JP4414765B2 - プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離やエッチング、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、成膜、めっき前処理、コーティング前処理、各種材料・部品の表面改質などの表面処理に利用されるプラズマ処理装置、及びこれを用いたプラズマ処理方法に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに好適に応用されるものである。
背景技術
従来より、一対の電極を対向させて配置することによって電極間の空間を放電空間として形成し、放電空間にプラズマ生成用ガスを供給すると共に電極間に電圧を印加することによって、放電空間で放電を発生させてプラズマを生成し、放電空間からプラズマあるいはプラズマの活性種を吹き出して被処理物に吹き付けることによって、被処理物に表面改質などプラズマ処理を施すことが行われている。
例えば、特開2001−126898号公報に記載されているような吹き出し型のプラズマ処理方法においては、プラズマ処理の速度などの処理性能を向上させるために、主として13.56MHzの高周波電圧を電極間に印加するようにしており、高周波電源に接続されたインピーダンス整合器を介して電極に電力が供給されている。
しかし、上記のような高周波電圧を電極間に印加すると、プラズマ処理能力が向上すると同時に放電空間から吹き出されるプラズマの温度も高くなるという問題があり、プラズマの熱により被処理物が熱的損傷を受けるために、耐熱性のないフィルムなどのプラズマ処理に上記のプラズマ処理方法を利用することができなかった。また、高周波電源となる電源装置やインピーダンス整合器は高価であり、しかも、インピーダンス整合器を反応容器や電極の近傍に配置する必要があるために、プラズマ処理装置の設計の自由度が低いものであった。
そこで、電極間に印加する電圧の周波数(プラズマの点灯用周波数)を下げることが考えられており、これにより、プラズマの温度を低下させることができて被処理物の熱的損傷を少なくすることができるものであり、また、電源を構成する半導体素子として比較的安価なものを利用することができるために、電源装置の価格を低くすることが可能となり、しかも、インピーダンス整合(器)の必要性がなくなり、その結果、電源から電極までのケーブル長さを長くすることが可能となるため、プラズマ処理装置の設計の自由度が高くなるものである。
しかしながら、電極間に印加する電圧の周波数を単に下げただけでは、十分なプラズマ処理能力を得られないものであった。また、プラズマの温度を低下させるために、電極への印加電力を低下させることも考えられるが、この場合は安定な放電を維持しにくくなると共に十分なプラズマ処理能力を得られない恐れがあった。
また、Mechanisms Controlling the Transitionfrom Glow Silent Discharge to Streamer Discharge in Nitrogen(Nicolas Gherardi and Francoise Massines,IEEETRANSACTIONS ON PLASMA SCIENCE,VOL.29,NO.3,PAGE536-544,JUNE2001)では、窒素雰囲気において均一なグロー状の放電が得られる条件を求めており、周波数(大凡10kHz以下)と印加電圧の関係が示されている。
本願発明者らの研究によれば、この文献中に示された条件範囲を吹き出し型のプラズマ処理装置に適用した場合、プラズマ処理性能が非常低く、工業的な用途には適さない。プラズマ処理性能を高めるためには、プラズマ生成のために印加する電圧の周波数を高くすることが必要である。
しかしながら、13.56MHzに代表されるような高周波まで周波数を高くすると、プラズマの温度も高くなるという問題があり、プラズマの熱により被処理物が熱的損傷を受けるために、耐熱性のないフィルムなどのプラズマ処理に上記のプラズマ処理方法を利用することができなかった。
発明の開示
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的は、安定な放電を維持すると共に十分なプラズマ処理能力を得ることができ、しかもプラズマの温度を低下させることができるプラズマ処理装置及びプラズマ処理方法を提供することにある。
すなわち、本発明のプラズマ処理装置は、複数の電極を並設して電極間に放電空間を形成し、少なくとも一つの電極の放電空間側に誘電体を設け、放電空間にプラズマ生成用ガスを供給すると共に電極間に電圧を印加することによって、放電空間において大気圧近傍の圧力下で放電を生じさせ、この放電によって生成されたプラズマを放電空間から吹き出すプラズマ処理装置において、電極間に印加する電圧の波形を休止時間のない交番電圧波形とすると共にこの交番電圧波形の立ち上がり時間および立ち下がり時間の少なくとも一方を100μsec以下、繰り返し周波数を0.5〜1000kHz、電極間に印加される電界強度を0.5〜200kV/cmとし、両電極とも接地に対して浮いた状態となるように前記電圧を印加することが好ましい
これによれば、安定な放電を維持すると共に十分なプラズマ処理能力を得ることができ、しかもプラズマの温度を低下させることができるものである。すなわち、誘電体バリア放電を利用してプラズマ処理を行うことによって、Heが不要となってプラズマ処理にかかるコストを低く抑えることができ、また、放電空間への投入電力を大きくすることが可能となってプラズマ密度を高くすることができ、プラズマ処理の能力を高くすることができるものであり、しかも、立ち上がり時間を100μsec以下とすることによって、ストリーマが放電空間に一様に発生し易くなって放電空間におけるプラズマ密度の均一性を高くすることができ、均一なプラズマ処理を行うことができるものである。また、交番電圧波形の繰り返し周波数を0.5〜1000kHzにするので、アークやプラズマ温度が上昇してしまうと言った問題を防止することができると共に誘電体バリア放電のプラズマ密度を高くすることができ、被処理物への損傷や放電不良を防止しながらプラズマ処理の能力を高くすることができるものである。また、電極間に印加される電界強度を0.5〜200kV/cmにするので、アークを防止することができると共に誘電体バリア放電のプラズマ密度を高くすることができ、被処理物への損傷を防止しながらプラズマ処理の能力を高くすることができるものである。
さらに、両電極とも接地に対して浮いた状態となるように電圧を印加するので、接地に対するプラズマの電圧を低くすることが可能となり、プラズマと被処理物との間に発生する絶縁破壊を防止することが可能となる。結果として、プラズマから被処理物に対するアークの発生を防止して被処理物のアークによる損傷を防止することができる。
上記プラズマ処理装置において、電極間に印加する休止時間のない交番電圧波形の電圧にパルス状の高電圧を重畳するのが好ましい。この場合は、放電空間内で電子が加速されて高エネルギの電子を生成することができ、この高エネルギの電子により放電空間内のプラズマ生成用ガスを効率よく電離、励起させることができて高密度のプラズマを生成することが可能となり、プラズマ処理の効率を高めることができるものである。
上記プラズマ処理装置において、パルス状の高電圧を交番電圧波形の電圧極性が変化した直後より所定時間経過した後に重畳するのが好ましい。この場合は、放電空間内での電子の加速状況を変化させることができ、従って、パルス状の高電圧を電極間に印加するタイミングを変化させることにより、放電空間内でのプラズマ生成用ガスの電離、励起状態を制御することが可能となり、所望のプラズマ処理に適したプラズマ状態を容易に作り出すことができるものである。
上記プラズマ処理装置において、パルス状の高電圧を交番電圧波形の1周期内に複数重畳するのが好ましい。この場合は、放電空間内での電子の加速状況を変化させ易くするものであり、従って、パルス状の高電圧を電極間に印加するタイミングを変化させることにより、放電空間内でのプラズマ生成用ガスの電離、励起状態をより制御しやすくなって、所望のプラズマ処理に適したプラズマ状態をさらに容易に作り出すことができるものである。
上記プラズマ処理装置において、パルス状の高電圧の立ち上がり時間を0.1μsec以下とするのが好ましい。この場合は、放電空間内の電子のみを効率よく加速することができ、放電空間内でプラズマ生成用ガスを効率よく電離、励起することができて高密度のプラズマの生成が可能となり、プラズマ処理の効率を高めることができるものである。
上記プラズマ処理装置において、パルス状の高電圧の波高値を交番電圧波形の最大電圧値以上とするのが好ましい。この場合は、放電空間内でプラズマ生成用ガスを効率よく電離、励起することができて高密度のプラズマの生成が可能となり、プラズマ処理の効率を高めることができるものである。
上記プラズマ処理装置において、電極間に印加する休止時間のない交番電圧波形を、複数種の周波数の交番電圧波形を重ね合わせて形成するのが好ましい。この場合は、高周波成分の周波数の電圧により、放電空間内の電子が加速されて高エネルギの電子を生成することができ、この高エネルギの電子により放電空間内でプラズマ生成用ガスを効率よく電離、励起することができて高密度のプラズマの生成が可能となり、プラズマ処理の効率を高めることができるものである。
上記プラズマ処理装置において、電極間に電圧を印加することによって放電空間に形成される電界が放電空間におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ平行に形成されるように電極を配置するのが好ましい。この場合は、放電空間内の放電中に発生するストリーマの電流密度が上昇するため、プラズマ密度が高くなり、プラズマ処理性能が向上するものである。
上記プラズマ処理装置において、電極間に電圧を印加することによって放電空間に形成される電界が放電空間におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ直交する方向に形成されるように電極を配置するのが好ましい。この場合は、ストリーマが電極面内で均一に生成されるため、プラズマ処理の均一性が向上するものである。
上記プラズマ処理装置において、放電空間に供給されたプラズマ生成用ガスの一部が滞留可能な鍔部を電極間に設けるのが好ましい。この場合は、電極の対向面内すべてが放電する空間となり、反応容器の外部で電極間にアークが発生しないようにすることができ、電極間に投入した電力が放電のために使用されることになり、プラズマを効率よく且つ安定して生成することができるものである。また、鍔部では電極の対向面での放電であるため、放電開始電圧を低くすることができ、プラズマの点灯を確実に行うことができるものである。更に、放電空間で発生するプラズマに鍔部で発生したプラズマも加えられるために、プラズマ処理性能を向上させることができるものである。
また、本発明の別の目的は、上記目的を達成するために以下の構成を含むプラズマ処理装置を提供することにある。すなわち、本発明のプラズマ処理装置は、片側が吹き出し口として開放された反応容器と少なくとも一対の電極とを具備して構成され、反応容器にプラズマ生成用ガスを導入すると共に電極間に電圧を印加することにより、大気圧近傍の圧力下で反応容器内にプラズマを生成し、反応容器の吹き出し口からプラズマを吹き出すプラズマ処理装置において、電極間に電圧を印加することによって放電空間に形成される電界が放電空間におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ平行に形成されるように電極を配置すると共に、反応容器の外側において電極間に鍔部を設けることを特徴とする。
本発明によれば、安定な放電を維持すると共に十分なプラズマ処理能力を得ることができ、しかもプラズマの温度を低下させることができるものである。すなわち、誘電体バリア放電を利用してプラズマ処理を行うことによって、Heが不要となってプラズマ処理にかかるコストを低く抑えることができ、また、放電空間への投入電力を大きくすることが可能となってプラズマ密度を高くすることができ、プラズマ処理の能力を高くすることができるものであり、しかも、反応容器の外側における電極間で直接絶縁破壊が発生するのを防止することが可能となり、反応容器の内部の放電空間でプラズマを点火させて安定して生成することができると共にアークやプラズマ温度が上昇してしまうと言った問題を防止して、プラズマ処理装置として確実に動作させてプラズマ処理を行うことができるものである。
上記プラズマ処理装置において、電極間に印加する電圧の波形を休止時間のない交番電圧波形またはパルス状の波形とするのが好ましい。この場合は、安定な放電を維持すると共に十分なプラズマ処理能力を得ることができ、しかもプラズマの温度を低下させることができるものである。すなわち、誘電体バリア放電を利用してプラズマ処理を行うことによって、Heが不要となってプラズマ処理にかかるコストを低く抑えることができ、また、放電空間への投入電力を大きくすることが可能となってプラズマ密度を高くすることができ、プラズマ処理の能力を高くすることができるものである。
上記プラズマ処理装置において、休止時間のない交番電圧波形またはパルス状の波形の立ち上がり時間を100μsec以下とするのが好ましい。ストリーマが放電空間に一様に発生し易くなって放電空間におけるプラズマ密度の均一性を高くすることができ、均一なプラズマ処理を行うことができるものである。
上記プラズマ処理装置において、休止時間のない交番電圧波形またはパルス状の波形の立ち下がり時間を100μsec以下とするのが好ましい。この場合は、ストリーマが放電空間に一様に発生し易くなって放電空間におけるプラズマ密度の均一性を高くすることができ、均一なプラズマ処理を行うことができるものである。
上記プラズマ処理装置において、休止時間のない交番電圧波形またはパルス状の波形の繰り返し周波数を0.5〜1000kHzにするのが好ましい。この場合は、アークやプラズマ温度が上昇してしまうと言った問題を防止することができると共に誘電体バリア放電のプラズマ密度を高くすることができ、被処理物への損傷や放電不良を防止しながらプラズマ処理の能力を高くすることができるものである。
上記プラズマ処理装置において、電極間に印加される電界強度を0.5〜200kV/cmにするのが好ましい。この場合は、アークを防止することができると共に誘電体バリア放電のプラズマ密度を高くすることができ、被処理物への損傷を防止しながらプラズマ処理の能力を高くすることができるものである。
上記プラズマ処理装置において、放電空間の一部の寸法を狭くするのが好ましい。この場合は、ストリーマが反応容器の内面を走り回って発生するのを抑制することができて吹き出し口からジェット状のプラズマが振れて吹き出されるのを防止することができるものであり、プラズマ処理のムラを低減することができるものである。
上記プラズマ処理装置において、電極と鍔部の間に充填材を設けることによって、充填材を介して電極と鍔部とを密着させるのが好ましい。この場合は、電極と鍔部の隙間を完全に塞ぐことができてコロナ放電を防止することが可能となり、電極の腐食を防止することができて電極の長寿命化を図ることができるものである。
上記プラズマ処理装置において、プラズマ生成用ガスが、希ガス、窒素、酸素、空気、水素の単独あるいは混合ガスであるのが好ましい。この場合は、希ガスや窒素のプラズマ生成用ガスにより被処理物の表面改質などのプラズマ処理を行うことができ、酸素のプラズマ生成用ガスにより有機物の除去などのプラズマ処理を行うことができ、空気のプラズマ生成用ガスにより被処理物の表面改質や有機物の除去などのプラズマ処理を行うことができ、水素のプラズマ生成用ガスにより金属酸化物の還元のプラズマ処理を行うことができ、希ガスと酸素の混合ガスのプラズマ生成用ガスにより被処理物の表面改質や有機物の除去などのプラズマ処理を行うことができ、希ガスと水素の混合ガスのプラズマ生成用ガスにより金属酸化物の還元のプラズマ処理を行うことができるものである。
上記プラズマ処理装置において、プラズマ生成用ガスが、希ガス、窒素、酸素、空気、水素の単独あるいは混合ガスに、CF、SF、NFの単独あるいは混合ガスを2〜40%の体積比率となるよう混合することが好ましい。この場合は、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCDの表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングや、シリコンやレジストのエッチング、アッシングなどを効率よく行うことができる。
上記プラズマ処理装置において、プラズマ生成用ガスが窒素に対して1%以下の体積比率となるように酸素を混合した混合ガスであるのが好ましい。この場合は、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCDの表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングなどを効率よく行うことができる。
上記プラズマ処理装置において、プラズマ生成用ガスが窒素に対して4%以下の体積比率となるように空気を混合した混合ガスであるのが好ましい。この場合は、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCDの表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングなどを効率よく行うことができる。
上記プラズマ処理装置において、未放電時において吹き出し口から吹き出されるプラズマ生成用ガスのガス流速が2〜100m毎秒となるように、放電空間にプラズマ生成用ガスを供給するのが好ましい。この場合は、異常放電や改質効果が低下することなく、高いプラズマ処理効果を得ることができる。
さらに、本発明は、上記プラズマ処理装置を用いたプラズマ処理方法を提供することを目的とする。本発明のプラズマ処理方法によれば、安定な放電を維持すると共に十分なプラズマ処理能力を得ることができ、しかもプラズマの温度を低下させることができる。
本発明のさらなる特徴およびそれがもたらす効果は,以下に述べる発明の詳細な説明および実施例から理解されるだろう。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1に本発明のプラズマ処理装置の参考例の一例を示す。このプラズマ処理装置は反応容器10と複数(一対)の電極1、2とを備えて形成されている。
反応容器10は高融点の誘電体材料(絶縁体材料)で形成されるものであって、例えば、石英ガラス、アルミナ、イットリア、ジルコニウムなどのガラス質材料やセラミック材料などで形成することができるが、これらの材料に限定されるものではない。また、反応容器10は上下方向に長い真っ直ぐな略円筒状に形成されるものであり、反応容器10の内部の空間は上下方向に長いガス流路20として形成されている。ガス流路20の上端はガス導入口11として反応容器10の上面において全面に亘って開口されていると共にガス流路20の下端は吹き出し口12として反応容器10の下面において全面に亘って開口されている。反応容器10は内径を例えば0.1〜10mmに形成することができる。内径が0.1mmよりも小さいと、プラズマ生成領域が狭くなり過ぎ、効率的なプラズマが生成されない。また、10mmよりも大きいと、プラズマ生成部でのガス流速が遅くなるため、効率的なプラズマを生成するために、多量のガスが必要となり、工業的に見た場合全体の効率が低下する。本願発明者らの研究によれば、できるだけ少ないガス流量で効率的なプラズマを生成できる範囲としては、0.2〜2mmが好ましい範囲であった。また、図21や図25に示されるような幅方向に長い反応容器10の場合は、狭い側(厚み方向)が上記内径に相当し、厚みは0.1〜10mm、より好ましくは0.2〜2mmに設定することができる。
電極1、2は銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼(SUS304など)、チタン、13クロム鋼、SUS410などの導電性の金属材料を用いてドーナツ形状に形成されている。また、電極1、2の内部には冷却水循環路を設けることができ、この冷却水循環路に冷却水を通して循環させることによって電極1、2が冷却可能に形成されている。さらに、電極1、2の表面(外面)には腐食の防止等の目的で金メッキ等のメッキを施すことができる。
電極1、2はその内周面を反応容器10の外周面に全周に亘って密着させるようにして反応容器10の外側に設けられている。また、電極1、2は反応容器10の長手方向すなわち上下方向に対向するように並べて配置されており、反応容器10の内部において、上側の電極1の上端と下側の電極2の下端との間に対応する部分が放電空間3として形成されている。すなわち、上側の電極1の上端と下側の電極2の下端との間に位置するガス流路20の一部分が放電空間3として形成されている。従って、両方の電極1、2の放電空間3側には誘電体4である反応容器10の側壁が設けられていることになる。また、放電空間3はガス導入口11及び吹き出し口12と連通している。また、プラズマ生成用ガスはガス導入口11から吹き出し口12に向かってガス流路20を流れるものであり、電極1、2はガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略平行な方向に並べて配設されている。
上記電極1、2には電圧を発生する電源13が接続されており、上側の電極1が高圧電極として、下側の電極2が低圧電極として形成されている。また、下側の電極2が接地されている場合、下側の電極2は接地電極として形成されるものである。尚、電極1、2の間隔はプラズマを安定に生成するために3〜20mmに設定するのが好ましい。そして、この電源13により電極1、2間に電圧を印加することによって、電極1、2を通じて放電空間3に交番あるいはパルス状の電界を印加することができるものである。交番(交流)の電界は休止時間(電圧がゼロで定常状態になっている時間)が無いかほとんど無い電界波形(例えば、正弦波)を有するものであり、パルス状の電界は休止時間のある電界波形を有するものである。
上記のプラズマ処理装置を用いてプラズマ処理を行うにあたっては、次のようにして行う。ガス導入口11から反応容器10のガス流路20にプラズマ生成用ガスを導入すると共にプラズマ生成用ガスをガス流路20内で上から下に流すことによってプラズマ生成用ガスを放電空間3に導入して供給する。一方、電極1、2の間には電圧が印加されており、これにより、放電空間3において大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa(700〜800Torr))で放電が生じる。また、この放電により放電空間3に供給されたプラズマ生成用ガスがプラズマ化されて放電空間3に活性種を含むプラズマ5が生成される。そして、このように生成されたプラズマ5を放電空間3から吹き出し口12を通じて下方に連続的に吹き出し、吹き出し口12の下側に配置された被処理物の表面にジェット状のプラズマ5を吹き付けるようにする。このようにして被処理物のプラズマ処理を行うことができる。
反応容器10の下面において全面に亘って開口されている吹き出し口12と被処理物との距離は、プラズマ生成密度とガス流量によって調整可能であるが、1〜20mmに設定することが可能である。1mmよりも近い領域では、被処理物を搬送させた際、搬送時の上下の振動や、被処理物そのものの変形、反りなどによって反応容器10に接触する可能性がある。また、20mmよりも遠くなるとプラズマ処理効果が低下する。本願発明者らの研究によれば、できるだけ少ないガス流量で効率的なプラズマを生成できる範囲としては、2〜10mmが好ましい範囲であった。
本発明において、放電空間3で生じている放電は誘電体バリア放電である。誘電体バリア放電の基礎的な特性について以下に説明する(参考文献:林泉著「高電圧プラズマ工学」P35、丸善株式会社)。誘電体バリア放電は、対をなす(一対の)電極1、2を対向配置して電極1、2の間に放電空間3を形成し、図2Aに示すように両方の電極1、2の放電空間3側の表面に誘電体(固体誘電体)4を設けて電極1、2の放電空間3側の表面を覆ったり、図2Bに示すように一方の電極1(電極2であってもよい)の放電空間3側の表面に誘電体4を設けて電極1の放電空間3側の表面を覆ったりすることによって、電極1、2間で直接放電が起こらないようにした状態にし、この状態で電源13により電極1、2間に交番電圧を印加することによって放電空間3で生じる放電現象である。このように放電空間3を1気圧程度の気体で満たして電極1、2間に交番高電圧を加えると、図3に示すように、放電空間3において、電界と平行方向に無数のきわめて細い光の筋が一様に発生する。光の筋はストリーマ9によるものである。ストリーマ9の電荷は電極1、2が誘電体4で覆われているために、電極1、2に流れ込めず、よって、放電空間3中の電荷は電極1、2の表面の誘電体4に蓄積される(これを壁電荷と呼ぶ)。
この壁電荷による電界は、図7Aの状態では電源13から供給されている交番電界と逆方向となるため、壁電荷が増加すると放電空間3の電界が低下して誘電体バリア放電が停止する。しかし、次の電源13の交番電圧の半サイクル(図7Bの状態)では、壁電荷による電界と電源13から供給されている交番電界との方向が一致するため、容易に誘電体バリア放電が発生する。つまり、一度、誘電体バリア放電が開始すると、後は比較的低い電圧で誘電体バリア放電を維持することができるものである。
誘電体バリア放電に生じている無数のストリーマ9は、放電空間3で生じている誘電体バリア放電そのものであるため、ストリーマ9の発生数及び各ストリーマ9に流れている電流値がプラズマ密度に影響する。誘電体バリア放電における電流−電圧特性の一例を図4に示す。この電流−電圧特性から明らかなように、誘電体バリア放電における電流波形(ギャップ電流の波形)は、正弦波状の電流波形にスパイク状の電流が重畳されたものになっており、このスパイク状の電流がストリーマ9が発生した時に放電空間3に流れている電流である。尚、図4における(1)は印加電圧の波形を、(2)はギャップ電流の波形をそれぞれ示す。
誘電体バリア放電の等価回路を図5に示す。図中の各記号は次の通りである。
Cd:電極1、2の表面の誘電体4の静電容量
Cg:放電空間3(放電ギャップ部)の等価静電容量
Rp:プラズマインピーダンス
放電空間3に発生する無数のストリーマ9は、図中のスイッチSがON−OFFすることによってRpに電流が流れることに相当する。先に述べたように、プラズマ密度はストリーマ9の発生数及び各ストリーマ9に流れている電流値に影響を受けるため、等価回路的にはスイッチSのON−OFFの頻度及びON時間及びON時間中の電流値で規定される。
この等価回路を用いて、誘電体バリア放電の動作を簡単に説明する。図6に電源13による印加電圧波形及びCgとRpの電流波形の模式図を示す。Cgに流れる電流は放電空間3の等価コンデンサの充放電電流であるため、プラズマ密度を決定する電流とはならない。これに対して、スイッチSがONした瞬間にRpに流れる電流は、ストリーマ9そのものの電流であるため、この電流の持続時間と電流値が大きい程、プラズマ密度が高くなる。
上記のように誘電体バリア放電は、壁電荷が増加して放電空間3の電界が低下すると停止する。よって、電極1、2への印加電圧が最大値を超えて低下する領域(図6のA1の領域)あるいは電極1、2への印加電圧が最小値を超えて増加する領域(図6のA2の領域)では誘電体バリア放電は発生せず、電源13により印加される交番電圧の極性が反転する迄の期間はコンデンサの充放電電流のみが流れることになる。従って、電極1、2への印加電圧が最小値を超えて増加する領域A2の時間あるいは電極1、2への印加電圧が最大値を超えて低下する領域A1の時間を短くすることにより、誘電体バリア放電が停止する時間が短くなってプラズマ密度を高くすることができ、プラズマ処理能力(効率)を高くすることができるものである。
プラズマ生成用ガスとしては、希ガス、窒素、酸素、空気、水素から選ばれる単独ガスあるいは複数種の混合ガスを用いることができる。空気としては、好ましくは水分をほとんど含まない乾燥空気を用いることができる。本発明においてグロー放電でない誘電体バリア放電を利用する場合は、希ガスなどの特殊なガスを用いる必要が無く、プラズマ処理にかかるコストを低く抑えることができるものである。また、誘電体バリア放電を安定して発生させるなどの理由でプラズマ生成用ガスとしてHe以外の希ガスあるいはHe以外の希ガスと反応ガスの混合気体を用いることができる。希ガスとしては、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮するとアルゴンを用いるのが好ましい。このように本発明においてグロー放電でない誘電体バリア放電を利用する場合は、希ガスとしてヘリウムを用いる必要が無く、プラズマ処理にかかるコストを低く抑えることができるものである。反応ガスの種類は処理の内容によって任意に選択することができる。例えば、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCDの表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングなどを行う場合は、酸素、空気、CO、NOなどの酸化性ガスを用いるのが好ましい。また、反応ガスとしてCF、SF、NFなどのフッ素系ガスも適宜用いることができ、シリコンやレジストなどのエッチング、アッシングを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また金属酸化物の還元を行う場合は、水素、アンモニアなどの還元性ガスを用いることができる。
反応ガスの添加量は希ガスの全量に対して10体積%以下、好ましくは0.1〜5体積%の範囲である。反応ガスの添加量が0.1体積%未満であれば、処理効果が低くなる恐れがあり、反応ガスの添加量が10体積%を超えると、誘電体バリア放電が不安定になる恐れがある。
プラズマ生成用ガスとして、希ガス、窒素、酸素、空気、水素の単独あるいは混合ガスに、CF、SF、NF等のフッ素系のガスの単独あるいは混合ガスを配合して用いる場合には、フッ素系のガスがプラズマ生成用ガスの全量に対して2〜40%の体積比率となるよう混合することが好ましい。2%以下では充分な処理効果が得られず、40%以上になると、放電が不安定になる恐れがある。
プラズマ生成用ガスとして窒素と酸素の混合ガスを用いる場合は窒素に対して1%以下、0.005%以上の体積比率となるように酸素を混合するのが好ましい。また、プラズマ生成用ガスとして窒素と空気の混合ガスを用いる場合は窒素に対して4%以下、0.02%以上の体積比率となるように空気を混合するのが好ましい。このような場合は、被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCDの表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングなどを効率よく行うことができる。
尚、二種類以上のガスを混合してプラズマ5を生成する場合、二種類以上のガスを放電空間3に導入する前に予め混合しておいても良いし、あるいは一種又は複数種のガスにより生成されて吹き出し口12から吹き出すプラズマ5に他のガスを混合するようにしても良い。
本発明では、電極1、2間に印加する電圧の波形を休止時間のない交番電圧波形とすることができる。本発明で用いる休止時間のない交番電圧波形は、例えば、図8A乃至図8D及び図9A乃至図9Eに示すような経時変化を示すものである(横軸を時間tとする)。図8Aのものは正弦波形である。図8Bのものは振幅で示される電圧変化の立ち上がり(電圧がゼロクロスから最大値に達するまでの間)が短時間で急激に起こり、電圧変化の立ち下がり(電圧が最大値からゼロクロスに達するまでの間)が立ち上がりよりも長い時間で緩やかに起こるものである。図8Cのものは電圧変化の立ち下がりが短時間で急激に起こり、電圧変化の立ち上がりが立ち下がりよりも長い時間で緩やかに起こるものである。図8Dのものは振動波形であって、一定の周期で減衰、増加していく振動波を繰り返し単位周期とし、この繰り返し単位周期が連続しているものである。図9Aのものは矩形波形である。図9Bのものは電圧変化の立ち下がりが短時間で急激に起こり、電圧変化の立ち上がりが階段状であって立ち下がりよりも長い時間で緩やかに起こるものである。図9Cのものは電圧変化の立ち上がりが短時間で急激に起こり、電圧変化の立ち下がりが階段状であって立ち下がりよりも長い時間で緩やかに起こるものである。図9Dのものは振幅変調波形である。図9Eのものは減衰振動波形である。
この交番電圧波形の立ち上がり時間と立ち下がり時間の少なくとも一方、好ましくは両方を100μsec以下にする。立ち上がり時間と立ち下がり時間の両方が100μsec以上であると、放電空間3におけるプラズマ密度を高くすることができず、プラズマ処理能力が低くなり、また、ストリーマ9が放電空間3に一様に発生しにくくなって、均一なプラズマ処理を行うことができなくなる。尚、立ち上がり時間と立ち下がり時間は短いほど好ましいので、特に下限は設定されないが、現在入手できる電源13で最も立ち上がり時間と立ち下がり時間を短くすることができるものは40nsec程度であり、これが実質的な下限となる。しかしながら、将来的な技術開発により40nsecよりも短い立ち上がり時間と立ち下がり時間が実現できれば、40nsecよりも短い時間にするのが好ましい。立ち上がり時間と立ち下がり時間は好ましくは20μsec以下、より好ましくは5μsec以下にすることができる。
また、本発明では図10Aに示すように、電極1、2間に印加する休止時間のない交番電圧波形の電圧にパルス状の高電圧を重畳するように電極1、2間に印加してしてもよい。このようにパルス状の高電圧を交番電圧波形の電圧に重畳することによって、放電空間3内で電子が加速されて高エネルギの電子を生成することができ、この高エネルギの電子により放電空間3内のプラズマ生成用ガスを効率よく電離、励起させることができて高密度のプラズマを生成することが可能となり、プラズマ処理の効率を高めることができるものである。
このようにパルス状の高電圧を交番電圧波形の電圧に重畳する場合、パルス状の高電圧を交番電圧波形の電圧極性が変化した直後より所定時間経過した後に重畳し、重畳するパルス状の高電圧を印加する時間を変化させるのが好ましく、これにより、放電空間3内での電子の加速状況を変化させることができる。従って、パルス状の高電圧を電極1、2間に印加するタイミングを変化させることにより、放電空間3内でのプラズマ生成用ガスの電離、励起状態を制御することが可能となり、所望のプラズマ処理に適したプラズマ状態を容易に作り出すことができるものである。
また、図10Bに示すように、パルス状の高電圧を交番電圧波形の1周期内に複数重畳してもよく、これにより、図10Aの場合よりも放電空間3内での電子の加速状況を変化させ易くするものである。従って、パルス状の高電圧を電極1、2間に印加するタイミングを変化させることにより、放電空間3内でのプラズマ生成用ガスの電離、励起状態をより制御しやすくなって、所望のプラズマ処理に適したプラズマ状態をさらに容易に作り出すことができるものである。
また、上記のように重畳するパルス状の高電圧の立ち上がり時間は0.1μsec以下にするのが好ましい。重畳するパルス状の高電圧の立ち上がり時間が0.1μsecを超えると、放電空間3内のイオンもパルス状の電圧に追従して動くことが可能となり、電子のみを効率よく加速することができなくなる恐れがある。従って、パルス状の高電圧の立ち上がり時間を0.1μsec以下にすることによって、放電空間3内でプラズマ生成用ガスを効率よく電離、励起することができ、高密度のプラズマの生成が可能となってプラズマ処理の効率を高めることができるものである。尚、重畳するパルス状の高電圧の立ち下がり時間も0.1μsec以下にするのが好ましい。
また、パルス状の高電圧の波高値は交番電圧波形の最大電圧値以上とするのが好ましい。パルス状の高電圧の波高値が交番電圧波形の最大電圧値未満の場合、パルス状の高電圧の重畳効果が低くなり、パルス状の電圧を重畳しない場合とほぼ同じプラズマ状態となる。従って、パルス状の高電圧の波高値は交番電圧波形の最大電圧値以上とすることにより、放電空間3内でプラズマ生成用ガスを効率よく電離、励起することができて高密度のプラズマの生成が可能となり、プラズマ処理の効率を高めることができるものである。
また、本発明の電極1、2間に印加する休止時間のない交番電圧波形は、複数種の周波数の交番電圧波形を重ね合わせて形成し、図8A〜図8D、図9A〜図9Eのような波形にするのが好ましく、これにより、高周波成分の周波数の電圧により、放電空間3内の電子が加速されて高エネルギの電子を生成することができ、この高エネルギの電子により放電空間3内でプラズマ生成用ガスを効率よく電離、励起することができ、高密度のプラズマの生成が可能となってプラズマ処理の効率を高めることができるものである。
また、電極1、2間に印加される休止時間のない交番電圧波形の電圧の繰り返し周波数は、0.5〜1000kHzに設定するのが好ましい。この繰り返し周波数が0.5kHz未満であれば、単位時間内でのストリーマ9の発生数が少なくなるために、誘電体バリア放電のプラズマ密度が低くなってしまいプラズマ処理能力(効率)が低下する恐れがあり、一方、上記の繰り返し周波数が1000kHzよりも高くなると、単位時間内に発生するストリーマ9が増加するために、プラズマ密度は増加するものの、アークが発生しやすくなると共にプラズマ温度が上昇してしまう。
また、電極1、2間に印加される休止時間のない交番電圧波形の電界強度は、電極1、2の間隔(ギャップ長)やプラズマ生成用ガスの種類あるいはプラズマ処理の対象物(被処理物)の種類などによっても変化するが、0.5〜200kV/cmに設定するのが好ましい。電界強度が0.5kV/cm未満であれば、誘電体バリア放電のプラズマ密度が低くなってしまいプラズマ処理能力(効率)が低下する恐れがあり、一方、上記の電界強度が200kV/cmより大きくなると、アークが発生しやすくなって被処理物に損傷を与える恐れがある。
そして、本発明のプラズマ処理装置では、誘電体バリア放電により多数のストリーマ9からなるプラズマ5を生成し、このプラズマ5を被処理物の表面に供給してプラズマ処理を行なうので、グロー放電を発生させるために用いていたHeを不要にすることができ、プラズマ処理にかかるコストを低く抑えることができるものである。また、グロー放電ではなく誘電体バリア放電を利用するので、放電空間3への投入電力を大きくすることが可能となってプラズマ密度を高くすることができ、プラズマ処理能力を高くすることができるものである。すなわち、グロー放電では電圧の半サイクルに1回だけ電流パルスの形で電流が流れるのに対し、誘電体バリア放電ではストリーマ9に対応する形で多数の電流パルスが生じる。従って、誘電体バリア放電では投入電力を大きくすることが可能となる。尚、従来のようにグロー放電を用いたプラズマ処理では放電空間3に投入される電力は約2W/cm程度が限界であったが、本発明では約5W/cm程度まで放電空間3に電力を供給することができるものである。さらに、本発明では、交番電圧波形の立ち上がり時間と立ち下がり時間の少なくとも一方を100μsec以下にするので、放電空間3におけるプラズマ密度を高くすることができ、プラズマ処理能力を高くすることができるものであり、また、ストリーマ9が放電空間3に一様に発生し易くなって放電空間3におけるプラズマ密度の均一性を高くすることができ、均一なプラズマ処理を行うことができるものである。
また、本発明では電極1、2間に印加する電圧の波形をパルス状の波形とすることができる。図11Aに示すパルス状の波形は図9Aに示す波形において半周期(半波長)ごとに休止時間を設けたものである。図11Bに示すパルス状の波形は図9Aに示す波形において一周期(一波長)ごとに休止時間を設けたものである。図11Cに示すパルス状の波形は図8Aに示す波形において一周期(一波長)ごとに休止時間を設けたものである。図11Dに示すパルス状の波形は図8Aに示す波形において複数の周期ごとに休止時間を設けたものである。図11Eに示すパルス状の電圧は図8Dに示す波形において隣り合う繰り返し単位周期の間に休止時間を設けたものである。
このパルス状の波形の電圧を用いた場合も上記と同様の理由で、立ち上がり時間と立ち下がり時間の一方あるいは両方を100μsec以下とするのが好ましく、また、繰り返し周波数を0.5〜1000kHzにすることが好ましく、さらに、電界強度を0.5〜200kV/cmにすることが好ましい。そして、パルス状の波形の電圧を用いた場合も、上記の休止時間のない交番電圧波形の電圧を用いた場合と同様の効果を奏するものである。
尚、本発明において立ち上がり時間は、図12に示すように、電圧波形のゼロクロスから最大値に達する時間tで定義されるものであり、立ち下がり時間は、図12に示すように、電圧波形の最大値からゼロに達する時間tで定義されるものである。また、本発明において繰り返し周波数は、図13A、図13B、図13Cに示すように、繰り返し単位周期にかかる時間tの逆数で定義されるものである。また、本発明において電界強度は、図14A、図14Bに示すように、(電極1、2間の印加電圧V)/(電極1、2の間隔d)で定義されるものである。図14Aは電極1、2が上下に対向配置する場合であり、図14Bは後述のように電極1、2が水平方向で対向配置する場合である。
図15に本発明のプラズマ処理装置の他の参考例を示す。このプラズマ処理装置は図1に示すものにおいて、反応容器10の下部を絞り部14として形成したものであり、その他の構成は図1のものと同様である。絞り部14は下側になるほど内径及び外径が小さくなるように形成されるものであって、絞り部14の下面が吹き出し口12として全面に亘って開口されている。また、絞り部14は下側の電極2よりも下側において反応容器10に形成されているものである。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図15のプラズマ処理装置では絞り部14が設けられているので、図1のものに比べて吹き出し口12から吹き出されるプラズマ5の流速を速くすることができ、図1のものに比べてプラズマ処理能力を向上させることができる。
図16に本発明のプラズマ処理装置の実施の形態の一例を示す。このプラズマ処理装置は図1に示すものにおいて、電極1、2の間に誘電体4で形成される鍔部6を設けたものであり、その他の構成は図1のものと同様である。鍔部6は鍔状に形成されて反応容器10の外周の全周に亘って形成されるものである。また、鍔部6は反応容器10に一体に形成されており、反応容器10の筒状部分の外面から電極1、2の間に突出するように形成されている。また、図17に示すように、鍔部6の上面のほぼ全面は上側の電極1の下面全面と密着するように形成されていると共に鍔部6の下面のほぼ全面は下側の電極2の上面全面と密着するように形成されている。また、鍔部6の内部にはガス流路20の一部である上記放電空間3と連通する空間が滞留部15として設けられている。この滞留部15には上記放電空間3に供給されたプラズマ生成用ガスの一部が導入されて滞留可能に形成されている。そして、この滞留部15は電極1、2の間に位置することになって電極1、2間に電圧を印加することにより、滞留部15で放電を発生させてプラズマ5を生成することができるものである。すなわち、滞留部15も放電空間3の一部として形成されるものである。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図16のプラズマ処理装置では鍔部6が設けられているので、図1のものに比べて、電極1、2の対向面内のほぼすべてが放電する空間(滞留部15)となるため、反応容器10の外部で電極1、2間にアークが発生しないようにすることができ、電極1、2間に投入した電力が放電のために使用されることになり、プラズマを効率よく且つ安定して生成することができるものである。また、滞留部15では電極1、2の対向面での放電であるため、放電開始電圧を低くすることができ、プラズマの点灯を確実に行うことができるものである。更に、主たるガス流路20の一部である放電空間3で発生するプラズマ5に、滞留部15で発生したプラズマ5も加えられて吹き出し口12よりプラズマ5を吹き出すため、全体としてのプラズマ処理性能を向上させることができるものである。
図18に本発明のプラズマ処理装置の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は図15に示すものにおいて、図16、17に示すものと同様の鍔部6を設けて形成されるものであり、その他の構成は図15のものと同様である。図18における鍔部6も上記と同様の作用効果を奏するものである。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図19A、図19Bに本発明のプラズマ処理装置の他の参考例を示す。このプラズマ処理装置は図1に示すものにおいて、電極1、2の形状及び電極1、2の配置を変えたものであり、その他の構成は図1のものと同様である。電極1、2は上下方向(プラズマ生成用ガスの流れ方向と平行な方向)に長く形成され、外周面と内周面が円弧状に形成された板状に形成されている。また、電極1、2はその内周面を反応容器10の外周面に密着させて反応容器10の外側に配設されているが、電極1、2は反応容器10を挟んで略水平方向に対向するように配設されている。そして、反応容器10の内部において、電極1、2の間に対応する部分が放電空間3として形成されている。すなわち、電極1、2の間に位置するガス流路20の一部分が放電空間3として形成されている。従って、両方の電極1、2の放電空間3側には誘電体4である反応容器10の側壁が設けられていることになる。また、放電空間3はガス導入口11及び吹き出し口12と連通している。また、プラズマ生成用ガスはガス導入口11から吹き出し口12に向かってガス流路20を流れるものであり、電極1、2はガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略直交する方向に並べて配設されている。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図20に本発明のプラズマ処理装置の他の参考例を示す。このプラズマ処理装置は図15に示すものにおいて、電極1、2の形状及び電極1、2の配置を変えたものであり、その他の構成は図1のものと同様である。電極1は上下方向(プラズマ生成用ガスの流れ方向と平行な方向)に長い棒状に形成されている。また、電極2は上記と同様にドーナツ形状に形成されている。そして、電極1は反応容器10内のガス流路20に配置され、電極2は絞り部14の上側において反応容器10の外周面に密着させるようにして反応容器10の外側に設けられている。従って、電極1、2は反応容器10の側壁を挟んで略水平方向に対向するように配設されており、反応容器10の内部において電極1、2の間に対応する部分が放電空間3として形成されている。すなわち、反応容器10内の電極1と反応容器10外の電極2との間に位置するガス流路20の一部分が放電空間3として形成されている。従って、反応容器10の外側に設けた電極2の放電空間3側には誘電体4である反応容器10の側壁が設けられていることになる。また、プラズマ生成用ガスはガス導入口11から吹き出し口12に向かってガス流路20を流れるものであり、電極1、2は、ガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略直交する方向に並べて配設されている。尚、反応容器10内の電極1の外面には誘電体4を溶射などの方法を用いることにより誘電体4の被膜を形成することができる。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図21に本発明のプラズマ処理装置の他の参考例を示す。このプラズマ処理装置は図1に示すものにおいて、反応容器10の形状及び電極1、2の形状を変えたものであり、その他の構成は図1のものと同様である。
反応容器10は上下方向に長い真っ直ぐな略角筒状に形成されるものであり、水平面における一方向(幅方向)の長さに比べて、この一方向(幅方向)と直交する方向(厚み方向)の長さが非常に小さい扁平板状に形成されている。また、反応容器10の内部の空間は上下方向に長いガス流路20として形成されている。ガス流路20の上端はガス導入口11として反応容器10の上面において全面に亘って開口されていると共にガス流路20の下端は吹き出し口12として反応容器10の下面において全面に亘って開口されている。反応容器10は厚み方向(短手方向)の内寸法を0.1〜10mmに形成することができるが、特に、これに限定されるものではない。吹き出し口12及びガス導入口11は反応容器10の幅方向と平行な方向に長いスリット状に形成されるものである。
電極1、2は上記と同様の材料で四角枠形状に形成されている。そして、電極1、2はその内周面を反応容器10の外周面に全周に亘って密着させるようにして反応容器10の外側に設けられている。また、電極1、2は反応容器10の長手方向すなわち上下方向に対向するように並べて配置されており、反応容器10の内部において、上側の電極1の上端と下側の電極2の下端との間に対応する部分が放電空間3として形成されている。すなわち、上側の電極1の上端と下側の電極2の下端との間に位置するガス流路20の一部分が放電空間3として形成されている。従って、両方の電極1、2の放電空間3側には誘電体4で形成される反応容器10の側壁が設けられていることになる。また、プラズマ生成用ガスはガス導入口11から吹き出し口12に向かってガス流路20を流れるものであり、電極1、2はガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略平行な方向に並べて配設されている。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。尚、図1〜20のものでは被処理物の表面にプラズマ5をスポット的に吹き付けて局所的にプラズマ処理するものである。これに対して図21以降に示すのものは被処理物の表面にプラズマ5を帯状に吹き付けて幅方向の大部分を一度にプラズマ処理するものである。
図22に本発明のプラズマ処理装置の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は図21に示すものにおいて、図16、17に示すものと同様の鍔部6を設けて形成されるものであり、その他の構成は図21のものと同様である。図22における鍔部6も上記と同様の作用効果を奏するものである。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図23に本発明のプラズマ処理装置の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は図22に示すものにおいて、電極1、2の形状及び配置を変えたものであり、その他の構成は図22のものと同様である。図23における鍔部6も上記と同様の作用効果を奏するものである。電極1は一対の角棒形状の電極部材1a、1bで形成されており、電極2は一対の角棒形状の電極部材2a、2bで形成されており、各電極部材1a、1b、2a、2bは反応容器10の幅方向と平行な方向に長く形成されている。
図24に示すように、二つの電極部材1a、1bは鍔部6の上側において反応容器10の両側に配置されており、二つの電極部材1a、1bは水平方向において反応容器10を挟んで対向するように配置されている。また、二つの電極部材1a、1bはその下面が鍔部6の上面に当接していると共に反応容器10の厚み方向に対向する側壁10a、10aの外面に二つの電極部材1a、1bの一側面がそれぞれ当接されている。また、他の二つの電極部材2a、2bは鍔部6の下側において反応容器10の両側に配置されており、この二つの電極部材2a、2bは水平方向において反応容器10を挟んで対向するように配置されている。また、この二つの電極部材2a、2bはその上面が鍔部6の上面に当接していると共に反応容器10の厚み方向に対向する側壁10a、10aの外面に二つの電極部材2a、2bの一側面がそれぞれ当接されている。そして、二つの電極部材1a、2aは鍔部6を挟んで上下に対向して配置されるものであり、また、他の二つの電極部材1b、2bも鍔部6を挟んで上下に対向して配置されるものである。
上記の鍔部6を挟んで上下に対向する二つの電極部材1a、2aには上記と同様の電源13が接続されていると共に、鍔部6を挟んで上下に対向する他の二つの電極部材1b、2bには上記と同様の他の電源13が接続されている。そして、電極部材1a、2bは高圧電極として形成されており、また、電極部材1b、2aが低圧電極(接地電極)として形成されている。そして、鍔部6を挟んで上下に対向する電極部材1b、2b及び電極部材1a、2aはガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略平行な方向に並べて配設されている。また、反応容器10を挟んで水平方向で対向する電極部材1a、1b及び電極部材2a、2bはガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略直交する方向に並べて配設されている。また、反応容器10の内部において、電極部材1a、1b、2a、2bで囲まれる空間が放電空間3として形成されており、電極部材1a、1b、2a、2bの放電空間3側には誘電体4である反応容器10の側壁及び鍔部6が設けられている。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図25に本発明のプラズマ処理装置の他の参考例を示す。このプラズマ処理装置は図21に示すものにおいて、ガス導入口11の形状及び電極1、2の形状と配置を変えたものであり、その他の構成は図21のものと同様である。ガス導入口11は反応容器10の上面の略中央部に設けられており、反応容器10の幅方向と平行な方向に長いスリット状に形成されている。
電極1、2は上記と同様の金属材料で平板状に形成されている。また、電極1、2は、反応容器10の厚み方向に対向する側壁10a、10aの外面に電極1、2の一面を当接させるようにして配設されている。従って、電極1、2は反応容器10を挟んで互いに平行に対向して配設されている。そして、反応容器10の内部において、電極1、2の間に対応する部分が放電空間3として形成されている。すなわち、電極1、2の間に位置するガス流路20の一部分が放電空間3として形成されている。また、両方の電極1、2の放電空間3側には誘電体4である反応容器10の側壁10aが設けられていることになる。また、プラズマ生成用ガスはガス導入口11から吹き出し口12に向かってガス流路20を流れるものであり、電極1、2はガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略直交する方向に並べて配設されている。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図26に本発明のプラズマ処理装置の他の参考例を示す。このプラズマ処理装置は一対の電極体30を備えて形成されるものである。電極体30は上記と同様の金属材料で形成される平板状の電極1、2と、上記と同様の誘電体4で形成されるカバー材31とで構成されている。カバー材31は電極1、2の表面に誘電体4を溶射などの方法を用いることによって形成されるものであり、電極1、2の正面と上端面と下端面及び背面の一部を覆うようにしてカバー材31は形成されている。
上記の一対の電極体30は間隙を介して互いに対向するように配置されている。また、電極1、2には上記と同様の電源が接続されている。この時、電極1、2の面方向が上下方向となっており、電極1、2が互いに平行に対向配置されている。また、電極体30はカバー材31で覆った正面側を対向させるように配置されている。そして、対向する一対の電極体30の間の間隙がガス流路20として形成されており、このガス流路20において対向する電極1、2の間に対応する部分が放電空間3として形成されている。すなわち、電極1、2の間に位置するガス流路20の一部分が放電空間3として形成されている。従って、両方の電極1、2の放電空間3側には誘電体4であるカバー材31が設けられていることになる。また、ガス流路20の上端はガス導入口11として開口されていると共にガス流路20の下端は吹き出し口12として開口されており、放電空間3はガス導入口11及び吹き出し口12と連通している。また、プラズマ生成用ガスはガス導入口11から吹き出し口12に向かってガス流路20を流れるものであり、電極1、2はガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略直交する方向に並べて配設されている。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図27に本発明のプラズマ処理装置の他の参考例を示す。このプラズマ処理装置は一対の端部電極体35と中央電極体36を備えて形成されるものである。端部電極体35は上記の電極体30と同様に形成されるものであり、平板状の電極1と誘電体4で形成されるカバー材31とで構成されている。カバー材31は電極1の表面に誘電体4を溶射などの方法を用いることによって形成されるものであり、電極1の正面と上端面と下端面及び背面の一部を覆うようにしてカバー材31は形成されている。中央電極体36は上記と同様の金属材料で形成される平板状の電極2と、上記と同様の誘電体4で形成されるカバー材37とで構成されている。カバー材37は電極2の表面に誘電体4を溶射などの方法を用いることによって形成されるものであり、電極2の両方の平面部と下端面を覆うようにしてカバー材37は形成されている。
上記の一対の端部電極体35は間隙を介して互いに対向するように配置されていると共に上記の中央電極体36は端部電極体35の間に配置されており、中央電極体36と各端部電極体35の間には間隙が設けられている。また、電極1、2には図28に示すように上記と同様の電源13が接続されている。この時、電極1、2の面方向が上下方向となっており、電極1、2が互いに平行に対向配置されている。また、端部電極体35はカバー材31で覆った正面側を中央電極体36と対向させるように配置されている。そして、中央電極体36と各端部電極体35の間の間隙がガス流路20として形成されており、このガス流路20において対向する電極1、2の間に対応する部分が放電空間3として形成されている。すなわち、電極1、2の間に位置するガス流路20の一部分が放電空間3として形成されている。従って、両方の電極1、2の放電空間3側には誘電体4であるカバー材31、37が設けられていることになる。また、ガス流路20の上端はガス導入口11として開口されていると共にガス流路20の下端は吹き出し口12として開口されており、放電空間3はガス導入口11及び吹き出し口12と連通している。また、プラズマ生成用ガスはガス導入口11から吹き出し口12に向かってガス流路20を流れるものであり、電極1、2はガス流路20におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向と略直交する方向に並べて配設されている。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。また、このプラズマ処理装置は、複数(二つ)の放電空間3でプラズマ5を生成するために、一度にプラズマ処理できる箇所が多くなってプラズマ処理の効率を高くすることができる。
図33に本発明のプラズマ処理装置の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は図1に示すものにおいて、電極1、2の間に誘電体4で形成される鍔部6を設けたものであり、その他の構成は図1のものと同様である。従って、図33のプラズマ処理装置の外観は図16と同様である。鍔部6は鍔状に形成されて反応容器10の外周の全周に亘って形成されるものである。また、鍔部6は反応容器10に一体に形成されており、反応容器10の筒状部分の外面から電極1、2の間に突出するように形成されている。また、鍔部6の上面のほぼ全面は上側の電極1の下面全面と密着するように形成されていると共に鍔部6の下面のほぼ全面は下側の電極2の上面全面と密着するように形成されている。また、鍔部6の内部には空間がなくて中身が詰まった中実に形成されており、図16の滞留部15のような空間は形成されていない。従って、図33のプラズマ処理装置は、滞留部15が形成されていない点を除いて図16のものと同様に形成されており、図16のものよりも反応容器10を容易に形成することができるものである。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
上記の特許文献1に示すプラズマ処理装置において、誘電体バリア放電における放電空間での印加電力は、1サイクルの電力に周波数を掛け算したものになるため、13.56MHzもの高周波電圧を用いた放電の場合、1サイクル当たりの電力が小さくとも、周波数が高いため、トータルの電力値は大きな値となる。これに対して、電極間に印加する電圧の周波数(プラズマを点灯させる際の電圧の周波数)を低くした状態で、13.56MHzと同等の印加電力を得るためには、1サイクル当たりの電力を大きくすることが必要であり、これを実現するためには、電極に印加する電圧を高くすることが必要である。13.56MHzにおいては、電極間に印加される電圧は高くとも2kV程度であり、反応容器の外部の電極間で絶縁破壊する可能性は非常に低い。これに対して、本発明のように電極1、2間に印加する電圧を低周波化する場合、使用する周波数によって印加する電圧値が異なるため一概には言えないが、電極1、2間に印加する電圧は6kV以上必要となり、反応容器10の外部の電極1、2間で絶縁破壊する可能性が高くなる。電極1、2間で絶縁破壊が生じると、反応容器10の内部の放電空間3でプラズマ5が生成できないため、プラズマ処理が行われなくなり、プラズマ処理装置として動作しなくなる問題が発生する。すなわち、電極1、2間に印加する電圧を低周波化するためには電極1、2間に印加する電圧を高くする必要があり、この結果、反応容器10の外部の電極1、2間で絶縁破壊する可能性が生じる。
そこで、図33のプラズマ処理装置では反応容器10の外側において電極1、2の間に鍔部6を設けるようにしたものであり、これにより、電極1、2間に鍔部6を介在させることができ、反応容器10の外側における電極1、2間で直接絶縁破壊が発生するのを防止することが可能となり、反応容器10の内部の放電空間3でプラズマ5を点火させて安定して生成することができ、プラズマ処理装置として確実に動作させてプラズマ処理を行うことができるものである。
図34に本発明のプラズマ処理装置の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は図33に示すものにおいて、電極1、2と鍔部6の間に充填材70を設けることによって、充填材70を介して電極1、2と鍔部6とを密着させたものであり、その他の構成は図33のものと同様である。すなわち、上側の電極1の下面と鍔部6の上面との間及び下側の電極2と鍔部6の下面との間に充填材70を充填することによって、電極1、2と鍔部6の間に形成される隙間を充填材70で埋めて電極1、2と鍔部6とを密着させたものである。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
本発明において、反応容器10(鍔部6を含む)はガラスなどの誘電体材料で形成されているために、鍔部6の表面を凹凸のない平坦な面にすることが難しく、従って、電極1、2と鍔部6との接触面に若干の隙間が生じてしまうことがある。そして、このような隙間があると、電極1、2間の印加電圧が高いため、隙間部分でコロナ放電が生じてしまい、コロナ放電に曝されている電極1、2の表面に腐食が生じて電極1、2が短寿命となる恐れがある。
電極1、2と鍔部6との隙間部分に発生するコロナ放電を防止するためには、電極1、2と鍔部6を密着させれば良いが、先に述べたように、鍔部6の表面には凹凸があるので、機械加工で密着させることは困難である。従って、電極1、2と鍔部6との間に充填材70を入れることによって、隙間を完全に塞ぐことができてコロナ放電を防止することが可能となり、電極1、2の腐食を防止することができて電極1、2の長寿命化を図ることができるものである。充填材70としては、グリースや接着剤などのある程度の粘度を有した粘調材料や、ゴムシートなどの可撓性シート材料などが挙げられる。
図35に本発明のプラズマ処理装置の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は図33に示すものにおいて、電極1、2と放電空間3の一部の寸法を狭く形成したものであり、その他の構成は図33のものと同様である。すなわち、鍔部6に対応する位置において反応容器10の内面には突出部71が全周に亘って突設されており、この突出部71を設けた部分における放電空間3の寸法(突出部71の内径)は突出部71を設けていない部分における放電空間3の寸法(反応容器10の内径)よりも狭く形成されているものである。上記の突出部71は鍔部6とほぼ同じ厚みに形成されており、また、突出部71により放電空間3の寸法が狭くなっている部分は放電空間3の上下方向の略中央部に形成されている。また、このプラズマ処理装置においても上記と同様の充填材70を設けることができる。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。
図36A、図36Bに示すように、突出部71が形成されていない反応容器10を用いた場合、低周波電圧で発生する誘電体バリア放電は、反応容器10の内面に接する形で放電空間3にストリーマ9が発生する放電となるが、このストリーマ9は時間的に安定したものではなく、反応容器10の内面を周方向で動き回る(走り回る)ように発生する。従って、反応容器10に設けられた吹き出し口12からジェット状に吹き出されるプラズマ5も、ストリーマ9の動きと同期した形で揺れてしまい、結果として、被処理物のプラズマ処理にムラが生じてしまうことがある。
そこで、この実施の形態では突出部71を設けて放電空間3の寸法を狭くしたものであり、これにより、ストリーマ9が反応容器10の内面を走り回れる空間を抑制することができて吹き出し口12からジェット状のプラズマ5が振れて吹き出されるのを抑制することができるものであり、プラズマ処理のムラを低減することができるものである。
図37に本発明のプラズマ処理装置の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は図33に示すものにおいて、両電極1、2とも接地に対して浮いた状態となるように電圧を印加するようにしたものであり、その他の構成は図35のものと同様である。すなわち、電極1と電極2にはそれぞれ別の電源13a、13bが接続されて接地に対して浮いた状態となっており、これにより、電極1と電極2は接地に対して浮いた状態で別の電源13a、13bから電力が印加されるものである。そして、このプラズマ処理装置は図1に示すものと同様にしてプラズマ5を生成してプラズマ処理に使用することができ、従って、プラズマ生成用ガスの組成や電極1、2間に印加される電圧の波形や電界強度等も図1の場合と同様である。尚、電源13a、13bは一つの電源装置で構成してもよいし、複数個の電源装置を用いて構成しても良い。
本発明のように、電極1、2間に印加する電圧の繰り返し周波数を低周波化することによって、電極1、2間に印加する電圧を高くする必要が生じるが、電極1、2間に印加する電圧を高くすると、反応容器10の内部の放電空間3に発生するプラズマ5の電位が高くなってしまい、プラズマ5と被処理物(通常は接地されている)との間の電位差が大きくなり、プラズマ5と被処理物との間で絶縁破壊(アーク)が生じる可能性が発生する。そこで、この実施の形態では、電極1、2間に印加する電圧が高くなることに起因してプラズマ5と被処理物との間に発生する絶縁破壊を防止する方策として、両電極1、2とも接地に対して浮いた電圧とするものであり、これにより、両電極1、2間に印加されている電圧値を他の実施の形態と同じにしても、接地に対するプラズマ5の電圧を低くすることが可能となるため、プラズマ5と被処理物との間に発生する絶縁破壊を防止することが可能となるものであり、プラズマ5から被処理物に対するアークの発生を防止して被処理物のアークによる損傷を防止することができるものである。
本発明において図1及び図15〜18、図21〜24、図33〜37に示す実施の形態及び参考例では、電極1、2間に電圧を印加することによって放電空間3に形成される電界が放電空間3におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ平行に形成されるように、ガス流路20を流れるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ平行な方向(上下方向)に電極1、2を並べて対向配置している。このようにして、放電空間3を流れるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ平行な方向に電界が印加されると、放電空間3内の放電中に発生するストリーマ9の電流密度が上昇するため、プラズマ密度が高くなり、プラズマ処理性能が向上するものである。
一方、図19、20及び図23〜28に示す実施の形態及び参考例のように、ガス流路20を流れるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ直交する方向(水平方向)に電極1、2を並べて対向配置しているものにおいては、電極1、2間に電圧を印加することによって放電空間3に形成される電界が放電空間3におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ直交する方向に形成されるために、ストリーマ9が電極1、2面内で均一に生成される。このように電界がプラズマ生成用ガスの流れとほぼ直交する方向に印加されると、放電空間3内に均一なストリーマ9が得られるため、プラズマ処理の均一性が向上するものである。
尚、図23、24に示すプラズマ処理装置ではプラズマ密度の高いストリーマ9と放電空間3内に均一なストリーマ9の両方が発生するために、プラズマ処理性能とプラズマ処理の均一性との両方が向上するものである。
図39に本発明のプラズマ処理装置の他の参考例を示す。このプラズマ処理装置は、一対の電極1、2を備えて形成されるものであり、電極1、2の表面に誘電体4をアルミナ、チタニア、ジルコニアなどのセラミック材料を溶射法により形成することができる。この場合に関して、封孔処理を行うことが好ましい。封孔材料としてエポキシなどの有機材料またはシリカなどの無機材料を用いることができる。また、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化スズ、ジルコニアなどを原料とした無機質材料の釉薬を原料としてホーローコーティングを行うこともできる。溶射、ホーローコーティングの場合、誘電体の厚みは0.1〜3mm、より好ましくは0.3〜1.5mmに設定することができる。誘電体の厚みが0.1mmよりも薄いと誘電体が絶縁破壊する可能性があり、3mmよりも厚いと放電空間に電圧が印加され難くなり、その結果として放電が不安定になる。また、図37のものと同様に両電極1、2とも接地に対して浮いた状態となるように電圧を印加するようにしたものである。その他の構成は上記の他の実施の形態及び参考例と同様である。
また、本発明において、プラズマジェットを被処理物に暴露させてプラズマ処理を行うに際して、被処理物表面での反応は化学反応であるため、反応部の温度が高いほど反応速度が速くなる。そのため、プラズマ生成用ガスを予め加熱したり、被処理物を加熱するのが好ましく、これにより、プラズマ処理速度が向上する。
また、本発明において、幅広の反応容器10の場合、幅方向の処理均一性を確保するために、電極1、2間距離を一定値に保つ機構、および幅方向のガス均一吹き出し機構(エアノズル)を設けることも有効である。
また、本発明において、被処理物を吹き出し口12の下側で一方向に搬送してプラズマ処理を行う場合、吹き出し口12からのプラズマ5の吹き出し方向が被処理物の搬送方向と直交しないように、吹き出し口12からのプラズマ5の吹き出し方向を被処理物の搬送方向(前方)に向かって傾けるようにするのが好ましく、これにより、吹き出し口12から吹き出されるプラズマ5が吹き出し口12と被処理物との間に存在する空気を巻き込みながら被処理物の表面に吹き付けられることになり、この結果、空気中の酸素分子にプラズマ5内で生成された励起種が衝突し、酸素を解離させ、解離した酸素が被処理物の表面を改質するものであり、プラズマ処理能力を向上させることができる。
吹き出し口12からのプラズマ5の吹き出し方向は、被処理物の搬送方向に対して2°〜6°傾けるようにすることが好ましいが、これに限定されるものではない。
窒素ガスは空気中の窒素を分離して高純度化する窒素ガス発生器を使用することもできる。この場合の高純度化方法としては膜分離法、PSA(プレッシャースイングアドソープション)法が用いられる。
プラズマ処理性能を高めるためには、プラズマ生成のために印加する電圧の周波数を高くすることが必要である。このような条件にし、未放電時において吹き出し口12から吹き出すプラズマ生成用ガスのガス流速を2m毎秒未満とすると、グロー状の均一な放電ではなくなり、ストリーマ状の放電が発生する。この状態で放電を続けると異常放電(アーク放電)が発生するが、本発明のように、未放電時において吹き出し口12から吹き出すプラズマ生成用ガスのガス流速を2m毎秒以上100m毎秒以下とすると、ストリーマが収縮し微細な無数のフィラメント状放電が形成され、この結果、放電状態にて改質することにより極めて高い処理効果が得られる。未放電時において吹き出し口12から吹き出すプラズマ生成用ガスのガス流速を100m毎秒より大きくにするとガス温度が下がり改質効果が低下する。本発明において、未放電時において吹き出し口12から吹き出されるプラズマ生成用ガスのガス流速が2〜100m毎秒となるようにするには、放電空間3に供給されるプラズマ生成用ガスのガス流量を調整するようにする。
実施例
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜5)
図16に示すスポット処理用のプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器10は内径3mm、外径5mmの石英製パイプに、外径50mmの中空(滞留部15)の鍔部6を設けている。鍔部6及び電極1、2の配置は図17に示すような断面構造になっている。
プラズマ生成用ガスは反応容器10のガス導入口11からガス流路20に導入し、上流側の電極1と下流側の電極2に接続した電源13からの電圧でプラズマ化させ、吹き出し口12よりプラズマ5を吹き出させ、吹き出し口12の下流側に配置した被処理物にプラズマ5を暴露させることによってプラズマ処理を行った。プラズマ生成用ガスとしては、アルゴンに酸素を混合したものを用いた。その他のプラズマ生成条件を表2に示す。
ここで、電源13の一例として実施例で使用したものについて説明する。実施例4の電源13は図29に示す回路を有するものである。
図29に示す回路において、先ず高圧トランス66の一次側に印加する正負パルス波を生成するためのHブリッジスイッチング回路(インバータ)50について説明する。図29に示すように、このHブリッジスイッチング回路50は、第1、第2、第3、第4の4個の半導体スイッチング素子SW1、SW2、SW3、SW4を、SW1とSW4を上アーム、SW2をSW1に対する下アーム、SW3をSW4に対する下アームとしてHブリッジ接続する(MOS−FET等の2個入り半導体モジュールをHブリッジとする)とともに、各半導体スイッチング素子にダイオードD1、D2、D3、D4をそれぞれ並列接続したものである。このHブリッジスイッチング回路50の電源として、商用周波数の電圧を整流する整流回路41と直流安定化電源回路45による直流電源が使用されている。直流安定化電源回路45の出力電圧は出力設定器42により調整できる。
このHブリッジスイッチング回路50を、ゲートドライブ回路49とその前段の回路により、次の表1に示す(1)、(2)、(3)、(4)、(5)の5つのON/OFFの組み合わせ態様で順次繰り返しスイッチング動作させる。図31は、このようなスイッチング動作によって、第1と第2の半導体スイッチング素子SW1・SW2の中点と、第3と第4の半導体スイッチング素子SW3・SW4の中点との間から出力される正負交互のパルスのタイミングチャートである。
(表1)
Figure 0004414765
図30は、Hブリッジスイッチング回路50の等価回路を示す。図31に示すように、第2の半導体スイッチング素子SW2をOFFにするときの時間幅は、第1の半導体スイッチング素子SW1をONにするときの時間幅よりも前後に長く、また第3の半導体スイッチング素子SW3をOFFにするときの時間幅は、第4の半導体スイッチング素子SW4をONにするときの時間幅よりも前後に長くする。
図30において、まず、SW1がOFFになってからSW1がONになると、I1の方向に電流が流れ、負荷が正に充電される。次に、SW1がOFFになってからSW2がONになると、SW2とD3を通ってI2の方向に電流が流れるので、負荷のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。
この後、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I3の方向に電流が流れ、負荷が負に充電される。次に、SW3がOFFになってからSW4がONになると、I4の方向に電流が流れ、負荷のリーケージインダクタンス及び浮遊容量分がSW2とD3で強制的にリセットされる。
このような動作を表1に従って説明すると、次の通りである。
(1)では、SW2とSW3はゲート信号を入力されてONとなり、負荷の両端はショートされた状態となる。
(2)では、SW2のゲート信号がOFFされ、少し遅れてSW1にゲート信号が入力されてこれがONになると、SW3はONのままであるため、SW1から負荷を通ってI1方向に電流が流れ、負荷を正に充電する。
(3)では、SW1へのゲート信号入力が終わってこれがOFFとなってから、SW2へ再びゲート信号が入力されてこれが再びONになるので、負荷に充電された電荷分は、SW2とD3を通ってディスチャージする。その結果、(1)と同じ状態に戻ることになる。
(4)では、SW3がOFFとなり、少し遅れてSW4にゲート信号が入力されてこれがONになると、SW2はONのままであるため、SW4から負荷を通ってI3方向に電流が流れ、負荷を負に充電する。
(5)では、SW4へのゲート信号入力が終わってこれがOFFとなってから、SW3へ再びゲート信号が入力されてこれが再びONになるので、負荷に充電された電荷分は、SW3とD2を通ってディスチャージする。その結果、(3)と同じ状態に戻ることになる。
このようにSW1とSW2との組、SW3とSW4の組がそれぞれ同時にONにならないように、デッドタイムを与えて(1)〜(5)と順番にスイッチングすることにより、入力信号(ゲート信号)に比例した波形の出力信号(ある時間間隔をおいた正負一対のパルス)が得られる。その場合、負荷側の浮遊容量及びリーケージインダクタンスは、上記のようなスイッチング動作によってリセットされるので、歪みの無い出力波形が得られる。
上記のようなスイッチング動作をするHブリッジスイッチング回路50の出力は、図29において、第1と第2の半導体スイッチング素子SW1・SW2の中点を一方の極、第3と第4の半導体スイッチング素子SW3・SW4の中点を他方の極として取り出され、コンデンサCを介して高圧トランス3の一次側に印加される。
次に、ゲートドライブ回路49を制御してHブリッジスイッチング回路50から正負一対のパルスを繰り返し出力させるとともに、その周期及びパルス幅を調整する前段の回路について、図32のタイミングチャートを参照して説明する。
電圧制御発振器(VCO)52は、図32(1)に示すような矩形波を繰り返し出力する。その繰り返し周波数は繰り返し周波数設定器51にて調整できる。
第1のワンショットマルチバイブレータ53は、図32(2)に示すように、電圧制御発振器52の出力(VC0出力)の立ち上がりで立ち上がるパルスを出力する。そのパルス幅は第1のパルス幅設定器58にて調整できる。
遅延回路54は、図32(3)に示すように、第1のワンショットマルチバイブレータ53のパルスの立ち上がりにより立ち上がる一定時間幅(デッドタイム)のパルスを出力する。
第2のワンショットマルチバイブレータ55は、図32(4)に示すように、遅延回路54の出力の立ち上がりで立ち上がるパルスを出力する。そのパルス幅は第2のパルス幅設定器59にて調整できる。
第1のワンショットマルチバイブレータ53からのパルスは第1のANDゲート46、第2のワンショットマルチバイブレータ55からのパルスは第2のANDゲート60にそれぞれ入力される。これらANDゲート46、60には、起動スイッチ43にてオン・オフされる起動・停止回路44からの出力が入力されており、それがオンになっているときに、第1・第2のワンショットマルチバイブレータ53、55のパルスが、第3・第4のANDゲート47、56にそれぞれ入力される。
第3のANDゲート47の出力は、第1の遅延用AND回路48及び第1の遅延用NOR回路57へ入力され、第4のANDゲート56の出力は、第2の遅延用AND回路61及び第2の遅延用NOR回路62へ入力される。図32の(5)、(6)、(7)、(8)にこれらAND回路48、NOR回路57、AND回路61、NOR回路62の出力波形を示し、その出力に従い、ゲートドライブ回路49がHブリッジスイッチング回路50の4個の半導体スイッチング素子SW1・SW2・SW3・SW4のためのゲートパルスを出力して、これらが前述のようにスイッチングする。
従って、図32(9)に示すように、Hブリッジスイッチング回路50から、ある時間間隔をおいた正負一対のパルスがある繰り返し周波数で正負のパルス波として出力されることになる。その繰り返し周波数は繰り返し周波数設定器51にて調整でき、またパルス幅は、パルス幅設定器58、59にて正負それぞれ調整できる。
この正負のパルス波は、コンデンサCを介して高圧トランス66の一次側に印加され、高圧トランス66が持つLC成分により、共振した減衰振動波が繰り返す高圧の減衰振動波形周期波となり、電極1、2に印加される高圧の電圧は、図32(10)に示すようになる。パルス幅設定器58、59にてパルス幅を調整することにより、高圧トランス66のLC成分にマッチングする共振条件にすることができる。
被処理物としてはネガ型レジストを1.2μm塗布したシリコン基板を設置し、レジストのエッチングを行ってレジストのエッチング速度をプラズマ処理性能として評価した。
また、被処理物が耐熱性のない物質の場合、プラズマ5の温度が高いと、被処理物に熱ダメージを与えるため、プラズマ5の温度を吹き出し口12の位置で熱電対を用いて測定した。
(比較例1、2)
図1に示すスポット処理用のプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器10は実施例1〜5の反応容器10において鍔部6を設けていないものであり、その他の構成は実施例1〜5と同様にした。そして、表2に示すプラズマ生成条件でプラズマ5を生成し、実施例1〜5と同様の評価を行った。
上記評価の結果を表2に示す。
(表2)
Figure 0004414765
表2から明らかなように、実施例1〜5のプラズマ処理装置においては、プラズマ5の温度が100℃以下であり、13.56MHzの高周波電圧を印加した比較例1に比べて大幅に低下している。また、エッチング速度に関しては、実施例1〜5は13.56MHzの高周波電圧を印加した比較例1と同等程度が得られる場合もあり、プラズマ処理能力としては十分である。また、実施例1〜5は立ち上がり時間と立ち下がり時間が250μsecの比較例2に比べてエッチング速度が速くなった。従って、総合的に実施例1〜5の方が比較例1、2に比べて性能が向上していると判断できる。
(実施例6〜10)
図22に示す幅広処理用のプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器10は内寸法が1mm×30mmの石英ガラスでスリット状の吹き出し口12を有して形成されている。また、中空(滞留部15)の鍔部6が設けられている。その他の構成は実施例1〜5と同様にした。そして、表3に示すプラズマ生成条件でプラズマ5を生成し、実施例1〜5と同様の評価を行った。
(比較例3、4)
図21に示す幅広処理用のプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器10は実施例6〜10の反応容器10において鍔部6を設けていないものであり、その他の構成は実施例6〜10と同様にした。そして、表3に示すプラズマ生成条件でプラズマ5を生成し、実施例6〜10と同様の評価を行った。
上記評価の結果を表3に示す。
(表3)
Figure 0004414765
表3から明らかなように、実施例6〜10のプラズマ処理装置においては、プラズマ5の温度が100℃以下であり、13.56MHzの高周波電圧を印加した比較例3に比べて大幅に低下している。また、エッチング速度に関しては、実施例6〜10は13.56MHzの高周波電圧を印加した比較例3と同等程度が得られる場合もあり、プラズマ処理能力としては十分である。また、実施例6〜10は立ち上がり時間と立ち下がり時間が250μsecの比較例4に比べてエッチング速度が速くなった。従って、総合的に実施例6〜10の方が比較例3、4に比べて性能が向上していると判断できる。
(実施例11)
図18に示すスポット処理用のプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器10は、実施例1〜5の反応容器10においてその下部に絞り部14を設け、吹き出し口12の内径を1mmに形成したものを用いた。その他の構成は実施例1〜5と同様にした。そして、表4に示すプラズマ生成条件でプラズマ5を生成し、実施例1〜5と同様の評価を行った。
参考例12)
図15に示すスポット処理用のプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器10は、比較例1、2の反応容器10においてその下部に絞り部14を設け、吹き出し口12の内径を1mmに形成したものを用いた。その他の構成は実施例1〜5と同様にした。そして、表4に示すプラズマ生成条件でプラズマ5を生成し、実施例1〜5と同様の評価を行った。
上記評価の結果を表4に示す。
(表4)
Figure 0004414765
表4から明らかなように、反応容器10の吹き出し口12を絞ることにより、吹き出されるプラズマ5の流速が速くなるため、上記の実施例4と比較して低流量、低電力で同等の性能が得られている。しかし、参考例12で示しているような鍔部6のない反応容器においては、プラズマ性能を向上させるために電極1、2間に印加する電圧を高くすると、反応容器10の外部の電極1、2間でアークが発生する可能性がある。アークが発生する条件は電極1、2間の距離、印加電圧波形によって変化するため、一概には決められないが、10kV/cm以上の電界強度になるとアークを生じる可能性がある。
(実施例13)
実施例1〜5と同様のプラズマ処理装置を用いた。プラズマ生成用ガスとしては、アルゴン1.75リットル/分に、酸素0.1リットル/分を混合したものを用いた。電極1、2間に印加する電圧の波形としては、図10Bに示すような、正弦波電圧波形に二つのパルス状の電圧を重畳したものを用いた。正弦波は繰り返し周波数が50kHz(立ち上り時間、立ち下り時間とも5μsec、最大電圧2.5kV)であって、この正弦波に波高値が5kVのパルス状の高電圧(立ち上り時間0.08μsec)を重畳した。パルス状の高電圧を重畳するタイミングとしては、第一のパルスは、正弦波電圧の極性が変化した後の1μsec後に、第二のパルスは第一のパルスの印加後2μsecの時間に印加している。その他の構成は実施例1〜5と同様にしてプラズマ5を生成し、実施例1〜5と同様にしてレジストのエッチングを行った。その結果、3μm/分のエッチング速度が得られた。
(実施例14)
実施例11と同様のプラズマ処理装置を用いた。プラズマ生成用ガスとしては乾燥空気を用い、これを3リットル/分の流量でガス流路20に流した状態で、電極1、2間に図8Bに示す波形の電圧を印加した。波形条件としては、立ち上り時間が0.1μsec、立ち下り時間が0.9μsec、繰り返し周波数が500kHzである。電界強度は、プラズマ生成用ガスが空気であるため、比較的高い電界が必要となり、20kV/cmとした。また、印加電力は300Wに設定した。その他の構成は実施例1〜5と同様である。
被処理物としては、液晶用ガラス(プラズマ処理前の水の接触角度が約45°のもの)を用いた。この被処理物に約1秒のプラズマ照射を行ってプラズマ処理を施した結果、ガラスの水の接触角度を5°以下にすることができ、ガラス表面の有機物除去を短時間で行うことができるものであった。
(実施例15)
実施例11と同様のプラズマ処理装置を用いた。プラズマ生成用ガスとしてはアルゴンを1.5リットル/分、水素を100cc/分の割合で混合したガスを用い、これをガス流路20に流した状態で、電極1、2間に図8Dに示す波形の電圧を印加した。波形条件としては、立ち上り時間と立ち下り時間とも1μsec、繰り返し周波数が100kHzである。また、電界強度は7kV/cm、印加電力は200Wに設定した。その他の構成は実施例1〜5と同様である。
被処理物としては、アルミナ基板に銀パラジウムペーストをスクリーン印刷し、これを焼き付けして回路(ボンディングパッドを含む)を形成したものを用いた。そして、ボンディングパッド部のXPS分析の結果、プラズマ処理前は酸化銀のピークが確認されたが、プラズマ処理後には、このピークは金属銀に変化しており、ボンディングパッドの酸化銀が減少していた。
(実施例16)
図23、24に示すプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置では電極部材1a、1b間及び電極部材2a、2b間に発生する電界は、放電空間3におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ直交している。また、電極部材1a、2a間及び電極部材1b、2b間に発生する電界は、放電空間3におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ平行になっている。
このようなプラズマ処理装置において、アルゴン6リットル/分、酸素0.3リットル/分の割合で混合したプラズマ生成用ガスを用い、これをガス流路20に流した状態で、電極1、2間に図8Dに示す波形の電圧を印加した。波形条件としては、立ち上り時間と立ち下り時間とも1μsec、繰り返し周波数が100kHzである。また、電界強度は7kV/cm、印加電力は800Wに設定した。その他の構成は実施例1〜5と同様である。このような条件で、レジストのエッチングを行った結果、3μm/分のエッチング速度が得られた。
(実施例17)
図38に示すプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置の反応容器10は図37のものと同等であって石英ガラス製である。また、プラズマ生成用の電極1、2はSUS304製であり、電極1、2を冷却することが可能なように、冷却水を循環させている。反応容器10の寸法は突出部71を設けた部分の内径rを1.2mmφ、その他の部分の内径Rを3mmφとし、さらに、鍔部6の厚みtは5mmとした。また、電極1、2と鍔部6の間には充填材70としてシリコングリースを塗って電極1、2と鍔部6が密着するようにしている。
また、電源13としては、昇圧トランス72を有し、昇圧トランス72の二次側の中点を接地した形のものを採用しており、これにより、電極1、2間の電圧の印加方法は、両電極1、2には接地に対して浮いた状態で電圧が印加される状態になっている。
プラズマ生成用ガスとしては、アルゴン1.58リットル/分に酸素を0.07リットル/分を混合したものを用いた。電極1、2間に印加する電圧としては、立ち上り時間と立ち下り時間とも1.7μsec、繰り返し周波数150kHzの正弦波の波形であり、それぞれの電極1、2には接地に対して3kVの電圧を印加している。従って、電極1、2間の電圧は6kV、電界強度は12kV/cmとなる。
被処理物としては、ネガ型レジストを1.2μm塗布したシリコン基板を設置し、レジストのエッチングを行ってレジストのエッチング速度をプラズマ処理性能として評価した。この結果、4μm/分のエッチング速度が得られた。
参考例18)
図39に示すプラズマ処理装置を用いた。電極1、2は、1100mm長さのチタン製であり、電極1、2の表面に溶射法を用いて1mmの厚みでアルミナの層を形成して誘電体4とした。また、電極1、2の内部には冷却水を循環した。この電極1、2を1mmの間隔を設けて対向配置し、未放電時において放電空間3の上流側より窒素ガスを吹き出し口12でのガス流速が20m毎秒となるように流した。プラズマ5の生成のために、周波数が80kHzの正弦波を中点接地型の昇圧トランス72を介して電極1、2に7kVの電圧を電源13から印加している。中点接地型の昇圧トランス72を用いているため、両電極1、2とも接地に対して浮いた電圧が印加されている。上記以外の構成は実施例17と同様である。
このような条件でプラズマ5を生成し、吹き出し口12の下流側より5mm離れた位置で、被処理物(液晶用ガラス)を8m毎分のスピードで通過させた場合、未処理時約50°あった水の接触角が約5°となった。また、アクリル樹脂で構成される液晶用カラーフィルター表面を処理した場合、未処理では50°あった水接触角が15°まで改質された。
参考例19)
参考例18と同様の装置を用い、プラズマ生成用ガスとして、窒素に体積比で約0.05%の酸素を混合したものを、吹き出し口12でのガス流速が10m毎秒となるように流した。プラズマ5の生成のために、周波数が80kHzの正弦波を中点接地型の昇圧トランス72を介して電極1、2に6kVの電圧を印加している。中点接地型の昇圧トランス72を用いているため、両電極1、2とも接地に対して浮いた電圧が印加されている。上記以外の構成は参考例18と同様にした。
このような条件でプラズマ5を生成し、吹き出し口12の下流側より5mm離れた位置で、被処理物(液晶用ガラス)を8m毎分のスピードで通過させた場合、未処理時約50°あった水の接触角が約5°となった。また、アクリル樹脂で構成される液晶用カラーフィルター表面を処理した場合、未処理では50°あった水接触角が10°まで改質された。
参考例20)
参考例18と同様の装置を用い、プラズマ生成用ガスとして、窒素に体積比で約0.1%の空気を混合したものを、吹き出し口12でのガス流速が10m毎秒となるように流した。プラズマ5の生成のために、周波数が80kHzの正弦波を中点接地型の昇圧トランス72を介して電極1、2に6kVの電圧を印加している。中点接地型の昇圧トランス72を用いているため、両電極1、2とも接地に対して浮いた電圧が印加されている。上記以外の構成は参考例18と同様にした。
このような条件でプラズマ5を生成し、吹き出し口12の下流側より5mm離れた位置で、被処理物(液晶用ガラス)を8m毎分のスピードで通過させた場合、未処理時約50°あった水の接触角が約5°となった。また、アクリル樹脂で構成される液晶用カラーフィルター表面を処理した場合、未処理では50°あった水接触角が8°まで改質された。
参考例21)
参考例18と同様の装置を用い、プラズマ生成用ガスとして、酸素に体積比で約30%のCFを混合したものを、吹き出し口12でのガス流速が10m毎秒となるように流した。プラズマ5の生成のために、周波数が80kHzの正弦波を中点接地型の昇圧トランス72を介して電極1、2に6kVの電圧を印加している。中点接地型の昇圧トランス72を用いているため、両電極1、2とも接地に対して浮いた電圧が印加されている。上記以外の構成は参考例18と同様にした。
このような条件でプラズマ5を生成し、吹き出し口12の下流側より5mm離れた位置で、被処理物(液晶用ガラスにレジストを1μm塗布したサンプル)を1m毎分のスピードで通過させた場合、レジストが5000Åできた。但し基板は150℃に加熱した状態でプラズマ処理を行った。
上記実施例1〜11、13〜17及び参考例12、18〜21の何れにおいても、安定な放電を維持すると共に十分なプラズマ処理能力を得ることができ、プラズマの温度を低下させることができた。
産業上の利用可能性
このように、本発明のプラズマ処理装置によれば、プラズマ処理効率を改善することができるとともに、大気圧近傍の圧力下で生成したプラズマであるにもかかわらずプラズマの温度を下げることができるので、これまでプラズマ処理されてきた被処理物に対してはもちろんのこと、処理温度が高かったためにこれまでプラズマ処理できなかった被処理物にも利用でき、被処理物表面のクリーニングにおいては特に有効である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の参考例の一例を示す斜視図である。
図2A、図2Bは、誘電体バリア放電を発生させる電極と誘電体の配置を示す断面図である。
図3は、誘電体バリア放電が発生した状態を示す断面図である。
図4は、誘電体バリア放電が発生した状態において、印加電圧とギャップ電流の経時変化を示すグラフである。
図5は、誘電体バリア放電の等価回路を示す回路図である。
図6は、誘電体バリア放電が発生した状態において、電源電圧と放電空間(放電ギャップ部)の等価静電容量CgとプラズマインピーダンスRpの経時変化を示すグラフである。
図7A、図7Bは、電源の極性が反転する状態を示す断面図である。
図8A、図8B、図8C、図8Dは、本発明で使用する交番電圧波形の例を示す説明図である。
図9A、図9B、図9C、図9D、図9Eは、本発明で使用する交番電圧波形の例を示す説明図である。
図10A、図10Bは、本発明で使用する交番電圧波形の電圧にパルス状の高電圧を重畳した状態の波形を示す説明図である。
図11A、図11B、図11C、図11D、図11Eは、本発明で使用するパルス状の波形を示す説明図である。
図12は、本発明の立ち上がり時間と立ち下がり時間を定義するための説明図である。
図13A、図13B、図13Cは、本発明の繰り返し周波数を定義するための説明図である。
図14A、図14Bは、本発明の電界強度を定義するための説明図である。
図15は、本発明の他の参考例の一例を示す斜視図である。
図16は、本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
図17は、本発明の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
図18は、本発明の他の実施の形態の一例を示す斜視図である。
図19Aは、本発明の他の参考例の一例を示す正面図であり、図19Bは、本発明の他の参考例の一例を示す平面図である。
図20は、本発明の他の参考例の一例を示す正面図である。
図21は、本発明の他の参考例の一例を示す斜視図である。
図22は、本発明の他の実施の形態の一例を示す斜視図である。
図23は、本発明の他の実施の形態の一例を示す斜視図である。
図24は、本発明の他の実施の形態の一例を示す断面図である。
図25は、本発明の他の参考例の一例を示す斜視図である。
図26は、本発明の他の参考例の一例を示す部分断面図である。
図27は、本発明の他の参考例の一例を示す部分断面図である。
図28は、本発明の他の参考例の一例を示す断面図である。
図29は、本発明の実施例1で用いた電源を示す回路図である。
図30は、図29におけるHブリッジスイッチング回路を示す回路図である。
図31は、図30に示すHブリッジスイッチング回路の動作を説明するタイミングチャートである。
図32は、図29に示す電源の動作を説明するタイミングチャートである。
図33は、本発明の他の実施の形態の一例を示す部分断面図である。
図34は、本発明の他の実施の形態の一例を示す部分断面図である。
図35は、本発明の他の実施の形態の一例を示す部分断面図である。
図36Aおよび図36Bは、図1におけるストリーマーの発生を示す説明図である。
図37は、本発明の他の実施の形態の一例を示す部分断面図である。
図38は、本発明の他の実施の形態の一例を示す部分断面図である。
図39は、本発明の他の参考例の一例を示す部分断面図である。

Claims (14)

  1. 片側が吹き出し口として開放された反応容器と少なくとも一対の電極とを具備して構成され、反応容器にプラズマ生成用ガスを導入すると共に電極間に電圧を印加することにより、大気圧近傍の圧力下で反応容器内にプラズマを生成し、反応容器の吹き出し口からプラズマを吹き出すプラズマ処理装置において、電極間に電圧を印加することによって放電空間に形成される電界が放電空間におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向とほぼ平行に形成されるように電極を配置すると共に、反応容器の外側において電極間に鍔部を設けることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記電極間に印加する電圧の波形を休止時間のない交番電圧波形またはパルス状の波形とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記休止時間のない交番電圧波形またはパルス状の波形の立ち上がり時間を100μsec以下とすることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記休止時間のない交番電圧波形またはパルス状の波形の立ち下がり時間を100μsec以下とすることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記休止時間のない交番電圧波形またはパルス状の波形の繰り返し周波数を0.5〜1000kHzにすることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記電極間に印加される電界強度を0.5〜200kV/cmにすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記放電空間の一部の寸法を狭くすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記電極と鍔部の間に充填材を設けることによって、充填材を介して電極と鍔部とを密着させることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記プラズマ生成用ガスが、希ガス、窒素、酸素、空気、水素の単独あるいは混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記プラズマ生成用ガスが、希ガス、窒素、酸素、空気、水素の単独あるいは混合ガスに、CF、SF,NFの単独あるいは混合物を2〜40%の体積比率となるように混合した混合ガスであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記プラズマ生成用ガスが窒素に対して1%以下の体積比率となるように酸素を混合した混合ガスであることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記プラズマ生成用ガスが窒素に対して4%以下の体積比率となるように空気を混合した混合ガスであることを特徴とする請求項9に記載のプラズマ処理装置。
  13. 未放電時において吹き出し口から吹き出されるプラズマ生成用ガスのガス流速が2m毎秒以上100m毎秒以下となるように放電空間にプラズマ生成用ガスを供給することを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  14. 請求項1に記載のプラズマ処理装置を用いてプラズマ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理方法。
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