JP4434357B2 - 自動分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は血清などの試料の成分分析を行う自動分析装置に関し、特に同装置において使用される種々の溶液あるいは試薬の管理に関する。
【0002】
【従来の技術】
血清などの試料の成分分析を自動的に行なう自動分析装置では、測定したい試料(検体)をカップ又は採血管に取り、これを架設できる試料ラックに配置し、サンプラに載せ、試料毎で測定したい成分を依頼項目として装置に登録し、自動的に測定を行なっている。
【0003】
測定では、依頼項目毎に希釈溶液や専用試薬(以下本明細書では、使用される種々の溶液あるいは試薬のことを、「試薬」と総称する)が対象試料に加えられ、攪拌などの後、予め濃度が特定できている試料(標準試料)の測定(キャリブレーション)により求められた検量線に基づき、吸光度測定や電位測定によって濃度を求めている。
【0004】
従来より、試薬バーコードなどの設置試薬を認識する機能、試薬の残量を検知する機能、装置内の環境(温度、湿度など)を検知する機能、日時(カレンダ)を管理する機能などにより、さまざまな管理が自動分析装置において自動化されてきた。
【0005】
そして近年、自動分析装置では、より多くの試料が扱われるようになり、それに伴って測定処理の高速化が要求されてきた。これに対応するために同じ測定項目の測定に対しては装置上に同一種類の試薬が収容された複数の試薬容器を架設し、使用中の試薬容器内の試薬残量が所定以下となる等の特定の条件が成立した場合には別の試薬容器に収容されている試薬を使用する(試薬容器を渡る)ようにして同じ測定項目の測定を中断させないといった制御も行われている。ここで、上記特定の条件(即ち、試薬容器を渡る条件)とは、例えば以下のようなものである。
【0006】
(1)使用している容器内の試薬の残量が無くなった場合又は所定の設定値を下回った場合
(2)使用している容器の試薬の有効期限が切れた場合
(3)何らかの理由によるオペレータの所定の操作が行われた場合
さらに、試薬に関わる種々の状態、状況を示すアラーム(警告)を画面表示や音によりオペレータに通知し、場合によっては測定を自動的に中止させるといった動作制御も行われている。アラームの種類としては、例えば以下のようなものがある。
(1)使用している容器内の試薬残量が無くなったこと、又は所定の設定値を下回ったことを示すアラーム
(2)使用している容器内の試薬の残量が予め設定された警告(アラームのための)値を下回ったことを示すアラーム
(3)使用している容器の試薬の有効期限が過ぎたことを示すアラーム
(4)使用している容器の試薬のロットが変わったことを示すアラーム
(5)使用している容器の試薬に関し、他の容器に渡ったことを示すアラーム
(6)容器を格納する試薬庫内の環境条件(温度、湿度など)が管理を外れたことを示すアラーム
ところで、近年では自動分析装置でより多くの項目が扱われるようになり、これに応じて調合試薬や特殊な性質を有するいろいろなタイプの試薬を一般的な試薬と混在させて同時に架設し、測定を行うケースが多くなってきた。例えば、使用開始後の有効期限があるような試薬がこれに相当する。
【0007】
ここで、試薬管理に関し、従来より実施されてる管理事項としてはロット管理や有効期限管理がある。例えば、測定に使用される試薬には製造ロット(又は容器)毎に識別番号が振られており、これらの識別番号に基づく品質管理(QC:Quality Control)がなされている。また、容器に封入されてサプライヤから提供される試薬には、通常、有効期限が付与されており、従来の自動分析装置では、例えば提供時から容器に付与されている有効期限を管理し、期限切れの試薬が用いられることによる成分分析の精度低下等を防止するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来装置にて行われている試薬の有効期限管理は、試薬の使用有無とは無関係であり、試薬の使用開始後の有効期間(劣化)管理は行われていない。また、使用開始後の試薬が24時間通電された試薬庫にて保冷(保存環境を保つ)される場合があるが、夜間の停電等による試薬保存環境変化の監視に関し、自動分析装置による管理はなされていなかった。つまり、これらの事項に関する試薬管理は全てオペレータ自身によって行われてきた。このため劣化、蒸発等の試薬管理にミスが生じる可能性があり、完全な試薬管理を行えないという問題点があった。
【0009】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、試薬に当初から付与されている有効期限等に加え、使用開始後有効期間、保存温度、保存湿度等を管理することでより高度な試薬管理を行え、オペレータの操作負担を軽減できる自動分析装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決し目的を達成するために本発明の自動分析装置は次のように構成されている。
【0011】
本発明の一観点に係る自動分析装置は、被検試料が収容された反応容器に試薬を分注して反応させ、その反応結果を測定することにより前記被検試料の測定項目を分析する自動分析装置において、前記試薬の保存温度管理値及び前記試薬の保存温度が該保存温度管理値を逸脱してからの許容期間を示す試薬情報を設定する設定手段と、前記試薬の使用開始を検知する検知手段と、前記検知手段により使用開始が検知されてからの前記試薬の保存温度を計測する温度計測手段と、前記温度計測手段により計測された保存温度が、前記設定手段により設定された試薬情報が示す保存温度管理値を逸脱してからの経過時間を計測する時間計測手段と、前記時間計測手段により計測された経過時間が、前記設定手段により設定された試薬情報が示す許容期間を超過したか否かを検出する検出手段と、を具備することを特徴とする自動分析装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る自動分析装置の外観を示す斜視図である。円周上に複数個の反応セルが配列された円板状の反応ディスク1は、ある一定のサイクルで所定の角度だけ回転して停止する間欠的回転動作を行う。被検試料が収容されたサンプル容器(被検試料容器(採血管を含む)、図示せず)がセットされるサンプルディスク2は、反応ディスク1の近傍に所定間隔をおいて配置されている。
【0028】
各種成分と反応する試薬が収容された試薬ビンがセットされる第1試薬庫3は、反応ディスク1の内側に配置されており、また、第1試薬庫3と同様に試薬ビンがセットされる第2試薬庫4は、反応ディスク1の近傍に所定間隔をおいて配置されている。
【0029】
サンプルディスク2は、指定のサンプル容器(採血管)が所定位置に位置決めされるように回転動作する。また、第1試薬庫3及び第2試薬庫4についても指定の試薬容器が所定位置に位置決めされるように回転動作する。
【0030】
反応ディスク1とサンプルディスク2との間にはサンプルアーム5が配置されており、その先端にはサンプルプローブ6が取付けられている。サンプルアーム5は、サンプルディスク2の所定位置にセットされたサンプル容器上にサンプルプローブ6を位置付けする。ここで、サンプルプローブ6は、そのサンプル容器内へ降下して、その液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して被検試料を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0031】
サンプルプローブ6の上昇が終了すると、サンプルアーム5は回動して、サンプルプローブ6を反応ディスク1のサンプル分注位置上へ位置付けする。ここで、サンプルプローブ6は、そのサンプル分注位置にセットされている反応セルに被検試料を予め設定された量だけ分注する。
【0032】
反応ディスク1の外周近傍には第1試薬アーム8が配置されており、その先端には第1試薬プローブ9が取付けられている。第1試薬アーム8は、第1試薬プローブ9を第1試薬庫3の所定位置にセットされている試薬ビン上に位置付けする。ここで、第1試薬プローブ9は、その試薬ビン内へ降下し、その液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して試薬を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。
【0033】
第1試薬プローブ9の上昇が終了すると、第1試薬アーム8は回動して、第1試薬プローブ9を反応ディスク1の第1試薬分注位置上へ位置させる。ここで、第1試薬プローブ9は、その第1試薬分注位置にセットされている反応セルに前記試薬を予め設定された量だけ分注する。
【0034】
反応ディスク1と第2試薬庫4との間には第2試薬アーム10が配置されており、その先端には第2試薬プローブ11が取付けられている。第2試薬アーム10は、第2試薬プローブ11を第2試薬庫4の所定位置にセットされている試薬ビン上に位置付けする。
ここで、第2試薬プローブ11は、その試薬ビン内へ降下し、その液面を検知すると、さらに所定量だけ降下して試薬を所定量だけ吸引し、この吸引が終了すると上昇する。第2試薬プローブ11の上昇が終了すると、第2試薬アーム10が回動し、第2試薬プローブ11を反応ディスク1の第2試薬分注位置上へ位置付けする。
ここで、第2試薬プローブ11は、その第2試薬分注位置にセットされている反応セルに試薬を予め設定された量だけ分注する。
【0035】
また、反応ディスク1の外周近傍には、第1撹拌アーム12及び第2撹拌アーム13が配置され、それぞれの先端には撹拌子が取付けられている。この第1撹拌アーム12及び第2撹拌アーム13は、それぞれ反応ディスク1の第1撹拌位置及び第2撹拌位置にセットされている反応セル内の溶液(被検試料及び試薬)を撹拌子により撹拌する。
【0036】
さらに、反応ディスク1の外周近傍には洗浄ユニット14が配置されており、この洗浄ユニット14には、複数本の洗浄ノズルと、乾燥ノズルとが取付けられている。この洗浄ユニット14は、反応ディスク1の洗浄位置にセットされている各反応セルに対してそれぞれ洗浄ノズル又は乾燥ノズルにより洗浄又は乾燥を行うようになっている。
また、反応ディスク1の外周近傍には、オプションとして電解質ユニット15が配置可能になっており、電解質の分析を行うこともできる。
【0037】
反応ディスク1の1カ所には、測光部16が設けられている。この測光部16は、発光部を備えており、発光部からの光を反応ディスク1の測光位置にセットされた反応セルに照射し、その透過光の光量を測定して、反応セル内のサンプルの試薬による変化量を測定するようになっている。この測定された変化量により、被検試料の成分分析(定量分析・定性分析)が行われる。
【0038】
なお、反応ディスク1は、反応セルの温度を予め設定された温度に保つため恒温槽構造になっており、第1試薬庫3及び第2試薬庫4は、試薬ビン(試薬)の温度を予め設定された温度に保つための冷却構造となっている。
【0039】
図2は、本実施形態の自動分析装置の機能構成を示すブロック図である。同図に示すように、試薬情報管理機能部37、標準試料情報管理機能部39、検線量情報表示機能部41、精度管理情報表示機能部43、項目パラメータ管理機能部44、キャリブレーション項目設定機能部45、測定試料(検体)項目(限定)機能部49、日時(カレンダ)機能部51を有しており、これらの機能単位はユーザインタフェースソフトウェア、及びメモリやHDD等の記憶媒体として実現される。これらの機能単位は、表示装置55と入力装置57とから構成されるコンソール53を通じてユーザからの設定入力を処理し、各種情報表示を行うことができるようになっている。
【0040】
またこれらの機能単位は、制御部20を介して試薬情報読取手段21、試薬量検知手段23、装置内環境検知手段25、標準試料量検知手段27、試料測定各種手段29、機構制御手段31、ラック情報検知手段33、検体(試料)バーコード読取手段35、に接続されている。これらの手段は、図1を参照して説明した被検試料の成分分析(定量分析・定性分析)を実現するための各種機構、ハードウェア、制御ソフトウェア等として実現される。
【0041】
制御部20はCPU及びメモリ等からなる制御手段であり、自動分析装置全体の動作制御を司るものである。
【0042】
本実施形態の自動分析装置において、試薬情報の設定からキャリブレーション、および検査依頼に基づく測定が行われるまでの一般的な操作・動作は、例えば以下(1)〜(3)の通りである。
【0043】
(1)試薬情報、標準試料情報、項目パラメータの設定
試薬情報管理機能部37、標準試料情報管理機能部39、項目パラメータ管理機能部44の機能により、試薬、標準試料、及び総蛋白TPなどの各種測定項目に関する必要なパラメータの設定/記憶/表示が表示装置55及び入力装置57を介してオペレータにより行われる。すなわち、ここではTPなどの識別名、濃度演算、演算結果管理値に関する設定のほか、使用する試薬や濃度演算に使用する検線量を立てるための標準試料、及び精度管理に使用される標準試料の設定が行われる。各標準試料には試料名と既知の濃度値とが各種項目毎に設定される。各試薬には試薬名、試薬の種類(「第1試薬」、「第2試薬」や「洗剤」など)、試薬有効期限、ロット番号などが設定される。
【0044】
また、項目パラメータの設定においては、試薬容器を渡る(移動する)条件が発生した際に、自動的にキャリブレーションを行って検体測定を継続させる旨の項目パラメータが設定されることもある。
【0045】
(2)キャリブレーション
所定の標準試料及び試薬が装置内の所定の場所に配置され、キャリブレーション項目設定機能部45が備える機能により、所定項目のキャリブレーションが装置に指示される。
【0046】
制御部20はラック情報検知手段31、試薬量検知手段23、標準試料量検知手段27から各種情報を得て、サンプリング・プローブやサンプリング・アームを機構制御手段31により動作させ、標準試料と試薬とを反応管に分注し、攪拌する。また、機構制御手段31を制御して反応管を一定間隔で移動させながら試料測定各種手段29によるリアルタイムの測定(測光、電位測定)を行わせ、その結果をメモリに記憶させる。
【0047】
このようなキャリブレーション動作中に、試薬残量、装置内の温度及び湿度、標準試料残量が、それぞれ試薬量検知手段23、装置内環境検知手段25、標準試料量検知手段27により検知される。また、日時(カレンダ)機能部51による試薬有効期限の監視も行われる。ここでエラーが検出された場合、従来技術の項で説明したエラー表示が行われる。また、後述する本発明に固有の試薬管理も併せて実施される。
【0048】
キャリブレーション中は、その実施途中において試薬容器を移動する条件が成立したり又は標準試料が不足した場合、キャリブレーション動作を継続不可能であるから、当該項目についてはキャリブレーションを失敗した旨を表示し、既に測定中の試料の結果出力を待って測定を終了するか、又は他の項目を継続して測定する。
【0049】
このようなキャリブレーション動作の後、検量線情報表示機能部43により表示される結果表示に基づきオペレータは装置の状態(検量線の有効性)を確認し、問題があれば上記キャリブレーション動作を繰り返すよう指示する。
【0050】
(3)検査依頼を指定して検体測定を行い、結果を報告
所定のラックや設置位置に検体が配置され、測定試料項目設定機能部47においてオペレータから検査依頼が指定され、測定動作の実行が装置に指示される。依頼検査に係る測定に併せて、当該検体の測定の前後又は途中における精度管理試料の測定が精度管理項目設定機能部49により指示される。
【0051】
検査依頼に基づく測定において、制御部20は検体バーコード読み取り手段35やラック情報検知手段33を制御して検体の存在を検知し、また依頼情報を自動的に検索して入手する。さらに、得られた情報に基づき上記キャリブレーションと同様の測定動作を行わせ、キャリブレーションによって立てられた検量線に基づいて濃度演算を実行し、その結果をメモリ等に記憶する。また濃度演算結果は表示装置55により表示され、或いは出力手段36から出力される。出力手段36による出力とは、例えば、図示しないプリンタによる印刷出力であり、通信手段を介したホストコンピュータ等への転送である。
【0052】
検査依頼に係る測定動作中に、試薬残量、装置内の温度及び湿度、標準試料残量が、それぞれ試薬量検知手段23、装置内環境検知手段25、標準試料量検知手段27により検知される。また、日時(カレンダ)機能部51による試薬有効期限の監視も行われる。ここでエラーが検出された場合は、従来技術の項で説明したエラー表示が行われる。また、後述する本発明に固有の試薬管理も併せて実施される。
【0053】
検査依頼に係る測定動作中は、その実施途中において試薬容器を移動する条件が成立したり又は標準試料が不足した場合、測定動作を継続不可能であるから、当該項目については測定動作を継続不可能である旨を表示し、既に測定中の試料の結果出力を待って測定を終了するか、又は他の項目を継続して測定する。
【0054】
但し、試薬容器の移動に関しては、自動キャリブレーション実行が指定されていれば、自動的に再キャリブレーションが実行されるようにし、測定は継続される。
【0055】
さて、本実施形態の自動分析装置は、試薬情報管理機能部37により、試薬認識情報(名前など)、ロット番号、有効期限等の従来からの試薬毎の試薬情報を設定可能であると共に、これら情報に加えて使用開始後有効期間(時)、温度管理範囲(℃)、温度管理外許容期間(分)、湿度管理範囲(%)、湿度管理外許容期間(分)を設定可能であって、当該試薬の使用開始後における試薬管理が行われることを特徴とする。
【0056】
図3はオペレータが試薬情報設定を行うための画面例を示す図である。
【0057】
例えば本実施形態ではこの試薬情報設定画面を介して、試薬ID「99010001」,試薬名「Ca」,試薬の種類「R-1」,ボトルの種類「100ml」,ロット番号「00001」,有効期限「2000/1/1」,使用開始後有効期間「20時間」,温度管理範囲「8℃〜13℃」,温度管理範囲該許容期間「2分」,湿度管理範囲「40%〜70%」,湿度管理範囲該許容期間「2分」が設定されると仮定する。
【0058】
各々の試薬には、当該試薬を他の試薬と識別可能にするバーコードが貼付されており、該バーコードが試薬情報読取手段21から読み込まれることで試薬の使用が開始された旨が検知され、装置内環境検知手段25による試薬の設置状況、試薬庫内の温度及び湿度の計測が開始される構成となっている。このように、試薬バーコードが読み込まれた時点で試薬の使用が開始された旨を検知(判断)する方法以外に、測定のための試薬吸引が最初になされたときをもって使用開始としたり、オペレータからの操作に基づいて当該試薬の使用開始を手動で認識させてもよい。
【0059】
尚、上記試薬情報管理機能部37により設定される試薬の使用開始後有効期間(時)、温度管理範囲(℃)、温度管理外許容期間(分)、湿度管理範囲(%)、湿度管理外許容期間(分)を示す情報が、予め上記バーコードに記録されており、上記試薬情報管理機能部37による設定を不要とした構成を採っても良い。
【0060】
使用が開始された旨認識された試薬に対し、上記5項目のチェックすなわち試薬使用開始後の試薬管理処理が開始される。この試薬管理処理は、装置内から試薬が取り除かれるまで、又は試薬が空になるまで若しくは試薬の残量が規定量を下回るまで継続される。
【0061】
より詳しくは、例えば1分おきに使用開始後試薬管理に関するエラー判定(以下に示す[エラー詳細]を参照)を実行し、エラーを検出した場合は試薬の設置位置及び試薬認識情報を画面表示し、ブザー音(警告音)とともにアラーム(警告)を画面表示する。優先順位が高いエラーが発生した場合は、他の容器の同一種類の有効な試薬(つまり有効期間も含めてエラーが発生しないもの)に容器を渡る。なお、優先順位によらずエラーが発生した場合には容器を渡るように構成しても良い。もし、有効な試薬が存在しなければその項目をマスクアウトし、依頼があっても測定を行わない(測定中止)。この場合、測定を行わなかった旨を検体情報とともに画面表示し、オペレータに通知する。
【0062】
また、優先順位が高いエラーが発生した場合であっても測定を継続するようにし、測定結果とともにエラーが発生した旨(例えば下記3文字のエラーコード)を画面表示し又は印刷するように構成しても良い。
【0063】
[エラー詳細]
エラー(1):使用開始後有効期間の超過,優先順位:高,エラーコードRTM
エラー(2):温度管理範囲の逸脱,優先順位:低
エラー(3):温度管理範囲の逸脱且つその後の経過時間が許容期間を超過,優先順位:高,エラーコード:RTO
エラー(4):湿度管理範囲の逸脱,優先順位:低
エラー(5):湿度管理範囲の逸脱且つその後の経過時間が許容期間を超過,優先順位:高,エラーコード:RHO
図4は本発明に係る使用開始後試薬管理の詳細を示すフローチャートである。
【0064】
先ず、当該試薬(例えば図3に示した試薬ID:99010001,試薬名:Ca)の使用開始後の経過時間を表す変数を+1する(ステップS1:使用時間の計測)。
【0065】
この変数は、当該試薬の使用が開始された旨が検知された時点で初期化(=0)され、使用開始後試薬管理処理が起動されるたびに当該ステップS1において+1されていく。使用開始後試薬管理処理が例えば1分おきに起動されることと定め、例えば既に5回起動されたとしたら、この変数の値は5となり、経過時間は5分であることがカウントされる。
【0066】
次に、この変数を分から時間に換算したのち、当該試薬の使用開始後有効期間(この場合は「20時間」)と比較し、該有効期間を超過しているか否かを判定する(ステップS2)。超過している場合はステップS3においてその旨を示すエラー表示(エラー(1))をする。
【0067】
次に、計測された当該試薬の保存温度を表す変数「温度」を当該試薬の温度管理範囲(この場合は「8℃〜13℃」)と比較し、該温度管理範囲を逸脱しているか否かを判定する(ステップS4)。逸脱している場合は温度管理範囲逸脱後の経過時間を表す変数aを+1する(ステップS5)。尚、このとき、エラー表示(エラー(2))を行っても良い。変数aは、上記使用開始後経過時間の変数と同様に、経過時間のカウントに用いられる。
【0068】
続くステップS7において、変数aが、当該試薬の温度管理範囲逸脱後の許容期間(この場合は「2分」)を超過しているか否かを判定する(ステップS7)。超過している場合はステップS8においてその旨を表すエラー表示(エラー(3))をする。
【0069】
一方、ステップS4において当該試薬の温度が温度管理範囲を逸脱していないと判定された場合は温度管理範囲逸脱後の経過時間を表す変数aを0に初期化しておく(ステップS6)。
【0070】
次に、計測された当該試薬の保存湿度を表す変数「湿度」を当該試薬の湿度管理範囲(この場合は「40%〜70%」)と比較し、該湿度管理範囲を逸脱しているか否かを判定する(ステップS9)。逸脱している場合は湿度管理範囲逸脱後の経過時間を表す変数bを+1する(ステップS10)。尚、このとき、エラー表示(エラー(4))を行っても良い。変数bは、上記使用開始後経過時間の変数と同様に、経過時間のカウントのために用いられる。
【0071】
続くステップS12において、変数bが、当該試薬の湿度管理範囲逸脱後の許容期間(この場合は「2分」)を超過しているか否かを判定する(ステップS12)。超過している場合はステップS13においてその旨を表すエラー表示(エラー(5))をする。
【0072】
一方、ステップS9において当該試薬の湿度が湿度管理範囲を逸脱していないと判定された場合は湿度管理範囲逸脱後の経過時間を表す変数bを0に初期化しておく(ステップS11)。
【0073】
なお、本実施形態の自動分析装置が備える日時(カレンダ)機能部51は、停電等が発生しても補助電源によってバックアップされ時間計測を継続できるようになっている。
【0074】
以上説明した本実施形態の自動分析装置によれば、使用開始後における上記試薬管理により試薬の劣化が自動的に判定され、エラー表示としてオペレータに通知される。したがって、これまではオペレータ自身により行われてきた試薬の劣化管理のための作業負担が大幅に軽減され、あるいは不要となる。これにより信頼性の高い装置の運用が行えるようになる。
【0075】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず種々変形して実施可能である。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、試薬に当初から付与されている有効期限に加え、使用開始後有効期間、保存温度、保存湿度等を管理することでより高度な試薬管理を行え、オペレータの操作負担を軽減できる自動分析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動分析装置の外観を示す斜視図
【図2】本実施形態の自動分析装置の機能構成を示すブロック図
【図3】オペレータが試薬情報設定を行うための画面例を示す図
【図4】本発明に係る使用開始後試薬管理の詳細を示すフローチャート
【符号の説明】
20…制御部
21…試薬情報読取手段
23…試薬量検知手段
25…装置内環境検知手段
27…標準試料量検知手段
29…試料測定各種手段
31…機構制御手段
33…ラック情報検知手段
35…検体バーコード読取手段
36…出力手段
37…試薬情報管理機能部
39…標準試料情報管理機能部
41…検量線情報表示機能部
43…精度管理情報表示機能部
44…項目パラメータ管理機能部
45…キャリブレーション項目設定機能部
47…精度管理項目設定機能部
49…測定試料(検体)項目(限定)機能部
51…日時(カレンダ)機能部
53…コンソール
55…表示装置
57…入力装置

Claims (10)

  1. 被検試料が収容された反応容器に試薬を分注して反応させ、その反応結果を測定することにより前記被検試料の測定項目を分析する自動分析装置において、
    前記試薬の保存温度管理値及び前記試薬の保存温度が該保存温度管理値を逸脱してからの許容期間を示す試薬情報を設定する設定手段と、
    前記試薬の使用開始を検知する検知手段と、
    前記検知手段により使用開始が検知されてからの前記試薬の保存温度を計測する温度計測手段と、
    前記温度計測手段により計測された保存温度が、前記設定手段により設定された試薬情報が示す保存温度管理値を逸脱してからの経過時間を計測する時間計測手段と、
    前記時間計測手段により計測された経過時間が、前記設定手段により設定された試薬情報が示す許容期間を超過したか否かを検出する検出手段と、を具備することを特徴とする自動分析装置。
  2. 前記経過時間が前記許容期間を超過した場合に、その旨を示す警告画面を表示し又は警告音を出力する警告手段をさらに具備することを特徴とする請求項に記載の自動分析装置。
  3. 前記検知手段は、前記試薬に貼付されたバーコードの読み込み、前記試薬の最初の吸引の検知、オペレータからの操作に基づく前記試薬の使用開始の手動認識の少なくともいずれかにより、前記試薬の使用が開始された旨を検知する請求項又はに記載の自動分析装置。
  4. 前記試薬に添付され、少なくとも前記試薬の保存温度管理値及び前記試薬の保存温度が該保存温度管理値を逸脱してからの許容期間を示す試薬情報が記録されるバーコードと、
    前記バーコードに記録された試薬情報を読み出す読出し手段と、をさらに具備し、
    前記時間計測手段は、前記温度計測手段により計測された保存温度が、前記読出し手段により読み出された試薬情報が示す保存温度管理値を逸脱してからの経過時間を計測し、
    前記検出手段は、前記時間計測手段により計測された経過時間が、前記読出し手段により読み出された試薬情報が示す許容期間を超過したか否かを検出することを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の自動分析装置。
  5. 前記経過時間が前記許容期間を超過した場合に、当該試薬が収容されている容器とは別の試薬容器に収容されている前記試薬と同一種類の試薬を分注し、又は前記測定を中止し、又は前記測定の結果に警告情報を付与する請求項乃至のいずれか一項に記載の自動分析装置。
  6. 被検試料が収容された反応容器に試薬を分注して反応させ、その反応結果を測定することにより前記被検試料の測定項目を分析する自動分析装置において、
    前記試薬の保存湿度管理値及び前記試薬の保存湿度が該保存湿度管理値を逸脱してからの許容期間を示す試薬情報を設定する設定手段と、
    前記試薬の使用開始を検知する検知手段と、
    前記検知手段により使用開始が検知されてからの前記試薬の保存湿度を計測する湿度計測手段と、
    前記湿度計測手段により計測された保存湿度が、前記設定手段により設定された試薬情報が示す保存湿度管理値を逸脱してからの経過時間を計測する時間計測手段と、
    前記時間計測手段により計測された経過時間が、前記設定手段により設定された試薬情報が示す許容期間を超過したか否かを検出する検出手段と、を具備することを特徴とする自動分析装置。
  7. 前記経過時間が前記許容期間を超過した場合に、その旨を示す警告画面を表示し又は警告音を出力する警告手段をさらに具備することを特徴とする請求項に記載の自動分析装置。
  8. 前記検知手段は、前記試薬に貼付されたバーコードの読み込み、前記試薬の最初の吸引の検知、オペレータからの操作に基づく前記試薬の使用開始の手動認識の少なくともいずれかにより、前記試薬の使用が開始された旨を検知する請求項又はに記載の自動分析装置。
  9. 前記試薬に添付され、少なくとも前記試薬の保存湿度管理値及び前記試薬の保存湿度が該保存湿度管理値を逸脱してからの許容期間を示す試薬情報が記録されるバーコードと、
    前記バーコードに記録された試薬情報を読み出す読出し手段と、をさらに具備し、
    前記時間計測手段は、前記湿度計測手段により計測された保存湿度が、前記読出し手段により読み出された試薬情報が示す保存湿度管理値を逸脱してからの経過時間を計測し、
    前記検出手段は、前記時間計測手段により計測された経過時間が、前記読出し手段により読み出された試薬情報が示す許容期間を超過したか否かを検出することを特徴とする請求項乃至のいずれか一項に記載の自動分析装置。
  10. 前記経過時間が前記許容期間を超過した場合に、当該試薬が収容されている容器とは別の試薬容器に収容されている前記試薬と同一種類の試薬を分注し、又は前記測定を中止し、又は前記測定の結果に警告情報を付与する請求項乃至のいずれか一項に記載の自動分析装置。
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