JP4026538B2 - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離やエッチング、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、成膜、めっき前処理、コーティング前処理、各種材料・部品の表面改質などの表面処理に利用されるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに好適に応用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、大気圧近傍の圧力下で被処理物をプラズマ処理することが行われている(例えば、特許文献1参照)。このようなプラズマ処理装置の一例として図7に示すようなものがある。このプラズマ処理装置は、対向配置される一対の電極1、2の間を放電空間3として形成し、大気圧近傍の圧力下で放電空間3にプラズマ生成用ガスを導入すると共に電極1、2間に電圧を印加することによって、放電空間3で放電を発生させてプラズマを生成し、このプラズマを放電空間3から吹き出して被処理物に吹き付けることによって、プラズマ処理を行うものである。尚、図中の符号4は電極1、2の対向面に設けた誘電体被覆材、符号7は電極1、2間に電圧を印加するための電源、20は放電空間3にプラズマ生成用ガスを供給するためのノズルである。
【0003】
図7に示すようなプラズマ処理装置においては、放電空間3で安定な放電を得るために、対向する電極1、2のギャップ(間隔)を数mm程度にしており、従って、電極1、2の対向方向と平行な方向において被処理物を一定速度で搬送しながらプラズマを吹き付けて処理しようとした場合、プラズマへの被処理物の曝露時間が非常に短時間であった。そこで、短時間の曝露時間でもプラズマ処理が充分に行えるように、従来では、大量のプラズマ生成用ガスを放電空間3に導入することによりプラズマの吹き出し速度を増加させて被処理物に対する吹き付け圧力を増加したり、あるいは印加電力を上げてプラズマ密度を高めたりすることにより処理効率を向上させるようにしていた。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−358076号公報(図1等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大量のプラズマ生成用ガスを放電空間3に導入する場合は、大量のプラズマ生成用ガスが消費されることになり、ランニングコストが高くなるという問題があった。また、印加電力を上げる場合はプラズマの温度が高くなり、被処理物に熱的なダメージを与えるという問題があった。また、被処理物を遅い速度で搬送してプラズマへの曝露時間を長くすることによって、プラズマ処理が充分に行えるようにし、その代わりに、放電空間に導入するプラズマ生成用ガスを少なくしてその消費量を低減することも考えられるが、この場合は、単位時間当たりに処理できる被処理物が少なくなって生産性が低下するものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、生産性を低下させることなくプラズマ生成用ガスの消費量や印加電力を少なくして低ランニングコストで熱的なダメージの少ないプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るプラズマ処理方法は、対向配置された複数の電極1、2の間に放電空間3を形成すると共に少なくとも一つの電極1(2)の放電空間3側に誘電体被覆材4を設け、放電空間3に球状あるいはペレット状の誘電体粒子5を充填し、放電空間3にプラズマ生成用ガスを供給しながら電極1、2間に電圧を印加することによって、放電空間3に大気圧近傍の圧力下で放電を生じさせてプラズマ6を生成し、このプラズマ6を放電空間3から被処理物9に吹き付けることによって被処理物9をプラズマ6に曝露させるプラズマ処理方法において、上記放電空間3に充填される誘電体粒子5の全量のうち、5〜30体積%が酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子5bであることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の請求項2に係るプラズマ処理方法は、請求項1に加えて、対向する電極1、2において、一方の電極1と他方の電極2のそれぞれに正負が交互に繰り返すパルス波電圧または休止区間のない交番電圧を同時に印加すると共に各電極1、2に印加された電圧の極性を互いに正負逆で位相を重複させることを特徴とするものである。
【0009】
本発明の請求項3に係るプラズマ処理方法は、請求項1又は2に加えて、対向する電極1、2のギャップを5〜40mmにすることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項4に係るプラズマ処理方法は、請求項1乃至3のいずれかに加えて、誘電体粒子5の比誘電率が1000以上であることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項5に係るプラズマ処理方法は、請求項1乃至4に加えて、放電空間3に充填される誘電体粒子5の全量のうち、50体積%以上がチタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子5aであることを特徴とするものである。
【0013】
本発明の請求項6に係るプラズマ処理方法は、請求項1乃至5のいずれかに加えて、開口率が50%以上で絶縁性の保持部材10により誘電体粒子5を放電空間3に保持することを特徴とするものである。
【0014】
本発明の請求項7に係るプラズマ処理方法は、請求項1乃至6のいずれかに加えて、プラズマ生成用ガスが、希ガス、窒素、酸素、空気、水素、炭酸ガスの単独あるいは混合ガスであることを特徴とするものである。
【0015】
本発明の請求項8に係るプラズマ処理方法は、請求項6又は7に加えて、プラズマ生成用ガスの流れ方向において放電空間3に保持した保持部材10よりも上流側に誘電体粒子5を偏らせて充填することを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項9に係るプラズマ処理装置は、請求項1乃至8のいずれかに記載のプラズマ処理方法により被処理物9のプラズマ処理を行うことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
図1に本発明のプラズマ処理装置の一例を示す。このプラズマ処理装置は複数(一対)の電極1、2を備えて形成されている。電極1、2は銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼(SUS304など)、チタン、13クロム鋼、SUS410などの導電性の金属材料を用いて幅方向(図1において紙面と直交する方向と平行な方向)に長い略角棒状あるいは平板状(矩形状)に形成されている。これら電極1、2は幅方向と直交する方向において略水平に対向配置されている。
【0019】
上記電極1、2の両方において、互いに対向する面には誘電体被覆材4が全面に亘って設けられており、電極1の対向面に設けた誘電体被覆材4と電極2の対向面に設けた誘電体被覆材4との間の空間が放電空間3として形成されている。誘電体被覆材4はアルミナ、チタニア、ジルコニアなどのセラミック材料の溶射法により形成することができる。また、誘電体被覆材4には封孔処理を行うことが好ましく、封孔材料としてはエポキシ系樹脂などの有機材料またはシリカなどの無機材料を用いるのが好ましい。また、誘電体被覆材4を形成するにあたって、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化スズ、ジルコニアなどを原料とした無機質材料の釉薬を原料としてホーローコーティングを行うこともできる。上記の溶射法やホーローコーティングの場合、誘電体被覆材4の厚みは0.1〜3mm、より好ましくは0.3〜1.5mmに設定することができる。誘電体被覆材4の厚みが0.1mmよりも薄いと誘電体被覆材4が絶縁破壊する可能性があり、3mmよりも厚いと、対向する電極1、2間に電圧が印加され難くなり、その結果として放電が不安定になる恐れがある。
【0020】
尚、誘電体被覆材4は溶射法やホーローコーティングだけでなく、各種の方法で形成することができ、例えば、板ガラスを電極1、2の表面に配設して誘電体被覆材4としても良い。また、誘電体被覆材4は電極1、2の一方だけに設けるようにしても良く、この場合、放電空間3は誘電体被覆材4を設けていない電極1または2と誘電体被覆材4との間の空間となる。さらに、誘電体被覆材4は電極1、2の対向する面だけでなく、電極1、2の全面に亘って設けても良い。
【0021】
対向配置される電極1、2のギャップ(間隔)は5〜40mmにするのが好ましい。このギャップが5mm未満であると、電極1、2の対向方向における放電空間3の寸法が狭くなり過ぎて本発明の目的を達成しにくくなる恐れがある。また、上記のギャップが40mmを超えると、電極1、2の対向方向における放電空間3の寸法が広くなり過ぎて放電が生じにくくなる恐れがある。
【0022】
上記の放電空間3には誘電体粒子5が均一に充填されており、誘電体粒子5、5間の接触点近傍、及び誘電体粒子5と誘電体被覆材4との接触点近傍において特に高密度なプラズマ6が発生する。誘電体粒子5は粒径が1〜10mmの球状のものや、底面の直径が1〜10mmで高さが1〜7mmのペレット状のものを用いることができるが、球状とペレット状の誘電体粒子5は単独で用いて良いし、併用しても良い。また、誘電体粒子5は放電空間3の全体積に対して20〜70%の充填量にするのが好ましい。誘電体粒子5の充填量が放電空間3の全体積に対して20%未満であると、放電空間3における放電が不安定となる恐れがあり、また、誘電体粒子5の充填量が放電空間3の全体積に対して70%より多いと、放電空間3における放電可能な空間が少なくなりすぎる恐れがあり、いずれの場合も本発明の目的を達成しにくくなる恐れがある。
【0023】
上記の誘電体粒子5はガラス、アルミナ、チタニア、ジルコニアなどのセラミック材料(誘電体材料)等で形成することができるが、放電開始電圧の低下と電極1、2のギャップの長距離化の観点から、上記の誘電体粒子5の比誘電率はできるだけ高い方が好ましく、少なくとも1000以上であることが好ましい。誘電体粒子5の比誘電率が1000未満であると、分極による局所的な電界強度が十分に得られないため、放電開始電圧が高くなり、結果として電極1、2のギャップを縮小せざるを得なくなり、本発明の目的を達成しにくくなる恐れがある。
【0024】
尚、誘電体粒子5の比誘電率は高いほど好ましいので、特に上限は設定されないが、入手の容易性などを考慮して、誘電体粒子5の比誘電率の上限は10000とするのが好ましい。
【0025】
また、上記の誘電体粒子5において、放電空間3に充填される誘電体粒子5の全量に対して50体積%以上はチタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子5aを用いるのが好ましい。チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子5aとはチタン酸バリウムを90モル%以上含有し、残部成分としてチタン酸バリウムのBa2+をPb2+、Sr2+、Ca2+、Cd2+で置換したもの、あるいはTi4+をZr4+、Sn4+、Hf4+、Ce4+で置換したものなどを含有するものであるが、この限りではない。チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子5aの充填量が50体積%未満であると、相対的な比誘電率が低下して放電開始電圧が上昇するため、電極1、2の間に電圧を印加しても放電空間3にプラズマ6が着火しにくくなって放電が発生しにくくなる恐れがある。
【0026】
また、放電空間3に充填される誘電体粒子5の全量に対して5〜30体積%は酸化マグネシウム(MgO、マグネシア)を主成分とする誘電体粒子5bを用いる。酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子5bとは酸化マグネシウムを90モル%以上含有し、残部成分としてアルミナやシリカなどを含有するものである。酸化マグネシウムは他のセラミック材料に比べて二次電子の放出係数が大きくて多くの電子を放出する。従って、誘電体粒子5として5〜30体積%の酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子5bを用いることによって、放電空間3で生じるプラズマ6の密度を高くすることができてプラズマ処理の効率を向上させることができるものである。よって、酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子5bの充填量が5体積%未満であると、放電空間3で生じるプラズマ6の密度が低くなってプラズマ処理の効率を高くすることができない恐れがあり、酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子5bの充填量が30体積%より多くなると、誘電体粒子5の相対的な比誘電率が低下して放電しにくくなるという問題が生じる恐れがある。
【0027】
また、誘電体粒子5は放電空間3の下側開口に設けた保持部材10により放電空間3に保持するのが好ましく、これにより、放電空間3からの誘電体粒子5の脱落を防止することができる。保持部材10としては誘電体粒子5の粒径よりも小さい開口を多数設けたメッシュや孔あき板などを用いることができるが、保持部材10の開口率は50%以上であることが好ましい。開口率が50%未満の保持部材10を用いると、プラズマ6が放電空間3から吹き出しにくくなってプラズマ処理の効率が低くなる恐れがある。尚、保持部材10の開口率は大きいほど好ましいので特に上限は設定されないが、強度等を考慮して100%未満であることが好ましい。また、保持部材10は絶縁性を有するものであって、セラミックス、ガラス、あるいはこれらを被覆した金属や合成樹脂などで形成することができる。
【0028】
本発明のプラズマ処理装置には、一方の電極1に電圧(高電圧)を印加するための電源7と他方の電極2に電圧(高電圧)を印加するための電源8とが備えられている。電源7、8は一つの電源装置で構成してもよいし、あるいは電源7と電源8とをそれぞれ別々の電源装置で構成してもよい。上記の電源7、8は電極1、2に、極性が正負逆(正負対称)で位相が重複して正負がそれぞれ交互となるパルス波電圧又は休止区間のない交番電圧を同時に印加するものである。本発明において「パルス波電圧」とは、電圧のOFF時間が存在する波形の電圧と定義する。従って、電圧のOFF時間さえ存在すれば、電圧がONしている部分の波形はどのようなものでも良い。また、本発明において「休止区間のない交番電圧」とは、正弦波などに代表されるような波形の電圧であり、正弦波や三角波などが含まれる。
【0029】
図2(a)(b)には電源7、8から電極1、2に印加される電圧の一例をタイムチャートで示す。一方の電極1に接続されている電源7からは図2(a)に示すような正負が交互に繰り返すパルス波形の電圧が、他方の電極2に接続されている電源8からは図2(b)に示すような正負が交互に繰り返すパルス波形の電圧がそれぞれ印加されるものであり、しかも、一方の電極1に印加された電圧と他方の電極2に印加された電圧とは極性を互いに正負逆で位相を重複させた状態で同時に印加されるものである。
【0030】
上記のような電源7、8を構成する電源装置としては、半導体高圧スイッチング方式のものやパルストランス方式のものなどを例示することができる。半導体高圧スイッチング方式の電源装置としては、正極性の直流高電圧を発生する正極性直流高電圧電源、負極性の直流高電圧を発生する負極性直流高電圧電源、及びトーテムポール形に接続した半導体スイッチング素子のオン・オフにより、正負の直流高電圧を極性が正負逆で位相が重複して正負がそれぞれ交互となる一対の高電圧のパルス電圧として電極1、2にそれぞれ同時に印加するためのインバータ回路などを備えて形成されているものを例示することができる。また、パルストランス方式の電源装置としては、直流電圧を発生する直流電源、トーテムポール形に接続した半導体スイッチング素子のオン・オフにより、直流電源からの直流電圧を極性が正負逆で位相が重複して正負がそれぞれ交互となる一対の高電圧のパルス電圧とするインバータ回路と、インバータ回路で発生した一対のパルス電圧を高電圧に昇圧して電極1、2にそれぞれ印加する一対のパルストランスなどを備えて形成されているものを例示することができる。
【0031】
尚、本発明において「位相が重複している」とは、図2に示すように、両電極1、2に同時に印加される電圧の位相が両電極1、2間で完全に一致して、両電極1、2間での波形の立ち上がり時点が時間軸上で同期している場合に限らず、図3に示すように、逆極性のパルスの立ち上がり時点は両電極1、2間でずれてはいるが、例えば、一方の電極1側で正の電圧が印加されているとき、他方の電極2側では負の電圧が同時に印加されていて、その電圧持続時間が時間軸上で部分的に重複している場合も含める意味である。
【0032】
また、図2(a)(b)のパルス波形の電圧の代わりに、電極1、2に極性が正負逆(正負対称)で位相が重複して正負がそれぞれ交互となる休止区間のない交番電圧(高電圧)を同時に印加するようにしてもよいのは勿論である。このような休止区間のない交番電圧の代表的な波形としては、図4(a)(b)に示すような正弦波状の波形を例示することができる。この電圧波形の場合、電極1に印加する電圧と電極2に印加する電圧とを両者の位相をずらす(立ち上がり時点をずらす)ことにより、図4(c)に示すように、放電開始に必要な電圧Vpが印加される時間tpが短くなるため、通常の正弦波状の波形においても、幅の狭いパルスを印加した場合と同等の効果が得られるものである。
【0033】
そして、本発明では、一方の電極1と他方の電極2のそれぞれに正負が交互に繰り返すパルス波電圧または休止区間のない交番電圧を同時に印加すると共に各電極1、2に印加された電圧の極性を互いに正負逆で位相を重複させることによって、電極1、2のギャップを大きくしたりプラズマ処理能力を向上させるために放電空間3への投入電力を増加(実質的には繰返し周波数の増加)させたりした際においても、グロー状の均一な放電を発生させて均質なプラズマを得ることができるものであり、これにより、均一なプラズマ処理を行うことができるものである。
【0034】
本発明においてプラズマ生成用ガスとしては、希ガス、窒素、酸素、空気、水素、炭酸ガスから選ばれる単独ガスあるいはこれらのガスを含む混合ガスを用いることができる。希ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトンなどを使用することができるが、放電の安定性や経済性を考慮するとアルゴンを用いるのが好ましい。また、空気としては、好ましくは水分をほとんど含まない乾燥空気を用いることができる。また、混合ガスとしては例えば希ガスと反応ガスとを混合したものを用いることができる。被処理物の表面に存在する有機物のクリーニング、レジストの剥離、有機フィルムのエッチング、LCDの表面クリーニング、ガラス板の表面クリーニングなどを行う場合は、酸素、空気、CO2、N2Oなどの酸化性ガスを反応ガスとして用いるのが好ましく、また、故意に水蒸気を適当量添加することにより酸化性ガスとして機能させることができる。また、反応ガスとしてCF4などのフッ素系ガスも適宜用いることができ、シリコンなどのエッチングを行う場合にはこのフッ素系ガスを用いるのが効果的である。また金属酸化物の還元を行う場合は水素、アンモニアなどの還元性ガスを反応ガスとして用いることができる。反応ガスの添加量は希ガスの全量に対して10体積%以下、好ましくは0.1〜5体積%の範囲である。反応ガスの添加量が0.1体積%未満であれば、処理効果が低くなる恐れがあり、反応ガスの添加量が10体積%を超えると、誘電体バリア放電が不安定になる恐れがある。
【0035】
そして、本発明のプラズマ処理装置を用いてプラズマ処理を行うにあたっては、次のようにして行う。まず、電極1、2の上側に配置したノズル20を用いて、図1(b)に矢印Aに示すように放電空間3にその上側開口からプラズマ生成用ガスを供給する。ノズル20はエアノズルなどとして用いられているものであり、これにより、放電空間3の幅方向(電極1、2の幅方向と同じ)の全長に亘ってほぼ均一にプラズマ生成用ガスを供給することができるものである。また、一方の電極1と他方の電極2のそれぞれに正負が交互に繰り返すパルス波電圧又は休止区間のない交番電圧を同時に印加すると共に各電極1、2に印加された電圧の極性を互いに正負逆で位相を重複させる。このようにして放電空間3に大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa(700〜800Torr))でグロー状の誘電体バリア放電を生じさせる。尚、誘電体バリア放電とは、対をなす(一対の)電極1、2を対向配置して電極1、2の間に放電空間3を形成し、両方の電極1、2の放電空間3側の表面に誘電体被覆材(固体誘電体)4を設けて電極1、2の放電空間3側の表面を覆ったり、一方の電極1(電極2であってもよい)の放電空間3側の表面に誘電体被覆材4を設けて電極1の放電空間3側の表面を覆ったりすることによって、電極1、2間で直接放電が起こらないようにした状態にし、この状態で電極1、2間に交番電圧を印加することによって放電空間3で生じる放電現象である。
【0036】
上記のようにして放電空間3で誘電体バリア放電を発生させることによりプラズマ生成用ガスがプラズマ化されて放電空間3に活性種を含むプラズマ6を生成される。また、放電空間3で生成されたプラズマ6は放電空間3に上側から連続して供給されるプラズマ生成用ガスの圧力により下方に流されると共に保持部材10の開口を通じて放電空間3から吹き出されるものである。尚、放電空間3中においてプラズマ生成用ガス及びプラズマ6は隣接する誘電体粒子5間に形成される微細空間を流動するものである。
【0037】
そして、XYテーブルやベルトコンベア等の搬送手段11により被処理物9を電極1、2の対向方向と平行な方向(水平方向)に一定速度で搬送しながら放電空間3の下側を通過させることにより放電空間3から吹き出されるプラズマ5に被処理物9を暴露させる。被処理物9の搬送方向を矢印Bで示す。このようにして被処理物9にプラズマ処理を施すことができるものである。尚、被処理物9としては、液晶パネル(液晶パネルディスプレイ)用ガラス板、プラズマディスプレイ用ガラス板、プリント配線板等の回路基板、ポリイミドフィルムなどを用いたフィルム基板(フレキシブルプリント配線板)などの板状、シート状、フィルム状のものを例示することができるが、これに限定されるものではない。また、被処理物9の搬送速度は、例えば、10〜200mm/秒とするのが好ましいが、これに限定されるものではない。また、放電空間3の下流側(下側)を通過する際の放電空間3の下側開口と被処理物9と距離は、例えば、2〜20mmとするのが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0038】
本発明において、電極1、2に印加される電圧の繰り返し周波数は、0.5〜1000kHzに設定するのが好ましい。この繰り返し周波数が0.5kHz未満であれば、誘電体バリア放電のプラズマ密度が低くなってしまいプラズマ処理能力(効率)が低下する恐れがあり、一方、上記の繰り返し周波数が1000kHzよりも高くなると、プラズマ密度は増加するものの、アークが発生しやすくなると共にプラズマ温度が上昇してしまう。また、電極1、2間に印加される電界強度は、0.5〜200kV/cmに設定するのが好ましい。電界強度が0.5kV/cm未満であれば、誘電体バリア放電のプラズマ密度が低くなってしまいプラズマ処理能力(効率)が低下する恐れがあり、一方、上記の電界強度が200kV/cmより大きくなると、アークが発生しやすくなって被処理物9に損傷を与える恐れがある。尚、上記の繰り返し周波数や電界強度は、電極1、2の間隔(ギャップ長)、プラズマ生成用ガスの種類、誘電体粒子5の比誘電率や充填量あるいはプラズマ処理の内容などによって適宜設定可能であり、上記の範囲に限定されるものではない。
【0039】
そして、本発明では放電空間3に誘電体粒子5を充填したので、放電の安定性を損なうことなく電極1、2のギャップを大きくすることができ、電極1、2の対向方向における放電空間3の寸法を大きくすることができるものである。よって、放電空間3から吹き出されるプラズマ6の厚み(電極1、2の対向方向における寸法)を大きくすることができるものであり、これにより、電極1、2の対向方向と平行な方向において被処理物9を一定速度で搬送しながらプラズマ6を吹き付けて処理しようとする場合に、プラズマ6への被処理物9の曝露時間を長くすることができるものであり、従って、大量のプラズマ生成用ガスを放電空間3に導入したり電極1、2への印加電力を上げたりしなくても充分なプラズマ処理を被処理物9に施すことができるものであり、プラズマ生成用ガスの消費量を少なくしてランニングコストを低減することができると共に被処理物9への熱的なダメージの発生を抑えることができるものである。また、被処理物9の搬送速度を遅くしたりしなくてもプラズマ6への被処理物9の曝露時間を長くすることができ、生産性を低下させないようにすることができるものである。
【0040】
図5(a)(b)に本発明の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置では放電空間3におけるプラズマ生成用ガスの流れ方向において放電空間3の上流側(上側)の空間に誘電体粒子5を充填したものであり、その他の構成は上記の実施の形態と同様に形成されている。すなわち、放電空間3の上流側の空間のみに誘電体粒子5を充填し、放電空間3の保持部材10よりも下流側の空間には誘電体粒子5を充填しないように形成したものである。
【0041】
このように放電空間3の上流側の空間のみに誘電体粒子5を充填することによって、放電空間3の下流側の空間に誘電体粒子5を充填しなくても放電空間3の全体に亘って誘電体バリア放電を発生させることができる。つまり、放電空間3の上流側の空間では上記と同様にして放電が発生してプラズマ6が生成されるが、このプラズマ6の活性種が放電空間3の下流側の空間にまで流下されることにより、放電空間3の下流側の空間でも放電が容易に発生してプラズマ6が点灯しやすくなるものである。この場合、放電空間3の上流側の空間はプラズマ生成用ガスの予備励起手段として作用するものである。
【0042】
そして、この実施の形態では、電極1、2の下流側の部分においてギャップを容易に広げることが可能となり、本発明の目的を達成しすくすることができるものである。また、放電空間3全体に誘電体粒子5を均一に充填する場合や放電空間3の下流側に誘電体粒子5を偏らせて充填する場合に比べて、放電の安定性や着火性を損なうことなく誘電体粒子5の使用量を減らすことができ、性能を低下させずに安価に形成することができるものである。尚、このようなプラズマ処理装置においては誘電体粒子5は放電空間3の上流側の20〜70体積%の空間のみに誘電体粒子5を充填するのが好ましい。
【0043】
さらに、電極1、2を上流側と下流側で分割して電源を個別に接続して使用することもできる。このような構成にすることにより、例えば周波数、印加電圧あるいは電圧波形の異なる電圧をそれぞれ上流側及び下流側の放電空間3に印加できるようになるため上流側及び下流側の放電を個別に制御できる。そして、この場合は下流側の電極1、2のギャップを容易に広げることが可能となり、本発明の目的を達成しすくすることができるものである。
【0044】
図6に本発明の他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は一対の対向する広壁20、20と一対の対向する狭壁21、21とで構成される角筒22を備えて形成されるものである。この角筒22はガラスやアルミナなどのセラミック製であって、上面及び下面が開口するように形成されている。また、各広壁20の外面の下部には上記と同様の電極1、2が一つずつ設けられており、一対の電極1、2が角筒22を挟んで水平方向に対向配置されている。従って、角筒22の内側空間において電極1、2に挟まれる空間が放電空間3として形成されるものであり、また、電極1、2と接触する広壁20の下部が誘電体被覆材4として形成されるものである。さらに、ハニカム状の保持部材10が角筒22の下面を覆うようにして設けられている。その他の構成は上記実施の形態と同様に形成することができる。
【0045】
このプラズマ処理装置では、角筒22の上面開口から放電空間3にプラズマ生成用ガスを導入するものであり、その後は上記の実施の形態と同様にして被処理物9にプラズマ処理を行うことができるものである。
【0046】
尚、上記のいずれの実施の形態においても、電極1、2を水平方向で対向配置する場合について説明したが、これに限らず、本発明は電極1、2を鉛直方向やその他の方向で対向させるようにしても良い。
【0047】
【実施例】
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0048】
(実施例1)
図1に示すプラズマ処理装置を用いて被処理物9のプラズマ処理を行った。
【0049】
電極1、2は幅900mm×高さ30mm×厚み20mmのステンレス鋼(SUS304)製の平板で形成し、この電極1、2をギャップ10mmで対向配置することにより放電空間3を形成した。また、電極1、2の放電空間3側の表面には溶射により厚み1mmのアルミナの誘電体被膜材4を形成した。
【0050】
誘電体粒子5としては、比誘電率が約4500で直径が3mmのチタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子5aと、直径が2mmの酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子5bとを用いた。チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子5aは、放電空間3に均一に充填した誘電体粒子5の全量に対して70体積%用い、酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子5bは、放電空間3に充填した誘電体粒子5の全量に対して30体積%用いた。
【0051】
保持部材10は開口率が80%でコージェライト製のハニカムを用いた。
【0052】
被処理物9としては液晶パネル用ガラス板(プラズマ処理前の水の接触角度が約55°のもの)を用いた。プラズマ生成用ガスとしては、窒素に酸素を混合したものを用いた。尚、酸素の混合比率は0.2%とした。プラズマ生成のために電極1、2に印加する電圧は、波形条件としては、繰返し周波数20kHz、パルス幅2μsec、電極1、2へ印加する電圧は、VA+、VA−を5kV、VB+、VB−を5.2kVとした。尚、波形パラメータの定義を図2に示す。
【0053】
このような条件で、被処理物9を搬送手段11で搬送して放電空間3の下流側(下側)5mmの位置を100mm/secの速度で通過させることによって、被処理物9にプラズマ6を吹き付けて暴露させて大気圧下でプラズマ処理を行なった後に、水の接触角を測定すると5°以下となり、ガラス板の表面処理を短時間に、かつインラインで行うことができた。また、プラズマ生成用ガスの消費量や印加電力を増加せずにプラズマ処理を生産性を低下させることなく行うことができ、低ランニングコストで熱的なダメージがなかった。
【0054】
(実施例2)
図5に示すプラズマ処理装置を形成した。すなわち、実施例1において誘電体粒子5を放電空間3の上流側の50体積%の空間のみに充填した。この構成以外は実施例1と同様にして被処理物9のプラズマ処理を行った。この実施例2についても実施例1と同様の効果を得られた。
【0055】
(比較例)
誘電体粒子5及び保持部材10を用いなかった以外は、実施例1と同様にしてプラズマ処理装置を形成した。この比較例では放電空間3に放電が発生せず、プラズマ処理を行うことができなかった。
【0056】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1の発明は、対向配置された複数の電極の間に放電空間を形成すると共に少なくとも一つの電極の放電空間側に誘電体被覆材を設け、放電空間に球状あるいはペレット状の誘電体粒子を充填し、放電空間にプラズマ生成用ガスを供給しながら電極間に電圧を印加することによって、放電空間に大気圧近傍の圧力下で放電を容易に生じさせてプラズマを生成し、このプラズマを放電空間から被処理物に吹き付けることによって被処理物をプラズマに曝露させるので、放電の安定性を損なうことなく電極のギャップを大きくすることができ、電極の対向方向における放電空間の寸法を大きくすることができるものであり、よって、被処理物の搬送速度を遅くしたりしなくてもプラズマへの被処理物の曝露時間を長くすることができ、大量のプラズマ生成用ガスを放電空間に導入したり印加電力を上げたりしなくても充分なプラズマ処理を被処理物に施すことができるものであり、生産性を低下させることなくプラズマ生成用ガスの消費量や印加電力を少なくして低ランニングコストで熱的なダメージを少なくすることができるものである。また、放電空間に充填される誘電体粒子の全量のうち、5〜30体積%が酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子であるので、他の材料の誘電体粒子に比べて多くの電子を放出することができ、放電空間で生じるプラズマの密度を高くすることができてプラズマ処理の効率を向上させることができるものである。
【0057】
また、本発明の請求項2の発明は、対向する電極において、一方の電極と他方の電極のそれぞれに正負が交互に繰り返すパルス波電圧または休止区間のない交番電圧を同時に印加すると共に各電極に印加された電圧の極性を互いに正負逆で位相を重複させるので、電極のギャップを大きくしたりプラズマ処理能力を向上させるために放電空間への投入電力を増加させたりした際においても、グロー状の均一な放電を発生させて均質なプラズマを得ることができるものであり、これにより、均一なプラズマ処理を行うことができるものである。
【0058】
また、本発明の請求項3の発明は、対向する電極のギャップを5〜40mmにするので、対向する電極のギャップが狭すぎたり広すぎたりすることがなくなって、放電の安定性及びプラズマ処理能力を損なわないようにすることができるものである。
【0059】
また、本発明の請求項4の発明は、誘電体粒子の比誘電率が1000以上であるので、より安定した放電を発生させることができるものである。
【0060】
また、本発明の請求項5の発明は、放電空間に充填される誘電体粒子の全量のうち、50体積%以上がチタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子であるので、放電空間にプラズマを容易に着火させることができ、プラズマ処理を容易に開始することができるものである。
【0062】
また、本発明の請求項6の発明は、開口率が50%以上で絶縁性の保持部材により誘電体粒子を放電空間に保持するので、プラズマの吹き出しを損なうことなく保持部材で放電空間から誘電体粒子の脱落を防止することができ、プラズマ処理能力の低下を防止することができるものである。
【0063】
また、本発明の請求項7の発明は、プラズマ生成用ガスが、希ガス、窒素、酸素、空気、水素、炭酸ガスの単独あるいは混合ガスであるので、プラズマ生成用ガスの種類を変えることによって、各種のプラズマ処理を行うことができるものである。
【0064】
また、本発明の請求項8の発明は、プラズマ生成用ガスの流れ方向において放電空間に保持した保持部材よりも上流側に誘電体粒子を偏らせて充填するので、放電の安定性や着火性を損なうことなく誘電体粒子の使用量を減らすことができ、性能を低下させずに安価に形成することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、(a)(b)は断面図である。
【図2】(a)は同上の電極1に印加される電圧波形の一例を示す説明図、(b)は同上の電極2に印加される電圧波形の一例を示す説明図である。
【図3】同上の逆極性のパルスの立ち上がり時点を両電極間で少しずらした場合のタイミングチャートである。
【図4】(a)(b)(c)は同上の逆極性の正弦波状の波形の電圧の立ち上がり時点を両電極間でずらした場合のタイミングチャートである。
【図5】同上の他の実施の形態の一例を示し、(a)(b)は断面図である。
【図6】同上の他の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図7】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 電極
2 電極
3 放電空間
4 誘電体被覆材
5 誘電体粒子
5a チタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子
5b 酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子
6 プラズマ
9 被処理物
10 保持部材
Claims (9)
- 対向配置された複数の電極の間に放電空間を形成すると共に少なくとも一つの電極の放電空間側に誘電体被覆材を設け、放電空間に球状あるいはペレット状の誘電体粒子を充填し、放電空間にプラズマ生成用ガスを供給しながら電極間に電圧を印加することによって、放電空間に大気圧近傍の圧力下で放電を生じさせてプラズマを生成し、このプラズマを放電空間から被処理物に吹き付けることによって被処理物をプラズマに曝露させるプラズマ処理方法において、上記放電空間に充填される誘電体粒子の全量のうち、5〜30体積%が酸化マグネシウムを主成分とする誘電体粒子であることを特徴とするプラズマ処理方法。
- 対向する電極において、一方の電極と他方の電極のそれぞれに正負が交互に繰り返すパルス波電圧または休止区間のない交番電圧を同時に印加すると共に各電極に印加された電圧の極性を互いに正負逆で位相を重複させることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理方法。
- 対向する電極のギャップを5〜40mmにすることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法。
- 誘電体粒子の比誘電率が1000以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
- 放電空間に充填される誘電体粒子の全量のうち、50体積%以上がチタン酸バリウムを主成分とする誘電体粒子であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
- 開口率が50%以上で絶縁性の保持部材により誘電体粒子を放電空間に保持することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
- プラズマ生成用ガスが、希ガス、窒素、酸素、空気、水素、炭酸ガスの単独あるいは混合ガスであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のプラズマ処理方法。
- プラズマ生成用ガスの流れ方向において放電空間に保持した保持部材よりも上流側に誘電体粒子を偏らせて充填することを特徴とする請求項6又は7に記載のプラズマ処理方法。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のプラズマ処理方法により被処理物のプラズマ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理装置。
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