JP2007164123A - 色変換機能付カラーフィルタ、有機elディスプレイおよびその製造方法 - Google Patents

色変換機能付カラーフィルタ、有機elディスプレイおよびその製造方法 Download PDF

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    • H10K59/38Devices specially adapted for multicolour light emission comprising colour filters or colour changing media [CCM]

Abstract

【課題】 製造工程を簡略化すると同時に、高精細のパターニングを可能とし、各原色に関する色変換の効率を向上させることが可能な色変換方式のフィルタ、およびディスプレイの提供。
【解決手段】 透明基板(1)と、該透明基板の上に設けられた複数種のカラーフィルタ層(2R,2G,2B)と、少なくとも1つの色変換色素を含み、該複数種のカラーフィルタ層の上に一体に設けられた色変換層であって、該少なくとも1つの色変換色素は、入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射することができ、該色変換層のうち、いずれかの該カラーフィルタ層への入射路領域が、他の該カラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有する色変換層(3)とを具える色変換機能付カラーフィルタ。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多色表示を可能とする色変換機能付カラーフィルタ、有機ELディスプレイおよびその製造方法の製造方法に関する。当該色変換機能付カラーフィルタは、イメージセンサー、パーソナルコンピューター、ワードプロセッサー、テレビ、ファクシミリ、オーディオ、ビデオ、カーナビゲーション、電気卓上計算機、電話機、携帯端末機ならびに産業用計測器等の表示などに使用することが可能である。
近年、ディスプレイのマルチカラー化またはフルカラー化の方法の1例として、近紫外光、青色光、青緑色光または白色光を吸収し、波長分布変換を行って可視光域の光を発光する色変換色素をフィルタに用いる色変換方式が検討されてきている(特許文献1および2参照)。色変換方式を用いる場合、光源の発光色が白色に限定されないため、光源の選択の自由度を高めることが可能となる。たとえば、青色発光の有機EL素子を用い、波長分布変換により緑色および赤色光を得ることができる(特許文献3、非特許文献1参照)。したがって、より効率の高い光源を用いることができ、かつ近紫外光から可視光の範囲の光のようなエネルギー線を用いても、フルカラーの発光型ディスプレイを構築できる可能性が検討されてきている(特許文献4参照)。
カラーディスプレイとしての実用上の重要課題は、精細なカラー表示機能、色再現性を含めた長期的な安定性を有することに加えて、高い色変換効率を有する色変換フィルタを提供することである。しかしながら、色変換効率を高めるために、色変換色素の濃度を上昇させると、いわゆる濃度消光による効率の低下、ならびに経時による色変換色素の分解などが発生するため、色変換色素を含む色変換層の厚さを厚くすることによって所望の色変換効率を得ているのが現状である。色変換色素の濃度消光および分解の防止について、かさ高い置換基を色素母核に導入することが検討されてきている(特許文献5〜7参照)。また、色変換色素の分解防止について、クエンチャーを混合することも検討されている(特許文献8参照)。
また、特許文献9、10には、光変性(フォトブリーチング)を利用して得られる有機EL素子が開示されている。具体的には、当該文献には、2種類以上の発光中心となり得る有機色素を使用し、その有機EL素子の製作過程において、有機発光色素層に部分的に電磁波照射(光照射)することにより、任意の1種類以上の色素を光酸化や光分解により変性させ、その結果、ドープした色素を発光中心として機能不可能あるいは機能不十分の状態とし、これにより発光色を変化させ、光照射部分の発光色と未露光部分の発光色とを異なったものとする技術が開示されている。
上記技術のポイントは、以下に述べるように有機発光層のホスト材料中の励起子からのエネルギー移動を制御するものである。すなわち、有機EL素子中では陽極と陰極から注入された正孔と電子が発光層のホスト材料中で再結合し励起子を生成する。発光層中に励起エネルギーレベルがホスト材料より低いドーパント色素が存在すると励起子からのエネルギーがドーパントに移り、発光色を変化させることができる。上記従来技術は、このドーパント色素を複数ドープして発光層を形成しておき、形成後部分的な光照射でドーパントを機能不全にすることで発光色を変化させマルチカラー有機ELディスプレイを構成するものである。
特開平08−279394号公報 特開平08−286033号公報 特開平09−204982号公報 特開平09−80434号公報 特開平11−279426号公報 特開2000−44824号公報 特開2001−164245号公報 特開2002−231450号公報 国際公開第97/43874号パンフレット 特開2001−131434号公報 特開平05−134112号公報 特開平07−218717号公報 特開平07−306311号公報 特開平05−119306号公報 特開平07−104114号公報 特開平07−48424号公報 特開平06−300910号公報 特開平07−128519号公報 特開平09−330793号公報 特開平08−27934号公報 特開平05−36475号公報 Mat.Res.Soc.Symp.Proc.,Vol.708,P.145-150,(2002) 月刊ディスプレイ、1997年、第3巻、第7号
色変換方式によるマルチカラーまたはフルカラーのディスプレイを高精細化する場合、色変換層を高精細にパターニングする必要がある。しかしながら、たとえば、1つのパターンの幅が膜厚より小さくなるようなパターニングを行う場合、パターンの形状再現性または引き続く工程におけるパターンの変形などが問題となるおそれがある。加えて、通常のフォトリソグラフィーによるパターニングを行う場合、塗布工程、マスクの位置合わせを伴う露光工程、現像工程が、各色の色変換層について必要となる。たとえば、フルカラーディスプレイを得る場合には、少なくとも赤色、緑色および青色の色変換層が必要となるので、その製造工程は多くの工程を必要とし、また煩雑なものとなってしまう。また、色変換方式によるマルチカラーまたはフルカラーのディスプレイを形成する場合、各原色(たとえばRGB)に関する色変換の効率を向上させることが以前から存在する重要な課題の1つである。
また、光変性(フォトブリーチング)を利用する従来技術では、画素ごとに3原色を発光するようにするには、ホスト材料の発光色を含めて3色を発光するようにドーパントを発光層にあらかじめドープしておき、発光層形成後、画素ごとに選択的に光酸化させるように、それぞれの色素の光吸収波長にあった光を照射する必要がある。そのため、ドーパント色素の吸収帯が非常に近かったり重なっていると十分な分離ができないので、色素の選択が難しくなる。かつ、照射する光源にフィルタを挿入して、光波長を調整する必要がある。
したがって、本発明においては、製造工程を簡略化すると同時に、高精細のパターニングを可能とし、各原色に関する色変換の効率を向上させることが可能な色変換フィルタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一の側面によると、透明基板と、
該透明基板の上に設けられた複数種のカラーフィルタ層と、
少なくとも1つの色変換色素を含み、該複数種のカラーフィルタ層の上に一体に設けられた色変換層であって、該少なくとも1つの色変換色素は、入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射することができ、該色変換層のうち、いずれかの該カラーフィルタ層への入射路領域が、他の該カラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有する色変換層と
を具える色変換機能付カラーフィルタが提供される。
なお、より高い光透過率を有する前記入射路領域における前記少なくとも1つの色変換色素の少なくとも一部が、変性していることが好ましい。また、前記色変換層が、前記複数種のカラーフィルタ層を覆って一体に形成されていることが好ましい。また、前記色変換層への入射光が青色から青緑色の領域の光であり、前記少なくとも1つの色変換色素が赤色領域のスペクトルを含む光を放射することができることが好ましい。また、前記複数種のカラーフィルタ層が、赤色カラーフィルタ層、緑色カラーフィルタ層および青色カラーフィルタ層であり、青色カラーフィルタ層への入射路領域および緑色カラーフィルタ層への入射路領域が、赤色カラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有することが好ましい。また、前記色変換層が、マトリクス樹脂と、該マトリクス樹脂中に分散されている前記少なくとも1つの色変換色素とを含有することが好ましい。また、前記色変換層を覆うガスバリア層をさらに具えることが好ましい。
本発明の他の側面によると、透明基板と、
該透明基板の上に設けられた複数種のカラーフィルタ層と、
少なくとも1つの色変換色素を含み、該複数種のカラーフィルタ層の上に一体に設けられた色変換層であって、該少なくとも1つの色変換色素は、入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射することができ、該色変換層のうち、いずれかの該カラーフィルタ層への入射路領域が、他の該カラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有する色変換層と、
該色変換層を介して該カラーフィルタ層の各々と対向して設けられた透明第一電極と、
該透明第一電極を介して前記カラーフィルタと対向して設けられた、少なくとも有機発光層を含む有機EL層と、
該有機EL層を介して該透明第一電極と対向して設けられた第二電極と
を具える有機ELディスプレイが提供される。
なお、前記透明基板と、前記複数種のカラーフィルタ層と、前記色変換層とを具える色変換機能付カラーフィルタを具えることが好ましい。また、前記色変換層と、前記透明第一電極と、前記有機EL層と、前記第二電極とを具える色変換機能付有機EL素子を具えることが好ましい。また、前記色変換層が少なくとも2つの色変換色素を含有することが好ましい。また、前記色変換層が、蒸着により設けられた膜であることが好ましい。また、前記色変換層の厚さが、2000nm以下であることが好ましい。
本発明の他の側面によると、色変換機能付カラーフィルタの製造方法であって、
透明基板と、該透明基板の上に設けられた複数種のカラーフィルタ層と、少なくとも1つの色変換色素を含み、該複数種のカラーフィルタ層の上に設けられた色変換層であって、該少なくとも1つの色変換色素は、入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射することができる色変換層とを具えるカラーフィルタ中間体を供するステップと、
該色変換層のうち、いずれかの該カラーフィルタ層への入射路領域に含まれる該少なくとも1つの色変換色素を変性させるステップと
を含む方法が提供される。
なお、前記変性させるステップが、前記カラーフィルタ中間体の前記入射路領域に電磁波を照射するステップを含むことが好ましい。
以下に詳細に説明するように、本発明の色変換機能付カラーフィルタは、ディスプレイ用カラーフィルタとして特有の利点を有する。本発明においては、マトリクス状に設けられる副画素に対応する位置の独立制御可能な光源から発せられた光は、色変換層で色相を変化させられてより広い領域のスペクトルを含む光となる。このような構成とすることにより、単一の色変換層を形成するだけで、例えば、バックライト光源の青色から青緑色の領域の光を、赤色領域のスペクトルを包含する光へと変換できるため、プロセスの単純化によるコストダウンが可能となる。また、ディスプレイの高精細化にあたっては、色変換層をパターニングすることなく一体として形成することができることによって、パターンの形状再現性および変形のような問題を回避することができる。
また、副画素のカラーフィルタそれぞれに対して、色変換層を通過した光が入射する。ここで、例えば青色から青緑色の領域の副画素においてはそれぞれのカラーフィルタに対応する部分の色変換層のバックライトの光透過率を高くすることによりバックライトに含まれる青色から青緑色の領域の成分をより有効に利用することが可能となる。一方、例えば赤色の副画素においては、バックライトの吸収量を多くすることによって、色変換層における色相変化の量を多くして赤色領域のスペクトルをより多く含む光が得られる。したがって、赤色副画素においてより高輝度の赤色光を放射することが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施の形態によって、限定されるものではない。
本発明の第1の実施形態の色変換機能付カラーフィルタは、透明基板1の上に、複数種のカラーフィルタ層2と、色変換色素(CCM)を含む色変換層3が設けられた積層体である。図1には、3種のカラーフィルタ層(赤色2R、緑色2Gおよび青色2B)を設けた場合を例示した。色変換層3は、光源からの入射光の色相を変化させる層として機能する。具体的には、色変換層3中の色変換色素が入射光の一部の波長域の光を吸収して、吸収波長域と異なる波長域の光を放射し、色変換色素が吸収しなかった波長域の光および色変換色素が放射した光を組み合わせて、異なる色相の光を放出する。より具体的には、色変換層3が入射光の一部の波長域の光を吸収して、入射光に実質的に含まれない波長域のスペクトルを多く含む光を放射する。このような構成により、色変換層3を出射する光をより広範囲のスペクトルを含む光(たとえば、3原色のスペクトル全てを含む光、白色光)とすることが出来る。本発明において、「入射光に実質的に含まれない」とは、入射光の色相に影響を与えるほどの強度では存在しないことを意味する。たとえば、青色から青緑色の領域の光を入射光として用い、その青色の波長域の光の一部を色変換色素によって赤色領域のスペクトルを含む光に変換することによって、出射光のスペクトルを入射光よりも広範囲のものとすることが可能となる。
透明基板1は、可視光(波長400〜700nm)、好ましくは色変換層3によって変換された光に対して透明であることが必要である。また、透明基板1は、後述する色変換層3および他の必要に応じて設けられる層の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐えるものであるべきであり、さらに寸法安定性に優れていることが好ましい。透明基板1の材料として好ましいものは、ガラス、ならびにポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート等の樹脂を含む。アルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラスまたは青板ガラス等が特に好ましいものである。
カラーフィルタ層2は、所望される波長域の光のみを透過させる層である。カラーフィルタ層2は、色変換層3を透過した光を遮断し、また色変換層3にて波長分布変換された光から所望の波長域(色相)の光を得ることに有効である。カラーフィルタ層2は、色素と感光性樹脂とを含むことが好ましい。色素としては、高い耐光性を有する顔料を用いることが好ましい。感光性樹脂は、(1)アクロイル基やメタクロイル基を複数有するアクリル系多官能モノマーおよび/またはオリゴマーを、光重合開始剤により重合させて得られる組成物、(2)ポリビニル桂皮酸エステルと増感剤とからなる組成物、(3)鎖状または環状オレフィンを、ビスアジドにより重合させて得られる組成物(ナイトレンが発生して、オレフィンを架橋させる)、および(4)エポキシ基を有するモノマーを、光酸発生剤により重合させて得られる組成物などを含む。たとえば、市販の液晶用カラーフィルタ材料(富士フイルムアーチ製カラーモザイクなど)を用いてカラーフィルタ層2を形成してもよい。なお、各色のカラーフィルタの厚さは1〜1.5μm程度が好ましい。なお、本明細書において、用語「副画素」を、用語「カラーフィルタ層」と同義で用いる場合がある。
色変換層3は、少なくとも1つの色変換色素を含有する。色変換層3は、マトリクス樹脂をさらに含有してもよい。一般に、色変換層3は平坦な表面を有する。また、色変換層は、複数種のカラーフィルタ層を覆って一体に(すなわち副画素ごとに個別にではなく、全面に)形成されていることが好ましい。これにより、複数種のカラーフィルタの保護層としても機能し得る。色変換色素は、入射光の波長分布変換を行って、入射光に実質的に含まれない波長域のスペクトルを有する光を放射する色素である。好ましくは、色変換色素は、青色から青緑色の領域の光の波長分布変換を行って、赤色カラーフィルタ層2Rが透過させる赤色領域のスペクトルを含む光を放射する色素である。色変換層3中に複数の色変換色素を含有して、得られる波長域のスペクトルを調整してもよい。あるいはまた、例えば、青色から青緑色の領域の光を緑色領域のスペクトルを含む光に変換する第1種の色変換色素と、青色から青緑色の領域の光に加えて前記緑色領域のスペクトルを含む光を赤色領域のスペクトルを含む光に変換する第2種の色変換色素とを併用して、入射光の波長分布変換の効率を向上させてもよい。
本発明においては、色変換層のうち、いずれかのカラーフィルタ層への入射路領域が、他のカラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有する。すなわち、色変換層のバックライトの光透過率を部分的に高くする。これにより、色変換層3の当該領域における波長分布変換量を小さくする(あるいは実質的になくす)ことができ、これによって、入射光に含まれるスペクトルを有効に利用することができる。具体的には、色変換層3による波長分布変換を行うことなく入射光に含まれるスペクトルを透過させるカラーフィルタ層においては、その上に形成される色変換層3の光透過率を高く(あるいは吸収量を少なく)することによって、色変換層3における波長分布変換量を小さくして、入射光に含まれるスペクトルを有効に利用することができる。なお、入射路領域とは、色変換層のうち、特定のカラーフィルタ層への入射光が通過する領域をいうものとする。
一方、入射光に実質的に含まれず色変換層3による波長分布変換によって得られるスペクトルを透過させるカラーフィルタ層においては、その上に形成される色変換層3の光透過率を低く(あるいは吸収量を多く)することによって、色変換層3における波長分布変換量を大きくして、当該カラーフィルタ層を透過するスペクトルを増大させ、より高い輝度を実現することが可能となる。
たとえば、青色から青緑色の領域の光を入射光として用い、図1に示すような青色(B)、緑色(G)および赤色(R)の光を得ようとする場合、青色カラーフィルタ層2Bおよび緑色カラーフィルタ層2Gに重なる部分の色変換層の光透過率を赤色カラーフィルタ層2Rに重なる部分の光透過率より大きくすることが望ましい。
本発明の色変換層3は、以下のように設けることができる。すなわち、第一に、後述の色変換色素およびマトリクス樹脂を有機溶媒に溶解させた塗布液を、透明基板1およびカラーフィルタ2R,G,Bの上に塗布する。塗布方法は、色変換層3の表面(上面)を平坦にすることができる限り、任意のものであってもよく、たとえば、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法などの当該技術において知られている方法であってもよい。また、色変換層3は、以下に詳細に説明するように、蒸着等により設けることもできる。
さらに、このように得られたカラーフィルタ中間体における色変換層3の所定の入射路領域において、少なくとも1つの色変換色素の少なくとも一部を変性させることで、当該領域におけるバックライト透過率をより高くすることができる。具体的には、色変換層3のバックライト透過率を変化させる手段としては、色変換層3を構成する色変換色素に紫外線などの高エネルギー光(電磁波)を、フォトマスクを用いて照射して部分的に分解することが挙げられる。なお、色変換色素の変性とは、色変換色素の分解、酸化、その他の色変換色素の入射光に対する光透過率が変化する(好ましくは低下する)任意の態様を含む。
色変換色素を変性させるための光源としては通常、低圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプなどの紫外線ランプを用いることができる。なお、光源の波長は、色変換色素の吸収波長に対して、特に制約はなく、高エネルギーの400nm以下の波長を含み、色素分子の一部または全部を酸化分解し変性できることが好ましい。光源の照度は365nmの波長で10〜30mW/cm程度が好ましく、色素の分解量が約1/10程度になる時間を選択することが望ましい。色素の種類や濃度、色変換層3の厚さに依存するが、20mW/cmの光を5〜10分程度照射することで、色変換色素の残存率は10%程度になる。それ以上の時間照射すると、マトリクス樹脂の分解が促進され変色や粗面化が発生する場合がある。
紫外線照射により光透過性が変化するメカニズムは、充分には解明されておらず、理論に拘束されるものではないが、色変換色素の吸収波長以下の高エネルギー光による光酸化または光分解により、色変換色素の吸収能が劣化し、バックライトに対する吸収能がなくなるため、透過性が増すと考えられる。
また、入射光の波長と透過率の増加との関係についても、充分には解明されていない。しかしながら、実施例により以下に詳細に示されるように、色変換層を通して3原色が出ていることから、紫外線の照射により、少なくとも、色変換色素により本来吸収される青色から青緑色の領域の光の波長域に対する吸収能を劣化させることができることが分かる。
色変換層3のバックライト透過率を部分的に変化させる手段として、フォトマスクを用いて高エネルギー光を照射し、色変換色素を部分的に変性させる場合について説明したが、他の手段を用いてもよいことは理解されるべきである。色変換層3の透過率を部分的に変化させる方法として、(A)照射強度を変えて全面に対して電磁波を照射すること(例えば白黒ネガフィルムのような部分的に透過度の異なるフィルタを通して電磁波を露光したり、微小な光源を、発する光の照射強度を変化させながら走査させるなど)、あるいは(B)上記したように、マスキングにより部分的に電磁波を照射することが挙げられる。部分露光をする場合は、例えばフォトマスクを用いて密着露光したり、あるいは投影露光(レンズで集光した光あるいは微小な光源から発生する光を用いて部分的に露光する。あるいはこれにフォトマスクを併用するなど)によって実施することができる。
なお、上記したように、特許文献9、10には、電磁波の照射による光変性(フォトブリーチング)について記載されている。しかしながら、これらの文献にあっては、発光層にドープされた蛍光材料に対してフォトブリーチングが行われる。一方で、本発明では、色変換層の蛍光色素にフォトブリーチングが行われる。さらに、発光層に対するフォトブリーチングと色変換層に対するフォトブリーチングとでは、以下のように、その奏する作用効果が相違する。
すなわち、当該文献に記載の技術のポイントは、本発明のように機能不全になった色素による光透過性の変化(光吸収性能の劣化)を利用したものではなく、上記したように、有機発光層のホスト材料中の励起子からのエネルギー移動を制御するものである。このため、上記したように、ドーパント色素の吸収帯が非常に近かったり重なっていると十分な分離ができないので、色素の選択が難しくなる。また、照射する光源にフィルタを挿入して、光波長を調整する必要がある。
一方、本発明の場合は、ドーパントの発光色制御ではなく、色変換層の色変換色素を部分的に電磁波照射(光照射)で機能不全(吸収性能が劣化した状態)にし、有機EL層の発光に対する光透過性を上げることを利用している。そのため、色変換層に用いる色素の吸収波長を含む短波長光(一般的には400nm以下のブロードな光源でよい)を照射すればよい。
なお、青色から青緑色の領域の光を吸収して、赤色領域のスペクトルを含む光を発する色変換色素は、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウムパークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素を含む。
青色から青緑色の領域の光を吸収して、緑色領域のスペクトルを含む光を発する色変換色素としては、例えば3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などを含む。
前述の色素以外のものであっても、(1)所望の波長分布変換を行うことを条件として、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)を使用することができる。
色変換層3に用いることが出来るマトリクス樹脂は、前述のカラーフィルタ層用感光性樹脂を硬化させたものに加えて、ポリカーボネート、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレートなど)、ポリエーテルスルホン、ポリビニルブチラール、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ノルボルネン系樹脂、メタクリル系樹脂、イソブチレン−無水マレイン酸共重合樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂などの熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ビニルエステル樹脂、イミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ウレア樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性樹脂;あるいはポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネートなどと、3官能性または4官能性のアルコキシシランとを含むポリマーハイブリッド等を含む。これらの樹脂の混合物をマトリクス樹脂として用いてもよい。
色変換層にマトリクス樹脂を用いる場合、用いられるマトリクス樹脂1g当たり0.2マイクロモル以上、好ましくは1〜20マイクロモル、より好ましくは3〜15マイクロモルの色変換色素を用いることが好ましい。また、色変換層にマトリクス樹脂を用いる場合、色変換層3は、5μm以上、好ましくは5〜15μmの膜厚(カラーフィルタ層を設けていない部位の膜厚、あるいは後述するブラックマスクを設ける場合にはブラックマスク上面における膜厚)を有する。このような色素含有量および膜厚を有することにより、所望の強度の色変換された出力光を得ることが可能となる。
なお、色変換層を蒸着等により設けることで、マトリクス樹脂を用いずに、実質的に色変換色素のみで色変換層を設けることができる。上記したように、1つのパターンの幅が膜厚より小さくなるようなパターニングを行う場合、パターンの形状再現性または引き続く工程におけるパターンの変形などが問題となるおそれがある。しかしながら、色変換層を蒸着により設けることで、マトリクス樹脂を用いずに、実質的に色変換色素のみで色変換層を設けることができ、膜厚をより薄くすることができる。
特に、色変換層にマトリクス樹脂を用いない場合、前記色変換層が少なくとも2つの色変換色素を含有することが好ましい。特に、色変換層が、第一および第二の色変換色素を含有し、第一の色変換色素が、入射光の波長分布を、第二の色変換色素が受容可能な波長分布に変換可能であることが好ましい。これにより、第一の色変換色素が、色変換層への入射光を吸収して、そのエネルギーを第二の色変換色素へと移動させ、第二の色変換色素が、第一の色変換色素から当該エネルギーを受容して、当初の入射光とは異なるスペクトルの光を放射することができる。すなわち、第一の色変換色素は、色変換層への入射光、好ましくは有機EL素子の発する光(好ましくは青色〜青緑色)を吸収し、吸収したエネルギーを第二の色変換色素に移動させることできる色素であることが好ましい。したがって、第一の色変換色素の吸収スペクトルが有機EL素子の発光スペクトルと重なっていることが好ましい、第一の色変換色素の吸収極大と有機EL素子の発光スペクトルの極大と一致していることがより好ましい。また、第一の色変換色素の発光スペクトルが、第二の色変換色素の吸収スペクトルと重なっていることが好ましく、第一の色変換色素の発光スペクトルの極大と第二の色変換色素の吸収極大とが一致していることがより好ましい。ここで、1のスペクトルの極大と、他のスペクトルの極大とが一致しているとは、極大波長の差が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
しかしながら、膜厚を薄くすることにより色変換色素の濃度が上昇すると、いわゆる濃度消光による効率の低下するおそれがある。しかしながら、色変換層が少なくとも2つの色変換色素を含有することで、薄い膜厚と高い色変換効率とを両立することが可能となる。すなわち、何らの理論に拘束されることを意図するものではないが、色変換層中の第一の色変換色素が光を吸収して励起状態となった場合、第一の色変換色素間でのエネルギー移動よりも、第一の色変換色素から第二の色変換色素へのエネルギー移動の方が起こりやすいと考えられる。したがって、第一の色変換色素の励起エネルギーは、第一の色変換色素間での移動による消失(濃度消光)を受けずに、ほとんどが第二の色変換色素へ移動し、第二の色変換色素の発光に寄与することができると考えられる。そして、第二の色変換色素を濃度消光を実質的に起こさない低い濃度で存在させることで、移動された励起エネルギーを効率よく利用して色変換を行い、所望の波長分布を有する光を発することができる。このようにして、本発明の色変換層においては、薄い膜厚と高い色変換効率とを両立することが可能となる。換言すると、入射光吸収および波長分布変換を機能分離し、それぞれの機能を第一の色変換色素および第二の色変換色素に分担させることによって、厚さを増大させることなしに、好適に高い色変換効率を維持することができる。
また、そのような色変換層を用いて形成される多色発光有機ELデバイスは、視野角依存性が少なく、駆動時間の経過または通電電流の変化に伴って色相が変化することがなく、長期にわたって安定した発光特性を示すことができる。これに対して、発光色に応じて発光層を設ける方法では、各発光色材料の劣化特性が異なるため長期の通電で色ずれ(色相が変化)するおそれがある。
また、入射光の吸収と色変換とを別種の色変換色素によって実現することによって、第一の色変換色素による入射光の吸収ピーク波長と、第二の色変換色素による色変換後の発光ピーク波長との差を大きくすることができる。さらに、機能が分離されたことによって、第一の色変換色素および第二の色変換色素として用いる材料の選択肢を広げることが可能となる。
このような第一の色変換色素として好適に用いることができる色素は、3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン7)、クマリン135などのクマリン系色素を含む。あるいはまた、ソルベントイエロー43、ノルベントイエロー44のようなナフタルイミド系色素を第一の色変換色素として用いてもよい。
また、上記したように、第一の色変換色素の発光スペクトルが第二の色変換色素の吸収スペクトルと重なっていることが好ましく、第一の色変換色素の発光スペクトルの極大と第二の色変換色素の吸収極大とが一致していることがより好ましい。したがって、一般に、第二の色変換色素が放射する光は、第一の色変換色素が吸収する光よりも長波長である。本発明において第二の色変換色素として好適に用いることができる色素は、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(DCM−1、(I))、DCM−2(II)、およびDCJTB(III)などのシアニン色素;4,4−ジフルオロ−1,3,5,7−テトラフェニル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン(IV)、ルモゲンFレッド、ナイルレッド(V)などを含む。あるいはまた、ローダミンB、ローダミン6Gなどのキサンテン系色素、またはピリジン1などのピリジン系色素を用いてもよい。
Figure 2007164123
第一の色変換色素は、色変換層の総構成分子数を基準として50〜99.99モル%の量で存在することが好ましい。このような濃度範囲で存在することによって、色変換層の入射光を十分に吸収して、吸収した光エネルギーを第二の色変換色素へとエネルギー移動することが可能となる。
また、このような色変換層において光を発する色素は第二の色変換色素であるので、第二の色変換色素が濃度消光を起こさないことが好ましい。第二の色変換色素が濃度消光を起こすと、色変換効率が低下するからである。本発明の色変換層における第二の色変換色素の濃度の上限は、濃度消光を実質的に起こさないことを条件として、第一および第二の色変換色素の種類に依存して変化し得る。また、第二の色変換色素の濃度の下限は、十分な変換光強度が得られることを条件として、第一および第二の色変換色素の種類、あるいは目的とする用途に依存して変化し得る。一般的には、本発明の色変換層における第二の色変換色素の好ましい濃度は、当該色変換層の総構成分子数を基準として、10モル%以下、好ましくは0.01〜10モル%、より好ましくは0.1〜5モル%の範囲内である。このような範囲内の濃度で第二の色変換色素を用いることによって、好適に濃度消光を防止すると同時に、十分な変換光強度を好適に得ることが可能となる。
色変換層にマトリクス樹脂を用いない場合、色変換層は、好ましくは2000nm(2μm)以下、さらに好ましくは100〜2000nm、さらに好ましくは200〜1000nmの膜厚を有する。本発明の色変換層においては、その大部分を構成する第一の色変換色素が入射光吸収の機能を有するために、このように薄い膜厚においても十分な吸光度を得ることができる。
色変換層にマトリクス樹脂を用いない場合、色変換層は、好ましくは蒸着法(抵抗加熱式および電子ビーム加熱式を含む)によって形成される。より好ましくは、色変換層は、第一の色変換色素および第二の色変換色素の共蒸着によって形成される。これにより、第二の色変換色素を第一の色変換色素中に分散させることができ、好適に濃度消光を防止することができる。第一の色変換色素と第二の色変換色素とを所定の比率で混合した予備混合物を予め形成し、その予備混合物を用いて共蒸着を行ってもよい。あるいはまた、第一の色変換色素と第二の色変換色素とを別個の加熱部位に配置し、それぞれを別個に加熱して共蒸着を行ってもよい。特に、第一の色変換色素と第二の色変換色素との間に特性(蒸着速度、蒸気圧など)の大きな差が存在する場合、後者の方法が有効である。なお、色変換層を蒸着法を用いて形成することにより、材料の利用効率を増加させることができる。また、色変換層は、蒸着法の他、キャスティング法、スプレイ法、転写法、インクジェット法により設けることができる。
任意選択的に、複数種のカラーフィルタ層2の間および/または周囲に、可視光を透過させないブラックマスク5(図2参照)を設けて、コントラスト比の向上を図ることができる。ブラックマスク5は、黒色の顔料または染料を樹脂中に分散させたものであり、たとえば市販の液晶用のブラックマスク材料を用いて形成することが可能である。
さらに、本実施形態の方法において、色変換層3を覆うガスバリア層4を設けてもよい。ガスバリア層4を形成するのに用いることが出来る材料は、可視域における高い透明性(400〜700nmの範囲において透過率50%以上)、100℃以上のTg、鉛筆硬度2H以上の表面硬度を示す材料であって、その下にある色変換層3の機能を低下させることのない材料から選択することが好ましい。ガスバリア層4を形成するのに好ましい材料は、SiO、SiN、SiN、AlO、TiO、TaO、ZnOなどの無機酸化物または無機窒化物を含む。
さらに、本発明の方法においてガスバリア層4を設ける場合には、ガスバリア層4は、単層であってもよいし、複数の別個の材料を用いて複数層の積層構造を採ってもよい。ガスバリア層4が複数層の積層構造をとる場合には、前述の無機酸化物または無機窒化物を複数層積層してもよい。あるいはまた、ガスバリア層4表面の平坦性をより向上させることを目的として、前述の無機酸化物または無機窒化物の層と有機材料の層とを積層してもよい。用いることができる有機材料は、たとえば、イミド変性シリコーン樹脂(たとえば特許文献11〜13参照)、アクリル、ポリイミドまたはシリコーン樹脂中に分散された無機金属化合物(TiO、Al、SiOなど、特許文献14,15参照)、エポキシ変性アクリレート樹脂、反応性ビニル基を含むアクリレートモノマー/オリゴマー/ポリマーのような紫外線硬化型樹脂(特許文献16参照)、レジスト樹脂(特許文献1、17〜19参照)、無機化合物(ゾル−ゲル法により形成されてもよい、非特許文献2、特許文献20参照)、フッ素系樹脂などの光硬化型および/または熱硬化型樹脂(特許文献19、21参照)を含む。
上記のような材料からガスバリア層4を形成する際には、たとえば、乾式法(スパッタ法、蒸着法、CVD法など)、および湿式法(スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法など)などの、当該技術において知られている任意の方法を用いてもよい。また、ガスバリア層4を設ける場合には、視野角依存性(観察角度の変化による色相変化)を最小限にするために、ガス(酸素、水蒸気、有機溶剤蒸気など)に対する充分なバリア性を達成できる限りにおいて、ガスバリア層4の膜厚が小さいことが好ましい。
以上のように、本実施形態によって、フルカラー表示に必要なRGB三色を与える色変換機能付きカラーフィルタが得られる。したがって、色変換層の位置に対応させて、独立的に制御可能な光源を複数配置することによって多色表示ディスプレイを形成することが可能となる。ここで、色変換層3のマトリクス樹脂は、パターン化されることなく形成された際のまま一体とすることができる、パターンの形状再現性または変形などの問題を回避することができる。さらに、本実施形態の色変換層3は、その下に存在する複数種のカラーフィルタ層2を覆うように形成することができるので、周囲環境(湿度、酸素など)の影響からカラーフィルタ層2を保護する保護層としての機能も併せ持つものである。
本実施形態を、RGB三色のカラーフィルタ層2を形成する場合について説明したが、他の色を用いてもよいことは理解されるべきである。また、所望される場合には、2種または4種以上、好ましくは2〜6種のカラーフィルタ層を形成してもよい。
本実施形態の色変換機能付きカラーフィルタは、独立して制御可能で、かつ高い精細度でマトリクス状に配列することが可能な光源との組合せにおいて特に有用である。光源は、カラーフィルタの色変換層3側に配置される。たとえば、液晶シャッター付ライトバルブ、EL素子、プラズマ発光素子、発光ダイオード(LED)などと組み合わせることができ、好ましくはEL素子、より好ましくは有機EL素子、最も好ましくは青色から青緑色の領域の光を発する有機EL素子と組み合わせることができる。たとえば、本実施形態の色変換機能付カラーフィルタと、別の基板上に形成した有機EL素子とを貼り合わせて、トップエミッション方式の有機ELディスプレイを作製してもよいし、本実施形態の色変換機能付カラーフィルタ上に有機EL素子を形成して、ボトムエミッション方式の有機ELディスプレイを形成してもよい。
本発明の第2の実施形態の有機ELディスプレイは、本発明の第1の実施形態の色変換機能付きカラーフィルタと、有機EL素子とを組み合わせたものである。色変換機能付カラーフィルタと有機EL素子との貼り合わせによって形成されるトップエミッション方式の有機ELディスプレイを図2に示す。スイッチング素子としてTFT11が予め形成されている基板10の上に、平坦化膜12、第二電極13、有機EL層14、第一電極15およびパッシベーション層16を設けることでアクティブマトリックス型の有機EL素子が形成される。第二電極13は、各副画素に対応した複数の部分に(アイランド状に)分割され、それぞれの部分がTFT11と1対1で接続される。なお、第二電極13は、反射電極とすることが好ましい。また、第一電極15は全面に均一に形成することができる。第一電極15は透明電極である。有機EL素子を形成する各層は、当該技術において知られている材料および方法を用いて形成することができる。
一方、透明基板1の上に、青色、緑色および赤色のカラーフィルタ層2B、2Gおよび2Rと、色変換層3とが形成されている。また、任意選択の構成要素として、各カラーフィルタ層の間および周囲のブラックマスク5、ならびに各カラーフィルタ層2、色変換層3およびブラックマスク5を覆うガスバリア層4が形成されている。
次に有機EL素子と色変換フィルタとを、それらの間に充填剤層22(任意選択的に設けてもよい層である)を形成しながら位置合わせをして貼り合わせ、最後に周辺部分を外周封止層(接着剤)21を用いて封止して、有機ELディスプレイが得られる。図2にはアクティブマトリクス駆動型のディスプレイを示したが、パッシブマトリクス駆動型の有機EL素子を用いてもよいことはもちろんである。この場合、第二電極13を、第1の方向に延びる複数のストライプ形状の電極とし、第一電極15を、第2の方向に延びる複数のストライプ形状の電極とし、第二電極13および第一電極15を、互いに交わる(好ましくは直交する)ように設けることが好ましい。
本発明の第3の実施形態の有機ELディスプレイとして、本発明の第1の実施形態の色変換機能付カラーフィルタ上に有機EL素子を直接形成したボトムエミッション方式の有機ELディスプレイを図3に示す。図3における色変換機能付カラーフィルタは、透明基板1の上に設けられた青色、緑色および赤色のカラーフィルタ層2B、2Gおよび2Rと、色変換層3と、それらを覆うガスバリア層4とを含む。なお、任意選択の構成要素として、各カラーフィルタ層の間および周囲にブラックマスク5を設けてもよいことはもちろんである(図示せず)。図3に示した有機EL素子はパッシブマトリクス駆動型であり、第1の方向に延びる複数のストライプ形状部分電極からなる第一電極31と、有機EL層32と、第2の方向に延びる複数のストライプ形状部分電極からなる第二電極33とを含む。ここで、第1の方向と第2の方向とは交差していることが好ましく、より好ましくは直交している。また、図3の構成においては、第一電極31が透明電極であり、第二電極33が反射電極である。
本発明の第4の実施形態の有機ELディスプレイとして、トップエミッション方式の有機ELディスプレイであって、色変換層が有機EL素子と一体となったものを図4に示す。すなわち、本実施形態においては、有機ELディスプレイは、透明基板1と、複数種のカラーフィルタ層2R,G,Bとを有するカラーフィルタ、および色変換層3と、透明第一電極15と、有機EL層14と、第二電極13とを有する有機EL素子を有する。
カラーフィルタは、透明基板1と、透明基板の上に設けられた複数種のカラーフィルタ層2R,G,Bとを有する。カラーフィルタは、ガスバリア4をさらに有してもよい。また、カラーフィルタは、ブラックマスク5をさらに有してもよい。
一方で、有機EL素子は、色変換層3と、透明第一電極15と、有機EL層14と、第二電極13とを有する。ここで、色変換層は、有機EL素子とカラーフィルタとを組み合わせた際に、複数種のカラーフィルタ層の上に設けられる。また、色変換層のうち、いずれかのカラーフィルタ層への入射路領域が、他のカラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有することは、上記したものと同様である。また、有機EL素子は、TFT11、平坦化膜12および/またはパッシベーション層16をさらに有してもよい。換言すると、有機EL素子は、好ましくは、基板10と、基板の上に設けられた複数のTFT11と、TFTの上に設けられた平坦化膜12と、平坦化膜の上に設けられ、それぞれ、複数のTFTと電気的に結合した複数の第二電極13と、第二電極の上に設けられた有機EL層14と、有機EL層の上に設けられた透明第一電極15と、透明第一電極の上に設けられた色変換層3と、パッシベーション層16とを有する。なお、アクティブマトリクス駆動型のディスプレイについて説明したが、パッシブマトリクス駆動型の有機EL素子を用いてもよいことはもちろんである。
なお、色変換層は、ウェットプロセスまたは蒸着等のドライプロセスのいずれでも設けることができる。ここで、透明第一電極がストライプ形状であるパッシブマトリクス駆動型の有機EL素子を用いる場合は、透明第一電極の上に絶縁性保護層を設けた後に、その上に色変換層を設けることが好ましい。有機EL層を、ウェットプロセスに用いる薬剤および色変換色素を変性処理(UV光等)から保護するためである。一方で、アクティブマトリクス駆動型の有機EL素子を用い、透明第一電極を有機EL層の全面に設ける場合においては、透明第一電極が有機EL層の(薬剤および変性処理の双方に対して)保護層として働くため、絶縁性保護層をさらに設ける必要はない。しかしながら、通常、透明第一電極は100〜200nmと薄いので、絶縁性保護層を形成して有機EL膜をウェットプロセスの薬剤から保護した上で、色変換層を形成することが好ましい。なお、絶縁性保護層として、SiN,SiON等の無機膜を用いることができる。絶縁性保護層の厚さは、例えば300nmとすることができる。
前述の有機EL層(14、32)は、近紫外から可視領域の光、好ましくは青色から青緑色領域の光を発する。その発光が色変換フィルタ層に入射して、所望される色を有する可視光へと波長分布変換される。有機EL層(14、32)は、少なくとも有機発光層を含み、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および/または電子注入層を介在させた構造を有する。具体的には、下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子注入層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(5)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
(上記において、陽極は有機発光層または正孔注入層に接続され、陰極は有機発光層または電子注入層に接続される)
上記各層の材料としては、公知のものが使用される。青色から青緑色の発光を得るためには、有機発光層中に、例えばベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、ベンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、金属キレート化オキソニウム化合物、スチリルベンゼン系化合物、芳香族ジメチリディン系化合物などが好ましく使用される。また、正孔注入層としては、銅フタロシアニンなどのフタロシアニン化合物またはm−MTDATAのようなトリフェニルアミン誘導体などを用いることができ、正孔輸送層としては、TPD、α一NPDのようなビフェニルアミン誘導体などを用いることができる。一方、電子輸送層としては、PBDのようなオキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体などを用いることができ、電子注入層としてはアルミニウムのキノリノール錯体などを用いることができる。さらに、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはそれらを含む合金、アルカリ金属フッ化物などを、電子注入層として用いてもよい。
透明電極は、SnO、In、ITO、IZO、ZnO:Alなどの導電性金属酸化物をスパッタ法を用いて積層することにより形成することができる。透明電極は、波長400〜800nmの光に対して好ましくは50%以上、より好ましくは85%以上の透過率を有することが好ましい。一方、反射電極は、高反射率の金属、アモルファス合金、微結晶性合金を蒸着法またはスパッタ法を用いて積層することにより形成することができる。高反射率の金属は、Al、Ag、Mo、W、Ni、Crなどを含む。高反射率のアモルファス合金は、NiP、NiB、CrPおよびCrBなどを含む。高反射率の微結晶性合金は、NiAlなどを含む。あるいはまた、前述の高反射率の金属を含む他の合金(たとえばMg/Ag合金など)を用いることができる。
以上のような構成の有機ELディスプレイにおいては、単一の色変換層3を形成するだけで、光源である有機EL素子の発する青色から青緑色の領域の光(赤色領域のスペクトルを実質的に含まない)を、赤色領域のスペクトルを多く包含する光へと変換できるため、プロセスの単純化によるコストダウンが可能となる。また、青色から青緑色の領域の副画素においては、それぞれの色のカラーフィルタ層に重なる部分のバックライトの光透過率を高くすることによってバックライトに含まれる青色から青緑色の領域の成分をより有効に利用することが可能となる。一方、赤色の副画素においては、バックライトの光透過率を落とすことによって、すなわち吸収率を相対的に増加させることによって色変換層における色相変化の量を多くして赤色領域のスペクトルをより多く含む光が得られる。したがって、赤色副画素においてより高輝度の赤色光を放射することが可能となる。
以下に、本発明の実施例を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、本発明は、以下に説明する実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
透明基板(コーニング製1737ガラス基板)上に、ブラックマスク材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCK−7000)、青色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCB−7001)、緑色フィルタ材料、および赤色フィルタ材料(富士フイルムアーチ製:カラーモザイクCR−7001)を用い、フォトリソグラフ法にてカラーフィルタ層およびブラックマスクを作製した。
ここで、各副画素の寸法を300μm×100μmとし;隣接する副画素間のギャップ(すなわち、ブラックマスクが形成される領域)を縦方向30μm、横方向10μmとし;青色、緑色および赤色の副画素の組が1つの画素を形成するように配列した。また、縦方向に50画素、横方向に50画素を配列し、合計2500画素とした。各カラーフィルタ層の膜厚は1.5μmとした。また、ブラックマスクの膜厚は1μmであった。
次に、フォトレジストV259PAP5(新日鐵化成工業株式会社製)25gに対して、0.05gのクマリン6および0.04gのローダミンBを添加し、塗布液を得た。これを、カラーフィルタ層およびブラックマスクの上面に塗布して、膜厚5μm(ブラックマスク上面における膜厚)の色変換層を得た。
ここで、赤色のカラーフィルタに重なる部分の色変換層にフォトマスクで遮光し、青色と緑色のカラーフィルタに重なる部分の色変換層に、365nmで照度20mW/cmの低圧水銀ランプを用いた紫外線照射装置により8分間UV光を照射した。
次に、スパッタ法を用いて、色変換層を覆うように膜厚0.5μmのSiO膜からなるガスバリア層を形成して、色変換機能付カラーフィルタを得た。スパッタ装置としてRF−プレーナマグネトロン型装置、ターゲットとしてSiO、スパッタガスとしてArを用いた。SiO膜形成時の基板温度を80℃に設定した。
別個のガラス基板上に、スパッタ法およびフォトリソグラフ法を用いて、膜厚500nmのAlおよび膜厚100nmのITOからなる反射電極(陽極)を形成した。反射電極は、縦方向に延びるストライプパターンを有し、各ストライプの幅を105μmとし、ピッチが110μm(隣接するストライプ問の間隔が5μm)となるように配列した。
次に、反射電極を形成した基板を抵抗加熱蒸着装置内に配置し、10−4Paの真空槽内圧において、正孔注入層として膜厚100nmのCuPc、正孔輸送層として膜厚20nmのα−NPD、発光層として膜厚30nmのDPVBi、および電子注入層として膜厚20nmのAlqを積層して、有機EL層を形成した。
そして、マスクを用いて、有機EL層の上に膜厚10nmのMg/Ag(質量比10/1)および膜厚10nmのITOからなる透明電極を積層した。透明電極は、横方向に延びるストライプパターンを有し、各ストライプの幅を300μmとし、ピッチが330μm(隣接するストライプ間の間隔が30μm)となるように配列した。
最後に透明電極以下の構造を覆うように、膜厚500nmのSiOからなるパッシベーション層を形成して、有機EL素子を得た。
次に、色変換機能付カラーフィルタおよび有機EL素子を、水分濃度1ppm、酸素濃度1ppmに管理されたグローブボックス内に搬入した。そして、色変換機能付カラーフィルタの透明基板の外周部に、ディスペンサーロボットを用いて、直径6μmのビーズを分散させた紫外線硬化型接着剤(スリーボンド社製、商品名30Y−437)を、外周封止層として塗布した。アライメントを行いながら、色変換機能付カラーフィルおよび有機EL素子を接着して集成体を形成した。続いて、100mW/cmの紫外線を30秒問にわたって照射して、外周封止層を硬化させて実施例1にかかる有機ELディスプレイを得た。
[比較例]
色変換層に紫外線の照射を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1にかかる有機ELディスプレイを得た。
以上のように作製した実施例1および比較例1にかかる有機ELディスプレイの発光特性を測定した。具体的には、全画素を点灯させた場合(W)の色度値、および各色に対応する副画素のみを点灯させた場合(R,G,B)の色度値および輝度比(全画素を点灯させた場合を100とする相対値)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2007164123
これらの結果から、青と緑の副画素に相当する色変換層に紫外線照射することにより、青と緑のフィルタを透過する光量が増し、照射しない場合に比べ、大幅に色純度が改善されるとともに、輝度も改善した。
[実施例2]
色変換層をウェットプロセスではなく蒸着により設けたこと除いて実施例1と同様に、実施例2にかかる有機ELディスプレイを製造した。
色変換層は、以下のように設けた。すなわち、クマリン6およびDCM−2からなる色変換層を作製した。クマリン6およびDCM−2を蒸着装置内の別個の坩堝にて加熱する共蒸着によって、厚さ200nmの色変換層を作製した。この際に、クマリン6の蒸着速度を0.3nm/s、DCM−2の蒸着速度を0.005nm/sとなるように、それぞれの坩堝の加熱温度を制御した。実施例2においては、色変換層におけるDCM−2の含有量は、色変換層の総構成分子数(この場合には全色素のモル数)を基準として2モル%とした(すなわち、クマリン6:DCM−2のモル比が49:1である)。色変換層へのUV光の照射は、実施例1と同様とした。
[実施例3]
カラーフィルタの上に色変換層を設けることなくガスバリア層を設けたこと、および透明電極をパッシベーション層で覆う前に、透明電極の上に蒸着により色変換層を設けてUV光を照射したことを除いて実施例1と同様に、実施例3にかかる有機ELディスプレイを製造した。蒸着による色変換層の成膜および引き続く色変換層へのUV光の照射は実施例2と同様とした。
実施例1にかかる有機ELディスプレイの全画素を点灯させた場合(W)の輝度を100とした場合、電流を同じ条件にして測定した場合、実施例2にかかる有機ELディスプレイにおいては100、実施例3にかかる有機ELディスプレイ110であった。
本発明の第1の実施形態の色変換機能付フィルタの構成を示す概略断面図である。 本発明の方法により製造される色変換機能付フィルタを用いて形成される有機ELディスプレイの一例を示す概略断面図である。 本発明の方法により製造される色変換機能付フィルタを用いて形成される有機ELディスプレイの別の例を示す概略断面図である。 本発明にかかる有機ELディスプレイの別の例を示す概略断面図である。
符号の説明
1:透明基板
2(R,G,B):カラーフィルタ層(赤色、緑色、青色)
3:色変換層
4:ガスバリア層
5:ブラックマスク
10:基板
11:TFT
12:平坦化膜
13、33:第二電極(反射電極)
14、32:有機EL層
15、31:第一電極(透明電極)
16:パッシベーション層
21:外周封止層
22:充填剤層

Claims (15)

  1. 透明基板と、
    該透明基板の上に設けられた複数種のカラーフィルタ層と、
    少なくとも1つの色変換色素を含み、該複数種のカラーフィルタ層の上に一体に設けられた色変換層であって、該少なくとも1つの色変換色素は、入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射することができ、該色変換層のうち、いずれかの該カラーフィルタ層への入射路領域が、他の該カラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有する色変換層と
    を具える色変換機能付カラーフィルタ。
  2. より高い光透過率を有する前記入射路領域における前記少なくとも1つの色変換色素の少なくとも一部が、変性している請求項1に記載のカラーフィルタ。
  3. 前記色変換層が、前記複数種のカラーフィルタ層を覆って一体に形成されている請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
  4. 前記色変換層への入射光が青色から青緑色の領域の光であり、前記少なくとも1つの色変換色素が赤色領域のスペクトルを含む光を放射することができる請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  5. 前記複数種のカラーフィルタ層が、赤色カラーフィルタ層、緑色カラーフィルタ層および青色カラーフィルタ層であり、青色カラーフィルタ層への入射路領域および緑色カラーフィルタ層への入射路領域が、赤色カラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有する請求項4に記載のカラーフィルタ。
  6. 前記色変換層が、マトリクス樹脂と、該マトリクス樹脂中に分散されている前記少なくとも1つの色変換色素とを含有する請求項1〜5のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  7. 前記色変換層を覆うガスバリア層をさらに具える請求項1〜6のいずれかに記載のカラーフィルタ。
  8. 透明基板と、
    該透明基板の上に設けられた複数種のカラーフィルタ層と、
    少なくとも1つの色変換色素を含み、該複数種のカラーフィルタ層の上に一体に設けられた色変換層であって、該少なくとも1つの色変換色素は、入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射することができ、該色変換層のうち、いずれかの該カラーフィルタ層への入射路領域が、他の該カラーフィルタ層への入射路領域よりも、入射光に対して高い光透過率を有する色変換層と、
    該色変換層を介して該カラーフィルタ層の各々と対向して設けられた透明第一電極と、
    該透明第一電極を介して前記カラーフィルタと対向して設けられた、少なくとも有機発光層を含む有機EL層と、
    該有機EL層を介して該透明第一電極と対向して設けられた第二電極と
    を具える有機ELディスプレイ。
  9. 前記透明基板と、前記複数種のカラーフィルタ層と、前記色変換層とを具える色変換機能付カラーフィルタを具える、請求項8に記載の有機ELディスプレイ。
  10. 前記色変換層と、前記透明第一電極と、前記有機EL層と、前記第二電極とを具える色変換機能付有機EL素子を具える、請求項8に記載の有機ELディスプレイ。
  11. 前記色変換層が少なくとも2つの色変換色素を含有する、請求項8〜10のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
  12. 前記色変換層が、蒸着により設けられた膜である、請求項8〜11のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
  13. 前記色変換層の厚さが、2000nm以下である、請求項8〜12のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
  14. 色変換機能付カラーフィルタの製造方法であって、
    透明基板と、該透明基板の上に設けられた複数種のカラーフィルタ層と、少なくとも1つの色変換色素を含み、該複数種のカラーフィルタ層の上に設けられた色変換層であって、該少なくとも1つの色変換色素は、入射光の一部の波長域を吸収し、吸収した波長域と異なる波長域の光を放射することができる色変換層とを具えるカラーフィルタ中間体を供するステップと、
    該色変換層のうち、いずれかの該カラーフィルタ層への入射路領域に含まれる該少なくとも1つの色変換色素を変性させるステップと
    を含む方法。
  15. 前記変性させるステップが、前記カラーフィルタ中間体の前記入射路領域に電磁波を照射するステップを含む請求項14に記載の方法。
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