy色度座標値の極大値(Max)と関係づけて497nmとすると、CIEy色度座標値は、0.6502〜0.6505の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差は0.0002となる。すなわち、極大値(Max)と関係付けない場合と比較して、10%以下の低い値となっている。
同様に、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長に±20nmのばらつきがあったとしても、第11図に記号G3で示すように、かかる合計光路長(t3)をCIEy色度座標値の極小値(Min)と関係づけて645nmとすると、CIEy色度座標値は、0.6239〜0.6243の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差は0.0004となる。すなわち、極小値(Min)と関係付けない場合と比較して、20%以下の低い値となっている。
また、第12図は、第2の実施形態における緑色発光の場合の干渉ピークおよび発光スペクトルの関係を示す図である。第12図中、干渉ピークを記号A1、発光スペクトルを記号B1でそれぞれ示してある。また、この例では、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長(nm)を、CIEy色度座標値の極大値(Max)と関係付ける497nmとしてある。ただし、干渉ピーク位置が明確になるように、便宜上、干渉因子は規格化して示してあり、極大を100,極小を0にとしてある。一方、発光強度については、規格化せず、実際の発光強度を示してある。
第12図から、明かなように、第2の実施形態では、干渉ピーク(波長500nm)(A1)と、発光スペクトルのピーク(波長520nm)(B1)とが、波長において約20nmずれていることがわかる。
それに対して、第13図は、従来の有機EL素子における緑色発光の場合の干渉ピークおよび発光スペクトルと、波長との関係を示す図である。第13図中、同様に干渉ピークを記号A2、発光スペクトルを記号B2でそれぞれ示してある。また、この従来例では、干渉ピーク(A2)と、発光スペクトルのピーク(B2)とを一致させるために、第11図に記号G1で示すように、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長(nm)を517nmとしてある。ただし、この合計光路長の場合、CIEy色度座標値については、極大値(Max)や極小値(Min)とはならない。
よって、第8図および第9図に示す関係を考慮すれば、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長に一定のばらつきがあり、干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)とがずれていたとしても、かかる合計光路長を極大値(Max)や極小値(Min)に関係付けることにより、より好ましくは、CIEy色度座標値の極大値(Max)と関係づけることにより、第2の実施形態の有機EL素子では、CIEy色度座標値の変化が小さくなり、すなわち色変化を少なくすることができる。
一方、従来の有機EL素子では、干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)とが一致していたとしても、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長が極大値(Max)や極小値(Min)と関係付けられていないために、合計光路長のばらつきに起因したCIEy色度座標値の変化が大きくなり、その結果、視覚される緑色変化が大きくなる。
なお、第2の実施形態の有機EL素子において、緑色発光有機層の干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)とがずれることにより、EL発光強度の値が若干低下するが、干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)とが一致した従来の有機EL素子の場合と比較して、2%程度の低下であり、実用上、全く問題とならない。
[第3の実施形態]
第3の実施形態における有機EL素子116は、第14図に示すように、透明電極層(陽極層)10と、陰極層12と間に、発光ピーク波長が400〜490nmである青色発光有機層30と、発光ピーク波長が500〜570nmである緑色発光有機層32と、発光ピーク波長が580〜700nmである赤色発光有機層34とを挟持してガラス基板22上に構成してある。
そして、第3の実施形態における有機EL素子116は、透明電極層10と青色発光有機層30との合計光路長をt1とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極小値を示す合計光路長をMinとしたときに、Min−20nm<t1<Min+20nmの大小関係を満足している。
また、透明電極層10と緑色発光有機層32との合計光路長をt3とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極大値を示す合計光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t3<Max+20nmの大小関係を満足している。
さらに、透明電極層10と赤色発光有機層34との合計光路長をt2とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標の極大値を示す合計光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t2<Max+20nmの大小関係を満足している。
したがって、第3の実施形態では、有機層として発光ピーク波長が400〜490nmである青色発光有機層30のみならず、発光ピーク波長が500〜570nmである緑色発光有機層32および、発光ピーク波長が580〜700nmである赤色発光有機層34を電極間に挟持してある以外は、第1の実施形態の有機EL素子と同様の構成である。
また、発光ピーク波長が500〜570nmである緑色発光有機層を電極間に挟持して構成した有機EL素子については、第2の実施形態で説明したとおりである。
よって、以下の第3の実施形態の説明では、発光ピーク波長が580〜700nmである赤色発光有機層34について中心に説明するものとし、その他の構成要素についての説明は、適宜省略するものとする。
第15図は、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長(t2)と、EL発光のCIEx色度座標値との関係を示す図である。横軸に合計光路長(t2)の値(nm)を採って示してあり、縦軸にCIEx色度座標値を採って示してある。
また、第16図は、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長(t2)と、EL発光のCIEy色度座標値との関係を示す図である。横軸に合計光路長(t2)の値(nm)を採って示してあり、縦軸にCIEy色度座標値を採って示してある。
なお、参考のため、赤色発光有機層からの発光についてのCIE色度座標(計算値)を第17図に、その拡大図を第18図に示す。それぞれ横軸がCIEx色度座標の値を示しており、縦軸がCIEy色度座標の値を示している。一般に赤色発光の場合、CIEx色度座標の値は、0.60〜0.70程度であり、CIEy色度座標の値は、0.30〜0.38程度である。
これらの第15図および第16図から理解されるように、CIEx色度座標値およびCIEy色度座標値は、それぞれ透明電極および緑色発光有機層の合計光路長が変化するにつれて周期的に変化している。
そして、CIEx色度座標値については、以下の合計光路長に極小値(Min)および極大値(Max)を有している。
極小値(Min):230nm、530nm、820nm程度
極大値(Max):100nm、390nm、680nm、980nm程度
また、CIEy色度座標値については、以下の合計光路長に極小値(Min)および極大値(Max)を有している。
極小値(Min):100nm、390nm、690nm,980nm程度
極大値(Max):230nm、520nm、820nm程度
さらに、CIEx色度座標およびCIEy色度座標の値のばらつきが、それぞれ小さいほど、赤色発光における色変化が小さいことになる。ただし、赤色発光の場合、人間の目による認識上、CIEy色度座標のばらつきよりも、CIEx色度座標値のばらつきのほうが、赤色変化が大きく認識されるという特性がある。
したがって、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長に一定のばらつきがあったとしても、CIEx色度座標値の極小値(Min)または極大値(Max)と関係づけることにより、より色調に影響するCIEx色度座標値の変化を小さくすることができる。
例えば、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長に±20nmのばらつきがあり、第18図に記号R1で示すように、かかる合計光路長(t2)をCIEx色度座標値の極小値(Min)または極大値(Max)と関係のない596nmとすると、CIEx色度座標値は、0.6231〜0.6247の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差は0.0016となる。
それに対して、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長(t2)に±20nmのばらつきがあったとしても、第18図に記号R2で示すように、かかる合計光路長(12)をCIEx色度座標値の極小値(Min)と関係づけて523nmとすると、CIEx色度座標値は、0.6202〜0.6203の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差は0.0001となる。すなわち、極小値(Min)と関係付けない場合と比較して、7%以下の低い値となっている。
同様に、第18図に記号R3で示すように、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長(t2)をCIEy色度座標値の極大値(Max)と関係づけて688nmとすると、CIEx色度座標値は、0.6295〜0.6296の範囲内で変化し、その最大値と最小値との差は0.0001となる。すなわち、極大値(Max)と関係付けない場合と比較して、7%以下の低い値となっている。
また、第19図は、第3の実施形態における赤色発光をしている場合の干渉ピークおよび発光スペクトルの関係を示す図である。第19図中、干渉ピークを記号A1、発光スペクトルを記号B1でそれぞれ示してある。また、この例では、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長(nm)を、CIEx色度座標値の極大値(Max)と関係付ける680nmとしてある。ただし、干渉ピーク位置が明確になるように、便宜上、干渉因子は規格化して示してあり、極大を100,極小を0に規格化してある。一方、発光強度については、規格化せず、実際の発光強度を示してある。
第19図から、明かなように、第3の実施形態における赤色発光有機層では、干渉ピーク(波長500nm)(A1)と、発光スペクトルのピーク(波長520nm)(B1)とが、波長において約97nmずれていることがわかる。
それに対して、第20図は、従来の有機EL素子における赤色発光の場合の干渉ピークおよび発光スペクトルと、波長との関係を示す図である。第20図中、同様に干渉ピークを記号A2、発光スペクトルを記号B2でそれぞれ示してある。また、この従来例では、干渉ピーク(A2)と、発光スペクトルのピーク(B2)とを一致させるために、第18図に記号R1で示すように、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長(nm)を極大値(Max)や極小値(Min)と関係が無い596nmとしてある。
よって、第15図および第16図に示す関係を考慮すれば、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長に一定のばらつきがあり、干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)とがずれていたとしても、かかる合計光路長を極大値(Max)や極小値(Min)と関係付けることにより、より好ましくは、CIEx色度座標値の極小値(Min)または極大値(Max)と関係付けることにより、第3の実施形態の有機EL素子の赤色発光有機層では、色変化を少なくすることができる。
一方、従来の有機EL素子では、干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)とが一致していたとしても、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長が極大値(Max)や極小値(Min)と関係付けられていないために、かかる合計光路長のばらつきに起因したCIEx色度座標値の変化が大きくなり、その結果、視覚される赤色変化が大きくなる。
なお、第3の実施形態の有機EL素子において、赤色発光有機層の干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)とがずれることにより、EL発光強度の値が若干低下するが、干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)とが一致した従来の有機EL素子の場合と比較して、20%程度の低下であり、実用上、全く問題とならない。
[第4の実施形態]
第4の実施形態における有機EL素子120は、第21図に示すように、ガラス基板22上に、光路長補正層20と、透明電極層(陽極層)10と、発光ピーク波長(S1)が400〜490nmの青色発光有機層12と、陰極層16とを順次に積層して構成してある。そして、第4の実施形態の有機EL素子120は、透明電極10と青色発光有機層12と、光路長補正層20との合計光路長をt4とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMinとしたときに、Min−20nm<t4<Min+20nmの大小関係を満足している。
すなわち、第4の実施形態においては、透明電極層(陽極層)10と、青色発光有機層12との間に、光路長補正層20を設けて、合計光路長を所定範囲内の値とした以外は、第1の実施形態の有機EL素子と同様の構成である。
したがって、光路長補正層20について中心に説明するものとし、その他の構成要素についての説明は、適宜省略する。
なお、透明電極は陽極層に限るものではなく、陰極層が透明電極であってもよいし、あるいは陽極層と陰極層の両方とも透明電極であってもよい。ただし、陽極層と陰極層の両方とも透明電極の場合には、陽極層と陰極層の両方の光路長をさらに合計したものを合計光路長とする。
(1)光路長補正層による光路長補正方法
第2図〜第7図を参照しながら光路長補正層による光路長の補正方法について説明する。第7図は、既に説明したように、従来の有機EL素子における青色発光有機層からの干渉因子および発光スペクトルと、波長(nm)との関係を示す図である。第7図の例では、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t3)を468nmとしてあり、第2図および第3図から理解されるように、この合計光路長は、CIEx色度座標値やCIEy色度座標値の極大値(Max)や極小値(Min)と関係ない値である。
そこで、第2図および第3図から、CIEx色度座標値やCIEy色度座標値の、例えば、極小値(Min)と一致するような透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t1)を選択することになる。
なお、その際、第2図および第3図において、それぞれ3〜4つの極小値(Min)を示しているため、いずれの極小値(Min)を示すような合計光路長(t1)を選択しても良い。ただし、極小値(Min)付近のCIEx色度座標値やCIEy色度座標値の変化がより小さい極小値(Min)を選択するのが好ましい。このような極小値(Min)を選択することにより、合計光路長の変化に起因したCIEx色度座標値やCIEy色度座標値の変化をさらに小さくすることができる。
したがって、従来の有機EL素子における透明電極および青色発光有機層の合計光路長と、選択したCIEx色度座標値やCIEy色度座標値の極小値(Min)に対応した透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t1)との差が、光路長補正層による光路長となる。
よって、かかる補正すべき光路長を付加できるように、光路長補正層の厚さおよび構成材料を選択すれば良い。この場合、CIEy色度座標値の極小値(Min)の一つに対応した光路長である670nmと一致させるために、光路長補正層を設ける前の透明電極および青色発光有機層の合計光路長(nm)である468nmを670nmから控除し、202nmの光路長を有する光路長補正層を設けることになる。また、光路長補正層を用いることで、光学補正をするための電極間の有機物を厚くする事態を避けることができ、有機層を厚くした時の電圧上昇を避けることができるという点で優れている。
(2)構成材料
光路長補正層の構成材料は、特に制限されるものではなく、無機物や有機物を使用することができる。無機物としては、ガラス、石英、酸化錫、酸化インジウム、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化リチウムなどの酸化物、フッ化リチウム,フッ化カルシウム,フッ化マグネシウム等のフッ化物、金、銀、銅、アルミニウム、モリブテン等の金属も薄いときは透明であるので用いることができる。これらの一種単独、または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、有機物としては、有機EL材料、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、フッ素系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂等の一種単独、または二種以上の組み合わせが挙げられる。電極間に介在するときは電荷が通過することが必要であるが、電極間の外に置くときは完全な絶縁体であっても良い。
また、光路長は、膜厚および屈折率で定まることから、構成材料の屈折率を1.0〜3.0(温度25℃、アッベ屈折率計による測定)の範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、構成材料の屈折率が1.0未満となる物質は入手が困難なためであり、一方、構成材料の屈折率が3.0を超えると、使用可能な構成材料の選択幅が過度に制限される場合があるためである。
したがって、かかる構成材料の薄膜性と選択性とのバランスがより良好となることから、構成材料の屈折率を1.3〜2.5の範囲内の値とするのがより好ましく、1.7〜2.1の範囲内の値とするのがさらに好ましい。
(3)厚さ
光路長補正層の厚さについても、特に制限されるものではないが、例えば、1〜2,000nmの範囲内の値とするのが好ましい。この理由は、光路長補正層の厚さが1nm未満となると、均一な厚さに形成したり、あるいは得られる光路長補正効果が乏しくなる場合があるためである。一方、光路長補正層の厚さが2,000nmを超えると、光路長補正層の膜厚むらも無視できなくなるため、透明電極層と発光有機層との合計光路長の調整が逆に困難となる場合があるためである。
したがって、光路長補正層の厚さを2〜500nmの範囲内の値とするのがより好ましく、5〜100nmの範囲内の値とするのがさらに好ましい。
(4)形成方法
光路長補正層の形成方法は、特に制限されるものではないが、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、電子ビーム(EB、Electron Beam)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、LB(Langumuir−Blodgett)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スピンコート法、キャスト法とするのが好ましい。
(5)構成例
第4の実施形態の有機EL素子120は、第21図に示すように光路長補正層20を基板と透明電極層(陽極層)10との間に設けた構成例▲1▼としたが、他の構成要素、例えば正孔注入層や電子注入層と組み合わせて、以下に示す構成例▲2▼〜▲7▼とすることも好ましい。特に基板と、陽極層との間に光路長補正層を設けた構成例▲1▼および▲5▼〜▲7▼は、従来実績がある有機EL素子の構成(陽極層/有機発光層/陰極層)を変えることがないことから好ましい。
なお、基板は陽極の下地に限られるものではなく、陰極の下地としても良い。さらに、構成例▲4▼のように光路長補正層を一層ばかりでなく、二層以上設けても良い。
▲1▼基板/光路長補正層/陽極層/有機発光層/陰極層
▲2▼基板/陽極層/光路長補正層/有機発光層/陰極層
▲3▼基板/陽極層/有機発光層/光路長補正層/陰極層
▲4▼基板/光路長補正層/陽極層/光路長補正層/有機発光層/陰極層
▲5▼基板/光路長補正層/陽極層/正孔注入層/有機発光層/陰極層
▲6▼基板/光路長補正層/陽極層/有機発光層/電子注入層/陰極層
▲7▼基板/光路長補正層/陽極層/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極層
[第5の実施形態]
第5の実施形態は、第4の実施形態における有機EL素子120の製造方法であり、透明電極と、有機層と、光路長補正層との合計光路長をt(nm)とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標またはCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMin(nm)とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標またはCIEy色度座標の極大値を示す光路長をMax(nm)としたときに、合計光路長(t)が、以下の大小関係(a)および(b)、あるいはいずれか一方の大小関係を満足するように、透明電極、有機層、および光路長補正層を形成する工程を含んでいる。
Min−20nm<t<Min+20nm (a)
Max−20nm<t<Max+20nm (b)
したがって、第5の実施形態の製造方法では、基板を用意する工程、光路長補正層を形成する工程、陽極層(透明電極)を形成する工程、有機発光層を形成する工程、および陰極層を形成する工程を順次に含むことが好ましい。
なお、陽極層(透明電極)の形成工程としては、予め所定材料からなる所定厚の透明電極が形成された基板を用意し、そのまま用いることも可能である。
ここで、第5の実施形態の特徴である光路長補正層の形成工程は、第4の実施形態において説明したように光路長補正層の厚さおよび構成材料を決定した後に実施すれば良い。その後、基板上に光路長補正層を形成するものである。その際の形成方法は、同様に第4の実施形態において説明したように、例えば真空蒸着法とすることが好ましい。次いで、第4の実施形態において参照した従来の有機EL素子を光路長補正層上に形成することになる。
このように光路長補正層付きの有機EL素子を製造すると、従来の有機EL素子の製造条件を基本的にそのまま採用することができる。
ただし、基板上に第1の光路長補正層を形成しておき、その上に陽極層を形成し、その後、第2の光路長補正層を形成しても良い。このように形成すると、光路長補正層の種類や厚さが異なる三原色(赤色、青色、緑色)の有機EL素子にも適確に対応することができる。
【実施例】
[実施例1]
(1)有機EL素子の製造準備
実施例1の有機EL素子は、第1図に示す構成を有しており、製造するにあたっては、まず、厚さ1.1mm、縦200mm、横200mmの透明なガラス基板22上に、陽極層10として、厚さ130nmのITOからなる透明電極膜を形成した。以下、このガラス基板22と陽極層10とを併せて基板30とする。
次いで、この基板30をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、さらに、N(窒素ガス)雰囲気中で乾燥させた後、UV(紫外線)およびオゾンを用いて10分間洗浄した。
次いで、基板30を、第34図に示すように、真空蒸着装置201における真空槽210の基板ホルダ211に装着するとともに、有機発光層12を構成する4,4´−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(以下DPVBi)を蒸着源212Aに、4,4´−ビス[2−(4−(N,N−ジ−p−トリル)フェニル)ビニル]ビフェニル(以下DTAVBi)を蒸着源212Bに、電子注入層14を構成するトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下Alq)を蒸着源212Cに、電子注入層14の一部を構成する還元性ドーパント(Li)を蒸着源212Dに、陰極層16を構成する金属(Al)を蒸着源212Eにそれぞれ充填した。
(2)有機EL素子の製造
次いで、第34図に示す真空槽210内を、6×10−5Pa以下の真空度になるまで減圧した後、基板30の透明電極(ITO膜)10上に、DPVBiおよびDTAVBiからなる青色有機発光層12、AlqとLiを同時蒸着して形成した電子注入層14、およびアルミニウムからなる陰極層16をこの順で順次積層して有機EL素子100を得た。
このとき、透明電極と青色有機発光層(電子注入層を含む。)との合計光路長(t1)を、CIEy色度座標の極小値を示す光路長(Min)である430nmになるように構成した。
透明電極(屈折率1.7)の膜厚: 130nm
有機発光層(屈折率1.7)の膜厚:80nm
電子注入層(屈折率1.7)の膜厚:43nm
陰極層の膜厚: 200nm
(3)有機EL素子の評価
得られた有機EL素子100における陰極層16をマイナス(−)電極、透明電極10をプラス(+)電極として、両電極間に7Vの直流電圧を印加した。このときの電流密度は、1.3mA/cmであり、輝度計を用いて測定した(以下、発光輝度については、同様の測定を実施した。)発光輝度の値は、39cd/mであった。また、発光色度について、JIS Z 8701に準拠したCIE色度座標の値は、CIEx=0.150、CIEy=0.223であり、優れた色調を有する青色発光が得られることを確認した。
さらに、この有機EL素子の半減寿命を測定したところ、1,000時間以上の長寿命であることを確認した。なお、半減寿命とは、発光輝度が最大輝度の半値になるまでに要する時間をいう。例えば、実施例1では、発光輝度が最大輝度100cd/mからその半分の50cd/mになるまでに要する時間をいう。
[実施例2]
実施例2では、緑色有機発光層(膜厚120nm)としてAlqおよびクマリン6を共蒸着したものを用い、合計光路長(t3)を497nmとし、ClEyの極大を示す光路長(Max)である500nmに近似するようにしたこと以外は、実施例1に準じて有機EL素子を作成した。
そして、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は1.1mA/cmであり、発光輝度は70cd/mであった。また、JIS Z 8701に準拠したCIE色度座標の値は、CIEx=0.256、CIEy=0.655であり、色調に優れた緑色発光が得られることを確認した。
[実施例3]
実施例3では、赤色有機層発光層(膜厚57nm)としてAlqと同時に4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(P−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピランを共蒸着して形成し、合計光路長(t2)がCIExの極大を示す光路長(Max)である390nmに一致するようにしたこと以外は、実施例1に準じて有機EL素子を作成した。
次いで、得られた有機EL素子における電極間に、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は0.98mA/cmであり、発光輝度は25cd/mであった。
また、JIS Z 8701に準拠したCIE色度座標の値は、CIEx=0.655、CIEy=0.352であり、色調に優れた赤色発光が得られることを確認した。
[実施例4]
実施例4では、光路長補正層として酸化マグネシウム(膜厚20nm)をガラス基板と透明電極の間に挿入し、有機発光層を58nmとしたこと以外は、実施例1に準じて、有機EL素子を作成した。この場合、合計光路長の値を430nmとし、CIEyの極小値を示す光路長(Min)である430nmに一致するようにした。
次いで、得られた有機EL素子における電極間に、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は1.1mA/cmであり、発光輝度は33cd/mであった。
また、JIS Z 8701に準拠したCIE色度座標の値は、CIEx=0.151、CIEy=0.224であった。すなわち、光路長補正層を挿入することにより、光路長補正層を挿入していない比較例1と比べて、CIEyの値が0.01小さくなり、より色調の良い青色発光が得られることを確認した。
[実施例5]
実施例5では、光路長補正層として酸化マグネシウムからなる層(膜厚20nm)を電子注入層と陰極との間に挿入し、有機発光層を58nmとしたこと以外は、実施例1に準じて、有機EL素子を作成した。この場合、合計光路長の値を430nmとし、CIEyの極小値を示す光路長(Min)である430nmに一致するようにした。
次いで、得られた有機EL素子における電極間に、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は0.90mA/cmであり、発光輝度は26cd/mであった。
また、JIS Z 8701に準拠したCIE色度座標の値は、CIEx=0.151、CIEy=0.224であった。すなわち、光路長補正層を挿入することにより、光路長補正層を挿入していない比較例1と比べて、CIEyの値が0.01小さくなり、より色調の良い青色発光が得られることを確認した。
[実施例6]
実施例6では、光路長補正層として銅フタロシアニン層(膜厚19nm)を透明電極と有機発光層との間に挿入し、有機発光層を58nmとしたこと以外は、実施例1に準じて、有機EL素子を作成した。この場合、合計光路長の値を430nmとし、CIEyの極小値を示す光路長(Min)である430nmに一致するようにした。
次いで、得られた有機EL素子における電極間に、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は1.2mA/cmであり、発光輝度は38cd/mであった。
また、JIS Z 8701に準拠したCIE色度座標の値は、CIEx=0.151、CIEy=0.225であった。すなわち、光路長補正層を挿入することにより、光路長補正層を挿入していない比較例1と比べて、CIEyの値が0.01小さくなり、より色調の良い青色発光が得られることを確認した。
[比較例1]
比較例1では、有機発光層の厚さを58nmとした以外は実施例1に準じて、有機EL素子を作成した。この場合、合計光路長の値は392nmであり、CIEx色度座標またはCIEy色度座標の極小値を示す光路長Min、および極大値を示す光路長Maxとの関係において、以下の大小関係をいずれも満足しないものであった。
Min−20nm<合計光路長<Min+20nm
Max−20nm<合計光路長<Max+20nm
そして、得られた有機EL素子における電極間に、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は1.5mA/cmであり、発光輝度は35cd/mであった。
また、JIS Z 8701に準拠して測定したCIE色度座標の値は、CIEx=0.158、CIEy=0.235であり、実施例1と比較すると、CIEyの値が緑色側に大きくずれた青緑色発光であることが確認された。
なお、第26図に、比較例1における合計光路長と、CIEyとの関係を、実施例1の場合と比較しながらそれぞれ示す。
[比較例2]
比較例2では、青色有機発光層の厚さを102nmとした以外は実施例1に準じて、有機EL素子を作成した。この場合、合計光路長の値は干渉ピークと発光ピークが一致する468nmであり、CIEx色度座標またはCIEy色度座標の極小値を示す光路長Minおよび極大値を示す光路長Maxとの関係において、以下の大小関係をいずれも満足しないものであった。
Min−20nm<合計光路長<Min+20nm
Max−20nm<合計光路長<Max+20nm
そして、得られた有機EL素子における電極間に、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は1.1mA/cmであり、発光輝度は35cd/mであった。
また、JIS Z 8701に準拠して測定したCIE色度座標の値は、CIEx=0.148、CIEy=0.232であり、実施例1と比較すると、CIEyの値が緑色側に大きくずれた青緑色発光であることが確認された。
なお、第26図に、比較例2における合計光路長と、CIEyとの関係を、実施例1の場合と比較しながらそれぞれ示す。
[比較例3]
比較例3では、緑色有機発光層の厚さを81nmとした以外は、実施例2に準じて、有機EL素子を作成した。この場合、合計光路長の値は430nmであり、CIEx色度座標またはCIEy色度座標の極小値を示す光路長Minおよび極大値を示す光路長Maxとの関係において、以下の大小関係をいずれも満足しないものであった。
Min−20nm<合計光路長<Min+20nm
Max−20nm<合計光路長<Max+20nm
そして、得られた有機EL素子における電極間に、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は1.5mA/cmであり、発光輝度は27cd/mであった。
また、JIS Z 8701に準拠して測定したCIE色度座標の値は、CIEx=0.288、CIEy=0.640であり、実施例2と比較するとCIEyの値がかなり小さく、黄色側にずれた黄緑色発光となることが確認された。
なお、第24図に、比較例3における合計光路長と、CIEyとの関係を、実施例2の場合と比較しながらそれぞれ示す。
[比較例4]
比較例4では、赤色有機発光層の厚さを92nmとした以外は、実施例3に準じて、有機EL素子を作成した。この場合、合計光路長の値は450nmであり、CIEx色度座標またはCIEy色度座標の極小値を示す光路長Minおよび極大値を示す光路長Maxとの関係において、以下の大小関係をいずれも満足しないものであった。
Min−20nm<合計光路長<Min+20nm
Max−20nm<合計光路長<Max+20nm
そして、得られた有機EL素子における電極間に、直流電圧7Vを印加して素子性能を評価したところ、電流密度は1.5mA/cmであり、発光輝度は27cd/mであった。
また、JIS Z 8701に準拠して測定したCIE色度座標の値は、CIEx=0.625、CIEy=0.375であり、実施例3と比較するとCIExの値がかなり小さく、黄色味がかった赤黄色発光となることが確認された。
なお、第25図に、比較例4における合計光路長と、CIExとの関係を、実施例3の場合と比較しながらそれぞれ示す。
Figure 0004493216
[実施例7]
(1)有機EL素子の作成
▲1▼陽極(下部電極)の形成
縦112mm、横143mm、厚さ1.1mmのガラス基板(OA2ガラス、日本電気硝子(株)製)上に、ブラックマトリクス(BM)の構成材料であるV259BK(新日鉄化学(株)製)をスピンコートした。次いで、格子状パターンのフォトマスクを介して紫外線露光し、未露光部を2重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて現像した。その後、200℃でベークし、ブラックマトリックス(膜厚1.5μm)を形成した。
次いで、ブラックマトリックス上から、平坦化膜の構成材料であるアクリル系熱硬化性樹脂V259PH(新日鉄化学(株)製)をスピンコートした後、160℃でベークし、平坦化膜(膜厚5μm)とした。
次いで、平坦化膜上に、厚さ200nmのインジウム亜鉛酸化物層(IZO)をスパッタリング法により形成した。
次いで、インジウム亜鉛酸化物層上に、ポジ型レジストHPR204(富士ハントエレクトロニクステクノロジー(株)製)をスピンコートし、80℃、10分の条件で乾燥した。
次いで、第22図に示すように、陰極の取り出し部20をマスクするとともに、ストライプ状パターン(ライン幅90μm,ギャップ幅20μm)を有するフォトマスクを介して、高圧水銀灯を光源としたコンタクト露光を行った後、露光部をTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)を用いて現像した。その後、130℃、10分の条件でベークし、レジスト膜とした。
次いで、5重量%蓚酸水溶液を、エッチャントとして、レジスト膜中に露出しているインジウム亜鉛酸化物層をエッチングした後、剥離液N303(長瀬産業(株)製)を用いてポジ型レジストHPR204を除去し、第22図に示すように、ガラス基板12上に、陽極(下部電極)としてのストライプ状のIZOパターン(ライン数960本)14を得た。
▲2▼第1の層間絶縁膜の形成
次いで、IZOパターン上に、アクリル系ネガ型レジストV259PA(新日鉄化学(株)製)をスピンコートし、IZOパターンに直交するストライプ状パターンを有するフォトマスク(ライン幅90μm,ギャップ幅20μm)を介して、温度80℃、時間10分の条件で乾燥した後、露光量が100mJ/cmとなるように、高圧水銀灯を光源としたコンタクト露光を行った。
次いで、現像液としてTMAHを用いて、未露光部を現像し、さらに、オーブンを用いて、160℃、10分の条件でポストベーク処理して、第22図に示すように、第1の層間絶縁膜(IZOの開口部70μm×290μm)16を形成した。
▲3▼第2の層間絶縁膜の形成
次いで、第1の層間絶縁膜の上から、ネガ型レジストZPN1100(日本ゼオン(株)製)をスピンコートし、下部電極であるIZOパターンに対して平行するストライプ状パターン(ライン幅20μm,ギャップ幅310μm)を有するフォトマスクを介して、80℃、10分の条件で乾燥した後、露光量が100mJ/cmとなるように、高圧水銀灯を光源としたコンタクト露光を行った。 次いで、現像液としてTMAHを用いて、未露光部を現像し、さらに、オーブンを用いて、160℃、10分の条件でポストベーク処理して、第22図に示すように、隔壁としての第2の層間絶縁膜(ライン幅20μm,ギャップ幅310μm)18を形成した。
▲4▼洗浄工程
次いで、IZOパターン等が形成されたガラス基板(以下、単にガラス基板と称する場合がある。)に対して、イソプロピルアルコールを用いた超音波洗浄を行い、乾燥空気を吹き付けて乾燥した後、UVオゾン洗浄装置(サムコ社製)により、30分間、紫外線洗浄を施した。
▲5▼有機発光媒体の形成
次いで、IZOパターン等が形成されたガラス基板を、第34図に示すような真空蒸着装置(日本真空技術(株)製)201内の基板ホルダー211に固定した。
そして、第34図に示す真空蒸着装置201内のモリブデン製の加熱ボード212A〜Eに、以下の材料をそれぞれ充填した。
正孔注入材料:4,4´,4´´−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N
−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)、
正孔輸送材料:4,4´−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]
−ビフェニル(NPD)、
有機発光材料:4,4´−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル
(DPVBi)および4,4´−ビス[2−(4−(N,N−ジ
−p−トリル)フェニル)ビニル]ビフェニル(DTAVBi)
電子注入材料:トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)
また、対向電極(陰極)材料として、Al−Li合金(Li濃度10原子%)をタングステン製フィラメントBF−1(日本バックスメタル社製)(図34の記号212Fで表される部材)に装着した。
次いで、真空蒸着装置の真空度を6X10−5Paまで減圧し、以下の蒸着速度および膜厚となるように、正孔注入層から陰極の形成まで、途中で真空状態を破らず、一回の真空引きで順次に積層して、有機発光媒体等を形成した。また、DPVBiおよびDTAVBiは、以下の条件で同時蒸着し、合計膜厚を40nmとした。
また、各膜厚は、有機発光媒体の中央部の値であり、したがって、中央部での合計光路長は680nmであり、透明電極および有機発光媒体(青色発光有機層)の合計光路長が、第27図に示すように、CIEy色度座標の極小値の670nmと近似していた。
さらに、各有機発光媒体の面内における膜厚分布をエリプソメソメーターで測定したところ、平均値の±1%の値であった。したがって、透明電極の膜厚分布が実質的に無いことから、合計光路長の分布も平均値の±1%の値であるといえる。
MTDATA:蒸着速度0.1〜0.3nm/sec.,膜厚76nm
NPD :蒸着速度0.1〜0.3nm/sec.,膜厚20nm
DPVBi :蒸着速度0.4nm/sec., 合計膜厚40nm
DTAVBi:蒸着速度0.1nm/sec.
Alq :蒸着速度0.1〜0.3nm/sec.,膜厚20nm
Al−Li :蒸着速度0.5〜1.0nm/sec.,膜厚150nm
▲6▼封止工程
次いで、封止ユニット内で、封止用ガラス基板(青ガラス)を陰極側に積層して、その周囲をカチオン硬化型接着剤TB3102(スリーボンド(株)製)により封止して、下部電極と、上部電極とがXYマトリックスを形成してなる有機EL素子(画素数320×240個、開口率56%)とした。
(2)有機EL素子の評価
得られた有機EL素子における透明電極(陽極)と、対向電極(陰極)との間に、DC7Vの電圧を印加したところ、各電極の交差部分(画素)が発光した。そして、発光分布測定装置CA−1000(ミノルタ(株)製)を用いて、発光輝度および色度分布をそれぞれ測定した。
その結果、CIExの最大値と最小値の差は0.0046であるとともに、CIEyの最大値と最小値の差は0.0010であり、極めて青色の色調に優れるとともに、青色の色調変化が少ない有機EL素子であることを確認した。
また、発光輝度の面内分布を、輝度計を用いて測定したところ、平均値の5%以内の小さい値であることを確認した。
[比較例5]
比較例5においては、MTDATAの膜厚を120nmとし、合計光路長を760nmとしたこと以外は、実施例7に準じて、有機EL素子(画素数320×240個、開口率56%)を作成し、評価した。
その結果、中心部の合計光路長は約760nmであり、CIExの最大値と最小値の差は0.0039であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.023であった。また、発光輝度の面内分布は、平均値の5%以内の小さい値であることを確認した。
したがって、実施例7と比較して、CIEyの最大値と最小値の差が20倍以上と大きくなっており、画素の発光場所によって、青緑色に認識され、青色の色純度が低いことが確認された。
[実施例8]
(有機EL素子の作成)
実施例8では、ブラックマトリックス(BM)の形成工程と、平坦化層の形成工程との間に、以下の青色カラーフィルタの形成工程、緑色変換膜の形成工程、および赤色変換層の形成工程をそれぞれ設けたほかは、実施例7と同様に有機EL素子(画素数320×240個、開口率56%)を作成した。
すなわち、青色カラーフィルタの材料として、V259B(新日鉄化学(株)製)をスピンコートし、ストライプ状パターン(ライン幅90μm,ギャップ幅240μm,ストライプ数320本)を有するフォトマスクを介するとともに、当該フォトマスクをブラックマトリックスに位置合わせをした状態で、露光量が100mJ/cmとなるように、高圧水銀灯を光源としたコンタクト露光を行った。その後、2重量%炭酸ナトリウム水溶液により現像し、さらに200℃、10分の条件でベークし、青色カラーフィルタ(厚さ1.5μm)とした。
次いで、青色カラーフィルタ上に、緑色変換膜の材料として、0.04mol/Kg(対固形分)のクマリン6と、アクリル系ネガ型レジストV259PA(新日鉄化学(株)製、固形分濃度50重量%)とからなる混合材料をスピンコートした。そして、青色カラーフィルタの形成に用いたフォトマスクを、110μmピッチだけ、青色カラーフィルタのストライプパターンに対して、平面縦方向にずらして位置合わせし、露光量が100mJ/cmとなるように、高圧水銀灯を光源としたコンタクト露光を行った。その後、2重量%炭酸ナトリウム水溶液により現像し、さらに200℃、10分の条件でベークし、緑色変換膜(厚さ10μm)とした。
次いで、緑色変換膜上に、赤色変換膜の材料として、0.53gのクマリン6と、1.5gのベーシックバイオレット11と、1.5gのローダミン6Gと、100gのアクリル系ネガ型レジストV259PA(新日鉄化学(株)製、固形分濃度50重量%)とからなる混合材料をスピンコートした。そして、青色カラーフィルタの形成に用いたフォトマスクを、220μmピッチだけ、青色カラーフィルタのストライプパターンに対して、平面縦方向にずらして位置合わせし、露光量が100mJ/cmとなるように、高圧水銀灯を光源としたコンタクト露光を行った。その後、2重量%炭酸ナトリウム水溶液により現像し、さらに160℃、10分の条件でベークし、赤色変換膜(厚さ10μm)とした。
このようにして、第23図に示すような、青色変換膜27、緑色変換膜26、赤色変換膜25およびブラックマトリックス24を含むカラーフィルタ10を作成した。
なお、透明電極、青色カラーフィルタ、平坦化層、および有機発光媒体(青色発光有機層)の合計光路長は680nmであり、第27図に示すように、CIEy色度座標の極小値の670nmと近似していた。
(有機EL素子の評価)
得られた有機EL素子における透明電極(陽極)と、対向電極(陰極)との間に、DC7Vの電圧を印加したところ、各電極の交差部分(画素)が発光した。そして、発光分布測定装置CA−1000(ミノルタ(株)製)を用いて、発光輝度および色度分布をそれぞれ測定した。
その結果、青色カラーフィルタに対応した位置にある画素においては、色純度に優れた青色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0017であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.0029であった。また、発光輝度の分布について輝度計を用いて測定したところ、面内分布は平均値の8%以内の小さい値であることを確認した。
なお、表2に、比較例6等との対比のため、青色発光についてのCIEx、CIEyの値、発光輝度分布および発光色について、得られた結果を示す。
また、緑色変換膜に対応した位置にある画素においては、緑色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0057であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.0008であった。また、発光輝度の分布について輝度計を用いて測定したところ、面内分布は、平均値の5%以内の小さい値であることを確認した。
また、赤色変換膜に対応した位置にある画素においては、赤色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0017であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.00022であった。また、発光輝度の分布について輝度計を用いて測定したところ、面内分布は、平均値の5%以内の小さい値であることを確認した。
さらに、全点灯をすることにより、光干渉効果を利用して、白色発光が得られた。その場合のCIExの最大値と最小値の差は0.0036であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.00084であった。また、発光輝度の面内分布は、平均値の5%以内の小さい値であることを確認した。
さらに、このように全点灯して、白色発光をさせた場合、有機EL素子の平均発光輝度は96.8cd/mであり、CIExの色度は0.2934およびCIEyの色度は0.3471であった。
したがって、このような有機EL素子によれば、CIEyの色度差が特に小さく、色純度に優れた青色、緑色、赤色および白色発光が得られ、所望の色に発色させたフルカラー表示が可能であることが確認された。
[比較例6]
比較例6では、実施例8において、MTDATAの膜厚を120nmとしたこと以外は、実施例8に準じて、有機EL素子(画素数320×240個、開口率56%)を作成し、評価した。
なお、透明電極、青色カラーフィルタ、平坦化層、および有機発光媒体(青色発光有機層)の合計光路長は約760nmであり、CIEx色度座標の極小値(MIn)および極大値(Max)、あるいは、CIEy色度座標の極小値(Min)および極大値(Max)との関係において、それぞれ下記大小関係を満足しない値であった。
Min−20nm<合計光路長<Min+20nm
Max−20nm<合計光路長<Max+20nm
その結果、青色カラーフィルタに対応した位置にある画素においては、青色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.00028であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.013であった。また、発光輝度の面内分布は、平均値の5%以内の値であった。
なお、表2に、実施例8等との対比のため、青色発光についてのCIEx、CIEyの値、発光輝度分布および発光色について、得られた結果を示す。
また、緑色変換膜に対応した位置にある画素においては、緑色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0019であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.0090であり、発光輝度の面内分布は平均値の5%以内の値であった。
また、赤色変換膜に対応した位置にある画素においては、赤色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0025であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.0032であり、発光輝度の面内分布は、平均値の約5%以内の値であった。
さらに、全点灯をすることにより、光干渉効果を利用して、白色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0021であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.018であり、発光輝度の面内分布は平均値の5%以内の値であった。また、このように白色発光をさせた場合、有機EL素子の平均輝度は120.3cd/mであり、CIExの色度は0.2909およびCIEyの色度は0.4223であった。
したがって、このように白色発光をさせた場合、実施例8と比較して、CIEyの色度差が大きく、緑色がかった白色発光となることが確認された。
なお、有機EL素子の平均輝度について、実施例8と比較して、比較例6のほうが高い値となっているが、これは、白色発光が緑色側にずれているための視覚度の影響によるものであり、白色性に優れている方が、画像表示を行った場合に、所望の発色が得られることから好ましいことである。したがって、比較例6は、平均輝度が高いとしても、色純度において、実施例8よりも劣っていると言える。
[実施例9]
実施例9では、実施例8における縦112mm、横143mm、厚さ1.1mmのガラス基板(OA2ガラス、日本電気硝子(株)製)のかわりに、縦260mm、横210mm、厚さ1.1mmのガラス基板を用いたこと以外は、実施例8と同様に、有機EL素子(画素数640×480個、開口率56%)を作成し、評価した。
なお、透明電極、青色カラーフィルタ、平坦化層、および有機発光媒体(青色発光有機層)の合計光路長は約680nmであり、第27図に示すように、CIEy色度座標の極小値の670nmと近似していた。
その結果、青色カラーフィルタに対応した位置にある画素においては、青色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0049であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.010であり、発光輝度の面内分布は平均値の23%以内の値であった。
なお、表2に、比較例7等との対比のため、青色発光についてのCIEx、CIEyの値、発光輝度分布および発光色について、得られた結果を示す。
また、緑色変換膜に対応した位置にある画素においては、緑色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0017であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.0037であり、発光輝度の面内分布は平均値の12%以内の値であった。
また、赤色変換膜に対応した位置にある画素においては、赤色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0053であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.0018であり、発光輝度の面内分布は平均値の約15%以内の値であった。
さらに、全点灯をすることにより、光干渉効果を利用して、白色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.010であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.0068であり、発光輝度の面内分布は平均値の14%以内の値であった。また、このように白色発光をさせた場合、有機EL素子の平均輝度は96.8cd/mであり、CIExの色度は0.2934およびCIEyの色度は0.3471であった。
したがって、このような有機EL素子によれば、パネル面積が大きくなり、各色の発光輝度の分布は大きくなったものの、CIEyの色度差が特に小さく、色純度に優れた青色、緑色、赤色および白色発光のフルカラーが得られることが確認された。
[比較例7]
比較例7では、実施例9において、MTDATAの膜厚を120nmとしたこと以外は、実施例9と同様に、有機EL素子(画素数640×480個、開口率56%)を作成し、評価した。
なお、透明電極、青色カラーフィルタ、平坦化層、および有機発光媒体(青色発光有機層)の合計光路長は760nmであり、CIEx色度座標の極小値(MIn)および極大値(Max)、あるいは、CIEy色度座標の極小値(MIn)および極大値(Max)との関係において、それぞれ下記大小関係を満足しない値であった。
Min−20nm<合計光路長<Min+20nm
Max−20nm<合計光路長<Max+20nm
その結果、青色カラーフィルタに対応した位置にある画素においては、青色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0020であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.036であり、発光輝度の面内分布は平均値の7%以内の値であった。
なお、表2に、実施例9等との対比のため、青色発光についてのCIEx、CIEyの値、発光輝度分布および発光色について、得られた結果を示す。
また、緑色変換膜に対応した位置にある画素においては、緑色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0067であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.025であり、発光輝度の面内分布は平均値の8%以内の値であった。
また、赤色変換膜に対応した位置にある画素においては、赤色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0071であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.0091であり、発光輝度の面内分布は平均値の約8%以内の値であった。
さらに、全点灯をすることにより、光干渉効果を利用して、白色発光が得られ、CIExの最大値と最小値の差は0.0031であり、CIEyの最大値と最小値の差は0.037であり、発光輝度の面内分布は平均値の5%以内の値であった。また、このように白色発光をさせた場合、有機EL素子の平均輝度は120.3cd/mであり、CIExの色度は0.2909およびCIEyの色度は0.4223であった。したがって、このように白色発光をさせた場合、実施例9と比較して、CIEyの色度差が特に大きく、緑色がかった白色発光となることが確認された。
なお、有機EL素子の平均発光輝度について、実施例9と比較して、比較例7のほうが高い値となっているが、実施例8において説明したように、これは白色発光が緑色側にずれているための視覚度の影響によるものである。
Figure 0004493216
産業上の利用分野
以上、詳細に説明したように、本発明の有機EL素子によれば、JIS Z 8701に準拠して測定されるCIE色度座標値の極大値および極小値を考慮して透明電極と有機層との合計光路長を決定することにより、有機層を大面積にしたような場合に、透明電極と有機層との合計光路長に一定のばらつきがあったとしても、CIE色度座標の変化を小さく、色調に優れた発光が得られるようになった。
したがって、本発明の技術は、有機EL素子における有機層の面積を大面積化、例えば、10インチ以上の型とし、有機層の厚さがばらついたような場合であっても、色調に優れた発光を得る上で、極めて有効なものであると言える。
また、本発明の有機EL素子の製造方法によれば、有機層を大面積にしたような場合に、透明電極と有機層との合計光路長に一定のばらつきがあったとしてもCIE色度座標の変化が小さく、色調に優れた有機EL素子を効率的に得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
第1図は、第1および第2の実施形態における有機EL素子の断面図である。 第2図は、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t1)と、EL発光のCIEx色度座標値との関係を示す図である。
第3図は、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t1)と、EL発光のCIEy色度座標値との関係を示す図である。
第4図は、青色発光のCIE色度座標を示す図である。
第5図は、青色発光のCIE色度座標の拡大図である。
第6図は、第1の実施形態の青色発光有機層における干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)との関係を示す図である。
第7図は、従来例の青色発光有機層における干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)との関係を示す図である。
第8図は、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長(t3)と、EL発光のCIEx色度座標値との関係を示す図である。
第9図は、透明電極および緑色発光有機層の合計光路長(t3)と、EL発光のCIEy色度座標値との関係を示す図である。
第10図は、緑色発光のCIE色度座標を示す図である。
第11図は、緑色発光のCIE色度座標の拡大図である。
第12図は、第2の実施形態の緑色発光有機層における干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)との関係を示す図である。
第13図は、従来例の緑色発光有機層における干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)との関係を示す図である。
第14図は、第3の実施形態における有機EL素子の断面図である。
第15図は、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長(t2)と、EL発光のCIEx色度座標値との関係を示す図である。
第16図は、透明電極および赤色発光有機層の合計光路長(t2)と、EL発光のCIEy色度座標値との関係を示す図である。
第17図は、赤色発光のCIE色度座標を示す図である。
第18図は、赤色発光のCIE色度座標の拡大図である。
第19図は、第3の実施形態の赤色発光有機層における干渉ピーク(A1)と、発光ピーク(B1)との関係を示す図である。
第20図は、従来例の赤色発光有機層における干渉ピーク(A2)と、発光ピーク(B2)との関係を示す図である。
第21図は、第4の実施形態における有機EL素子の断面図である。
第22図は、実施例7の有機EL素子を示す図である。
第23図は、実施例8の有機EL素子を示す図である。
第24図は、実施例2および比較例3における合計光路長と、EL発光のCIEy色度座標値との関係を比較するための図である。
第25図は、実施例3および比較例4における合計光路長と、EL発光のCIEx色度座標値との関係を比較するための図である。
第26図は、実施例1および比較例1および2における合計光路長と、EL発光の各CIEy色度座標値との関係を比較するための図である。
第27図は、実施例7〜9および比較例5における合計光路長と、EL発光の各CIEy色度座標値との関係を比較するための図である。
第28図は、第1の実施形態に、GCCMを組み合わせ場合の合計光路長と、EL発光の各CIEx色度座標値との関係を示す図である。
第29図は、第1の実施形態に、GCCMを組み合わせ場合の合計光路長と、EL発光の各CIEy色度座標値との関係を示す図である。
第30図は、第1の実施形態に、RCCMを組み合わせ場合の合計光路長と、EL発光の各CIEx色度座標値との関係を示す図である。
第31図は、第1の実施形態に、RCCMを組み合わせ場合の合計光路長と、EL発光の各CIEy色度座標値との関係を示す図である。
第32図は、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t1)が長い場合の、EL発光のCIEx色度座標値との関係を示す図である。
第33図は、透明電極および青色発光有機層の合計光路長(t1)が長い場合の、EL発光のCIEy色度座標値との関係を示す図である。
第34図は、真空蒸着装置を示す図である。
第35図は、従来例における干渉ピーク波長(11)と発光ピーク波長(12)との関係を示す図である。

Claims (8)

  1. 少なくとも一方が透明電極である電極間に、発光ピーク波長が400〜490nmである青色発光有機層と、発光ピーク波長が500〜570nmである緑色発光有機層と、発光ピーク波長が580〜700nmである赤色発光有機層とを挟持してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記透明電極と前記青色発光有機層との合計光路長をt1とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMinとしたときに、Min−20nm<t1<Min+20nmの大小関係を満足するか、
    前記透明電極と前記緑色発光有機層との合計光路長をt3とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t3<Max+20nmの大小関係を満足するか、
    あるいは、前記透明電極と前記赤色発光有機層との合計光路長をt2とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t2<Max+20nmの大小関係を満足すること、
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 少なくとも一方が透明電極である電極間に、発光ピーク波長が400〜490nmである青色発光有機層と、発光ピーク波長が500〜570nmである緑色発光有機層と、発光ピーク波長が580〜700nmである赤色発光有機層とを挟持してなる有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記透明電極と前記青色発光有機層との合計光路長をt1とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極小値を示す光路長をMinとしたときに、Min−20nm<t1<Min+20nmの大小関係を満足し、
    前記透明電極と前記緑色発光有機層との合計光路長をt3とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEy色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t3<Max+20nmの大小関係を満足し、
    かつ、前記透明電極と前記赤色発光有機層との合計光路長をt2とし、JIS Z 8701に準拠して測定したCIEx色度座標の極大値を示す光路長をMaxとしたときに、Max−20nm<t2<Max+20nmの大小関係を満足すること、
    を特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 記透明電極と青色発光有機層との合計光路長(t1)を、前記CIEy色度座標の極小値を示す光路長(Min)と一致させることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 記透明電極と赤色発光有機層との合計光路長(t2)を、前記CIEx色度座標の極大値を示す光路長(Max)と一致させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 記透明電極と緑色発光有機層との合計光路長(t3)を、前記CIEy色度座標の極大値を示す光路長(Max)と一致させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記透明電極と青色発光有機層、赤色発光有機層及び/又は緑色発光有機層との合計光路長(t1,t2及び/又はt3)の面内分布を±20nmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記透明電極と青色発光有機層、赤色発光有機層及び/又は緑色発光有機層との合計光路長(t1,t2及び/又はt3)の値を調整するための光路長補正層を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 発光面側に、色変換媒体が設けてあることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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