JP2008077943A - 多色発光デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】青および緑色の波長域の成分を含む、駆動安定性の高い有機EL素子を用いた、輝度バランスに優れ、高効率ならびに長寿命であるカラーフィルタ方式のトップエミッション方式多色発光デバイスの提供。
【解決手段】反射電極、反射電極上の有機EL層、および有機EL層上の透明電極を有する有機EL素子と、1種または複数種のカラーフィルタ層を有するカラーフィルタと
が、充填層を介して貼り合わせて形成されている多色発光デバイスであって、充填層は蛍光材料および充填剤を含むことを特徴とする多色発光デバイス。
【選択図】図1

Description

本発明は多色表示を可能とする多色発光デバイスに関する。該多色発光デバイスは、イメージセンサー、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、テレビ、オーディオ、ビデオ、カーナビゲーション、電話機、携帯端末ならびに産業用計測器等の表示などに使用することが可能である。
有機電界発光素子(有機EL素子)を用いたフルカラーディスプレイの作製方式としては、電界をかけることにより赤・青・緑のサブピクセルのそれぞれに発光する素子を配列する「3色発光方式」、および、白色の発光をサブピクセル毎にカットして赤(R)・青(B)・緑(G)を表現するカラーフィルタを用いる「カラーフィルタ方式」、更に、近紫外光、青色光、青緑色光または白色光を吸収し、波長分布変換を行って可視光域の光を発光する色変換色素をフィルタに用いる「色変換方式」が提案されている。
これらの中で、カラーフィルタ方式は有機EL素子の発光が単色で済み、また、色変換方式と比較してプロセス工数が少なく、大画面ディスプレイを作製するうえで有利な方式といわれている。
カラーフィルタ方式の中には、フレキシブル基板に色素を含有させるあるいは色素膜を接着させることによりカラーフィルタを形成し、白色発光の有機EL素子と組み合わせることでRGBを取り出すことを提案しているものもある(特許文献1参照)。
特開2003−36974号公報 特開2000−243565号公報 特開平5−134112号公報 特開平7−218717号公報 特開平7−306311号公報 特開平5−119306号公報 特開平7−104114号公報 特開平7−48424号公報 特開平6−300910号公報 特開平7−128519号公報 特開平8−279394号公報 特開平9−330793号公報 特開平8−279394号公報 特開平5−36475号公報 特開平9−330793号公報 月刊ディスプレイ1997年、3巻、7号
しかし、カラーフィルタ方式に必要な、赤色・青色・緑色の3波長域の成分全てをバランス良く含む、理想的な白色発光を有機EL素子で工業的に実現することは非常に困難である。
白色発光有機EL素子+カラーフィルタ方式(特許文献2参照)では、ELスペクトルの電流依存性が大きくなるという問題、および駆動によって発光バランスが崩れやすくなる結果、色ずれが生じるといった問題が生じる。そのためフルカラー有機ELディスプレイとしては寿命が低下してしまうという問題が生じる。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、駆動による発光バランスの変化を抑制し、有機EL素子の寿命が長い多色発光デバイスを提供することである。
本発明の多色発光デバイスは、反射電極、反射電極上の有機EL層、および有機EL層上の透明電極を有する有機EL素子と、1種または複数種のカラーフィルタ層を有するカラーフィルタとが、充填層を介して貼り合わせて形成されている多色発光デバイスであって、前記充填層は、蛍光材料および充填剤を含むことを特徴とする。
ここで、前記充填層を介することによって、有機EL素子の発光色(青〜緑色)に赤色を補色することができる。
前記充填層は複数種の蛍光材料を含んでもよく、また、前記蛍光材料は有機蛍光材料であってもよい。
前記充填層中の充填剤は、液状物質、ゲル状物質または固体状物質であることができる。
有機EL素子と充填層との間にパッシベーション層を配設すること、およびカラーフィルタと充填層との間に保護層を配設することができる。
前記カラーフィルタが青色、緑色および赤色のカラーフィルタ層を含み、前記カラーフィルタの青・緑色のサブピクセル領域と、赤色のサブピクセル領域とに対して、異なる膜厚の保護層を適用することができる。すなわち、青・緑色のサブピクセル領域に対する保護層の膜厚が、赤色のサブピクセル領域に対する保護層の膜厚より厚く配設されていてもよく、また、青・緑色のサブピクセル領域に保護層が配設されていて赤色のサブピクセル領域に保護層が配設されていなくてもよい。
駆動による発光バランスがくずれたデバイスにおいては、色毎に細かな制御を行う必要が発生し、その結果、駆動を担当する回路が複雑化し、高コストとなる。従って、駆動による発光バランスが安定なデバイスは、寿命面・コスト面双方で良い効果を生む。
本発明のデバイス構成を用いることにより、駆動安定性の高い青・緑色領域の有機EL素子を用いることができ、また、保護層の膜厚をそれぞれのサブピクセル領域によって変更することによって輝度・色度も向上でき、高効率ならびに長寿命であるカラーフィルタ方式のトップエミッション方式多色発光デバイスを、従来と同様のプロセスにて安価に製造することが可能となる。
本発明の実施形態である多色発光デバイスは、反射電極1、反射電極上の有機EL層3、および有機EL層上の透明電極2を有する有機EL素子と、1種または複数種のカラーフィルタ層6を有するカラーフィルタとが、充填層12を介して貼り合わせて形成されていることを特徴とする(図1参照)。図1(a)に、透明基板4上に作製された、間隙および周囲にブラックマトリクス5が設けられた3種のカラーフィルタ層6(R,G,B)を有する、本発明のカラーフィルタの例を示す。また、図1(b)に、素子基板11上に作製された反射電極1と、反射電極上の有機EL層3と、有機EL層上の透明電極2とを有する、本発明の有機EL素子の例を示す。さらに、図1(c)に、前記カラーフィルタと前記有機EL素子とが充填層12を介して貼り合わせて形成されている、本発明の多色発光デバイスの例を示す。以下に、カラーフィルタ、有機EL素子、および貼り合わせに大別して、本発明の多色発光デバイスの実施形態の詳細を説明する。
A.カラーフィルタ
本発明のデバイスで用いるカラーフィルタ(図1〜4(a))は、透明基板4上に作製される。
(1)透明基板4
透明基板4は、光透過性に優れ(400〜700nmの波長域において80%以上の透過率を有する)、カラーフィルタ層6およびブラックマスクマトリクス5等の積層される層の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐え、寸法安定性に優れていることが好ましい。また、多色発光デバイスの性能低下を引き起こさないものであれば良い。透明基板4の例としては、ガラス基板、またはポリオレフィン、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレートを含む)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートを含む)、ポリカーボネート樹脂、あるいはポリイミド樹脂などの各種プラスチックで形成された剛直性樹脂基板もしくは可撓性フィルム等が挙げられる。
(2)カラーフィルタ層6
カラーフィルタ層6は、ピクセル(カラーフィルタ層が1種の場合)またはサブピクセル(カラーフィルタ層が複数種の場合)に対応して配置される層であり、液晶ディスプレイ等、フラットパネルディスプレイに用いられるカラーフィルタ材料を使用して形成することができる。近年よく用いられている、フォトレジストに顔料を分散させた顔料分散型カラーフィルタ材料を使用してもよい。例えば、400nm〜550nmの波長を透過する青色カラーフィルタ層(6B)、500nm〜600nmの波長を透過する緑色カラーフィルタ層(6G)、600nm以上の波長を透過する赤色カラーフィルタ層(6R)のそれぞれを配列して、カラーフィルタを形成することができる。
(3)ブラックマトリクス5
隣接する各カラーフィルタ層6のサブピクセル領域の間隙および周囲に、主にコントラスト比の向上を目的として、可視光を透過しないブラックマトリクス5を、任意選択的に配設することができる。ブラックマトリクス5は、フラットパネルディスプレイ用のブラックマトリクス材料として一般的に市販されているレジスト材料、またはカーボンブラックなどの黒色色素をポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネートなどのバインダー樹脂中に分散した材料を用いて形成することができる。ブラックマトリクス5は、可視光全領域において吸光度が97%以上(光学濃度(OD値)が1.5以上)となる膜厚を有することが望ましい。ブラックマトリクス5は、透明基板4上にスピンコート、ロールコート、ナイフコートのような慣用の塗布方法によってブラックマトリクス材料を塗布し、その後にフォトリソグラフ法などを用いて所望の形状に成形することによって得ることができる。あるいはまた、スクリーン印刷などの手法を用いて、所望の位置に所望の形状を有するブラックマトリクス5を形成してもよい。
(4)保護層9
本発明のデバイスにおいて、必要に応じてカラーフィルタ上に保護層9を配設しても良い。カラーフィルタの保護層9は、カラーフィルタを保護する目的として配設されるものである。保護層9の形成は、高い可視光透過性を有する材料を用いて、カラーフィルタを劣化させることなく配設できるプロセスにて行う必要がある。
図2(a)に、均一な膜厚を有する保護層9を設けたカラーフィルタの例を示した。また、各色のサブピクセル毎に保護層9の膜厚を変えてもよい。例えば、青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)の保護層9の膜厚を、赤色のサブピクセル領域(6R領域)の保護層9の膜厚より厚くしてもよく(図3(a)参照)、また、青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)に保護層9を形成して、赤色のサブピクセル領域(6R領域)に保護層を形成しなくてもよい(図4(a)参照)。なお、本発明における「サブピクセル領域」とは、当該色のサブピクセル、隣接する当該色の2つのサブピクセルの間隙、ならびに隣接する異なる色のサブピクセルとの間隙の一部を含む領域を意味する。
図3(a)に示すような青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)の保護層9の膜厚を赤色のサブピクセル領域(6R領域)の保護層9の膜厚より厚くした場合の効果を説明する。詳細を以下で説明するように、図3(a)に示すカラーフィルタと図3(b)に示す有機EL素子とを外周封止剤13を用いて貼り合わせた際に、得られる多色発光デバイス(図3(c))の青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)における充填層12の膜厚が、赤色のサブピクセル領域(6R領域)における充填層12の膜厚より小さくなる。したがって、青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)においては、有機EL層からの発光の色変換が少なくなり、より多くの青・緑色の成分を含む光を青・緑色のサブピクセル(6(B,G))に送ることができる。一方、赤色のサブピクセル領域(6R領域)においては充分な色変換が行われて、赤色成分を多く含む光を赤色のサブピクセル(6R)に送ることができる。
図4(a)に示すような青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)に保護層9を設け、赤色のサブピクセル領域(6R領域)に保護層を形成しなかった場合においても、同様の効果を示す。すなわち、図4(a)に示すカラーフィルタと図4(b)に示す有機EL素子とを貼り合わせて得られる図4(c)に示した多色発光デバイスは、青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)において膜厚が小さく、赤色のサブピクセル領域(6R領域)において膜厚が大きい充填層12を有する。したがって、青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)においては、有機EL層3に含まれる有機発光層(後述)からの発光の色変換が少なくなり、より多くの青・緑色の波長成分を含む光を青・緑色のサブピクセル(6(B,G))に送ることができる。一方、赤色のサブピクセル領域(6R領域)においては充分な色変換が行われて、赤色の波長成分を多く含む光を赤色のサブピクセル(6R)に送ることができる。
このような構成をとることにより、本発明の保護層9は、多色発光デバイスの充填層12(後述)の膜厚を制御して、各色のサブピクセル領域に到達する光の色相を調整する機能を有し、高い輝度および色度の出力光を得ることを可能とする。
保護層9は一般的には塗布法で形成される。青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)の保護層9の膜厚を赤色のサブピクセル領域(6R領域)の保護層9の膜厚より厚くする際の形成方法としては、保護層9を2層塗りする方法がある。例えば、1層目を青・緑・赤色のサブピクセル領域(6(B,G,R)領域)に形成し、2層目を青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)に形成することによって、保護層9の膜厚を変えることができる。
また、青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)に保護層9を形成して赤色のサブピクセル領域(6R領域)に保護層9を形成しない方法もある。例えば、フォトリソグラフ法により青・緑色のサブピクセル領域(6(B,G)領域)に保護層9を形成すればよい。また、保護層9の形成方法は前述のものに限定されず、フォトリソグラフ法において露光量を調節する方法および印刷方法等の、目的とする膜厚を得ることのできる他の適当な方法を用いることができる。
保護層9の形成に適用可能な材料としては、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂を含む。これらを光および/または熱処理して、ラジカル種やイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させて、保護層9を形成することができる。
フォトリソグラフ法を使用して保護層9の形成を行う場合には、該光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂は、パターニングを行うために硬化をする前は有機溶媒またはアルカリ溶液に可溶性であることが望ましい。
具体的に光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂とは、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよびオリゴマーと、光または熱重合開始剤からなる組成物膜を光または熱処理して、光ラジカルや熱ラジカルを発生させて重合させたもの、(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤からなる組成物を光または熱処理により二量化させて架橋したもの、(3)鎖状または環状オレフィンとビスアジドからなる組成物膜を光または熱処理によりナイトレンを発生させ、オレフィンと架橋させたもの、(4)エポキシ基を有するモノマーと光酸発生剤からなる組成物膜を光または熱処理により、酸(カチオン)を発生させて重合させたものなどが挙げられる。特に(1)の光硬化性又は光熱併用型硬化性樹脂が高精細でパターニングが可能であり、耐溶剤性、耐熱性等の信頼性の面でも好ましい。
あるいはまた、フォトリソグラフ法を使用しない場合には、保護層用材料として、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、メタクリル樹脂、イソブチレン無水マレイン酸共重合樹脂、環状オレフィン系等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート等と3官能性、あるいは4官能性のアルコキシシランを含むポリマーハイブリッド等も利用することができる。
(5)ガスバリア層
本発明のデバイスにおいて、必要に応じて保護層9以下の層を覆うようにガスバリア層を配設しても良い(不図示)。
ガスバリア層は可視域における透明性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)、表面硬度が鉛筆硬度で2H以上である層である。ガスバリア層の材料は、Tgが100℃以上で、カラーフィルタの機能を低下させない材料であれば良く、例えば、イミド変性シリコ−ン樹脂(特許文献3〜5参照)、無機金属化合物(TiO、Al、SiO等)をアクリル、ポリイミド、シリコ−ン樹脂等中に分散したもの(特許文献6および7)、紫外線硬化型樹脂としてエポキシ変性アクリレ−ト樹脂(特許文献8)、アクリレ−トモノマ−/オリゴマ−/ポリマ−の反応性ビニル基を有した樹脂、レジスト樹脂(特許文献9〜12参照)、ゾル−ゲル法にて形成される無機化合物(非特許文献1および特許文献13参照)、フッ素系樹脂(特許文献14および15参照)等が挙げられる。
前述の材料を用いるガスバリア層の形成法には、例えば、湿式法(スピンコ−ト法、ロ−ルコ−ト法、キャスト法等)およびゾル−ゲル法等の慣用の手法を用いることができる。
また、ガスバリア層として、ガスおよび有機溶剤に対するバリア性を有し、可視域における透明性が高く(400〜700nmの範囲で透過率50%以上)、該ガスバリア層に、好ましくは2H以上の膜硬度を付与する無機材料を用いてもよい。例えば、SiOx、SiNx、SiNxOy、AlOx、TiOx、TaOx、ZnOx等の無機酸化物、無機窒化物等が使用できる。
これら無機酸化物または無機窒化物を用いるガスバリア層の形成方法としては、例えば、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法等の慣用の手法を用いることができる。
上述のガスバリア層は単層でも、あるいは複数の層が積層されたものでもよい。
B.有機EL素子
本発明のデバイスで用いる有機EL素子(図1〜4(b))は、素子基板11上に作製され、一対の電極(透明電極2および反射電極1)およびその間に挟持される有機EL層3を含む。
(1)素子基板11
素子基板11は、電極(反射電極1、透明電極2)および有機EL層3等の積層される層の形成に用いられる条件に耐え、寸法安定性に優れていることが好ましい。また、多色発光デバイスの性能低下を引き起こさないことが望ましい。素子基板11の例としては、ガラス基板、またはポリオレフィン、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレートを含む)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートを含む)、ポリカーボネート樹脂、あるいはポリイミド樹脂などの各種プラスチックで形成された剛直性樹脂基板もしくは可撓性フィルム等が挙げられる。シリコン、セラミックなどの不透明材料を用いて、素子基板11を形成してもよい。
(2)電極
(2−1)透明電極2
透明電極2は、有機EL層3の上に形成され、陽極または陰極のいずれかとして機能する電極である。透明電極2は、波長400〜800nmの光に対して好ましくは50%以上、より好ましくは85%以上の透過率を有することが好ましい。
透明電極2を形成するための材料は、ITO(In−Sn酸化物)、IZO(In−Zn酸化物)、Al−Sn酸化物(ATO)、NESA膜、Sn酸化物、In酸化物、Zn酸化物、Zn−Al酸化物、Zn−Ga酸化物、および、これらの酸化物に対してF、Sbなどのドーパントを添加した導電性透明金属酸化物を含む。透明電極2は、通常50nm以上、好ましくは50nm〜1μm、より好ましくは100〜300nmの範囲内の厚さを有することが望ましい。通常、透明電極2は、導電性透明金属酸化物をスパッタ法を用いて堆積させることによって形成される。
(2−2)反射電極1
反射電極1は、有機EL層3と素子基板11との間に形成され、陽極または陰極のいずれかとして機能する電極である。
反射電極1を形成するための材料として、高反射率の金属、アモルファス合金、または微結晶性合金を用いることが好ましい。高反射率の金属は、Al、Ag、Mo、W、Ni、Crなどを含む。高反射率のアモルファス合金は、NiP、NiB、CrPおよびCrBなどを含む。高反射率の微結晶性合金は、NiAlなどを含む。反射電極1は、通常50nm以上、好ましくは50nm〜1μm、より好ましくは100〜300nmの範囲内の厚さを有することが望ましい。反射電極1を陰極として用いる場合には、前述の高反射率金属、アモルファス合金または微結晶性合金に対して、仕事関数が小さい材料であるリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属を添加して合金化し、電子注入効率を向上させることができる。反射電極1を陽極として用いる場合には、反射電極1と有機EL層3との界面に、前述の導電性透明金属酸化物の層を設けて、有機EL層3に対する正孔注入の効率を向上させてもよい。
反射電極1は、それを形成する材料に依存して、蒸着法(抵抗加熱蒸着法または電子ビーム加熱蒸着法)、スパッタ法、イオンプレーティング法、レーザアブレーション法などの当該技術において知られている任意の方法を用いて形成することができる。ここで、ストライプ形状の部分電極からなる反射電極1を形成する場合には、所望の形状を与えるマスクを用いる堆積法で形成してもよいし、あるいはフォトリソグラフ法を用いて形成してもよい。
(2−3)電極の形成パターン
反射電極1および透明電極2のパターンはそれぞれ平行なストライプ状をなし、互いに交差するように形成されてもよい。その場合には、本発明の有機EL素子はパッシブマトリクス駆動を行うことができ、すなわち、陽極の特定のストライプと、陰極の特定のストライプとに電圧が印加された時に、それらのストライプが交差する部分(すなわちピクセルまたはサブピクセル)の有機発光層が発光する。したがって、反射電極1および透明電極2の選択されたストライプに電圧を印加することによって、特定のカラーフィルタ層6が位置する部分のみを発光させることができる。また、透明電極2をストライプパターンを持たない一様な平面電極とし、および反射電極1を各ピクセルまたはサブピクセルに対応するよう複数の部分電極から形成してもよい。その場合には、各ピクセルまたはサブピクセルに対応するスイッチング素子(TFT)を設けて、前述の複数の部分電極と1対1に接続して、いわゆるアクティブマトリクス駆動を行うことが可能になる。
(3)有機EL層
有機EL層3は、透明電極2および反射電極1から注入されるキャリアを再結合させて、所望の波長分布を有する光を発するための層である。本発明の有機EL層3は、有機発光層を少なくとも含み、必要に応じて正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層および/または電子注入層を含む。これらの各層は、それぞれにおいて所望される特性を実現するのに充分な膜厚を有して形成される。
有機EL層には、具体的には、下記のような層構成からなるものが採用される(陽極および陰極は、反射電極1または透明電極2のいずれかである)。
(1)陽極/有機発光層/陰極
(2)陽極/正孔注入層/有機発光層/陰極
(3)陽極/有機発光層/電子注入層/陰極
(4)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子注入層/陰極
(5)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子輸送層/陰極
(6)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
(7)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極
(8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層/陰極
(9)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極
(10)陽極/正孔注入層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(11)陽極/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(12)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(3−1)有機発光層
有機発光層の材料としては、任意の公知の材料を用いることができる。例えば、青色から青緑色の発光を得るためには、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、ポルフィリン系化合物、縮合芳香環化合物、環集合化合物、金属錯体(トリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウム錯体(Alq)のようなアルミニウム錯体など)、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物(4,4’−ビス(ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)など)、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。あるいはまた、ホスト化合物にドーパントを添加することによって、青色成分および緑色成分を含む所望の波長域の光を発する有機発光層を形成してもよい。
(3−2)正孔注入層
正孔注入層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、フタロシアニン類(銅フタロシアニン(CuPc)などを含む)またはインダンスレン系化合物などを用いることができる。
(3−3)正孔輸送層
正孔輸送層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、トリアリールアミン部分構造、カルバゾール部分構造、オキサジアゾール部分構造を有する材料を用いて正孔輸送層を形成することができる。用いることができる材料は、好ましくは、TPD、α−NPD、MTDAPB(o−,m−,p−)、m−MTDATAなどを含む。
(3−4)電子注入層
電子注入層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、Alqのようなアルミニウム錯体、あるいはアルカリ金属ないしアルカリ土類金属をドープしたアルミニウム錯体などを用いることができる。
(3−5)電子輸送層
電子輸送層の材料としては、公知のものが使用される。例えば、Alqのようなアルミニウム錯体;PBD、TPOBのようなオキサジアゾール誘導体;TAZのようなトリアゾール誘導体;以下に示す構造を有するもののようなトリアジン誘導体;フェニルキノキサリン類;BMB−2Tのようなチオフェン誘導体などを用いることができる。
(4)バッファ層
任意選択的に、陰極として用いる電極(透明電極2または反射電極1の一方)と有機EL層3との界面にバッファ層(不図示)をもうけて、有機EL層3に対する電子注入効率を向上させてもよい。バッファ層の材料としては、Li、Na、K、またはCsなどのアルカリ金属、Ba、Srなどのアルカリ土類金属またはそれらを含む合金、希土類金属、あるいはそれら金属のフッ化物などを用いることができるが、それらに限定されるものではない。バッファ層の膜厚は、駆動電圧および透明性等を考慮して適宜選択することができるが、通常の場合には10nm以下であることが好ましい。
(5)パッシベーション層
任意選択的に、前述の反射電極1/有機EL層3/透明電極2の積層体を覆うようにパッシベーション層(不図示)を配設することができる。
パッシベーション層の特性、材料、形成法、積層構成、および考慮すべき要素は、A.(4)において前述した保護層9上に配設することができるガスバリア層の場合と同様である。
C.貼り合わせ
透明基板4(カラーフィルタ:図1〜4(a))と素子基板11(有機EL素子:図1〜4(b))とを、それらの間に補色機能を有する充填層12を形成しながら位置合わせをして貼り合わせ、最後に周辺部分を外周封止剤を用いて封止して、本発明の多色発光デバイス(図1〜4(c))を作成する。本発明の充填層12は、充填剤と色変換色素とを含む。
(1)充填剤
本発明の充填剤は有機ELディスプレイの表示部に位置するので、波長400〜800nmの光に対して20%〜95%、好ましくは60%〜95%の可視光透過率を有するべきである。充填剤は、固体状、ゲル状、液状のいずれの形態であってもよい。
本発明において好適に用いられる充填剤の例は、固体状物質としては、色素に対し相溶性が有り、不活性、さらに透明であればよく、各種UV硬化性樹脂、各種熱硬化性樹脂である。これらは、溶液または分散液の状態で充填され、その後硬化される。ゲル状物質としては、加熱・紫外線によってゲル化が進行するシリコーンゲルがあげられ、例えば、GE東芝シリコーン株式会社製のシリコーンゲル(IVS4012、IVS4012(A)、IVS4012(B)等)、株式会社スリーボンド製の紫外線硬化型シリコーンゲル(3167C)である。これらについても、流動状態において充填し、その後にゲル化される。液状物質としては、色素に対し溶解性または分散性が有り、不活性、さらに透明な液体であればなんでもよく、例えば、フッ素系不活性液体(住友スリーエム株式会社製のフロリナート(登録商標)など)、フッ素系潤滑剤(デュポン株式会社製のクライトックス(登録商標)など)、および各フッ素系オイルなどを含む。
特に、充填剤が液状、ゲル状マトリクスで構成される場合、充填が容易となり、補色機能を有する充填層12を容易に形成できる。
(2)色変換色素
色変換色素は、素子の発光の一部を吸収し、吸収した波長と異なる波長の光を放出する補色機能が要求されるため、無機あるいは有機の蛍光または燐光を有する材料を適用することができる。本発明においては、有機EL素子の青色〜緑色(400nm〜550nm)の発光を色変換する材料が求められるため、現状では赤色の蛍光を発する有機蛍光材料が好ましい。
(2−1)赤色蛍光材料
具体的な赤色の蛍光材料としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、1−エチル−2−〔4−(p−ジメチルアミノフェニル)−13−ブタジエニル〕−ピリジウム−パークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。
(2−2)緑色蛍光材料
また、補色機能を有する充填層12より出力する白色光のスペクトルを調整する手段として、補色機能を有する充填層12に前記赤色蛍光材料の他に、緑色蛍光材料を添加することもできる。
具体的な緑色蛍光材料としては、例えば3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−N,N−ジエチルアミノクマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる
本発明の目的は、有機EL層3の2波長域(青および緑色)成分の発光の一部を赤色成分に変換し、全体で3波長域の成分を含む白色を得ることである。従って、補色機能を有する充填層12における色変換色素の種類および添加量は、ELスペクトルと各色変換色素の吸収スペクトル・蛍光スペクトルとに大きく依存するため、一概に述べられないが、有機EL層3の発光の充填層12を透過する成分と、充填層12に吸収され色変換された成分の和とが、目的とする白色スペクトルとなるように、バランス調整を行えば良い。
(3)外周封止層13
本発明においては、外周封止層13は、反射電極1/有機EL層3/透明電極2からなるEL積層体が配設された有機EL素子の素子基板11とカラーフィルタの透明基板4とを、反射電極1/有機EL層3/透明電極2からなるEL積層体およびカラーフィルタ層6が内部側になるような向きで接着するとともに、内部の各構成要素を外部環境の酸素、水分などから保護する機能を有する材料であることが好ましい。外周封止層13は、素子基板11の周縁部(EL積層体が配設されている面の外縁部)、または透明基板4の周縁部(カラーフィルタ層が配設されている面の外縁部)のいずれかに、外周封止剤を塗布することによって形成される。例えば紫外線硬化型接着剤を外周封止剤として用いることが好ましい。特に好ましいものは、100mW/cmの紫外線を照射した際に、10〜60秒以内に硬化して外周封止層13を与える紫外線硬化型接着剤である。この時間範囲内で硬化させることにより、紫外線照射による他の構成要素への悪影響をもたらすことなしに、紫外線硬化型接着剤が充分に硬化して適切な接着強さを有する外周封止層13を与えることが可能となる。また、生産工程の効率の観点からも、前述の時間範囲内であることが好ましい。
外周封止剤は、直径2〜35μmのガラスビーズ、シリカビーズなどのスペーサーを含んでもよい。該スペーサーは、有機EL素子とカラーフィルタとの貼り合わせにおいて、素子間間隔および充填層12の膜厚を規定するとともに、接着のために印加される圧力を負担する。
以下、本発明のデバイス例を説明する。
(実施例1)
A.カラーフィルタ
透明基板としての1737ガラス(コーニング社製、透明)上に、赤色カラーフィルタ材料(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製:CR-7001)、緑色カラーフィルタ材料(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製:CG-7001)、青色カラーフィルタ材料(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製:CB-7001)、およびブラックマトリクス材料(富士フィルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社製:CK-7001)を用い、フォトリソグラフ法にてカラーフィルタ層およびブラックマトリクスを形成して、カラーフィルタを作製した。各カラーフィルタ層およびブラックマトリクスの膜厚はそれぞれ1μm(緑色フィルタのみ2μm)であった。
作製したカラーフィルタのサブピクセル寸法は300μm×100μmであり、ブラックマトリクスが設けられているサブピクセル間の間隙は縦方向30μm、横方向10μmであった。前記サブピクセル3個(赤・青・緑)を1画素として、縦方向に50画素、横方向に50画素を配列した。
B.有機EL素子
素子基板(コーニング社製:1737ガラス)上に、スパッタ法およびフォトリソグラフ法を用いて、膜厚500nmのAlおよび膜厚100nmのITOからなる反射電極(反射性の陽極)を形成した。反射電極は、縦方向に延びるストライプパターンを有し、各ストライプの幅を105μmとし、ピッチが110μm(隣接するストライプ間の間隔が5μm)となるように配列した。
次に、反射電極を形成した素子基板を抵抗加熱蒸着装置内に配置し、10−4Paの真空槽内圧において、正孔注入層として膜厚100nmのCuPc、正孔輸送層として膜厚20nmの4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、有機発光層として膜厚30nmのDPVBi、および電子注入層として膜厚20nmのAlq3を積層して、有機EL層を形成した。
そして、マスクを用いて、有機EL層の上に膜厚10nmのMg/Ag(質量比10/1)のバッファ層および膜厚10nmのITOからなる透明電極を積層した。透明電極は、横方向に延びるストライプパターンを有し、各ストライプの幅を300μmとし、ピッチが330μm(隣接するストライプ間の間隔が30μm)となるように配列した。
最後に透明電極以下の構造を覆うように、膜厚500nmのSiOからなるパッシベーション層を形成して、有機EL素子を得た。
C.貼り合わせ
次に、カラーフィルタが形成された透明基板および有機EL素子が形成された素子基板を、水分濃度1ppm、酸素濃度1ppmに管理されたグローブボックス内に搬入した。そして、カラーフィルタが形成された透明基板の周縁部に、ディスペンサーロボットを用いて、直径6μmのビーズを分散させた紫外線硬化型接着剤(株式会社スリーボンド製:商品名30Y-437)を、外周封止層として塗布した。そしてカラーフィルタ上にディスペンサーロボットを用いてフッ素系不活性液体(住友スリーエム株式会社製:フロリナート(登録商標)FC-43):100重量部、クマリン6:2重量部、ローダミンB:0.8重量部からなる組成物を、充填層として塗布した。アライメントを行いながら、カラーフィルタが形成された透明基板および有機EL素子が形成された素子基板を、それらの形成面が内側になるような向きで接着して、集成体を形成した。続いて、100mW/cmの紫外線を30秒間にわたって照射して、外周封止層を硬化させて有機ELディスプレイを得た。
(実施例2)
前述のフッ素系不活性液体をフッ素系潤滑剤(デュポン株式会社製:クライトックス(登録商標)1506)にした以外は実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例3)
前述のフッ素系不活性液体をシリコーンゲル(GE東芝シリコーン株式会社製:IVS4012)にした以外は実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例4)
前述のフッ素系不活性液体を紫外線硬化型シリコーンゲル(株式会社スリーボンド製:3167C)にした以外は実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。ここで、紫外線硬化型シリコーンゲルは、外周封止層の硬化時にゲル化した。
(実施例5)
前述のフッ素系不活性液体を紫外線硬化性エポキシ系樹脂(株式会社スリーボンド製:3130B)にした以外は実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。ここで、紫外線硬化型エポキシ樹脂は、外周封止層の硬化時に硬化した。
(実施例6)
実施例1において、C.の貼り合わせ前に、フォトレジスト(新日鐵化学株式会社製:V259PAP5)を用いてフォトリソグラフ法にて、A.で形成したカラーフィルタの青・緑色のサブピクセル領域上に保護層(膜厚2μm)を形成し、赤色のサブピクセル領域上には保護層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例7)
前述のフッ素系不活性液体をフッ素系潤滑剤(デュポン株式会社製:クライトックス(登録商標)1506)にした以外は実施例6と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例8)
前述のフッ素系不活性液体をシリコーンゲル(GE東芝シリコーン株式会社製:IVS4012)にした以外は実施例6と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例9)
前述のフッ素系不活性液体を紫外線硬化型シリコーンゲル(株式会社スリーボンド製:3167C)にした以外は実施例6と同様にして、有機ELディスプレイを得た。ここで、紫外線硬化型シリコーンゲルは、外周封止層の硬化時にゲル化した。
(実施例10)
前述のフッ素系不活性液体を紫外線硬化性エポキシ系樹脂(株式会社スリーボンド製:3130B)にした以外は実施例6と同様にして、有機ELディスプレイを得た。ここで、紫外線硬化型エポキシ樹脂は、外周封止層の硬化時に硬化した。
(実施例11)
実施例1において、C.の貼り合わせ前に、フォトレジスト(新日鐵化学株式会社製:V259PAP5)を用いてフォトリソグラフ法にて、A.で形成したカラーフィルタ上の全面に保護層(膜厚2μm)を形成した以外は実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例12)
前述のフッ素系不活性液体をフッ素系潤滑剤(デュポン株式会社製:クライトックス(登録商標)1506)にした以外は実施例11と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例13)
前述のフッ素系不活性液体をシリコーンゲル(GE東芝シリコーン株式会社製:IVS4012)にした以外は実施例11と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例14)
前述のフッ素系不活性液体を紫外線硬化型シリコーンゲル(株式会社スリーボンド製:3167C)にした以外は実施例11と同様にして、有機ELディスプレイを得た。ここで、紫外線硬化型シリコーンゲルは、外周封止層の硬化時にゲル化した。
(実施例15)
前述のフッ素系不活性液体を紫外線硬化性エポキシ系樹脂(株式会社スリーボンド製:3130B)にした以外は実施例11と同様にして、有機ELディスプレイを得た。ここで、紫外線硬化型エポキシ樹脂は、外周封止層の硬化時に硬化した。
(実施例16)
実施例1において、C.の貼り合わせ前に、フォトレジスト(新日鐵化学株式会社製:V259PAP5)を用いてフォトリソグラフ法にて、まず、A.で形成したカラーフィルタ上の全面に保護層(膜厚1μm)を形成し、その後、青・緑色のサブピクセル領域上に再度保護層(膜厚1μm)を形成して赤色のサブピクセル領域上には保護層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。結果として、青・緑色のサブピクセル領域の保護層の膜厚は2μm、赤色のサブピクセル領域の保護層の膜厚は1μmであった。
(実施例17)
前述のフッ素系不活性液体をフッ素系潤滑剤(デュポン株式会社製:クライトックス(登録商標)1506)にした以外は実施例16と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例18)
前述のフッ素系不活性液体をシリコーンゲル(GE東芝シリコーン株式会社製:IVS4012)にした以外は実施例16と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(実施例19)
前述のフッ素系不活性液体を紫外線硬化型シリコーンゲル(株式会社スリーボンド製:3167C)にした以外は実施例16と同様にして、有機ELディスプレイを得た。ここで、紫外線硬化型シリコーンゲルは、外周封止層の硬化時にゲル化した。
(実施例20)
前述のフッ素系不活性液体を紫外線硬化性エポキシ系樹脂(株式会社スリーボンド製:3130B)にした以外は実施例16と同様にして、有機ELディスプレイを得た。ここで、紫外線硬化型エポキシ樹脂は、外周封止層の硬化時に硬化した。
こうして得られた実施例1〜5の多色発光デバイスの構造を図1、実施例6〜10の多色発光デバイスの構造を図4、実施例11〜15の多色発光デバイスの構造を図2、実施例16〜20の多色発光デバイスの構造を図3に示す。
(比較例)
実施例1のB.有機EL素子において、正孔注入層として膜厚100nmのCuPc、正孔輸送層として膜厚50nmのα−NPD、有機発光層として膜厚30nmのAlq:DCJTB(0.5%)、および電子注入層として膜厚20nmのAlqを積層したこと、およびC.貼り合わせにおいて、充填層をフッ素系不活性液体(住友スリーエム株式会社製:フロリナート(登録商標)FC-43)のみから形成したこと以外は実施例1と同様にして、有機ELディスプレイを得た。
(評価)
以上得られた実施例1〜20の多色発光デバイスの点灯特性を下記の第1表に示す。
点灯特性は、赤・緑・青および白の各色についての色度および白色の輝度比(比較例1を1とした)をパルスIVL装置を用いて測定することによって評価した。なお、赤・青・緑各色のバックライトは同一条件で点灯させた。また、電流量を一定にして駆動し、白色色度の駆動時間依存性を評価した。結果を下記の第2表に示す。
Figure 2008077943
Figure 2008077943
Figure 2008077943
Figure 2008077943
Figure 2008077943
本発明の多色発光デバイス例の断面概略図(1画素分)であり、(a)はカラーフィルタを示す断面概略図であり、(b)は有機EL素子を示す断面概略図であり、(c)は多色発光デバイスを示す断面概略図である。 本発明の多色発光デバイスの別例の断面概略図(1画素分)であり、(a)はカラーフィルタを示す断面概略図であり、(b)は有機EL素子を示す断面概略図であり、(c)は多色発光デバイスを示す断面概略図である。 本発明の多色発光デバイスの別例の断面概略図(1画素分)であり、(a)はカラーフィルタを示す断面概略図であり、(b)は有機EL素子を示す断面概略図であり、(c)は多色発光デバイスを示す断面概略図である。 本発明の多色発光デバイスの別例の断面概略図(1画素分)であり、(a)はカラーフィルタを示す断面概略図であり、(b)は有機EL素子を示す断面概略図であり、(c)は多色発光デバイスを示す断面概略図である。
符号の説明
1 反射電極
2 透明電極
3 有機EL層
4 透明基板
5 ブラックマトリクス
6R 赤色カラーフィルタ
6G 緑色カラーフィルタ
6B 青色カラーフィルタ
9 保護層
11 素子基板
12 充填層
13 外周封止層

Claims (11)

  1. 反射電極、反射電極上の有機EL層、および有機EL層上の透明電極を有する有機EL素子と、
    1種または複数種のカラーフィルタ層を有するカラーフィルタと
    が、充填層を介して貼り合わせて形成されている多色発光デバイスであって、
    前記充填層は、蛍光材料および充填剤を含むことを特徴とする多色発光デバイス。
  2. 有機EL素子の発光色が青〜緑色であり、前記充填層によって、赤色が補色されることを特徴とする請求項1に記載の多色発光デバイス。
  3. 前記充填層が、複数種の蛍光材料を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の多色発光デバイス。
  4. 前記蛍光材料が有機蛍光材料であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の多色発光デバイス。
  5. 前記充填層中の充填剤が液状物質であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の多色発光デバイス。
  6. 前記充填層中の充填剤がゲル状物質であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の多色発光デバイス。
  7. 前記充填層中の充填剤が固体状物質であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の多色発光デバイス。
  8. 有機EL素子と充填層との間にパッシベーション層が配設されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の多色発光デバイス。
  9. カラーフィルタと充填層との間に保護層が配設されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の多色発光デバイス。
  10. 前記カラーフィルタが青色、緑色および赤色のカラーフィルタ層を含み、前記カラーフィルタ中の青・緑色のサブピクセル領域に対する保護層の膜厚が、赤色のサブピクセル領域に対する保護層の膜厚より厚く配設されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の多色発光デバイス。
  11. 前記カラーフィルタが青色、緑色および赤色のカラーフィルタ層を含み、前記カラーフィルタ中の青・緑色のサブピクセル領域に保護層が配設されており、赤色のサブピクセル領域に保護層が配設されていないことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の多色発光デバイス。
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