JP2003264081A - 赤色蛍光変換フィルタ及びそれを用いた有機発光素子 - Google Patents

赤色蛍光変換フィルタ及びそれを用いた有機発光素子

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JP2003264081A
JP2003264081A JP2002064074A JP2002064074A JP2003264081A JP 2003264081 A JP2003264081 A JP 2003264081A JP 2002064074 A JP2002064074 A JP 2002064074A JP 2002064074 A JP2002064074 A JP 2002064074A JP 2003264081 A JP2003264081 A JP 2003264081A
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organic light
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English (en)
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Miyako Hitomi
美也子 人見
Goji Kawaguchi
剛司 川口
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/30Devices specially adapted for multicolour light emission
    • H10K59/38Devices specially adapted for multicolour light emission comprising colour filters or colour changing media [CCM]

Abstract

(57)【要約】 【課題】 近紫外領域から青色領域の光を、赤色領域の
光に効率よく変換でき、かつ、寿命が長く長期間にわた
って安定的な動作を行うことができる、赤色蛍光変換フ
ィルタ及びそれを用いた有機発光素子を提供する。 【解決手段】 この有機発光素子100は、有機発光体
層80から得られる青色領域の光を吸収して緑色領域に
蛍光極大を有する蛍光色素と、マトリクス樹脂とを含有
する青色−緑色変換層21と、緑色領域の光を吸収して
赤色領域に蛍光極大を有する蛍光色素と、マトリクス樹
脂とを含有する緑色−赤色変換層22とを少なくとも含
む、赤色蛍光変換フィルタ25を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発光型のマルチカ
ラー又はフルカラーディスプレイ、表示パネル、バック
ライト等の、民生用や工業用の表示機器に用いられる蛍
光変換フィルタ、及びこれを用いた有機発光素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のブラウン管や液晶に代わるフラッ
トパネルディスプレイの需要の増加に伴い、各種表示素
子の開発及び実用化が精力的に進められている。有機エ
レクトロルミネセンス(有機EL)もこうしたニーズに
即するものであり、特に全固体の自発光素子であり、高
精細でフルカラー表示可能なデバイスとして注目を集め
ている。
【0003】有機ELに用いられる素子(以下、有機発
光素子という)は、低電圧で高い電流密度が実現できる
ため、無機EL素子やLEDに比べて高い発光輝度と発
光効率が期待できる。また、液晶表示素子等に対して、
視野角依存性、高速応答性等に優れるという特徴を有し
ている。
【0004】この有機発光素子を用いてフルカラー表示
する方法としては、近紫外から青色の発光領域を持つ有
機発光体からの光を吸収し、これを蛍光変換フィルタを
用いて可視光域に変換する、いわゆる色変換方式が、特
開平3−152897号公報、特開平5−258860
号公報等に開示されている。
【0005】この色変換方式によれば、有機発光体の発
光色が白色に限定されないため、より輝度の高い有機発
光体を光源に適用でき、例えば、青色発光の有機発光体
を用い、これを緑色光や赤色光に波長変換する色変換方
式が、特開平3−152897号公報、特開平8−28
6033号公報、特開平9−208944号公報等に開
示されている。
【0006】そして、このような蛍光色素を含む蛍光変
換フィルタを高精細に透明な支持基板上にパターニング
すれば、有機発光体の近紫外光ないし可視光のような弱
いエネルギー線を用いてもフルカラーの発光型ディスプ
レイが構築できる。
【0007】図5には、このような従来の有機発光素子
の構成の一例が示されている。ここで、図5は従来の有
機発光素子の構成を示す断面概略図であって、マルチカ
ラー又はフルカラーディスプレーとして使用するための
複数の画素を有する有機発光素子の一部に相当する部分
が示されている。
【0008】この有機発光素子120は、透明な支持基
板10上に、3種類の蛍光変換フィルターである赤色蛍
光変換フィルタ20、緑色蛍光変換フィルタ30、青色
蛍光変換フィルタ40がそれぞれ形成されており、それ
ぞれの蛍光変換フィルタを被覆するように支持基板10
上にはガスバリア層50が形成されている。
【0009】また、ガスバリア層50上の、赤色蛍光変
換フィルタ20、緑色蛍光変換フィルタ30、青色蛍光
変換フィルタ40が形成された部分には、パターン形成
されたITOなどの透明電極からなる第1電極層60が
陽極として形成され、更に、第1電極層60を被覆する
ようにガスバリア層50上には、正孔注入層71と、正
孔輸送層72とが順次形成されている。
【0010】更に、正孔輸送層72上には有機発光体層
80が形成され、有機発光層80上には電子注入層73
と、金属電極などからなる第2電極層90が陰極として
形成されており、全体として有機発光素子120を構成
している。
【0011】この有機発光素子120によれば、まず、
特定の第1電極層60と第2電極層90とで挟まれる画
素に電気的信号を入力することで、画素部分の有機発光
体層80が発光し、主波長450〜560nmの近紫外
領域から青色領域の光を発する。
【0012】次に、有機発光体層80からの光は、画素
部分に配置されている赤色蛍光変換フィルタ20、緑色
蛍光変換フィルタ30、青色蛍光変換フィルタ40のい
ずれかに吸収されて色変換され、それぞれ、赤色、緑
色、青色に色変換され、透明な支持基板10を介して色
情報が表示される。
【0013】このように、第1電極層60と第2電極層
90の交差領域の発光部を1単位として1画素を形成
し、この画素が複数個配列することにより表示部が形成
される。なお、表示部の両電極層からは、図示しない接
続部が支持基板10の周囲へ延長され、この接続部が、
やはり図示しない外部駆動回路と表示部を接続すること
により画像表示装置が構成される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ここで、上記の蛍光変
換フィルタのうち、赤色蛍光変換フィルタ20に含まれ
て蛍光色素としては、クマリン系蛍光色素等と、ローダ
ミン系蛍光色素等との混合物が従来用いられている。
【0015】これは、有機発光体層80からの波長には
赤色領域(600nm〜)を有していないため、赤色蛍
光を出すためには、効果的に青色からのエネルギー移動
と吸収を起こさせるために、複数の蛍光色素を使う必要
があるためである。
【0016】このため、赤色変換させるための色素とし
て、青色領域の波長(450〜480nm)を吸収し
て、緑色領域の波長(520〜560nm)の蛍光を出
すクマリン系蛍光色素等と、クマリン系蛍光顔料で発せ
られた緑色領域の波長を吸収し、赤色領域の蛍光を出す
ローダミン系蛍光色素等との混合物とすることによっ
て、2段階の色変換を経て効率的に赤色を発生させるこ
とができる。
【0017】しかしながら、上記の従来技術のような色
素混合系では、まずクマリン系等の蛍光色素が有機発光
体からの光を吸収して励起状態になったとき、近傍にあ
る、他のローダミン系等の蛍光色素と衝突し、その結
果、蛍光を発しなくなる、失活という現象が起きる。
【0018】この失活によって、赤色の輝度が駆動時間
とともに著しく低下してしまうため、赤色蛍光変換フィ
ルタは、他の青緑色蛍光変換フィルタや緑色蛍光変換フ
ィルタに比べて長時間安定な色を維持できず、したがっ
て、結果として、この赤色蛍光変換フィルタを含む有機
発光素子の寿命が短くなるという問題があった。
【0019】したがって、本発明の目的は、有機発光体
層から発する近紫外領域から青色領域の光を、赤色領域
の光に効率よく変換でき、しかも、寿命が長く安定な赤
色蛍光変換フィルタ及びそれを用いた有機発光素子を提
供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の赤色蛍光変換フィルタは、有機発光体から
得られる近紫外領域から青色領域の光を吸収して、赤色
領域の光を発する赤色蛍光変換フィルタにおいて、青色
領域の光を吸収して緑色領域に蛍光極大を有する蛍光色
素と、マトリクス樹脂とを含有する青色−緑色変換層
と、前記緑色領域の光を吸収して赤色領域に蛍光極大を
有する蛍光色素と、マトリクス樹脂とを含有する緑色−
赤色変換層とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0021】本発明の赤色蛍光変換フィルタによれば、
青色−緑色変換層と、緑色−赤色変換層とを別々の層と
して設けたので、失活による色素間の相互作用を緩和で
き、赤色の輝度が経時的に低下することを防止でき、長
時間安定な赤色を発生させることができる。
【0022】本発明の好ましい態様としては、前記緑色
−赤色変換層は、前記青色−緑色変換層に隣接して配置
された、前記緑色領域の光を吸収して橙色領域に蛍光極
大を有する蛍光色素と、マトリクス樹脂とを含有する緑
色−橙色変換層と、前記橙色領域の光を吸収して赤色領
域に蛍光極大を有する蛍光色素と、マトリクス樹脂とを
含有する橙色−赤色変換層とで構成されている。
【0023】この態様によれば、中間層の緑色−橙色変
換層が、青色−緑色変換層と橙色−赤色変換層との仲介
を果たし、これによって、緑色−橙色変換層からの橙色
発光領域と、橙色−赤色変換層の橙色吸収領域との重複
が高まるので、緑色−赤色の変換効率が高くなり、赤色
の輝度を向上することができる。
【0024】本発明の別の好ましい態様としては、前記
赤色蛍光変換フィルタの膜厚が5〜10μmである。こ
の態様によれば、充分な波長変換が行われ、しかも濃度
消光等の効果により色変換効率の低下をもたらさないの
で、輝度の高い赤色を得ることができる。
【0025】本発明の別の好ましい態様としては、60
0nm以下の波長領域を遮断するカットフィルタが、前
記緑色−赤色変換層の外側に配置される。この態様によ
れば、青色−緑色変換層から発する光の一部が、緑色−
赤色変換層を透過してしまい、赤色の色度が低下するこ
とを防止できる。
【0026】本発明の有機発光素子は、上記のいずれか
一つに記載の赤色蛍光変換フィルタを備える有機発光素
子であって、透明な支持基板と、該支持基板上の少なく
とも一部に形成される前記赤色蛍光変換フィルタと、前
記赤色蛍光変換フィルタを被覆するように前記支持基板
上に形成されるガスバリア層と、該ガスバリア層上の前
記赤色蛍光変換フィルタが被覆された部分に少なくとも
形成される第1電極層と、有機発光体を含有する有機発
光層と、該有機発光層上に形成される第2電極層とを少
なくとも含むことを特徴とする。
【0027】本発明の有機発光素子によれば、赤色の輝
度が経時的に低下することを防止でき、長時間安定な赤
色を発生させる有機発光素子を得ることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施形態の一例を説明するが、本発明は以下の実施形態に
限定されるものではない。
【0029】図1は、本発明の有機発光素子の一実施形
態を示す断面概略図である。なお、以下の説明において
は、上記の図5における従来技術と実質的に同一部分に
は同符号を付してその説明を省略することにする。
【0030】図1に示すように、この有機発光素子10
0は、透明な支持基板10上に、3種類の蛍光変換フィ
ルターである赤色蛍光変換フィルタ25、緑色蛍光変換
フィルタ30、青色蛍光変換フィルタ40がそれぞれ形
成され、更にガスバリア層50、第1電極層60、正孔
注入層71、正孔輸送層72、有機発光体層80、電子
注入層73、第2電極層90が順次形成されており、全
体として有機発光素子100を構成している。
【0031】この有機発光素子100について、その製
造工程に沿って以下順に説明する。まず、透明な支持基
板10上に、3種類の蛍光変換フィルターである赤色蛍
光変換フィルタ25、緑色蛍光変換フィルタ30、青色
蛍光変換フィルタ40を形成する。
【0032】ここで、支持基板10は、蛍光変換フィル
タによって色変換された光を出力するために透明であれ
ばよく、ガラス基板等が使用可能で特に限定されない。
【0033】上記の3種類の蛍光変換フィルタである、
赤色蛍光変換フィルタ25、緑色蛍光変換フィルタ3
0、青色蛍光変換フィルタ40は、従来公知のパターニ
ング方法により支持基板10上に形成される。パターニ
ングの方法としては、特開平5−198921号公
報、特開平5−258860号公報に開示されているよ
うな、蛍光色素を液状のレジスト(光反応性ポリマー)
中に分散させ、これをスピンコート法などで成膜した
後、フォトリソグラフ法でパターニングする方法、特
開平9−208944号公報に開示されているような、
塩基性のバインダーに蛍光色素または蛍光顔料を分散さ
せ、これを酸性水溶液でエッチングする方法等が可能で
あり特に限定されない。
【0034】青色蛍光変換フィルタ40としては、従来
公知の青色フィルタ材料が使用できる。また、有機発光
体層80からの光が青色領域の光を充分に含むならば、
蛍光変換を行わなくてもよく、単なる青色フィルターで
あってもよい。
【0035】緑色蛍光変換フィルタ30としては、青色
ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発
する従来公知の蛍光色素が、緑色フィルタ材料として使
用できる。また、有機発光体層80からの光が緑色領域
の光を充分に含むならば、蛍光変換を行わなくてもよ
く、単なる緑色フィルターとしてもよい。
【0036】更に、図3に示すように、400〜520
nmの不要な青色領域を遮断する、あるいは520〜5
80nmの緑色領域のみを選択的に透過する緑用カット
フィルタ31が設けられていてもよい。なお、上記波長
領域は、その上限と下限が±10nmの範囲でずれてい
てもよい。
【0037】次に、赤色蛍光変換フィルタ25について
説明する。図1に示すように、赤色蛍光変換フィルタ2
5は、青色領域の光を吸収して緑色領域に蛍光極大を有
する蛍光色素と、マトリクス樹脂とを含有する青色−緑
色変換層21と、緑色領域の光を吸収して赤色領域に蛍
光極大を有する蛍光色素と、マトリクス樹脂とを含有す
る緑色−赤色変換層22とを少なくとも含み、支持基板
10上に、緑色−赤色変換層22、青色−緑色変換層2
1の順に形成される。
【0038】ここで、青色−緑色変換層21に含まれ
る、青色領域の光を吸収して緑色領域に蛍光極大を有す
る蛍光色素としては、例えば3−(2’−ベンゾチアゾ
リル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、
3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエ
チルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2’−N−
メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルア
ミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1
H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノ
リジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン15
3)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染
料であるベーシックイエロー51、更にはソルベントイ
エロー11、ソルベントイエロー116などのナフタル
イミド系色素などが挙げられる。更に、各種染料(直接
染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性
があれば使用することができる。なお、これらの蛍光色
素は、前記緑色蛍光変換フィルタ30用の蛍光色素とし
ても利用できるものである。
【0039】一方、緑色−赤色変換層22に含まれる、
緑色領域の光を吸収して赤色領域に蛍光極大を有する蛍
光色素としては、例えばローダミンB、ローダミン6
G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン1
10、スルホローダミン、ベーシックバイオレット1
1、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シア
ニン系色素、1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルア
ミノフェニル)−13一ブタジエニル〕−ピリジウム−
パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、
あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。更に、各
種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料な
ど)も蛍光性があれば使用することができる。
【0040】なお、本発明において、青色領域とは波長
が400〜500nm、緑色領域とは波長が520〜5
80nm、赤色領域とは波長が600nm以上の光を意
味する。ただし、上記各波長領域は、その上限と下限が
±10nmの範囲でずれていてもよいなお、本発明にお
ける蛍光色素とは、蛍光色素以外に、蛍光色素を溶剤等
に溶解した溶液も含み、更に、蛍光色素を、ポリメタク
リル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミ
ド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン
樹脂及びこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料
化して、蛍光顔料化したものも含む意味である。ここ
で、本発明においては、これらの蛍光色素の溶液や蛍光
顔料化したものをそれぞれ単独で用いてもよく、蛍光の
色相を調整するために二種以上を組み合わせて用いても
よい。
【0041】次に、本発明の赤色蛍光変換フィルタに用
いられるマトリクス樹脂は、光硬化性又は光熱併用型硬
化性樹脂を、光及び/又は熱処理して、ラジカル種やイ
オン種を発生させて重合または架橋させ不溶不融化させ
たものである。また、光硬化性又は光熱併用型硬化性樹
脂は、蛍光変換フィルタのパターニングを行うために、
硬化をする前は有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性で
あることが望ましい。
【0042】具体的には、(1)アクロイル基やメタク
ロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよび
オリゴマーと、光または熱重合開始剤からなる組成物膜
を光または熱処理して、光ラジカルや熱ラジカルを発生
させて重合させたもの、(2)ポリビニル桂皮酸エステ
ルと増感剤からなる組成物を光または熱処理により二量
化させて架橋したもの、(3)鎖状または環状オレフィ
ンとビスアジドからなる組成物膜を光または熱処理によ
りナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたも
の、(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤か
らなる組成物膜を光または熱処理により、酸(カチオ
ン)を発生させて重合させたものなどが挙げられる。特
に(1)の光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂が高精細
でパターニングが可能であり、耐溶剤性、耐熱性等の信
頼性の面からも好ましい。
【0043】本発明に用いる蛍光色素は、赤色蛍光変換
フィルタ25の質量に対して、0.01〜5重量%、よ
り好ましくは0.1〜2重量%含有することが好まし
い。蛍光色素の含有量が0.01重量%未満の場合、充
分な波長変換を行うことができずに好ましくなく、ま
た、5%を越えると濃度消光等の効果により色変換効率
の低下をもたらすので好ましくない。
【0044】また、赤色蛍光変換フィルタ25の膜厚
は、5〜10μmであることが好ましい。膜厚が5μm
未満の場合、充分な波長変換を行うことができずに好ま
しくない。また、10μmを越えると、やはり濃度消光
等の効果により色変換効率の低下をもたらすので好まし
くない。
【0045】また、青色−緑色変換層21と、緑色−赤
色変換層22との膜厚の割合は、1:1〜3:1の範囲
であることが好ましい。このように、青色−緑色変換層
21を緑色−赤色変換層22より厚くすることで、青色
−緑色変換層21の有機発光体層からの光による劣化を
防止することができる。
【0046】また、赤色蛍光変換フィルタ25の側壁面
に、図2に示すような金属製の反射板24を取り付けて
もよい。これによって、横方向への光の漏れを防止で
き、発光効率が下がることを防止できる。
【0047】次に、ガスバリア層50を形成する工程に
ついて説明する。支持基板10上にパターン形成され
た、3種類の蛍光変換フィルターである赤色蛍光変換フ
ィルタ25、緑色蛍光変換フィルタ30、青色蛍光変換
フィルタ40の上に、それぞれの蛍光変換フィルタを被
覆するように支持基板10上にガスバリア層50が形成
される。
【0048】ここで、ガスバリア層50の形成法には特
に制約はなく、例えば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、
CVD法等)と湿式法(スピンコート法、ロールコート
法、キャスト法等)等の慣用の手法より形成できる。
【0049】ガスバリア層50は、可視域における透明
性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以
上)、Tgが100℃以上で、表面硬度が鉛筆硬度で2
H以上あり、色変換フィルター上に平滑に塗膜を形成で
き,色変換フィルター2〜4の機能を低下させない材料
であることが好ましい。
【0050】このような材料としては、例えば、特開平
5−134112号公報、特開平7−218717号公
報、特開平7−306311号公報等に開示されている
ようなイミド変性シリコーン樹脂、特開平5−1193
06号公報、特開平7−104114号公報等に開示さ
れているような、TiO.AL23.SiO2等の無機
金属化合物をアクリル、ポリイミド、シリコーン樹脂等
中に分散した材料、特開平7−48424号公報に開示
されているような、紫外線硬化型樹脂としてのエポキシ
変性アクリレート樹脂、アクリレートモノマー/オリゴ
マー/ポリマーの反応性ビニル基を有した樹脂、特開平
6−300910号公報、特開平7−128519号公
報、特開平8−279394号公報、特開平9−330
793号公報等に開示されているようなレジスト樹脂、
特開平8−27934号公報、月刊ディスプレイ199
7年、3巻、7号に記載されているような無機化合物の
ゾルーゲル法、特開平5−36475号公報、特開平9
−330793号公報等に開示されているようなフッ素
系樹脂等の、光硬化型樹脂及び/又は熱硬化型樹脂が挙
げられる。
【0051】また、ガスバリア層50としては、電気絶
縁性を有し、ガスおよび有機溶剤に対するバリア性を有
し、可視域における透明性が高く(400〜700nm
の範囲で透過率50%以上)、ガスバリア層上への第1
電極60の成膜に耐えうる硬度、好ましくは2H以上の
膜硬度を有する材料を用いることがより好ましい。この
ような材料として、例えば、SiOx、SiNx、SiN
xx、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOx等の無機酸
化物、無機窒化物等が使用できる。
【0052】なお、上記のガスバリア層50は単層でも
よく、複数の層が積層されたものでもよい。
【0053】ガスバリア層50の膜厚は、5〜10μm
であることが好ましい。膜厚が5μm未満であるとガス
バリア性が不充分であり、また、平滑性に欠けるので好
ましくなく、10μmを超えると、有機発光層で発生し
た励起光が、該ガスバリア層を介して存在する色変換層
に届くまでの光路長が長くなる。その結果、斜め方向か
ら見ると、隣接する別の色の画素への励起光の漏れ(光
学的クロストーク)が発生し、表示性能、特に視野角特
性に及ぼす影響が大きくなり、ディスプレーに対して見
る角度を変えた際に生じる色の変化が大きくなるので好
ましくない。
【0054】次に、ガスバリア層50上に、電極層及び
有機発光体層を積層する工程について説明する。
【0055】図1に示すように、ガスバリア層50上に
は、一対の電極である第1電極層60と第2電極層90
に挟まれるように、有機発光体層80が形成される。図
1の実施形態では、ガスバリア層50上にパターン形成
された第1電極層60と、この第1電極層60を覆う正
孔注入層71と、この正孔注入層71上に形成された正
孔輸送層72と、正孔輸送層72上に形成された有機発
光層80と、有機発光層80上に形成された電子注入層
73と、電子注入層73上にパターン形成された金属電
極などからなる第2電極層90とが順次形成されてい
る。
【0056】第1電極60としては、ITOなどの透明
電極からなる層であることが好ましく、例えばスパッタ
等の従来公知の成膜法によって形成した後、例えばフォ
トリソグラフ法等の従来公知の方法でパターニングされ
る。また、第1電極層60は、有機発光体層90の発す
る光の波長域において透明であることが望ましい。これ
によって、透明電極を介して上記の蛍光変換フィルタに
光を入射させることができる。
【0057】最後に、パターニングされた第1電極層6
0を被覆するように、ガスバリア層50の上から順に、
正孔注入層71、正孔輸送層72、有機発光層80、電
子注入層73と、第2電極層90が順次積層する。これ
らの各層は従来公知の蒸着法等により形成でき、このよ
うにして、図1に示すような有機発光素子100を得る
ことができる。
【0058】上記各層の材料としては、従来公知のもの
が使用され特に限定されない。また、有機発光層80に
含有させる、近紫外領域から青色領域(450nm〜5
60nm)に発光波長を持つ有機発光体としては、例え
ばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾ
オキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキ
ソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジ
メチリディン系化合物などが好ましく使用される。
【0059】なお、陽極となる第1電極層60と、陰極
となる第2電極層90のパターンは、それぞれ平行なス
トライプ状をなし、互いに交差するように形成してもよ
い。この場合には、本発明の有機発光素子100は、い
わゆるマトリクス駆動を行うことができる。すなわち、
第1電極層60の特定のストライプと、第2電極層90
の特定のストライプに電圧が印加された時に、それらの
ストライプが交差する部分の有機発光体層80が発光す
る。したがって、選択されたストライプに電圧を印加す
ることによって、特定の蛍光色変換フィルタが位置する
部分のみを発光させることができる。
【0060】また、第1電極層60はストライプパター
ンを持たない一様な平面電極とし、第2電極層90を各
画素に対応するようパターニングしてもよい。その場合
には、各画素に対応するスイッチング素子を設けて、い
わゆるアクティブマトリクス駆動を行うことが可能にな
る。
【0061】なお、本発明においては、有機発光体層9
0は、一対の電極の間に有機発光層90を挟持していれ
ばよく、正孔注入層や電子注入層を介在は必ずしも必要
ではない。図1に示すような構成以外にも、例えば、下
記のような層構成を、パターニングされた第1電極層6
0を被覆するように、ガスバリア層50の上から順に設
けてもよい。 (1)第1電極層/有機発光層/第1電極層 (2)第1電極層/正孔注入層/有機発光層/第1電極
層 (3)第1電極層/有機発光層/電子注入層/第1電極
層 (4)第1電極層/正孔注入層/有機発光層/電子注入
層/第1電極層 次に、この有機発光素子100の作用について説明す
る。まず、第1電極層60と、第2電極層90との間に
電圧を印加する。すると、両電極間に位置する部分の有
機発光体層80が発光し、主波長450〜560nmの
近紫外領域から青色領域の光を発する。
【0062】そして、赤色蛍光変換フィルタ25上の電
極に電圧が印加された場合には、有機発光体層80から
の光は、正孔輸送層72、正孔注入層71、透明な第1
電極60を透過して赤色蛍光変換フィルタ25に入る。
【0063】ここで、まず、青色−緑色変換層21によ
って、青色領域の波長(450〜480nm)を吸収し
て、緑色領域の波長(520〜560nm)に蛍光極大
を有する光を発する。次いで、この緑色領域の光は緑色
−赤色変換層22に入り、緑色−赤色変換層22の蛍光
色素が緑色領域の光を吸収して赤色領域(600nm
〜)に蛍光極大を有する光を発し、最終的に、透明な支
持基板10側から出力される。
【0064】このとき、青色−緑色変換層21と、緑色
−赤色変換層22とを別々の層として設けたので、失活
による色素間の相互作用が緩和され、赤色の輝度が経時
的に低下することを防止でき、長時間安定な赤色を得る
ことができる。
【0065】図3には、本発明の有機発光素子の他の実
施形態が示されている。この有機発光素子110は、緑
色蛍光変換フィルタ35が緑用カットフィルタ31を、
赤色蛍光変換フィルタ26が赤用カットフィルタ23を
備えており、更に、緑色−赤色変換層22が、緑色−橙
色変換層22aと、橙色−赤色変換層22bとで構成さ
れている点が上記の実施形態と異なっている。
【0066】すなわち、この赤色蛍光変換フィルタ26
は、支持基板10上に、赤用カットフィルタ層23、橙
色−赤色変換層22b、緑色−橙色変換層22a、青色
−緑色変換層21の順に形成されて構成されている。
【0067】赤用カットフィルタ23としては、600
nm以下の波長領域を遮断するカットフィルタであるこ
とが好ましく、従来公知の赤色カットフィルタ材料が使
用でき特に限定されない。このように赤カットフィルタ
層23を併用することにより、青色−緑色変換層21か
ら発する光の一部が、緑色−赤色変換層22を透過して
しまい、赤色の色度が低下しすることを防止できる。
【0068】緑色−橙色変換層22aとしては、緑色領
域の光を吸収して橙色領域に蛍光極大を有する蛍光色素
と、マトリクス樹脂とを含有する。ここで、橙色領域と
は波長が580〜600nm(ただし上限と下限が±1
0nmの範囲でずれていてもよい)の光を意味する。こ
のような、緑色領域の光を吸収して橙色領域に蛍光極大
を有する蛍光色素蛍光色素としては、ローダミン6G等
が挙げられる。また、緑色−橙色変換層22aの膜厚と
しては5〜8μmが好ましい。
【0069】橙色−赤色変換層22bとしては、橙色領
域の光を吸収して赤色領域に蛍光極大を有する蛍光色素
と、マトリクス樹脂とを含有する。このような、橙色領
域の光を吸収して赤色領域に蛍光極大を有する蛍光色素
としては、ベーシックバイオレット11等が挙げられ
る。また、橙色−赤色変換層22bの膜厚としては2〜
5μmが好ましい。
【0070】また、マトリクス樹脂としては、上記の青
色−緑色変換層21や、緑色−赤色変換層22に用いる
樹脂が使用できる。
【0071】このように、緑色−赤色変換層22が、青
色−緑色変換層21に隣接する緑色−橙色変換層22a
と、更に緑色−橙色変換層22aに隣接する橙色−赤色
変換層22bとから構成されていることにより、中間層
となる緑色−橙色変換層22aが、青色−緑色変換層2
1と橙色−赤色変換層22bとの仲介を果たし、これに
よって、緑色−橙色変換層22aからの蛍光領域と、橙
色−赤色変換層22bにおける吸収領域とが、橙色領域
において重複するので変換効率が高くなり、赤色の輝度
を向上することができる。
【0072】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、これらは本発明を何ら限定するものではな
い。
【0073】実施例1 以下の方法により、図3に示すような構成の有機発光素
子を作成した。
【0074】[青色蛍光変換フィルタの形成]透明な支
持基板10として、コーニングガラス(50×50×
1.1mm)を用い、この支持基板10上に、青色フィ
ルター材料(富士ハントエレクトロニクステクノロジー
製:カラーモザイクCB−7001)を、スピンコート
法を用いて塗布した後、フォトリソグラフ法によりパタ
ーニングを実施し、線幅0.1mm、ピッチ0.33m
m、膜厚10μmのラインパターンとして、図3に示す
ような青色蛍光変換フィルタ40を形成した。
【0075】[緑色蛍光変換フィルターの形成]上記の
支持基板10上に、有機発光体層からの青色領域の波長
を遮断するための、緑用カットフィルター材料(商品名
「CG8510Y」、富士フィルムオーリン製)を、ス
ピンコート法を用いて塗布した後、フォトリソグラフ法
によりパターニングを実施し、線幅0.1mm、ピッチ
0.33mm、膜厚1μmのラインパターンとして、緑
用カットフィルタ31を形成した。
【0076】次に、蛍光色素であるクマリン6の0.7
質量部を、溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセ
テート(PGMEA)120質量部へ溶解させ、これ
に、光重合性樹脂の(商品名「V259PA/P5」、
新日鐵化成工業株式会社製)100質量部を加えて溶解
させ塗布液を得た。この塗布液を、緑用カットフィルタ
31上にスピンコート法を用いて塗布した後、フォトリ
ングラフ法によりパターニングを実施し、線幅0.1m
m、ピッチ0.33mm、膜厚10μmのラインパター
ンとして、図3に示すような緑色蛍光変換フィル夕30
を形成した。
【0077】[赤色変換フィルターの形成]上記の支持
基板10上に、赤色以外な不要な光を遮断するため、赤
用カットフィルター材料(商品名「CRY−S840
B」、富士フィルムオーリン製)を、スピンコート法を
用いて塗布した後、フォトリソグラフ法によりパターニ
ングを実施し、線幅0.1mm、ピッチ0.33mm、
膜厚1μmのラインパターンとして、赤用カットフィル
タ23を形成した。
【0078】次に、3種類の蛍光色素である、クマリン
6を0.6質量部、ローダミン6Gを0.3質量部、ベ
ーシックバイオレット11を0.3質量部のそれぞれに
対して、溶剤のプロピレングリコールモノエチルアセテ
ート(PGMEA)120質量部及び光重合性樹脂(商
品名「V259PA/P5」、新日鐵化成工業株式会社
製)100質量部を加えてそれぞれ溶解させ、3種類の
塗布液を得た。
【0079】この塗布液を、上記の赤用カットフィルタ
23上に、ベーシックバイオレット11単独層(膜厚4
μm)、ローダミン6G単独層(膜厚3μm)、クマリ
ン6単独層(膜厚3μm)の順に、スピンコート法によ
る塗布とフォトリソグラフ法によるパターニングを繰り
返し、橙色−赤色変換層22b、緑色−橙色変換層22
a、青色−緑色変換層21の順に形成された、線幅0.
1mm、ピッチ0.33mm、全膜厚10μmのライン
パターンとして、図3に示すような赤色蛍光変換フィル
タ26を形成した。
【0080】[ガスバリア層の形成]上記の膜厚を10
μmで統一した蛍光変換フィルター上に、ガスバリア層
50としてUV硬化型樹脂(エポキシ変性アクリレー
ト)をスピンコート法にて塗布し、高圧水銀灯にて照射
し、膜厚5μmで形成した。このとき、蛍光変換フィル
ターのパターンは変形がなかった。
【0081】[第1電極層(陽極)の形成]ガスバリア
層50の上面に、スパッタ法にて透明電極であるITO
膜を全面成膜した。このITO膜上にレジスト剤(商品
名「OFRP−800」、東京応化製)を塗布した後、
フォトリングラフ法にてパターニングを行い、各蛍光変
換フィルタ上に位置するガスバリア層50上に、幅0.
094mm、間隔0.016mm、膜厚100nmのス
トライプパターンからなる、第1電極層60を形成し
た。
【0082】[有機発光素子の作製]上記の第1電極層
60を形成した基板を、抵抗加熱蒸着装置内に装着し、
正孔注入層71、正孔輸送層72、有機発光体層80、
電子注入層73を、真空を破らずに順次成膜した。各層
には、表1に示した構造式を材料として用いた。
【0083】
【表1】
【0084】成膜に際して真空槽内圧は1×10-4Paま
で減圧した。正孔注入層71は銅フタロシアニン(Cu
Pc)を100nm積層した。正孔輸送層72は4,
4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミ
ノ〕ビフェニル(α−NPD)を20nm積層した。有
機発光体層80は4,4’−ビス(2,2−ジフェニル
ビニル)ビフェニル(DPVBi)を30nm積層し
た。電子注入層73はアルミキレート(Alq)を20
nm積層した。
【0085】この後、厚さ200nmのMg/Ag層
(10:1の重量比率)からなる第2電極層90(陰
極)を、真空を被らずに形成した。上記の5層は、いず
れもパターニングを必要としないべた膜形成である。
【0086】こうして得られた有機発光素子110を、
グローブボックス内乾燥窒素雰囲気下(酸素、水分濃度
ともに10ppm以下)において、図示しない封止ガラ
スとUV硬化接着剤を用いて封止した。
【0087】以上の工程により、60(×RGB)×6
0個の画素を有する、色変換方式のカラー有機ELディ
スプレイを得た。
【0088】比較例1 赤色蛍光変換フィルタの形成において、3種類の蛍光色
素である、クマリン6を0.6質量部、ローダミン6G
を0.3質量部、ベーシックバイオレット11を0.3
質量部色素を混合して1層として膜厚10μmの赤色蛍
光変換フィルタを形成した以外は、実施例1と同じ条件
で、比較例1の有機発光素子を得た。
【0089】試験例 実施例1及び比較例1の有機発光素子を駆動させ、赤色
輝度の経時変化を測定し、発光効率を輝度保持率として
評価した。なお、初期の発光効率を輝度保持率100%
として計算した。その結果を図4に示す。
【0090】図4からわかるように、実施例1において
は輝度保持率の低下がなく、蛍光色素の積層効果が確認
された。これに対して、3種類の蛍光色素を混合して1
層とした比較例1においては、経時的に輝度保持率が低
下していることがわかる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の赤色蛍光
変換フィルタ及びそれを用いた有機発光素子によれば、
有機発光体層から発する近紫外領域から青色領域の光
を、赤色領域の光に効率よく変換でき、しかも、寿命が
長く長期間にわたって安定的な動作を行うことができ
る。したがって、例えば、発光型のマルチカラー又はフ
ルカラーディスプレイ、表示パネル、バックライトなど
の、民生用や工業用の表示機器に好適に用いることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の有機発光素子の一実施形態を示す断
面概略図である。
【図2】 本発明の赤色蛍光色変換フィルタの他の実施
形態を示す断面概略図である。
【図3】 本発明の有機発光素子の他の実施形態を示す
断面概略図である。
【図4】 実施例1、比較例1の有機発光素子による、
赤色輝度の経時変化を示す図表である。
【図5】 従来の有機発光素子の一実施形態を示す断面
概略図である。
【符号の説明】
10 支持基板 21 青色−緑色変換層 22 緑色−赤色変換層 22a 緑色−橙色変換層 22b 橙色−赤色変換層 23 赤用カットフィルタ 24 反射板 25、26 赤色蛍光変換フィルタ 30 緑色蛍光変換フィルタ 31 緑用カットフィルタ 40 青色蛍光変換フィルタ 50 ガスバリア層 60 第1電極層 71 正孔注入層 72 正孔輸送層 73 電子注入層 80 有機発光層 90 第2電極層 100、110 有機発光素子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機発光体から得られる近紫外領域から
    青色領域の光を吸収して、赤色領域の光を発する赤色蛍
    光変換フィルタにおいて、 青色領域の光を吸収して緑色領域に蛍光極大を有する蛍
    光色素と、マトリクス樹脂とを含有する青色−緑色変換
    層と、 前記緑色領域の光を吸収して赤色領域に蛍光極大を有す
    る蛍光色素と、マトリクス樹脂とを含有する緑色−赤色
    変換層とを少なくとも含むことを特徴とする赤色蛍光変
    換フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記緑色−赤色変換層は、前記青色−緑
    色変換層に隣接して配置された、前記緑色領域の光を吸
    収して橙色領域に蛍光極大を有する蛍光色素と、マトリ
    クス樹脂とを含有する緑色−橙色変換層と、 前記橙色領域の光を吸収して赤色領域に蛍光極大を有す
    る蛍光色素と、マトリクス樹脂とを含有する橙色−赤色
    変換層とで構成されている請求項1記載の赤色蛍光変換
    フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記赤色蛍光変換フィルタの膜厚が5〜
    10μmである請求項1又は2に記載の赤色蛍光変換フ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】 600nm以下の波長領域を遮断するカ
    ットフィルタが、前記緑色−赤色変換層の外側に配置さ
    れる請求項1〜3のいずれか一つに記載の赤色蛍光変換
    フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の赤
    色蛍光変換フィルタを備える有機発光素子であって、透
    明な支持基板と、該支持基板上の少なくとも一部に形成
    される前記赤色蛍光変換フィルタと、前記赤色蛍光変換
    フィルタを被覆するように前記支持基板上に形成される
    ガスバリア層と、該ガスバリア層上の前記赤色蛍光変換
    フィルタが被覆された部分に少なくとも形成される第1
    電極層と、有機発光体を含有する有機発光体層と、該有
    機発光体層上に形成される第2電極層とを少なくとも含
    むことを特徴とする有機発光素子。
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