JP4079056B2 - プラズマ処理方法及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理物の表面に存在する有機物等の異物のクリーニング、レジストの剥離やエッチング、有機フィルムの密着性の改善、金属酸化物の還元、成膜、めっき前処理、コーティング前処理、各種材料・部品の表面改質などの表面処理に利用されるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置に関するものであり、特に、精密な接合が要求される電子部品の表面のクリーニングに好適に応用されるものである。
従来より、対向配置された電極間にガスを導入すると共に上記電極間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下で放電を発生させてプラズマを生成し、このプラズマを電極間から吹き出して被処理物に供給することによって、被処理物にプラズマ処理を施すことが行われている。
上記のようなプラズマ処理方法において、電極間に導入されるガスとしては各種のものが提案されているが、例えば、放電の安定性やプラズマ処理能力や経済性等を考慮して窒素(N)単独あるいは窒素と酸素(O)の混合ガスを用いることが行われている(例えば、非特許文献1参照)。
この非特許文献1には、大気圧下における吹き出し型プラズマ処理において窒素と酸素の混合ガスを用いる場合に、酸素濃度を3体積%以下にすると高い処理速度が得られることが記載されている。また、酸素濃度が3体積%以下の場合では酸素濃度が徐々に減少するほど処理性能が向上し、酸素濃度0%すなわち窒素単独で処理した場合に処理速度が最大になることが示されている。
このように窒素単独をプラズマ処理用のガスとして用いた場合は、非特許文献1に記載されているように、「プラズマで励起された窒素励起種が基板表面の空気(特に酸素)を間接励起することで、オゾンや酸素励起種を生成し、その反応種によって」被処理物の表面の洗浄や改質が行われると考えられる。
しかし、非特許文献1に記載されているような間接励起を用いたプラズマ処理方法では、被処理物の表面周辺の空気が不足して空気中の酸素の解離確率が低下することがあり、これにより、オゾンや酸素励起種が少なくなってプラズマ処理能力が低いという問題があった。
「大気圧プラズマによるLCD洗浄技術」積水化学工業(株)湯浅基和、第50回応用物理学関係連合講演会、講演予稿集(2003.3.神奈川大学)
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、プラズマ処理能力を高くすることができるプラズマ処理方法及びプラズマ処理装置を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るプラズマ処理方法は、対向配置された複数の電極1、2及びガス流路36を有し、ガス流路36にガスを導入すると共に対向する電極1、2間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下でガス流路36内にプラズマ3を生成し、このプラズマ3をガス流路36から吹き出して被処理物4の表面に供給するプラズマ処理方法であって、被処理物4の表面にプラズマ3を供給した後、空気又は酸素を含み且つ温度25〜80℃で相対湿度40〜80%のガス6にプラズマ3を供給した被処理物4の表面を曝露し、この後、前記ガス6に曝露した被処理物4の表面に再びプラズマ3を供給することを特徴とするものである。
本発明によれば、プラズマ3の供給で被処理物4の表面を活性化して酸素分子が吸着しやすい状態にした後、酸素を含むガス6に暴露して被処理物4の表面に酸素分子を吸着させ、この後、酸素分子を吸着させた被処理物4の表面にプラズマ3をさらに供給することによって、被処理物4の表面に吸着した酸素分子をプラズマ3で活性化することができ、これにより、オゾンや酸素励起種が多くなってプラズマ処理能力を高くすることができるものである。
本発明の請求項2に係るプラズマ処理方法は、対向配置された複数の電極1、2及びガス流路36を有し、ガス流路36にガスを導入すると共に対向する電極1、2間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下でガス流路36内にプラズマ3を生成し、このプラズマ3をガス流路36から吹き出して被処理物4の表面に供給するプラズマ処理方法であって、空気又は酸素を含み且つ温度25〜80℃で相対湿度40〜80%のガス6の雰囲気中で被処理物4の表面に紫外線を照射した後、紫外線(UV)を照射した被処理物4の表面にプラズマ3を供給することを特徴とするものである。
本発明によれば、紫外線照射により被処理物4の表面を活性化して酸素分子が吸着しやすい状態にすると共に被処理物4の表面に酸素分子を吸着させることができ、この後、被処理物4の表面に吸着した酸素分子をプラズマ3で活性化することができ、これにより、オゾンや酸素励起種が多くなってプラズマ処理能力を高くすることができるものである。
本発明の請求項3に係るプラズマ処理装置は、請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法を用いてプラズマ処理を行うことを特徴とするものである。
本発明は、プラズマの供給で被処理物の表面を活性化して酸素分子が吸着しやすい状態にした後、酸素を含むガスに暴露して被処理物の表面に酸素分子を吸着させ、この後、酸素分子を吸着させた被処理物の表面にプラズマをさらに供給することによって、被処理物の表面に吸着した酸素分子をプラズマで活性化することができ、これにより、オゾンや酸素励起種が多くなってプラズマ処理能力を高くすることができるものである。
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1に本発明のプラズマ処理装置の一例を示す。このプラズマ処理装置は吹き出し式であって、電極支持筐体22に一対(二つ)の電極1、2を設けて形成されるプラズマ発生器21を備えたものである。
電極1、2は銅、アルミニウム、真鍮、耐食性の高いステンレス鋼(SUS304など)、チタン、13クロム鋼、SUS410などの導電性の金属材料を用いて幅方向に長い略角棒状に形成されるものであって、その内部には冷却水を流通させるための流水路37が略全長に亘って設けられている。尚、図1において電極1、2の幅方向は紙面と直交する方向であって、本発明のプラズマ処理装置はこの幅方向と直交する方向に被処理物4を搬送しながらプラズマ処理を行うものである。
また、電極1、2の表面にはアルミナ、チタニア、ジルコニアなどのセラミック材料の溶射法により誘電体被膜40が全面に亘って形成されている。また、誘電体被膜40には封孔処理を行うことが好ましい。封孔材料としてエポキシ系樹脂などの有機材料またはシリカなどの無機材料を用いることができる。このようなセラミック溶射被覆材料による誘電体被膜40として特に有効な材料はアルミナである。
また、誘電体被膜40を形成するにあたって、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化スズ、ジルコニアなどを原料とした無機質材料の釉薬を原料としてホーローコーティングを行うこともできる。上記の溶射法やホーローコーティングの場合、誘電体被膜40の厚みは0.1〜3mm、より好ましくは0.3〜1.5mmに設定することができる。誘電体被膜40の厚みが0.1mmよりも薄いと誘電体被膜40が絶縁破壊する可能性があり、3mmよりも厚いと、対向する電極1、2間に電圧が印加され難くなり、その結果として放電が不安定になる恐れがある。
電極支持筐体22はステンレス鋼等の金属材料で電極1、2と同様に幅方向に長く形成されている。また、電極支持筐体22には上下に貫通するスリット状のガス流路36が形成されていると共にガス流路36を挟んで対向する電極支持筐体22の二つ内面には電極収容凹部27が設けられている。そして、各電極収容凹部27に上記の電極1、2を一つずつ収容するようにして電極支持筐体22に一対の電極1、2が設けられている。ここで、各電極1、2と電極支持筐体22との間には合成樹脂等で形成される絶縁性のスペーサ28が設けられており、これにより、電極1、2と電極支持筐体22との絶縁性が確保されている。また、電極支持筐体22に設けた一対の電極1、2はガス流路36を挟んで対向配置されるものであり、電極1、2間のガス流路36が放電空間5として形成されている。尚、本発明のプラズマ処理装置には上記一対の対向する電極1、2の間隔を電極1の幅方向の略全長に亘って一定に保つためのギャップ間距離調整機構を具備するのが好ましい。
上記のように電極支持筐体22に設けられた電極1、2は被処理物4の搬送方向と平行方向(水平方向)に並べることにより、被処理物4の搬送方向において前後に対向配置されている。また、被処理物4は電極1、2の下側において図1に矢印で示す一方向に搬送されるものである。また、上記対向する電極1、2は所定の間隔の放電空間5を介して略平行に対向配置されるものであるが、電極1、2の間隔(電極1、2の対向面に設けた誘電体被膜40間の間隔)は、0.2〜3mmにするのが好ましい。対向する電極1、2の間隔(ギャップ間距離)が上記の範囲を逸脱すると、均一なグロー状の放電を安定して生成することが難しくなる恐れがある。
このプラズマ処置装置には図2に示すように、電極1に昇圧トランス48を介して電源47が電気的に接続されている。また、対向する一対の電極1、2は中点接地されていて、両電極1、2とも接地に対して浮いた状態で電圧を印加されているのが好ましい。このために、被処理物4と電極1との電位差が小さくなってアークの発生を防止することができ、アークによる被処理物4の損傷を防ぐことができるものである。
また、本発明のプラズマ処理装置は上記のように電極支持筐体22と電極1、2とで形成されるプラズマ発生器21を被処理物4の搬送方向と平行方向(水平方向)に隣接させて並べると共に隣接する電極支持筐体22の上面間に亘ってガスノズル23が設けられている。ガスノズル23は電極1、2の幅方向と略平行に長く形成されるものであって、ガスノズル23の下面にはスリット状の二つのノズル口35がガスノズル23の幅方向の略全長に亘って形成されている。このガスノズル23は、各ノズル口35を各電極支持筐体22のガス流路36の上側開口にそれぞれ位置合わせした状態で配設されている。
上記のように形成されるプラズマ処理装置を用いて、大気圧近傍の圧力下(93.3〜106.7kPa(700〜800Torr))で液晶パネルディスプレイ(LCD)用ガラス板などの平板状の被処理物4にプラズマ処理を施すにあたっては、次のようにして行う。まず、対向配置された一対の電極1、2の上方に設けたガスノズル23内にプラスマ生成用ガスを導入すると共にガスノズル23内でプラスマ生成用ガスを幅方向に流しながら徐々にノズル口35から吹き出すようにする。ここで、プラズマ生成用ガスはガスノズル23の幅方向の全長に亘って略均一に吹き出されるものである。
本発明で用いるプラズマ生成用ガスとしては、特に限定しなくても放電を安定して発生させることができるものであればよく、希ガス類も使用できるが、特に、大気圧下で放電開始電圧10kV/cm以上のガスが好ましい。放電開始電圧10kV/cm以上のプラズマ生成用ガスとしては、窒素、酸素、水素、メタン、アンモニア、空気、水蒸気、各種有機モノマー、フッ素含有ガスなどの単独または混合ガスを例示できる。尚、本発明において、プラズマ生成用ガスの放電開始電圧は100kV/cm以下であることが好ましい。
次に、ガスノズル23のノズル口35から吹き出されたプラズマ生成用ガスは、ガス流路36に導入されてガス流路36内を上流(上側)から下流(下側)へと流れた後、対向する一対の電極1、2の間の放電空間5に上側開口から導入される。そして、対向する一対の電極1、2の間に電源47で電圧を印加して誘電体バリア放電を発生させると共に対向する一対の電極1、2の間に導入されたプラズマ生成用ガス(分子)を対向する電極1、2間に印加された電界の作用により励起して活性種を生成するものであり、これにより、プラズマ(放電ガス)3が生成されるものである。
本発明のプラズマ処理において、電源47により対向する一対の電極1、2間に周波数が30〜500kHzの連続交番波形の電圧を印加するのが好ましく、また、電界強度が50〜200kV/cmの電圧を印加するのが好ましい。上記の連続交番波形とは、パルス波形のように対向する一対の電極1、2間に電圧が印加されない休止区間が生じるものではなく、連続して対向する一対の電極1、2間に電圧が印加されるような交番波形であって、例えば、正弦波の波形にすることができる。また、電極1、2間にパルス波形電圧(パルス状の電圧波形)を印加することもできる。パルス波形電圧とは休止区間を設けて規則的に一定の形状の電圧を繰り返し印加するものであり、例えば、立ち上がり時間および立ち下がり時間を100μsec以下、繰り返し周波数を0.5〜1000kHz、電極1、2間に印加される電界強度を0.5〜200kV/cmの波形を印加することで安定的に処理を行うことができる。また、対向する電極1、2の間隙(放電空間5)に供給されるガスの流速が5〜20m/秒となるようにするのが好ましい。このようなガスの流速を調整するにあたっては、対向する電極1、2の間隔やガスの流量などを調整するようにする。
上記のようにして生成されたプラズマ3は放電空間5の下流側開口から電極1、2の幅方向の全長に亘ってプラズマジェットとしてカーテン状に吹き出されるものであるが、このプラズマ処理装置では二基のプラズマ発生器21からそれぞれプラズマ3が吹き出されるものである。また、二基のプラズマ発生器21から吹き出されるプラズマ3は被処理物4の搬送方向と平行な方向に並んで対向しているが、これらプラズマ3、3の間には酸素を含むガス6として空気が存在していることになる。
そして、上記のようにして二基のプラズマ発生器21でプラズマ3を発生させて吹き出すようにした後、被処理物4を二基のプラズマ発生器21の電極1、2の下流側(下側)にXYテーブルなどの搬送手段50で搬送し、被処理物4の表面にプラズマ3を吹き付けて供給(曝露)することによって、被処理物4のプラズマ処理を行うことができるものであるが、本発明では、被処理物4の搬送方向において上流側にある一方のプラズマ発生器21から被処理物4の表面にプラズマ3を吹き付けて供給した後、酸素を含むガス6である空気にプラスマ3を供給した被処理物4の表面を曝露し、この後、被処理物4の搬送方向において下流側にある他方のプラズマ発生器21から酸素を含むガス6に曝露した被処理物4の表面に再度プラズマ3を吹き付けて供給することによって、プラズマ処理されるものである。
このように酸素を含むガス6に曝露する工程を挟んで前後に被処理物4の表面にプラズマ3を供給する工程を設けてプラズマ処理を行うことによって、例えば、図4に示すような酸素を含むガスに暴露させないでプラズマ処理を行う場合に比べて、処理能力を向上させることができる。つまり、最初のプラズマ3の供給で被処理物4の表面を活性化して酸素分子(または原子状酸素)が吸着しやすい状態にした後、酸素を含むガス6に暴露する工程で被処理物4の表面に酸素分子を吸着させ、この後、酸素分子を吸着させた被処理物4の表面にプラズマ3を供給することによって、被処理物4の表面に吸着した酸素分子を活性化することができ、これにより、処理能力を向上させることができるものである。
この実施の形態において、最初にプラスマ3を被処理物4の表面に供給した後、すぐに連続して被処理物4の表面を酸素を含むガス6に曝露させるものであり、これにより、被処理物4の表面の活性化状態が低下する前に酸素分子を吸着させることができ、また、被処理物4の表面を酸素を含むガス6に曝露させた後、すぐに連続して二回目のプラスマ3を被処理物4の表面に供給するものであり、これにより、被処理物4の表面に吸着した酸素分子が離脱する前にプラスマ3を供給することができ、いずれの場合もプラスマ処理能力の低下を防止することができる。また、被処理物4に対するプラスマ3の供給時間や酸素を含むガス6に対する被処理物4の表面の曝露時間などは被処理物4の種類やプラズマ処理の内容などによって適宜設定可能である。
図3に他の実施の形態を示す。このプラズマ処理装置は、上記と同様のプラズマ発生器21と紫外線照射装置30とを備えて形成されるものである。プラズマ発生器21は一基であって、その上側には上記と同様のガスノズル23が設けられている。また、プラズマ発生器21の上方は排気カバー20で覆われている。紫外線照射装置30としてはエキシマUVランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプなどを例示することができる。この紫外線照射装置30は被処理物4の搬送方向においてプラズマ発生器21よりも上流側に配置されている。その他の構成は上記の実施の形態と同様である。
このように形成されるプラズマ処理装置を用いて、大気圧近傍の圧力下で被処理物4にプラズマ処理を施すにあたっては、まず、紫外線照射装置30の下方を通過するように上記と同様の搬送手段50で被処理物4を搬送する。これにより、酸素を含むガス6である空気の雰囲気中で被処理物4の表面に紫外線照射装置30から紫外線が照射される。この時に照射される紫外線の強さは被処理物4の種類や紫外線の波長等によって異なるが、例えば、4〜100mW/cmにすることができる。そして、この紫外線照射により被処理物4の表面を活性化して酸素分子が吸着しやすい状態にすると共に被処理物4の表面に酸素分子を吸着させるものである。
このようにして被処理物4の表面に酸素分子を吸着させた後、被処理物4をプラズマ発生器21の電極1、2の下流側(下側)に搬送手段50で搬送し、プラズマ発生器21の放電空間5で発生させたプラズマ3を、酸素分子を吸着させた被処理物4の表面に供給することによって、被処理物4のプラズマ処理を行うことができる。尚、プラズマ3の発生条件や供給方法は上記と同様である。
そして、この実施の形態では、被処理物4の表面にプラズマ3を供給する前に、酸素を含むガス6の雰囲気中で被処理物4の表面に紫外線を照射するので、被処理物4の表面に酸素分子を吸着させた後、被処理物4の表面にプラズマ3を供給するすることができ、酸素分子を吸着させた被処理物4の表面にプラズマ3を供給することによって、被処理物4の表面に吸着した酸素分子を活性化して処理能力を向上させることができるものである。
この実施の形態においては、被処理物4の表面に紫外線を供給した後、すぐに連続してプラスマ3を被処理物4の表面に供給するものであり、これにより、被処理物4の表面に吸着した酸素分子が離脱する前にプラスマ3を供給することができ、プラスマ処理能力の低下を防止することができる。
上記のいずれの実施の形態においても、酸素を含むガス6として空気を用いたが、これに限らず、例えば、酸素ガスと窒素ガスの混合ガスや酸素ガスと希ガスとの混合ガスなどを用いることができる。
また、本発明において、酸素を含むガス6は水蒸気を含有し、さらにCO、Oなどが含有されているのが好ましい。特に、水蒸気の場合は酸素分子に加えて、被処理物4の表面への水分子やヒドロキシ基(OH基)の吸着が考えられ、これにより、処理効果を高めることができる。水蒸気を含む場合のガス(空気)としては、ガス温度が25℃〜80℃で相対湿度40%〜80%、より好ましくはガス温度が30℃〜60℃、相対湿度50%〜70%である。相対湿度が40%未満だと処理効果の向上が少なくなる恐れがあり、80%を超えると逆にプラズマが失活し、処理効果が低下し、また被処理物4への結露という問題も生じる恐れがある。さらに、ガス温度が25℃未満だと処理効果の向上が少なくなる恐れがあり、80℃を超えると被処理物4への熱ダメージが生じる恐れがある。
また、上記のいずれの実施の形態においても、被処理物4を略水平に搬送する場合について説明したが、これに限らず、本発明は被処理物4をいずれの方向(例えば鉛直方向)に搬送する場合についても適用することができるものである。また、本発明においては、電極の個数は二つ以上であれば必要に応じて任意に設定することができる。また、電圧の印加条件も上記のものには限定されず、例えば、印加電圧の周波数や波形形状、電界強度、ガス流速等は必要に応じて任意に設定することができる。
以下本発明を実施例によって具体的に説明する。
(参考例1)
図1に示すプラズマ処理装置を形成した。電極1、2は長さ1100mmのステンレス鋼製であり、電極1、2の表面に溶射法を用いて1mmの厚みでアルミナの層を形成して誘電体被膜40とした。また、電極1、2の内部には冷却水を循環した。このように形成される一対の電極1、2を未放電時において1mmの間隔を設けて対向配置した。また、未放電時においてガス流路36に上流側よりプラズマ生成用ガスをガス流速が10m/秒となるように流した。プラズマ生成用ガスとしては窒素を用いた。また、一回目と二回目のプラズマ3の供給の間に被処理物4の表面が曝露される酸素を含むガス6としては乾燥空気(温度25℃、相対湿度30%)を用いた。また、一対の電極1、2間に印加される電圧は周波数80kHzで電界強度100kV/cmで、その波形は正弦波の形状とした。このような条件で大気圧下でプラズマ3を生成し、電極1、2の下流側より5mm離れた位置で、被処理物4として液晶用ガラス板を8m毎分のスピードで通過させることによってプラズマ処理を行った。
この結果、未処理時に約50°であった被処理物4の水の接触角が約5°となった。また、被処理物4としてアクリル樹脂で構成される液晶用カラーフィルターの表面を処理した場合、未処理では50°であった水の接触角が15°まで改質された。
(参考例2)
図3に示すプラズマ処理装置を形成した。プラズマ発生器21としては参考例1と同様のものを一基だけ用いた。また、紫外線照射装置30としては低圧水銀ランプ(波長253.7nm)を用いた。この紫外線照射装置30は被処理物4の搬送方向においてプラズマ発生器21よりも100mm上流側に設置し、また、被処理物4との距離が5mmとなるように搬送手段50の上方に設置した。そして、プラズマ3を供給する前に、酸素を含むガス6である空気中で紫外線照射装置30を点灯させて被処理物4の表面に紫外線を照射した。
また、未放電時においてガス流路36に上流側よりプラズマ生成用ガスをガス流速が20m/秒となるように流した。また、一対の電極1、2間に印加される電圧は周波数300kHzで電界強度100kV/cmで、その波形は正弦波の形状とした。このような条件で大気圧下でプラズマ3を生成し、電極1、2の下流側より5mm離れた位置で、被処理物4を3m毎分のスピードで通過させることによってプラズマ処理を行った。
これら以外は参考例1と同様にした結果、被処理物4が参考例1と同様の液晶用ガラス板の場合、プラズマ処理後の水の接触角が5°となり、被処理物4が参考例1と同様の液晶用カラーフィルターの場合、プラズマ処理後の水の接触角が20°となった。
(実施例3)
参考例1において、乾燥空気の代わりに湿潤空気(40℃、相対湿度60%)の雰囲気中で行った。その他の条件は参考例1と同様であった。
このような条件で大気圧下でプラズマ3を生成し、電極1、2の下流側より5mm離れた位置で、被処理物4として液晶用ガラス板を10m毎分のスピードで通過させることによってプラズマ処理を行った。
この結果、未処理時に約50°であった被処理物4の水の接触角が約4°となった。また、被処理物4としてアクリル樹脂で構成される液晶用カラーフィルターの表面を処理した場合、未処理では50°であった水の接触角が10°まで改質された。
(比較例)
図4に示すプラズマ処理装置を用いた。このプラズマ処理装置は参考例2において紫外線照射装置30を除いて形成されるものである。そして、紫外線を照射しないで被処理物4を参考例2と同条件でプラズマ処理を行った結果、被処理物4が液晶用ガラス板の場合、プラズマ処理後の水の接触角が15°となり、被処理物4が液晶用カラーフィルターの場合、プラズマ処理後の水の接触角が35°となり、いずれの場合も比較例は参考例1、2に比べて、プラズマ処理能力が低くなった。
本発明の実施の形態の一例を示す概略の断面図である。 同上の回路の一例を示す概略図である。 同上の他の実施の形態を示す概略の断面図である。 比較例を示す概略の断面図である。
符号の説明
1 電極
2 電極
3 プラズマ
4 被処理物
6 酸素を含むガス
36 ガス流路

Claims (3)

  1. 対向配置された複数の電極及びガス流路を有し、ガス流路にガスを導入すると共に対向する電極間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下でガス流路内にプラズマを生成し、このプラズマをガス流路から吹き出して被処理物の表面に供給するプラズマ処理方法であって、被処理物の表面にプラズマを供給した後、空気又は酸素を含み且つ温度25〜80℃で相対湿度40〜80%のガスにプラズマを供給した被処理物の表面を曝露し、この後、前記ガスに曝露した被処理物の表面に再びプラズマを供給することを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 対向配置された複数の電極及びガス流路を有し、ガス流路にガスを導入すると共に対向する電極間に電圧を印加することにより大気圧近傍の圧力下でガス流路内にプラズマを生成し、このプラズマをガス流路から吹き出して被処理物の表面に供給するプラズマ処理方法であって、空気又は酸素を含み且つ温度25〜80℃で相対湿度40〜80%のガスの雰囲気中で被処理物の表面に紫外線を照射した後、紫外線を照射した被処理物の表面にプラズマを供給することを特徴とするプラズマ処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載のプラズマ処理方法を用いてプラズマ処理を行うことを特徴とするプラズマ処理装置。
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