JP3584748B2 - 蛍光変換フィルタおよび該フィルタを有するカラー表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子と組み合わせることにより発光型のマルチカラーまたはフルカラーディスプレイ、カラー表示パネル、単色信号光表示パネル、バックライトなどの民生用や工業用の表示機器に好適に用いられる蛍光変換フィルタおよび該フィルタを有してなるカラー表示装置に関するもので、より具体的には、発光素子から発する近紫外領域から緑色領域の光を赤色領域の光に変換することができ、かつ、高精細なパターニングが可能である蛍光変換フィルタおよび該フィルタを有してなるカラー表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のブラウウン管に代わるフラットパネルディスプレイの需要の増加に伴い、各種発光素子の開発および実用化が精力的に進められている。エレクトロルミネッセンス素子(以下、発光素子と記す)も、こうしたニーズに即するものであり、特に、全固体の自発発光素子として、他のディスプレイにはない高解像度および高視認性を有しており、注目を集めている。
【0003】
フラットパネルディスプレイのマルチカラーまたはフルカラー化の方法としては、赤、青、緑の三原色の発光体をマトリクス状に分離配置し、それぞれ発光させる方法(特開昭57−157487号公報、特開昭58−147989号公報、特開平3−214593号公報など)がある。有機発光素子を用いてカラー化する場合、RGB用の3種の発光材料をマトリクス状に高精細で配置しなくてはならないため、技術的に困難で、安価に製造することができない。また、3種の発光材料の寿命が異なるために、時間とともに色度がずれてしまうなどの欠点を有している。
【0004】
また、カラーフィルタに白色で発光するバックライトを取り付けて、三原色を透過させる方法(特開平1−315988号公報、特開平2−273496号公報、特開平3−194895号公報等)が、知られている。しかし、この方法では、高輝度のRGBを得るために高輝度の白色光が必要とされるにも拘わらず、現在、長寿命、高輝度の白色の有機発光素子は得られていない。
【0005】
発光体の発光を、平面的に分離配置した蛍光体に吸収させ、それぞれの蛍光体から多色の蛍光を発光させる方法(特開平3−152897号公報等)も、知られている。このように、蛍光体を用いて、ある発光体から多色の蛍光を発光させる方法は、CRT、プラズマディスプレイなどにも応用されている。近年では、有機発光素子の発光域の光を吸収し、可視光域の蛍光を発光する蛍光材料をフィルタに用いる色変換方式が、開示されている(特開平3−152897号公報、特開平5−258860号公報等)。有機発光素子の発光色は、白色に限定されないため、より輝度の高い有機発光素子を光源として用いることができ、青色発光の有機発光素子を用いた色変換方式(特開平3−152897号公報、特開平8−286033号公報、特開平9−208944号公報)では、青色光を緑色光や赤色光に波長変換している。
【0006】
このような蛍光色素を含む蛍光変換膜を高精細にパターニングすれば、発光体の近紫外光ないし可視光のような弱いエネルギー線を用いても、フルカラーの発光型ディスプレイが構築できる。蛍光変換フィルタのパターニングの方法としては、無機蛍光体の場合と同様に、蛍光色素を液状のレジスト(光反応性ポリマー)中に分散させ、これをスピンコート法などで成膜した後、フォトリソグラフィー法でパターニングする方法(特開平5−198921号公報、特開平5−258860号公報)や塩基性のバインダーに蛍光色素または蛍光顔料を分散させ、これを酸性水溶液でエッチングする方法(特開平9−208944号公報)などがある。
【0007】
フォトリソグラフィー法でパターニングする方法では、特に液状のレジスト中に有機蛍光色素を分散させた場合、レジスト中に光重合剤、熱硬化剤(重合開始剤)や反応性多官能モノマーおよびオリゴマーが含まれているため、フォトリソグラフィープロセスにおいて、光重合剤、熱硬化剤(重合開始剤)や反応性多官能モノマーおよびオリゴマーから発生するラジカル種やイオン種によって、有機色素が脱色したり、消光することがしばしば起こるという問題がある。
【0008】
また、酸性水溶液でエッチングする方法では、塩基性のバインダーからなる蛍光変換膜上にレジストを塗布し、これをパターニングしてエッチングするため、レジストの欠陥が蛍光変換膜に影響するなどの問題が解決されるに至っていなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述の色変換方式を用いる方法では、青色または緑色の発光素子から色純度の高い赤色光を得るためには、450nm〜520nmの波長の吸光度が1以上にする必要がある。450nm〜520nmの波長の吸光度が1以下の場合、青色または緑色光の発光素子からの光が10%以上透過してしまう。そのため、色純度の高い赤色光は得られない。したがって、蛍光変換フィルタ内部に添加される色素濃度を増やすか、あるいは、膜厚を厚くし、450nm〜520nmの波長の吸光度が1以上にしなければならない。
【0010】
しかし、一般に、蛍光色素は添加量が多いと、自己吸収や濃度消光を起こすため、蛍光変換フィルタの450nm〜520nmの波長の吸光度が1以上となるように色素濃度を高くすると、この蛍光変換フィルタからは純度の高い赤色光は得られるが、高い変換効率を得ることができない。これに対して、蛍光色素の添加量を減らすとともに、蛍光変換フィルタの膜厚を厚して、450nm〜520nmの波長の吸光度を1以上にすることが、考えられる。しかし、蛍光変換フィルタの膜厚を厚くすると、隣接するピクセルに発光が漏れやすくなるため、視野角特性が悪くなってしまう。
【0011】
また、色変換方式でディスプレイを製作する際に注意すべき点の一つとして、蛍光変換フィルタと有機EL素子間の距離が挙げられる。この距離が長くなると、発光が隣接するピクセルへ漏れてしまうので、視野角特性は悪くなる。従って、色変換フィルタと有機EL素子間の距離が短い程、視野角特性が良好となり、このことから、有機EL層を色変換フィルタの上面へ接するように形成することが望ましい。
【0012】
特開平8−279394号公報にて開示された手法において、まず、蛍光体層に透明かつ電気絶縁性の無機酸化物層を直接形成する方法では、蛍光変換フィルタの色段差を平坦化することは困難であり、形成した絶縁性無機酸化物層の表面にも凹凸が残ってしまう。従って、有機発光素子は、凹凸上に形成されることとなり、高精細な表示性能に悪影響を及ぼす。
【0013】
そこで、蛍光変換フィルタ上に保護層を塗布して電気絶縁性無機酸化物層を形成する表面を平坦化し、その上に電気絶縁性無機酸化物層を形成するという方法が、行なわれる。このように、蛍光変換フィルタと電気絶縁性無機酸化物層との間に、保護層を塗布して、発光素子を形成してゆく方法では、保護層の膜厚が蛍光変換膜の膜厚により変化するため、蛍光変換膜の膜厚が厚い場合、平坦化するための保護層も厚くなり、発光素子の視野角特性は悪くなる。
【0014】
また、上記の方法では、保護層の硬化のために、蛍光変換膜は繰り返し加熱される。その際、ガラス転移温度の低い蛍光変換膜を用いた場合では、線膨張係数の違いにより、パターンの変形が生じてしまう。そのため製造工程において、保護層の材料として、低温で硬化する材料や、紫外光、可視光で硬化する材料などを選定しなければならない。しかし、それら選定した材料を用いて保護層を形成し、パターンの変形のない蛍光変換フィルタを作製しても、ガラス転移温度の低い蛍光変換フィルタに高温試験を行なうと、パターンの変形を生じてしまう。
【0015】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、発光体から得られる近紫外領域から緑色領域の光を赤色領域の光に変換することができるとともに、高精細なパターニングが可能である蛍光変換膜を有し、優れた表示性能を発揮する蛍光変換フィルタおよび該フィルタを有してなる発光素子を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、波長450nm〜520nmの吸光度が1以下の蛍光変換膜の表示面側に、波長450nm〜520nmの吸光度が1以上の光吸収膜を積層させることにより達成できる。また、特に、上記蛍光変換膜に、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂である(メタ)アクリレート系重合体および共重合体が主成分である樹脂を、用いることにより、高精細なパターニングが可能な蛍光変換フィルタを得ることができる。
【0017】
すなわち、本発明の請求項1の蛍光変換フィルタは、少なくとも、近紫外領域から緑色光領域の光を赤色光領域の光に変換することができるとともに高精細なパターニングが可能な蛍光変換膜を有し、発光素子と組み合わせてカラー表示を可能にする蛍光変換フィルタであって、前記蛍光変換膜が、20μm以下の膜厚を有し、かつ波長450nm〜520nmの吸光度が1以下であり、この蛍光変換膜の表示面側に、波長450nm〜520nmの吸光度が1以上の光吸収膜が積層されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の請求項2の蛍光変換フィルタは、前記請求項1のフィルタにおいて、前記パターニング可能な蛍光変換膜のマトリクス樹脂が光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂であることを特徴とする。
【0019】
さらに、本発明の請求項3の蛍光変換フィルタは、前記請求項2のフィルタにおいて、前記光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂がアクリレート系または/およびメタクリレート系重合体および共重合体を主成分とすることを特徴とする。また、本発明の請求項4のカラー表示装置は、請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光変換フィルタと発光素子とを具備することを特徴とする。
【0020】
図1に示すように、本発明の蛍光変換フィルタは、蛍光変換膜1、光吸収膜2、グリーンカラーフィルタ3およびブルーカラーフィルタ4とが、表示面となるガラス基板5の上に、形成され、その上に保護層6が形成されて上面を平坦にし、その平坦面上に絶縁性無機酸化膜7が形成されてなる素子であり、前記蛍光変換膜1は、波長450nm〜520nmの吸光度が1以下であり、前記光吸収膜2は、波長450nm〜520nmの吸光度が1以上であり、前記蛍光変換膜1の表示面側に、前記光吸収膜2が積層されていることを特徴とする。
【0021】
このように、本発明では、波長450nm〜520nmの吸光度が1以下の蛍光変換膜1の表示面側に、波長450nm〜520nmの吸光度が1以上の光吸収膜2を積層することにより、450〜520nmの光の漏れを遮断することが出来るため、蛍光変換膜の膜厚あるいは保護層の膜厚より決定される視野角特性が維持される蛍光変換フィルタの膜厚(好ましくは20μm以下)で、濃度消光等による変換効率の低下を抑制した蛍光変換フィルタが実現する。
【0022】
なお、本発明の蛍光フィルタは、単色または2色信号光表示装置に適用することも可能であり、その場合は、グリーンおよびブルーカラーフィルタの両方または一方を構成要素からから外すことになる。
【0023】
加えて、請求項2および3に記載されているように、パターニング可能な蛍光変換膜のマトリクス樹脂は光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂であり、その光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は(メタ)アクリレート系重合体および共重合体を主成分とすることことで、蛍光変換膜のパターニングが、一般的なフォトリソグラフィー法により実行することが可能となるため、高精細なパターニングが、安価で、かつ、容易に、実現可能となる。合わせて、それらを用いた蛍光変換フィルタは、ガラス転移温度が高いため、実用上、十分な後プロセス耐性およびデバイス耐熱性を実現することができる。
【0024】
また、本発明のカラー表示装置は、前述の蛍光変換フィルタに発光素子を組み合わせたもので、その一具体例を示すと、図2に示すように、図1に一例を示した蛍光変換フィルタの絶縁性無機酸化膜7の上に、発光素子を構成する複数の層を順次積層してなる。すなわち、絶縁性無機酸化膜7の上に、正孔注入層9、パターニングされた透明電極8、正孔輸送層10、有機発光層11、電子注入層12、そして電極13が、順次積層されてなる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の蛍光変換フィルタの蛍光変換膜に用いられる蛍光色素、蛍光顔料について説明する。発光体から発する青色ないし青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素または蛍光顔料としては、例えば、ローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM)などのシアニン系色素、1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル)−ピリジウム−パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが、挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も、蛍光性があれば、使用することができる。
【0026】
また、本発明において他の色の蛍光変換を可能とする蛍光色素または蛍光顔料も後述のように使用できる。発光体から発する青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素または蛍光顔料としては、例えば3−(2′−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2′−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2′−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが、挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も、蛍光性があれば、使用することができる。
【0027】
これらの色素は、少なくとも赤色領域の蛍光を発する蛍光色素または蛍光染料を一種類以上含んでいればよく、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素または蛍光顔料を一種類以上を組み合わせてもよい。緑色領域の蛍光を発する蛍光色素と赤色領域の蛍光を発する蛍光色素を各一種類以上含んでいるものが好ましい。
【0028】
なお、上記緑色領域あるいは赤色領域の蛍光を発する蛍光色素は、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化して蛍光顔料としたものであってもよい。また、これらの蛍光色素や蛍光顔料は単独で用いてもよく、必要に応じ二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
また、蛍光変換膜中の色素濃度は、濃度消光または自己吸収が起こらない範囲の濃度であり、好ましくは膜厚20μm以下で、波長450nm〜520nmの吸光度が0.1〜1の範囲である。吸光度0.1以下の場合、発光素子の光を効率よく赤色に変換できない。または、吸光度1以上では、濃度消光または自己吸収が起こり、高い変換効率が得られない。
【0030】
次に、本発明の蛍光変換膜に用いられる光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、光または熱処理を行って、ラジカル種やイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものである。
【0031】
具体的に、前記光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂とは、
(i) アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤からなる組成物膜を、光または熱処理して、光ラジカルや熱ラジカルを発生させて重合させたもの、
(ii) ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤からなる組成物を、光または熱処理により二量化させて架橋したもの、
(iii) 鎖状または環状オレフィンとビスアジドからなる組成物膜を、光または熱処理によりナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、
(iv) エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤からなる組成物膜を、光または熱処理により、酸(カチオン)を発生させて重合させたもの、
などがある。
【0032】
赤色領域の蛍光を発する蛍光変換膜は、前記蛍光色素または蛍光顔料と、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂重合物から構成される。ここで、前記光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂のなかでは、(メタ)アクリレート系重合体、すなわち、(i)アクロイル基やメタクロイル基を、複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤からなる組成物膜を光または熱処理して、光ラジカルや熱ラジカルを発生させて重合させたものが、高精細でパターニングが可能であり、耐溶剤性、耐熱性等の信頼性の面でも好ましい。
【0033】
ここで用いられる光吸収膜としては、たとえば、印刷法、分散法、染色法、電着法、ミセル電解法により、透明基板上に形成したものを挙げる事ができる。この光吸収層に用いられる色素層としては、各種顔料や染料等、常用されているものを挙げることができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示す。以下の実施例は、本発明を好適に説明するための具体例に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
【0035】
(実施例1)
図2を参照しながら、本実施例を説明する。
【0036】
光吸収膜の作製
コーニングガラス(143×112×1.1mm)基板5上に、光吸収層(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCR−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソ法によりパターニングを実施し、赤色フィルタ層を、膜厚1μm、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンにて、得た。この光吸収膜2の吸光度は、図3に示すように、波長450〜520nmにおいて吸光度1以上であった。
【0037】
次いで、この基板5上にブルーのカラーフィルタ(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCB−7001)3およびグリーンのカラーフィルタ(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCG−7001)4をスピンコート法にて塗布し、その後、フォトリソ法によりパターニングを実施し、青色フィルタ層および緑色フィルタ層を、膜厚1μm、0.33mmライン、1.2mmmギャップのストライプパターンにて、得た。
【0038】
蛍光変換膜の作製
前記光吸収膜2上に、蛍光色素として、クマリン6、ローダミン6G、ベーシックバイオレット11を含む透明性光重合性樹脂(昭和高分子株式会社:SP−2600)を、スピンコート法を用い成膜し、オーブンで乾燥することにより、蛍光変換膜1を得た。次に、光吸収膜2上の蛍光変換膜1を、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを介して、高圧水銀灯を光源とする露光機にてコンタクト露光し、さらに、アルカリ水溶液で現像処理することにより、ストライプパターンに形成した。次に、オーブンで乾燥することにより、1μmの光吸収膜2と6μmの蛍光変換膜1を積層した膜厚7μmの蛍光変換フィルタを得た。図3に示すように、この蛍光変換膜1単独では、膜厚6μmにおいて、450nm〜520nmの吸光度が1以下になるように、色素濃度を調整した。
【0039】
この蛍光変換フィルタを、DSC(リガク製)でガラス転移温度を測定したところ、112℃であった。
【0040】
この蛍光変換フィルタの上に、保護層形成材料として、UV硬化型樹脂(エポキシ変性アクリレート)をスピンコート法にて塗布し、高圧水銀灯にて照射し、膜厚3μmの保護層6を形成した。
【0041】
この時、蛍光変換フィルタのパターンは、変形がなく、かつ、ハードコード層は平坦であった。また、100℃の高温試験を行なった所、蛍光変換フィルタおよび保護層に変形は見られなかった。
【0042】
有機発光素子の作製
図2は、前述のように、今回製作したカラー表示装置の断面概略図である。蛍光変換フィルタ上面に形成した有機発光層11は、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入層/陰極の6層構成とした。
【0043】
まず、蛍光変換フィルタ上に貼付した保護フィルムの上面にスパッタ法にて透明電極8(ITO)を全面成膜した。パターニングは、ITO上にレジスト剤(東京応化製:OFRP−800)を塗布した後、フォトリソグラフ法にて行い、0.33mmライン、0.07mmギャップ、膜厚100nmのストライプパターンを得た。
【0044】
次いで、基板を抵抗加熱蒸着装置内に装着し、正孔注入層9、正孔輸送層10、有機発光層11、電子注入層12を、真空を破らずに、順次成膜した。表1は、各有機層に用いた材料の構造式である。成膜に際して、真空槽内圧は1×10−4Paまで減圧した。正孔注入層9は、銅フタロシアニン(CuPc)を100nm積層した。正孔輸送層10は、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。発光層11は、4,4′−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層した。電子注入層12は、アルミキレート(Alq)を20nm積層した。
【0045】
この後、この基板を真空槽から取り出し、ITOラインと垂直に0.33mmライン、0.07mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを取り付け、新たに抵抗加熱蒸着装置内に装着した後、陰電極13として、Mg/Ag(10:1の重量比率)を200nm形成した。
【0046】
なお、前記透明電極8、正孔注入層9、正孔輸送層10、有機発光層11、電子注入層12、および電極13は、有機発光素子を構成している。
【0047】
この蛍光変換フィルタと有機発光素子とを具備したカラー表示装置を、グローブボックス内乾燥窒素雰囲気下において、封止ガラスとUV硬化接着剤を用いて封止した。
【0048】
【表1】
Figure 0003584748
【0049】
(実施例2)
実施例1と同様に、光吸収膜2上に、蛍光色素として、クマリン7、ローダミン6G、ベーシックバイオレット11を含む透明性光重合性樹脂(昭和高分子株式会社:SP−1509)をスピンコート法を用い成膜し、オーブンで乾燥することにより、蛍光変換膜1を得た。次に、この蛍光変換膜1を0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを介して、高圧水銀灯を光源とする露光機にてコンタクト露光し、さらに、アルカリ水溶液で現像処理することにより、ストライプパターンに形成した。次に、オーブンで乾燥することにより、1μmの光吸収膜2と6μmの蛍光変換膜1を積層してなる膜厚7μmの蛍光変換フィルタを得た。この蛍光変換膜単独では、膜厚6μmにおいて、450nm〜520nmの吸光度は1以下になるように、色素濃度を調整した。
【0050】
この蛍光変換フィルタを、DSC(リガク製)でガラス転移温度を測定したところ、117℃であった。
【0051】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタ上に、有機発光素子を形成した。
【0052】
実施例1と同様にこの蛍光変換フィルタと有機発光素子とからなるカラー表示装置を封止した。
【0053】
(実施例3)
実施例1と同様に、光吸収膜2上に、蛍光色素として、クマリン7、ローダミン6G、ベーシックバイオレット11を含む透明性光重合性樹脂(新日鉄化学:V−2400PETシリーズ)をスピンコート法を用い、成膜し、オーブンで乾燥することにより、蛍光変換膜1を得た。次に、この蛍光変換膜1を、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを介して、高圧水銀灯を光源とする露光機にてコンタクト露光し、さらに、アルカリ水溶液で現像処理することにより、ストライプパターンに形成した。次に、加熱乾燥することにより、1μmの光吸収膜2と6μmの蛍光変換膜1を積層してなる膜厚7μmの蛍光変換フィルタを得た。この蛍光変換膜1単独では、膜厚6μmにおいて、450nm〜520nmの吸光度は1以下になるように、色素濃度を調整した。
【0054】
この蛍光変換フィルタを、DSC(リガク製)でガラス転移温度を測定したところ、170℃であった。
【0055】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタ上に、有機発光素子を形成した。
【0056】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタと有機発光素子とからなるカラー表示装置を封止した。
【0057】
(実施例4)
実施例1と同様に、光吸収膜2上に、透明性光重合性樹脂(新日鉄化学:V−2400PETシリーズ)に対して、蛍光色素として、クマリン7、ローダミン6G、ベーシックバイオレット11を含む透明性光重合性樹脂(新日鉄化学:V−2400PETシリーズ)を添加したものを、スピンコート法を用い成膜し、オーブンで乾燥することにより、蛍光変換膜1を得た。次に、この蛍光変換膜1を、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを介して、高圧水銀灯を光源とする露光機にてコンタクト露光し、さらに、アルカリ水溶液で現像処理することにより、ストライプパターンに形成した。次に、オーブンで加熱乾燥することにより、1μmの光吸収膜2と6μmの蛍光変換膜1を積層してなる膜厚7μmの蛍光変換フィルタを得た。この蛍光変換膜1単独では、膜厚6μmにおいて、450nm〜520nmの吸光度は1以下になるように、色素濃度を調整した。
【0058】
この蛍光変換フィルタを、DSC(リガク製)でガラス転移温度を測定したところ、220℃であった。
【0059】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタ上に、有機発光素子を形成した。
【0060】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタと有機発光素子とからなるカラー表示装置を封止した。
【0061】
(比較例1)
コーニングガラス(143×112×1.1mm)上に、蛍光色素として、クマリン6、ローダミン6G、ベーシックバイオレット11を含む透明性光重合性樹脂(昭和高分子株式会社:SP−2600)をスピンコート法を用い成膜し、オーブンで乾燥することにより、蛍光変換膜を得た。次に、この蛍光変換膜を、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを介して、高圧水銀灯を光源とする露光機にてコンタクト露光し、さらに、アルカリ水溶液で現像処理することにより、ストライプパターンに形成した。次に、オーブンで乾燥することにより、膜厚25μmの蛍光変換フィルタ(蛍光変換膜単独)を得た。この蛍光変換膜単独で、膜厚25μmにおいて450nm〜520nmの吸光度が2以上になるように、色素濃度を調整した。
【0062】
この蛍光変換フィルタを削り出し、DSC(リガク製)でガラス転移温度を測定したところ、140℃であった。
【0063】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタ上に、有機発光素子を形成した。
【0064】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタと有機発光素子とからなるカラー表示装置を封止した。
【0065】
(比較例2)
コーニングガラス(143×112×1.1mm)上に、カラーフィルタレッド(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCR−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソ法によりパターニングを実施し、赤色フィルタ層を、膜厚0.5μm、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンにて、得た。この光吸収膜の吸光度は、波長450〜520nmにおいて吸光度1以下であった。実施例1と同様に、ブルーのカラーフィルタおよびグリーンのカラーフィルタを形成した。
【0066】
前記カラーフィルタレッド上に、蛍光色素として、クマリン6、ローダミン6G、ベーシックバイオレット11を含む透明性光重合性樹脂(昭和高分子株式会社:SP−2600)をスピンコート法を用い、成膜し、80℃オーブンで乾燥することにより、蛍光変換膜を得た。次に、この蛍光変換膜を、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを介して、高圧水銀灯を光源とする露光機にてコンタクト露光し、さらに、アルカリ水溶液で現像処理することによって、ストライプパターンに形成した。次に、オーブンで乾燥することにより、膜光吸収膜0.5μmと蛍光変換膜15μmを積層してなる膜厚15.5μmの蛍光変換フィルタを得た。この蛍光変換膜単独で、膜厚15μmにおいて、450nm〜520nmの吸光度が1.5以上になるように、色素濃度を調整した。
【0067】
この蛍光変換フィルタを、DSC(リガク製)でガラス転移温度を測定したところ、140℃であった。
【0068】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタ上に、有機発光素子を形成した。
【0069】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタと有機発光素子とからなるカラー表示装置を封止した。
【0070】
(比較例3)
コーニングガラス(143×112×1.1mm)上に、蛍光色素として、クマリン6、ローダミン6G、ベーシックバイオレット11を含む透明性光重合性樹脂(昭和高分子株式会社:SP−2600)をスピンコート法を用い、成膜し、オーブンで乾燥することにより、蛍光変換膜を得た。次に、この蛍光変換膜を、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを介して、高圧水銀灯を光源とする露光機にてコンタクト露光し、さらに、アルカリ水溶液で現像処理することによって、ストライプパターンに形成した。次に、オーブンで乾燥することにより、膜厚7μmの蛍光変換フィルタを得た。この蛍光変換膜単独で、膜厚7μmにおいて、450nm〜520nmの吸光度が2以上になるように、色素濃度を調整した。
【0071】
この蛍光変換フィルタを、DSC(リガク製)でガラス転移温度を測定したところ、140℃であった。
【0072】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタ上に有機発光素子を形成した。
【0073】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタと有機発光素子とからなるカラー表示装置を封止した。
【0074】
(比較例4)
コーニングガラス(143×112×1.1mm)上に、カラーフィルタレッド(富士ハントエレクトロニクステクノロジー製:カラーモザイクCR−7001)をスピンコート法にて塗布後、フォトリソ法によりパターニングを実施し、赤色フィルタ層を、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンにて、得た。次いで、赤色フィルタ上に、透明性光重合性樹脂(日本化薬株式会社:SR235)に対して、蛍光色素として、クマリン7、ローダミン6G、ベーシックバイオレット11を含む樹脂を、スピンコート法を用い、成膜し、オーブンで乾燥することにより、蛍光変換膜を得た。次に、この蛍光変換膜を、0.33mmライン、1.2mmギャップのストライプパターンが得られるマスクを介して高圧水銀灯を光源とする露光機にてコンタクト露光し、さらに、アルカリ水溶液で現像処理することにより、ストライプパターンに形成した。次に、オーブンで加熱乾燥することにより、膜厚7μmの蛍光変換フィルタが得られた。この蛍光変換膜単独で、膜厚6μmにおいて、450nm〜520nmの吸光度が1以下であった。
【0075】
この蛍光変換フィルタを、DSC(リガク製)でガラス転移温度を測定したところ、60℃であった。
【0076】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタ上に、保護層を形成した。この時、蛍光色変換フィルタのパターンは変形があり、しかも、保護層は凹凸であった。
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタ上に有機発光素子を形成した。
【0077】
実施例1と同様に、この蛍光変換フィルタと有機発光素子とからなるカラー表示装置を封止した。
【0078】
実施例1〜4および比較例1〜4の評価
実施例1〜4の評価した結果を表2にまとめた。以下に、表2における各項目の評価方法および結果について説明する。
【0079】
【表2】
Figure 0003584748
【0080】
〔CIE色度座標及び視野角特性〕
CIE色度座標は、MCPD−1000(大塚電子製)を用いて測定し、視野角特性の測定角度は、MCPD−1000の受光部分がガラス基板と垂直となる角度を0°として、左右5°毎に±0〜80°測定した。
【0081】
〔膜厚〕
ガラス基板上に形成した光吸収膜および蛍光変換膜、光吸収膜と蛍光変換膜を積層してなる蛍光変換フィルタのガラス表面からの段差を、表面粗さ計(日本真空技術:DEKTAK IIA)を用いて評価した。
【0082】
〔相対変換効率〕
相対変換効率は、実施例1の蛍光変換フィルタを具備した有機発光素子を点灯させ、輝度が50cd/m となる電圧を標準電圧として、有機発光素子に標準電圧をかけた時に得られる輝度を測定し、実施例1の輝度を1として相対変換効率として比較した。
【0083】
〔後プロセス耐性〕
後プロセス耐性は、蛍光変換フィルタ上に、有機発光素子を作製、発光させ、その表示性能において、断線および短絡などの欠陥を調べた。
【0084】
実施例1〜4の蛍光変換膜をフィルタを具備した有機発光素子は、色純度の高い赤色を発光し、高精細で広い視野角特性と後プロセス耐性を有する実用上優れた表示素子である。
【0085】
比較例1〜4の評価した結果を説明する。
【0086】
比較例1の蛍光変換フィルタを具備した有機発光素子は、蛍光変換膜の膜厚が25μmと厚いため、有機発光素子と蛍光変換フィルタの光路長が長くなり、視野角特性は±30度以上でCIE色度座標が変化し、赤色の色純度が低下した。
【0087】
比較例2の蛍光変換フィルタを具備した有機発光素子は、光吸収膜の吸光度が低いため蛍光変換膜の膜厚が15μmと厚くなる。そのため、有機発光素子と蛍光変換フィルタの光路長が長くなり、視野角特性も±50度以上でCIE色度座標が変化し、赤色光の色純度が低下した。
【0088】
比較例3の蛍光変換フィルタを具備した有機発光素子は、実施例1と同等の電圧をかけた時に得られた赤色光の輝度を、実施例1の時の輝度を1とし比較すると、赤色光の輝度は0.60しか得られなかった。これは、蛍光変換膜内の色素濃度を、膜厚7μmにおいて、450nm〜520nmの吸光度が2以上になるように調整したため、色素の濃度消光および自己吸収が起こり、効率よく色変換が行われていないためである。
【0089】
比較例4の蛍光変換フィルタを具備した有機発光素子は、発光させたところ、所々に非発光部分が生じ、不均一な発光が得られた。保護層に凹凸があるため、表示部内に断線が生じ、高精細な表示が実現できなかった。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、発光体から得られる近紫外領域から緑色光領域の光を赤色領域の光に変換することができ、かつ高精細なパターニングが可能であり、優れた表示性能を持つ蛍光変換フィルタを得ることができる。発光型のマルチカラーまたはフルカラーディスプレイ、カラー表示パネル、単色信号光表示パネル、バックライトなど、民生用や工業用の表示機器に好適に用いられる蛍光変換フィルタを、安価、かつ、容易に製造することが実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる蛍光変換フィルタの一例を示す断面概略図である。
【図2】本発明にかかるカラー表示装置子の一例を示す断面概略図である。
【図3】本発明の実施例1の蛍光変換フィルタの光吸収膜および蛍光変換膜の吸収曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1 蛍光変換膜
2 光吸収膜
3 グリーンのカラーフィルタ
4 ブルーのカラーフィルタ
5 ガラス基板
6 保護層
7 絶縁性無機酸化膜
8 透明電極
9 正孔注入層
10 正孔輸送層
11 有機発光層
12 電子注入層
13 電極

Claims (4)

  1. 少なくとも、近紫外領域から緑色光領域の光を赤色光領域の光に変換することができるとともに高精細なパターニングが可能な蛍光変換膜を有し、発光素子と組み合わせてカラー表示を可能にする蛍光変換フィルタであって、
    前記蛍光変換膜が、20μm以下の膜厚を有し、かつ波長450nm〜520nmの吸光度が1以下であり、この蛍光変換膜の表示面側に、波長450nm〜520nmの吸光度が1以上の光吸収膜が積層されていることを特徴とする蛍光変換フィルタ。
  2. 前記パターニング可能な蛍光変換膜のマトリクス樹脂が光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光変換フィルタ。
  3. 前記光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂がアクリレート系または/およびメタクリレート系重合体および共重合体を主成分とすることを特徴とする請求項2に記載の蛍光変換フィルタ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の蛍光変換フィルタと発光素子とを具備することを特徴とするカラー表示装置。
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