JP4479844B2 - 車両用フード構造 - Google Patents

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Description

本発明は、フードアウタパネルとフードインナパネルとの間にフードロックリインフォースが配置された車両用フード構造に関する。
車両用フードにおいては、フードアウタパネルとフードインナパネルとの間に支持補強用のリインフォースを設ける場合がある(例えば、特許文献1参照)。このような車両用フードでは、ロック用ストライカの固定側部位、すなわちロック用ストライカの近傍部位の耐久性を確保する観点からリインフォースの板厚が厚く設定されている。
特開2004−148886公報(第1−2頁、第5図)
しかしながら、リインフォースの板厚を厚く設定すると、衝突体がフードに当接した際の変形ストローク(変形可能なストローク)が小さくなり、この点で改善の余地がある。
本発明は、上記事実を考慮して、フードにおけるロック用ストライカの近傍部位の耐久性を確保しながら衝突体がフードに当接した際の変形ストロークを大きくすることができる車両用フード構造を得ることが目的である。
請求項1に記載する本発明の車両用フード構造は、エンジンルームを開閉可能に覆うフードの外板を構成するフードアウタパネルと、前記フードアウタパネルに対してフード下方側に配置されてフードの内板を構成するフードインナパネルとフード前端部における補強用として前記フードアウタパネルと前記フードインナパネルとの間に配置され、前記フードインナパネル上に配設される底部と、前記底部のフード前後方向における後端から前記フードアウタパネル側へ延設されると共に少なくとも前記フードアウタパネル側の部位の剛性が前記底部の剛性に比べて低く設定された延設部と、を備えたフードロックリインフォースと、前記底部に配設されたベースプレートと、前記ベースプレートに固定され、前記フードインナパネルに形成された貫通穴を通じてフード下方側へ突出し、車体骨格部材側のロック手段が係止可能なストライカと、を有し、前記フードロックリインフォースは、板厚が互いに異なるものを含む複数の板材が接合されて構成されており、前記延設部の少なくとも前記フードアウタパネル側の部位の板厚が前記底部の板厚に比べて薄く設定され、かつ、前記延設部において前記底部の剛性に比べて剛性が低く設定された低剛性部のフード上下方向における下端の車幅方向の長さが前記ベースプレートの車幅方向の長さよりも長くなるように設定されている。
請求項1に記載する本発明の車両用フード構造によれば、フードインナパネル上にフードロックリインフォースの底部が配設され、この底部にベースプレートが配設される。そして、当該ベースプレートにストライカが固定されるので、フードにおけるストライカの近傍部位の剛性が高められる。また、フードロックリインフォースにおいて底部のフード前後方向における後端からフードアウタパネル側へ延設される延設部は、少なくともフードアウタパネル側の部位の剛性がフードロックリインフォースの底部の剛性に比べて低く設定されている。このため、衝突体がフードに当接して所定値以上の荷重が入力された場合には、フードロックリインフォースの延設部が低い荷重でフード下方側へ変形する。これにより、フードの変形ストロークを大きくすることができる。
また、フードロックリインフォースは、板厚が互いに異なるものを含む複数の板材が接合されて構成されており、延設部の少なくともフードアウタパネル側の部位の板厚が底部の板厚に比べて薄く設定されているので、簡易な構成で延設部の少なくともフードアウタパネル側の部位の剛性を低くすることができる。これにより、衝突体がフードに当接して所定値以上の荷重が入力された場合には、フードロックリインフォースの延設部において板厚が薄く設定された低剛性部が低い荷重でフード下方側へ変形する。このため、簡易な構成で、フードの変形ストロークが確保される。
また、延設部において底部の剛性に比べて剛性が低く設定された低剛性部のフード上下方向における下端の車幅方向の長さがベースプレートの車幅方向の長さよりも長くなるように設定されている。
ここで、フードロックリインフォースは、延設部において底部の剛性に比べて剛性が低く設定される低剛性部のフード上下方向における下端がフード幅方向に沿って配設されているので、衝突体がフードに当接して所定値以上の荷重が入力された場合には、前記下端を折れ線として延設部が低い荷重でフード下方側へ曲げ変形する。このように、フードロックリインフォースが安定的な変形モードで変形するので、フードの変形ストロークが一層安定的に確保される。
請求項3に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項2に記載の構成において、前記重ね合わせ部のフード前後方向の前端部に前記フードアウタパネル側かつ前記フード後方側に屈曲した第一屈曲部が形成され、前記第一屈曲部は、衝突体が前記フードに当接した際の曲げ変形起点とされる
請求項4に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項3に記載の構成において、前記重ね合わせ部のフード前後方向の後端部に前記第一屈曲部よりも前記フードアウタパネル側へ屈曲した第二屈曲部が形成され、前記第二屈曲部は、前記第一屈曲部と共に、衝突体が前記フードに当接した際の曲げ変形起点とされる。
請求項5に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項2〜4の何れか1項に記載の構成において、前記重ね合わせ部がスポット溶接により接合されている
請求項6に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項2〜5の何れか1項に記載の構成において、前記フードロックリインフォースの前記底部の前記フード前後方向における後端と前記重ね合わせ部の間の壁が、前記フードアウタパネル側、かつフード後方斜め上方側へ向って延びている
請求項7に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項1〜6の何れか1項に記載の構成において、前記フードアウタパネルと前記フードインナパネルとの間に配置され、フード車幅方向に延在するデントリインフォース及びフードロックリインフォースは、前記フード前後方向の側断面視で閉断面を形成し、前記フードの後方側に位置するデントリインフォース及びフードロックリインフォースの接合部において、前記デントリインフォースと前記フードアウタパネルとの間に隙間が設けられている
請求項8に記載する本発明の車両用フード構造は、請求項7に記載の構成において、前記デントリインフォースと前記フードロックリインフォースは、衝突体が前記フードに当接した際における変形部分の長さが等しくなるように設定されている。
以上説明したように、本発明に係る請求項1に記載の車両用フード構造によれば、フードにおけるロック用ストライカの近傍部位の耐久性を確保しながら衝突体がフードに当接した際の変形ストロークを大きくすることができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の車両用フード構造によれば、簡易な構成によって、フードにおけるロック用ストライカの近傍部位の耐久性を確保しながら衝突体がフードに当接した際の変形ストロークを大きくすることができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の車両用フード構造によれば、衝突体がフードに当接して所定値以上の荷重が入力された場合には、フードロックリインフォースを安定的な変形モードで変形させることができ、これにより、変形ストロークを一層安定的に確保することができるという優れた効果を有する。
[第1実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る車両用フード構造について図1〜図4を用いて説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示している。また、フードの閉止状態においては、フードの上方向は車両の上方向と同じ方向とし、フードの前方向は車両の前方向と同じ方向とする。
図1に示されるように、車両前部10には、エンジンルーム12を開閉可能に覆うフード14が配設されており、閉止状態のフード14における前端部14Aのフード幅方向(矢印W方向、車両幅方向と同じ方向)の中央部に対応して、周知のフードロック機構16が配設されている。図2に示されるように、フードロック機構16におけるロック手段としてのロック機構部16Aは、エンジンルーム12内において車体骨格部材としてのラジエータサポート18側に固定された状態で配置されている。
フード14は、その外板がフードアウタパネル20によって構成されている。フードアウタパネル20は、略車両前後方向に沿って延在している。このフードアウタパネル20に対してフード下方側にはフードインナパネル22が配置されている。フードインナパネル22は、フード14の内板を構成している。フードアウタパネル20の前端縁部20Aとフードインナパネル22の前端縁部22Aとは、ヘミング加工にて結合されている。
なお、フードアウタパネル20及びフードインナパネル22は、本実施形態では、いずれもアルミニウム合金板(広義には「金属板」として把握される要素であり、アルミニウム合金板の他に鋼板等の他の金属板を適用してもよい。)をプレス成形することにより形成されている。このように、フード14にアルミニウム合金板が適用されることで、フード14の軽量化が図られている。
フードインナパネル22には、前端縁部22Aに連続して前側壁部22Bが設けられている。前側壁部22Bは、全体として概ねフード後方へ向けてフード下方側へ傾斜するように形成されている。また、前側壁部22Bのフード前後方向の後端には、略フード前後方向に延在する底壁部22Cが連続して設けられている。また、底壁部22Cのフード前後方向の後端には、概ねフード後方へ向けてフードアウタパネル20に接近する方向へ立ち上がる立壁部22Dが連続して設けられている。さらに、この立壁部22Dのフード前後方向の後端には、概ねフードアウタパネル20に沿って延在する骨格部22Eが連続して設けられている。
フードインナパネル22の底壁部22Cには、貫通孔24が貫通形成されており、この貫通孔24には、フードロック機構16の一部を構成するストライカ26がフード上方側から挿入されている。ストライカ26は、側断面視形状が略U字形状となっており、ストライカ固定用のパッチであるベースプレート28を介してフードロックリインフォース30の底部34に固定されることによって、フードインナパネル22の底壁部22C側に配設されると共に、底壁部22Cに対してフード下方側へ突出している。このストライカ26には、ロック機構部16Aが係止可能とされている。
なお、本実施形態のように、軽量化を目的としてフード14の主要部がアルミニウム合金板で構成されている場合であっても、フード14の開閉時にストライカ26が曲がらないようにするために、ストライカ26には、高強度の鉄鋼材を用いる必要がある。このため、フード14へのストライカ26の固定は、図3に示されるように、ストライカ26の基端部26Aが鋼板製のベースプレート28に溶接されたうえでこのベースプレート28がアルミニウム合金製のフードロックリインフォース30の底部34(詳細後述)に締結具(ボルト29A及びナット29B)によって締結されている。
図2に示されるように、フードロックリインフォース30は、フード前端部14Aにおける補強用としてフードアウタパネル20とフードインナパネル22との間に配置され、アルミニウム合金製(広義には金属製であり、アルミニウム合金製の他に鋼製等の他の金属製としてもよい。)の板状体とされてフード幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って延在している。図2及び図3に示されるように、フードロックリインフォース30は、板厚が互いに異なる複数(二枚)の板材、すなわち、厚板30A(一例として、1.6mm前後の板材)及びこの厚板30Aよりも板厚が薄い薄板30B(一例として、0.9mm前後の板材)が接合されて構成されている(フードロックリインフォースの二分割構造)。厚板30Aと薄板30Bとは、それぞれプレス成形により所定形状に形成された後にその端部同士が重ね合わされてスポット溶接により接合(点接合)されて図3に示される形状のフードロックリインフォース30を構成している。
なお、厚板30Aと薄板30Bとの接合は、本実施形態ではスポット溶接とされているが、FSSW、カシメ結合及びボルト締結等による他の接合形態であってもよい。また、本実施形態では、厚板30A及び薄板30Bがそれぞれプレス成形により所定形状に形成された後に接合されているが、厚板30A及び薄板30Bが接合されて一素材とされてからプレス成形してフードロックリインフォース30の形状に形成してもよく、後者の場合にはプレス工程を一回にすることができるという利点がある。
図2に示されるように、フードロックリインフォース30は、フードインナパネル22の底壁部22C上に配設される底部34を備えており、フードロックリインフォース30の底部34とフードインナパネル22の底壁部22Cとが溶接により接合されている。底部34は、厚板30Aで構成されており、図3に示されるように、底部34におけるフード幅方向(矢印W方向)の中央部にはストライカ26を挿通させるための貫通孔38が貫通形成されると共に、ベースプレート28を介してストライカ26が固定される部位を含んでいる。
すなわち、図2に示されるように、フード14におけるストライカ26の近傍部位(図2において一点鎖線で囲まれる範囲(ロック部周辺)、以下、単に「ストライカ近傍部50」という)は、溶接によりストライカ26と一体化されたベースプレート28がフードロックリインフォース30の底部34に固定されると共に、フードロックリインフォース30の底部34がフードインナパネル22の底壁部22Cに接合されて、剛性の低いアルミニウム合金製のフードインナパネル22の底壁部22Cを補強した構造となっている。
フードロックリインフォース30の底部34のフード幅方向両側でかつフード前後方向における前端からはフランジ部32が略フード前方側へ延設されている(図3参照)。フランジ部32は、厚板30Aで構成され、フードインナパネル22の前側壁部22Bのフード上方側に配設され、その先端部が前側壁部22Bの前端側に溶接により接合されている。
また、底部34のフード前後方向における後端からは延設部36がフードアウタパネル20側へフード後方斜め上方側に向って延設されている。延設部36は、フードアウタパネル20側とフードインナパネル22側とを繋ぐ位置に設けられて厚板30A及び薄板30Bにより構成され、フード上下方向の中間部でフード後方側に屈曲した第一屈曲部36Aが形成されると共に、第一屈曲部36Aよりもフードアウタパネル20側でフード上方側に屈曲した第二屈曲部36Bが形成されている。これらの第一屈曲部36A及び第二屈曲部36Bは、衝突体100がフード14に当接した際に適度な荷重でフード14を変形させるために設けられた曲げ変形起点用とされている。
ここで、厚板30Aは底部34側から概ね第二屈曲部36Bまで延びており、薄板30Bはフードアウタパネル20側から概ね第一屈曲部36Aまで延びている。すなわち、概ね第一屈曲部36Aと第二屈曲部36Bとの間が厚板30Aと薄板30Bとの重ね合わせ部36Cとなっており、この重ね合わせ部36Cが溶接により接合されている。本実施形態では重ね合わせ部36Cは薄板30Bが厚板30Aのフード上方側に重ねられている。
このような構成により、延設部36は、重ね合わせ部36Cよりもフードアウタパネル20側の部位(フードアウタパネル20寄りの薄板30Bのみで構成される低剛性部130)の板厚が底部34の板厚に比べて薄く設定されており、重ね合わせ部36Cよりもフードアウタパネル20側の部位(フードアウタパネル20寄りの薄板30Bのみで構成される低剛性部130)の剛性が底部34の剛性に比べて低く設定されている。
また、フードロックリインフォース30は、延設部36における重ね合わせ部36Cの接合部がフード幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って(車両幅方向と平行に)配設されていると共に、重ね合わせ部36Cと、延設部36において重ね合わせ部36Cよりもフードアウタパネル20側で薄板30Bのみで構成される低剛性部130との境界部(剛性差が生じる部位)がフード幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って延在している。このため、フードロックリインフォース30は、延設部36において底部34の剛性に比べて剛性が低く設定される低剛性部130のフード上下方向における下端がフード幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って配設されている。なお、低剛性部130の下端は、フード幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って配設されるものであれば、連続的に配設されるものであっても、断続的に(非連続的に)配設されるものであってもよい。
図2及び図3に示されるように、延設部36には、重ね合わせ部36Cよりもフードアウタパネル20側に貫通孔40が貫通形成されている。貫通孔40は、衝突体100(図2参照)がフード14に当接(衝突)した際における変形荷重を抑えるために設けられており、薄板30Bのフード幅方向中央部においてフード幅方向(矢印W方向(図3参照))に長い略矩形状に形成されている。
延設部36のフードアウタパネル20側の先端部は、貫通孔40の両サイドのサイド部36D(図3参照)に連続して設けられたフランジ部36Eとされている。このフランジ部36Eは、フード幅方向(矢印W方向(図3参照))に延在して図2に示されるデントリインフォース42に溶接によって接合されている。
デントリインフォース42は、フード14を閉止する際のフードアウタパネル20の変形を抑制するために、フードアウタパネル20とフードインナパネル22との間に配置され、フード幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に延在したアルミニウム合金製(広義には金属製であり、アルミニウム合金製の他に鋼製等の他の金属製としてもよい。)の板状体とされている。デントリインフォース42は、マスチック44を介してフードアウタパネル20に接合され、前端のフランジ部42Aがフードロックリインフォース30のフランジ部32及びフードインナパネル22の前側壁部22Bの前端側にスポット溶接により接合されている。また、デントリインフォース42の後端のフランジ部42Bは、フードインナパネル22の骨格部22Eに溶接により接合されている。
また、フードロックリインフォース30及びデントリインフォース42は、側断面視で閉断面を形成しており、衝突体100がフード14に当接した際における変形部分の線長が等しくなるように設定されている。
(作用・効果)
次に、上記実施形態の作用及び効果について説明する。
本実施形態の車両用フード構造では、フードロックリインフォース30は、板厚が互いに異なる厚板30A及び薄板30Bが接合されて構成されており、このフードロックリインフォース30においてストライカ26が固定される部位を含む底部34は、厚板30Aで構成されてフードインナパネル22の底壁部22C上に配設されている。このため、フード14におけるストライカ近傍部50の剛性が高められ、フード14が閉じられる際にフード14がストライカ26側から受ける荷重に対するストライカ近傍部50の耐久性も向上する。
また、フードロックリインフォース30の底部34のフード前後方向における後端からフードアウタパネル20側へ延設される延設部36は、フードアウタパネル20側の部位が薄板30Bによって構成されることによってその板厚がフードロックリインフォース30の底部34の板厚に比べて薄く設定されている。これにより、延設部36は、フードアウタパネル20側の部位(低剛性部130)の剛性がフードロックリインフォース30の底部34の剛性に比べて低く設定されてので、衝突体(インパクタ)100がフード14(デントリインフォース42のフード上方側又はその近傍)に当接して所定値以上の荷重Fが入力された場合には、図4に示されるように、フードロックリインフォース30の延設部36におけるフードアウタパネル20側の低剛性部130が低い荷重でフード下方側へ曲げ変形する。このため、フード14の変形ストロークを大きくすることができ、良好なエネルギー吸収特性を得ることができる(歩行者保護対応)。
また、図2に示されるフードロックリインフォース30は、延設部36において底部34の剛性に比べて剛性が低く設定される低剛性部130のフード上下方向における下端がフード幅方向(図2の紙面に垂直な方向)に沿って配設されているので、衝突体100がフード14に当接して所定値以上の荷重Fが入力された場合には、図4に示されるように、低剛性部130の下端を折れ線として延設部36(低剛性部130)が低い荷重でフード下方側へ曲げ変形する。このように、フードロックリインフォース30が安定的な変形モードで変形するので、フード14の変形ストロークが一層安定的に確保され、優れた歩行者保護特性を得ることができる。
以上説明したように、本実施形態に係る車両用フード構造によれば、フード14におけるストライカ近傍部50の耐久性を確保しながら衝突体100がフード14に当接した際の変形ストロークを大きくすることができる。
なお、他の観点より対比される対比構造と比較しながら、以下において他の効果を補足的に説明すると、衝突体のフードへの当接時に適度な荷重でフードを変形させるために、例えば、フードロックリインフォースに延設部を設ける代わりにデントリインフォースのフード前後方向の両サイドからフード下方側に一対の細い脚状のフランジを延出させてこのフランジをフードロックリインフォースに接合させるような対比構造が考えられるが、このような対比構造では、製造段階において、デントリインフォースの前記フランジとフードロックリインフォースとを接合させる前に、脚状の前記フランジを変形させてしまう可能性がある。すなわち、前記対比構造では、例えば、デントリインフォースが型から他のケースに収められる際や搬送される際等に前記フランジが他部材に当ってしまうと前記フランジが変形してしまう可能性が高く(ハンドリング性が悪く)、生産性が良くない。これに対して、本実施形態に係る車両用フード構造では、このような問題点をも解消することができる。
(第1実施形態の変形例)
なお、上記第1の実施形態では、衝突体100がフード14に当接した際に、フードロックリインフォース30の延設部36を曲げ変形させているが、車両用フード構造は、例えば、厚板30Aと薄板30Bとの接合部の強度を調整することによって、衝突体100がフード14に当接した際に前記接合部を破断させる構成とし、この破断モードによってエネルギーを吸収させてもよい。
また、上記第1の実施形態では、図2に示されるフードロックリインフォース30には、延設部36に第一屈曲部36A及び第二屈曲部36Bが形成されているが、フードロックリインフォースは、例えば、延設部に第一屈曲部36Aに相当する屈曲部のみが形成されてもよい。この場合、フードロックリインフォースは、例えば、厚板(30A)を底部(34)側から前記屈曲部(第一屈曲部36Aに相当する屈曲部)まで延ばすと共に、薄板(30B)をフードアウタパネル20側から前記屈曲部よりも底部(34)側(底部(34)寄り)まで延ばして前記屈曲部に沿って屈曲させることによって、厚板(30A)の端部と薄板(30B)の端部とを重ね合わせて両者をスポット溶接等により接合させてもよい(換言すれば、フードロックリインフォースは、後述する第3の実施形態(図6参照)の変形例として、図6に示される薄板(70B)の厚板(70A)側の端部が延長されかつ屈曲されて厚板(70A)の後端(厚板(70A)において延設部(72)の一部を構成する部位)に沿って略フード下方側へ延在すると共に厚板(70A)の当該後端に重ね合わせられかつこの重ね合わせ部がスポット溶接により接合されているような構成としてもよい。)。なお、この場合における薄板(30B)は、厚板(30A)に対してフード前後方向の前方側に重ね合わせられて接合されてもフード前後方向の後方側に重ね合わせられて接合されてもよい。
また、他の変形例として、フードロックリインフォースは、延設部(36)が薄板(30B)のみによって構成されると共に、薄板(30B)の底部(34)側の先端部が、フード前方側へ屈曲されて延びかつ厚板(30A、底部(34)の主構成部)と重ね合わせられてスポット溶接等により接合されてもよい(換言すれば、フードロックリインフォースは、後述する第2の実施形態(図5参照)の変形例として、図5に示される薄板(60B)の厚板(60A)側の端部が延長されかつ屈曲されてフード前方側へ延在すると共に厚板(60A)に重ね合わせられかつこの重ね合わせ部がスポット溶接により接合されているような構成としてもよい。)。この場合における薄板(30B)は、厚板(30A)に対してフード上下方向の上方側に重ね合わせられてもフード上下方向の下方側に重ね合わせられてもよい。なお、この場合も、延設部(36)に第一屈曲部(36A)及び第二屈曲部(36B)が形成される構成であっても、延設部(36)に第一屈曲部(36A)に相当する屈曲部のみが形成される構成であってもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態に係る車両用フード構造について、図5を用いて説明する。図5には、本発明の第2の実施形態に係る車両用フード構造が側断面図(第1の実施形態における図2に相当する側断面図)にて示されている。この図に示されるように、第2の実施形態に係る車両用フード構造は、フードロックリインフォース60において剛性差が設けられる部位及びフードロックリインフォース60が重ね合わせ接合でなく突き合わせ接合により構成されている点で、第1の実施形態に係る車両用フード構造のフードロックリインフォース30(図2参照)と異なる。他の構成は、第1の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第1の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図5に示されるように、フードロックリインフォース60は、フード前端部14Aにおける補強用としてフードアウタパネル20とフードインナパネル22との間に配置されており、第1の実施形態におけるフードロックリインフォース30(図2参照)と全体としては概ね同様の形状であって他部材との接合形態も同様とされている。よって、フードロックリインフォース30(図2参照)と実質的に同様の構成部は、同一符号を付して説明を省略する。このフードロックリインフォース60は、アルミニウム合金製(広義には金属製であり、アルミニウム合金製の他に鋼製等の他の金属製としてもよい。)とされ、板厚が互いに異なる複数(二枚)の板材、すなわち、厚板60A及びこの厚板60Aよりも板厚が薄い薄板60Bが突き合わされた状態でFSW(Friction Stir Welding、テーラードブランク)により接合(線接合)されて構成されている。なお、FSWによる接合に代えてレーザ溶接による接合が適用されてもよい。
フードロックリインフォース60は、本実施形態では、厚板60A及び薄板60Bが突き合わせ接合されて一素材とされてからプレス成形により図5に示される形状に形成されている。このため、プレス工程が一回で済むという利点がある。なお、フードロックリインフォース60は、厚板60A及び薄板60Bがそれぞれプレス成形により所定形状に形成された後に接合されてもよい。
図5に示されるように、底部34のフード前後方向における後端からは延設部62がフードアウタパネル20側へフード後方斜め上方側に向って延設されている。この延設部62は、薄板60Bにより構成されており、その板厚が底部34の板厚に比べて薄く設定されており、その剛性が底部34の剛性に比べて低く設定されている。
延設部62のフード上下方向の中間部にはフード後方側に屈曲した屈曲部62Aが形成されている。この屈曲部62Aは、衝突体100がフード14に当接した際に適度な荷重でフード14を変形させるために設けられた曲げ変形起点用とされている。
また、フードロックリインフォース60は、厚板60Aと薄板60Bとの接合部(接合線)がフード幅方向(図5の紙面に垂直な方向)に沿って(車両幅方向と平行に)配設されている。換言すれば、フードロックリインフォース60は、底部34の剛性に比べて剛性が低く設定される延設部62のフード上下方向における下端がフード幅方向(図5の紙面に垂直な方向)に沿って配設されている。
このような構成によっても、第1の実施形態とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。また、本実施形態によれば、フードロックリインフォース60が重ね合わせ接合でなく突き合わせ接合とされているので、衝突体100がフード14に当接して所定値以上の荷重Fが入力された場合には、重ね合わせ接合の場合と比べて重ね合わせ代がない分だけ延設部62が変形しやすい。さらに、フードロックリインフォース60の延設部62のフードアウタパネル20側の部位の剛性だけでなく延設部62のすべての部位での剛性が底部34の剛性に比べて低く設定されているので、衝突体100のフード14への当接時に延設部62がより変形しやすい。これらによって、本実施形態では、衝突体100のフード14への当接時にはフード14の変形ストロークがより効率的に確保できる。
また、他の効果として、フードロックリインフォース60は、重ね合わせ接合されたフードロックリインフォースに比べて、重ね合わせ代がない分だけ小型化が可能になり(例えば、底部34側に重ね合わせ代がある対比構造と比べてストライカ26よりもフード後方側となる部位の長さを短くでき)、かつ軽量化が可能になる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態に係る車両用フード構造について、図6を用いて説明する。図6には、本発明の第3の実施形態に係る車両用フード構造が側断面図(第2の実施形態における図5に相当する側断面図)にて示されている。この図に示されるように、第3の実施形態に係る車両用フード構造は、フードロックリインフォース70における剛性差が設けられる部位(接合部)が第2の実施形態に係るフードロックリインフォース60における剛性差が設けられる部位(接合部)と異なる点で、第2の実施形態に係る車両用フード構造とは異なる。他の構成は、第2の実施形態とほぼ同様の構成となっている。よって、第2の実施形態と実質的に同様の構成部については、同一符号を付して説明を省略する。
図6に示されるように、フードロックリインフォース70は、フード前端部14Aにおける補強用としてフードアウタパネル20とフードインナパネル22との間に配置されており、第2の実施形態におけるフードロックリインフォース60(図5参照)とは以下に説明する点を除き全体として概ね同様の形状であって他部材との接合形態も同様とされている。よって、フードロックリインフォース60(図5参照)と実質的に同様の構成部は、同一符号を付して説明を省略する。
このフードロックリインフォース70は、アルミニウム合金製(広義には金属製であり、アルミニウム合金製の他に鋼製等の他の金属製としてもよい。)とされ、板厚が互いに異なる複数(二枚)の板材、すなわち、厚板70A及びこの厚板70Aよりも板厚が薄い薄板70Bが突き合わされた状態でFSW(テーラードブランク)により接合(線接合)されて構成されている。なお、FSWによる接合に代えてレーザ溶接による接合が適用されてもよい。
図6に示されるように、底部34のフード前後方向における後端からは延設部72がフードアウタパネル20側へフード後方斜め上方側に向って延設されている。この延設部72は、厚板70A及び薄板70Bにより構成され、フード上下方向の中間部でフード後方側に屈曲した屈曲部72Aが形成されている。この屈曲部72Aは、衝突体100がフード14に当接した際に適度な荷重でフード14を変形させるために設けられた曲げ変形起点用とされている。ここで、厚板70Aは底部34側から屈曲部72Aまで延びており、薄板70Bはフードアウタパネル20側から概ね屈曲部72Aまで延びている。
このような構成により、延設部72は、屈曲部72Aよりもフードアウタパネル20側の部位(フードアウタパネル20寄りの薄板70Bで構成される低剛性部170)の板厚が底部34の板厚に比べて薄く設定されており、屈曲部72Aよりもフードアウタパネル20側の部位(フードアウタパネル20寄りの薄板70Bで構成される低剛性部170)の剛性が底部34の剛性に比べて低く設定されている。
また、フードロックリインフォース70は、厚板70Aと薄板70Bとの接合部(接合線)が曲げ加工されて形成されており、厚板70Aと薄板70Bとの接合部(接合線)が屈曲部72Aと一致してフード幅方向(図6の紙面に垂直な方向)に沿って配設されている。換言すれば、フードロックリインフォース70は、延設部72において底部34の剛性に比べて剛性が低く設定される低剛性部170のフード上下方向における下端がフード幅方向(図6の紙面に垂直な方向)に沿って配設されている。
このような構成によっても、第2の実施形態とほぼ同様の作用及び効果を得ることができる。また、本実施形態によれば、フードロックリインフォース70における厚板70Aと薄板70Bとの接合部(接合線)が屈曲部72Aと一致しているので、衝突体100がフード14に当接して所定値以上の荷重Fが入力された場合には、変形起点がより明瞭になり、フードロックリインフォース70は厚板70Aと薄板70Bとの接合部であって屈曲部72Aとされる部分を起点としてフード下方側へ容易に曲げ変形する。これによって、本実施形態では、衝突体100のフード14への当接時にはフードロックリインフォース70がより一層安定的な変形モードで曲げ変形する。
[実施形態の補足説明]
なお、上記実施形態では、フードロックリインフォース30、60、70は、板厚が互いに異なる二枚の板材(厚板30A、60A、70A及び薄板30B、60B、70B)が接合されて構成されているが、フードロックリインフォースは、例えば、板厚が互いに異なるものを含む三枚の板材(一例として、一枚の厚板及びこの厚板よりも板厚が薄い二枚の同じ板厚の薄板)が接合されて構成されてもよく、延設部の少なくともフードアウタパネル側の部位の板厚、及び底部の前端から略フード前方側へ延設されるフランジ部(上記実施形態のフランジ部32に相当する部位)の板厚が、底部の板厚に比べて薄く設定されているような他のフードロックリインフォースであってもよい。
また、上記実施形態では、フードロックリインフォース30、60、70は、板厚が互いに異なる二枚の板材(厚板30A、60A、70A及び薄板30B、60B、70B)が接合されて構成されることによって、延設部36、62、72の少なくともフードアウタパネル20側の部位の板厚が底部34の板厚に比べて薄く設定されているが、フードロックリインフォースは、例えば、接合部のない一枚の板材で構成されてかつ切削加工等により延設部の少なくともフードアウタパネル側の部位の板厚が底部の板厚に比べて薄く設定されているような他のフードロックリインフォースであってもよい。
さらに、上記実施形態では、フードロックリインフォース30、60、70は、延設部36、62、72の少なくともフードアウタパネル20側の部位の板厚が底部34の板厚に比べて薄く設定されることによって、延設部36、62、72における少なくともフードアウタパネル20側の部位の剛性が底部34の剛性に比べて低く設定されているが、フードロックリインフォースは、例えば、板厚が同じで材質(剛性)が互いに異なるものを含む複数の板材が接合されて構成されることによって、又は、接合部のない一枚の板材の特定部分のみに剛性を上げる処理(例えば、板材が鋼材の場合には高周波焼き入れ等の熱処理)を施すことによって、延設部における少なくともフードアウタパネル側の部位の剛性が底部の剛性に比べて低く設定されるような他のフードロックリインフォースであってもよい。
なお、上記実施形態では、フードロックリインフォース30、60、70は、延設部36、62、72において底部34の剛性に比べて剛性が低く設定される部位のフード上下方向における下端がフード幅方向に沿って配設されおり、衝突体100がフード14に当接して所定値以上の荷重Fが入力された際にフードロックリインフォース30、60、70を安定的な変形モードで変形させる観点からはこのような構成が好ましいが、フードロックリインフォースは、例えば、延設部において底部の剛性に比べて剛性が低く設定される部位のフード上下方向における下端がフード幅方向に沿って配設されていない構成の他のフードロックリインフォースであってもよい。
本発明の第1の実施形態に係る車両用フード構造が適用された車両前部を示す斜視図である。 図1の2−2線に沿った拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用フード構造の要部を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る車両用フード構造において、衝突体がフードに当接した状態を示す側断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る車両用フード構造を示す側断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る車両用フード構造を示す側断面図である。
符号の説明
12 エンジンルーム
14 フード
14A フード前端部
16A ロック機構部(ロック手段)
20 フードアウタパネル
22 フードインナパネル
26 ストライカ
30 フードロックリインフォース
30A 厚板(板材)
30B 薄板(板材)
34 底部
36 延設部
60 フードロックリインフォース
60A 厚板(板材)
60B 薄板(板材)
62 延設部
70 フードロックリインフォース
70A 厚板(板材)
70B 薄板(板材)
72 延設部
W フード幅方向

Claims (8)

  1. エンジンルームを開閉可能に覆うフードの外板を構成するフードアウタパネルと、
    前記フードアウタパネルに対してフード下方側に配置されてフードの内板を構成するフードインナパネルと
    フード前端部における補強用として前記フードアウタパネルと前記フードインナパネルとの間に配置され、前記フードインナパネル上に配設される底部と、前記底部のフード前後方向における後端から前記フードアウタパネル側へ延設されると共に少なくとも前記フードアウタパネル側の部位の剛性が前記底部の剛性に比べて低く設定された延設部と、を備えたフードロックリインフォースと、
    前記底部に配設されたベースプレートと、
    前記ベースプレートに固定され、前記フードインナパネルに形成された貫通穴を通じてフード下方側へ突出し、車体骨格部材側のロック手段が係止可能なストライカと、
    を有し、
    前記フードロックリインフォースは、板厚が互いに異なるものを含む複数の板材が接合されて構成されており、前記延設部の少なくとも前記フードアウタパネル側の部位の板厚が前記底部の板厚に比べて薄く設定され、かつ、前記延設部において前記底部の剛性に比べて剛性が低く設定された低剛性部のフード上下方向における下端の車幅方向の長さが前記ベースプレートの車幅方向の長さよりも長くなるように設定された車両用フード構造。
  2. 前記延設部は、フード幅方向に沿って厚板と薄板とが重ね合わされた重ね合わせ部を備えており、前記薄板で低剛性部が形成された請求項1に記載の車両用フード構造。
  3. 前記重ね合わせ部のフード前後方向の前端部に前記フードアウタパネル側かつ前記フード後方側に屈曲した第一屈曲部が形成され、前記第一屈曲部は、衝突体が前記フードに当接した際の曲げ変形起点とされる請求項2に記載の車両用フード構造。
  4. 前記重ね合わせ部のフード前後方向の後端部に前記第一屈曲部よりも前記フードアウタパネル側へ屈曲した第二屈曲部が形成され、前記第二屈曲部は、前記第一屈曲部と共に、衝突体が前記フードに当接した際の曲げ変形起点とされる請求項3に記載の車両用フード構造。
  5. 前記重ね合わせ部がスポット溶接により接合されている請求項2〜4の何れか1項に記載の車両用フード構造。
  6. 前記フードロックリインフォースの前記底部の前記フード前後方向における後端と前記重ね合わせ部の間の壁が、前記フードアウタパネル側、かつフード後方斜め上方側へ向って延びている請求項2〜5の何れか1項に記載の車両用フード構造。
  7. 前記フードアウタパネルと前記フードインナパネルとの間に配置され、フード車幅方向に延在するデントリインフォース及びフードロックリインフォースは、前記フード前後方向の側断面視で閉断面を形成し、前記フードの後方側に位置するデントリインフォース及びフードロックリインフォースの接合部において、前記デントリインフォースと前記フードアウタパネルとの間に隙間が設けられている請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用フード構造。
  8. 前記デントリインフォースと前記フードロックリインフォースは、衝突体が前記フードに当接した際における変形部分の長さが等しくなるように設定されている請求項7に記載の車両用フード構造。
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