JP2005026171A - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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康志 澤田
Noriyuki Taguchi
典幸 田口
Keiichi Yamazaki
圭一 山崎
Tetsuji Shibata
哲司 柴田
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Abstract

【課題】 プラズマ処理能力が低下しにくいプラズマ処理方法を提供する。
【解決手段】 対向配置された複数の電極1、2及びガス流路36を有し、ガス流路36にガスを導入すると共に対向する電極1、2間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下でガス流路36内にプラズマ3を生成する。このプラズマ3をガス流路36から吹き出して被処理物4の表面に供給するプラズマ処理方法に関する。プラズマ3の吹き出し方向を被処理物4の搬送方向に向けて傾ける。プラズマ3の流れに被処理物4の周囲の空気を巻き込んでプラズマ3の吹き付け位置に空気を集めて供給することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離やエッチング、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、成膜、めっき前処理、コーティング前処理、各種材料・部品の表面改質などの表面処理に利用されるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに好適に応用されるものである。
従来より、対向配置された電極間にガスを導入すると共に上記電極間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下で放電を発生させてプラズマを生成し、このプラズマを電極間から吹き出して被処理物に供給することによって、被処理物にプラズマ処理を施すことが行われている。
上記のようなプラズマ処理方法において、電極間に導入されるガスとしては各種のものが提案されているが、例えば、放電の安定性やプラズマ処理能力や経済性等を考慮して窒素(N)単独あるいは窒素と酸素(O)の混合ガスを用いることが行われている(例えば、非特許文献1参照)。
この非特許文献1には、大気圧下における吹き出し型プラズマ処理において窒素と酸素の混合ガスを用いる場合に、酸素濃度を3体積%以下にすると高い処理速度が得られることが記載されている。また、酸素濃度が3体積%以下の場合では酸素濃度が徐々に減少するほど処理性能が向上し、酸素濃度0%すなわち窒素単独で処理した場合に処理速度が最大になることが示されている。
このように窒素単独をプラズマ処理用のガスとして用いた場合は、非特許文献1に記載されているように、「プラズマで励起された窒素励起種が基板表面の空気(特に酸素)を間接励起することで、オゾンや酸素励起種を生成し、その反応種によって」被処理物の表面の洗浄や改質が行われると考えられる。
しかし、非特許文献1に記載されているような間接励起を用いたプラズマ処理方法では、被処理物のプラズマ処理を長時間連続して行った場合などにおいて、被処理物の表面周辺の空気が不足して空気中の酸素の解離確率が低下することがあり、これにより、オゾンや酸素励起種が少なくなってプラズマ処理能力が低下する恐れがあった。
「大気圧プラズマによるLCD洗浄技術」積水化学工業(株)湯浅基和、第50回応用物理学関係連合講演会、講演予稿集(2003.3.神奈川大学)
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、プラズマ処理能力が低下しにくいプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るプラズマ処理方法は、対向配置された複数の電極1、2及びガス流路36を有し、ガス流路36にガスを導入すると共に対向する電極1、2間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下でガス流路36内にプラズマ3を生成し、このプラズマ3をガス流路36から吹き出して被処理物4の表面に供給するプラズマ処理方法であって、プラズマ3の吹き出し方向を被処理物4の搬送方向に向けて傾けることを特徴とするものである。
本発明によれば、プラズマ3の流れに被処理物4の周囲の空気を巻き込んでプラズマ3の吹き付け位置に空気を集めて供給することができ、被処理物4の表面におけるプラズマ3の吹き付け位置の空気が不足することがなくなって、空気中の酸素の解離確率が低下しないようにすることができ、これにより、オゾンや酸素励起種が少なくならないようにしてプラズマ処理能力の低下を防止することができるものである。
また、本発明の請求項2に係るプラズマ処理方法は、請求項1に加えて、被処理物4の搬送方向において前後に対向させて一対の電極1、2を配置し、後側の電極2の先端を前側の電極1の先端よりも被処理物4側に突出させることを特徴とするものである。
この発明によれば、被処理物4の搬送方向に向いて傾くプラズマ3の流れを簡単な構成で得ることができるものである。
また、本発明の請求項3に係るプラズマ処理方法は、請求項2に加えて、後側の電極2の先端を前側の電極1の先端よりも被処理物4側に0.05〜5mm突出させることを特徴とするものである。
この発明のよれば、被処理物4の搬送方向に向いて傾くプラズマ3の流れを確実に得ることができるものである。
また、本発明の請求項4に係るプラズマ処理方法は、請求項1に加えて、被処理物4の搬送方向において前後に対向させて一対の電極1、2を配置し、電極1、2の対向面を被処理物4の搬送方向に向けて傾けることを特徴とするものである。
この発明によれば、被処理物の搬送方向に向いて傾くプラズマの流れを簡単な構成で得ることができるものである。
本発明の請求項5に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理方法を用いてプラズマ処理を行うことを特徴とするものである。
この発明によれば、プラズマ3の流れに被処理物4の周囲の空気を巻き込んでプラズマ3の吹き付け位置に空気を集めて供給することができ、被処理物4の表面におけるプラズマ3の吹き付け位置の空気が不足することがなくなって、空気中の酸素の解離確率が低下しないようにすることができ、これにより、オゾンや酸素励起種が少なくならないようにしてプラズマ処理能力の低下を防止することができるものである。
本発明は、プラズマの流れに被処理物の周囲の空気を巻き込んでプラズマの吹き付け位置に空気を集めて供給することができ、被処理物の表面におけるプラズマの吹き付け位置の空気が不足することがなくなって、空気中の酸素の解離確率が低下しないようにすることができ、これにより、オゾンや酸素励起種が少なくならないようにしてプラズマ処理能力の低下を防止することができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1に本発明のプラズマ処理装置の一例を示す。このプラズマ処理装置は吹き出し式であって、電極支持筐体22に一対(二つ)の電極1、2を設けて形成されるプラズマ発生器21を排気カバー20で覆ったものである。
電極1、2は銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼(SUS304など)、チタン、13クロム鋼、SUS410などの導電性の金属材料を用いて幅方向に長い略角棒状に形成されるものであって、その内部には冷却水を流通させるための流水路37が略全長に亘って設けられている。尚、図1において電極1、2の幅方向は紙面と直交する方向であって、本発明のプラズマ処理装置はこの幅方向と直交する方向に被処理物4を搬送しながらプラズマ処理を行うものである。
また、電極1、2の表面にはアルミナ、チタニア、ジルコニアなどのセラミック材料の溶射法により誘電体被膜40が全面に亘って形成されている。また、誘電体被膜40には封孔処理を行うことが好ましい。封孔材料としてエポキシ系樹脂などの有機材料またはシリカなどの無機材料を用いることができる。このようなセラミック溶射被覆材料による誘電体被膜40として特に有効な材料はアルミナである。
また、誘電体被膜40を形成するにあたって、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化スズ、ジルコニアなどを原料とした無機質材料の釉薬を原料としてホーローコーティングを行うこともできる。上記の溶射法やホーローコーティングの場合、誘電体被膜40の厚みは0.1〜3mm、より好ましくは0.3〜1.5mmに設定することができる。誘電体被膜40の厚みが0.1mmよりも薄いと誘電体被膜40が絶縁破壊する可能性があり、3mmよりも厚いと、対向する電極1、2間に電圧が印加され難くなり、その結果として放電が不安定になる恐れがある。
電極支持筐体22はステンレス鋼等の金属材料で電極1、2と同様に幅方向に長く形成されている。また、電極支持筐体22には上下に貫通するスリット状のガス流路36が形成されていると共にガス流路36を挟んで対向する電極支持筐体22の二つ内面には電極収容凹部27が設けられている。そして、各電極収容凹部27に上記の電極1、2を一つずつ収容するようにして電極支持筐体22に一対の電極1、2が設けられている。ここで、各電極1、2と電極支持筐体22との間には合成樹脂等で形成される絶縁性のスペーサ28が設けられており、これにより、電極1、2と電極支持筐体22との絶縁性が確保されている。また、電極支持筐体22に設けた一対の電極1、2はガス流路36を挟んで対向配置されるものであり、電極1、2間のガス流路36が放電空間5として形成されている。尚、本発明のプラズマ処理装置には上記一対の対向する電極1、2の間隔を電極1の幅方向の略全長に亘って一定に保つためのギャップ間距離調整機構を具備するのが好ましい。
上記のように電極支持筐体22に設けられた電極1、2は被処理物4の搬送方向と平行方向(水平方向)に並べることにより、被処理物4の搬送方向において前後に対向配置されている。また、被処理物4は電極1、2の下側において図1に矢印Aで示す一方向に搬送されるものであるが、この矢印Aの方向を前方として、後側に配置される一方の電極2の下端は前側に配置される他方の電極1の下端よりも下側に突出しており、従って、後側の電極2の下端は前側の電極1の下端よりも、電極1、2の下側を搬送される被処理物4側に突出するように形成されているものである。ここで、後側の電極2の下端は前側の電極1の下端よりも0.05〜5mm下側に突出させるのが好ましい。後側の電極2の下端の突出量が0.05mmよりも小さいと、プラズマ3の吹き出し方向の傾きが小さくなって本発明の効果を発揮することが難しくなり、後側の電極2の下端の突出量が5mmよりも大きいと、後側の電極2の下端が被処理物4に当たらないように、被処理物4を電極1、2から離して搬送しなければならず、プラズマ3が被処理物4の表面に供給されにくくなってプラズマ処理性能が低下する恐れがある。
上記のように後側の電極2の下端を前側の電極1の下端よりも下側に突出させるにあたっては、例えば、前側の電極1よりも上下方向の寸法が長い後側の電極2を用意すると共に前後の電極1、2の上端の高さを揃えた状態で配置するようにしたり、あるいは上下方向の寸法が同じ前後の電極1、2を用意すると共に前側の電極1よりも後側の電極2を若干下側にずらした状態で配置するようにしたりすることができる。
また、上記対向する電極1、2は所定の間隔の放電空間5を介して略平行に対向配置されるものであるが、電極1、2の間隔(電極1、2の対向面に設けた誘電体被膜40間の間隔)は、0.2〜3mmにするのが好ましい。対向する電極1、2の間隔(ギャップ間距離)が上記の範囲を逸脱すると、均一なグロー状の放電を安定して生成することが難しくなる恐れがある。
このプラズマ処置装置には図2に示すように、電極1、2に昇圧トランス48を介して電源47が電気的に接続されている。また、対向する一対の電極1、2は中点接地されていて、両電極1、2とも接地に対して浮いた状態で電圧を印加されているのが好ましい。このために、被処理物4と電極1、2との電位差が小さくなってアークの発生を防止することができ、アークによる被処理物4の損傷を防ぐことができるものである。
さらに、本発明のプラズマ処理装置にはガスノズル23が具備されている。ガスノズル23は電極1、2の幅方向と略平行に長く形成されるものであって、ガスノズル23の下面にはスリット状のノズル口35がガスノズル23の幅方向の略全長に亘って形成されている。このガスノズル23は、ノズル口35を電極支持筐体22のガス流路36の上側開口に位置合わせした状態で電極支持筐体22の上側に配設されている。
上記のように形成されるプラズマ処理装置を用いて、大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa(700〜800Torr))で液晶パネルディスプレイ(LCD)用ガラス板などの平板状の被処理物4にプラズマ処理を施すにあたっては、次のようにして行う。まず、対向配置された一対の電極1、2の上方に配置されたガスノズル23内にガスを導入すると共にガスノズル23内でガスを幅方向に流しながら徐々にノズル口35から吹き出すようにする。ここで、ガスはガスノズル23の幅方向の全長に亘って略均一に吹き出されるものである。
本発明で用いるガスとしては、特に限定しなくても放電を安定して発生させることができ、希ガス類も使用できるが、特に、大気圧下で放電開始電圧10kV/cm以上のガスが好ましい。放電開始電圧10kV/cm以上のガスとしては、窒素、酸素、水素、メタン、アンモニア、空気、水蒸気、各種有機モノマー、フッ素含有ガスなどの単独または混合ガスを例示できる。尚、本発明において、ガスの放電開始電圧は100kV/cm以下であることが好ましい。
次に、ガスノズル23のノズル口35から吹き出されたガスは、ガス流路36に導入されてガス流路36内を上流(上側)から下流(下側)へと流れた後、対向する一対の電極1、2の間の放電空間5に上側開口から導入される。そして、対向する一対の電極1、2の間に電源47で電圧を印加して誘電体バリア放電を発生させると共に対向する一対の電極1、2の間に導入されたガス(分子)を対向する電極1、2間に印加された電界の作用により励起して活性種を生成するものであり、これにより、プラズマ(放電ガス)3が生成されるものである。
本発明のプラズマ処理において、電源47により対向する一対の電極1、2間に周波数が30〜500kHzの連続交番波形の電圧を印加するのが好ましく、また、電界強度が50〜200kV/cmの電圧を印加するのが好ましい。上記の連続交番波形とは、パルス波形のように対向する一対の電極1、2間に電圧が印加されない休止区間が生じるものではなく、連続して対向する一対の電極1、2間に電圧が印加されるような交番波形であって、例えば、正弦波の波形にすることができる。また、電極1、2間にパルス状の電圧波形を印加することもできる。パルス波形電圧とは休止区間を設けて規則的に一定の形状の電圧を繰り返し印加するものであり、例えば、立ち上がり時間および立ち下がり時間を100μsec以下、繰り返し周波数を0.5〜1000kHz、電極1、2間に印加される電界強度を0.5〜200kV/cmの波形を印加することで安定的に処理を行うことができる。また、対向する電極1、2の間隙(放電空間5)に供給されるガスの流速が5〜20m/秒となるようにするのが好ましい。このようなガスの流速を調整するにあたっては、対向する電極1、2の間隔やガスの流量などを調整するようにする。
上記のようにして生成されたプラズマ3は放電空間5の下流側開口から電極1、2の幅方向の全長に亘ってプラズマジェットとしてカーテン状に吹き出されるものであるが、このプラズマ処理装置では後側の電極2の下端を前側の電極1の下端よりも下側に突出させているので、図3に示すように、プラズマ3が放電空間5より吹き出される際に後側の電極2の下部に当たって後側の電極2よりも後側に流れにくくなり、従って、プラズマ3の吹き出し方向は鉛直方向に対して前側(被処理物4の搬送方向の下流側)に傾いた状態となるものである。プラズマ3の吹き出し方向は鉛直方向に対して1〜30°被処理物4の搬送方向に向けて傾けるようにするのが好ましい。すなわち、プラズマ3の吹き出し方向と被処理物4の搬送方向とのなす角(広角側)が91〜120°であればよい。尚、プラズマ3の吹き出し方向を矢印Bで示す。
上記のようにしてプラズマ発生器21でプラズマ3を発生させて吹き出すようにした後、被処理物4をプラズマ発生器21の電極1、2の下流側(下側)にXYテーブルなどの搬送手段50で矢印Aの方向に搬送し、被処理物4の表面にプラズマ3を吹き付けて供給(曝露)することによって、被処理物4のプラズマ処理を行うことができるものである。
このように被処理物4は電極1、2の幅方向と直交する方向で略水平に搬送されながらプラズマ処理されるものであるが、プラズマ3は被処理物4の搬送方向に向いて傾いた状態で放電空間5から吹き出されて被処理物4の表面に吹き付けられるものである。従って、プラズマ3を被処理物4の表面に対して垂直に吹き付ける場合よりも、プラズマ3の吹き付け位置に周囲の空気が集まりやすくなる。すなわち、プラズマ3を被処理物4の表面に対して垂直に吹き付けると、プラズマ3はその吹き付け位置を中心として周囲に向かって拡散していくことになり、プラズマ3の吹き付け位置に空気が供給されにくいが、本発明のようにプラズマ3を被処理物4の搬送方向に傾けた状態で吹き付けると、プラズマ3は被処理物4に吹き付けられた後、被処理物4の搬送方向に流れることになり、このプラズマ3の流れに巻き込まれて、被処理物4の搬送方向と反対側(被処理物4の搬送方向の上流側)からプラズマ3の吹き付け位置に空気が集まって供給されるのである。尚、空気の流れを矢印Cで示す。
そして、本発明ではこのようにプラズマ3の吹き付け位置に空気が供給されるので、被処理物4のプラズマ処理を長時間連続して行った場合などであっても、被処理物4の表面におけるプラズマ3の吹き付け位置の空気が不足することがなくなって、空気中の酸素の解離確率が低下しないようにすることができ、これにより、オゾンや酸素励起種が少なくならないようにしてプラズマ処理能力の低下を防止することができるものである。
図4、5に他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置では、一対の電極1、2が被処理物4の搬送方向において前後に対向配置されていると共に、電極1、2の対向面(放電空間5を挟んで対向する面)を被処理物4の搬送方向に向けて傾けるようにしたものであり、その他の構成は上記の実施の形態と同様である。具体的には、この実施の形態では断面略平行四辺形の電極1、2を用いたものであり、これにより、プラズマ3の吹き出し方向は鉛直方向に対して前側(被処理物4の搬送方向)に傾いた状態となるものである。このような断面略平行四辺形の電極1、2において、図5に示す左上の角部の角度θ1は被処理物4の搬送方向に対するプラズマ3の吹き出し方向の角度と同じであり、91〜120°に設定するのが好ましいが、これに限定されるものではない。そして、この実施の形態のプラズマ処理装置においても上記の実施の形態の同様の作用効果を有するプラズマ処理を行うことができるものである。
尚、上記のいずれの実施の形態においても、被処理物4を略水平に搬送する場合について説明したが、これに限らず、本発明は被処理物4をいずれの方向(例えば鉛直方向)に搬送する場合についても適用することができるものである。また、本発明においては、電極の個数は二つ以上であれば必要に応じて任意に設定することができる。また、電圧の印加条件も上記のものには限定されず、例えば、印加電圧の周波数や波形形状、電界強度、ガス流速等は必要に応じて任意に設定することができる。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1)
図1に示すプラズマ処理装置を形成した。電極1、2は長さ1100mmのステンレス鋼製であり、電極1、2の表面に溶射法を用いて1mmの厚みでアルミナの層を形成して誘電体被膜40とした。また、電極1、2の内部には冷却水を循環した。このように形成される一対の電極1、2を未放電時において1mmの間隔を設けて対向配置した。ここで、一対の電極1、2は被処理物4の搬送方向と平行な方向で対向配置させるものであるが、被処理物4の搬送方向に対して後側に配置される電極2を前側に配置される電極1よりも若干下側に配置することによって、後側の電極2の下端を前側の電極1の下端よりも0.5mm下側(下流側)に突出させるようにした。
また、未放電時においてガス流路36に上流側よりガスをガス流速が10m/秒となるように流した。ガスとしては窒素を用いた。また、一対の電極1、2間に印加される電圧は周波数80kHzで電界強度100kV/cmで、その波形は正弦波の形状とした。このような条件で大気圧下でプラズマ3を生成し、電極1の下流側より5mm離れた位置で、被処理物4として液晶用ガラス板を8m毎分のスピードで通過させることによってプラズマ処理を行った。この結果、未処理時に約50°であった被処理物4の水の接触角が約5°となった。また、被処理物4としてアクリル樹脂で構成される液晶用カラーフィルターの表面を処理した場合、未処理では50°であった水の接触角が20°まで改質された。
(実施例2)
図4に示すプラズマ処理装置を形成した。電極1、2としては実施例1のものの代わりに、θ1が100°、θ2が80°の断面略平行四辺形のものを用いた。また、未放電時においてガス流路36に上流側よりガスをガス流速が10m/秒となるように流した。さらに、被処理物4の搬送スピードを7m毎分とした。これら以外は実施例1と同様にした結果、被処理物4が実施例1と同様の液晶用ガラス板の場合、プラズマ処理後の水の接触角が5°となり、被処理物4が実施例1と同様の液晶用カラーフィルターの場合、プラズマ処理後の水の接触角が20°となった。
(比較例)
略長方形(θ1=θ2=約90°)の電極1、2を用いた以外は実施例2と同様にした。そして、被処理物4が実施例2と同様の液晶用ガラス板の場合、プラズマ処理後の水の接触角が15°となり、被処理物4が実施例1と同様の液晶用カラーフィルターの場合、プラズマ処理後の水の接触角が35°となり、いずれの場合も比較例は実施例2に比べて、プラズマ処理能力が低くなった。
本発明の実施の形態の一例を示す概略の断面図である。 同上の回路の一例を示す概略図である。 同上の一部を示す概略図である。 同上の他の実施の形態の一例を示す概略の断面図である。 同上の一部を示す概略図である。
符号の説明
1 電極
2 電極
3 プラズマ
4 被処理物
36 ガス流路

Claims (5)

  1. 対向配置された複数の電極及びガス流路を有し、ガス流路にガスを導入すると共に対向する電極間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下でガス流路内にプラズマを生成し、このプラズマをガス流路から吹き出して被処理物の表面に供給するプラズマ処理方法であって、プラズマの吹き出し方向を被処理物の搬送方向に向けて傾けることを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 被処理物の搬送方向において前後に対向させて一対の電極を配置し、後側の電極の先端を前側の電極の先端よりも被処理物側に突出させることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  3. 後側の電極の先端を前側の電極の先端よりも被処理物側に0.05〜2mm突出させることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ処理方法。
  4. 被処理物の搬送方向において前後に対向させて一対の電極を配置し、電極の対向面を被処理物の搬送方向に向けて傾けることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理方法を用いてプラズマ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理装置。
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